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1 平成 29年度 訪問介護・訪問入浴介護 集団指導資料 平成29 年11月 札幌市保健福祉局 介護保険課(事業指導担当)

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1

平成 29年度

訪問介護・訪問入浴介護

集団指導資料

平成29 年11月

札幌市保健福祉局 介護保険課(事業指導担当)

2

平成29 年度介護保険サービス事業者集団指導次第

日時 平成29年 11 月 28 日(火)10:30~12:00

平成29年11 月 28 日(火)14:00~16:00

場所 札幌市役所本庁舎 12階 北側 大会議室

(中央区北1条西2丁目)

1 開会

2 挨拶

保健福祉局高齢保健福祉部介護保険課事業指導担当課長 田代 秀東志

10:00~10:05 14:00~14:05

3 説明事項

・実地指導の結果を踏まえた留意事項等について

担当:介護保険課事業指導係 担当者

10:05~11:45 14:20~16:00

・適切な労務管理について

講師:札幌中央労働基準監督署 第一方面主任監督官 土谷 啓二郎

11:45~12:00 14:05~14:20

4 閉会

3

目 次

1 訪問介護・訪問入浴介護共通事項

実地指導とは ......................................................................................................................... P4

高齢者虐待防止に関する取組について ............................................................... P5~

介護職員処遇改善加算について .................................................................................. P8

2 訪問介護について

根拠法令・基準・通知等 ................................................................................................. P9

人員に関する基準 ........................................................................................................ P10~

運営に関する基準 ........................................................................................................ P13~

報酬に関する事項 ............................................................................................................. P29

通院等乗降介助と院内介助について.................................................................. P34~

3 訪問入浴介護について

根拠法令・基準・通知等 .............................................................................................. P38

運営に関する基準 ........................................................................................................ P39~

報酬に関する事項 ........................................................................................................ P41~

本資料において、特に説明のない場合は、指定介護予防、第1号訪問事業を含みます。

4

実地指導の結果を踏まえた留意事項等について

≪実地指導とは≫

札幌市における実地指導方針

※札幌市介護保険施設等指導監査要綱(札幌市平成 27年4月改訂)

事業者に対し、利用者の自立支援及び尊厳の保持を念頭において、介護給付等対象サー

ビスの取り扱い及び介護報酬の請求等に関する事項について、周知徹底とその遵守を図る

ことを方針とする。

実地指導の主な内容

※介護保険施設等実地指導マニュアル(厚生労働省平成 22年3月改訂版)

1.運営指導

・高齢者虐待防止、身体拘束禁止等の観点から、虐待や身体拘束に係る行為及びそれらが

与える影響についての理解、防止のための取り組みの促進について指導する。

・利用者毎のニーズに応じたケアプランの作成からケアプランに基づくサービス提供、計

画の見直しまでを含む一連のケアマネジメントプロセスの重要性について理解を求める

ためのヒアリングを行い、生活支援のためのアセスメントとケアプランの作成等が適切

に行われ、個別ケアを推進するよう指導する。

2.報酬請求指導

各種加算等について、

・報酬基準に基づいた実施体制の確保

・一連のケアマネジメントプロセスにもとづいたサービス提供

・他職種との協働によるサービス提供の実施 等

の基本的な考え方や基準に定められた算定条件に基づいた運営及び請求が適切に実施さ

れているか、ヒアリングにより確認し、不適切な請求の防止とより良いケアへの質の向上

を目的とする指導を実施する。

※著しい運営基準違反が認められ、利用者の生命等に危険がある場合、又は、

報酬請求指導の際に不正に確認され、著しく悪質な請求と認められる場合に

は監査へ変更する。

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≪高齢者虐待防止に関する取組について≫

高齢者虐待に関しては、単に1施設、1職員が引き起こした事件として終わらせること

なく、各事業者において、同様な案件が起きないよう対応に努めてください。

重大事故や問題が発生した場合には、事業所と法人が連動して速やかに事実関係や原因

を究明するとともに、必要な場合は札幌市へ報告を行い、根本的な再発防止策に取り組ん

でください。

【参考】

高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律

(平成 18 年 4月 1 日施行)

「高齢者虐待」 ①養護者による高齢者虐待

②養介護施設従事者等による高齢者虐待

○高齢者虐待防止に関する取組(法第 20条)~養介護施設設置者、養介護事業を行う者~

・養介護施設従事者等の研修を実施すること

・利用者や家族からの苦情の処理の体制を整備すること

・その他の養介護施設従事者等による高齢者虐待の防止のための措置を講じること

例)虐待防止委員会の設置・運営、高齢者虐待防止マニュアル、身体拘束防止の手引

の整備など

○通報の義務(法第 21条)~養介護施設従事者等~

・業務に従事する養介護施設及び事業所において、虐待を受けたと思われる高齢者を発

見した場合は、速やかに市町村に通報しなければならない

秘密漏洩罪その他守秘義務違反にはあたらない

「養介護施設従事者等による高齢者虐待」とは・・・

○ 高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。 ○ 高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置その他の高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。 ○ 高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。 ○ 高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。 ○ 高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。(高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 第2条第5項 抜粋)

