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2019 統合報告書 INTEGRATED REPORT

20192019 統合報告書 印刷インキには、環境対応型の植物油インキを使用しています。〒541-8523 大阪市中央区今橋2丁目6番14号 TEL.06-6203-5531

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2019統合報告書

印刷インキには、環境対応型の植物油インキを使用しています。

〒541-8523 大阪市中央区今橋2丁目6番14号TEL.06-6203-5531 FAX.06-6203-5018

www.kansai.co.jp

INTEGRATEDREPORT

2019 統合報告書 / 発行所:関西ペイント株式会社 発行日:2019年7月 企画・編集:社長室  制作:関西ペイント販売株式会社 アド企画グループ

統合報告書201 9

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「社会から必要とされる存在であり続ける」

関西ペイントグループは、近年、グローバル化を加速し、事業地域・領域の多様化が進みました。

そして、真のグローバルプレーヤーとなることを目標に掲げ、持続的な成長を志向しています。

この実現にあたっては、グループ企業理念を定め、

グループ全体で共有して浸透させ、共感をもって実践することを通じ、

社会から必要とされる存在であり続けることを目指しています。

その原点となり、関西ペイントグループの存在目的、

世の中で果たすべき役割である「使命目的」を次のように定めています。

私たちは、塗料事業で培った技術と人財を最大限に活かした

製品・サービスを通じて、人と社会の発展を支えます。

そして、この使命目的の実現のため、大切にする判断基準として、

6つの価値観を定め、総称して「icare!」のロゴで表現しています。

私たちは、お客様の満足を徹底的に追求します。常にお客様の立場で物事を想像し、より良い製品・サービスを提供します。

私たちは、自らの意思決定と行動に責任を持ちます。適切かつ効率的な方法で最善を尽くし、全てのステークホルダーに対しての役割を全うします。

私たちは、多様な文化・個性を尊重し、世界中のあらゆる地域社会との共生を目指します。社員一人一人が謙虚に学び合い、充実した生 活と自己実現が果たせる場を醸成することで、強いチームワークを発揮します。

私たちは、会社の永続的成功を実現するため、長期的な視野を持ち、主体的に考えます。そして全てのステークホルダーに持続的な価値を提供することで、人と社会に有益な存在であり続けます。

私たちは、英知を結集し、新たな価値の創造に挑戦します。物事の本質を見抜き、あらゆる可能性を追求することで、未来を切り拓き、時代を牽引します。

私たちは、社会からの信頼を重んじ、誠実に行動します。お客様をはじめとするあらゆる関係者と強固な信頼関係を築き、社会の中で必要とされる存在であり続けます。

C O N T E N T S TOP MESSAGE

関西ペイントグループのマテリアリティ

会社概要

関西ペイント 3つの強み

財務・非財務ハイライト

価値創造プロセス

第16次中期経営計画

事業概要

トピックス

環境保全方針レスポンシブル・ケア(RC)組織体制化学物質管理

アレスエコプラン2018

アレスエコプラン2021策定

マテリアルバランス

環境会計

地球温暖化防止大気汚染防止

水資源削減・水質汚濁防止廃棄物削減

PRTR対象物質 排出・移動

有害性物質削減実績

品質保証消費者保護お客様との関わり

取引先との関わり

従業員との関わり

労働・安全・衛生

コミュニケーション

コーポレートガバナンス

危機管理

その他の取り組みIR活動その他ESGデータ

主要連結財務情報の推移

連結貸借対照表

連結損益計算書連結包括利益計算書

連結株主資本等変動計算書

連結キャッシュ・フロー計算書

3

5

6

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11

13

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17

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23

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企 業 理 念 に つ い て

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INTEGRATED REPORT 2019

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TOP MESSAGE

私たちを取り巻く環境と果たすべきこと

 当社グループのコアビジネスである塗料は、私たちの暮らしのなかで様々なものに塗られ、素材を保護して長持ちさせ、美しい色やデザインで価値を高め、特別な機能の付与により、便利さや快適さ、安心・安全を創出するといった役割が普遍的に求められています。これにより、塗料産業は、グローバルに見ると新中間層人口の増加、それに伴う住宅やインフラ設備、工業化の進展、モータリゼーションなどにより成長産業として、需要はさらに拡大していくものと考えています。 一方、私たちを取り巻く環境は、非常に早いスピードで大きく変化し続ける大変革の時代に突入しています。 これまでの常識にとらわれない考えやニーズが生まれると同時に、新たな課題への対応を求められてきます。 こういった認識のもと、近未来、加えて、中長期的志向を持ち合わせ、塗料を主とする既存の事業での貢献と新たな事業領域での貢献を両立し、人と社会の発展を支える価値を提供し続けていくことで、私たちも持続的な成長の実現に邁進していきます。

2019年3月期決算の総括

 当期における世界経済は、地政学的リスクの高まりが継続し、各国の政治・政策・通商問題の動向など依然として先行き不透明な状況が続いております。そのような状況下、中国や欧州経済は緩やかな減速傾向がみられますが、米国の好調な企業業績や雇用の改善に加え、アジア新興国では景気回復が継

続しており、総じて景気の持ち直しの動きが継続しました。わが国経済は、豪雨など災害の影響もあり弱含んだものの、世界景気の緩やかな回復に支えられ、設備投資や雇用・所得環境の改善を受け、景気は緩やかな回復基調が続きました。 当社グループの当期連結会計年度における売上高は427,425百万円(前期比6.3%増)となりましたが、営業利益は原材料価格の高騰や販売費及び一般管理費が増加したことなどから32,306百万円(前期比9.8%減)となりました。 経常利益はアジアにおける持分法投資利益の増加や、貸倒引当金繰入額の減少などにより、34,838百万円(前期比4.8%増)となりましたが、債務保証損失引当金を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期連結純利益は17,405百万円(前期比1.7%減)となりました。 なお、配当金につきましては、1株につき30円とさせていただきました。

2020年3月期決算の見込み

 今後の世界経済の見通しは、通商問題の動向、中国経済の先行き、政策に関する不確実性、金融資本市場の変動等のリスク要因があるものの、全体としては緩やかな回復が続くことが期待されます。そのなかで、中国経済は当面は緩やかな減速が続くことが見込まれる反面、米国経済は着実に回復が継続し、欧州経済も一部弱さがみられ景気の下ぶれのリスクがあるものの、緩やかな回復傾向で推移し、アセアン経済及びインド経済は緩やかに回復することが期待されます。わが国経済においては、当面、一部に弱さが残るものの、雇用・所得環境の改

善・各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待される一方、企業収益に対して、原材料価格及び為替変動の影響が懸念されます。 このような情勢のなか、当社グループは、2019年度を初年度とする中期3ヵ年経営計画の重点方針である「資本生産性・収益性の向上を伴う利益成長」「事業競争力の向上」及び「グループ総合力の向上」の達成を目指してグループ力を結集し、さらなる業績向上に向け事業活動を展開してまいります。 次期の見通しといたしましては、連結売上高は440,000百万円(当期比2.9%増)、連結営業利益は36,500百万円(当期比13.0%増)、連結経常利益は41,500百万円(当期比19.1%増)、親会社株主に帰属する当期連結純利益は22,500百万円(当期比29.3%増)を見込んでおります。 なお、配当金につきましては、1株につき30円を予定しております。

重点的に取り組む重要項目及び経営戦略

 当社グループは、私たちの使命目的を果たすため、重点的に取り組む重要項目(マテリアリティ)として、次の6項目を特定し、事業活動を通じて、その取り組みを推進してまいります。

 

 また、2019年度を初年度とする中期3ヵ年経営計画を策定し、以下の重点方針を掲げ、目標達成を目指してグループ力を結集し、事業活動を展開してまいります。

 これらについては、後述のページにてその具体的内容を記載しておりますので、ご覧いただければ幸いです。

むすび 関西ペイントは、昨年、創立100周年を迎え、今、新たな100年に向けて歩みはじめました。 人が社会のなかで安心して豊かで便利に暮らしたいという願いは、新たな100年にも通ずる普遍的な願いであり、この願いを実現することは、SDGsなど、私たちに求められている社会課題の解決にもつながると考えます。 そして、この願いの実現が私たち社員の喜びにもなり、持続的に取り組んでいくことで、より一層、社会に貢献できるものと考えています。 本誌より当社グループの取り組みの一端を汲み取っていただければ幸いです。

●快適かつ安心な暮らしへの貢献●地域と産業発展への貢献●新たな事業機会への挑戦

●多様性への対応●地球環境との共生●適切なガバナンス

●資本生産性・収益性の向上を伴う利益成長●事業競争力の向上●グループ総合力の向上

ステークホルダーの皆様、

関西ペイントグループは「塗料事業で培った技術と人財を

最大限に活かした製品・サービスを通じて、

人と社会の発展を支える」ことを私たちの使命目的と定めております。

代表取締役社長

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INTEGRATED REPORT 2019

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関西ペイントグループのマテリアリティ 会社概要

 当社は、1918年の創業以来、各種塗料の分野において、日本の塗料メーカーでは最も先進的なメーカーとして成長し、今日では世界の代表的な塗料メーカーの地位を確立するに至っています。 当社グループ製品群は、「保護」「美観」「特別な機能の付与」「環境への対応」という塗料の重要な役割を果たすことによって、幅広い分野において高い評価と信頼を得ています。また、当社独自の先進的な研究開発力をコアに、生産・物流・販売活動をグローバルに展開することにより、世界中のお客様に比類のない顧客サービスを提供しています。

沿革

海外関係会社

名称 関西ペイント株式会社(英文名 KANSAI PAINT CO., LTD.)

本社所在地 〒541-8523 大阪市中央区今橋2丁目6番14号

創立 1918年(大正7年)5月17日

資本金 25,658百万円

従業員数 16,287人(連結) 

決算期 3月31日

主な事業内容

各種塗料の製造、販売塗料関連機器装置類の設計、製造、販売塗装工事の監理配色設計

ホームページ www.kansai.co.jp

本店 兵庫県尼崎市神崎町33番1号

本社事務所 大阪市中央区今橋2丁目6番14号

事業所 尼崎、小野、名古屋、平塚、鹿沼、東京、北九州

開発センター 平塚

主な事業所

 関西ペイントグループは、グループ企業理念の使命目的に基づき、持続的に価値を提供し、人と社会の発展に寄与するために重点的に取り組む重要項目(マテリアリティ)を以下のとおり特定しました。

(制定:1967年1月)社 是

1.会社の信用を重んじ、顧客に満足される製品を供給することに                よって社会に貢献する。

2.英知を育て、技術の革新をはかり、つねに経営の前進につとめる。3.和と協調につとめ、総力を結集する。

中国関西塗料(瀋陽)有限公司天津永富関西塗料化工有限公司広州関西塗料有限公司蘇州関西塗料有限公司重慶関西塗料有限公司重慶阿麗斯科関西塗料有限公司湖南湘江関西塗料有限公司中遠関西塗料化工(天津)有限公司中遠関西塗料化工(上海)有限公司中遠関西塗料(上海)有限公司中遠関西塗料化工(珠海)有限公司関西塗料(中国)投資有限公司肇慶関西聖聯粉末塗料科技有限公司

インドKANSAI NEROLAC PAINTS LTD.

ミャンマーKANSAI PAINT MYANMAR CO., LTD.

タイTHAI KANSAI PAINT CO., LTD.KANSAI RESIN (THAILAND) CO., LTD.

マレーシアSIME KANSAI PAINTS SDN. BHD.KANSAI PAINT ASIA PACIFIC SDN. BHD.

ベトナムKANSAI-ALPHANAM PAINT CO., LTD.

シンガポールKANSAI PAINT (SINGAPORE) PTE. LTD.

台湾台湾関西塗料股份有限公司

香港HONG KONG KANSAI PAINT CO., LTD.

フィリピンKANSAI PAINT PHILIPPINES, INC.

インドネシアPT KANSAI PAINT INDONESIAPT KANSAI PRAKARSA COATINGS

韓国KNK COATINGS CO., LTD.

アラブ首長国連邦KANSAI PAINT MIDDLE EAST FZCO

イギリスKANSAI PAINT EUROPE LTD.PPG KANSAI AUTOMOTIVE FINISHES UK., LLP

フランスPPG KANSAI AUTOMOTIVE FINISHES FRANCE, SAS

オーストリアKANSAI HELIOS COATINGS GMBH

ロシアKANSAI PAINT RUS LLC

トルコKANSAI ALTAN BOYA SANAYI VE TICARET A.S.POLISAN KANSAI BOYA SANAYI VE TICARET A.S.

米国KANSAI PAINT (AMERICA), INC.U.S. PAINT CORPORATIONPPG KANSAI AUTOMOTIVE FINISHES U.S., LLC

メキシコPPG ALESCO AUTOMOTIVE FINISHES MEXICO, S.DE R.L. DE C.V. DNT KANSAI MEXICANA S.A. DE C.V.

南アフリカKANSAI PLASCON AFRICA LTD.

ケニアKANSAI PLASCON EAST AFRICA LTD.

マテリアリティとグループ企業理念の価値観及びESG、SDGsとの関係

快適かつ安心な暮らしへの貢献

●生活満足度向上への貢献●商品、サービスの価値向上●製品サービスの安全

顧客志向 ES

ES

ES

S

E

G

企業家精神

革新

尊重

責任感

誠実

●社員のやりがい・達成感の創出●ダイバーシティの推進●健康・安全の確保

●地球温暖化への対応●自然資源の活用●水利用

●コーポレートガバナンス●労働基準の遵守

●地域と産業発展への貢献

●新たな事業機会への挑戦

地域と産業発展への貢献

新たな事業機会への挑戦

多様性への対応

地球環境との共生

適切なガバナンス

マテリアリティ マテリアリティの詳細 価値観 ESG SDGsとの関連

●サプライチェーン マネジメントの推進

●人権尊重とコミュニティ との調和

●循環型社会への対応●廃棄物管理の推進

●コンプライアンス遵守●腐敗防止

●塗料の普及促進

STEP1で抽出した項目をステークホルダーへの影響度と当社グループへの影響度の2軸で評価・整理。より影響度の高い20項目を抽出のうえ、内容の近い項目ごとにまとめ、6項目をマテリアリティとして選定。

当社経営会議の審議、取締役会決議により承認し、「関西ペイントグループのマテリアリティ」を特定。

経営方針や経営計画などの自社方針や自社の強み、課題に加えて、SDGsの目標やターゲット、ESG評価機関の調査項目などから社会的課題や要請を整理し、以下の4つの観点から当社グループが取り組むべき項目を抽出。①人と社会の発展に寄与すること②①の実現・実践を通じ、社員 のやりがい・達成感につなげ ること③法令やルールなど、社会の一 員として遵守、対応すべきこと④長期的志向に基づくこと

優先順位付け~選定STEP 2 審議・承認~特定STEP 3取り組み項目の抽出STEP 1

地球環境との共生●地球温暖化への対応●自然資源の活用●水利用●循環型社会への対応●廃棄物管理の推進

適切なガバナンス●コーポレートガバナンス●労働基準の遵守●コンプライアンス遵守●腐敗防止

社会の一員として遵守、対応すべきこと

人と社会の発展に寄与すること

快適かつ安心な暮らしへの貢献●生活満足度向上への貢献●商品、サービスの価値向上●製品サービスの安全●サプライチェーンマネジメントの推進

地域と産業発展への貢献●地域と産業発展への貢献●塗料の普及促進

新たな事業機会への挑戦●新たな事業機会への挑戦

ステークホルダー

への影響度

高い

高い

関西ペイントグループへの影響度

マテリアリティの特定プロセス

社員のやりがい・達成感につなげること多様性への対応●社員のやりがい・達成感の創出●ダイバーシティの推進

●健康・安全の確保●人権尊重とコミュニティとの調和

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INTEGRATED REPORT 2019 関西ペイントについて

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世界中に「塗料及びサービス」を提供し、人と社会の発展を支える当社グループは、近年、グローバル化を加速させ、世界をフィールドに事業を展開しています。特に、新興国の経済成長により塗料需要の伸びは旺盛で、グローバル化を牽引しています。この事業基盤をベースに、工業化がもたらす次の経済発展のステージでも、グローバルで製品・サービスを供給していきます。

● ほぼ全世界をカバーするワールドワイドな展開。● バランスが良く、変動に強い地域ポートフォリオ。● 成長期待の高い新興国を大きくカバー。

POINT

66.1%

海外売上高比率

つの持続的に求められる価値を創造していくための私たちの強み。

この強みを原動力にステークホルダーの皆様と

社会の要請に応えながら企業価値の最大化に

努めていきます。

強み関西ペイント

グローバル化強み

81.9%

海外社員比率

+1.2%

海外売上高比率 増加ポイント

87

INTEGRATED REPORT 2019 関西ペイントについて

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お互いの良い点を認め合い、学び合い、補い合う「ベスト・プラクティス」推進で多様性を高める

当社グループの特徴は、多くの地域での事業展開。塗料事業のニーズは地域ごとで異なり、それぞれのニーズに応えていくことで、出自の異なる多くのビジネスモデルと優良なアセットを保有しています。これらの持つ「ベスト・プラクティス」を共有し、活用する企業風土の醸成で事業競争力の向上につなげる取り組みを推進しています。

● 全ての事業分野をカバーする総合塗料メーカー。● 出自の異なるビジネスモデルと優良なアセットを保有。● それらをグループ内で共有・活用し、競争力向上。

POINT

グループ全社の優れた技術力を結集し、「プロダクトマーケットフィット」の達成を目指す

当社グループは、蓄積してきた色彩、高分子設計、分散などの基盤技術を高付加価値製品の開発に結びつけています。その源泉は、グループ全体の技術リソースの融合と、長年にわたるグローバル化で培ってきたネットワーク力にあります。私たちの強みは、化学の多様な引き出しを組み合わせ、様々なグローバル市場ニーズにジャストフィットした製品を提供(プロダクトマーケットフィット)できるところにあります。

