１

学生優位の売り手市場が続く中、人材獲得競争は今年も熾烈を極めた。ディスコでは正式内定解禁

を迎えるタイミングでの採用活動の進捗や内定充足状況を確認すべく、「キャリタス就活」掲載企業な

ど全国の有力企業を対象に調査を行った。2021 年卒者の採用についても予定や方針などを聞いた。

Ⅰ． 2020 年 3 月卒業予定者の採用

１．選考終了状況と充足率

採用選考を「終了した」56.3％。内定者充足率の平均は 77.4％。ともに前年よりやや低下

２．ここまでの採用活動の感想

「とても厳しい」「やや厳しい」の合計が 86.3％。「やさしい」は 0.8％

３．内定辞退の増減と辞退のピーク時期

前年よりも内定辞退者が「増えた」40.3％、「減った」は 21.3％。辞退のピークは「6月」

４．採用結果の満足度

「質・量ともに満足」が 5.2 ポイント減少（32.2％→27.0％）。量への不満が目立つ

《 調査概要 》

調 査 対 象 ： 全国の主要企業 13,658 社 調 査 時 期 ： 2019 年 9 月 25 日 ～ 10 月 4 日 調 査 方 法 ： インターネット調査法 回 答 社 数 ： 1,474 社

調 査 機 関 ： 株式会社ディスコ キャリタスリサーチ

Ⅰ．2020 年 3 月卒業予定者の採用

１．選考終了状況と充足率

採用選考を「終了した」56.3％。内定者充足率の平均は 76.2％で前年（77.4％）より低下

２．ここまでの採用活動の感想 「とても厳しい」「やや厳しい」の合計が 82.9％。「やさしい」は 1.1％

３．内定辞退の増減と辞退のピーク時期 前年よりも内定辞退者が「増えた」33.2％、「減った」24.5％。6月より前の辞退が増加

４．採用結果の満足度 「質・量ともに満足」がやや増加するも（27.0％→29.3％）、量への不満が依然目立つ

Ⅱ．2021 年 3 月卒業予定者の採用

１．採用数と採用予算

「増える」が 15.0％で、「減る」（9.1％）を上回る。予算増加企業は 26.6％

２．採用活動の開始予定時期 面接開始は「3月」の集中度が高まる見込み。内定出しの開始は「4月」が最多

３．採用で注力したいこと 「インターンシップの実施・見直し」が 6割で最多。「早期接触学生のフォロー」は 4割

４．利用予定メディア 「就職情報サイトへの情報掲載」90.8％、「自社採用ホームページ」84.8％の順

Ⅲ．インターンシップ

１．実施状況

「夏季」「秋季」実施企業の増加が目立つ。但し、夏季実施企業の満足度は低下

２．参加後のフォロー 参加後のフォロー施策は「参加者限定早期選考の案内」が最多（54.8％）

新卒採用に関する企業調査(2019 年 10 月調査)

