67
57回酪農公開講座 酪農を未来へつなぐ 1 酪農経営の動向と これからの家族酪農 吉野宣彦(酪農学園大学) 20191018講演1

1 酪農経営の動向と これからの家族酪農...Ⅰ.酪農経営の動向(公表統計) Ⅱ.収益性格差の実態 (業務統計と聞き取り調査) Ⅲ.経営改善の実際

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  • 第57回酪農公開講座酪農を未来へつなぐ

    1

    酪農経営の動向とこれからの家族酪農

    吉野宣彦(酪農学園大学)

    2019年10月18日

    講演1

  • Ⅰ.酪農経営の動向(公表統計)Ⅱ.収益性格差の実態

    (業務統計と聞き取り調査)Ⅲ.経営改善の実際

    (吉野と農協・農家の実践)Ⅳ.おわりに

    2

    はじめに

    テーマ:「中小規模」家族酪農が存続する可能性をデータで示し、存続のための取り組みを実践から提案する。

  • (1)労働時間の長さ(2)借入金の大きさ(3)収益性の低さ(4)担い手の不足*5)環境への負荷(省略)

    統計分析

    酪農3大問題

    3

    Ⅰ.酪農経営の基本動向(公表統計)

    1)稲作・畑作と比べて(北海道)

    2)経産牛頭数階層で比べて3)主要市町村と比べて(公表統計で可能な限りで)

  • 1,446

    1,148 1,154 1,264 1,344 1,326

    2,008

    1,479 1,626

    1,471 1,324 1,373 1,335

    2,027

    2,391 2,489

    2,653 2,459

    2,574 2,546

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2,500

    3,000

    1970 1980 1990 2000 2010 2015 2017

    稲作単一経営

    畑作経営

    酪農単一経営

    資料:北海道農林統計協会『北海道農林水産統計年報(農業経営統計編)』各年による。注:2017年以降、稲作単一経営の掲載がなくなった。

    (時間/人)

    1)稲作・畑作と比べて(1)家族1人当たり自家農業労働時間)

    4

  • 2,076

    7,193 9,453 9,382

    1,996

    4,947 2,433

    7,909

    16,576 14,635

    11,540 11,195 13,307

    2,510

    23,359 24,797

    30,557

    38,681 40,551

    42,644

    0

    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    30,000

    35,000

    40,000

    45,000

    1970 1980 1990 2000 2010 2015 2017

    稲作単一経営

    畑作経営

    酪農単一経営

    資料:北海道農林統計協会『北海道農林水産統計年報(農業経営統計編)』各年による。注:2017年以降、稲作単一経営の掲載がなくなった。

    (千円)(2)借入金残高の大きさ(年度末)

    5

  • 57

    40 40

    23

    32

    38 40 45

    45

    29

    33

    29

    33

    36 33

    27 28

    24

    15 21

    27

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    1970 1980 1990 2000 2010 2015 2017

    稲作単一経営

    畑作経営

    酪農単一経営

    資料:北海道農林統計協会『北海道農林水産統計年報(農業経営統計編)』各年による。注:2017年以降、稲作単一経営の掲載がなくなった。

    (%) (3)収益性の低さ(農業所得率、%)

    6

    ●農業所得(=収益)=農業粗収益-農業経営費、(≒農業収入ー農業支出)

    ●農業所得率(=収益性≒換算頭数当たりの所得)=農業所得/農業粗収益×100、 (≒農業所得/農業収入)

  • 7

    (1)-①

    2)経産牛頭数階層別で比べて

  • 8

    資料:農林水産省「営農類型別経営統計」の酪農単一経営、経営全体をもとに作成。

    (1)-②

  • 9

    (時間/年)

    (1)-③

  • 10資料:農林水産省「営農類型別経営統計」の酪農単一経営、経営全体をもとに作成。

    (2)-

  • 29,483

    41,532

    67,913

    92,815

    169,512

    8,519 10,457 16,266

    19,705 25,410

    29

    25 24

    21

    15

    0

    5

    10

    15

    20

    25

    30

    0

    20,000

    40,000

    60,000

    80,000

    100,000

    120,000

    140,000

    160,000

    180,000

    20~30 30~50 50~80 80~100 100頭以上

    農業所得率(%)