日本832 海外456特許権の保有件数

● 色材、樹脂合成、分散技術などの専門研究組織の保有。● 各種塗料事業分野間の技術連携、過去の技術知見伝承及び グローバルでの技術情報を最大限に活用した技術開発体制。● 顧客ニーズに最速かつ正確に対応できる技術サービス体制。● 製品開発、技術サービスを下支えする技術人財及び先端R&D設備への投資。

POINT

923人(グループ全体)

研究開発人財数

【基礎研究分野】高分子合成、新規架橋反応、顔料分散、界面制御、レオロジーコントロール、環境改善技術

【色彩・意匠研究分野】流行色動向調査・色彩提案、新規意匠開発、IT利用カラーデザイン

【塗料・塗装システム開発分野】水性3ウェット塗装システム、低温硬化・薄膜システム、遮熱、抗菌、防蚊、多彩模様塗料開発

研究開発事例

2016年

親水性および排水性に優れたプレコートフィン材の開発(日本アルミニウム協会開発賞)非錫系加水分解型船底防汚塗料の開発

(関東運輸局長賞)漆喰塗料の機能性について

(日本塗装技術協会 研究発表優秀賞)コンピューター調色技術を使った自補修用水性システム

(色材協会 技術賞)複層塗装鋼板における耐傷付き性に関する研究

(日本塗装技術協会 論文賞)漆喰塗料の抗ウイルス機能の検証

(色材協会 優秀講演賞)

2018年

2017年

受賞履歴

(グループ全体)6,547百万円

¥

研究開発費

技術力強み

地域別社員比率

日本18%

分野別売上構成比率

その他8%自動車26%

工業29%

自動車補修6%

船舶鉄構5%

建築26%

アフリカ16%

アジア26%

インド21%

欧州18%

その他1%

極経営8地域軸経営

多様性3強み

109

INTEGRATED REPORT 2019 関西ペイントについて

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財務ハイライト

427,425百万円連結売上高

6.3%UP 1.2%UP

2018年度の連結売上高は、インドやトルコなど新興国の通貨安による為替換算のマイナス影響を大きく受けましたが、海外での需要拡大、欧州やアフリカなどでの新規連結化、日本における商品ラインアップ改善やシェア向上の取り組みなどにより、増収が続きました。その結果、過去最高を達成しました。

500,000(百万円)

400,000

300,000

200,000

100,000

02014 2015 2016 2017 2018

66.1%

海外売上高比率

国内売上高も増収となりましたが、それを上回る海外での需要拡大、欧州やアフリカなどでの新規連結化による売上取り込みがあり、海外売上高比率はさらに向上しました。

70(%)

60

502014 2015 2016 2017 2018

EPS

連結営業利益が前年を下回ったことに加え、抜本的な経営改善を推進しているアフリカ事業における早期割増退職金、中東事業における保証債務に対する引当金などを特別損失として計上したこともあり、連結当期純利益は昨年をわずかに下回り、EPSもわずかに低下しました。

一株あたり配当・連結配当性向

安定かつ継続的に実施するという基本方針のもと、配当額は、前期を上回る配当を実施しました。このうち、2円は、当社の100周年にあたる記念配当です。連結当期純利益が前年を下回るなか、増配した結果、連結配当性向は一時的に大きく上昇しました。

50

40

30

20

10

0

50

40

30

20

10

02014 2015 2016 2017 2018

地域・分野別売上高構成比

地域別売上高構成比は、新規連結のあった欧州の比率がさらに高まりました。結果、展開地域のポートフォリオの強化が一層進みました。分野別売上高構成比についても、工業分野に強みを持つ欧州の構成比が高まり、自動車、工業、建築の事業の3本柱化が一層強固になりました。

連結EBITDA

54,000百万円 1.8%DOWN

67.68円 1.12円DOWN

調整後ROE

8.2% 1.3%DOWN

60,000

50,000

40,000

30,000

20,000

10,000

02014 2015 2016 2017 2018

安定かつ継続的な配当の実施を継続しましたが、連結当期純利益が前年を下回ったこともあり、ROEはわずかに低下しました。

20(%)

10

02014 2015 2016 2017 2018

23,018百万円設備投資

37.2%UP

海外では、需要が旺盛なインドでの新工場建設、アジアでの工場移転、最新型設備の導入、新規連結化分の取り込みなどにより投資額は増加しました。日本においても維持更新投資の他、機能性塗料の製造設備の導入などもあり、投資額は増加し、連結全体でも前年から大きく増加しました。

25,000(百万円)

20,000

15,000

10,000

5,000

02014 2015 2016 2017 2018

海外社員数

13,341人 4.0%UP 1,288件

当社グループ事業のグローバル化の進展に合わせ、海外社員数は年々増加してきています。直近年度で、当社グループにおける海外社員数の構成比は80%を超えました。今後も、海外事業の拡大に伴い、海外社員数は、増加していくと思われます。

20,000(人)

15,000

10,000

5,000

02014 2015 2016 2017 2018

特許権の保有件数

当社は常に技術革新に努め、新製品・新技術の開発を活発に行っています。これに伴い、特許の保有件数は常に業界内上位にあります。特に自動車用塗料など車両関連技術では業界トップの保有数を維持しています。また、新たな出願、定期的な見直しも行い、常に適正化を図っています。今後も保有技術のグループ内活用を促進するなど、技術力向上を進めてまいります。

1,500(件)

1,000

500

02014 2015 2016 2017 2018

148カ国 93拠点コーポレートブランド出願国数

当社グループは、昨年11月、グループ全体で共有して活用するグループ統一コーポレートブランドとそのシンボルとなるロゴを策定し、導入いたしました。中長期的展望に立ち、このコーポレートブランドを世界中に拡げ、当社グループのイメージ向上につなげていくため、ロゴの出願登録を進めています。

製造拠点数

グローバル化の進展と特に新興国における旺盛な需要対応に伴い、地産地消で地域に根ざした事業展開を行うため、製造拠点数は年々増加しています。今や、その数は34カ国、93拠点を有し、世界のあらゆる市場や顧客に対し、迅速に製品とサービスを提供する体制が整備されています。

59.6

58.9

65.3 66.1

57.6

349,333 328,118 330,235

401,977427,425

150(円) (円) (%)

100

50

02014 2015 2016 2017 2018

原材料価格高騰に対して、シェアアップや価格転嫁、商品構成改善などの取り組みを推進してまいりましたが、単年度での収益回復には至りませんでした。また、為替換算のマイナス影響も受けました。結果、連結営業利益が減益となり、EBITDAも前年をわずかに下回りました。※連結EBITDA=連結営業利益+減価償却費+のれん償却費+持分法投資損益

※調整後ROE=(連結当期純利益+のれん償却費)/株主資本(期首期末平均)

■ 自動車■ 自動車補修■ 工業

■ 建築■ 船舶鉄構■ その他塗料

■ 日本■ インド■ アジア

■ アフリカ■ 欧州■ その他

34%

21%17%

9%

17%

2%

地域別売上高(仕向地別)

26%

6%

29%

26%

5%8%

分野別売上高

(百万円)

51,296 54,06747,785 49,847

55,075

76.61

106.41

68.80 67.68

93.16

11,443

16,782

13,034 13,617

23,018

9.0

11.410.1 9.5

8.2

19.6 17.923.6

39.244.3

3027221915

30円 3円UP 44.3% 5.1%UP一株あたり配当

配当性向

人的資本 知的資本 社会資本 製造資本

9,182 9,637 11,945 12,837 13,341

1,485

海外

日本

海外

日本

1,342 1,286 1,2881,455

(年度) (年度) (年度) (年度)

(年度)(年度)(年度)

(年度)(年度)

連結配当性向配当

非財務ハイライト

1211

INTEGRATED REPORT 2019 関西ペイントについて

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価値創造プロセス

アウトカム

事業を通じて社会の発展へ寄与すること、社会から必要とされる         存在であり続けること、活力ある企業グループであり続けること

事業領域

ありたい姿

塗料事業 成長産業である塗料事業+これまでの         知見や経験を活かした新しい事業領域への挑戦

100年を超える歴史 大変動の時代へグローバル         化の進展取り巻く環境

ビジネスモデルインプット企業理念

使命目的私たちは、塗料事業で培った技術と人財を最大限に活かした製品・サービスを通じて、人と社会の発展を支えます。

価値観

経済価値

社会価値

16中計目標(2021年ターゲット)

心を豊かに彩る貢献

3カ年累計営業CF

調整後ROE

連結EBITDAマージン

連結売上高

地産地消の推進

極単位経営

地域独自の強み活用

徹底した顧客ニーズへの対応

基盤技術の応用と先端技術開発

ベストプラクティス推進

グループアセットの共有と活用

新興国など海外への積極展開

経営計画の推進と達成

適切なガバナンス

多様性 グローバル化

技術力地球を大切にする貢献

生活をまもる貢献

事業競争力の向上

■ 日本■ インド■ アジア■ アフリカ■ 欧州■ その他

34%

21%17%

9%

17%

2%

地域別売上高(仕向地別)

欧州

中東日本

アセアンインド

中国その他

(米国等)

アフリカ

2016 2017 2018 (年度)0

10

20

30

40

50(%)

46.7% 46.0% 46.2%

技術バックグラウンド研究開発費

6,547百万円

多様で多彩な人財連結従業員数

16,287人

健全な財務基盤自己資本比率

46.2%

地域ごとに異なるビジネスモデル

8極経営

グローバルを網羅する事業展開

日本売上比率

海外売上比率

66%34%

4,900億円(年平均成長率+4.7%)

1,400億円の創出(15中計期間累計営業CF比+400億円)

15.5%超(2018年度比+2.9%pt超)

10.0%超(2018年度比+1.8%pt超)

1413

INTEGRATED REPORT 2019 関西ペイントについて

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第16次中期経営計画

1.資本生産性・収益性の向上を伴う利益成長 グループ内ベスト・プラクティスを結集し、各種施策を最適な手法で着実に実行。

2.事業競争力の向上 外部環境と内部要因分析を実施し、ポートフォリオ最適化+競争力を強化。

● 抜本的な対応が必要な事業へのテコ入れ● 資産・資源配分の最適化● グループ内ノウハウ、ビジネスモデルの活用促進● 業際も含めたビジネス機会の探索と創出

3.グループ総合力の向上 「One Kansai」の精神で、徹底した顧客志向を持つグローバル人財の育成と登用を加速。

業績目標

売上高

EBITDAマージン

調整後ROE

評価指標

ROIC

具体的施策

利益成長

シェア増

商品構成改善による収益性向上

原価低減

高付加価値技術、商品のグループ展開

販管費最適化

物流費削減、等

BS適正化

低収益資産改善

運転資本最適化

固定資産回転率最適化、等

 当社グループは今まで、売上高や利益といったフロー指標を重視した経営を行ってきました。今後は、フロー指標の改善に加え、BSの適正化にも取り組みます。

 関西ペイントグループは、2019年度からの3年間を計画期間とする第16次中期経営計画を推進しています。 本中計の位置づけは長期的視点に立った、持続的な成長企業になるための変革期です。 経営陣がリーダーシップをとり、改革を実行していきます。これにより、15中計の課題を解決するとともに、将来、大きく飛躍するための強靭な基盤を作り上げていきます。

1)多様性(Diversity)の推進● 境界の撤廃(Boundarylessness):国籍/性別/年齢/社歴/その他2)人財マネジメント● KPIツリーによる事業計画と連動した透明性の高い評価● グローバルタレントの活用● 人財の最適配置3)意識改革● 顧客を豊かにする製品・サービスの素早い提供を最優先する

売上高と利益率の推移と目標イメージ

16中計以降の飛躍

長期的視点に立った持続的な企業価値成長

重点方針

2021年タ−ゲット

目標

【 業績 】連結売上高 4,900億円(年平均成長率+4.7%)連結EBITDAマージン15.5%超(2018年度比+2.9%pt超)調整後ROE10.0%超(2018年度比+1.8%pt超)3カ年累計営業CF1,400億円の創出

(15中計期間累計営業CF比+400億円)

【 株主還元 】安定的・継続的な配当の実施

15中計の課題解決

7,000(億円)

5,000

4,000

3,000

6,000

2,000

1,000

02012 ʼ13 ʼ14 ʼ15 ʼ16 ʼ17 ʼ18 ʼ19 ʼ20 ʼ21 ʼ22 ʼ23 ʼ24 ʼ25(年度)

20(%)

15

10

5

0

売上高 EBITDAマージン

14中計 15中計 16中計 長期

 施策のポイントは、徹底した顧客志向を持つグローバル人財の育成と登用を加速することです。 国籍等様々な境界を撤廃し、人財マネジメントをグローバル化に適したものに作り変えていきます。

 グループリソースの分析を行い、低収益資産の整理を行います。そこで得られる経営資源を有望な分野に明確な目的を持って投入していきます。 これにより、グループ全体の「稼ぐ力」を高めてキャッシュインの拡大、最大化を目指します。 そして、ここで増加したキャッシュを活用し成長分野へ再投資していくことで規模の拡大を図ります。

 当グループの14中計、15中計の戦略は地域、事業ポートフォリオの拡大でしたので、この目的でのM&Aを実施してまいりましたが、ここに一定以上の成果を得たため、本中計では、「事業戦略を推進するためのM&A」を方針とし、引き続き果敢に成長を志向していきます。 また、このサイクルで生み出されたキャッシュの一部は、株主の皆様に還元していきます。

低収益資産の整理

短期業績改善

キャッシュ増加

稼ぐ力を高める・売上拡大 ・利益拡大 ・効率UP

有望セグメントへの再投資・事業 ・M&A ・アライアンス

経営資源再編儲かるところに集中

規模の拡大

分析

マネジメント・サイクルグループリソース活用例

 この方針に基づき、可能性の低い事業は撤退も含めて整理を行い、有望な事業へ資源投入を行います。またグループリソースの活用を積極的に促進しています。

アフリカ建築

アジア自動車

国内工業 欧州工業

インド建築 国内自動車

欧州工業 国内工業

1615

INTEGRATED REPORT 2019 関西ペイントについて

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事業概要

当期の概況国内の自動車生産台数は975万台(前年比+0.7%)で推移するなか、シェアアップや原材料価格高騰に伴う値上げなどの取り組みにより、売上は緩やかに増加しました。海外は、インドの自動車生産の増加が続くとともに、アセアン地域の自動車生産回復が増収に大きく寄与しました。

次期の見通し国内の自動車生産はおおよそ横ばいレベルとの見通しのもと、引き続きシェアアップ、値上げに取り組むものの、海外需要分の現地生産化による輸出減少を見込み、売上はわずかに減少すると見込んでいます。海外売上は、中国市場での自動車生産台数減少があるものの、他市場では概ね堅調に推移することから、増加基調で推移すると見込んでいます。

S WO T

●高品質製品による付加価値向上実現

●顧客ラインでの確かなサービス・サポート力

●日系自動車メーカーへの高プレゼンス

●新興国における自動車生産台数拡大

●非日系自動車メーカーへの供給拡大

●自動車のモデルチェンジなどに伴うシェア拡大

●原材料価格高騰の際、価格転嫁が遅れ収益改善にラグがある

●グローバル展開において完全な地産地消になっていない

●地域ごとにコスト競争力が異なる

●自動車の素材変化による塗布量の減少

●フィルムなど塗料に代わる代替素材の出現

●カーシェアリングなどの主流化による国内自動車販売台数減少

2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

150,000

111,015103,256 103,431

111,235 112,985

(百万円)

100,000

50,000

0

売上高推移

自動車分野

当期の概況国内は、自動車保有台数の減少、車の保有から利用といった動きもみられるなか、高い競争力を持つ水性塗料の拡販などに努めた結果、売上がわずかに増加しました。海外は、欧州での新規連結分の取り込みもあり、増収となりました。

次期の見通し国内は、市場の縮小均衡が懸念されるものの、環境配慮型塗料の拡販に努め、シェアアップの取り組みを推進してまいります。また、当社グループが保有するオール水性塗料と調色システム及びサービス・サポートを組み合わせることにより、新たなビジネス機会の創出も検討していきます。海外は、既存ビジネスの強化を図るとともに、特に新興国における参入展開を進めてまいります。

S WO T

●最先端の水性塗料による市場での高いプレゼンス

●環境関連法令などに対応した安全性の高い製品群

●圧倒的な色情報の保有に基づく、高度かつ効率的な調色力

●自動車保有→利用ニーズ変更に伴う新たな事業機会の可能性

●新興国での自動車保有台数の増加による市場拡大

●軽補修サービスなどの主流化

●米・中などでの市場展開の遅れ●非日系カーメーカー向けでの低い認知度

●後発はシェア獲得・拡大が難しい

●車の安全性能向上による自動車補修ビジネス自体の縮小

●環境規制などの強化による製品・サービスへの急激な要求変化

●M&Aによるグローバルメーカー参入で競合構図変化の可能性

2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

30,000

21,05419,640 19,372

23,262 24,097

(百万円)

20,000

10,000

0

売上高推移

自動車補修分野

当期の概況国内は、建設機械向けが引き続き好調に推移するとともに、他の市場分野でも拡販、値上げの取り組みを推進し、売上は伸長し、全国内売上の増加を牽引しました。海外は、欧州において経済停滞による鈍化がみられるものの、新規連結した欧州、東アフリカ分の取り込みが大きく増収に寄与しました。