2020 年卒採用 内定動向調査／2021 年卒採用計画

≪従業員数≫

～299人 300～999人 1000人以上

552社 526社 396社

≪業種≫

製造 非製造

597社 877社

≪株式≫

上場 非上場

312社 1162社

≪地域≫

北海道 東北 関東 中部 近畿 中国・四国 九州・沖縄

67社 78社 702社 221社 234社 100社 72社

2020 年卒・新卒採用に関する企業調査－内定動向調査（2019 年 10 月調査）

株式会社ディスコ

キャリタスリサーチ

2

Ⅰ． 2020 年 3 月卒業予定者の採用

１．選考終了状況と充足率

2020 年 3 月卒業予定者の採用選考を「終了した」企業は全体の 56.3％。前年調査に続き、正式

内定解禁日（10 月 1日）を迎えるタイミングでの終了率は半数を超えた。選考解禁 1カ月後に実施

した前回調査時点（7 月初旬）での終了率は 31.1％で、前年同期（26.4％）より高く早期の終了が

目立ったが、今回調査では前年と同じ割合にとどまった。

これを従業員規模別に見ると、いずれの規模も選考終了企業は過半数に達しているが、300 人未

満の中小企業では 51.3％で、大手や中堅企業に比べやや低い。

業界別はさらに濃淡が見られ、「金融」は 8 割が採用選考を終了したと回答（80.0％）。終了率

が低い「流通・商社」（48.5％）や「サービス業」（48.7％）との差は、今年も 30 ポイント以上に

及んでいる。

56.3（56.3）

67.6（69.6）

62.5（65.2）

63.4（65.2）

58.7（61.0）

60.4（59.5）

60.9（58.7）

43.7（43.7）

32.4（30.4）

37.5（34.8）

36.6（34.8）

41.3（39.0）

39.6（40.5）

39.1（41.3）

0% 20% 40% 60% 80% 100%

総 合

大学院文系

大学院理系

大 卒 文 系

大 卒 理 系

短 大 卒

専修学校卒

採用選考の終了状況

終了した 終了していない

※（ ）内は前年同期調査の数値

58.3（61.7）

59.9（55.6）

51.3（51.5）

56.3（56.3）

41.7（38.3）

40.1（44.4）

48.7（48.5）

43.7（43.7）

0% 50% 100%

1000人以上

300～999人

～299人

全 体

採用選考の終了状況（総合／従業員規模別・業界別）

終了した 終了していない

※（ ）内は前年同期調査の数値

48.7（47.2）

55.0（61.2）

48.5（47.4）

80.0（79.1）

61.7（61.0）

51.3（52.8）

45.0（38.8）

51.5（52.6）

20.0（20.9）

38.3（39.0）

0% 50% 100%

ｻｰﾋﾞｽ業

など

ＩＴ

流通・商社

金融

製造

2020 年卒・新卒採用に関する企業調査－内定動向調査（2019 年 10 月調査）

株式会社ディスコ

キャリタスリサーチ

3

採用予定数に対する内定者の割合、いわゆる「充足率」の平均は 76.2％。前年同期（77.4％）

をやや下回った。7月調査では 63.9％だったので、この 3カ月間の伸びは 12.3 ポイント。充足率

を採用継続企業に限って集計すると 58.9％となり、6 割を下回る。学生の内定率が高いことなど

を考えると、今後残りの 4割を充足するのは厳しいと見られる。

従業員規模が大きくなるにつれ充足率は高まり、大手企業では 8割を超えるが（84.1％）、中小企

業では 6割台にとどまる（67.5％）。業界別では、終了状況同様「金融」が最も高い（87.8％）。

２．ここまでの採用活動の感想

ここまでの採用活動の感想を尋ねたところ、「とても厳しい」が 33.7％、「やや厳しい」が

49.2％で、あわせて 8割を超える（計 82.9％）。企業規模や業界によってやや差はあるものの、

自社の採用を「厳しい」と振り返る企業の割合は、ほとんどの属性で 8割を超えている。

今年 2月の調査で自社の採用活動の見通しを尋ねた際は、「非常に厳しくなる」が 48.6％に達

し、広報解禁を前に危機感が強まっている様子が表れていた。当時の予想と比べれば、覚悟して

いたほどではなかったという企業も一定数あろうが、厳しい状況に変わりはない。

77.4

60.1

69.2

77.2

85.779.3

87.5

75.6

83.2

69.4

76.2

58.9

67.5

79.184.1

75.8

87.8

74.881.9

71.7

0

20

40

60

80

100

全体 （採用

継続

企業）

～299人 300