    経営収支(千円)

    経産牛頭数階層

    農業粗収益

    農業所得

    農業所得率

    経営費

    資料:農林水産省「営農類型別経営統計」の酪農単一経営、経営全体をもとに作成。

    ●農業所得(=収益)=農業粗収益-農業経営費

    11

    (3) 収益性(2015年度)

    ●農業所得率(=収益性)=農業所得/農業粗収益×100

  • 12

    3)主要市町村と比べて(1)

  • 13

    労働力の不足

    資料:センサス2015年による。

    (2)-①25~39才/50~64才×100

    別海町:59.9%東宗谷:52.1%

    遠軽・湧別・佐呂間:42.0%

  • 14

    Ⅰの小括

    1)稲作・畑作と比べて酪農は、深刻な過重労働、大きな借金、低い収益性となっている。

    2)経産牛頭数階層別に見て、中小規模酪農は、一時的には借金と収益性について一息ついた。が、過重労働は続いている。

    3)遠軽・湧別・佐呂間地域は、中小規模な酪農が多いが、酪農専業地帯の市町村と比べて、深刻な担い手不足が予想される。

  • 29,483

    41,532

    67,913

    92,815

    169,512

    8,519 10,457 16,266 19,705

    25,410

    29

    25 24

    21

    15

    0

    5

    10

    15

    20

    25

    30

    35

    0

    20,000

    40,000

    60,000

    80,000

    100,000

    120,000

    140,000

    160,000

    180,000

    20~30 30~50 50~80 80~100 100頭以上

    経営収支(

    千円)

    経産牛頭数階層

    農業粗収益

    農業所得

    農業所得率

    資料:農林水産省「営農類型別経営統計」の酪農単一経営、経営全体をもとに作成。

    4)経産牛頭数階層別の平均経営収支(2015年度)

    15

    Q1.頭数規模を拡大すると所得は増加するか?

    ①はい②いいえ③様々

    Ⅱ.収益性格差の実態(クミカン等業務データ+聞き取り調査)

  • ●注1:クミカン農業所得(家族労賃+利子含

    む)=農業収入ー(農業支出ー家族労賃・報酬ー支払利息)●注2:農業支出には減

    価償却費が含まれないことに注意

    資料:JA-A548戸(2012年。TMRセンター参加者と飼料費0を除いた。

    (千円)

    拡大

    16

    1.規模と収益の相関とその理由

  • 17

    経産牛と農業所得(家族労賃+利子含む)の相関図(部分)

    資料:酪農経営分析支援プログラム2012年度版による。

    (千円)

  • 18

    Q1.頭数規模を拡大すると所得は増加するか?

    ①はい②いいえ③様々

  • □は農業所得率40%を超える農家

    2.収益性の高い理由(1)換算頭数1頭当たりで?(Q2)

    農業所得=農業収入ー農業支出

    A:収入が高い

    B:支出が低い

    19経産牛

    農業所得(家族労賃+利子含む)(千円)

  • 20

    562 575 561 555

    485

    426

    369

    302

    193173

    143109

    0

    100

    200

    300

    400

    500

    600

    700

    20%未満(N=75) 20~30(N=208) 30~40(N=213) 40%以上(N=52)

    クミカン農業所得率階層別

    農業所得率階層別に見た換算頭数1頭当たり経営収支(2012)

    資料:クミカン、営農計画書による。注:TMRセンター参加者と飼料費0を除いた。農業支出からは家族支払い労賃を除いた。

    (千円)

    農業支出農業収入

    農業所得(

    家族労賃+利子含む)

    うち飼料費

  • 21

    Q2.収益性の高い酪農は一頭

    当たりで見て以下のどれか?(Ⅰ-2)

    ①収入が大きい

    ②支出が小さい

    ③その他

  • (20,000)

    (10,000)

    0

    10,000

    20,000

    30,000

    40,000

    50,000

    60,000

    0 50 100 150 200

    クミカン農業所得(千円)

    経産牛頭数(頭)

    クミカン農業所得(労賃・利子含む)

    農業所得(労賃+利子含む)

    飼料費が1.5倍になったとき

    22

    (シミュレーション)

  • (2)技術的にすぐれている?