次期の見通し国内は、引き続き全市場分野において拡販の取り組みを推進し、増収を目指します。また、海外子会社が保有する高機能製品などの横展開を進め、新たな顧客創出にも取り組みます。海外は、大きな需要拡大見通しは難しいものの、緩やかな増収を目指します。また、海外展開する日系ユーザーの需要獲得に向けた取り組みを推進してまいります。

S WO T

●幅広い事業分野への供給実績に伴う多様かつ確かな技術力

●大手顧客への長期供給実績による強い信頼関係

●需要拡大が期待される事業領域での固有技術を保有

●新興国などの経済発展による工業化加速に伴う需要拡大

●日系顧客の海外展開拡大に伴う販売拡大

●グループ内技術の横展開による収益向上や事業機会拡大

●原材料価格高騰の際、価格転嫁が遅れ収益改善にラグがある

●事業領域・顧客が幅広く、個別の対応が多くなってしまう

●抜本的な技術革新が起こりにくい

●特定事業領域における圧倒的プレゼンスを持つ競合の出現

●地域ごとでのグローバルプレーヤーとの競争環境激化

●画期的な技術革新による新たな競合の出現

2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

150,000

87,309 81,888 83,448

111,887122,193

(百万円)

100,000

50,000

0

売上高推移

工業分野

当期の概況国内は、全体需要が伸び悩むなか、商品ラインアップの拡充、機能性製品の拡販などに努め、売上はわずかに増加しました。海外は、インドでは2桁成長が続き、増収に大きく寄与するとともに、東アフリカでの新規連結による取り込みも増収に寄与しました。また、南アフリカでのミドルレンジ製品の拡販も、着実に成果をあげました。

次期の見通し国内は、需要増加の見通しは難しいものの、引き続き機能性製品の拡販や、顧客ニーズにマッチした商品展開、サービス・サポートなどにより増収を目指します。海外も、当社グループが事業展開する新興国の経済は成長が続き、需要拡大は継続すると見通しています。S W

O T

●インド、アフリカなど、成長期待の高い新興国地域でのプレゼンス

●多様なグローバル製品ラインアップ

●多様なビジネスモデルを保有

●新興国を中心とした中間層人口拡大による需要拡大

●機能性製品への注目度向上●Eコマースなど販売チャネルの変化

●米・中などへの市場展開の遅れ●日本のインテリア市場における対壁紙での塗料イメージの低さ

●後発はシェア獲得・拡大が難しい

●経済発展に伴う塗料以外の競合製品・サービスの出現

●原材料価格高騰の際、価格転嫁が難しい地域がある

●M&Aによるグローバルメーカー参入で競合構図変化の可能性

2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

150,000

83,221 86,670

112,310

(百万円)

100,000

50,000

0

売上高推移

93,532103,550

建築分野

国内 海外 国内 海外

国内 海外国内 海外

1817

INTEGRATED REPORT 2019 関西ペイントについて

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 当社グループの機能性製品である防蚊塗料「Kansa i Anti-Mosquito Paint」をザンビア、ウガンダで上市しました。 この塗料は、ベクターコントロールの代替手法として、蚊をノックダウンさせる機能を有しており、マラリアの感染予防効果をもたらす画期的な製品です。一方、人や環境に対しては安全なものです。 同様の製品は、すでに南アフリカや東南アジア、日本などにおいて販売を開始しておりますが、マラリアが社会的な課題であり、撲滅目標を掲げる両国において、非常に高い期待を得て上市を果たしました。 上市にあたっては、ザンビアでは、JICA民間技術普及促進事業として、同国厚生省や民間機関とも連携し、約2年間の実証モニターなどを重ね、同国環境管理庁の認証を得て、本格販売の運びとなりました。 また、ウガンダにおいても、ウガンダ保健省やその他関連機関の認証を得て、販売を開始しました。 このように、本製品の有する機能や期待効果に加え、官民連携の取り組みによりその信頼性を高めて普及促進を図ることで、人々や地域社会の安全を護り、ひいては、健全な経済発展への貢献を目指しています。

取り組みの概要

 「Kansai Anti-Mosquito Paint」は、特に住宅の内装に塗装することで、人々の暮らしを安全にすることができる製品であり、私たちの健康を保つことにつながります。 また、本製品は、公共施設、商業施設でも使用できるよう設計されており、私たちが生活する様々な場所での活用が期待されます。 そして、その活用が広がれば広がるほど、安心で安全な生活空間が増えていくこととなります。 このように、健康で安全な生活空間づくりへの貢献が、人々の快適かつ安心な暮らしへの貢献につながり、さらには地域と産業発展への貢献へともつながるものと考えます。 

中長期的に社会にどんな価値を提供できるのか

 防蚊塗料は、元々、当社の南アフリカ子会社(Kansai Plascon Africa)で開発した製品をグループ内で情報共有したことがきっかけで、グローバル展開へと発展したものです。 当社グループ事業のグローバル化が進むなか、それぞれの地域・会社が持つベストプラクティス共有活動の推進のなかで、マラリアとよく似たデング熱対策に着目した東南アジアがヒントを得て、応用展開の動きが生まれました。 実際の展開にあたっては、各国の規則・規定などに適合する開発が求められますが、配合設計を改良することで対応が可能です。 まさにグローバル化に伴い、出自の異なるアイデア、ビジネスモデルが事業そのものに直接活用された事例です。

強みのうちどんな内容・プロセスが活かされているのか

当期の概況国内は、防食(鉄構)分野の需要が伸び悩むなか、機能性製品の上市など拡販の取り組みを進め、売上はほぼ前年並みとなりました。また、船舶分野では、造船市場の低迷が続き、売上が大きく落ち込み、両分野合計での売上は前年を下回りました。海外は、欧州での新規連結の取り込みもあり、増収で着地しました。

次期の見通し国内は、船舶分野での需要回復の見通しは難しいものの、国内大規模スポーツイベント開催に向けた物件獲得、省工程や省エネ、耐火など顧客や社会ニーズに合致する防食分野の製品拡販により増収を目指します。海外は、既存事業の他、インフラ需要の獲得やJOTUN社とのグローバルアライアンスなどを活かした新規顧客獲得などを目指します。

S WO T

●省工程、省エネなどを実現する製品とユーザーへの提案力

●ロングセラー製品(防食、船舶用燃費低減製品)

●JOTUN社とのグローバルアライアンス

●オイル&ガス分野などインフラ老朽化に伴うメンテ需要拡大

●国内大規模スポーツイベントなど特需への期待

●環境規制に伴う燃費低減に寄与する製品需要の拡大

●グローバル規格に適合する製品ラインアップの遅れ

●次世代船底塗料の開発遅れ●世界ネットワークとしての一体的ブランドが未確立

●顧客企業の業績悪化によるメンテ費用圧縮

●亜鉛や亜酸化銅など、相場原料の価格高騰による収益性圧迫

●グローバ ルメーカー(施 主とサプライヤー)の規格市場襲来

船舶鉄構分野

2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

30,000

22,44020,793 22,081

(百万円)

20,000

10,000

0

売上高推移

19,89322,586

ムシヨケ塗料普及の取り組み

TOPICS

国内 海外

2019

INTEGRATED REPORT 2019 関西ペイントについて

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貯蔵安定性の向上が期待できます。高固形分化と塗工適性の両立が期待できます。

高固形分化による速乾性が期待できます。

適切な導電パス形成により、電池性能の向上が期待できます。

取り組みの概要 取り組みの概要

中長期的に社会にどんな価値を提供できるのか

強みのうちどんな内容・プロセスが活かされているのか

中長期的に社会にどんな価値を提供できるのか強みのうちどんな内容・プロセスが活かされているのか

 塗料は様々な技術の集積で成り立ち、なかでも顔料分散は重要なコア技術に位置します。顔料を分散し安定に保つためには、顔料の表面特性を評価する技術、それに適した分散剤を設計して各成分の適正配合を定める技術、また所望の分散度になるよう適切な分散工法を選択する技術が必要です。 今回目的とする導電カーボンペーストは導電パスを形成するだけの緩い連鎖状態を維持する必要性があります。当社は上記の保有技術を基に、特に細分化し過ぎない分散工法を駆使しながら、適切な連鎖状態、すなわち適切な導電性を有する導電カーボンペーストを開発しました。また試行錯誤を繰り返すなかで電池性能を阻害しない分散剤を見出し、これによって高固形分で貯蔵安定なペーストを実現できました。

 環境保全の側面から電気自動車や蓄電デバイスの普及が急速に高まっています。特に自動車産業に対しては中国やインドがガソリン車を規制する、あるいは自動車メーカーが電気自動車の生産目標を宣言するなど激しい潮流が起こっています。その一方、電池の性能改善には未だ多くの研究余地が残されており、電極スラリーもしくはその一部である導電カーボンペースト一つを取っても貢献できる部分は少なくありません。 今後も当社はリチウムイオン電池を代表として従来ビジネスの延長線に無い領域へ足を踏み出していきます。自らのコア技術を明確にし、多くのサプライヤーやユーザー、異業種、アカデミアと融合を図りながら、将来技術へのソリューションを見出していく所存です。

 当社グループは、自社の持つグローバルネットワークを最大限に活用し、ペイントの魅力の一つである色材や色彩に関する情報をグループ間で共有し、色彩開発を行っております。そのなかでも特に建築市場を対象として、年に一度、「関西ペイント グローバルカラーフォーキャスト」を発表し、流行色を多彩なインテリアコーディネートとともにご提案しています。  経済や世相など世界中の様々な情報から予測されたトレンドカラーをもとに、生活者の個性に応じたご提案ができるよう、8色ずつのパレットから成る、4つのトレンドストーリーで構成しご提案しています。また、全32色のなかから毎年、最もおすすめするニュートラルカラー「Neutral of the Year」を1色選出しています。 2019年のトレンドストーリーは、癒しと活力を与える春をイメージした「MINIMAL」、ニュートラルとモダンパステルを核とし夏をイメージした「GLAMOUR」、快適と洗練を両立する秋をイメージした「LUXURY」、エッジを効かせ冬をイメージした「URBAN」の4つ。 2019年最もおすすめするニュートラルカラーには、「LUXURY」のトレンドストーリーより、「Ravine」を選びました。 時代を超え愛されるなじみやすいグレーとベージュのブレンド色で、空間に豊かな上質感を与えます。 

 「関西ペイント グローバルカラーフォーキャスト」の製作には、グループ内10社の色彩研究員やマーケターが携わっています。参画メンバーは各国の文化や色彩傾向を持ち寄り、議論し合い、グローバルに受け入れられるトレンドカラーを選定します。 製作の指揮は、1999年から20年に渡り自国でトレンドカラーの製作発信を続けてきた南アフリカのKansai Plascon Africa社が執り、長年蓄積してきたノウハウ、知見をベースに各国の要求をまとめています。 製作されたグローバルトレンドカラーは、各社での地域文化に合わせた提案活動のベースとして活用されます。

 色彩には、生活者が自分好みの空間を演出するだけでなく、人の心を癒したり集中力を高めたりといった心理効果があり、医療施設やオフィスなど様々なシーンでその効果を発揮しています。当社グループは今後も、塗料の力で生活者の快適な環境づくりに貢献していきたいと考えています。

リチウムイオン電池材料開発の取り組み

 リチウムイオン電池は正極と負極の間をリチウムイオンが往来して充放電を行う蓄電デバイスです。このうち正極膜はイオンを出し入れする活物質粒子、電子を伝搬する導電カーボン粒子、それらを結着させるバインダー粒子から構成されています。その膜はまず各粒子を有機溶媒中に分散し、得られたスラリーを金属箔に塗工することによって形成されます。このとき各粒子の分散が適切でなければ、良好な塗工状態や電池性能が達成できません。それ故、電池業界にとってスラリーの調整は大きな課題となっていました。 一方、塗料業界は長年スラリーを扱ってきた経験があり、多くの技術知見を蓄積しています。そこで当社として技術親和性の観点から、電極スラリーのビジネスに参入することを決断しました。なかでも正極中の導電カーボンはその分散状態が電池性能に

強く依存します。そこでまず適切な分散状態を有すカーボンペーストを設計し、それを商材としてビジネス展開を始めました。 電池に求める性能の優先度(例えば出力、耐久性、安全性)は電池メーカーあるいはその先のエンドユーザーによって異なります。従って使用される導電カーボンも様々になり、当社は現在、それぞれに応じた処方を体系化しています。今後も技術の蓄積を進めながら電池業界の発展に貢献していきます。  

当社分散技術の適用工程

分散体

導電カーボン

分散剤

溶媒

バインダー

活物質

溶媒

貯蔵

組立切断乾燥塗工分散

〈 リチウム電池の構造 〉

負極 正極

放 電

eー eー

eー eー

Li+

Li+

充 電

充電器/放電

関西ペイントグローバルカラーフォーキャスト

〈 正極材の構成成分 〉

活物質 導電カーボン バインダー

Li+eー

eー

関西ペイントについて

TOPICS TOPICS

22

INTEGRATED REPORT 2019

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ESGに関する取り組み

環境保全方針

基本方針

1. 人間・環境への影響を配慮した製品を提供する。2. 人間・環境への影響を予測した事前対策をとる。3. 環境・安全・健康に対する認識を高め社会に貢献する。4. 環境・安全・健康に関する情報を開示・提供する。

 2019年2月に、アレスエコプラン2018の進捗や国内外の環境規制の動向をRC委員会の長である社長はじめ経営トップ層に各委員会から報告し、より効果的かつ効率的な活動となるように、これからの取り組みについて議論しました。 環境規制情報の周知・対応をより効果的に行える仕組みを考えること、化学物質管理及び安全・衛生対策について関連会社を含めた管理・指導ができるように体制を整えること、などの指示が経営トップ層からありました。 また、2019年4月から始めるエコプランの目標についても審議し、承認されました。経営層からの指示事項、エコプランの目標を基に、これからもRC活動を充実させてまいります。

 製品を使用されるお客様や原料となる化学物質を使用する従業員の安全・健康の確保、また、製品の使用や企業の事業活動により発生する環境負荷の低減などを考慮し、関西ペイントでは、

「地球環境問題に関する会社方針」を定め、これをレスポンシブル・ケア活動の基軸としています。

化学物質管理

レスポンシブル・ケア(RC)組織体制

 当社では、製品や原材料を使用するお客様や従業員の安全・健康の確保、製品による環境負荷の低減のため、化学物質の危険・有害性を考慮し、製品への使用を禁止する使用禁止物質、新規設計への使用や用途を制限する使用制限物質などを定めています。 原料メーカーから提出されるSDSや原料見本説明書の情報から、これらの禁止物質・制限物質が製品に配合される原材料に含有されていないかを原料登録及び製品配合作成の前に確認し、

安全・健康の確保ができない状況や環境負荷が懸念される場合は製品に使用しないようにしています。 また、新規の原材料を取り扱う際や既存の原材料の取り扱い方が変更される際には、労働安全衛生法で要求されるリスクアセスメントを技術担当者、生産担当者が実施し、より安全に取り扱えるよう使用環境に応じた工夫を行っています。

原料探索 原料登録

はい

はい

はい はい

はい

いいえ

製品設計

製品配合

危険・有害性原材料

いいえ

いいえ いいえ

使用制限原材料?

再検討

危険・有害性物質使用制限物質含有?

使用禁止物質含有?