6

・養介護施設従事者等は、高齢者虐待の通報をしたことを理由として、解雇その他不利

益な取り扱いを受けない

○通報等を受けた場合の措置(法第 24条)~市町村長又は都道府県知事~

・法第 21条の規定による通報等を受けたときは、市町村長又は都道府県知事は、養介護

施設の業務又は養介護事業の適正な運営を確保することにより、当該通報又は届出に

係る高齢者に対する養介護施設従事者等による高齢者虐待の防止及び当該高齢者の保

護を図るため、老人福祉法又は介護保険法の規定による権限を適切に行使するものと

する。

○高齢者虐待防止・身体拘束禁止に係る研修教材例

「教育システム」は次の URLから無料でダウンロードできます

研修等で読み合わせを行う等、適宜ご活用ください。

http://www.dcnet.gr.jp/support/study/

7

「身体拘束」について・・・

指定居宅サービス事業者は、利用者の意思及び人格を尊重して、常に利用者の立場に立ったサービス提供に努めなければならないため『緊急やむを得ない』場合を除き、身体拘束を行ってはなりません(緊急やむを得ず、身体拘束を実施する場合には、以下3要件を満たし、かつ要件の確認及び手続きが極めて慎重に行うこと)。

『緊急やむを得ない』場合の3要件 ○切迫性:利用者本人又は他の利用者等の生命又は身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと。 ○非代替性:身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないこと。拘束以外に方法がな場合は、本人の状態像等に応じて最も制限の少ない方法により行われなければならない。 ○一時性:身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること。本人の状態像等に応じて最も拘束時間の短い方法により行われなければならない。 ※原則、『緊急やむを得ない』の判断は個人で行わず、関係者が広く参加したカンファレンスで判断する。 ※利用者本人や家族に対し、身体拘束の内容、目的、理由、時間、期間等をできる限り詳しく説明すること。また身体拘束を実施した際は、様態、時間、利用者の心身の状況、理由を記録すること。 ※『緊急やむを得えず』身体拘束を行う場合についても、常に観察・再検討し、要件に該当しなくなった場合には直ちに身体拘束を解除すること。 (「身体拘束ゼロへの手引き」平成 13 年厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」発行 参考)

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≪介護職員処遇改善加算について≫

・介護職員処遇改善加算は、介護職員の賃金改善に充てる加算であり、基本給、手当、賞

与等の改善を実施するためのものです。賃金改善の実施は、事前に策定した計画のとおり

行ってください。また、事業所が満たすキャリアパス要件については、全ての介護職員に

周知することが加算の要件のひとつです。

!!重要!! 加算を取得するにあたり、事業所は以下のことを求められます

・賃金改善を行う方法等について、『介護職員処遇改善計画書』を用いて職員に周知する

・就業規則等の内容について職員に周知する

・介護職員から加算に関係する賃金改善に関する照会があった場合は、当該職員について

の賃金改善の内容について、書面を用いるなど分かりやすく回答する

別途通知「介護職員処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例

の提示について」〔平成 29年3月9日老発 0309第 5号〕(抜粋)