    23

  • 0

    10,000

    20,000

    30,000

    40,000

    50,000

    60,000

    0 50 100 150 200

    クミカン農業所得(千円)

    経産牛頭数(頭)

    クミカン農業所得(労賃・利子含む)

    農業所得(労賃+利子含む)修正後

    昼夜放牧

    注:クミカン及び営農計画書による。

    ② 昼夜放牧実施農家は?

    24

  • y = -0.3588x + 313.16R² = 0.0358

    0

    100

    200

    300

    400

    500

    600

    350 400 450 500 550 600 650

    換算頭数当たり農業所得(

    労賃利子含む)(

    千円)

    平均 分娩平均 日数(日)

    図表 4. 平均 分娩平均 日数と換算頭数

    当たり農業所得(労賃利子含む)の相関図

    戸数 412 戸

    分娩日数を短縮すると?

    412戸 25

  • 26

    (但し、家族労賃は農協によって不確か)

    【参考】

  • 27

    491

    562 563 543

    516

    423 424

    379

    328

    260

    150 151 132

    120 121

    0

    100

    200

    300

    400

    500

    600

    20%未満(N=38) 20~30(N=83) 30~40(N=137) 40~50(N=70) 50%以上(N=37)

    クミカン農業所得率階層別

    【参考】農業所得率階層別に見た換算頭数1頭当たり経営収支(2000年、東紋地区)

    資料:クミカン、営農計画書による。注:TMRセンター参加者と飼料費0を除いた。農業支出からは家族支払い労賃を除いた。

    (千円)

    農業支出

    農業収入

    農業所得(

    家族労賃+利子含む)

    うち飼料費

  • 28

    Q3.規模拡大を考える人は、以下のどちらに多かったか?

    ①もうかっている人

    ②もうかっていない人

  • 0

    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    30,000

    0 20 40 60 80 100 120

    クミカン農業所得(千円)

    経産牛頭数(頭)

    (3)経営者の意識は?(1991年)多頭化めどなし

    離農

    現状維持

    多頭化めど有り

    低効率で増産志向

    高効率で安定志向

    収益性が低い拡大する悪循環の拡

    29

  • 30

    Q3.規模拡大を考える人は、以下のどちらに多かった? (Ⅰ-4)

    ①もうかっている人

    ②もうかっていない人

    →消極的な悪循環の拡大が多かった

  • 2.中小規模・長期・高収益グループの変化と意識

    長期動態分析データセットの内容と農場数①2017年 経産牛頭数:30~80頭②2007~2017年の11年間クミカン・営農計画書データがある。※ 新規参入、途中データ欠落は含まない。乳検途中欠落は含む。③TMRセンターに参加していない(飼料費が大きくなるため)④農業所得率11年間平均で階層区分(≒持続可能性の高い農場)⑤2004年~2017年の14年間の推移を比較

    集計農場 (単位:戸)クミカン・営農計画書 乳検 聞き取り調査

    30%未満 125 99 430~40 115 63 1040%以上 29 8 5 .合計 269 170 19 .※ 調査農家は60~80頭に偏り、昼夜放牧は少ない。

    31

  • 表  収益性階層別に見た規模と収支の概要(2017)