一般原材料

製品使用可否審査

原材料登録可否審査

原材料情報の入手

・SDS・原料見本 説明書 等

新規原材料

既登録原材料

使用制限原材料

環境に関する会社方針 レスポンシブル・ケア(RC)トップ診断

製品設計における化学物質管理

 上記の基本方針を基に、製品の環境負荷低減、製品安全の確保、お客様への情報提供、従業員の安全・健康の確保、事業活動における環境負荷の低減などの活動に関わる目標・計画の策定、進捗の管理を、製品環境安全委員会、市場環境安全委員会、環境安全衛生委員会の三委員会で行っています。 各委員会の活動目標・計画の承認、活動の進捗確認、計画の見直しを、三委員会の上位組織であるRC委員会、RCトップ診断で行っています。 これらの委員会活動を通じ、アレスエコプランはじめ、レスポンシブル・ケア活動を推進しています。

● 本社

● 開発センター

● 尼崎事業所

● 小野事業所

● 名古屋事業所

● 平塚事業所

● 鹿沼事業所

● 東京事業所

● 関係会社

部門別実施事項の主なものは次のとおりです。

RCトップ診断社長・管掌取締役・監査役

RC(レスポンシブル・ケア)委員会委員長:社長

事務局品質・環境本部

健康・衛生分科会

中央環境安全衛生診断チーム

全社安全環境推進チーム

中央省エネ環境対策チーム

海外・関係会社環境安全推進チーム

環境安全衛生委員会委員長:生産担当執行役員

市場環境安全委員会委員長:営業担当執行役員

製品環境安全委員会委員長:技術担当執行役員

環境管理活動(ISO14001活動等)

1.安全衛生・公害防止活動2.PL活動3.「環境・安全・健康」を考慮した品質保証活動4.関連規程類の整備

5.SDSの整備(原材料、製品)6.CSR報告書の発行7.危機管理体制及び危機対応マニュアルの整備8.グリーン調達の推進

全社共通

見直しAct

実施・運用Do

アレスエコプラン

Plan

計画

チェックCheck

全社品質・環境推進委員会

1.省エネルギー対策2.製造時の環境負荷の低減3.廃棄物の低減

生産部門

1.環境負荷低減製品・システム(VOC削減、有害物排除など)の開発2.省エネルギー、省工程製品・塗装システムの開発3.環境負荷低減につながる生産技術の開発

技術部門

1.環境負荷低減製品の普及2.物流業者・顧客への製品安全情報の提供3.GHSに基づく製品安全情報のラベル表示・SDS対応

販売・物流部門

2423

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ESGに関する取り組み

アレスエコプラン2018(2018年度目標と実績結果) アレスエコプラン2021策定

目標項目 2021年度目標

製品環境安全

製品からの有害性物質の削減

①販売した製品中の鉛(Pb)量※1) 特殊用途以外の使用禁止特殊用途も2020年までに廃止

②販売した製品中の六価クロム(Cr VI)量※2) 2003年度比 88%減

③販売した製品※3)中のT・X・EB※4)量 2015年度実績を維持する

④ノニルフェノール類の削減 使用量を0.3tに抑制2022年廃止に向けた検討を実施

環境安全衛生

環境保全活動

①ISO14001活動 継続して実施する

②環境会計の作成 継続して発行する

③環境汚染の予防

1)環境測定値 基準値以内

2)保安防災(火災、流出等の発生) 0件

安全・衛生の確保

①労働災害発生件数 1日以上の休業災害 0件

②海外関係会社の安全確保 海外関係会社の安全診断と同時に、現地社員に安全教育を実施

操業時の環境負荷の低減

①エネルギー消費量(原単位) 2018年度比 3.0%減

②-1 CO2排出量   (原単位:焼却炉含む生産部門)②-2 CO2排出量   (総量:焼却炉含む生産・技術・本社部門等)

②-1 2018年度原単位を維持する②-2 2013年度比16.5%削減する

③廃棄物の発生量(原単位) 2018年度比 3.0%減

④廃棄物の再資源化率 99%以上維持

市場環境安全

市場環境安全活動

①国内外環境関連規制法に対する法令遵守実行●国内各種環境関連規制に対する遵守体制の定着●海外各国の環境関連規制に対する 市場展開に応じた遵守体制の検討・構築

②環境対応システムの充実 必要となるシステムの構築

③PL苦情の発生 0件 PL法に関連する苦情0件を目指す

環境情報の公開

①「CSR報告書」の発行

統合報告書を継続して発行する

②「Corporate Report」の発行

※1)鉛(Pb)量:鉛元素量           ※3)製品:販売したシンナーを含む※2)六価クロム(Cr VI)量:六価クロム元素量 ※4)T・X・EB:それぞれトルエン・キシレン・エチルベンゼンの略称

目標項目 2018年度目標 2018年度実績 活動評価

製品環境安全

製品からの有害性物質の削減

①販売した製品中の鉛(Pb)量※1) 全廃

鉛廃絶に関する(一社)日本塗料工業会の宣言どおり、特殊用途を除き2019年3月末 で 製造・販売 を終了

目標を達成

② 販売した製品中の六価クロム (Cr VI)量※2) 2003年度比 78%減 2003年度比 85%減 目標を達成

③ 販売した製品※3)中の T・X・EB※4)量 2015年度実績以下を維持 2015年度実績を維持 目標を達成

環境安全衛生

環境保全活動

①ISO14001活動 継続して実施する 継続して実施 目標を達成

②環境会計の作成 継続して発行する 継続して発行 目標を達成

③環境汚染 の予防

1)環境測定値 基準値以内 基準値以内 目標を達成

2)保全防災(火災、  流出等の発生) 0件 土壌への流出事故 1件 目標を未達成

安全・衛生の確保

①労働災害発生件数 1日以上の休業災害 0件 1日以上の休業災害 0件 目標を達成

②海外関係会社の安全確保●海外研修生への安全教育●海外関係会社の安全診断と同時 に、現地社員に安全教育を実施

●日本国内における海外研修生の安全教育を実施

(アセアン5名など)●合弁会社の安全担当者に対して安全教育を実施

(トルコ3名、中国3名など)

目標を達成

操業時の環境負荷の低減

①エネルギー消費量(原単位) 2015年度比 3.0%減 2015年度比 9.1%減 目標を達成

②CO2排出量(総量:焼却炉含む) 1990年度比 38%減 1990年度比 35.5%減 目標を未達成

③廃棄物の発生量(原単位) 2015年度比 3.0%減 2015年度比 9.7%減 目標を達成

④廃棄物の再資源化率 99%以上維持 通期(平均) 100% 目標を達成

市場環境安全

市場環境安全活動

① 国内外環境関連規制法に 対する法令遵守実行

●国内各種環境関連規制に 対する遵守体制の定着●海外各国の環境関連規制に  対する市場展開に応じた  遵守体制の検討・構築

労働安全衛生法及びその特化則、輸出貿易管理令、毒劇法等関連政省令改正への対応

各項目とも継続して実施

②環境対応システムの充実 必要となるシステムの構築 ラベル・SDSに関するシステム改訂

③PL苦情の発生0件 PL法に関連する苦情0件を目指す

関西ペイント、関西ペイント販売、関西ペイントマリン、カンペハピオとも0件

環境情報の公開

①「CSR報告書」の発行

継続して発行する

「CSR報告書2018」を6月に発行予定どおり情報を公開

② 「Corporate Report」の発行 「Corporate Report」を8月に発行

※1)鉛(Pb)量:鉛元素量           ※3)製品:販売したシンナーを含む※2)六価クロム(Cr VI)量:六価クロム元素量 ※4)T・X・EB:それぞれトルエン・キシレン・エチルベンゼンの略称

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INTEGRATED REPORT 2019

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ESGに関する取り組み

 2018年度の環境保全コストは、設備投資額3億94百万円、費用19億86百万円で、合計23億80百万円でした。

 2018年度の生産量は2017年度比2.8%減少し、またコージェネレーションが順調に稼動していることもあり、エネルギー使用量は技術部門も含めると、2017年度との単純比較で4.3%減少しました(33,556GJ減少)。また、生産部門のエネルギー原単位も2017年度と比べて2.8%削減され効率的な生産を維持しています。 今後ともISO14001マネジメントシステムにて事業所ごとに目標を定め、削減に取り組んでいきます。

 2018年度は前年度と単純に比較すると、経済効果が73百万円増加しました。 前年度の事業活動量を考慮して調整比較すると、経済効果は約27百万円増加となります。 その内訳はエネルギー約22百万円増加、水使用量約4百万円減少、廃棄物処理約9百万円増加で、主に省エネルギーが寄与しています。 今後も省エネルギー、節水、廃棄物抑制活動を継続します。

マテリアルバランス 環境会計

分 類2018年度

主な取り組み内容投資額 費用額 合 計

事業エリア内コスト

公害防止コスト 86 166 252 ●公害(大気、水質、土壌、騒音、悪臭等)防止に必要な投資及び経費

地球環境保全コスト 100 228 328 ●省エネルギー、地球温暖化防止等に必要な投資及び経費

資源循環コスト 0 345 345 ●廃棄物削減、再資源化等に必要な投資及び経費

管理活動コスト 78 36 114 ●環境マネジメントシステムの整備、運用●環境情報の開示(CSR報告書発行)●環境負荷の抑制に対する取り組みのためのコスト

研究開発コスト 28 1,105 1,133 ●環境保全に資する製品等の研究開発コスト●製造、物流、販売段階等における環境負荷抑制のための研究開発コスト

社会活動コスト 57 106 163 ●事業所を除く緑化、美化、景観保持等の環境対策コスト

環境損傷コスト 45 0 45 ●事業活動が環境に与える損傷に対応して生じたコスト●自然修復のためのコスト等

合 計 394 1,986 2,380 研究開発コスト内訳:(開発センターにおける研究費総額)×(研究員比率)×(環境関連研究テーマ比率)

(単位:百万円)

2018年度の環境会計集計方法●環境省「ガイドライン」を参考●環境保全活動の投資、費用(減価償却費も含む)及び効果を集計●効果は、事業活動における環境保全効果(物量単位)と環境保全対策に伴う 経済効果(貨幣単位)を集計

●リスク回避等の仮定に基づく、いわゆる“みなし効果”は含めない●集計範囲:6事業所及び開発センター●対象期間:2018年4月1日〜2019年3月31日

エネルギー投入量 事業活動で使用したエネルギー量

水資源投入量 事業活動で使用した水の量

廃棄物発生量 事業活動により発生した廃棄物の量(廃水を除く)

廃棄物等の排出量 事業活動により発生した廃棄物等の外部中間処理及び外部最終処分した量

CO2排出量 事業活動により排出するCO2の量

SOx排出量 事業活動により排出するSOxの量

NOx排出量 事業活動により排出するNOxの量

化学物質排出量 事業活動により大気へ排出する化管法PRTR届出対象物質の量

廃水処理量 事業活動により排出する水の量(廃水処理した量+焼却処理した量)

COD排出量 排水処理した量に排水中のCOD濃度を乗じて求めた量

燃料 トラック輸送により使用する軽油

輸送時のCO2排出量 トラック輸送による燃料使用量から求めた量(計算値)

分 類 削減量

事業活動に投入する資源の保全効果

エネルギー使用量(GJ)CO2排出量(t-CO2)

11,502529

水使用量(千m3) 41.4

事業活動により排出する環境負荷及び廃棄物に関する保全効果

大気汚染物質 SOx(t)       NOx(t)       ばい塵(t)水質汚濁物質 COD(t)

-2.1010.01

-0.010.20

産業廃棄物 発生量(t)      外部委託処理量(t)

701 172.7

環境保全対策に伴う環境保全効果は、2017年度との事業活動量調整比較により算出しました。環境保全対策に伴う環境保全効果=2017年度環境負荷量×(2018年度生産量/2017年度生産量)−2018年度環境負荷量

分 類 経済効果(単位:百万円)

費用削減

事業所の省エネルギーによる経済効果 21.9

上下水費用の削減による経済効果 -3.9

廃棄物処理費用の削減による経済効果 8.5

合 計 26.5

注)環境保全対策に伴う経済効果=前年度経費−当期経費環境保全対策に伴う経済効果は、2017年度との事業活動量調整比較により算出しました。環境保全対策に伴う経済効果(費用節減)=        2017年度費用×(2018年度生産量/2017年度生産量)−2018年度費用

研究開発・生産

使用(顧客)

原材料購入

エネルギー投入量

水資源投入量

燃 料

上 水 0.9×105m3

地 下 水 3.1×105m3

工業用水 1.8×105m3

水総使用量 5.9×105m3

LPG 1.4×102kL

灯 油 0.5×103kL

電 力 5.0×107kWh

都市ガス 6.1×106m3

A 重 油 5.7×102kL

輸送時のCO2 排出量 7,898t-CO2

廃棄物(容器等)

CO2 排出量 34,700t-CO2

NOx 排出量 2.7t

SOx 排出量 5.2t

COD 排出量 0.6t

廃棄物発生量 18,900t

廃水処理量 11,700t

廃棄物等の排出量 23t

化学物質排出量 92t

回収・リサイクル

物 流

INPUT

INPUT

OUTPUT

OUTPUT

OUTPUT

● 2017年度に引き続き、省エネタイプ設備への更新を継続しました。● 環境対応技術・製品開発のための設備投資を進めました。● 環境損傷コストには、平塚事業所の漏洩事故の処理費用を計上しております。

トピックス

2018年度の活動結果

環境保全効果(削減量) 環境保全に伴う経済効果

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ESGに関する取り組み

当社では、年間で再資源化率99%以上になっている状態のとき、ゼロエミッションを達成したとします。

再資源化率 =                   ×100再利用+売却+外部再資源化

廃棄物発生量

廃棄物ゼロエミッションの定義

 2018年度の生産量は2017年度比で2.9%減少したこともあり、生産部門の二酸化炭素排出量も4.0%減少しました。 また、原単位でも116kg-CO2/tになり、2017年度比で1.7%削減されました。

 2018年度の水使用量は、2017年度比12.7%減となり、また原単位としても10.4%減少しました。 これは主に設備の洗浄方法を工夫するなど節水への取り組みによるものであり、今後も効率的な使用に努めます。 生産部門のエネルギー使用量は2017年度比で4.5%減少しま

した。原単位も2017年度比で1.6%削減されました。 これは各事業所で節電に取り組み、より効率的な生産方法を実践してきた成果です。 今後もさらなる省エネルギー活動に努めます。

 水質汚濁物質排出量の指標であるCOD排出量は、2017年度に比べて27.2%減少しました。 これは主に一部の事業所の廃水処理場をリプレースしたことにより、一定期間排水を外部へ処理委託したためです。 今後も水の使用量を意識するとともに廃水処理場を適正に管理し、水質汚濁防止に取り組みます。

地球温暖化防止

大気汚染防止

水資源削減・水質汚濁防止

 当社はISO14001に基づき、各事業所の地域性を考慮して適用される法律や条令で定められた基準よりも厳しい自主基準で運用しています。さらに、ボイラーの燃料を重油から都市ガスに転換し、排ガスのクリーン化を推進してきました。2018年度も法・条例(規制値)・自治体等との協定値を超えた事業所はありませんでした。 NOx排出量は減少した状態を維持していますが、一方、SOxの排出量が増加しています。その理由は、一部の事業所で使用しているA重油に含まれる硫黄成分(基準値以内)の影響によるものです。 今後も大気汚染物質を削減する取り組みを継続していきます。

 当社は、1999年度に「全社廃棄物削減チーム」を発足し、循環型社会形成のために廃棄物の3R、すなわち廃棄物の発生を削減

(Reduce)、発生した廃棄物の再利用(Reuse)、再資源化(Recycle)を推進し、生産活動を通じて発生する廃棄物のゼロエミッションの達成を目指してきました。 この結果、生産部門は、2016年度より再資源化率100%を維持しています。 今後もゼロエミッションを継続するよう努力していきます。 2018年度の廃棄物発生量は2017年度に比べ6.0%減少しました。これは2016年度にアレスエコプランを掲げ、廃棄物削減活動に取り組み計画どおり進捗したためです。

廃棄物削減

廃棄物発生量に対する再資源化と廃棄物量の内訳廃棄物発生量の推移(生産部門)

水使用量の推移

●SOx(硫黄酸化物) 重油、灯油等の燃料や硫黄を含む廃棄物を燃焼した場合に発生します。 二酸化硫黄と少量の三酸化硫黄からなりSOxと表記されます。

●NOx(窒素酸化物) ボイラー、焼却炉、トラック等の排ガスに含まれます。 一酸化窒素、二酸化窒素等からなりNOxと表記されます。

●ばい塵 すすや燃えかすの固体粒子状物質で、大気汚染防止法で燃料その他、 物の燃焼または熱源として電気の使用に伴い発生するものと定義されています。

SOx・NOx・ばい塵排出量の推移

CO2排出量の推移 ✳︎焼却炉含む

40,000

10,0002014 2015 2016 2017 2018 (年度)

(t-CO2) (kg-CO2/t)

30,000

20,000

300

0

200

100

生産部門 CO2 排出量技術部門 CO2 排出量

CO2 排出量(原単位)

11,700 12,000

25,70024,300 24,700 23,700

27,000

12,000 11,400 11,000

129 127 119 118 116

エネルギー使用量の推移

700

1002014 2015 2016 2017 2018 (年度)

(106MJ) (kJ/kg)

500

300

3,500

2,000

3,000

2,500

生産部門 エネルギー使用量技術部門 エネルギー使用量

エネルギー使用量(原単位)

533503 511 488

575

260 257 263 248 242

2,7502,630

2,460 2,4302,390

(L/kg)(千m3)

2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

800

600

400

200

0

4

3

2

1

0

638

261

289

88

総計

195

53

5373.05

2.65 2.50 2.502.79

172

35

510204

37

585

181

39

511

上水道水 地下水 工業用水 水使用量(原単位)

289 303 344 291

 2018年度も冷却水の効率的使用、水道管漏水対策等の節水対策を進めることにより、水資源削減に努めました。

COD排出量の推移(t)

2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

3

2

1

0

0.81※0.59

0.93 0.950.880.88

※訂正:2018年発行のCSR報告書で2017年度のCOD排出量を1.27トンと記載していま  したが誤りで、正しくは0.81トンです。

※訂正:2018年発行のCSR報告書で2017年度の廃棄物発生量を17,500トンと記載していましたが誤りで、正しくは17,630トンです。

0%

0%

18.9%

16.8%

64.3%売却

外部再資源化

最終埋立処分

外部中間処理

再利用

廃棄物発生量16,580トン

2018年度

 当社は資源やエネルギーを消費して製品を生産し社会に提供しています。 限りある化石燃料を消費して地球温暖化の原因とされている二酸化炭素を排出していることになります。したがって、メーカーである私たちが果たすべき役割は、生産段階でのエネルギー消費(二酸化炭素排出量)の抑制であるとの考えに基づき、設備更新時に省エネ対策を進めています。

二酸化炭素排出量削減 省エネルギーの推進

大気汚染防止への取り組み(生産事業所)

節水の取り組み(生産事業所) 水質汚濁防止への取り組み(生産事業所)

廃棄物削減への取り組み

25,000

20,000

15,000

2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

(t)

20,290

18,260

17,41016,580

17,630※

廃棄物発生量

(t)

