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21CLD Learning Activity Rubrics 21 世紀の学習活動をデザインするための学習活動ルーブリック(評価指標) 略称:21 世紀型学習活動評価指標 Sponsored by Microsoft Partners in Learning Rubrics designed by Supported by

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21CLD Learning Activity Rubrics 21 世紀の学習活動をデザインするための学習活動ルーブリック(評価指標)

略称:21 世紀型学習活動評価指標

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21CLD Learning Activity Rubrics

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21st Century Learning Design 21 世紀の学習活動をデザインするための学習活動ルーブリック(評価指標)

導入:

世界中の教師が、21 世紀の生活や仕事へ、よりよく生徒を導いていく新しい学習モデルをデザイ

ンすることに取り組んでいる。本ガイドの目的は、教師が学習活動をデザインするときに、生徒に

「21 世紀型スキル」を形成する機会を明確にし、理解することを支援することである。今回紹介

するルーブリックは革新的な指導と学習に関する研究プロジェクトで、国際的に開発され試行され

てきたものである。

学習活動とは、生徒が学校で行っている様々な課題を指す。生徒が一つの授業時間内に完成させる

ものに加え、学校内外で行われる拡張的なプロジェクトも含まれている。

このガイドは、21 世紀の学習と関わる6つのルーブリックについて説明している。それぞれのル

ーブリックは、生徒に次のことを育てていく重要なスキルを取り扱っている。

collaboration コラボレーション

knowledge construction 知識構築

self-regulation 自律的な学習

real-world problem-solving and innovation 現実社会の課題解決と革新的な取り組み

the use of ICT for learning 学習のための ICT の活用

skilled communication 熟達したコミュニケーション

このガイドの中で、各ルーブリックの説明は次の 3 つのパートで構成されている

キーコンセプトと関連する事例の定義についての概要

各学習活動で、あるスキルを伸ばすレベルアップの度合いを説明するために 1 から 4 の

数値に割り当てて考える

各事例で最適な数値を選ぶ方法を示す流れ図(フローチャート)

なお、ある事例では、1 から 5 の数値が用いられている。その場合、5 は、付加的でより高度な到

達目標を表現したものである。

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21CLD Learning Activity Rubrics

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Collaboration コラボレーション(協働・協同)

生徒は他の人々と責任を共有したり、そこで実質的な意思決定をすることが求め

られているか?その活動は相互依存的(互恵的)であるか?

概要

多くの国々で、これまで学校では、生徒は自分の課題を自分で行い、学年に分かれて学んでいた。

しかし、このモデルでは、あまりにも複合的で一人では解決できない課題を他の人々とチームで取

り組む職場へ、生徒たちをうまく導くモデルとはなりえていない。今日、互いに結びつき合ってい

るビジネス界において、実際のプロジェクトは、企業を越えたコラボレーションを求めたり(たと

えば、新しいワクチンを生産するために、薬剤の企業は化学工業とコラボレーションする、など)、

あるいは世界の異なる場所にいる人々とのコラボレーションを求めてくる。このタイプの業務は、

チームで生産的に働くための強いコラボレーションスキルを求めてくる。そしてまた個々の専門知

識やアイデアを首尾一貫した解決に向けて統合していく強いコラボレーションスキルを求めてく

る。

このルーブリックは、生徒が学習活動で他の人と一緒に活動をしているか、またそのコラボレーシ

ョンの質はどうかを見ようとしている。

ルーブリックのより高度なレベルでは、生徒がその仕事の責任を共有しているか、またその学習活

動は、彼らが実質的な意思決定に参加することを求めるデザインで構成されているか、を見ようと

している。これらの姿は,生徒が、交渉・コンフリクトの解決・行わなくてはいけないことへの同

意・課題の分業・他の人のアイデアを聴くこと・アイデアを一貫性を持って統合すること、といっ

た重要なコラボレーションのスキルを学ぶことを支援するものである。さらに、もっとも強力な学

習活動は、すべての生徒に、そのチームが成功することに向けて貢献することを要求しながら、生

徒の活動が相互依存的(互恵的)であるように考え、デザインされている。

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21CLD Learning Activity Rubrics

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ねらい

その活動が、生徒たちに次のようなペアーワークやグループワークをすることを求める場合、生徒

は真に一緒に働くことになる。

探究課題を論議する

問題を解決する

何かを作り出す

ペアやグループでの生徒の活動は、他のクラスや他の学校の生徒、地域の人や専門家といった、教

室外の人との活動を含むかもしれない。生徒は、アイデアや情報源を共有するために、対面あるい

はテクノロジーを用いて一緒に作業する。

これは一緒に働いていると言えるのか

はい いいえ

生徒のペアが、お互いにフィードバックを

与えている。

生徒は自分の仕事を単独でしている。

小グループで一つの問題を論議している クラス全体で一つの問題を論議している。

ある生徒が,インターネットを通じて他の

町の生徒にインタビューするために,Lync

や Skype 等のビデオ会議システムを用い

ている。

生徒たちはその話の構想を共有するため

に,OneNote のようなデジタルノートを用

い,互いにフィードバックを与えている。

各生徒が自分で話を作り,フィードバックを求

めて教師にそれを送っている。

生徒がペアやグループで、共通の製作、設計、解答をしていく場合、彼らは責任を共有する。責任

を共有するとは、互いを単に支援し合う以上のものである。生徒は集団的で取り組む課題を有し、

相互にその結果に責任をもたなくてはならない。

グループワークに学校外の生徒や大人が関わる場合、生徒及び学校外の参加者が、その課題の結果

に相互に責任を持つときのみ、責任を共有する活動に参加しているものとしてみなされる。

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21CLD Learning Activity Rubrics

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責任を共有しているか

はい いいえ

生徒たちは、実験室で実験を一緒に行っ

ている。彼らは実験を遂行する共通の責

任を持っている。

生徒は互いにフィードバックを与えている。

この活動の構造は、一人の生徒が活動を行い、もう

一人がその補助のみをしている。

ある国の生徒が共通で使える Web サイ

トを他の国の仲間と一緒に作っている。

生徒たちは、ウエッブサイトの開発のた

めの責任を共有している。

ある生徒は、地方の天候について、他の国の仲間に

インタビューをしている。これは、生徒たちが一緒

に行う一つの課題となっている。しかし彼らはそ

の結果に対して互いに責任を持ってはいない。

生徒は、コラボレーションが求められる重要な探究課題を解決しなければならない時、実質的な意

思決定を一緒に行うことになる。この実質的な意思決定とは、その内容を形作ったり、活動の産物

を出していく意思決定と関わることを意味している。

内容:生徒は意思決定を求められる探究課題に対して、彼らの知識を用いなければならな

い。その内容は、その話題で自分たちの立場を表明しなくてはならないような、コラボレ

ーションを求めるものである。

過程:生徒は、これから行うこと、いつそれに取り組むか、どんな道具を用いるか、チー

ム内でのその役割や責任のありようを計画しなければならない。

産物:生徒は基本となるデザインについて意思決定しなければならない。そのデザインは

最終的に産出する成果物の特質や活用可能性に影響を及ぼすものである。

これは実質的な意思決定といえるか

はい いいえ

チームの中で生徒は、ディベートの準備を

行い、論議する探究課題を何にするか決め

なくてはならない。これは共同作業を形作

る内容の決定と関わることである。そして

そのアイデアを交渉によって決めていかな

くてはならない。

生徒はヨーロッパのある国の首都を明らかに

するために共同作業をしている。しかし、この

意思決定は、この後の活動に影響はしていな

い。

生徒のペアは、天候の変化についてプレゼ 生徒のペアは、研究する動物を選んでいる。彼

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21CLD Learning Activity Rubrics

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ンテーションの準備を行う際に、その要因

について何を記すか決めなくてはならな

い。彼らは重要な要因が何であるか一緒に

決めなくてはならない。この決定は、プレゼ

ンテーションを形作ることになる。

らは自分たちの好みで選んでおり、この教科で

求められている知識に基づく意思決定をして

いない。

生徒のチームは研究プロジェクトを行い、

その活動計画やチームでの役割について意

思決定しなければならない。そして、彼らは

活動の過程を計画しなければならない。

生徒のチームは、教師が決定した役割リストに

基づいてチームメンバーの役割を決めている。

教師が活動の過程を計画しており、生徒はそれ

をしていない。

生徒のペアは、ある特定の聞き手に対して、

どのようにプレゼンテーションをするかを

決めなくてはならない。これは、その活動の

全体、つまり成果物と関わる、基本的な活動

デザインの意思決定である。

生徒のペアは、彼らのプレゼンテーションの配

色を選んでいる。表面的な特徴については意思

決定が行われているが、基本となる成果物の設

計に影響を与える実質的な意思決定はしてい

ない。

チームが成功するために全生徒の参加や関与が求められるとき、その活動は相互依存的(互恵的)