    平均 20%未満 20~30 30~40 40~50 50%以上

    集計農場数 件 269 11 114 115 26 3

    経産牛 頭 57 51 58 56 55 44

    育成牛 頭 38 34 41 36 30 29

    育成牛比率 % 40.0 40.1 41.3 39.5 35.1 39.8

    経営耕地面積 ha 74 66 80 69 70 91

    出荷乳量 kg 411 371 429 403 389 332

    経産牛一頭当たり出荷乳量 ㎏ 7,179 7,102 7,270 7,120 7,046 7,477

    生乳+補給金 〃 40,396 36,822 42,320 39,535 38,175 32,627

    個体販売 〃 8,022 7,414 8,842 7,679 6,365 6,605

    その他 〃 4,297 4,151 4,739 4,070 3,608 2,735

    農業収入 〃 52,715 48,386 55,901 51,284 48,148 41,967

    飼料費 〃 11,828 13,458 13,612 10,827 8,397 6,204

    養畜費 〃 2,031 2,834 2,347 1,809 1,359 1,402

    農業共済 〃 1,449 1,380 1,712 1,338 968 110

    その他 〃 19,017 19,489 21,856 17,691 13,317 9,674

    農業支出合計 〃 34,325 37,161 39,526 31,665 24,042 17,390

    農業所得(家族労賃+利子含む)千円 19,146 11,827 17,367 20,301 24,304 24,578

    借入金元利償還金 〃 4,554 6,720 5,243 3,923 3,878 462

    可処分所得 〃 14,592 5,107 12,125 16,378 20,426 24,116

    資料酪農経営分析プログラムによる。

    クミカン農業所得率10年平均階層

    2017年30頭~80頭、TMRセンター除く、11年間平均農業所得率使用、2007年~2017年の11年間数

    値がある。

    32

  • 表   収益性階層別に見た乳検成績(2017年)

    平均 20%未満 20~30 30~40 40~50 50%以上

    集計農場数 件 170 7 92 63 7 1

    経産牛頭数 57 52 58 58 55 32

    平均乳量kg ㎏ 8,246 8,527 8,443 7,979 7,911 7,399

    平均乳脂率% % 3.9 4.1 3.9 3.9 3.9 3.8

    平均蛋白質率% 〃 3.3 3.3 3.3 3.3 3.3 3.2

    濃厚飼料給与量kg(平均) ㎏ 8.1 9.6 8.6 7.4 6.4 5.0

    平均体細胞数万/ml(平均) 万/ml 21.2 27.7 21.5 19.9 24.5 14.5

    平均授精回数(平均) 回 2.3 2.3 2.3 2.3 2.1 1.5

    平均 分娩平均 日数 日 435 442 436 432 437 424

    平均空胎日数(平均) 〃 161 161 161 162 156 142

    平均乾乳日数(平均) 〃 68 63 70 67 68 67

    平均 初産分娩月齢 月 25 26 25 25 26 28

    ユニット台数 台 5.7 5.9 5.8 5.6 5.3 6.0

    1回平均時間(分) 分 105 98 107 106 86 51

    1頭平均時間(分) 分 12.4 13.1 12.8 11.9 10.1 10.0

    平均産次 産 3.0 3.2 2.9 3.0 3.1 3.1

    死亡頭数合計 頭 2.0 2.6 2.5 1.4 1.4 0.0

     同 経産牛に対する比率 % 3.5 5.0 4.3 2.4 2.6 0.0

    販売外除籍頭数合計 頭 12.5 10.4 13.3 11.8 10.9 4.0

     同 経産牛に対する比率 % 21.8 20.2 23.2 20.4 19.8 12.7

    資料酪農経営分析プログラムによる。

    2017年30頭~80頭、TMRセンター除く、11年間平均農業所得率使用、2007年~2017年の11年間数

    値がある。

    クミカン農業所得率10年平均階層

    33

  • 34

    (単位:千円)図表14

    収入はほぼ平行して推移

  • 35

    (単位:千円)

    支出は格差を広げた

  • 36

    資材価格高騰の中で支出は抑制的だった。

  • 37

    (単位:kg)

  • 38

    (単位:千円)

    もともと借金が少なかった

  • 39

  • 40

    集計戸数19戸

    前図を大項目でまとめた。

  • 41

    Ⅱの小括:収益性格差の要因と改善の課題(部分)

    大きなゆとり(時間・心)

    規模の維持

    後で収益を高める作業

    (ふん尿など)