2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

6

5

3

2

4

1

0

3.5

0.40.00

3.43.1

0.05

3.2

5.2

0.02 0.03

1.5

0.02

SOx NOx ばい塵

1.9

2.8 2.7

3029

INTEGRATED REPORT 2019

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ESGに関する取り組み

PRTR対象物質 排出・移動 有害性物質削減実績

自主管理対象物質名 大気排出量(kg) 移動量(kg)酢酸ブチル 30700 43600

ブチルアルコール 17030 58410

メチルブチルケトン   13770 32680

酢酸エチル 9690 12020

メチルアルコール  4560 7180

メチルエチルケトン  3862 7947

プロピルアルコール 3840 10027

シクロヘキサン 1390 1221

アセトン 1337 6685

エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)  1152 31520

2 アクリルアミド 0 1.8

3 アクリル酸エチル 0 12

4 アクリル酸及びその水溶性塩 0 9.2

6 アクリル酸2-ヒドロキシエチル 0 21.9

7 アクリル酸ノルマル-ブチル 0 29.3

8 アクリル酸メチル 0 2.4

9 アクリロニトリル 0 2.6

16 2,2'-アゾビスイソブチロニトリル 0 7.5

30 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩 0 69

31 アンチモン及びその化合物(アンチモン(Sb)に換算) 0 39

34 3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル=イソシアネート 0 64

37 ビスフェノールA 0 214.7

51 2-エチルヘキサン酸 0 2.7

53 エチルベンゼン 26440 72370

71 塩化第二鉄 0 0

80 キシレン 29360 80640

83 クメン 356 1523

86 クレゾール 0.4 45

87 クロム及び三価クロム化合物(クロム(Cr)に換算) 0 82.4

88 六価クロム化合物(クロム(Cr)に換算) 0 82.7

132 コバルト及びその化合物(コバルト(Co)に換算) 0 4.3

239 有機スズ化合物(スズ(Sn)に換算) 0.5 1540

240 スチレン 0 9.5

243 ダイオキシン類(単位:mg-TEQ/年) 0.09384 0

256 デカン酸 0 25

259 テトラエチルチウラムジスルフィド 0.1 130

270 テレフタル酸 0 2.6

277 トリエチルアミン 179 668.7

278 トリエチレンテトラミン 0 28

296 1,2,4-トリメチルベンゼン 3570 30230

政令No PRTR対象物質名 大気排出量

(kg)移動量(kg)

297 1,3,5-トリメチルベンゼン 1140 8610

298 トリレンジイソシアネート 0 3.5

300 トルエン 30730 42100

302 ナフタレン 16.1 1531

305 鉛化合物(鉛(Pb)に換算) 0 26.5

306 二アクリル酸ヘキサメチレン 0.3 3.8

309 ニッケル化合物(ニッケル(Ni)に換算) 0 14

320 ノニルフェノール 0 48

321 バナジウム化合物(バナジウム(V)に換算) 0.1 565.7

329 ポリカーバメート 0 27

349 フェノール 0.9 60.8

354 フタル酸ジ-n-ブチル 0 96

355 フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) 0.1 132

368 4-ターシャリ-ブチルフェノール 0.1 0.7

391 ヘキサメチレン=ジイソシアネート 1.1 50.5

392 n-ヘキサン 22 25.1

401 1,2,4-ベンゼントリカルボン酸1,2-無水物  0 6.6

411 ホルムアルデヒド 75.6 72.3

413 無水フタル酸 0 160

414 無水マレイン酸 0 1.4

415 メタクリル酸 0 7.6

416 メタクリル酸2-エチルヘキシル 0 7.5

417 メタクリル酸2,3-エポキシプロピル 0 10.5

418 メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル 0 5.1

419 メタクリル酸n-ブチル 0 13.4

420 メタクリル酸メチル 0 84

438 メチルナフタレン 1.5 51.4

447 メチレンビス(4,1-シクロヘキシレン)=ジイソシアネート 0 0.3

448 メチレンビス(4,1-フェニレン)=ジイソシアネート 0 54.5

政令No PRTR対象物質名 大気排出量

(kg)移動量(kg)

関西ペイントの対象品目

国への届出対象物質を除く(日化協対象排出量の多い10物質)排出量の多い10物質の経年推移

35,000

30,000

25,000

20,000

15,000

10,000

5,000

02014 2015 2016 2017 2018 (年度)

(排出量kg)

エチルベンゼン キシレン トルエン 酢酸ブチルブチルアルコール メチルブチルケトン 酢酸エチルメチルアルコール メチルエチルケトン プロピルアルコール

 当社では、化学物質管理促進法の届出対象と定められた物質(政令指定化学物質)と(一社)日本化学工業協会(日化協)が自主的に把握(管理)対象とした物質(日化協対象物質)について、排出量、移動量の集計を行い、毎年、その結果を報告書で公表しています。 2018年度は政令指定物質462物質のうち、59物質が届出の対象となり、各事業所から行政へ届出いたしました。 政令指定物質及び日化協対象物質のうち、排出量の多い10物質は昨年度と同じ物質で、これらの合計で当社からの大気排出量の94%を占めています。

 特にトルエン、キシレン、エチルベンゼンについては、製品への使用量を抑え、排出量を維持する活動を行っています。

(%)

2003 2013 2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

100

20

40

60

80

0

100

24

10 83 0.5 0.4

販売した製品中の鉛量の推移

(%)

2003 2013 2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

150

50

100

0

147

105 101 100 98 104 100

販売した塗料及びシンナー(製品)中のT・X・EB量の推移

(%)

2003 2013 2014 2015 2016 2017 2018 (年度)

100

20

40

60

80

0

100

34 30 2618 16 15

販売した製品中の六価クロム量の推移

 有害性が特に高い物質や製造事業所からの排出量が多い物質は、塗料の使用者や製造者、環境へ悪影響を及ぼすおそれがあります。 この影響を少しでも減らしていくべく、使用量の削減や使用の抑制の目標を、中期経営計画と合わせたアレスエコプランに設け、負荷低減に注力しています。

大気排出量 181t

64,586t2018年度 PRTR把握対象物質取扱量合計

合成樹脂・塗料生産

消費量

546t

522t

移動量

リサイクル量

22t廃棄物量63,315t

(0.81%)

(98.03%)

(0.28%)

(0.85%)

(0.03%)

PRTR対象物質及び自主管理物質の排出量・移動量一覧(全事業所)

有害性物質削減実績

販売した製品中の六価クロム アレスエコプラン2018で2003年度実績から78%削減する計画で、削減活動を進めてきました。 2018年度は防錆顔料の廃止や代替を主に進め、2003年度比85%減の結果となり、目標を達成いたしました。 六価クロム含有の防錆顔料は長期耐久性を要する用途に主に用いられていますが、代替製品の開発と展開を進め、削減していきます。

(2003年度を100とした時の相対量)

販売した製品中のT・X・EB アレスエコプラン2018では、「販売した塗料及びシンナー中のトルエン、キシレン、エチルベンゼン(T・X・EB)の量」の目標を2015年度実績の維持としました。 2018年度も溶剤系塗料から水性塗料への移行やT・X・EBからより有害性の低い溶剤への代替を進め、特にT・X・EB含有シンナーの需要が低下したため、2015年度実績と同じ出荷量となりました。 これからも T・X・EB の代替製品の開発や販売促進を行い、T・X・EB量を増やさない努力をしていきます。

(2015年度を100とした時の相対量)

販売した製品中の鉛 アレスエコプラン2018で(一社)日本塗料工業会が宣言した

「一般用途向けの鉛含有塗料を2018年までに全廃する」に合わせた削減計画を策定し、活動してきました。 2018年度も鉛含有顔料を使用した製品の廃止や他顔料への代替を推し進め、一般用途向けの鉛含有塗料の製造・販売を2018年度中に終了いたしました。 特殊用途向け鉛含有塗料については、鉛含有塗料全廃の期日である2020年までに、製造、販売を終了すべく、削減活動を続けていきます。

(2003年度を100とした時の相対量)

3231

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ESGに関する取り組み

品質保証 取引先との関わり

消費者保護

お客様との関わり

 研究開発、資材の調達、製品の生産、流通、販売に至る全ての事業活動や製品の使用・廃棄にわたる全ての段階において、従業員、

付近住民、顧客等の人の健康と安全に留意した調達活動を実施いたします。

地球環境・安全への配慮 環境問題への取り組みが企業の存在と活動に必須の要件であることを認識し、持続可能な地球環境保全に留意し、資材の調達にあたってはグリーン調達の精神から環境管理体制を整備した取引先を優先し、地球環境に配慮した調達活動を実施いたします。

取引先のグリーン度調査 取引先においてISO14001の認証取得等により環境マネジメントシステムを構築し、運用の維持・向上に努められているかどうか調査を実施いたしております。

原材料管理 当社製品に使用される原材料中に含有する化学物質について取引先よりSDS等により情報を入手し、含有化学物質の管理を実施しております。その結果を当社製品の安全衛生情報へ反映するとともにELV、REACH、日本化審法など国内外の化学物質規制に関する法律の遵守を行っております。 また、コンゴ民主共和国及び周辺国より採掘される紛争鉱物

(コンフリクトミネラル)に該当する「錫、タングステン、タンタル、金」を含有する原材料について、毎年、取引先に産地の確認を行い、紛争鉱物を使用しない調達を進めています。

法令順守への対応 下請代金支払遅延等防止法等の国内外の関連法規・社会規範・当社社内ルールを遵守するのみならず、誠意をもって公正かつ適正な取引条件を設定し、健全な取引慣行から逸脱する行為、社会規範にもとる行為を行いません。 また、営業秘密を含む知的財産の重要性を認識し、他社の知的財産を侵害しないとともに自らの権利を守り防衛できるように調達活動を行います。 取引先の内部情報及び個人情報の収集は、調達活動を遂行のうえで必要な範囲のみとし、その他の意図をもって、収集を行わないとともに得られた機密情報は守秘いたします。

人権尊重及び労働環境 人種・国籍・年齢・性・宗教・門地・身体上のハンディキャップ等を理由とした嫌がらせ(ハラスメント行為)や差別、職場における暴力行為や過剰な懲罰、及び強制労働、児童労働、長時間労働、低賃金労働などの非人道的な労働行為を禁止するとともに従業員団結権の確保及び職場の安全を維持されている取引先とお取引を行います。

 銀座で40年営業されている正統派イタリアンレストラン「サバティーニ・ディ・フィレンツェ東京」様が移転リニューアルオープンされました。 100年以上の歴史を持つフィレンツェ本店の伝統を受け継ぎ、古きよきものを活かした新しい店内には、イタリア建築を代表する聖堂をイメージした美しいアーチが広がっています。アーチの仕上げには日本の伝統素材であり、消臭・抗菌効果のある漆喰をローラーで塗装できるよう開発された「アレスシックイ」を使用したい、とオーナーからご要望いただきました。         店舗デザイナーからはアレスシックイデザイン仕上げによるさりげない質感を選定いただき、曲面にも施工可能な塗料が天井のシンボルアーチを引き立てています。 来店された方にはイタリアを旅しているかのような雰囲気を感じていただいているようです。

調達基本方針

1.公正・公平な取引と購入先様の決定2.適正品質の確保および安定供給3.法令・社会規範の遵守4.地球環境・安全への配慮(グリーン調達の推進)5.知的財産権などの尊重及び情報の管理6.人権尊重及び労働環境

使用原材料の区分 地球環境保全、労働安全衛生、公害防止及び製造物責任(PL)の観点から当社は、使用する原材料について、全社規程により使用区分を明確にし、内容を環境管理物質一覧表等で取引先等へ公開し、環境負荷の少ない原材料の入手に努めています。

 「関西ペイント企業行動規範」に基づき、資材(原料・容器・設備・機器・商品・その他)の購買において、当社の要求に適合する品質・数量・技術サービス・価格・納期のみだけでなく、下記の事項にも配慮しグローバルに持続可能な調達を推進いたします。

使用禁止原材料 使用禁止物質を規定量以上含有し、理由を問わず使用を禁止する原材料。

使用制限原材料 使用制限物質を規定量以上含有し、削減や用途の限定などを行う原材料。

危険・有害性原材料 危険・有害性物質を規定量以上含有し、一般原材料より厳しい管理を行っている原材料。

一般原材料 通常の管理で使用できる原材料。

 「全社品質・環境推進委員会」(4回/年)と事業所ごとに「QA委員会」(1回/月)を開催し、技術、生産を通じた品質保証活動を推進しています。 生産活動を行う各事業所は、ISO9001を取得しており、社是に基づいた品質方針を策定しISO規格に沿った品質保証活動を実施しています。

 塗料はご使用いただく方のところで、塗膜となり、初めてその機能を発揮します。 安全な製品も、使用方法を間違えず正しく使用されなければ、事故につながりかねないため、SDS(安全データシート)、ラベルなどで製品の危険有害性や取り扱い上の注意など、安全に取り扱っていただくための情報を提供しています。 SDSやラベルは、関係法令やJIS規格はじめ、業界団体である

(一社)日本塗料工業会発行のガイドブックに準拠し、作成しています。 関連法令、JIS規格、ガイドラインの改正に即応し記載内容を改訂することはもちろん、安全にご使用いただくために必要な情報を適宜追記し、ご使用者の方々に提供してまいります。

社是が全社の品質方針です。当社の基本理念は、社是第1項「会社の信用を重んじ、顧客に満足される製品を供給することによって社会に貢献する。」であり、全員が利益と公正を基本として、顧客及び社会に対して貢献することです。

品質保証の方針

当社グループは、消費者に対する製品の安全性を確保するために、新製品の市場展開や新規原材料の使用にあたっては、安全確認に関する社内規程に基づき審査を行い、安全な製品をお客様に提供しています。「より安全な製品」を提供することで、同時に我々塗料製造者の労働環境改善にもつなげます。

消費者保護の方針

品質保証活動

安全情報の提供

CSR調達

サプライチェーンマネジメント

 当社は、地球環境問題が最重要課題の一つであることを認識し、「地球環境問題に関する会社方針」に則り、調達においてもISO20400において規定されております持続可能な調達(Sustainable procurement)を目指すとともに、取引先と良好な関係を築き、将来にわたる強固なサプライチェーンの構築を進めます。

3433

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ESGに関する取り組み

従業員との関わり

 人の成長にとって最も大切な「意欲」の向上を目的とした人財育成プランを充実させています。

人財育成の考え方と仕組み 人財育成プランの柱として「自己啓発援助」「長期人財育成プラン」「職務拡充」「組織風土の変革」「研修制度」の5つのテーマを設定しています。

体系的に整備された研修制度 研修制度は右図のようにOJTを中心として、これを補完する各種の研修を目的とレベルに応じて体系化し、各社員の専門能力の向上と職業人としての総合能力の養成を目指しています。

海外グループ会社へのトレーニー派遣制度 2017年度より若い従業員を対象に、海外現地法人へ派遣する制度を開始しました。 海外で生活し現地従業員のなかに入り業務を体験することにより、多様性への理解力、対応力の向上及び異文化環境における遂行力、コミュニケーション力の強化を図ることがその目的です。 初年度のインド、南アフリカの2ヵ国を皮切りに2018年度は中国、ヨーロッパにも派遣先を拡げています。

海外グループ会社からの研修生受入制度 海外現地法人から数多くの研修生が関西ペイントを訪れます。 研修生は来日前に日本語を概ね習得のうえ、短期〜1年間の研修期間に日本企業の生産方式、技術、企業文化等を学び、今後、現地法人の体制づくりを果たすべく研鑽に励んでいます。

※OJT:On the Job Trainingの略。日常業務につきながら行う教育訓練

当社の人事制度1.個人と組織の活性化2.自律と自立(2つの「じりつ」)の基本理念に基づき、 「公正な処遇」、「経営参画意識の向上」の実現・維持を目指しています。

 グローバルに事業展開を進める当社グループは、各地域で保有するビジネスモデルや技術・技能等のノウハウを共有・活用し、競争力を向上させるために、グループ間の架け橋となり、グローバルに活躍する人財を育成する国際化研修を計画的に実施しています。

 研修では、文化や伝統、生活習慣の異なる同世代の若者が交流することで視野を広げ、海外との違いに興味・関心を持つことで柔軟に対応できる社員の育成につながる以下の研修を実施しています。

 当社は、多様な人財を活かし、その能力が最大限に発揮できる機会を提供することで、急激な環境変化に柔軟かつ能動的に対応し、新たな価値や競争力を生み出し続ける会社となることを目指しています。

 働き方改革の推進によって、長時間労働を防止するとともに、仕事と子育てや介護を両立できるような柔軟な働き方がしやすい環境を整備することが、社員のやりがいや達成感の創出、女性の活躍推進にもつながるものと考えています。

障がい者の雇用 障がいのある社員が、その能力と適性に応じて強みを活かし、自信と誇りを持って活躍できるような労働環境を整備するとともに、通年採用を実施し、雇用機会の拡大に努めています。 2018年度は再雇用勤務者の年限満了等により雇用率は低下しました。

外国人の雇用 グローバルに事業展開をする当社では、海外グループ会社での現地採用に加え、日本における外国人の採用にも積極的に取り組んでいます。

定年を迎えた従業員の雇用 高年齢者雇用については、「高齢者の活性化」「技術、技能、知識の継承と活用」を目的に60歳の定年を迎えた従業員を対象にしたリワーク制度を設け、希望する従業員を最長65歳まで再雇用しています。

幹部管理者研修中間管理者研修監督者研修中堅社員研修新人社員研修 (教育実習)

社外セミナー

職業訓練

共通研修

︵QC安全等︶

︵教育の基本︶

選抜型研修

国際化研修

職能別研修

OJT

トレーニー派遣実績

対象 2017年度 2018年度 2019年度(予定)

インド 1名 1名 1名

アフリカ(南アフリカ) 1名 1名 ー

中国 ー 1名 ー

ヨーロッパ ー 1名 1名

海外グループ会社からの研修生受入実績

対象 2017年度 2018年度 2019年度(予定)