～999人

1000人

以上

製造 金融 流通・商社 IT ｻｰﾋﾞｽ業

など

内定者の充足率（従業員規模別／業界別）

2019年卒 2020年卒

（％）

29.3

34.2

36.4

33.7

52.8

50.2

45.6

49.2

16.9

15.0

16.5

16.1

0.8

0.4

1.1

0.8

0.3

0.2

0.4

0.3

0% 50% 100%

1000人以上

300～999人

～299人

全 体

ここまでの採用活動を振り返って（総合／従業員規模別・業界別）

とても厳しい 厳しい どちらともいえない やさしい とてもやさしい

34.3

27.0

31.9

30.0

37.0

43.1

55.0

50.8

50.0

49.4

21.6

17.5

16.3

20.0

12.3

0.7

0.5

1.0

0.0

0.8

0.3

0.0

0.0

0.0

0.5

0% 50% 100%

ｻｰﾋﾞｽ業

など

ＩＴ

流通・商社

金融

製造

2020 年卒・新卒採用に関する企業調査－内定動向調査（2019 年 10 月調査）

株式会社ディスコ

キャリタスリサーチ

4

３．内定辞退の増減と辞退のピーク時期

内定辞退の状況を前年度と比較してもらった。「かなり増えた」10.7％、「やや増えた」22.5％

で、合わせて 33.2％の企業が増えたと回答した。一方「かなり減った」「やや減った」の合計は

24.5％。「増えた」が「減った」を 8.7 ポイント上回る。

従業員規模別に見ると、いずれの規模でも「増えた」の合計は 3 割を超えるが、中小企業にお

いて「かなり増えた」の割合が高いのが目立つ。業界別では、「金融」「流通・商社」で「増えた」

と「減った」が拮抗しており、業界内でも明暗が分かれたようだ。

内定辞退については、そのピーク時期（最も多く辞退があった時期）も尋ねている。今年も 6 月が

最も多く、6 月 1 日の選考解禁後により志望度の高い企業に内定を得たことで、早い時期の内定

企業を辞退するケースが引き続き多かったことが読み取れる。ただし、今年は 4 月下旬から 5 月

下旬にかけて前年の数字を上回っており、早期化に伴い学生の意思決定時期も早まっていたこと

が表れている。なお、中堅・大手企業は 6 月上旬の集中度が高く、中小企業では 5 月中旬から 6

月下旬にかけてピークが分散していた様子が見て取れる。

※内定には「内々定」を含む

6.5

10.0

14.6

10.7

27.3

23.8

17.5

22.5

38.4

39.6

48.0

42.4

23.4

18.4

12.6

17.6

4.4

8.2

7.4

6.9

0% 50% 100%

1000人以上

300～999人

～299人

全 体

内定辞退者の増減（従業員規模別・業界別）

かなり増えた（３割以上増） やや増えた（１～２割増） 変わらない

やや減った（１～２割減） かなり減った（３割以上減）

12.2

6.7

11.8

10.0

10.8

19.7

26.4

17.0

24.3

25.1

44.4

38.3

42.7

31.4

43.8

16.9

20.7

22.2

28.6

13.3

6.8

7.8

6.3

5.7

7.1

0% 50% 100%

ｻｰﾋﾞｽ業

など

ＩＴ

流通・商社

金融

製造

0.7 1.1 1.23.9

5.5

8.2

11.017.2

14.913.4

6.4

3.3

3.5

3.0

0.8

1.9

3.70.4 0.6 0.6 1.6

3.7

6.5

9.3

18.519.5

15.8

5.73.1

4.8

2.51.0

2.5

3.8

0

5

10

15

20

3月

以前

4月

上旬 中旬 下旬

5月

上旬 中旬 下旬

6月

上旬 中旬 下旬

7月

上旬 中旬 下旬

8月

上旬 中旬 下旬

9月

以降

内定辞退のピーク時期

2020年卒2019年卒

（％）

≪従業員規模別≫ （％）3月

以前

4月

上旬 中旬 下旬

5月

上旬 中旬 下旬

6月

上旬 中旬 下旬

7月

上旬 中旬 下旬

8月

上旬 中旬 下旬 9月以降

～299人 1.2 2.4 1.4 4.8 7.2 10.5 12.4 11.2 12.4 11.2 7.2 4.3 4.1 2.6 1.0 1.7 4.5

300～999人 0.6 0.4 1.7 3.2 5.2 5.6 11.0 20.9 15.9 13.8 6.7 3.0 2.8 3.7 0.9 1.3 3.4