2(2)① 賃金改善の考え方について

介護サービス事業者等は、加算の算定に額に相当する介護職員の賃金(基本給、手当、

賞与等(退職手当を除く。以下同じ。)を含む。)の改善(以下「賃金改善」という。)を

実施しなければならない。

賃金改善は、基本給、手当、賞与等のうちから対象とする賃金項目を特定した上で行

うものとする。この場合、7(2)の届出を行う場合を除き、特定した賃金項目を含め、

賃金水準(賃金の高さの水準をいう。以下同じ。)を低下させてはならない。また、安定

的な処遇改善が重要であることから、基本給による賃金改善が望ましい。

③ 賃金改善に係る留意点

加算を取得した介護サービス事業者等は、加算の算定額に相当する賃金改善の実施と

合わせて、キャリアパス要件や職場環境等要件を満たす必要があるが、当該取り組みに

要する費用については、算定要件における賃金改善の実施に要する費用に含まれないも

のであることに留意すること。

10(1) 加算の取得要件の周知・確認等について

加算の届出を行った事業所は、当該事業所における賃金改善を行う方法等について介

護職員処遇改善計画書を用いて職員に周知するとともに、就業規則等の内容についても

職員に周知すること。

また、介護職員から加算に係る賃金改善に関する照会があった場合は、当該職員につ

いての賃金改善の内容について、書面を用いるなど分かりやすく回答すること。

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訪問介護 ≪根拠法令・基準・通知等≫

実地指導における指摘事項は「基準条例」「基準省令」及び「告示」の項目に基づいてお

り、訪問介護事業に関する「基準条例」「基準省令」「告示」及び「解釈通知」は下表のと

おりです。

基準条例・・・・・・ ★印で記載しています。

基準省令・告示・・・ ◆印で記載しています。

解釈通知・・・・・・ ◇印で記載しています。

サービス種別

人員・設備・運営基準 報酬算定

★基準条例

札幌市指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例(平成25年札幌市条例第8号)

◆基準省令告示

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準

(平成12年2月10日厚生省告示第19号)

◇解釈通知

指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号)

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実

施上の留意事項について(平成12年3月1日厚生省告示第36号)

★基準条例

札幌市指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例(平成25年札幌市条例第8号)

◆基準省令告示

指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第37号)

指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準

(平成18年3月14日厚生労働省告示第127号)

◇解釈通知

指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号)

指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上

の留意事項について(平成18年3月17日老計発第0317001号、 老振発第0317001号、老老発第0317001

号)

居宅サービス

介護予防

サービス

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訪問介護 ≪人員に関する基準≫ 訪問介護員等の員数

×「常勤」であると届出されているサービス提供責任者が、事業所から離れた場所にある

高齢者向け住宅の職員を兼務していおり、「常勤」要件を満たしていない。

・管理者がサービス提供責任者を兼務することは差し支えありませんが、双方の業務に支

障がないようにしてください。また、常勤のサービス提供責任者は、利用者に対する訪

問介護の提供に支障がない場合は、同一敷地内にある定期巡回・随時対応型訪問介護看

護事業所又は夜間対応型訪問介護事業所に従事することができます。

・サービス提供責任者は、利用者やその家族、居宅介護支援事業者、他の訪問介護員等と

のやり取りを頻繁に行います。適切な人員を配置してください。

!!重要!!サービス提供責任者の責務!!