    良い牧草

    少ない購入飼料

    少ない乳量

    少ない支出

    乳牛の健康

    少ない作業時間 高い

    所得

    少ない借金

    ①少ない高いの確認→

    第三者が経営分析可能

    ②悪循環を抜け出す意欲

    ③全体のバランスを取る→農家自身

    ※逆は悪循環 ※文や図では説明しきれない。

  • Ⅲ.経営改善の実際

    1.経営分析サポートの効果1)経過

    1994年 頭数階層別表の作成1999年 プログラムの紹介2002年 分析シート意向調査2003年 全戸配布&アンケート実施2009年 農協合併で400→700戸に対応

    全戸配付印刷機能の単純化2010年 アンケート→乳検成績を付加2012年 地域総計分析付加2013年 グループ分析付加2014年 農家での利用状況調査2019年 データベース構築業務委託化 42

  • y = 157.33x + 4363.3R² = 0.4399

    -20000

    -10000

    0

    10000

    20000

    30000

    40000

    50000

    60000

    70000

    80000

    0 50 100 150 200 250 300 350

    経産牛頭数と農業所得の関係(2012年、

    農協、クミカンによる)

    経産牛頭数(頭)

    クミカン農業所得(千円)

    2)分析シートサンプル:●散布図

    あなたの位置

    43

  • ●棒グラフ(飼料費)

    あなたの位置

    同じ規模の平均の金額

    44

  • 分析シートサンプル:規模別分析表

    あなたの数字

    45

    頭数階層別の平均値

  • 農業所得率(家族労賃+利子含む)階層別集計表

    農業所得率(C) 単位 平均 20%未満 20~30 30~40 40%以上規模別戸数 戸 (本人) 548 75 208 213 52

    農業所得率(家族労賃+利子含む)% 20 29 14 26 34 45生乳 千円 36,858 46,701.8 70,142.6 46,782.2 41,725.6 32,954.7補給金 〃 2,061 2,607.4 3,913.4 2,609.0 2,331.4 1,847.4乳用牛 〃 2,050 2,964.6 3,208.4 2,656.8 3,181.2 2,957.4肉用牛 〃 2,023 1,547.0 2,493.8 1,460.4 1,417.8 1,056.5

    収 その他畜産物 〃 0 1.9 13.4 0.1 0.0 0.0家畜共済金 〃 1,940 1,785.3 3,406.7 1,850.0 1,346.3 986.3畜産雑収入 〃 0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0畜産収入合計 〃 44,932 55,608.0 83,178.3 55,358.6 50,002.3 39,802.3農業雑収入 〃 5,209 4,546.9 6,420.0 4,534.2 4,171.4 3,434.0農業収入 〃 50,141 60,258.5 89,654.2 60,046.8 54,260.3 43,277.6農外収入 〃 64 288.3 927.5 176.1 193.4 204.2資金借入 〃 0 1,319.8 3,589.8 1,650.6 506.6 53.8資金受入 〃 3,478 4,634.6 9,033.6 4,280.2 3,603.6 3,930.2収入合計 〃 53,683 66,501.3 103,205.2 66,153.8 58,563.9 47,465.8労賃 〃 0 2,357.3 8,092.0 1,916.0 1,250.5 385.5うち臨時+常用雇用労賃 〃 0 1,075.1 4,690.1 634.6 468.7 107.6肥料費 〃 3,035 2,820.0 3,717.8 2,881.0 2,592.4 2,213.0生産資材費 〃 2,356 2,174.0 3,411.8 2,302.8 1,838.2 1,248.9水道光熱費 〃 3,836 3,541.2 5,514.3 3,569.5 3,138.9 2,230.0飼料費 〃 16,438 17,870.0 32,302.8 18,755.5 14,229.2 8,424.2

    支 養畜費 〃 1,565 2,761 5,679 2,718 2,112 1,381素畜費 〃 0 58 93 71 26 79農業共済 〃 2,757 2,078 3,701 2,093 1,708 1,190賃料料金 〃 4,047 5,235 8,938 5,356 4,343 3,061修理費 〃 3,325 2,958 4,809 3,101 2,544 1,416租税負担金 〃 2,210 2,080 3,060 2,074 1,871 1,545支払利息 〃 886 645.1 1,210.2 683.0 502.7 261.5