である。グループ活動では、生徒がその結果に責任を持っているが、実践の中で、その分業は公平

に行われていないことが、大変しばしば見受けられる。1人、あるいは2人の生徒が、チームで行

うすべての活動を行っていることもある。このルーブリックでは、もっともレベルが高い学習活動

として、すべての生徒の参加を求めている。

この規準に見合うために、生徒は、相互依存による(互恵的となる)成果物を生み出すことが求め

られている(例えば、生徒一人ひとりが協力して開発しそれを発表しているプレゼンテーション)、

あるいは、他の人にとっても相互依存的(互恵的な)成果を出していることが求められる(生徒全

体に情報が共有されている意思決定)。

相互依存的(互恵的)な活動の多くは、次の2つのレベルの説明責任と関わっている。

個々人の説明責任:チームの各メンバーは、グループがその活動をする上で達成しなけれ

ばならない課題に責任を負っている。チーム内の各生徒の役割は、本質的なものである。

グループの説明責任:生徒は最終的な成果物や結果を出す上でコラボレーションしてい

なければならない。生徒はその過程、設計、結論に関わり、同意していなければならない。

生徒が一緒に計画し、チームメンバーの成果物や結果が完遂され、首尾一貫したものとなるように、

その活動を構成することが求められる。例えば、各生徒はプレゼンテーションのページに責任を持

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ち、最後のプレゼンテーションで、そのページが一緒に組み合わされるだけなら、これは相互依存

(互恵的)とは言えない。しかし、生徒が話し合い、アイデアに到達するためにコラボレーション

することが求められ、個々人のページが首尾一貫した全体の部分として位置づいているなら、相互

依存的(互恵的)であるとみなされる。

生徒の活動は相互依存的(互恵的)であるといえるか

はい いいえ

グループのメンバーは、カエルの内蔵につ

いて、それぞれのテーマで調べている。(例:

循環器、消化器官)。生徒たちは、そのあと、

カエルの解剖を一緒に行い、内臓の各部分

や、それが属している生体系なども明らか

にしながら、解剖の結果についてレポート

を作成している。生徒は、解剖の間に彼らが

見つけたことをうまく同定するために、互

いの活動に依拠しつつ取り組んでいる。

グループのメンバーは、カエルの調査を一緒に

している。しかし各生徒は自分で解剖を行い自

分でレポートをまとめている。彼らは、その調

査で、各要素について一緒に取り組んでいる

が、その成果物については、他者からの介入や

関与は求められていない。

生徒は、ネットワークに接続されたデバイ

スを活用し、結節点で結ばれた星座の形を

集団的に作り出す作業をしている。各生徒

の貢献は不可欠であり、それによってグル

ープは完成された形を作ることできる。

ある生徒が、グループのメンバーからの入力情

報を使って、結節点をプロットする道具を用い

て、星座を形作っている。一人の生徒だけが、

結節点をプロットしていて、他の生徒は貢献し

ているかもしれないが、関与しなくてもグルー

プの成果物が完成できる。

生徒は、その地方の歴史・文化・アトラクシ

ョン・宿泊先など表示する旅行者向け Web

サイトを作っている。個々人は、サイトの全

体の異なる部分を作っているかもしれない

が最も良いサイトを作るために、情報を組

織する方法については一緒に意思決定を行

っている。

生徒はクラスのホームページにリンクされる

予定の地方の歴史・文化・アトラクション・宿

泊先など表示する旅行者向け Web サイトを作

っている。しかし、彼らは何か特別に、いっし

ょに戦略を組んで取り組むといったことは求

められてない。

生徒は、ある春の沼地の生態系を対象に、食

物連鎖を示す図を作るために Mouse

Mischiefのような共同作業ツールを使って

いる。各生徒は、それぞれある特別な生物種

生徒は、適合リストに生物種を配置しながら、

春の沼地の生態系にいるどの種族が、哺乳類、

草食獣、雑食性の動物であるか、明らかにする

ために Mouse Mischief のような共同作業ツ

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を対象に作業を進め、食物連鎖の中で適切

な場所に、各生物種を配置していくために

協働している。

ールを使っている。生徒はリストに対して生物

種を動かし、Mouse で整理をしている。しかし、

それは、生徒間で協働する必要性はない。

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コラボレーション:ルーブリック

この学習活動の中で

1 生徒は,ペアあるいはグループで,一緒に活動することを求められていない

2 生徒は一緒に活動をしている。

しかし責任の共有は図られていない。

3 生徒は責任を共有している。

しかしその活動の実質的な意思決定までは求められていない。

4 生徒は責任を共有している。

そして、その活動の内容・過程・結果に関わって実質的な意思決定をしている。

しかしその活動は互恵的でない。

5 生徒は責任を共有している。

そして、その活動の内容・過程・結果に関わって実質的な意思決定をしている。

さらにその活動は互恵的である。

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コラボレーション:決定のステップ

ペアまたはチームで

活動することが

要求されていますか?

生徒たちは

責任を共有して

いますか?

生徒たちは、

本質的な意思決定をともに

していますか?

生徒たち活動は

相互依存的(互恵的)

ですか?

1

2

3

4

5

NO

NO

NO

NO

YES

YES

YES

YES

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Knowledge construction 知識構築

生徒たちは、知識を構成し活用することを求められているか?その知識は

学際的(教科横断的)か?

概要

学校での活動は、たいていの場合、生徒に与えられた情報を再生産することを求めている。もちろ

ん、それは生徒にとって重要な領域の内容を習得するために必要なことである。しかし、暗記だけ

では、その後の高等教育での研究や知識基盤型社会で成功するために必要とされる批判的思考力や

推理力が育たない。社会人は仕事で生産的に使うために、インターネットやその他の情報源を通じ

て最新の情報を調査し、情報を統合し評価する。21 世紀を生きていくために、ほとんどの仕事は、

以前に比べてより高度な専門性に加え、新しい文脈や新しい問題に対して知識を活用する能力をも

求めてきている。

このルーブリックは、実務に転用でき、活用できる、レベルの深い知識を構築する学習機会が用意

されるよう、生徒の活動がデザインされているかをみている。

知識構築の活動は、生徒にとって「新しい」ものの理解やアイデアを生み出すことを要求する。生

徒は解釈、分析、統合または評価を通じてこれを達成する。より高い次元の活動では、知識構築が

学習活動の主な要件である。

一番上位の活動では、別の文脈で構成された知識を活用することを生徒に求めており、それは理解

をさらに深めたり、2 つ以上異なった専門的な分野を結びつけたりする(例えば、科学と文学)

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ねらい

生徒が、自身が学んだものを単に再生する以上の活動をしたとき、知識構築は起こり、生徒にとっ

て新しいアイデアや理解を生み出す。知識構築の能力はよく「批判的思考力」と考えられている。

知識構築が求められる活動は、生徒に情報やアイデアに対する解釈、分析、統合、評価を求める。

解釈とは、文字通り捉えることを超えて予想やそこから生じるイメージを描くことを意

味する。例えば、生徒が歴史的な文章を読み、その当時の人々がなぜそのようにふるまっ

たのかを推察することである。

分析とは、全体の中の各部分を確認し、それら互いの関係性を確認することを意味する。

例えば、ある土地の環境上の問題を調査し、どれが渡り鳥に影響を与えていると思われる

かを決定することである。

統合とは、2 つ以上のアイデアの関係を調査することを意味する。例えば、生徒が多様な

情報源から相関関係を比較し対比することが求められることである。

評価とは、質、確実性、もしくはデータやアイデア、物事の重要性を判断することを意味

する。例えば、生徒が歴史的な出来事の記述を読み、どれが一番確実なのかを決定するこ

とである。

もしある活動で、生徒がすでに知っている慣れた方法を練習する、もしくは、彼らが指示されたや

り方に従うだけなら、その活動は知識構築を求めていない。生徒がすでにどのような手法を知って

いるかを吟味し、彼らの年齢に典型的に期待されることを考える必要がある。もしある活動で生徒

自身に遂行する手法の工夫を求めるならば、その活動は知識構築を求めている。

「調査・研究」と一般に言われる活動が知識構築を必要とするわけではないという点に注意するこ

とが重要である。生徒が情報を調べることを求められ、単に彼らが何を見つけたかについて紙に書

くならば、彼らは知識を再生させているが知識構築をしていない。彼らは何も解釈、分析、統合、

評価を求められていないからである。

これは知識構築といえるか

はい いいえ

生徒が、なぜ登場人物が罪を犯したのかの

理由を推察するために話の詳細を吟味し、

それを活用している。

生徒が、罪を犯した登場人物の特徴を紙に書い

ている。

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生徒が、環境保護に関する地域の取り組み

の情報をインターネットで検索し、得た情

報を、他に何ができるかを決めるために分

析をする。

生徒が、環境保護に関する地域の取り組みの情

報をインターネットで検索し、何を見つけたか

を述べるためのプレゼンテーションをする。

生徒が、多様なソースから情報を比較・対比

したことを報告書に書く。

生徒が、本やオンラインで見つけた情報を紙に

書く。

生徒が、異なる気圧変化の説明を比較し、ど

の説明が説得力のあるものかを決定する。

生徒が、気圧変化を測定するために、使い方を

知っている気圧計を使う。

平行線について学んでいない生徒が、「平

行」の定義を考え出すために、いくつか異な

る対になっている線を調べる。

平行線の定義についてすでに学んでいる生徒

が、いくつか異なる対になっている線が平行か

どうかを決めるために定義を使う。

知識構築が成立する主な要件は、生徒が最も多くの時間と労力を費やす活動の部分と、教師が成績

をつけるときに注目する部分を担保することである。彼らがそれぞれの部分でどれだけの時間を費

やさなければならないかについて学習活動を定義できないのであれば、あなたは、自身の専門性を

使い、生徒がどれくらいそれぞれの部分に時間と労力を費やしそうか予測し、判断しなければなら

ない。

活動の主な要件が知識構築であるか

はい いいえ

生徒が話の詳細を一覧表にするのに 10 分

間かけ、なぜ登場人物が罪を犯したのかを

提案するために 35 分間時間を使う。

生徒が話の詳細を一覧表にするのに 35 分間か

けて、授業の最後の 10 分間をなぜ登場人物が

罪を犯したのかを推察するために使う。

生徒の成績は、情報を発見したことを 30%、

見つけたことを分析することを 70%として

評価される

生徒の成績は、情報を発見したことを 70%、見

つけたことを分析することを 30%として評価

される

知識構築の活動では、生徒は、過去に構築した知識を新しい文脈に適用することが必須である。例

えば、物理学の授業で、地球の内核について学んだ中で熱原理について構築した知識を、木星の環

境を調査するために活用するという活動である。また、受け手に合わせた表現について学んだ知識

を生かして、言語学の授業で書いた学術的なエッセイを、同じテーマの公共の新聞記事用に書きか

える、という活動も知識構築である。どちらの活動でも 2 回目の知識構築の活動が、異なる状況で

の活用となるため、過去に学んだことを抽出し、違う観点から振り返ることが必須とされる。それ

であるからこそ、生徒に革新的な原理・法則等をより深く理解させることができる。

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新しい文脈へ知識の適用を求める時には、2 つの文脈が表面上異なるだけでは十分ではない。単に