① 訪問介護の利用の申込みに係る調整

② 利用者の状態の変化やサービスに関する意向の定期的な把握

③ サービス担当者会議への出席等、居宅介護支援事業者との連携

④ 訪問介護員等に対する具体的な援助目標・援助内容の指示

利用者の状況に関する情報の伝達

⑤ 訪問介護員等の業務の実施状況の把握

訪問介護員等からの聞き取りや定期的な訪問、サービス提供記録等から、

訪問介護員等が訪問介護計画どおりにサービスを提供しているかを確認します。

⑥ 訪問介護員等の能力や希望を踏まえた業務管理の実施

⑦ 訪問介護員等に対する研修、技術指導等の実施

⑧ 訪問介護計画の作成

・利用者の日常生活全般の状況・希望を踏まえて、

訪問介護の提供によって解決すべき問題状況を明らかにし(アセスメント)、

訪問介護の目標、当該目標を達成するための具体的なサービス内容を記載した訪問介

護計画を作成します。

11

・訪問介護計画は居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画の内容に沿っ

て作成します(サービスの内容・回数・提供時間をよく確認しましょう!)。

・訪問介護計画を作成した際は、利用者又はその家族にその内容を説明し、

利用者の同意を文書で得ます(同意を得るのは『利用者』)。

・決定した訪問介護計画を利用者に交付します。

・定期的なモニタリング等により、計画の実施状況を把握し、必要に応じて計画の変

更を行います(他の訪問介護員等の行うサービスが訪問介護計画に沿って実施されて

いるか把握、助言や指導等の必要な管理を行います)。

※複数のサービス提供責任者を配置する事業所においては、サービス提供責任者間で

業務分担を行うことにより、①~⑧の業務を適切に行うことができているときは、必

ずしも1人のサービス提供責任者が①~⑧の全てを行う必要はないものとされてい

ます。

★基準条例第6条第2項~第5項(◆基準省令第5条第2項~第5項)一部抜粋

第2項 指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに、常勤の訪問介護員等のうち、

利用者の数を40で除して得た数以上の者をサービス提供責任者としなければならない。

この場合において、当該サービス提供責任者の員数については、利用者の数に応じて常

勤換算方法によることができる。

第3項 利用者の数は、前3月の平均値とする。ただし、新規に指定を受ける場合は、推

定数による。

第4項 サービス提供責任者は、介護福祉士又は指定居宅サービス等基準省令第5条第4

項の厚生労働大臣が定める者であって、専ら指定訪問介護に従事するものをもって充て

なければならない。ただし、利用者に対する指定訪問介護の提供に支障がない場合は、

同一敷地内にある指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所又は指定夜間対応型訪

問介護事業所に従事することができる。

第5項 常勤のサービス提供責任者を3人以上配置し、かつ、サービス提供責任者の業務

に主として従事する者を1人以上配置している指定訪問介護事業所において、サービス

提供責任者が行う業務が効率的に行われている場合にあっては、当該指定訪問介護事業

所に置くべきサービス提供責任者の員数は、利用者の数を50で除して得た数以上とす

ることができる。

◇解釈通知第三の一の(2)①のハ

指定訪問介護事業所が提供する指定訪問介護のうち、通院等乗降介助に該当するもの

のみを利用した者の当該月における利用者の数については、0.1人として計算すること。

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管理者

×管理者が、離れた場所にある他の訪問介護事業所の管理者を兼務している。

×事業所に、いつも管理者がいない。連絡が取れない。

★基準条例第7条(◆基準省令第6条)

指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管

理者を置かなければならない。ただし、指定訪問介護事業所の管理上支障がない場合は、

当該指定訪問介護事業所の他の職務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所、施設

等の職務に従事することができるものとする。

◇解釈通知第三の一の1(3)

指定訪問介護事業所の管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該事業所の管理

業務に従事するものとする。ただし、以下の場合であって、当該事業所の管理業務に支

障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。なお、管理者は、訪問介

護員等である必要はないものである。

① 当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等としての職務に従事する場合

② 同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に当該事業所の管理業務に支障

がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、当該他の事業所、施

設等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合(この場合の他の事業所、施設

等の事業の内容は問わないが、たとえば管理すべき事業所数が過剰であると個別に判

断される場合や、併設される入所施設において入所者に対しサービス提供を行う看

護・介護職員と兼務する場合などは、管理業務に支障があると考えられる。ただし、

施設における勤務時間が極めて限られている職員である場合等、個別に判断の上、例

外的に認める場合があっても差し支えない。)

・管理者がサービス提供責任者等と兼務する場合、管理者としての「管理業務」に支障の

ないよう勤務体制を確保してください。

・訪問介護事業所の管理者は「常勤」でなければなりません。

!!重要!!管理者の責務!!

① 従業者と業務の管理を一元的に行います。

② 従業者に基準を遵守させるため必要な指示命令を行います。

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訪問介護 ≪運営に関する基準≫

自己評価

×基準に関する自己点検シートを確認することで自己評価を実施したことにしている。

×利用者にアンケートを実施したが、アンケートを取っただけで終了している(分析、改

善への取り組みを検討していない)。

×従業員一人ひとりの評価は行っているが、事業所としての評価を行っていない。

★基準条例第 23条第1項~第3項(◆基準省令第 22条第1項~第3項)

第2項 指定訪問介護事業者は、自らその提供する指定訪問介護の質の評価を行い、常に

その改善を図らなければならない。

勤務体制の確保等

×訪問介護員が住宅職員としても勤務しているが、勤務表上、住宅職員との兼務関係が明

らかになっていない。

×研修計画の年間計画を作成していない。

×研修の記録を保存していない。

!!注意!!

自己点検と自己評価を混同している事業所が多数あります。

『自己点検』=基準を守れているかの点検

『自己評価』=サービスの質を省みて、改善するための評価

・自己点検シートを実施することをもって、自己評価を実施しているものとしている事業

所が散見されますが、自己点検シートは最低限の基準の確認です。

サービスの質の評価とは違います。

・自己評価は方法・書式自由です。札幌市でも書式を用意しています。

【参考 札幌市ホームページ】

・事業所評価 http://www.city.sapporo.jp/kaigo/k200jigyo/jigyoushohyouka.html

Q:なぜ、勤務表を作成する必要があるのか?

A:事業者は利用者に対し適切なサービスを提供できるよう、

事業所ごとに原則として月ごとの勤務表を作成する必要があります。

【勤務表で記す事項】

①従業者の日々の勤務時間

②職務の内容

③常勤・非常勤の別

④管理者や住宅職員との兼務関係

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★基準条例第 32条第1項及び第3項(◆基準省令第 30条第1項及び第3項)

