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渓流沿いの道を歩いていると、幼虫期を「水の中」で過ごした生きものに出会うことがあ ります。 カゲロウ」や「トビケラ」、「カワゲラ」などの仲間たちです。 彼らが羽化して、水中から陸上に出てくるためには「清流」が必要ですので、山野の渓流 に出かけなければ、その姿を見ることは難しくなりましたね… カゲロウ」は、昆虫の中でも最初に「翅」を身につけた種の一つであると考えられて おり、成虫は、か細くて長い尾を持ち、寿命が短いことでも知られています。 彼らの幼虫や羽化した成虫は、渓流釣りの餌として利用されてきましたが、近年、フライ・ フィッシングの疑似餌・毛鉤のモデルとして、よく知られるようになりました。 トビケラ」は、2億年ほど前に、チョウやガとの共通の祖先から分かれて、幼虫が水中 生活に適応したと考えられているようです。 成虫を見つけても、「蛾」だと思う方が多いと思いますが、よく観察すると翅に鱗粉はなく、 微毛が生えていることに気づくことでしょう。 カワゲラ」は、清流にしかすめない場合が多く、河川環境の改変によって、その生息 環境が脅かされています…。 長野県の特産として有名な「ザザムシ」は、カワゲラの幼虫を指していたようですが、 数が少なくなってきたからでしょう、現在では「ヒゲナガカワトビケラ」の幼虫を指すこと が多いそうです。 ■写真①: 清流(河内長野市域で撮影) ■写真②: ガガンボカゲロウ ■写真③: モンカゲロウ ■写真④: ムラサキトビケラ ■写真⑤: ヨツメトビケラ ■写真⑥: ヒゲナガカワトビケラ ■写真⑦: フサオナシカワゲラ ■写真⑧: フタツメカワゲラ ■写真⑨: ヤマトカワゲラ 140601 清流昆虫

140601 清流 昆虫050505.cocolog-nifty.com/blog/files/140601kagero.pdf渓流沿いの道を歩いていると、幼虫期を「水の中」で過ごした生きものに出会うことがあ

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  • 渓流沿いの道を歩いていると、幼虫期を「水の中」で過ごした生きものに出会うことがあ

    ります。

    「カゲロウ」や「トビケラ」、「カワゲラ」などの仲間たちです。

    彼らが羽化して、水中から陸上に出てくるためには「清流」が必要ですので、山野の渓流

    に出かけなければ、その姿を見ることは難しくなりましたね…

    「カゲロウ」は、昆虫の中でも最初に「翅」を身につけた種の一つであると考えられて

    おり、成虫は、か細くて長い尾を持ち、寿命が短いことでも知られています。

    彼らの幼虫や羽化した成虫は、渓流釣りの餌として利用されてきましたが、近年、フライ・

    フィッシングの疑似餌・毛鉤のモデルとして、よく知られるようになりました。

    「トビケラ」は、2億年ほど前に、チョウやガとの共通の祖先から分かれて、幼虫が水中

    生活に適応したと考えられているようです。

    成虫を見つけても、「蛾」だと思う方が多いと思いますが、よく観察すると翅に鱗粉はなく、

    微毛が生えていることに気づくことでしょう。

    「カワゲラ」は、清流にしかすめない場合が多く、河川環境の改変によって、その生息

    環境が脅かされています…。

    長野県の特産として有名な「ザザムシ」は、カワゲラの幼虫を指していたようですが、

    数が少なくなってきたからでしょう、現在では「ヒゲナガカワトビケラ」の幼虫を指すこと

    が多いそうです。

    ■写真①: 清流(河内長野市域で撮影)

    ■写真②: ガガンボカゲロウ ■写真③: モンカゲロウ

    ■写真④: ムラサキトビケラ ■写真⑤: ヨツメトビケラ

    ■写真⑥: ヒゲナガカワトビケラ

    ■写真⑦: フサオナシカワゲラ ■写真⑧: フタツメカワゲラ

    ■写真⑨: ヤマトカワゲラ

    140601 清流の昆虫