同じ公式・定理をあてはめるだけでは回答できないように工夫する必要がある。それにより、生徒

たちは、新しい文脈において、過去に学習したことを使うために、解釈、分析、統合、または評価

をしなければならなくなるからである。

知識を新しい文脈に適用しているか

はい いいえ

生徒は彼らの地元の人口統計量を分析し、

そこで得た人口傾向のトレンドの理解を、

今後の住宅団地プロジェクトの計画を立て

るために使う。生徒は住宅プランを開発す

るため、人口統計の分析の知識を使う;この

段階ではさらなる分析も求めている。

生徒は彼らの地元の人口統計量を分析し、その

次に、彼らが選んだ別の地区の人口統計量を分

析する。いかなる新しい活動にも最初の人口統

計の分析をした知識を活用することはない;彼

らは単に、異なるデータの組み合わせで同じ活

動を繰り返すだけである。

生徒は相似の概念を理解するために、様々

なサイズに拡大した具体物の写真を吟味す

る。それから、抽象的な幾何学図形にその知

識をあてはめ、大きさの比や角度を考え、ど

の図形が数学的に相似しているのかを考え

る。彼らは数学的な相似について自身の理

解を深めるために、具体物の形の評価につ

いての自身の知識を活用する。

生徒は相似の概念を理解するために、様々なサ

イズに拡大した具体物の写真を吟味する。それ

から、彼らの理解を記述する。彼らは形の評価

をしているが、自身の知識をいかなる新しい領

域にも活用していない。彼らはその知識を表現

しただけである。

演劇の授業で、生徒はキャラクター作りに

ついて学ぶために、ある劇の登場人物を分

析する。それから彼らは分析したキャラク

ターを使って、Movie Maker を活用した一

幕物(短い映像)を作る。生徒は自分のキャ

ラクターを作るために、登場人物を分析し

た知識を活用する。この段階はさらなる解

釈や分析を求めている。

演劇の授業で、生徒はキャラクター作りについ

て学ぶために、ある劇の登場人物を分析する。

そして、学んだ内容について、エッセイにまと

める。彼らはキャラクター分析で得た自身の知

識をいかなる新しい領域にも活用していない。

彼らはその知識を表現しただけである。

生徒は自分の学校の水道水の水質検査の手

続きを考え実施する。彼らは一度正確なデ

ータを持つと、どの水の濾過システムが学

校に一番ふさわしいのかを決めるためにそ

生徒は自分の学校の水道水の水質検査の手続

きを考え実施する。彼らは正確なデータを持つ

まで水質検査をして、手続きを繰り返し、考え

て設計する。彼らは手続きをより良いものにし

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21CLD Learning Activity Rubrics

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の情報を活用する。彼らは、ふさわしい水の

濾過システムを選ぶため、水質検査の設計

や管理から知識を適用する。このことは彼

らに新しい方法で学ばせ、知識を深めさせ

る。

ようと前の試験から得た自分の知識を活用し

ているけれども、彼らは一つの(繰り返された)

文脈の範囲内で、知識を活用しているだけであ

る。彼らは知識を深めているが、それを新しい

タイプの活用にまで広げていない。

学際的(教科横断的)な学習活動は、複数の異なる学問分野(数学と音楽、国語と歴史のような)

からの内容や重要な考え、方法を含んだ学びの到達目標を持っている。しかし、ただ単に複数の教

科を一緒に教えるだけでは、学際的(教科横断的)な学習活動とはいえない。

このルーブリックでは、ICT は独立した教科で教えられるものとして位置付けられていない。ICT

は他の教科で学ぶための道具としてよく使われる。例えば、歴史の課題のためにオンライン上の研

究をするときに ICT の活用能力は高まるだろう。しかし、他の教科を学ぶために ICT を用いてい

る活動それ自体を、ここでは学際的(教科横断的)と考えない。

活動 これは学際的(教科横断的)か

はい いいえ

生徒は科学の授業で、環境を

取り扱う組織や機構に手紙を

送るため、実験結果について

説得力のある手紙を書く。

教師は生徒の実験データの質

と書く力の両方を評価する。

教師は生徒のデータの質のみ

を評価する。

生徒は科学の授業でグラフに

点を打つ。

数学と科学のそれぞれの学習

到達目標が定められている。

数学の学習到達目標が定めら

れていない。

物理の授業で学級に自分の研

究を発表するため ICT を使

う。

物理の授業で ICT を道具とし

て使うことは学際的(教科横

断的)とは考えない。

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21CLD Learning Activity Rubrics

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知識構築:ルーブリック

1 その学習活動は,生徒に知識構築を求めていない。生徒彼らは情報の再生産,いま

までの慣れた手続きだけでその活動を完成できる。

2 その学習活動は,情報やアイデアを解釈・分析・統合または評価することを通じて

生徒に知識構築を求めている。

しかしその活動の主要な要件は知識構築ではない。

3 その学習活動の主要な要件は知識構築である。

しかしその学習活動は,その知識を新しい文脈に適用することを求めていない。

4 その学習活動の主要な要件は知識構築である。

そしてその学習活動は,その知識を新しい文脈に適応することを求めている。

しかしその学習活動は,1 教科以上での学習到達目標しか示していない。

5 その学習活動の主要な要件は知識構築である。

そしてその学習活動は,その知識を新しい文脈に適用することを求めている。

さらにその知識構築は学際的(教科横断的)の中で求められる。その活動は,複数

の教科に渡る学習到達目標を持つ。

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Page 17

知識構築:決定のステップ

知識構築を

要求していますか

学習の主な目的は

知識構築ですか

生徒は彼らの知識を

新しい文脈に適用する

ことが求められていますか

学習の目的は

学際的(教科横断的)

ですか

1

2

3

4

5

NO

NO

NO

NO

YES

YES

YES

YES

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Real-World Problem-Solving and

Innovation 現実社会の問題解決と革新的な取り組み

学習活動は、本物の、現実社会の問題解決を求めているか?生徒たちの解決は現実

の世界の中で遂行されているか?

概要

今日の職場では、問題解決能力が必要とされる局面がたくさんある。グローバル市場に入っていく

ために新しい方法を見つけたり、新しい素材の競争力を活用するための製品の再設計をしたりする。

つまり、職業的に成功するためには、実在する条件や制約のある問題を解決するために想像的なア

イデアを生み出したり調べたりすることに熟達していなければならない。これらの場合の「問題」

は、学習した内容や手続きを練習するといった学校で扱う教科書での「問題」とはかなり異なって

いる。

このルーブリックでは、生徒の活動が、問題解決と関わっているか、そして現実世界のデータや状

況を取り扱っているかを調べようとしている。このルーブリックにおける、もっとも効果的な学習

活動は;

生徒がその答えや解決方法をまだ知らない課題を解くことを求める

現実世界の問題を解決することを生徒たちに求める。

生徒たちが教室の外の関係者のために、自分たちのアイデアや計画、解決策を実行するこ

とを求め、それによって、革新的な取り組みを引き起こす。

ねらい

問題解決は、生徒が明確に挑む課題があるかどうかと関わっている。生徒が次のようなことをしな

くてはならない時に、問題解決は生じる;

彼らにとって新しい問題に対しての解決策を発展させなければならないとき、または、

彼らがこれまでやり方を教えられていない課題を完了しなければならないとき、または、

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ある一連の条件を満たす複雑な製品を設計しなければならないとき。

問題解決を求める学習活動は、生徒が課題を完了させるために必要な情報を全て与えることはしな

い。また、彼らが解決に辿りつくために従うべき全体の手続きも明示しない

問題解決の課題は、生徒によく、下記に示すいくつか、または全てを行うことを求める;