第1項 指定訪問介護事業者は、利用者に対し適切な指定訪問介護を提供できるよう、指

定訪問介護事業所ごとに、訪問介護員等の勤務の体制を定めておかなければならない。

第3項 指定訪問介護事業者は、訪問介護員等の資質の向上のために、その研修の機会を

確保しなければならない。

◇解釈通知第三の一の3(19)①及び③

①指定訪問介護事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、訪問介護員等につい

ては、日々の勤務時間、職務の内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係、サービス

提供責任者である旨等を明確にすること。

・「常勤」とは事業所における勤務時間が、当該事業所において定められている常勤の従

業者が勤務すべき時間数に達していることをいいます。

・「専従」とは原則としてサービス提供時間帯を通じて当該サービス以外の職務に従事し

ないことをいいます。

・事業者は訪問介護員の研修の機会を「計画的に」確保することが求められています。

研修の年間計画を立てましょう。

・非常勤のヘルパーも含め、できるだけ全訪問介護員が参加できるよう工夫しましょう。

・研修は記録を残しましょう。

【研修について記録を残しておくとよい事項】

日時、内容(用いた資料)、出席者、

欠席者のフォローの記録(例:○月○日 △△、□サ責より伝達)

☆☆実地指導での好事例☆☆

・実務経験が豊富な訪問介護員と、実務経験年数が少ない訪問介護員がペアになり、サ

ービスに関する手技を教え合う「個別研修」という研修を企画しており、双方にとって

効率的な学びの場となっている。

・会議録を書く人を当番制にし、参加者全員が主体的に会議に参加できるように工夫し

ていた。

・研修で何を学びたいか、訪問介護員へアンケートを取り、研修の内容を決定していた。

・従業員が外部研修に積極的に参加できるように、従業員一人当たり年3回以上外部研

修を受講できるようにスケジュール調整をしていた。

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掲示

★基準条例第 34条(◆基準省令第 32条)

指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所の見やすい場所に、運営規程の概要、訪問介

護員等の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項

を掲示しなければならない。

記録の整備

★基準条例第 42条第1項から第3項

第42条 指定訪問介護事業者は、次項に定めるもののほか、従業者、設備、備品及び会

計に関する諸記録を整備しなければならない。

2 指定訪問介護事業者は、次に掲げる記録を整備しなければならない。

⑴ 訪問介護計画

⑵ 第20条第2項の規定による提供した具体的なサービスの内容等の記録

⑶ 第27条の規定による市町村への通知に係る記録

⑷ 第38条第2項の規定による苦情の内容等の記録

⑸ 第40条第2項の規定による事故の状況及び事故に際して講じた措置についての記

3 前項各号に掲げる記録は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める

日まで保存しなければならない。

・事業者は、事業所内の見やすい場所に「運営規程の概要」、「勤務の体制」、「その他利用

申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項」を掲示する必要があります。

・掲示が必要な事項については、玄関等の利用者や家族が容易に見ることのできるスペー

スに掲示してください。

・重要事項説明書等が利用者の手で自由に取られる状態になっていれば、必ずしも壁に貼

り付ける必要はありません。

【保存期間の定め】

書類 札幌市条例 厚生労働省令

介護計画 完結の日から2年を経過した日

又は当該記録に係る介護給付が

あった日から5年を経過した日

のいずれか遅い日 完結の日から2年を経過した日 サービス提供記録

市町村への通知に係る記録

完結の日から2年を経過した日 苦情の内容等の記録

事故の状況及び処置の記録

・札幌市の条例は、厚生労働省令よりも厳しい基準になっていますのでご留意ください。

・完結の日とは、事業者と利用者の契約が終了した日を指します。

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⑴ 前項第1号及び第2号に掲げる記録 その完結の日から2年を経過した日又は当該

記録に係る介護給付があった日から5年を経過した日のいずれか遅い日

⑵ 前項第3号から第5号までに掲げる記録 その完結の日から2年を経過した日

広告 および内容及び手続きの説明及び同意

×暗に併設事業所を利用しなければならないと解釈できる表現が記載されている(「併設す

る訪問介護事業所からヘルパーが派遣されます」等)。

×利用者に誤解を与える可能性のある記載をしている(「65歳以上の方のみ」等、第2号被

保険者を考慮していないなど)。

★基準条例第 36条(◆基準省令第 34条)

指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所について広告をする場合においては、その内

容が虚偽又は誇大なものであってはならない。

★基準条例第 9条第 1項(◆基準省令第 8条)