中国 3名 1名 ー

アジア 15名 7名 5〜8名

2016年度 2017年度 2018年度

8.4時間/月 5.3時間/月 5.0時間/月

関西ペイント(株)の障がい者雇用率

2016年度 2017年度 2018年度

当社雇用率 2.03% 2.03% 1.76%

法定雇用率 2.00% 2.00% 2.20%

従業員女性比率、管理職女性比率、新卒採用女性比率、男女別平均勤続年数

2016年度 2017年度 2018年度

従業員における 女性の割合 10.1% 10.1% 10.2%

管理職における 女性の割合 2.5% 2.8% 2.7%

新卒採用(大卒以上)社員における女性の割合 15.4% 16.7% 26.3%

社員平均勤続年数   男(再雇用者除く)   女

18.6年19.1年

19.0年19.4年

19.5年19.4年

長時間労働の防止 当社は、長時間労働がもたらす身体的、精神的な疲労を回避するとともに、プライベートな時間の減少によって社員の日常生活に余裕がなくなるなどの、間接的な影響も排除することを目的に長時間労働の防止に取り組んでいます。 時間外勤務の削減ならびに有給休暇の取得率向上を、労使共通の課題の一つと認識しており、特に時間外勤務については従来より、労働基準法で定められた上限基準を下回る水準で、労働組合との間で時間外労働協定を締結しています。 時間外勤務(休日勤務を含む)を行う際は事前申請制とするとともに、時間外勤務の削減や有給休暇の取得率向上の方法についても労働組合と随時協議を行うなど、労使で労働状況の改善に努めています。 近年の3事業年度における、当社社員一人あたり(労働組合員)の平均時間外労働時間数/月は以下のとおりとなっています。

女性活躍推進活動 2016年度より女性活躍推進活動をスタート 女性活躍推進活動として2016年度に平塚・開発センターで女性活躍フォーラムを3回実施し、2017年度には全社女性アンケートを実施するとともに、本社事務所でのフォーラムを実施しました。フォーラムやアンケートを通じて、現在の評価制度や男性社員の意識への不安感、在宅勤務制度などの柔軟な働き方やキャリアアッププランへの期待感があることがわかりました。 その結果を受けて、2018年度には柔軟な働き方を推進するために、在宅勤務制度構築に向けたモニタリングを実施しながら制度構築のための具体的な検討を進めました。また同時に育児時短制度とフレックスタイム制度の併用について労使で協議をして2019年度からのスタートについて合意しました。 今後も、女性が働きやすい環境はみんなが働きやすい環境であると考え、環境の整備、制度の構築に注力していきます。

在宅勤務を主としたテレワークトライアルの実施 2018年度より在宅勤務を主としたテレワークトライアルを実施しています。育児・介護・通院など、時間的制約のある社員が時間を有効に活用して成果をあげるとともに、時間的・精神的なゆとりをもたらす環境の創出を目的としています。

働き方改革の施策

人財の育成と研修制度

国際化研修

人事施策(社員のやりがい・達成感創出・ダイバーシティの推進)

3635

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ESGに関する取り組み

 仕事と生活の調和を実現することの大切さを認識しており、年次有給休暇をはじめ特別有給休暇、積立有給休暇(介護、ボランティア、疾病)、リフレッシュ休暇の各制度を設けています。 年次有給休暇の取得方法については、従来からの1日単位、半日単位での取得に加え、2017年度からは1時間単位での取得(年間5日間相当まで)を可能とすることで有給休暇の取得しやすい環境の実現を図っています。 育児にたずさわる社員のための制度として、育児休業制度の他、小学校卒業までの短時間勤務制度など、仕事と子育ての両立支援を進めています。 また、家族の介護にたずさわる社員のための制度としては、通算で365日まで取得が可能な介護休業制度の他、短時間勤務等の措置、介護休暇制度など、介護をしながら仕事を続けることができる環境を作っています。

新任管理者、管理者を対象としたメンタルヘルス研修 メンタルヘルス対応における安全配慮義務と管理者の役割確認や職場での対応において注意すべき点を事例を通じて理解するとともにメンバー支援に役立つコミュニケーション手法や転機を乗り越える方法を紹介しました。

ストレスチェックの実施 ストレスチェックの義務化に伴い、各地区において産業医を実施者としてストレスチェックテストを実施し、高ストレス者に対して産業医面談やEAPによるカウンセリング等のフォローを実施しています。

定期健康診断 従業員のメンタルヘルスケアや生活習慣病への理解を深めるため、各地区において定期的に研修会を実施しています。また定期健康診断後の有所見者フォロー制度を実施し、社員の健康維持・増進に努めています。

人権週間における人権啓発推進活動 当社は国連により採択された「世界人権宣言」を尊重しています。 この宣言によって定められた、毎年12月4日〜12月10日の「人権週間」においては、グループ会社を含む社員より「人権標語」を募集するとともに、人権啓発推進のための活動を行っています。2018年度は約900件の「人権標語」の応募がありました。

企業の立場からの人権問題への取り組み 大阪同和・人権問題企業連絡会、東京人権啓発企業連絡会、大阪市企業人権推進協議会に加盟することで、各会の事業や行政が開催する研修会に積極的に参加しています。

 次のメンタルヘルスケアを実施しました。

メンタルヘルスケア及び定期健康診断後のフォロー

対象 内容

新入社員 セルフケア

新任管理者 ラインケア・セルフケア

新規海外赴任者 セルフケア

管理者 ラインケア・ハラスメント

 育児休業を取得後に職場復帰する社員が多い事、産休前に会社から育児休業に関する手続きなどの説明がしっかりあった事などから、安心して利用することが出来ました。 育児休業は本当にあっという間で、子供の成長を見守り、初めての育児に翻弄されながら親子で成長したかけがえのない時間となりました。 育児も仕事も両方頑張りたいと思った時に、それが実現できる制度・環境が整えられている有難さを実際に経験してみて心から感じています。今は短時間勤務制度を利用しながら家庭と仕事の両立に一生懸命な毎日。とても充実しています。

育児休業 取得者の声

工業塗料本部機能材料技術第2部(東京)松下 真梨子

VOICE

 当社グループの健康管理に取り組む専門組織として「環境安全衛生委員会」のなかに「健康・衛生分科会」を設けて活動を進めています。2018年度も「心の健康づくり計画」に基づきEAP

(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)サービスを活用し、メンタルヘルスケアの向上に努めました。

 当社グループは、企業は社会と人間の幸せのために存在するという理念のもとに、人種・国籍・年齢・性・宗教・門地・身体上のハンディキャップ等を理由として嫌がらせや差別を受けることのない、健全な職場環境の維持に努めています。

 グループ会社の役職員に配布する冊子「企業倫理ポケットブック」において、この内容を規定しており、研修等を通じて人権に対する意識の向上に取り組んでいます。

「イイネ」より 目を見てあいさつ 大事だね!ありがとう 相手を認める 素敵な言葉違いを拒まず受け入れて、理解が進めば広がる未来

人権教育の様子

労働・安全・衛生

 当社では、従業員を会社の財産と考え、「人財」と呼んでいます。その人財の一人ひとりが安全で健康に仕事に励むことができるよう、災害ゼロを目指して様々な活動に取り組んでいます。 2018年度は目標である当社社員の休業災害(休業1日以上)を2年ぶりにゼロ件とすることができました。 当社の労働災害度数率、強度率は製造業全体では低い数値です。しかし、目標は誰一人として怪我をさせないことです。不休災害も含めてゼロとなるように、気を緩めずに安全活動を継続していきます。

10

5

0

20142008 2009 2010 2011 2012 2013 2015 2016 2017 2018(年度)

(件数)

3

5 55

6

7 7

8

5

4

0 0 0

1 1 1 1

2 2

3

00

不休 休業(1日以上)

労働災害 件数の推移

2018年には大手スポーツジムよりトレーナーを招き、「健康セミナー」を開催しました。従業員が健康意識を高め、生活習慣を見直すことで生活習慣病の予防や健康な体づくりにつなげることを目的として、座学及びトレーニングの構成で実施しました。

関西ペイント本社にて開催した健康セミナーの様子

健康セミナーの開催

人権標語優秀作

0.00 0.00 0.00 0.00 0.00

0.12

0.020.01 0.01

0.00 0.00

0.2

0.1

0

20142008 2009 2010 2011 2012 2013 2015 2016 2017 2018(年度)

(強度率) 関西ペイント 全産業 製造業 化学工業

0.08 0.080.06

0.070.08

0.10

0.07

0.04 0.04

0.12 0.12

0.17

0.040.03

0.06

0.13

0.100.09

0.110.10 0.10

0.07

0.100.09 0. 09

0.090.09

労働災害 強度率の推移

※1,000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数

2.0

1.0

0

20142008 2009 2010 2011 2012 2013 2015 2016 2017 2018(年度)

(度数率)

0.00 0.00 0.00 0.00 0.00

0.610.56

0.29 0.29 0.30 0.30

関西ペイント 全産業 製造業 化学工業

1.75

1.12

0.840.72 0.72 0.88 0.85 0.82 0.76 0.81

0.810.88 0.90

0.99 0.98 1.05 1.00 1.06 1.06 1.021.201.15

0.94

1.62 1.62 1.59 1.60 1.61 1.631.66 1.661.83

1.61

労働災害 度数率の推移

※100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死亡・休業者数

仕事と生活の調和を実現するための環境整備

健康管理

人権問題への取り組み

労働安全衛生活動

3837

INTEGRATED REPORT 2019

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ESGに関する取り組み

安全衛生講演会の開催

中央環境安全衛生診断 中央環境安全衛生診断は、当社国内事業所(7事業所・1センター)と関係会社(13社)の安全活動状況を経営トップ自らの目で確認する活動です。 毎年9〜10月に、中央環境安全管理者(生産本部長)を長として、中央衛生管理者、総括班、専門班(機械・電気・衛生・環境等)からなる10名の診断チームで、各種安全対策の理解不足や、老朽等による設備異常等を診断しています。 2018年度は、グループ各社から募集した診断スローガンから、

「早期の異常を 気づきで発見 迅速対処で 事故防止」を選定し、「静電気対策の推進」「危険予知活動」「化学物質の管理」「PCB廃棄・工場周囲の塀」「保安防災対策と訓練」「災害対策の水平展開」

「構内協力会社との情報共有」の各々の取り組み状況を重点的に診断しました。 診断の結果、前年度の休業災害(攪拌機巻き込まれ)への設備対策が各事業所で実施されていることを確認しました。また、診断時点では台風や地震の被害が残る事業所がありましたが、各拠点とも復旧を完了しています。また、海に近い拠点では今年度

から「水防訓練」を始めました。このような各拠点の自主改善事例も、診断を通じて全社に水平展開しています。 製造業他社の災害が続いている現状を反映し、当社でも保安防災と静電気対策を特に厳しく指導しています。また、各事業所内の安全管理については、事業所内で働く協力会社への指導や協力要請も含めて、一人ひとりが責任を持って日々の安全管理を行うよう指導しています。

関係会社での中央安全衛生診断

本社での安全衛生講演会

 海外関係会社の事故災害防止を目的として、計画的に安全教育を毎年実施しています。2018年度はトルコと中国の関係会社の安全担当者に、安全指導、及び安全診断を行いました。今後も海外合弁会社に対して継続的に実施していきます。

 海外関係会社の生産工場は、中国・台湾・アセアン・インド・パキスタン・トルコなど多数の国に進出し、さらなる進出が見込まれます。 これらの海外生産工場では、当社の現地駐在員が、安全・生産・品質の工場管理または、サポートをしています。

 安全衛生に関する最新の知識を社員に身に付けてもらうために、毎年、外部より講師を招いて講演会を実施しています。 複数の事業所で講師に講演いただき、TV中継、講演内容を撮影したDVDを配布するなど、講演会に参加できなかった社員も聴講できるよう配慮しています。 今年度は作業療法士の菅原洋平先生(ユークロニア株式会社代表)に、「睡眠マネジメント 質の良い睡眠で仕事の成果を上げる」というテーマで約1時間半の講演をしていただきました。本社部門、生産部門、技術部門、営業部門、関係会社を含め、総勢1,909名が聴講しました。 睡眠は生理現象であり、生体リズムや脳の仕組みを理解して工夫すれば、薬に頼らずに質の良い睡眠が得られることを学びました。 睡眠の質は作業の安全や効率に関係しています。本講演で学んだ内容を災害件数削減と業務効率向上のために活用していきます。

中国の関係会社に対する安全教育

コミュニケーション

 当社は、2017年より福井県内の企業グループと協業し、日本三大和紙の一つである越前和紙と、当社の柔軟な素材にコーティングできる漆喰塗料「アレスシックイ モンティアート」とのコラボレーションにより、和紙の装飾性に漆喰の機能性を加えた機能性和紙を開発。新たな需要開拓の促進による日本の伝統製品の魅力のPRと地域産業の復興に力を入れております。 このたび、関西ペイント創立100周年を記念し、「アレスシックイ モンティアート」を越前和紙に塗布した特製扇子「しっくい和紙オリジナル扇子」を作成し、国内外グループ社員約15,000名へ配布しました。 扇子を持ち国内外で社員が記念撮影を行った姿やその説明はSNS等で拡散され、日本の伝統製品の魅力と、古来より日本で優

れた建材として活用されてきた漆喰の機能性を世界に発信することができました。 また、全社員が同じ扇子を持つことで、社員のモチベーションの向上に寄与するとともにグループの一体感を高めました。

 当社は、地域社会への貢献として2009年頃から毎年、グループ研究開発の中枢である開発センター(神奈川県平塚市)の近隣にある小学校、及び中学校の「夏休みの奉仕作業」に協力しています。 今年は台風の影響により小学校での塗装は中止となりましたが、中学校の塗装には塗料の提供の他、OBを含めた当社技術指

導員5名が参加し、地域との親交を深めました。 当日は猛暑の中ではありましたが、生徒の方はもちろん、先生や保護者の方など約50名が刷毛やローラーを使い、楽しみながら塗装する姿が印象的でした。

8月4日 中学校 塗装準備風景 8月4日 中学校 塗装風景

トルコ カンサイアルタン社 アメリカUSペイント社

当社Facebook(英)投稿とベトナム カンサイアルファナム社

ザンビア カンサイプラスコン社

海外関係会社の安全への取り組み

海外関係会社に対し安全教育と安全診断を実施

グループ全社へ しっくい和紙オリジナル扇子を配布

開発センター 近隣の中学校の廊下を塗装

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ESGに関する取り組み

コーポレートガバナンス

 当社は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、また株主・従業員・顧客・取引先・地域社会をはじめとする様々なステークホルダーとの共存・共栄のために、各種法

令、上場規則の改正及び社会・経済環境の変化へも適応しつつ、引き続きコーポレートガバナンスの強化を図ってまいります。

2011年執行役員制度導入定款を変更し取締役の員数を20名から11名に

2013年 社外取締役 1名選任

2015年社外取締役 2名選任(女性1名含む)持株会を用いた業績連動報酬制度導入

「コーポレートガバナンス・コードに対する当社の方針及び取組」を策定・開示2016年 評価委員会を開催、取締役会の実効性評価と、取締役及び執行役員の業績評価を実施

2017年

指名委員会を開催、同年の株主総会に上程する取締役候補者につき審議定款を変更し取締役の任期を2年から1年に短縮外国人取締役 1名選任(社内)持株会を用いた業績連動報酬制度に代わり信託型の業績連動型報酬制度導入

2018年 100周年を機に新たな企業理念を策定2019年 社外取締役 3名選任(外国人・女性含む)→取締役会の員数の1/3

取締役会の概要(2019年6月27日株主総会後時点) 当社の取締役会の体制は社内取締役6名、社外取締役3名で構成されています。社内取締役は全て男性で、うち1名は外国人(当社インド連結子会社社長)です。社外取締役3名の内訳は全て元会社経営者であり、そのうち1名はCFO経験者で財務及び会計に

関する知見を有しています。また、社外取締役の多様性については、日本人男性1名、日本人女性1名、外国人男性1名となっており、3名とも東京証券取引所が定める独立役員として届け出ています。

属性 地位 氏名 担当及び重要な兼職

社内

代表取締役社長 毛利 訓士代表取締役 専務執行役員 古川 秀範 生産、技術、調達管掌取締役 常務執行役員 妹尾 潤 コーポレート事業本部長取締役 常務執行役員 寺岡 直人 営業管掌 兼 塗料事業部長 兼 関西ペイント販売(株)代表取締役社長取締役 上席執行役員 吉田 一博 管理管掌 兼 管理本部長 兼 社長室長 兼 人事企画室長取締役 ハリシュチャンドラ・メグラージ・バルーカ Kansai Nerolac Paints LTD.社長

独立・社外社外取締役 吉川 恵治 (独立役員)指名委員会委員長、評価委員会委員長社外取締役 安藤 知子 (独立役員)指名委員、評価委員、プレス工業(株)社外取締役(監査等委員)社外取締役 ジョン P. ダーキン (独立役員)指名委員、評価委員

取締役の一覧(2019年6月27日株主総会後時点)

 当社は以下のコーポレートガバナンス体制で経営の透明性と健全性を確保しています。 当社グループは、「塗料事業で培った技術と人財を最大限に活かした製品・サービスを通じて、人と社会の発展を支える」ことを関西ペイントグループの企業理念における使命目的として掲げております。 当社グループのコアビジネスである塗料事業を通じて、顧客の満足を得ることが当社グループの存立基盤であり、その実現によって「利益」がもたらされることによる企業価値の向上が、株主をはじめとする取引先、従業員、地域社会等、当社グループのステークホルダーに貢献しうるものと考えております。 コーポレートガバナンスは、企業価値の向上を継続的に実現するための重要な経営課題と位置づけており、企業活動の基軸として定めた「利益と公正」を当社グループの役員及び全従業員に浸透・実行させるため、諸施策を講じて充実を図っております。