自分たちの取り組みを進めるために、問題の要因を調査すること。

考えや選択肢を生みだすこと。

自分たち自身の方法を考案することや、状況に対して適切だろうと考えられる幾つかの

可能な手順を探究すること。

首尾一貫した解決策をデザインすること。

解決策を分析し、問題の条件を満たすために改良を繰り返すこと。

このルーブリックは、問題解決が学習活動の主要な条件でなければならないことを考えようとして

いる。

これは問題解決だろうか

はい いいえ

生徒は、語り手ではなく、ある登場人物の視点

から、お話を書きなおさなくてはならない。

生徒はオリジナルの話を用いているが、どのよ

うにしてこの課題を完成させるかは教えられ

ていない。

ある物語を読み、自分たちが読んだ内容につい

ての問題を解く。

生徒は何か解決することを求められてはいな

い。彼らにとって明確にされた挑む課題はそこ

にはない。生徒に明確な意欲はない。

街に増やされるべき横断歩道の場所を提案す

るために、その街の路線バスの地図を使う。

生徒たちは、どこに横断歩道を設置すればよい

か教えられていない。

地図が示すバス停と横断歩道を学ぶことによ

って歩行者の安全について学ぶ。

生徒に明確な挑戦課題はない。

適切な環境はいかなるものか、という課題に対

し、Excel で与えられたいくつかのデータセッ

トのサンプルを調査し、得られた平均値や中央

値、最頻値を使うことによって適切な状態を見

極める。

生徒たちは、どんな方法がどんな形で、一番よ

幾つかのサンプルデータの平均値や中央値、最

頻値を計算するために Excel を使う。

生徒は、ただ単に計算の練習をする。

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Page 20

く使われている計量法なのか教えられていな

い。

現実社会の問題は、学校環境の外にある本物の事態やニーズそのものである。現実社会の問題は、

下記に記す全ての特徴をもっている。

実在の人々の経験である。例えば、もし生徒がコスタリカの熱帯雨林での生態学的不均衡

を調べるよう求められるなら、彼らはそこで実際に生きている人々に直接影響する問題

と立ち向かっていることになる

成績をつける存在である教師以外の具体的な、適切な人々のために解決策を示す。例え

ば、スペースが限られている都会の公園にふさわしい設備を設計することは、その地域の

子どもたちのためになる。

具体的ではっきりした状況を示す。例えば、自分たちの街の市民公園の中の市民農園の計

画を作りあげる、というのは、具体的な状況を示している。しかし自分の国でないところ

で、どの野菜の成長が一番良いかを学ぶことは、具体的な状況ではない。

生徒たちが問題を解決するためにデータを使うときには、実際のデータを使う。(例えば、

科学的な地震の実際の記録、自分たち自身が行った実験の結果、歴史的な出来事の直接の

経験者の報告など)。授業のために教師や出版社によって開発されたデータではない。

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これらは現実社会の問題解決といえるか?

はい いいえ

シェイクスピアの脚本を10代の観客向けに書

き直す。

10 代の若者というのは本物で、具体的な観客

である。

シェイクスピアの脚本を新しい韻文構成に書

き直す。

具体的な観客はいない。

自分たちの街に追加されるべき横断歩道の場

所を提案するために、街のバスの路線図を使

う。

これは具体的で、はっきりした状況である。生

徒はこのことに取り組むために実際のデータ

を使う。

架空の街の中での増やされるべき横断歩道の

場所を提案するために、教科書のバスの路線図

を使う。

実際のデータと関係していない。

自分たちの教室の中で育てている植物は、空気

の質を改善することができるかどうか調査す

る。

場所は教室であるが、空気の質は現実的な問題

である。

空気中における植物と二酸化炭素との相互作

用を調査する。

生徒の調査として、はっきりとした状況でな

い。

生徒は、バスケットボールチームに関するデー

タを分析するために、チーム全体や個々の選手

のパフォーマンスのパターンを Excel を活用

してグラフで示す。

チームに関する実際のデータを使っており、一

般的にコーチ陣によって行われるパフォーマ

ンス分析をしている。

Excel で幾つかのデータのサンプルを調べる

ことによって得られた平均値や中央値、最頻値

を使うことによって、適切な状況を見極める。

生徒は、教師が作ったデータセットを使ってい

る。

革新的な取組は、現実世界の実践の中に生徒のアイデアや解決策を置くことを求める。例えば、も

し彼らがコミュニティーガーデンを設計して、自分たちの学校のグラウンドに造るならば、それは

革新的な取り組みである。ただガーデンを設計するだけでは革新的な取り組みではない。

生徒たちが自分たちの考えを実行する権限をもっていない場所での取組の場合は、自分たちの考え

を、それらを実行することのできる教室の外の人々に伝える場合のみ、革新的な取り組みと言える。

例えば、彼らが街の市民公園内にコミュニティーガーデンを造るという自分たちの考えを、地元の

環境団体や地元当局に提供することは、革新的な取り組みである。しかし、もし生徒たちが、街の

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市民公園内のコミュニティーガーデンを設計し、彼らの計画を教師やクラスメートと共有するだけ

に終わるのならば、それは革新的な取り組みではない。

革新的な取り組みはまた、生徒以外の人にも有益となる。それは、教室での取組の要件を越えた価

値を有するものとなる。例えば、市民公園内の新しい庭園の手入れをする市民や、書き直されたシ

ェイクスピアの演劇を鑑賞した 10 代の若者が生徒の取組から得るものがあるなどである。

もし生徒たちが科学展示会のプロジェクトを考案したり、地域の詩のコンテストに自分で考えた詩

を出展したりするならば、それもまた革新的な取り組みになる。なぜなら、展示会やコンテストは

教師の管理を越えるものであり、彼らの活動に興味をもっていたり、良い影響を得たりするかもし

れない実在の観客がそこにいるからである。

これは革新的な取り組みだろうか

はい いいえ

シェイクスピアの脚本を10代の観客向けに書

き直し、地元のユースセンターで上演する。

ユースセンターの 10代の観客は生徒の取組か

ら恩恵を受ける。

シェイクスピアの脚本を10代の観客向けに書

き直すが、上演しない。

教室の外の人間で、生徒たちの努力から恩恵を

受ける人は誰もいない。

街に横断歩道を増やすという自分たちの考え

について、町議会に手紙を書き、手紙を議会の

議員に送る。

自分たち自身で新しい横断歩道を作ることは

できないが、町議会が彼らの考えを実行するこ

とはできる。

歩行者の安全の改善ついて町議会に提出する

手紙を書くが、成績をつける教師にだけ提出す

る。

手紙は成績をつける人物である教師を越えて、

他の人に届かない。

複数のウェブサイトやオンラインゲームを調

べ、保護者や生徒が知っておくべきインターネ

ットセーフティーのガイドラインについてま

とめ、その発表を発展させ、保護者会で自分た

ちの成果を発表する。

保護者会での発表を観覧した親や生徒は、まさ

にこの日のために彼らが発展させてきたガイ

ドラインの真の観客である。

複数のウェブサイトやオンラインゲームを調

べ、親や学生が知っているべきインターネット

セーフティーのガイドラインについてまとめ

る。彼らの成果は、成績のために提出される。

生徒たちはインターネットの安全について学

ぶが、自分たちの解決策を、この情報が必要な

他者に伝えていない。

チーム全体と個々のパフォーマンスの両方に バスケットボールチームに関するデータを分

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おける改善目標をコーチに説明するために、バ

スケットボールチームの過去のパフォーマン

スの統計値を分析し、Excel を使って正確なモ

デルを作る。

コーチは、選手たちにとってさらなる進歩が必

要だと考えられる技術に焦点を当てたトレー

ニングを行うために、生徒の分析を用いること

ができる。

析し、チーム全体と個々の選手のパフォーマン

スのパターンをグラフで示すために Excel を

使う。

生徒たちのグラフは、学校の課題としてクラス

に提出される。

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現実社会での問題解決と革新的な取り組み:

ルーブリック

1 学習活動の主な目的は問題解決でない。

生徒たちは活動のほとんどで事前に学んだ答えや手順を用いている。

2 学習活動の主な目的は問題解決である。

しかし、その問題は現実社会の問題ではない。

3 学習活動の主な目的は問題解決である。

そして、その問題は現実社会の問題である。

しかし、生徒たちは革新的な取り組みはしていない。彼らは、現実社会で自分たち

のアイデアを実行することや、自分たちのアイデアを実行可能な学校外の環境の人

と関わりをもつことを求められていない。

4 学習活動の主な条件は問題解決である。

そして、その問題は現実社会の問題である。

また、生徒たちは革新的な取り組みをしている。彼らは、現実社会で自分たちのア

イデアを実行することや、自分たちのアイデアを実行可能な学校外の環境の人と関

わりをもつことを求められている。

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現実世界での問題解決と革新的な取り組み:

決定のステップ

学習の主な目的は

問題解決ですか

生徒は

現実世界の問題に

とりくんでいますか

革新的な取り組みが

求められていますか

1

2

3

4

NO

NO

NO

YES

YES

YES

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The use of ICT for learning 学習のための ICTの活用

生徒たちは受動的な ICT の活用者か?能動的な活用者になっているか?

実在の相手に向けて ICT による成果物を出すこととなっているか?