指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又は

その家族に対し、第 29条に規定する運営規程の概要、訪問介護員等の勤務の体制その他の

利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明

を行い、当該提供の開始について利用申込者の同意を得なかればならない。

・チラシ・パンフレット・重要事項説明書等の料金表において、利用料金の利用者負担が

1割及び 2割の方がいる点、平成 30年 8月以降は 3割の方もいるようになる点に注意して

ください。

・事業者は、サービス提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対し、

運営規程の概要、介護員等の勤務体制(管理者の兼務関係、職務内容や資格を含む)、事

故発生時の対応、苦情処理の体制等、利用申込者のサービスの選択に資すると認められる

重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について利用申込者の同意

を得なければなりません。

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利用料等の受領

×支給限度基準額を超えた場合に自費によるサービスを提供しているが、法定代理受領サ

ービスよりも安価な料金を設定している。

(例:訪問介護サービスとして買い物代行(20分以上 45分未満 183単位)を提供してい

る利用者について、支給限度基準額を超えたために、超過分は(30分 600円)で請求)

・利用者の支給限度基準額を超えて、訪問介護サービスと同様の内容のサービスを自費サ

ービスとして提供する場合は、法定代理サービスによる自己負担分と保険料負担分を合

わせた10割の額を利用者に請求する必要があります。

・法定代理受領サービスでない指定訪問介護を提供した際に、その利用者から支払いを受

ける利用料の額と、法定代理受領サービスである指定訪問介護にかかる費用の額の間に

不合理な差額を設けてはなりません。

・利用者が恒常的に支給限度基準額を超えたサービスを必要としている場合には、要介護

認定の見直し等を検討する必要があります。必要に応じて、居宅介護支援事業所へ連絡

するとともに、利用者又はその家族に区分変更の申請を助言してください。

・草木の水やりや趣味の外出の介助など、介護保険サービスとして提供できないサービス

を別事業として行う場合は、自由に料金を設定することができます。

★基準条例第 21条第1項及び第2項(◆基準省令第 20条第1項及び第2項)

第1項 指定訪問介護事業者は、法定代理受領サービスに該当する指定訪問介護を提供し

た際には、その利用者から利用料の一部として、当該指定訪問介護に係る居宅介護サー

ビス費用基準額から当該指定訪問介護事業者に支払われる居宅介護サービス費の額を控

除して得た額の支払を受けるものとする。

第2項 指定訪問介護事業者は、法定代理受領サービスに該当しない指定訪問介護を提供

した際にその利用者から支払を受ける利用料の額と、指定訪問介護に係る居宅介護サー

ビス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。

◇解釈通知第三の一の3(10)②

同条第2項は、利用者間の公平及び利用者の保護の観点から、法定代理受領サービス

でない指定訪問介護を提供した際に、その利用者から支払いを受ける利用料の額と、法

定代理受領サービスである指定訪問介護に係る費用の額の間に、一方の管理経費の他方

への転嫁等による不合理な差額を設けてはならないこととしたものである。

なお、そもそも介護保険給付の対象となる指定訪問介護のサービスと明確に区分され

るサービスについては、次のような方法により別の料金設定をして差し支えない。

イ 利用者に、当該事業が指定訪問介護の事業とは別事業であり、当該サービスが介

護保険給付の対象とならないサービスであることを説明し、理解を得ること。

ロ 当該事業の目的、運営方針、利用料等が、指定訪問介護事業所の運営規定とは別

に定められていること。

ハ 会計が指定訪問介護の事業の会計と区分されていること。

18

衛生管理等

×健康診断を受けさせる等、訪問介護員の健康状態についての管理をしていない。

・従業者の清潔の保持及び健康状態について、備品等を含めて衛生的な管理に努めること

が事業者の責務です。マスクや手袋等の備品は事業者が備えなければなりません。

★基準条例第 33条第1項及び第2項(◆基準省令第 31条第1項及び第2項)

第1項 指定訪問介護事業者は、訪問介護員等の清潔の保持及び健康状態について、必要

な管理を行わなければならない。

第2項 指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所の設備、備品等について、衛生的な

管理に努めなければならない。

◇解釈通知第三の一の3(20)

指定訪問介護事業者は、訪問介護員等の清潔の保持及び健康状態の管理並びに指定訪

問介護事業所の設備及び備品等の衛生的な管理に努めるべきことを規定したものである。

特に、指定訪問介護事業者は、訪問介護員等が感染源となることを予防し、また訪問介

護員等を感染の危険から守るため、使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備

えるなど対策を講じる必要がある。

秘密保持等

×業務上知り得た利用者又はその家族の秘密について、従業者が「退職後も」秘密を漏ら

すことのないよう契約書等を取り交わしていない。

×個人情報使用の同意書において、「家族」同意欄がなく、利用者家族の同意を得ていない。

・従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らし

てはなりません。また、従業者でなくなった後においても、これらの秘密を漏らすことの

ないよう、事業者は必要な措置を講じなければなりません。

・個人情報使用同意書の同意欄には、「利用者」欄と「家族」欄の両方を設ける必要があ

ります。サービス担当者会議等において、利用者の個人情報を用いる場合は利用者の同

意が必要であり、利用者の家族の個人情報を用いる場合には当該家族の同意が、あらか

じめ必要であるためです。

19

不適切な様式

改善後の様式(例)