 当社は、証券取引所の定める「コーポレートガバナンス・コード」の全ての原則に対する、当社の方針及び取組を開示しております。 詳細につきましては、当社ホームページの下記URLをご参照ください。

「コーポレートガバナンス・コードに対する当社の方針及び取組」https://www.kansai.co.jp/ir/governance/policy/index.html

社内6名

取締役会における社内/社外取締役の比率

独立・社外3名

取締役会における男女比率

男性8名女性1名

取締役会における日本人/外国人の比率

日本人7名外国人2名

33%11%

89%

22%

78%67%

選任・解任 選任・解任 選任・解任

選定・監督

監査

会計監査

連携 内部監査

危機管理委員会

情報管理委員会

経営会議

評価委員会

指名委員会

株 主 総 会

コンプライアンス推進委員会

監 査 役 会社内監査役

社外監査役

執行役員

各部門、関係会社

経営監理委員会

代表取締役社長

取 締 役 会

社内取締役 社外取締役

監査室会計監査人

コーポレートガバナンスの基本方針と考え方 コーポレートガバナンス・コードへの取り組み

これまでの当社のコーポレートガバナンス強化の取り組み

コーポレートガバナンス体制

取締役会

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ESGに関する取り組み

監査役会の概要(2019年6月27日株主総会後時点) 当社の監査役会の体制は常勤監査役2名、社外監査役2名で構成されています。常勤監査役2名はともに日本人男性であり、社外監査役は日本人男性1名、外国人男性1名の構成です。社外監査役は2名とも東京証券取引所の定める独立役員として届け出ています。なお、常勤監査役のうち1名は当社財務経理部門で長

年の経験があり、また社外監査役のうち1名は公認会計士の資格を有し、両名とも財務及び会計に関する知見を有しています。また、社外監査役のうち1名は海外の弁護士資格を有し、法務に関する学識を有しております。

属性 地位 氏名 担当及び重要な兼職社内 常勤監査役 青柳 彰社内 常勤監査役 林 宏和

独立・社外 社外監査役 東 誠一郎 (独立役員)指名委員、評価委員、新日鐵住金(株)社外監査役芦屋大学 客員教授、公認会計士

独立・社外 社外監査役 コリン P.A.ジョーンズ (独立役員)指名委員、評価委員、ニューヨーク州弁護士、グアム準州弁護士 同志社大学 教授

監査役の一覧(2019年6月27日株主総会後時点)

区分 地位 氏名 取締役会(全21回)

監査役会(全13回)

評価委員会(全2回)

指名委員会(全2回)

社内

代表取締役社長 CEO 石野 博 21回(100%) - 2回(100%) -代表取締役専務執行役員COO 毛利 訓士 21回(100%) - 2回(100%) -取締役 常務執行役員 田中 優 21回(100%) - - -取締役 常務執行役員 神門 孝司 21回(100%) - - -取締役 常務執行役員 古川 秀範 20回(95%) - - -取締役 常務執行役員 妹尾 潤 21回(100%) - - -取締役 常務執行役員 浅妻 慎司 21回(100%) - - -取締役 ハリシュチャンドラ・メグラーシ ・゙バルーカ 21回(100%) - - -

社外・独立社外取締役 中原 茂明 4回(80%) - 2回(100%) -社外取締役 宮崎 陽子 21回(100%) - 2回(100%) 2回(100%)社外取締役 吉川 恵治 16回(100%) - - 2回(100%)

社内常勤監査役 青柳 彰 20回(95%) 12回(92%) - -常勤監査役 林 宏和 21回(100%) 13回(100%) - -

社外・独立社外監査役 今村 峰夫 21回(100%) 13回(100%) 2回(100%) 2回(100%)社外監査役 東 誠一郎 20回(95%) 12回(92%) 2回(100%) 2回(100%)

取締役会・監査役会・任意の諮問委員会の開催状況及び出席率(2018年度)

※2018年6月28日開催の第154回定時株主総会で取締役 中原茂明氏は任期満了により退任し、吉川恵治氏が新たに取締役に選任されました。 そのため、両名とも出席回数が他の取締役と異なっております。

 当社では、執行役員制度を導入し、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離することにより職務責任を明確化するとともに、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応する体制として

おります。そのうち、取締役を兼任していない者は19名となっており、全員日本人男性です。

1.社内取締役の報酬 社内取締役の報酬は、基本報酬、業績連動報酬及び業績連動型株式報酬で構成されております。 基本報酬は取締役の役位及び職務内容ごとに定めた固定額の金銭報酬としております。 業績連動報酬は役職ごとの方針は定めておりませんが、会社業績及び取締役各々の個人の業績・成果等を総合的に勘案し、評価委員会で審議した結果に基づき、前年の業績連動報酬額を加算または減算した額を支払う金銭報酬です。 業績連動型株式報酬は、役位及び毎事業年度の会社の業績目標(EBITDA等)の達成度等に応じて、ポイントの付与を行い、付与されたポイントの累積値に相当する当社株式等の交付等(または「当社株式の交付及び当社株式の換価処分金相当額の金銭の給付」)を取締役等の退任時に行う制度です。詳細は2017年5月12日公表の「当社取締役等に対する業績連動型株式報酬制度の導入について」(https://www.kansai.co.jp/ir/disclosure/)

をご参照ください。 なお、業績連動報酬及び業績連動型株式報酬については、任意の諮問委員会である評価委員会(代表取締役・社外取締役・社外監査役で構成)において、取締役及び執行役員の各々の業績評価、役員報酬を審議し、その結果を踏まえて取締役会で決定しております。同委員会は、委員長に社外取締役を選定し、より公正で透明性の高い体制としております。

2.社外取締役の報酬 社外取締役の報酬は職務内容を勘案し、固定額の基本報酬を中心とし、業績連動報酬及び業績連動型株式報酬は対象外としております。

3.監査役の報酬 監査役の報酬は、常勤・社外の別に応じた職務内容を勘案し、固定額の基本報酬を中心としております。

常務執行役員原川 浩美 品質・環境管掌 兼 R&D本部長田桐 澤根 塗料事業部副事業部長 兼 塗料事業部技術統括(自動車・工業・技術開発)

上席執行役員

山内 明彦 生産管掌補佐中野 佳成 汎用塗料本部長 兼 コーポレート事業本部第4部長 兼 関西ペイント販売(株)代表取締役専務 建築塗料販売本部長中村 美博 工業塗料本部 関西塗料(中国)投資有限公司 董事長 兼 総経理中尾 泰志 生産管掌補佐 兼 技術企画本部長森本 隆司 バリューチェーン戦略室長村松 利光  塗料事業部技術統括(汎用)

執行役員

赤木 雄 コーポレート事業本部 地域統括部 担当部長加藤 克彦 コーポレート事業本部 地域統括部 担当部長寺本 秀行 SCM本部長松野 吉純 生産本部副本部長 兼 平塚事業所長岡 浩司 コーポレート事業本部第3部長 兼 関西ペイント販売(株)取締役 防食塗料販売本部長長谷部 秀士 管理本部 経営管理部長徳 清秀 工業塗料本部長 兼 コーポレート事業本部第2部長 兼 関西ペイント販売(株)取締役 工業塗料販売本部長富田 和昌 自動車塗料本部長 兼 コーポレート事業本部第1部長 兼 関西ペイント販売(株)取締役 自動車塗料販売本部長西林 均 コーポレート事業本部副本部長 兼 コーポレート事業本部 地域統括部長梶間 淳一 自動車塗料本部副本部長荒木 努 生産本部長

報酬等の種類別の総額(百万円)区分 報酬等の総額(百万円) 基本報酬 業績連動報酬 業績連動型株式報酬 対象となる役員の員数(人)

取締役(社外取締役除く) 406 206 163 36 8監査役(社外監査役除く) 65 65 ー ー 2

社外役員 44 44 ー ー 5

役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数(2018年度)

●当社及び当社の子会社の取締役(当社及び当社の子会社の社外取締役を除く)、業務執行取締役、監査役(当社及び当社の子会社の社外監査役を除く)、執行役、会計参与(当該会計参与が法人である場合は、その職務を行うべき社員を含む)、支配人その他の使用人である者(過去当該要件に該当する者を含む)

●当社の取引先、寄付先関係者(過去当該要件に該当する者を含む)●その他役員報酬以外の金銭その他多額の財産を当社から得ている者(過去3年間当該要件に該当する者を含む)

●上記に掲げる者(重要でない者を除く)の二親等以内の親族及び配偶者

※なお、取引先については連結売上高の2%以下、寄付先・多額の財産を得ているものは1000万円またはその者の売上高の2%以下の者は軽微とみなし、対象外としております。

 当社では、社外役員を選任するための独立性に関する基準を定めており、以下の条件に合致するものは、独立性を有さないと判断しております。

取締役でない執行役員の一覧(2019年6月27日株主総会後時点)

社外取締役及び社外監査役の独立性に関する基準<抜粋>

執行役員制度

役員報酬

監査役会

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ESGに関する取り組み

 当社では、コーポレートガバナンスの強化を目的とし、以下の2つの任意の諮問委員会を設置し、活動を行っております。

 当社では、これらの取り組みの基準として、企業行動基準のなかに、以下の項目を設けています。

1.評価委員会(1)構成メンバー(2019年6月27日株主総会後時点)代表取締役2名、社外取締役3名及び社外監査役2名(委員長:吉川社外取締役)で構成しております。

2.指名委員会(1)構成メンバー(2019年6月27日株主総会後時点)社外取締役3名及び社外監査役2名(委員長:吉川社外取締役)で構成しております。

 当社では、相談役・顧問制度を設置しております。多忙な現任の役員に代わり、業界団体や取引先との対外活動を行うことがありますが、経営には関与しておりません。

(2)直近の活動の概要

(2)直近の活動の概要

開催時期 議題2019年5月 2018年度における取締役会の実効性の評価2019年6月 2018年度における取締役及び執行役員の個別の業績評価及び個別の報酬額

開催時期 議題2019年1月 石野前社長から毛利現社長への交代人事2019年2月 定時株主総会に上程する取締役選任議案の候補者について2019年4月 定時株主総会に上程する取締役選任議案の追加候補者について

※この時点の委員会メンバーは、毛利社長、石野代表取締役、宮崎取締役、吉川取締役、今村監査役、東監査役の6名です。

※この時点の委員会メンバーは、宮崎取締役、吉川取締役、今村監査役、東監査役の4名です。

独占禁止法遵守に関する行動基準 当社においては、独占禁止法に抵触するいかなる行為も禁止している旨を定めた行動基準です。 我が国の独占禁止法のみならず、海外においては当該国の同等の法令を遵守する旨も定めております。

取引先、関係先との付合いに関する行動基準 官公庁及びこれに類する公的団体の役職員に対しては贈答や接待を行わない等、贈収賄等の法令に抵触する行為をしない旨、並びにそれ以外については社会的な常識の範疇で行動することを定めた内容です。海外においても各国の慣習、法令等を理解して行動する旨も定めております。

氏名 役職・地位 勤務形態・条件 社長等退任日 任期白岩 保 名誉顧問 非常勤・無報酬 2002/6/27 -小林 正受 名誉顧問 非常勤・無報酬 2010/3/31 -河盛 裕三 名誉顧問 非常勤・無報酬 2013/3/31 -石野 博 相談役 非常勤・有報酬 2019/3/31 2023年定時株主総会終結の日まで

 今後もコンプライアンス研修を継続的に実施し、継続して社員の意識向上に努めてまいります。なお、贈収賄等の法令違反は過去から一件も発生しておりません。

 当社におけるコンプライアンスの体制・取り組みは以下のとおりです。

当社では、法令等の遵守はもとより、企業としての社会的責任を果たすため、「利益と公正」を企業活動の基軸とする行動指針を明確に打ち出しています。また、各場面に応じた教育を継続して実施しています。コンプライアンス違反に対しては、相談窓口を設置し、正確な情報収集と開示により、適正に対処しています。

企業倫理規程当社及び子会社の役職員が社会規範、道徳に適った行動をとり、公正な形で企業利益を追及することを目的とした社内規程です。

企業行動規範当社及び子会社の役職員が法令・社会規範を遵守するうえでの心構えを定めたものです。

企業行動基準当社及び子会社の役職員がインサイダー取引、独占禁止法、各種ハラスメント、公正な商取引等、個別の事項につき行動するべき基準を定めたものです。

当社におけるコンプライアンスの方針

コンプライアンスを確保するための取り組み

当社が定める規範・ルール

当社では内部通報用窓口(ホットライン)を設けており、従業員から通常の組織を経由せず、通報内容が直接コンプライアンス推進委員会に伝わる体制を設けています。また、当社ホットラインは、経営陣から独立して運営されています。情報提供者の秘匿と不利益取扱いの禁止を明文化しています。

1.内部通報制度

当社では、新入社員教育及び新管理職研修において、コンプライアンス一般についての教育を継続して実施するとともに、営業部門や海外赴任予定者向けに、競争法や汚職防止などに的を絞った研修も行っています。また、特にインサイダー取引につきましては、年4回社内のイントラネットで注意喚起及び周知徹底を図っています。2018年度は、前項の「企業倫理ポケットブック」を用いて、法令や社会規範の遵守、腐敗防止やハラスメント防止を目的とした勉強会を主要グループ各社の役職員に対して実施しました。

3.コンプライアンス教育の実施

当社は、全従業員に『企業倫理ポケットブック』を配布するとともに、継続的にコンプライアンス教育を実施し、従業員の意識の向上に努めています。

2.ポケットブックの配布

企業行動基準の概要1.コンプライアンス全般に関する行動基準2.反社会的勢力に関する行動基準3.インサイダー取引禁止に関する行動基準4.独占禁止法遵守に関する行動基準5.安全保障等の確保に関する行動基準6.社会貢献、地域貢献、その他公共活動に関する行動基準7.情報の開示に関する行動基準8.製品の安全性に関する行動基準9.安全・健康・環境に関する行動基準

10.資産、資源の有効活用に関する行動基準11.嫌がらせ、差別の禁止に関する行動基準12.商取引に関する行動基準13.取引先、関係先との付合いに関する行動基準14.知的財産権の尊重に関する行動基準15.情報の収集、記録、保管および機密保持に関する行動基準16.パソコン等情報機器の取扱いに関する行動基準17.個人情報の取扱いに関する行動基準18.個人の立場と従業員の立場の利害衝突の調整に関する行動基準

コンプライアンス 任意の諮問委員会

社長経験者の相談役・顧問について

腐敗防止・贈収賄防止の取り組み

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ESGに関する取り組み

 グループ各社の事業活動の適法性を維持し、効率的な運営を図るため、事業活動を行うにあたって必要な情報を適正に処理・収集し、その結果について法令などに基づいて正しく記録し、保管しています。 また、事業活動の透明性を高めるため、社会通念上、企業秘密と認められるものを除き、法令などで定める事項、企業経営に関する重要な情報、事業活動に関わる社会にとって有益な情報を正確かつタイムリーに開示するよう努めています。

 決算短信につき、従来は日本語のみ開示を行っておりましたが、英語による開示を始めました。海外の投資家の方にもご理解いただけるような取り組みを継続してまいります。

その他の取り組み危機管理

 2018年度、当社の平塚事業所内において、塗料貯蔵タンクより水性塗料が流出し、地下土壌内に漏洩する事態が発生いたしました(詳細はhttps://www.kansai.co.jp/ir/news/index.htmlに掲載の2018年6月1日の開示内容をご覧ください)。危機管理委員会では、同事態を把握後、関係部門と連携して事実確認と情報確認を行い、迅速かつ適切な情報開示・説明に努め、対策を進めました。その結果、工場敷地外への漏洩、地下水への混入などの地域環境への影響は確認されず、業績への重大な影響はありませんでした。現在、汚染土壌をできる限り取り除き、地下水質の監視を続けています。 また、国内全体で天災による交通機関の乱れに対応した早期退社等を実施した結果、役職員及びその家族に犠牲はなく、拠点

等も甚大な被害に見舞われることはありませんでした。また昨年度導入した安否確認システムの本稼動が開始し、迅速な状況把握に役立ちました。その他平時の活動として、昨年度より頻発しているフィッシングメール等への注意喚起を社内に向けて行いました。 海外においては、デモ発生等に関する注意喚起を当該国駐在員に連絡するなどの活動を行いました。 今後も、国内外を問わず、危機の事前察知と情報の精査のみならず、都度々々の状況に応じた対応を心がけ、引き続き危機管理体制をより強固なものとし、安定した事業運営を通じて、お客様と社会より信用をいただくべく、さらなる社会貢献に努めてまいります。

 当社グループは、公正、正確かつタイムリーな情報開示と株主・投資家の皆様との良好かつ建設的な関係構築に向けた対話を重視したIR活動を実施しています。 具体的な活動としては、国内の機関投資家様に対しては、半期ごとに経営トップが出席する決算説明会を開催しております。 海外の機関投資家様に対しては、経営トップによる海外IR活動を実施し、国内においても海外機関投資家対象のカンファレンスに積極的に参加し、対話の機会を設けております。 また、国内外の機関投資家様からの個別ミーティングの要請につきましては、経営企画室IR担当が中心となって対応して

おります。 対話を通じて把握した有用なご意見やご懸念等については、適宜、経営トップや関係部門へのフィードバックを行うことにより、企業価値の向上につなげるよう効果的な活用に努めております。