概要

私たちはかつてない膨大な量のデジタル情報に接続された世界に住んでいる。科学技術の活用は私

たちの暮らしや仕事を変化させ続けている。進行中の新しいことをとりいれることは生涯にわたる

学びと仕事の両方にさらに必須になるだろう。今日のグローバル化、知識基盤型社会において、個

人には、情報や考えを聡明に消費するだけではなく、ICT を使って新しい情報やアイデアをデザイ

ンしたり、創ったりするスキルがますます求められてくる。

ICT が教室や学習環境で一般的になってきている。しかし ICT は、本質的な学習体験の変革とい

うよりは、しばしば、情報を表示したり、消費するために活用されてきた。その中で、この ITL の

ルーブリックはどのように生徒が ICT を活用しているか、またその使われ方がより知識構築や、

知識基盤社会での成果物を構築することにより役立つ形であるかを吟味する。

このルーブリックでは、ICT とは、ハードウェア(コンピューターと関連するタブレットやノート

ブック、電子書籍リーダー、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、一体型ビデオカ

メラ、グラフ計算機、電子ホワイトボード等)とソフトウェア(インターネットブラウザ、マルチメ

ディア開発ツールから、工学用のアプリケーション、ソーシャルメディア、協働的な編集プラット

フォームを含む全てのもの)の両方を指す。

ICT は、21 世紀型スキルの他のスキルを含む幅広いスキル育成を促進し、支えるための強力なツ

ールである。たとえば、ICT は今まで不可能だった共同作業を可能にし、新しい次元の表現の手段

になりうる。このルーブリックでは、その中でも特に、knowledge construction (知識構築)と real-

world problem solving and innovation (現実社会での問題解決と革新的な取り組み) の二つの

スキルに焦点をあて、評価指標を提示する。これら二つのだけが ICT が革新的な教授法と学習法

をサポートするものではないが、代表的な強力な活用方法であることは間違いない。

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ねらい

生徒の ICT の活用とは、彼らが、全てもしくは部分的に学習活動を完了するために ICT を活用す

ることである。教師が、生徒に教材を提供するための ICT の活用は、生徒の活用としては数えな

い。生徒が彼ら自身で ICT を自在に操ることに目を向けている。教師による ICT を活用の中には、

確かに授業の意味を高めるものもある。たとえば、難しい内容の模擬実験を視覚的に示すことで、

よりわかりやすくすることができる。しかし、このルーブリックは生徒が自身の学習活動のために

ICT を活用する学習活動にのみ焦点を当てている。

このルーブリックは生徒が ICT を活用しなければならない機会に着目している。生徒が、ある活

動を完遂するために ICT を使うことを要求されている場合か、ICT を使うことを許されている場

合である。

これは生徒による活用ですか?

はい いいえ

生徒は Excel のスプレッドシートを使って数

学の学習活動を行っている。

生徒は、教師がコンピューターを使って印刷し

たワークシートを使って数学の学習活動を行

っている。

生徒はソフトウェアシミュレーションを用い

て細胞複製についての過程を探究している。

生徒は教師の示すソフトウェアシミュレーシ

ョンを見て、細胞複製の過程について学習して

いる。

生徒は自身の編集過程をたどりながら文書を

作成するために OneNote(デジタルノート)

を使う。

教師は生徒の文書を良くするための提案を示

すために OneNote を使う。

知識構築は説明、分析、統合、評価を通じて、生徒にとって新しい理解や概念を生み出したときに

起こる。このルーブリックはその学習活動が、直接的に、または間接的に、生徒の知識構築を支援

するために ICT を活用することを求めたものかについて吟味している。

ICT が知識構築を支援する時とは;

生徒は学習活動についての知識構築の部分で直接 ICT を使う。たとえば、生徒は科学情

報を分析するためにコンピューターを使う。

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生徒は知識構築のために間接的に ICT を使う。たとえば活動の一つの段階を達成するた

めに活用し、そこで得た知識を知識構築のある段階で使う。たとえば、生徒が、今起きて

いる出来事についてツイッターで人々の反応を検索し、その後、コンピューターを使わず

にその調べた反応を分析する。ツイッター上で見つけた情報は彼らの分析を助ける。その

ような場合、ICT は知識の構築を支援していると考える。

ICT による支援で構築された知識が学習到達目標(学習のゴール)でなければならない。したがっ

て ICT をただ使うための学習はこれにあたらない。たとえば、生徒が歴史の授業でプレゼンテー

ションを作成するためにパワーポイントについて学習する場合、ただパワーポイントの使い方の知

識を深めるだけでは、知識構築をサポートする ICT の活用ではない。生徒が歴史の学習における

説明、分析、統合、評価を深めるうえで、パワーポイントの活用は必須であるなら、知識構築をサ

ポートする ICT の活用といえる。

また学習到達目標と関連するインターネット上の情報の評価もまた、知識構築であるとみなされる。

生徒を助けるために設定された学習活動の中には、情報の受け手、消費者というよりはむしろ情報

の倫理的、かつ知的な活用者であることをサポートするものもある。たとえば、生徒がテーマに沿

った複数の情報を集め、信頼性を評価しながら、信頼できるものを選びだすといった活動である。

この生徒による ICT 活用は知識構築をサポートしているか

はい いいえ

生徒は実験の結果を分析するために Excel の

スプレッドを使う。

生徒は数を足し算するために Excel のスプレ

ッドシートを使う。

生徒は星たちがどのような形をしているか調

べるためにコンピューター上のシミュレーシ

ョンを使う。

生徒は星たちがどのように形をしているかの

ビデオを見る。

生徒は文学の授業で読んでいる小説について

相互に連絡を取って構想を練ったり、登場人物

を一覧図にまとめたりするために Sticky

Sorter(整理ソフト)を使う。

生徒は文学の授業で読んでいる小説について

登場人物のリストをつくるために Sticky

Sorter(整理ソフト)を使う。

生徒は運転中にメールを打つことの危険性を

まとめるために Kinect(Xbox)の運転ゲーム

を使う。

生徒は運転ゲームで遊ぶために Kinect(Xbox)

を使う。

生徒は考えを組織し、統合する手助けとして 生徒はコンピューターで、手書きのエッセイを

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21CLD Learning Activity Rubrics

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OneNote(デジタルノート)を使ってコンピュ

ーター上でエッセイを書く。

タイプするために OneNote(デジタルノート)

を使う。

生徒は自分で選んだ芸術家のスタイルと影響

を振り返って、合成画像を作るために

AutoCollage(画像合成ソフト)を使う。

生徒は自分で選んだ芸術家の作品の合成画像

を作るために AutoCollage(画像合成ソフト)

を使う。

三角形を学んでいない生徒が Microsoft

Mathematics graphing calculator tool を使

って、角度を入力し、三角形の内角の和を仮定

するという実験をする。

三角形についてすでに学習している生徒が、

Microsoft Mathematics graphing calculator

tool を使って、合計が 180 度になるように角

度を入力して三角形をつくる。

ICT の活用なしでは不可能であったり非現実的であったりする知識構築活動の時に ICT を活用し

ていることが必要である。たとえば、生徒が、最近の干ばつについて調べるとき、海外の干ばつが

起こっている地域の生徒と 2 週間にわたってその影響を尋ねるという場合である。この場合、e メ

ールが ICT なしでは組み立てられない知識構築に有効なものとして働いている。なぜなら、手紙

でのやり取りは短い時間で行うには非現実的であるからである。このような e メールの活用は、知

識構築に必要である。

知識構築のための様々な活動は、ICT なしでも成立する。たとえば、生徒が、食べ物の違いによる

鳥類のくちばしの形態の違いについて調べ、カテゴリー化をするよう指示された場合である。イン

ターネットの活用は知識構築に資する。しかし、ICT は必須でない。生徒は ICT を活用せずに図書

館の本を活用しても同じ学習到達目標を成し遂げることができる。

この知識構築に ICT は必要か?

はい いいえ

生徒が、インターネットを使い、直近のできご

とについて、異なる 3 カ国の新聞記事を見つ

け、見方が同じか違うかを分析する。この学校

で、海外の最近の紙の新聞が入手できない場合

である。

生徒が、インターネットを使い、直近のできご

とについて、地元の新聞を読み、見つけた3つ

の記事の内容を分析し、見方が同じか違うかを

分析する。地元の新聞は紙でも簡単に入手する

ことができる。

生徒が星々の形を調べるためにコンピュータ

ー上のシミュレーションを使う。このシミュレ

ーションは直接観察することができない出来

事について生徒の知識を深める手助けをする。

生徒は合計を計算して、データを分析するため

に Excel のスプレッドシートを使う。この計

算は手計算でも可能である。

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他の人が使える ICT(デジタル)作品を創った時、生徒は創案・設計者となる。たとえば、もし彼

らがポットキャスト(動画)を記録し、インターネット上で他の人も入手できるようにするならば、

他人が使える ICT 作品を作ったことになる。教室の外の人々によって使われたり楽しまれたりす

ることができると、学習活動を超えた価値がうまれる。

生徒が創案・設計者として活動する時、ICT は現実社会の問題解決と革新の手助けをしている。彼

らは心に、確実な対象を持つ、たとえば、創ろうとしているポットキャストの情報を必要とするコ

ミュニティーの人々や、創ろうとしているシュミレーションソフトを使って疾患予防について学ぼ

うとする下の学年の子どもたちである。理想的にはこの完成物がそれらの人々によって活用される

ことだが、それは必須ではない。意図を持って創造することが大切である。確実な対象を持たずに

作品を作っている生徒は、この定義のもとでは設計者として適当でない。

生徒は ICT(デジタル)作品の創案・設計者か?