1000人以上 0.3 0.5 0.3 3.8 4.1 9.0 9.6 19.4 16.4 15.6 5.2 2.5 3.8 2.7 0.5 3.0 3.3

2020 年卒・新卒採用に関する企業調査－内定動向調査（2019 年 10 月調査）

株式会社ディスコ

キャリタスリサーチ

5

４．採用結果の満足度

内定者に対する満足状況を、質と量（人数）の観点で尋ねた。「質・量ともに満足」という回答は

全体の約 3割（29.3％）で、前年調査（27.0％）より 2.3 ポイント増えた。しかし、「質・量とも

に不満」（23.3％）も僅かながら増加しており、満足度が高まったとは言い難い。

「質は満足だが量に不満」は 30.4％で、「量は満足だが質に不満」は 17.0％。質への不満より

も量への不満が多いことから、選考基準を落とさずに採用数を確保しようとした企業が今年も多く、

優秀な学生の争奪戦になったと考えられる。また、内定辞退が増えた企業が多かったことも（4 ペ

ージ）、量への不満を高めた要因だろう。

従業員規模別では、大手企業で「質・量ともに満足」の割合が 32.3％と他よりも高く、業界別

では「IT」の満足度が約 4割と高いのが目立つ（39.3％）。また、理系学生を多く採用する「製造

業」において満足度の低下が顕著。

【Voice-1】――ここまでの採用満足状況

■満足の声

○概ね想定通りのレベルの学生を採用できました。選考スケジュール、進め方に大きな変更はせず、インターン

などで接点を持てた学生を丁寧に対応することで、何とかなりました。 ＜情報処理・ソフトウエア/大手＞

○例年に比べ、採用人数の確保が早かった。例年よりも面談回数を増やしたことにより、このような結果となった

と考える。 ＜専門商社/大手＞

○夏採用を実施し、春採用と遜色のない学生に内定を出すことができた。 ＜サービス/中小＞

■質または量に不満

○早い時期に内定を出した学生の半数以上が辞退をする。 ＜情報処理・ソフトウエア/大手＞

○充足率は 93％となり、量には満足できる。しかし、志望動機や意欲について物足りない印象を受けており、質

にはやや不満である。 ＜信用金庫/中堅＞

○学生個人の質というよりは、採りたかった分野（機械・電気・建築等）の人材を採用できなかったことに対する

不満です。 ＜建設・住宅・不動産/大手＞

○応募条件を厳しくしたので質には満足できるが、人数の確保が難しい。 ＜サービス/中堅＞

○１番来てほしかった学生からは辞退されてしまった。 ＜建設・住宅・不動産/中小＞

○採用人数を満たしていないが、質のことを考え 2020 卒の採用活動を終了している。また、内定者についても質

の面で不安が残っている。 ＜専門商社/中堅＞

32.3（29.6）

29.3（24.7）

27.1（27.2）

29.3（27.0）

26.2（26.2）

30.7（32.6）

33.3（35.5）

30.4（31.4）

18.7（23.2）

18.6（17.4）

14.0（16.4）

17.0（19.0）

22.8（21.0）

21.4（25.3）

25.6（21.0）

23.3（22.6）

0% 50% 100%

1000人以上

300～999人

～299人

全 体

採用状況の満足度（従業員規模別・業界別）

質・量ともに満足 質は満足だが、量に不満 量は満足だが、質に不満 質・量ともに不満

27.5（21.4）

39.3（32.7）

25.2（21.2）

31.9（31.3）

28.7（30.4）

33.9（34.1）

26.5（29.7）

32.1（33.8）

21.7（34.3）

30.1（28.8）

14.6（18.3）

18.4（19.4）

17.9（18.8）

27.5（20.9）

15.9（19.1）

24.1（26.2）

15.8（18.2）

24.8（26.2）

18.8（13.4）

25.2（21.7）

0% 50% 100%

ｻｰﾋﾞｽ業

など

ＩＴ

流通・商社

金融

製造

2020 年卒・新卒採用に関する企業調査－内定動向調査（2019 年 10 月調査）

株式会社ディスコ

キャリタスリサーチ

6

Ⅱ．2021 年 3 月卒業予定者の採用

１．採用数と採用予算

ここからは 2021 年 3 月卒者の採用計画に関する調査結果を紹介したい。

2021 年卒者の採用見込みについて尋ねたところ、「増える見込み」と回答した企業は 15.0％で、

「減る見込み」（9.1％）を 5.9 ポイント上った。「今年度並み」と回答した企業は全体の 76.0％。

企業の採用意欲は引き続き高い状態が維持される見込みだ。

従業員規模別に大きな差は見られず、いずれの規模でも「増える」が「減る」を大幅に上回っ

ている。業界別に見ると、「金融」で「増える見込み」と「減る見込み」がいずれも 7.5％と同率。