個人情報利用同意書

私の個人情報について…

上記の内容について同意します。

平成○年○月○日

利用者 印

代理人 印

問題点①

個人情報を利用する対

象に家族が入っていな

い。または対象として

いるか不明確。

問題点②

同意欄に「家族」の同

意欄が無い。

個人情報利用同意書

私(利用者及びその家族)の個人

情報について…

上記の内容について同意します。

平成○年○月○日

利用者 印

家族(続柄 ) 印

代理人 印

改善点①

個人情報を使用する対

象に「家族」を盛り込

んだ。

改善点②

同意欄に「家族」の同

意欄を盛り込んだ。

20

★基準条例第 35条第1項~第3項(◆基準省令第 33条第1項~第3項)

第1項 指定訪問介護事業所の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者

又はその家族の秘密を漏らしてはならない。

第2項 指定訪問介護事業者は、当該指定訪問介護事業所の従業者であった者が、正当な

理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、

必要な措置を講じなければならない。

第3項 指定訪問介護事業者は、サービス担当者会議等において、利用者の個人情報を用

いる場合は当該利用者の同意を、利用者の家族の個人情報を用いる場合は当該家族の同

意を、あらかじめ文書により得ておかなければならない。

◇解釈通知第三の一の3(21)①~③

① 指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の従業者に、その業務上知り得た利用者又

はその家族の秘密の保持を義務付けたものである。

② 指定訪問介護事業者に対して、過去に当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他

の従業者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことが

ないよう必要な措置を取ることを義務付けたものであり、具体的には、指定訪問介護事

業者は、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の従業者が従業者でなくなった

後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時等に取り決め、たとえ

ば違約金についての定めを置くなどの措置を講ずべきこととするものである。

③ 訪問介護員等がサービス担当者会議等において、課題分析情報等を通して利用者の有

する問題点や解決すべき課題等の個人情報を、介護支援専門員や他のサービスの担当者

と共有するためには、指定訪問介護事業者は、あらかじめ、文書により利用者又はその

家族から同意を得る必要があることを規定したものであるが、この同意は、サービス提

供開始時に利用者及びその家族から包括的な同意を得ておくことで足りるものである。

苦情処理

★基準条例第 38条第1項及び第2項(◆基準省令第 36条第1項及び第2項)

第1項 指定訪問介護事業者は、提供した指定訪問介護に係る利用者及びその家族からの

苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口の設置その他の必

要な措置を講じなければならない。

苦情については受付日、内容等を記録し、その記録を2年間保存しなければなりません。

・苦情には『組織として』対応しましょう。会議等で苦情内容を全員で共有することが大

切です。

☆☆実地指導での好事例☆☆

訪問介護員によって手順が違うことを気にする利用者からの苦情を記録、事業所全体で

共有、入浴や掃除について図解・写真付きの手順書を作成し、サービスを平準化、利用

者の満足に繋がった。

21

第2項 指定訪問介護事業者は、前項の苦情を受け付けた場合には、当該苦情の内容等を

記録しなければならない。

◇解釈通知第三の一の3(23)①及び②

① 居宅基準第 36条第1項にいう「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口、苦情処理

の体制及び手順等当該事業所における苦情を処理するために講ずる措置の概要について

明らかにし、利用申込者又はその家族にサービスの内容を説明する文書に苦情に対する

措置の概要についても併せて記載するとともに、事業所に掲示すること等である。

② 同条第2項は、利用者及びその家族からの苦情に対し、指定訪問介護事業者が組織と

して迅速かつ適切に対応するため、当該苦情(指定訪問介護事業者が提供したサービス

とは関係のないものを除く。)の受付日、その内容等を記録することを義務付けたもので

ある。

また、指定訪問介護事業者は、苦情がサービスの質の向上を図る上での重要な情報で

あるとの認識に立ち、苦情の内容を踏まえ、サービスの質の向上に向けた取り組みを自

ら行うべきである。

なお、居宅基準第 39条第2項の規定に基づき、苦情の内容等の記録は、2年間保存し

なければならない。

事故発生時の対応

×過去に事故が一度もなかったという理由で、事故報告書の書式を準備していない。

【事故報告時の必要書類】

①事故等発生状況報告書(HPに札幌市の様式があります)

事故報告/札幌市 http://www.city.sapporo.jp/kaigo/k200jigyo/k250jiko.html

②事業所内事故報告書(事業所内で事故を共有するためのものです。各事業所で書式を準

備し、事故が発生した際はすぐに記載できるよう日ごろから備えておきましょう)