はい いいえ

プログラミングの授業で高齢者の毎日の生活

を助けるスマートフォンのアプリケーション

をデザインするために Touch Develop を使

う。生徒はコンピュータプログラミングで知識

を構築するだけではなく、高齢者のニーズを熟

慮し、役に立つであろうものを設計しなければ

ならない。

プログラミングの授業で、利用者が写真をとる

と、それを振動で知らせる機能のあるスマート

フォンのアプリケーションをデザインするた

めに Touch Develop を使う。この生徒はコ

ンピュータプログラムで知識を構築している

が、活用者のニーズについては考えていない。

生徒は科学歴史博物館での子供向け恐竜の展

示コーナーで、来場者に教育をする音楽を作る

ために Songsmith(作曲ソフト)を使う。彼

らは対象にふさわしい内容の音楽を作るため

に、子どもたちの理解度や興味を熟慮しなけれ

ばならない。

生徒は Songsmith を使って、恐竜についての

音楽を、インターネットで一般に公開するため

に使う。彼らは具体的な利用者を考える必要が

ない。

生徒は地元のテレビ局で「私たちのコミュニテ

ィー」について放送するための自身の身近な仲

間とのインタビュービデオをつくる。彼らはテ

レビの視聴者について考えることと、テレビ番

組の時間などの制約条件を忠実に守らなけれ

生徒は年度末の課題として提出するために自

身の身近な仲間とのインタビュービデオをつ

くる。彼らは特定の視聴者を考える必要がな

い。

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ばならない。

生徒は地元の食料生産者とコミュニケーショ

ンをとるためにインターネットを使い、その

後、地域の家庭が食料を買うときにより地産地

消できるようなアプリを創造する。彼らは地域

の家庭に対し、使いやすく便利なアプリケーシ

ョンを設計しなければならない。

生徒は教師に提出するために、インターネット

を使って地域の生産者を調べ、発見したことの

レポートを書く。彼らは ICT 作品を創らず、ま

た、特定の観衆について考える必要がない。

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学習のための ICT の活用:ルーブリック

1 生徒は学習活動のための ICT の活用の機会をもっていない。

2 生徒は基礎的なスキルの練習か、情報を複製するために ICT を使う。

彼らは知識を構築していない。

3 生徒は知識構築のサポートのために ICT を活用する。

しかし、生徒は ICT の活用なしに同じ知識を構築できる。

4 生徒は知識構築のサポートのために ICT を活用する。

また、ICT はこの知識構築のために必要とされる。

しかし、生徒は特定の対象のためのデジタル(ICT)作品を創っていない。

5 生徒は知識構築をサポートするために ICT を活用する。

また、ICT はこの知識構築のために必要とされる。

また、生徒はある特定の対象のためにデジタル作品を創造する。

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Page 33

学習のための ICT の活用:決定のステップ

生徒は ICT を

活用する機会が

ありますか?

ICT は生徒の

知識構築のサポートを

していますか?

ICT は知識の構築のために

必要とされていますか?

生徒は

デジタル作品の

創造者ですか?

1

2

3

4

5

NO

NO

NO

NO

YES

YES

YES

YES

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Self-regulation 自律的な学習

学習活動は、長期的に行われているか?生徒は自身の活動を計画したり、フィード

バック情報に基づいてその活動を修正する等の振り返りを行っているか?

概要

今日の複雑な世界は、自分の生活、仕事、そして向上し続けることに責任を持つことができる人、

そして自律的に考え、学び続ける人を求めている。それは、個人に、自分自身の仕事/業績を向上

させ続けていくために、自分自身の仕事を振り返り、フィードバック情報を受けとめ、向上につな

げることを求めている。

伝統的な教育では、教師が、生徒たちが何をなすべきか方向付け、それについて来ることができて

いるかをモニターしながら、教育活動を組み立てている。しかし一方で、教師は、生徒が個人でま

たグループで、自分自身の活動に、より責任が持てるように支援するという方法で、彼らが効果的

に学び自分の成長をモニターできるようにすることもできる。言い換えると、こういった支援は、

人々が、自分で課題の計画をし、自分の仕事の成果をデザインし、成果の質の改善に向けてフィー

ドバック情報を組み込んでいきながら、最小限の監督下で業務をこなしていくといったような、21

世紀の職場で機能する生徒の能力を支援することにつながっている。

生徒に自律的に学ぶスキルを獲得させる機会を与える場合は、彼らが十分に自分のタスクの計画を

し、進捗をモニターし、振り返りを生かして改善できるような明確な学習到達目標と評価規準、十

分な活動期間を与えなければならない。教師は、グループ活動において、何をどのようなスケジュ

ールで行うか意思決定するための責任を生徒に与えることで、自律的な学習スキルを育てていくこ

とができる。もっともうまく学習活動が行われている場合は、生徒たちは、明確な到達目標に向け

て成長することを支援するフィードバック情報を受けとめ、最終的な成果を出す前に、自分たちの

成果を改善していく機会を持っている。

自律的な学習は、生徒が時を経るにしたがって成長し、洗練化していくスキルと関わっている。学

期の始まりに、自律的な学習に初めて遭遇する生徒には、より明確なガイダンスが求められるかも

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しれない。しかし、次第に、生徒が自身の学習により積極的に責任を持つよう導くことが教師の到

達目標になる。

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ねらい

もし生徒が実質的にある程度の時間をかけてその課題をこなしていくと考えるなら、その学習活動

はある程度、長期間にわたっているといえる。学習活動が 1 時限の授業で終わるようであるなら

ば、そこには生徒が自分の活動過程を計画する時間はない。また多様な構想にそってその活動を改

善していく時間は用意されていない。時間の長さは、自律的な学習の機会を生徒に保障する基礎的

な必須条件となる。

この学習活動はある程度の長期間にわたっているといえるか

はい いいえ

生徒たちは、1 週間にわたり、自身のとった

栄養素についての日記(記録)をつける

生徒は、連続しない任意の 2 日間、彼らが食べ

たものを記録する。

学習到達目標は、活動の中で何が学ばれるべきか、そしてどのようにこの到達目標が既習事項やこ

れからの学びと適合しているか、をはっきりさせることである。

評価規準は、その学習到達目標が、その学習活動に見合うものと出会ってきたかどうかを判断する

要因が相当する:生徒の成長の証拠となり、また学習活動が成功したものとみなされるようにであ

る。

生徒が学習到達目標や、関連する評価規準を事前に与えられるとき、彼らは自分で活動を行いなが

らその進捗や質を吟味できる。教師が、学習到達目標や関連する成功規準を生徒に与えるかもしれ

ないし、授業では、より生徒の自主性を促進していくために学習到達目標や評価規準を一緒に話し

合うかもしれない。学習活動の早い段階でこのような要因を理解しておくことは、生徒の自律的な

学習を保証する上で、重要な次の必須条件となる。

生徒が自らの課題について計画を立てるとき、彼らは、課題を遂行していく際のスケジュールや工

程について意思決定することとなる。生徒たちの活動の計画は、次のことと関連する:

方法を決定する:生徒は、複合的な課題を簡単な補助課題に噛み砕いたり、そこで用いる

道具を選定する

いつするかを決定する:生徒は活動のスケジュールを決め、それぞれの工程での仮の締め

切り時間を設定する

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誰がするかを決定する:グループで、どのように活動の分割をするか、だれが担当するの

かをきめる

どこでするかを決定する:生徒は、活動のどの部分を、学校の中で、または外で、また平

日に行うかどうかを決定する。

もし課題をするために長い期間を与えられているが、生徒たちが詳細に教師から時間や流れについ

て指示を受けている場合、それは、自分たちで計画する時間を持っているとは言えなくなる。課題

の小さな部分についてのみ生徒が意思決定している場合も、活動の計画として質を担保していると

は言えない。

生徒たちは自分たちでこの活動を計画しているか

学習活動 はい いいえ

2 週間にわたり、生徒はグル

ープで、クラスメートと共に

気候変動について調べ、討議

している。

生徒たちは課題のどの点につい

ては誰が調べ、討議では誰がど

のような立場から話すか決めて

いる

教師が各生徒の役割を決めて

いる

生徒たちは、調査に費やす時間、

スピーチの原稿を書く時間、ス

ピーチの練習をする時間それぞ

れの締め切りを自分たちで定め

ている

生徒は教師によって示された

ステップや時間の流れに沿っ

て活動している

最終的な成果を出す前に、生徒たちにフィードバック情報が与えられ、自分たちの成果を改善する

ためそれが明確に用いられるとき、彼らは、フィードバック情報に基づく活動の修正の機会を持っ

ていると言える。

フィードバック情報は、教師に加え、仲間から来る場合もある。また、生徒たちは、慎重に自分た

ち自身で自律的に学習の過程を振り返り、修正を行う機会を持つかもしれない。

フィードバック情報は、学習を改善していく上で最も意味ある影響をもたらすものの一つであると

いえる。効果的なフィードバック情報は、現在の到達点と、最終的な到達目標をとの間の差を教え

てくれるものである。それは簡単な褒め言葉以上のものである。「いいね」「よくやった」といった

コメントは、何が優れたことか生徒に知らせるには不十分である。効果的なフィードバック情報と

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は以下のようなものである;