その他の業界では、前年より「増える」が「減る」を上回る。特に「流通・商社」「IT」「サービス

業」で増加傾向が強い。

予算についても増加傾向が表れている。「かなり増える（3割以上増）」（4.1％）、「やや増える（1

～2割増）」（22.5％）と、あわせて 26.6％が「増える」と回答。「減る」の合計 14.0％を大きく上

回った。

15.6

14.5

15.0

15.0

76.0

76.9

74.9

76.0

8.4

8.6

10.1

9.1

0% 50% 100%

1000人以上

300～999人

～299人

全 体

2021年卒者の採用人数見込み（総合／従業員規模別・業界別）

増える見込み 今年度並みの見込み 減る見込み

18.7

17.7

18.6

7.5

11.0

69.3

76.8

73.6

84.9

79.3

12.0

5.5

7.8

7.5

9.7

0% 50% 100%

ｻｰﾋﾞｽ業

など

ＩＴ

流通・商社

金融

製造

5.3

4.2

3.2

4.1

21.3

25.8

20.1

22.5

57.2

58.6

62.1

59.5

13.4

9.7

10.9

11.2

2.8

1.7

3.8

2.8

0% 50% 100%

1000人以上

300～999人

～299人

全 体

2021年卒者の採用予算見込み（総合／従業員規模別・業界別）

かなり増える見込み（３割以上増） やや増える見込み（１～２割増） 変わらない

やや減る見込み（１～２割減） かなり減る見込み（３割以上減）

4.6

5.0

4.8

1.5

3.6

27.1

22.0

24.7

13.2

20.2

51.2

62.0

55.5

67.6

64.0

12.9

9.0

13.4

16.2

9.3

4.3

2.0

1.7

1.5

2.9

0% 50% 100%

ｻｰﾋﾞｽ業

など

ＩＴ

流通・商社

金融

製造

2020 年卒・新卒採用に関する企業調査－内定動向調査（2019 年 10 月調査）

株式会社ディスコ

キャリタスリサーチ

7

２．採用活動の開始予定時期

「3 月採用広報解禁、6 月選考解禁」という日程ルールも 2021 年卒採用で 5 年目を迎えるが、

企業は、自社の採用活動の時期をどのように計画しているだろうか。

自社採用ホームページでの情報公開時期は、広報解禁月の 3月が 37.4％で最も多い。ただし前

年実績に比べ大きく減少し、その分、11 月～1 月が増加。10 月以前も 2 割を超えており、3 月よ

り前に公開する企業の合計は約 6 割（59.2％）に上る。自社セミナーの開始も 3 月が最も多いが

（52.6％）、同じく前年実績より割合が下がり、より早期に開始する企業が増える見込みだ。エン

トリーシート（ES）受付開始についても前倒す動きが見られる。

23.9

1.25.4 5.1

15.6

45.5

1.8 0.6 0.9

23.3

5.410.0 12.5

8.0

37.4

1.5 0.4 1.50

20

40

60

80

10月以前 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月以降

自社採用ホームページでの情報公開

2020年卒（実績） 2021年卒（予定）

（％）

※2020年卒は、2019年2月調査

- -

9.64.8

13.8

63.7

4.4 1.4 2.38.2

3.7 4.7 7.813.9

52.6

5.81.3 1.9

0

20

40

60

80

10月以前 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月以降

自社セミナー開始2020年卒（実績） 2021年卒（予定）

（％）

※2020年卒は、2019年7月調査 *2020年卒は「12月以前」で調査

*

- -5.5

3.78.8

68.3

9.6

1.3 2.65.12.1

4.8 6.310.3

60.3

7.81.5 1.9

0

20

40

60

80

10月以前 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月以降

エントリーシート受付開始2020年卒（実績） 2021年卒（予定）

（％）

※2020年卒は、2019年7月調査 *2020年卒は「12月以前」で調査

*

2020 年卒・新卒採用に関する企業調査－内定動向調査（2019 年 10 月調査）

株式会社ディスコ

キャリタスリサーチ

8

次に面接開始と内定出し開始の予定時期を確認したい。