国内機関投資家・アナリスト向け決算説明会 2回

海外機関投資家向けカンファレンス 5回

機関投資家・アナリストとの個別ミーティング 約220回

2018年度の主な活動内容

危機管理委員会

危機管理基本マニュアル有事の際には迅速・的確に対応しダメージを最小限に抑えるようその基本的な考え方を理解し、対応するために定めたマニュアルです。

危機管理規程当社及び子会社の役職員が、会社または役職員に生じる可能性のあるリスクに平時から備えると同時に、有事の際には迅速・的確に対応しダメージを最小限に抑えるための基本規程です。

危機対応マニュアル起こりうる可能性の高い危機に対し、個別の対応方法を定めたものです。

経営に重大な影響を及ぼす危機への対応や予防の徹底を図るため、また、危機管理に対する意識の向上を図り、危機発生時の適正行動等への教育・啓蒙を充実させるための常設の委員会です。

 当社における危機管理の体制は以下のとおりです。

危機管理体制

危機管理

情報管理の方針 情報管理

IR活動

ESG 指標 2016年度 2017年度 2018年度 備考

E

排水量 184,213m3 215,246m3 191,991m3

産業廃棄物発生量 17,410t 17,500t 16,340t産業廃棄物再資源化率 100% 100% 100%ISO14001取得事業所数 4 4 4

S

従業員数 女性比率 10.1% 10.1% 10.2%管理職数 女性比率 2.5% 2.8% 2.7%平均勤続年数    男性 18.6年 19.0年 19.5年           女性 19.1年 19.4年 19.4年新規採用者 女性採用比率 14.0% 10.8% 15.2%育児休業取得者数  合計 9人 36人 14人          男性 0人 23人 7人          女性 9人 13人 7人介護休業取得者数 0人 0人 1人自発的離職率 0.75% 0.32% 0.70%死亡災害件数(正社員) 0人 0人 0人死亡災害件数(有期雇用社員) 0人 0人 0人

安全教育受講者数 2,071人 1,981人 1,909人 国内関係会社を含む安全衛生講演会受講者数

寄附金額(連結) 24,299,992円 24,579,473円 12,108,831円G 汚職に関連する罰金やペナルティ 0 0 0

※記載のないものは全て単体

その他ESGデータ

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財務情報

主要連結財務情報の推移

項目 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

売上高(百万円) 222,401 236,984 256,590 294,053 320,453 349,333 328,118 330,235 401,977 427,425

分野別売上高(百万円)

 自動車 74,055 79,935 78,604 89,338 100,871 111,015 103,256 103,431 111,235 112,985

 自補修 13,166 14,054 17,239 20,020 20,601 21,054 19,640 19,372 23,262 24,097

 工業 56,790 64,517 67,137 75,031 81,944 87,309 81,888 83,448 111,887 122,193

 建築 44,169 46,025 61,151 77,103 83,232 93,532 83,221 86,670 103,550 112,310

 船舶鉄構 20,229 19,274 18,801 19,097 18,999 19,893 22,440 20,793 22,586 22,081

 その他 13,990 13,178 13,657 13,461 14,804 16,528 17,670 16,519 29,455 33,758

地域別売上高(百万円)

 日本 143,445 146,808 145,223 146,900 154,287 154,004 155,367 151,416 155,552 159,339

 インド 35,820 40,409 42,091 50,075 54,956 69,521 65,800 74,694 83,432 86,922

 アジア 34,007 40,169 36,623 50,100 59,548 66,232 58,897 56,623 63,300 63,828

 アフリカ − − 21,718 32,105 34,801 39,543 29,251 28,026 35,132 39,446

 欧州 8,569 9,100 − − − − 17,772 16,830 59,098 71,934

 その他 557 496 10,933 14,870 16,860 20,031 1,029 2,643 5,461 5,954

海外売上高比率(%)  40.0% 42.6% 47.2% 53.4% 55.6% 59.6% 57.6% 58.9% 65.3% 66.1%

営業利益(百万円) 20,505 21,101 19,315 24,171 29,636 31,580 34,772 35,310 35,802 32,306

売上高営業利益率(%) 9.2% 8.9% 7.5% 8.2% 9.2% 9.0% 10.6% 10.7% 8.9% 7.6%

経常利益(百万円) 22,602 23,534 21,446 28,353 35,471 37,725 39,714 40,025 33,241 34,838

地域別経常利益(百万円)

 日本 12,041 12,494 12,903 15,562 18,347 17,760 21,469 23,535 19,051 19,552

 インド 4,964 4,935 4,888 5,423 5,392 7,799 9,195 11,622 13,366 11,051

 アジア 4,878 5,390 3,204 5,703 8,363 8,293 7,651 6,569 431 5,398

 アフリカ − − 14 476 1,186 1,443 -594 -3,732 -4,965 -4,043

 欧州 659 418 − − − − 703 1,024 4,395 2,360

 その他 59 295 435 1,185 2,180 2,428 1,289 1,004 963 518

 調整額 -0 0 1 1 − − − − − −

売上高経常利益率(%) 10.2% 9.9% 8.4% 9.6% 11.1% 10.8% 12.1% 12.1% 8.3% 8.2%

当期純利益(百万円) 11,830 12,675 13,996 17,758 21,560 20,409 28,343 24,168 17,701 17,405

EPS(1株当たり当期純利益)(円) 44.56 47.73 52.70 66.62 80.91 76.61 106.41 93.16 68.80 67.68

ROE(自己資本当期利益率)(%) 7.7% 7.7% 8.3% 9.6% 10.2% 8.3% 10.9% 9.5% 6.7% 6.4%

配当性向(%) 22.4% 21.0% 19.0% 18.0% 18.5% 19.6% 17.9% 23.6% 39.2% 44.3%

1株当たり配当額(円) 10.00 10.00 10.00 12.00 15.00 15.00 19.00 22.00 27.00 30.00

設備投資額(百万円) 5,175 6,277 13,559 18,867 15,509 13,034 11,443 13,617 16,782 23,018

研究開発費(百万円) 5,516 5,582 5,184 5,141 5,268 5,323 5,046 5,297 6,592 6,547

減価償却費(百万円) 7,052 6,976 7,167 6,984 8,446 10,289 9,742 10,153 13,176 13,917

営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) 19,582 18,252 10,358 25,079 25,486 31,957 31,470 29,146 33,509 35,632

投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) -7,673 -14,246 -21,949 -13,360 -16,145 -19,544 -14,789 -97,020 -33,756 -17,461

財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) -3,220 -4,741 14,684 -3,424 -6,511 -9,632 -14,834 60,264 8,059 -6,964

※単位(%)は小数第1位まで表示

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財務情報

連結貸借対照表 連結損益計算書前連結会計年度

(2018年3月31日)当連結会計年度

(2019年3月31日)

〈資産の部〉 流動資産  現金及び預金 65,088 74,614

  受取手形及び売掛金 114,556 112,486

  有価証券 8,579 3,148

  商品及び製品 35,914 37,549

  仕掛品 5,027 5,569

  原材料及び貯蔵品 25,658 26,121

  その他 11,371 9,758

  貸倒引当金 △3,038 △3,076

  流動資産合計 263,158 266,172

 固定資産  有形固定資産   建物及び構築物(純額) 54,196 55,100

   機械装置及び運搬具(純額) 26,141 28,898

   工具、器具及び備品(純額) 6,968 6,787

   土地 25,230 24,226

   建設仮勘定 11,376 12,432

   有形固定資産合計 123,913 127,444

  無形固定資産   借地権 3,270 3,215

   ソフトウエア 2,845 2,547

   ソフトウエア仮勘定 194 461

   のれん 47,203 39,782

   その他 24,232 21,320

   無形固定資産合計 77,745 67,327

  投資その他の資産   投資有価証券 99,812 84,032

   出資金 16,347 16,458

   長期貸付金 163 111

   関係会社長期貸付金 604 −

   退職給付に係る資産 10,217 10,436

   繰延税金資産 6,678 6,764

   その他 8,232 12,992

   貸倒引当金 △5,544 △7,604

   投資その他の資産合計 136,512 123,190

  固定資産合計 338,172 317,963

 資産合計 601,330 584,135

(単位:百万円)

前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)

当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

売上高 401,977 427,425

売上原価 269,945 294,161

売上総利益 132,032 133,264

販売費及び一般管理費 96,230 100,958

営業利益 35,802 32,306

営業外収益 受取利息 1,407 1,342

 受取配当金 1,546 1,680

 持分法による投資利益 − 2,786

 雑収入 1,510 1,096

 営業外収益合計 4,465 6,905

営業外費用 支払利息 1,509 1,872

 たな卸資産廃棄損 232 374

 持分法による投資損失 1,364 −

 貸倒引当金繰入額 2,316 823

 為替差損 459 635

 雑支出 1,144 667

 営業外費用合計 7,025 4,373

経常利益 33,241 34,838

特別利益 固定資産売却益 137 150

 投資有価証券売却益 1,573 2,015

 関係会社株式売却益 − 855

 子会社清算益 − 31

 退職給付制度改定益 760 −

 特別利益合計 2,472 3,053

特別損失 固定資産除売却損 555 431

 減損損失 301 673

 投資有価証券評価損 − 50

 子会社整理損 − 294

 災害による損失 − 144

 早期割増退職金 597 410

 債務保証損失引当金繰入額 − 2,219

 特別損失合計 1,455 4,225

税金等調整前当期純利益 34,258 33,666

法人税、住民税及び事業税 15,156 13,172

法人税等調整額 △3,334 △760

法人税等合計 11,821 12,411

当期純利益 22,437 21,254

非支配株主に帰属する当期純利益 4,735 3,849

親会社株主に帰属する当期純利益 17,701 17,405

(単位:百万円)

前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)

当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

当期純利益 22,437 21,254

その他の包括利益 その他有価証券評価差額金 4,537 △6,163

 繰延ヘッジ損益 1,423 △800

 為替換算調整勘定 6,175 △12,209

 退職給付に係る調整額 598 △622

 持分法適用会社に対する持分相当額 △10 △5,892

 その他の包括利益合計 12,724 △25,689

包括利益 35,161 △4,434

(内訳) 親会社株主に係る包括利益 30,673 △5,210

 非支配株主に係る包括利益 4,488 776

(単位:百万円)

(単位:百万円)

前連結会計年度(2018年3月31日)

当連結会計年度(2019年3月31日) 

〈負債の部〉 流動負債  支払手形及び買掛金 73,592 71,140

  短期借入金 27,414 12,135

  関係会社短期借入金 80 130

  1年内返済予定の長期借入金 4,307 162  1年内償還予定の転換社債型  新株予約権付社債 − 40,126

  未払費用 9,273 9,908

  未払法人税等 4,211 4,219

  賞与引当金 5,330 4,864

  債務保証損失引当金 − 2,219

  その他 12,069 12,903

  流動負債合計 136,279 157,810

 固定負債  転換社債型新株予約権付社債 100,937 60,160

  長期借入金 369 8,434

  繰延税金負債 28,491 25,182

  退職給付に係る負債 8,237 8,607

  役員退職慰労引当金 104 109

  役員株式給付引当金 39 95

  その他 4,444 3,074

  固定負債合計 142,625 105,664

 負債合計 278,904 263,474

〈純資産の部〉 株主資本  資本金 25,658 25,658

  資本剰余金 13,232 22,342

  利益剰余金 230,255 237,721

  自己株式 △25,264 △25,537

  株主資本合計 243,882 260,185

 その他の包括利益累計額  その他有価証券評価差額金 36,363 29,876

  繰延ヘッジ損益 1,423 622

  為替換算調整勘定 △6,732 △21,439

  退職給付に係る調整累計額 1,393 770

  その他の包括利益累計額合計 32,447 9,831

 非支配株主持分 46,096 50,644

 純資産合計 322,425 320,661

負債純資産合計 601,330 584,135

連結包括利益計算書

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財務情報

連結株主資本等変動計算書 連結キャッシュ・フロー計算書 前連結会計年度

(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)当連結会計年度

(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー 税金等調整前当期純利益 34,258 33,666

 減価償却費 13,176 13,917

 減損損失 301 673

 のれん償却額 3,687 4,780

 貸倒引当金の増減額(△は減少) 4,044 2,249

 退職給付に係る負債の増減額(△は減少) △3,016 △492

 受取利息及び受取配当金 △2,954 △3,022

 支払利息及び社債利息 1,509 1,872

 持分法による投資損益(△は益) 1,364 △2,786

 投資有価証券売却損益(△は益) △1,573 △2,015

 投資有価証券評価損益(△は益) − 50

 関係会社株式売却損益(△は益) − △855

 固定資産除売却損益(△は益) 417 281

 売上債権の増減額(△は増加) △9,802 △2,408

 たな卸資産の増減額(△は増加) △4,003 △6,783

 仕入債務の増減額(△は減少) 11,691 △90

 その他 △3,326 6,519

 小計 45,775 45,556

 利息及び配当金の受取額 4,709 5,275

 利息の支払額 △1,555 △2,078

 法人税等の支払額 △15,420 △13,121

 営業活動によるキャッシュ・フロー 33,509 35,632

投資活動によるキャッシュ・フロー 定期預金の預入による支出 △3,344 △1,344

 定期預金の払戻による収入 269 805

 有価証券の純増減額(△は増加) 731 5,629

 有形固定資産の取得による支出 △15,486 △21,210

 有形固定資産の売却による収入 396 1,294

 無形固定資産の取得による支出 △755 △1,250

 投資有価証券の取得による支出 △147 △212

 投資有価証券の売却による収入 2,037 3,083

 連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出 △13,367 △1,122

 出資金の払込による支出 △436 △0

 貸付けによる支出 △294 △677

 貸付金の回収による収入 378 429

 デリバティブ決済による収支(純額) △2,794 △975

 その他 △943 △1,911

 投資活動によるキャッシュ・フロー △33,756 △17,461

財務活動によるキャッシュ・フロー 短期借入金の純増減額(△は減少) 18,678 △14,570

 長期借入れによる収入 304 5,431

 長期借入金の返済による支出 △2,248 △795

 自己株式の取得による支出 △175 △9

 配当金の支払額 △6,326 △7,617

 非支配株主への配当金の支払額 △2,105 △1,630

 非支配株主からの払込みによる収入 − 12,235

 連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出 △4 −

 その他 △62 △8

 財務活動によるキャッシュ・フロー 8,059 △6,964

現金及び現金同等物に係る換算差額 1,044 △2,171

現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 8,857 9,035

現金及び現金同等物の期首残高 52,314 61,171

現金及び現金同等物の期末残高 61,171 70,207

(単位:百万円)

その他の包括利益累計額 非支配株主持分 純資産合計その他有価証券

評価差額金 繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定

退職給付に係る調整累計額

その他の包括利益累計額合計

当期首残高 31,229 − △12,548 794 19,475 42,817 296,165

当期変動額 剰余金の配当 △6,326

 親会社株主に帰属する当期純利益 17,701

 自己株式の取得 △175

 自己株式の処分 0

 連結子会社株式の取得による持分の増減 6

 非支配株主との取引に係る親会社の持分変動 △1,196 持分法適用会社に対する持分変動に伴う 自己株式の増減 △0

 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 5,133 1,423 5,816 598 12,971 3,278 16,250

当期変動額合計 5,133 1,423 5,816 598 12,971 3,278 26,260

当期末残高 36,363 1,423 △6,732 1,393 32,447 46,096 322,425

前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) 株主資本

資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計当期首残高 25,658 14,421 218,880 △25,088 233,872

当期変動額 剰余金の配当 △6,326 △6,326

 親会社株主に帰属する当期純利益 17,701 17,701

 自己株式の取得 △175 △175

 自己株式の処分 0 0 0

 連結子会社株式の取得による持分の増減 6 6

 非支配株主との取引に係る親会社の持分変動 △1,196 △1,196 持分法適用会社に対する持分変動に伴う 自己株式の増減 △0 △0

 株主資本以外の項目の当期変動額(純額)当期変動額合計 − △1,189 11,374 △175 10,009

当期末残高 25,658 13,232 230,255 △25,264 243,882

(単位:百万円)

その他の包括利益累計額 非支配株主持分 純資産合計その他有価証券

評価差額金 繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定

退職給付に係る調整累計額

その他の包括利益累計額合計

当期首残高 36,363 1,423 △6,732 1,393 32,447 46,096 322,425

当期変動額 剰余金の配当 △7,617

 親会社株主に帰属する当期純利益 17,405

 自己株式の取得 △274

 自己株式の処分 0

 非支配株主との取引に係る親会社の持分変動 6,788

 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) △6,486 △800 △14,706 △622 △22,616 4,548 △18,067

当期変動額合計 △6,486 △800 △14,706 △622 △22,616 4,548 △1,764

当期末残高 29,876 622 △21,439 770 9,831 50,644 320,661

株主資本資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計

当期首残高 25,658 13,232 230,255 △25,264 243,882

当期変動額 剰余金の配当 △7,617 △7,617

 親会社株主に帰属する当期純利益 17,405 17,405

 自己株式の取得 △274 △274

 自己株式の処分 0 0 0

 非支配株主との取引に係る親会社の持分変動 9,110 △2,322 6,788

 株主資本以外の項目の当期変動額(純額)当期変動額合計 − 9,110 7,465 △273 16,302

当期末残高 25,658 22,342 237,721 △25,537 260,185

(単位:百万円)当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

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INTEGRATED REPORT 2019

Page 29: 20192019 統合報告書 印刷インキには、環境対応型の植物油インキを使用しています。〒541-8523 大阪市中央区今橋2丁目6番14号 TEL.06-6203-5531

2019統合報告書

印刷インキには、環境対応型の植物油インキを使用しています。

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INTEGRATEDREPORT

2019 統合報告書 / 発行所:関西ペイント株式会社 発行日:2019年7月 企画・編集:社長室  制作:関西ペイント販売株式会社 アド企画グループ

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