生徒に、何をうまくやっているか特定して伝え、さらに学習を前に進めることを支援する

特化した手がかりを与える。

直接、学習到達目標や評価規準に引き付けたコメントをする

学習の道筋に沿って生徒が成長しているのをより気付かせることを助ける

振り返りを促し、次のステップへの計画を導く

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生徒たちはフィードバック情報に基づいて

活動を修正する機会を持っているか

学習活動 はい いいえ

生徒たちは環境保護につい

て学ぶ。そしてプレーヤーが

環境保全に関わって意思決

定するゲームを、Kodu を使

って創りだしている

ゲームのβバージョンを開発し

た後で、最終版に至る前に、生

徒たちは、パートナーとお互い

のゲームの交換を行い、順番が

変わる前に、互いにゲームを改

善するためのフィードバック情

報を与えている

生徒たちは、フィードバック情

報を受けとったり、改善する機

会を持つことなく、クラスです

るゲームを最初のバージョン

のままで提出している

生徒たちは世界史のあるト

ピックについて PowerPoint

でプレゼンテーションを作

成している

生徒たちは、練習でプレゼンテ

ーションを行い、教師や友達か

らフィードバック情報を受けと

り、最終的なプレゼンテーショ

ンを行う前にフィードバック情

報に基づく修正を行っている

生徒たちは練習、フィードバッ

ク情報を得る機会、修正の機会

を持つことなく、最終的なプレ

ゼンテーションの提出を行っ

ている

生徒たちは、教師が学習活動

の初めに、皆と共有したルー

ブリックに基づき、説得力の

ある小論文を書いている

生徒たちは、自分の小論文を振

り返り、修正を行うためにルー

ブリックを用いている

生徒たちは、彼らが評価された

小論文を返却された後になっ

て、教師がなぜそのような得点

を与えているのかを確認する

ためにのみ、ルーブリックを用

いている

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自律的な学習:ルーブリック

1 自律的な学習を行う前提が組み込まれていない。

学習活動は短期間で終わっている。

または生徒は、活動の事前に、学習到達目標も、関連する評価規準も与えられてな

い。

2 学習活動はある程度、長期間にわたり行われている。

生徒は、その活動を完成させ進めていくための学習到達目標や関連する評価規準を

事前に与えられている。

しかし生徒は自分の活動を計画する機会を持っていない。

3 学習活動はある程度の長期間にわたり行われている。

生徒は、その活動を完成させ進めていくための学習到達目標や関連する評価規準を

事前に与えられている。

そして生徒は自分たちの活動を計画する機会を持っている。

しかし、生徒は教師や他者からのフィードバック情報に基づいて、その活動を修正

する機会を持っていない。

4 学習活動はある程度、長期間にわたり行われている。

生徒は、その活動を完成させ進めていくための学習到達目標や関連する評価規準を

事前に与えられている。

そして生徒は自分たちの活動を計画する機会を持っている。

さらに生徒は教師や他者からのフィードバック情報に基づいて、その活動を修正す

る機会を持っている。

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自律的な学習:決定のステップ

学習活動はある程度、長期間

にわたり行われていて、生徒

たちは、学習到達目標や関連

する評価規準を事前に与えら

れていますか

生徒たちが

自分たちの活動を計画していますか

生徒たちは、

フィードバック

に基づき、成果物を見直しす

る機会がありますか

1

2

3

4

NO

NO

NO

YES

YES

YES

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Skilled Communication 熟達したコミュニケーション

生徒たちは探究課題についての自分の考えをコミュニケーションする(他者と話

し合う)ことが求められているか?そのコミュニケーションは、論理の根拠を示す

こと、また誰か特定の対象を意識して行うようにデザインされているか?

概要

コミュニケーションは、すべての人々の相互作用の中で中心をなすものである。21 世紀に、発展

しつつあるテクノロジーは、話す、書く、見る、または複合的(会話とテキスト、動画等を組み合

わせた複合的)なやり取り、印刷物やデジタル様式、などによる、これまでにない規模/広がりと

ほぼ壁のないコミュニケーションの機会を作りだしてきた。現在のコミュニケーションにおける、

その能動的な過程は、最終的な生産物と同じくらい重要なものとしてみなされてきている。一方で、

非公式のデジタル社会での投稿や SNS といったコミュニケーションにおいても、コミュニケーシ

ョンの成果物は、より広く共有され、より長く結果として残ってしまう状況となっている。つまり

効果的なコミュニケーションの必要性が言葉に関する授業やジャーナリズム関係の人に制限され

なくなっている事態を招いている。そのため生徒たちにとって、明確に、説得力のあるコミュニケ

ーションをできるようになることは、教科学習のすべてにおいて、また将来、事務局員から法律家

に至るまでどんな職業につこうとも、たいへん重要なことである。

このルーブリックは、生徒たちが発展的な、また多様な形式(multi-model)のコミュニケーショ

ンを生み出すことを求められているかどうか、またそのコミュニケーションが、論文などで中心と

なる主張を証拠や事例をもって論理的に組み立てているか、説得力を持った実質的なものとなって

いるか、を見ようとしている。ルーブリックのより高度なレベルでは、生徒たちが、特定の対象に

コミュニケーションをすることを求めている。

21 世紀のコミュニケーションは、様々な形式を用いることが可能である。例えば、学習活動の一

部として、生徒たちは Skype で友達とディスカッションをするかもしれない。このルーブリック

の中では、対面かデジタルかを問わない。しかし、教室での非公式の会話には目を向けていない。

そのかわり、プレゼンテーション、Podcast、書かれた文章、電子メール等、自分の考えを明確に

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残せる成果物を生み出す活動に着目している。そして行動そのもの(寸劇や口頭での討議)につい

ても、このルーブリックの中で取り上げ評価をしている。我々は、非公式の会話やメディア活用が

コミュニケーションで重要な役割を持つと理解している。しかし、Skype の効果的な活用は、活動

全体の学習到達目標と関わってこそ、成果を生むと考える。生徒たちは Skype での会話を通じて

学んだことの概要を創出したり、その会話を最終的な成果につなげたか、のようにである。このル

ーブリックでは、生徒の活動の最終成果や結果に関わる、熟達したコミュニケーションを評価して

いる。

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ねらい

発展的なコミュニケーションとは、生徒が、一つの簡単な考えではなく、一連の関連する考えを表

現するコミュニケーションを求められていることを指している。書く活動でいえば、発展的なコミ

ュニケーションは、1 文 1 句ではなく、複数の段落を組み合わせ、完成された文のまとまりを意味

する。電子また視覚メディアでいえば、発展的なコミュニケーションは、いくつかのアイデアをつ

ないだり説明したりする一連のビデオ、Podcast、複数の概念を構造的に図解した PowerPoint の

ページの形式をとるかもしれない。

一文のメッセージや tweet は発展的なコミュニケーションでない。生徒たちが電子コミュニケー

ションに参加しているとき、もしそれが生徒たちに彼らが討議していた考え(例えば、彼らが学ん

だことの文章を作り、生じた探究課題を解決する次のステップ)をつなぐことを求め成果を生み出

しているなら、発展的なコミュニケーションと考えられる。なお電子的なおしゃべり(チャット)

の長さは、発展的なコミュニケーションを評価するときには考慮されていない。

この学習活動は発展的なコミュニケーションを求めているか

はい いいえ

生徒たちは、彼らの姉妹都市の友達に、自分

たちの市について、各々の話題を取り上げる

web セミナーを開催(主催)している。そし

て、セミナー後の質問に対する回答をしてい

る。

生徒たちは、姉妹都市の友達によるプレゼンテ

ーションを聴くために web セミナーに参加し

ている。そして、そのあとに質問をしている。

生徒たちは、幾何学の問題に対する解答を述

べるために、発展的な(色々な)証明を示し

ている。

生徒たちは幾何学の問題を解いているが、何ら

証明はしていない。

生徒たちは、自分たちで最近のニュース記事

を選択し、その応答として編集者に手紙を書

いている。

生徒たちは最近のニュース記事を選択し、その

応答として 1 文のコメントを投稿している。

生徒たちは、一緒に演じるパフォーマンスに

ついての計画をつくるために、他の学校の友

達と Skype で会話をし、題材となる小説につ

いて伝え方のうちあわせをしている。

生徒たちは、彼らが読んだ小説について、他の

学校の友達と Skype で会話をしている。

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コミュニケーションが多様な形式(multi-model)であるというためには、一貫したメッセージ

をコミュニケーションするために用いる道具やスタイルが一つ以上であることが必要である。例え

ば、生徒たちはビデオとテキストを統合しプレゼンテーションを作るかもしれないし、写真をブロ

グの中に埋め込むかもしれない。そのコミュニケーションは、そのいくつかの要素が単独のものよ

りもより強いメッセージを生み出すためにうまく用いられているとき、多様な形式とみなされる。

学習活動が生徒に、コミュニケーションに用いる道具の選択の機会を提供しているなら、それは多

様な形式のコミュニケーションの機会があるとみなされる。

このコミュニケーションは多様な形式であるか

はい いいえ

生徒たちは、自分たちの新しい発見を伝える

ために、印刷、ラジオ、テレビなどの広告を

作成する。学習活動上、どのタイプのメディ

アを用いるか生徒にその選択をさせている。

生徒たちは、自分たちの新しい発見を伝えるラ

ジオ広告を作っている。学習活動は、生徒に、

メディアの選択と関わる選択を申し出ていな

く、多様な形式の使用をほのめかしてもいな

い。

生徒たちは、物質の濃度の実験についてレポ

ートを書いている。そこには記述文、彼らが

実験で見たものの視覚的な証拠が含まれてい

る(絵だったり、実時間のデータに関わるス

クリーショットだったりする)。学習活動は、

より完成された実験の説明を作成するために

多様なメディアの様式を求めている。

生徒たちは、文章だけで物質の濃度の実験につ

いてレポートを書いている。学習活動は、一つ

の、メディアの様式だけを必要としている。

生徒たちはジャーナリズムのクラスで、ハリ

ケーンについてブログを作成している。そこ

には、その状況の説明や音声や映像が付加さ

れている。学習活動は、生徒の説明をより深

くするために多様な形式を求めている。

生徒たちはジャーナリズムのクラスで、ハリケ

ーンについてブログを作成している。そこには

説明文と最終的な Podcast の原稿が含まれて

いる。その話は、書いてあるか(説明文)、読ん

でいるか(Podcast)の違いはあるものの、内容

は同じ話であり、多様な形式のメディアがコミ

ュニケーションの内容を高めるために用いら

れてはいない。

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生徒たちが、事実や事例で主張を補助したり、論拠を示す必要がある時、真のコミュニケーション