面接開始が最も多いのは、採用広報解禁直後の 3 月で、約 4 割（39.4％）に上る。前年実績と

比べると、2.2 ポイント増加。次に多い 4 月は、前年 32.6％から 26.4％と大幅に減少し、3 月の

集中度が高まりそうだ。2月以前も軒並みポイントが増加しており、早期化の傾向が顕著だ。選考

解禁月である 6月以降の開始は、7.3％にとどまる。

内定出しの開始時期は、前年同様に 4 月が約 3 割で最も多く（31.8％）、5 月が 2 割台で続く。

3 月以前の早い時期の合計が約 10 ポイント増加しており（18.6％→28.4％）、内定出しについて

も前倒しが予想される。なお、従業員規模別に見ると、大手企業において 2月以前の合計が 15.8％

に上る。経団連が「採用選考に関する指針」の廃止を表明したことも影響し、大手を中心に早期

からの内定出しが増える見込みだ。

2.6 2.1

6.0

37.2

32.6

9.27.3

1.3 1.7

7.04.7

7.6

39.4

26.4

7.66.0

0.1 1.20

10

20

30

40

12月以前 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月以降

面接開始

2020年卒（実績） 2021年卒（予定）（％）

※2020年卒は、2019年7月調査

≪従業員規模別≫ （％）

12月以前 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月以降

～299人 6.6 4.4 6.5 38.5 27.0 7.9 7.1 0.0 2.0

300～999人 5.6 3.6 6.8 39.0 29.7 10.4 4.0 0.0 1.0

1000人以上 9.4 6.7 10.2 41.0 21.0 3.5 7.3 0.5 0.3

1.4 1.0 2.3

13.9

36.1

24.0

17.4

1.7 2.43.9 3.1 3.9

17.5

31.8

20.0

16.1

0.92.9

0

10

20

30

40

12月以前 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月以降

内定出し開始2020年卒（実績） 2021年卒（予定）

（％）

※2020年卒は、2019年7月調査

*内々定を含む

≪従業員規模別≫ （％）

12月以前 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月以降

～299人 4.6 2.8 1.6 17.4 33.3 19.0 14.8 1.6 5.0

300～999人 2.2 2.6 4.4 18.1 29.5 25.1 16.3 0.6 1.2

1000人以上 5.1 4.3 6.4 16.9 32.7 14.5 17.7 0.3 2.2

2020 年卒・新卒採用に関する企業調査－内定動向調査（2019 年 10 月調査）

株式会社ディスコ

キャリタスリサーチ

9

３．採用で注力したいこと

2021 年卒の採用で注力したいことを尋ねたところ、最も多いのは「インターンシップの実施・

見直し」で 6 割超（60.5％）。次いで「大学との関係強化」（51.1％）、「プレ期の活動」（48.0％）、

「内定者フォロー」（45.4％）が続く。前年調査と比較すると、上位項目に変化は見られず、企

業にとって、引き続き重要なテーマであることが読み取れる。また、今年初めて聞いた「早期接

触学生のフォロー」は約 4 割の企業が選んだ（38.9％）。インターンシップなどを通じて早期に

接点を持った学生をいかに採用につなげるかを課題に感じる企業が少なくないようだ。

【Voice-2】――2021 年卒者の採用で注力したいこと

〇インターンシップ参加者が内定を承諾することが多くなり、重要度の高まりを感じた。 ＜運輸・倉庫/大手＞

〇3 月の広報解禁時点ですでに企業を絞っている学生が多いと感じるため、プレ期の動きが重要だと思う。

＜専門商社/中堅＞

〇インターンシップを早期に実施しているが、20 卒者に対してはなかなかフォローができずせっかく早期に会

えた学生を選考に繋げることが難しかった。そのため 21 卒ではしっかりフォローして、内定まで繋げたい。

＜鉄鋼・非鉄・金属製品/中小＞

〇キャリアセンターや研究室への訪問に注力して、学内セミナーへの参加を増やしたい。 ＜素材・化学/中堅＞

〇内定者をしっかりグリップするためにリクルーターを導入する。 ＜信販・クレジット・ファイナンス/中堅＞

〇採用ホームページのスマホ対応を実施。 ＜素材・化学/中小＞

〇社内協力体制の整備は確実に必要だと感じている。 ＜専門店/大手＞

〇入社後の活躍・早期離職防止に重点を置き、本当に会社として採用したい人財・活躍する人財の要件を見直