    出 その他経営費 〃 667 972 1,673 987 806 577農業支出合計 〃 41,122 45,549 82,203 46,508 36,963 24,014家計費 〃 4,100 7,285 4,197 7,070 8,100 9,257資金返済 〃 2,843 5,121 8,359 5,509 4,112 3,029共済貯金 〃 3,055 5,541 6,115 5,022 5,636 6,403農業機械 〃 300 575 841 581 450 678その他支出 〃 260 1,104 2,431 897 942 682支出合計 〃 51,679 65,174 104,146 65,588 56,202 44,062農業所得 〃 9,019 14,710 7,451 13,539 17,297 19,264

    指 農業所得率 % 18 27 10 23 33 44出荷乳量 ㎏ 471,203 591,385 887,128 591,619 529,314 418,149

    標 経産牛一頭当たり出荷乳量 ㎏ 5,890 7,356 7,391 7,500 7,285 7,024農業所得(家族労賃+利子含む) 千円 9,905 16,637 12,063 15,503 18,582 19,803乳飼比 % 42 34 42 36 31 25

    あなたの数字

    農業所得率の階層別の平均

    もうかっている人とどこが違うのか…を考える材料。46

  • 農業経営費(千円)

    0

    10000

    20000

    30000

    40000

    500001979

    1985

    1988

    1989

    1990

    1991

    1992

    1993

    1996

    1997

    1998

    1999

    2000

    【凡例】 S氏 Y氏 入植整備78戸の平均値

    ●時系列折れ線グラフあなたの歴史

    農協の平均 優良事例の歴史

    自分の過去を考える

    47

  • ○無回答

    2%①非常に役

    立つ

    38%

    ②やや役

    立つ

    55%

    ③役立たな

    1%

    ④わからな

    4%

    図表はあなたの経営改善に役立つか

    3)「クミカン分析シート」の配付効果(2003年)

    8

    20

    36

    86

    96

    17

    0 20 40 60 80 100

    わからない

    その他の改善

    現状維持でよい

    個体乳量の増大

    費用削減の必要

    拡大の必要性

    改善の内容(単位:人)

    合計 93%

    48

  • 49

    Q4.酪農の経営分析をして費用

    が高いと思った農家はおおむねどう行動するか?

    ①コストを下げる②変わらない③規模を拡大する④もっと費用をかける

  • 20.7

    29.425.2

    29.233.5

    12.5

    30.6

    56.4

    66.771

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    ②80千円未満 ③80~100 ④100~120 ⑤120~140 ⑥140千円以上

    (%)

    換算頭数当たり購入飼料費の階層別

    費用削減意識の変化(データシートを見る前後)

    コスト低下:98年

    費用削減の必

    要:03年度

    →「費用かけすぎ」との意識は高まった?

    クミカン分析シート配布後の意識変化(2003年)

    50

  • 51

    12,149 11,981 11,854

    13,633

    15,797 15,934 16,041

    16,865 17,311

    18,800 18,670 18,836

    14,229 13,833 13,954

    16,057

    18,604

    19,494 19,802

    20,821

    21,646

    24,145 23,985 23,935

    10,000

    12,000

    14,000

    16,000

    18,000

    20,000

    22,000

    24,000

    26,000

    2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

    費用削減意向と飼料費の推移(2004_2015)

    「費用削減の必要」を選択しない(N=305)

    「費用削減の必要」のみ選択(N=96)

    合併後全戸配布

    配布後の経営変化(合併後)

  • 52

    60

    70

    80

    90

    100

    110

    120

    130

    2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

    費用削減意向と飼料費の推移(2004_2015)

    「費用削減の必要」を選択しない(N=305)

    「費用削減の必要」のみ選択(N=96)

    合併後全戸配布

    (2010年を100とした指数)

  • 53

    85

    90

    95

    100

    105

    2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

    費用削減意向と経産牛頭数の推移

    (2004_2015)