が成立する。

このルーブリックにとって、「主張」は自身の主張、仮説、あるいは結論を意味している。生徒た

ちは、ある見方を説明するための予想を述べるために、一連の事実や論理から結論を書くことを求

められる。そしてその主張を考えていく必要がある。生徒がその理由を説明し、事実や事例を指示

するためにコミュニケーションするとき、そこには証拠が必要になる。証拠は、生徒の自論の立場

を十分に支持するものである必要がある。

この学習活動は論拠を必要としているか

はい いいえ

生徒たちは、なぜ世界の温暖化が問題か小論

文を書かなくてはならない。この学習活動は、

生徒たちに世界温暖化についての自論と、温

暖化を防ぐことへの説明について求めてい

る。

生徒たちは、世界温暖化について小論文を書か

なくてはならない。生徒は一連の事実を使って

この活動を完成させることができる。しかし自

身の主張、仮説、結論などを述べることは求め

られていない。

生徒たちは、ある数学の公式がなぜ成立する

(導き出される)のか説明しなければならな

い。この学習活動は生徒に彼らがその公式に

ついての一つの結論を導いた論理を説明する

ことが求められている。

生徒たちは、ある数学の公式を導き出してい

る。彼らは、その論理の説明なしに、機械的に

計算している。

生徒たちは、不思議の国のアリスの主テーマ

について、話の中から事例を使って、なぜそ

れが主なテーマと考えたのか説明しつつ、ブ

ログに書かなくてはならない。生徒たちは、

彼らが提示するテーマをサポートするお話

の、ある事例を使って説明することを求めら

れている。

生徒たちは、不思議の国のアリスの主なテーマ

をリストアップしてブログに書かなくてはな

らない。生徒たちは、お話から証拠を見つけだ

し、そのテーマを正当化することは求められて

いない。

生徒たちは、奴隷という立場からエッセイを

書かなければならない。彼らは、論文の導入

に、歴史的な正確さをもって、奴隷として想

像される生活、日々の暮らしについて説明し

なくてはならない。この学習活動は、生徒た

生徒たちは、奴隷という立場の記録を書かなけ

ればならない。彼らは、歴史的な正確さをもっ

て日々の暮らしを記述しなくてはならない。生

徒たちは、自分の立場を表明したり、見通しを

説明することを求められていない。

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ちに、その見方を支持する証拠として歴史的

な詳述をすることを求めている。

生徒たちは数学の問題を解きながら、解いて

いる様子のビデオを自分たちで撮っている。

そこには彼らが取った解法のステップやなぜ

そう考えたのかの理由が両方含まれている。

この学習活動は、生徒たちにその過程や思考

について説明すること求めている。

生徒たちは、数学の問題を解きながら、解いて

いるプロセスのビデオを自分たちで撮ってい

る。この学習活動は、解法のプロセスをナレー

ションすることのみを生徒に求めている。

生徒たちは、コミュニケーションをする場合、その先の特定の対象―読み手や聴衆、鑑賞者、また

他の人々-にその内容が適切であるか確かめつつ遂行することが必要である。彼らは、コミュニケ

ーションを適切に形作っていくために、特有なニーズをもつ特有なグループを意識しなければなら

ない。

生徒たちが、特定の相手とコミュニケーションをするとき、彼らは、その相手に届くために用いる

道具、内容、様式を選ばなくてはならなくなる。生徒たちは、相手が通常アクセスできる道具、ま

たその使い方を考慮しなければならない。相手が、自分たちの主張を理解するためには、どのよう

な情報をどのような適切な形式で、どの程度公式に/またはカジュアルな言葉遣いで提供しなけれ

ばならないのか、考える必要がある。

このような考えの質を高めていくために、学習活動は特定の相手を想定するかもしれない。あるい

は生徒たちは、自分自身の相手を選ぶことを許されるかもしれない。しかしコミュニケーションが

その相手に対して実際に行われるかは、理想であるが本質的ではない。むしろその要件は生徒が、

自分自身の中に、特定の相手とのコミュニケーションを意図しているかである。例えば、生徒たち

は、自分たちより年下の生徒に、割り算の仕方を教えるプレゼンテーションについていくつかのプ

ロトタイプを作るかもしれない。生徒たちは、このように生徒たちに説明する上で有効となるメデ

ィアを決定しなくてはならない(例えば、Podcast)。そしてどのような言葉や内容が理解できるか、

関係づけられるか決定しなくてはならない。このことは、たとえ、Podcast が実際に年下の生徒に

用いられないにしても、特定の相手とのコミュニケーションの要件を満足しているといえる。

多くの教師たちが、コミュニケーションのために相手について考えること、また相手が理解してい

ることや理解していないこと、相手が興味を見出すことについて、その必要性を際立たせるために、

そのコミュニケーションの相手を、生徒と同世代を対象とするより、生徒たちとは違う年代の子ど

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もたち、または違うバックグラウンドを持つ人を想定することが有益になることを見出している。

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生徒たちはある特定の人(聴衆)を意識してコミュニケーションを設計することが求め

られているか

はい いいえ

生徒たちは、来年度、入学してくる生徒に向

けて、適切な画像や証拠を用いながら、学校

についてのビデオを作らなければならない。

生徒たちは新入生を歓迎する気持ちや入学後

に希望を持つようなビデオを設計しなければ

ならない。

生徒たちは、適切なイメージや証拠を用いなが

ら、学校についてのビデオを作らなければなら

ない。ビデオの対象や目的は明確でない。

生徒たちはある製品の改善案を述べるため

に、会社に手紙を書かなくてはならない。生

徒たちは、会社に改善を進めるような論点や

見通しを示すことを考えなくてはならない。

生徒たちはある製品の改善案を述べるために、

彼らの考えについて小論文を書かなくてはな

らない。しかし生徒たちは特定の相手を考える

必要はない。

生徒たちは、町の図書館の展示物として「岩

と鉱物」を設計しなくてはならない。この学

習活動は生徒たちに展示全体―岩と鉱物のサ

ンプル、博物館の来場者の関心を引く様々な

メディアでの情報提供、来場者に持ち帰って

もらうパンフレットのデザインを含んでい

る。生徒たちは、博物館の来場者に対して、

適切なコミュニケーションの方法を考えなく

てはならない。

生徒たちは、理科プロジェクト「岩と鉱物」を

設計する。この学習活動は生徒たちに、中心と

なる知見をコミュニケーションすることが求

められている。そこでは、岩と鉱物のサンプル

が含まれ、文字による説明や音声の情報も含ま

れている。しかし、生徒たちは、教師にそのプ

ロジェクトを提出するだけであり、特別な相手

を考えることは問われていない。

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熟達したコミュニケーション:ルーブリック

1 生徒は拡張的で多様な様式のコミュニケーションを求められていない。

2 生徒は拡張的で多様な様式のコミュニケーションを求められている。

しかし根拠となる証拠を提供することやある特定の対象のためにその活動をデザ

インすることは求められていない。

3 生徒は拡張的で多様な様式のコミュニケーションを求められている。

そして根拠となる証拠を提供することが求められている。つまりアイデアを説明

し,補完的な事実や事例を持ってその自論を展開することが求められている。また

は,ある特定の対象のためにその活動をデザインすることが求められている。

しかし両方が必須ではない。

4 生徒は拡張的で多様な様式のコミュニケーションを求められている。

そして自論の根拠となる証拠を提供することが求められている。

かつある特定の対象のためにその活動をデザインすることが求められている。

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熟達したコミュニケーション:決定のステップ

生徒は拡張的で多様な

様式のコミュニケーシ

ョンを求められていま

すか?

NO

NO

NO

YES

YES

YES

1

生徒は根拠となる証拠

を提供することが求め

られていますか?

生徒は特定の対象に向

けてコミュニケーショ

ンすることが求められ

ていますか?

生徒は特定の対象に向

けてコミュニケーショ

ンすることが求められ

ていますか?

NO

YES

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Under Creative Commons License: Attribution

原文(英文)の著作者は Innovative Teaching and Learning (ITL) Research であり、日本語訳

については、国立大学法人奈良教育大学教授 小柳和喜雄先生の指導のもと、日本マイクロソフト

株式会社と、小柳研究室 関川絵里、竹田隼也、古谷悠貴が担当いたしました。

日本語版についての著作権は小柳和喜雄研究室と日本マイクロソフト株式会社に帰属いたします。

2014年 7月 22日 初版第二刷