し、PR していきたいと考えています。 ＜建設・住宅・不動産/大手＞

60.5

51.1

48.0

45.4

38.9

35.4

34.5

31.4

30.2

30.0

23.2

21.5

20.3

17.0

15.0

14.8

8.0

0.5

60.9

53.8

50.1

46.8

-

37.7

32.9

32.1

33.4

30.8

23.8

20.2

20.6

21.2

12.7

18.5

8.3

0.9

0 20 40 60

インターンシップの実施・見直し

大学との関係強化

プレ期（採用広報解禁前）の活動

内定者フォロー

早期接触学生のフォロー

ホームページやパンフレットの作成

社内協力体制の整備

自社セミナーの企画・運営

選考日程の見直し

選考プロセスの見直し

人材要件の見直し

利用メディアの見直し・拡大

面接官のスキルアップ

選考基準の見直し

採用コストの削減

リクルーターの導入・育成

職掌や職種、コースの見直し

その他

2021年卒採用で注力したいこと

2021年卒

2020年卒

（％）※「早期接触学生のフォロー」は、前年は調査なし

2020 年卒・新卒採用に関する企業調査－内定動向調査（2019 年 10 月調査）

株式会社ディスコ

キャリタスリサーチ

10

４．利用予定メディア

2021 年卒採用で利用予定のメディアやサービスを尋ね、2020 年卒採用での利用実績と比較し

た。最も多いのが「就職情報サイトへの情報掲載」で、実績・予定ともに 9 割を超えている。次

いで、「自社採用ホームページ」（84.8％）、僅差で「学内セミナー・説明会」（83.6％）が続き、

「合同セミナー・説明会」も 8割近い（77.5％）。

「大学への求人票」の割合が低下しているのが目立つが（74.5％→66.6％）、早期対策に力点を

置く企業が増えたことで（9ページ）、減少していると見ることができる。早期アプローチでうまく

結果が出ない場合など、後半戦に求人票を活用する企業が増える可能性がある。

1 社あたり平均 6 項目程度を選択しており、多岐にわたるメディアやサービスを利用して採用

広報に注力しようとしている姿勢が読み取れる。

90.8

84.8

83.6

77.5

66.6

37.4

31.9

20.0

19.9

16.5

16.3

16.3

16.2

14.9

12.2

8.3

8.2

8.1

4.6

3.0

0.8

91.7

85.9

82.0

78.3

74.5

38.1

33.4

21.4

24.0

16.9

14.1

17.9

15.6

9.6

9.3

7.6

7.4

6.5

5.1

3.5

0.3

0 20 40 60 80 100

就職情報サイトへの情報掲載

自社採用ホームページ

学内セミナー・説明会

合同セミナー・説明会

大学への求人票

ＷｅｂＤＭ

入社案内（総合）

就職情報誌への情報掲載

ハローワークなどの公的機関

ＥメールＤＭ

映像（ＰＲ動画）

新卒紹介サービス（エージェント）

ノベルティグッズ

Ｗｅｂセミナー

ＳＮＳ（Twitter、Facebookなど）

就職情報サイトへのバナー広告

逆求人サービス

郵送（宅配）ＤＭ

入社案内（ターゲット別）

新聞広告

その他

採用広報の利用メディア（サービス）

2021年卒（予定）

2020年卒（実績）

（％）

2020 年卒・新卒採用に関する企業調査－内定動向調査（2019 年 10 月調査）

株式会社ディスコ

キャリタスリサーチ

11

Ⅲ．インターンシップ

１．実施状況

来年 2月までのインターンシップ実施（予定を含む）について、時期別に尋ねた。3カ年分を比較

すると、いずれの時期でも年々実施率が増加しており、最も多い「冬季」では 7割近く（68.3％）

に上る。前年調査では「冬季」が大きく増加したが、今年度は「夏季」「秋季」の伸びが目立つ。

今夏にインターンシップを実施した企業に満足度を尋ねたところ、「質・量ともに満足」が約 3

割（32.9％）で、前々年度より 10 ポイント以上低下した。「質は満足、量に不満」と「質・量と

もに不満」を合わせた「量に不満」が 5割近いのに対し（計 47.7％）、「質に不満」の合計は 40.5％

で、どちらかというと量への不満が目立つ。夏季実施企業が増加したことで、学生の参加が分散

し、十分な参加者を集められない企業の割合が増加したとみられる。

時期別に実施期間の割合を算出したところ、いずれの時期においても「1日」が最多となった。

前年調査と比較すると、いずれの時期でも「半日」「1日」の割合が増加。さらに短期化が進む格