    「費用削減の必要」を選択しない(N=305)

    「費用削減の必要」のみ選択(N=96)

    合併後全戸配布

    (2010年を100とした指数)

  • 54

    Q4.酪農の経営分析をして費用

    が高いと思った農家はおおむねどう行動するか?(Ⅲ)

    ①コストを下げる②変わらない③規模を拡大する④もっと費用をかける

    →実際にコスト

    を下げ所得を上げた人に聞くのが早い。

  • マイペース酪農交流会メンバーの位置(一般1991年、転換1990→93)

    0

    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    0 20 40 60 80 100 120

    経産牛頭数(頭数、91~92年平均)

    クミカン農業所得(千円)

    マイペース酪農交流会の場合

    (1)縮小して改善した人たち(90→93年)

    55

    資料:A農協および農家の

    組合員勘定報告書および聞き取り調査による。

    2.自主的な改善活動

  • 74

    89

    103

    90

    77

    64

    104 100

    56

    72

    87

    30

    42

    7367

    73

    46 45

    7181

    55

    7380

    31

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    ① ③ ② ④ ⑦ ⑧ ⑤ ⑥ ⑨ ⑪ ⑩ ⑫

    飼養頭数の減少1990

    1993

    ●飼養頭数規模を縮小した

    56

  • 15

    27 29 30

    33 36

    41 41 44 46 46

    47

    40 45 45

    43

    50 53

    56

    50 48

    54

    45

    53

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    ① ③ ② ④ ⑦ ⑧ ⑤ ⑥ ⑨ ⑪ ⑩ ⑫

    所得率の増加

    1990

    1993

    ●収益性が高まった(クミカン農業所得率)

    57

  • 139

    107121

    145 147

    177

    138

    115

    93102

    127

    7885 84 85

    105

    121

    149

    84

    56

    95

    47

    100

    41

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    140

    160

    180

    200

    ① ③ ② ④ ⑦ ⑧ ⑤ ⑥ ⑨ ⑪ ⑩ ⑫

    換算頭数当たり購入飼料費の減少

    1990

    1993

    ●ムダな費用を削減(換算頭数当たり飼料費)

    58

  • 5,140

    2,554

    3,787

    2,897

    1,288 1,674

    1,347 1,156

    0

    2,000

    4,000

    6,000

    Nさん 三友さん Kさん Yさん

    (万円)農業所得の格差

    粗収入

    農業所得

    (2)改善の経過営農目標の存在

    三友さんとの出会い

    資料:マイペース酪農交流会の資料による(1991年度)。

    ヘンナ農家がいるからみんなで行こう。

  • ●年1度の学習会(86年~)●毎月の交流会(91年~)●記録集や経営データの公開●女性の参加●フィールドミーティング 60

    (3)改善の経過と条件

  • 2013.4.28開催、後継者・新規参入者も発表

    ボランティアによる事務局の

    努力

  • あゆみ 農家目線の分析たくさんの記録の中から…

    はじめての「マイペース酪農」第3回労農学習会 開催要領(73年2月)

    誰にも振り回されずマイペースの酪農を進めてゆくにはお互いの経営状況を公開し合い、相談しあうこと、又そういうことをざっくばらんに話し合える場こそ第一に必要だと考えます。(第2回の成果として)

  • 「酪農経営研究集会」での経営分析(1976年)

    ●調査し共有した歴史(1976年に同じグループで)

    経営費率=農業支出÷農業収入(%)

    出荷乳量 トン

  • 規模

    所得

    BD

    Ⅲの小括 3)多様な選択肢と意識改革

    ①分析し確認する②地域にモデルを見つけ公開・共有する③実践する

    64

  • おわりに

    65

    Ⅰ.動向:過重労働・高齢化の中で中小規模で小休止

    →振り返るチャンス

    Ⅱ.収益性格差:循環の良否がある。全体の図示・文章化は困難→第三者による良否の分析可能。

    Ⅲ.経営改善:地域で分析し意識を変え、交流で経営を変える。

  • 66

  • 67

    次は、モデルを見つけ交流を深める。