好だ。「1日」と「半日」と合わせると、「秋季」「冬季」ともに 8割以上を占め、大多数が 1日以

内の短期プログラムである。採用広報解禁前に、短期間で効率的に学生と接点を持ちたいという

企業の意向が読み取れる。また、以前は長期のものが主流だった夏季においても、1日以内のプロ

グラムの占める割合が半数を超える（計 50.3％）。

58.5

34.1

68.3

53.4

29.4

66.2

45.4

25.3

56.1

0 20 40 60 80

夏季

（6月～9月）

秋季

（10月～11月）

冬季

（12月～2月）

インターンシップ実施状況

2019年度 2018年度 2017年度

（％）

43.4

36.0

32.9

20.8

24.5

26.7

20.7

17.7

19.5

15.1

21.9

21.0

0% 50% 100%

2017年度

2018年度

2019年度

夏季インターンシップの満足度

質・量ともに満足 質は満足、量に不満

量は満足、質に不満 質・量ともに不満

20.7（21.0）

24.9（23.2）

13.9（12.7）

61.7（59.5）

60.2（57.4）

36.4（34.0）

11.1（13.9）

8.6（12.8）

17.4（16.8）

4.9（4.1）

3.2（3.7）

20.0（22.6）

1.2（0.7）

1.6（0.8）

10.7（12.7）

0.4（0.8）

1.6（2.1）

1.6（1.3）

0% 20% 40% 60% 80% 100%

冬季（12月～2月）

秋季（10月～11月）

夏季（6月～9月）

2019年度のインターンシップ実施期間（時期別）

半日 1日 2～4日 5日（1週間） 2週間程度 3週間以上

※（ ）内は前年同期調査の数値

2020 年卒・新卒採用に関する企業調査－内定動向調査（2019 年 10 月調査）

株式会社ディスコ

キャリタスリサーチ

12

２．参加後のフォロー

インターンシップ参加学生に対して、何らかのフォローやアプローチを実施するという企業は

8 割を超える（85.0％）。具体的な施策としては、「参加者限定早期選考の案内」が最も多く、半数

強の企業が選んだ（54.8％）。こうした動きが、先に見たような選考時期の早期化につながってい

ると考えられる（8 ページ）。また「参加者限定セミナーや懇親会」（38.7％）、「参加者限定インタ

ーンシップ」（29.6％）なども上位に挙がり、採用活動の母集団につなげるために、インターンシ

ップ参加学生と継続的に接触をもとうと考える企業が多いことが読み取れる。

【Voice-3】――インターンシップについて

■ 課題に感じること

○予約率と参加率の悪さが目立つので、コンテンツの見直しや学生への打ち出しの仕方が課題と強く感じている。

＜その他サービス/中小＞

〇インターンシップ選考に落選した学生へのフォローが不足していることが課題。 ＜運輸・倉庫/大手＞

〇理系向けに工場にて実施するが、受け入れ側の協力を得るのが大変。複数日程で実施をしたいが、工場の操業の

迷惑にならないように 1 日程のみの開催となっている。 ＜素材・化学/中堅＞

〇参加する学生の知識の差が大きい場合があり、一律の内容では満足度にバラツキがでていること。

＜情報処理・ソフトウエア/中堅＞

〇インターンシップから実際の選考までの期間が空くため、つなぎとめが難しいと感じている。 ＜電子・電機/中小＞

■ 工夫していること

○時期によって、学生の業界や企業理解度は異なるので、コンテンツを変えている。 ＜専門商社/中堅＞

〇必ず現場に連れていって、就業後のイメージを持てるようにしている。お昼も豪華にするなど、ちょっとした気

遣いもしている。 ＜建設・住宅・不動産/中小＞

〇現場へ学生を連れていくことが難しいため、インターンシップ後の面談にてギャップを埋めるようフォローを

している。 ＜専門商社/中堅＞

〇弊社の場合はプレゼン営業が中心業務なので、実際にプレゼンをしてもらい、適性や志向とマッチしているか

否かを、できるだけ学生自身が判断できるような内容にしている。 ＜精密機器・医療用機器/中堅＞

〇学生同士の関係づくりの補助をすること。取り組み姿勢が良くなり、結果的に学生の満足度が上がる。

＜情報処理・ソフトウエア/大手＞

54.8

38.7

35.5

29.6

21.7

17.7

8.2

6.8

0.9

0 20 40 60

参加者限定早期選考の案内

参加者限定セミナーや懇親会

通常のエントリーや選考の案内

参加者限定インターンシップ

メールでの定期的な連絡

リクルーターによるフォロー

LINEでの定期的な連絡

マイページでの定期的な連絡

その他

インターンシップ参加者に実施するフォローやアプローチ

（％）