③介護記録(事故発生から医療機関受診後までの記録)

⇒①~③ 3点全てを揃えて札幌市へ報告してください。

・「札幌市介護保険施設等における事故発生時の報告取扱要綱」に定める、札幌市へ報告

すべき事故は以下の通りです。

ア 死亡事故(病気によるものを除く)

イ 虐待

ウ 失踪・行方不明(現在も捜索中のもの)

エ 骨折・打撲・裂傷等(医療機関に受診したもの)

オ 誤飲・誤食・誤嚥、誤薬

22

★基準条例第 40条第1項~第3項(◆基準省令第 37条第1項~第3項)

第1項 指定訪問介護事業者は、利用者に対する指定訪問介護の提供により事故が発生し

た場合は、本市及び当該利用者の家族、当該利用者に係る指定居宅介護支援事業者等に

連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。

第2項 指定訪問介護事業者は、前項の事故の状況及び事故に際して講じた措置について

記録しなければならない。

第3項 指定訪問介護事業者は、利用者に対する指定訪問介護の提供により損害を賠償す

べき事故が発生した場合は、その損害を速やかに賠償しなければならない。

居宅サービス計画に沿ったサービスの提供

×短期目標の期間の延長やサービス回数の変更について、

ケアマネージャーが訪問介護事業所へ口頭指示でケアプランの修正を指示した場合に、

ケアマネージャーの口頭指示の記録も残していなかった。

×ケアプランとは若干内容が異なるサービスをケアマネージャーと連携せずに

利用者の希望と事業所の判断で勝手に提供をしていた。

(例:入浴介助における全身浴⇒足浴のみ)。

カ 不法行為

キ 無断外出(見つかった場合)

ク その他(送迎中の事故等)

上記ア~クが発生した場合、事故報告書を提出しなければなりません。事故が発生した

場合は、事故の状況及び事故に際して採った処置について、出来るかぎり詳細に記録し

てください。

・服薬介助の際に発生した服薬漏れについて、札幌市へ事故報告書を提出していない事例

がありました。誤薬等についても報告が必要となりますので、ご注意ください。

☆☆実地指導での好事例☆☆

「利用者の状況」「利用者の反応」「家族に連絡がつかなかった際の対応」「ケアマネジャ

ーへの報告」「事業所内における周知」等の項目ごとに記載する欄が設けられており、事

故発生時の対応について記載漏れが起きにくい様式になっている。

23

★基準条例第 17条(◆基準省令第 16条)

指定訪問介護事業者は、居宅サービス計画(法施行規則第64条第1号ハ及びニに規

定する計画を含む。以下同じ。)が作成されている場合は、当該居宅サービス計画に沿っ

た指定訪問介護を提供しなければならない。

訪問介護計画の作成

×利用者から訪問介護計画の同意を得ずに、サービス提供を行っている。

×アセスメントが不十分であり、提供されているサービスの必要性が確認できない。

(例:× 買い物 一部介助

○ 買い物 遠方の家族が月に一度買い物を手伝っている。

認知症のため同じ食品ばかり購入してしまう

冷蔵庫内の確認や店舗への同行が必要)

!!重要!!

・ケアプランが作成されている場合は、

ケアプランに沿ったサービス提供を行わなければなりません。

・利用者の必要とするサービスの内容が、既に作成されているケアプランの内容と異なる

場合は、速やかに担当のケアマネジャーと連携し、必要な情報提供を行うとともに、ケア

プラン等の変更の援助を行ってください。

・ケアプランに位置づけられているサービスの「内容」「回数」「時間」をよく確認しまし

ょう。

ケアプランに位置付けられていないサービス提供を行った場合、実地指導等で確認され

た際は、過誤調整等の対象となることがあります。

・短期目標期間の延長、サービス提供の曜日や時間帯の変更等軽微な変更であれば、

ケアマネジャーからの指示により、事業所でケアプランの手書き修正が可能な場合があ

ります。その際にはケアマネジャーから指示があった旨の記録を残してください。

(記載例:○月○日 △△ケアマネより 期間延長指示あり □□サ責受)

・ケアプランに位置づけられているサービスの「内容」「回数」「時間」をよく確認しまし

ょう。

・アセスメントは、サービス内容や提供回数が適切であるか、サービスを位置付ける・報

酬を請求する根拠となるものです。ケアマネジャーからの情報だけでなく、訪問介護を

提供するに当たっての、より細やかなアセスメントが必要です。

・アセスメントでは、利用者が自立した生活を送るために解決すべき問題点や課題につい

24

★基準条例第 25条第1項~第5項(◆基準省令第 24条第1項~第5項)

第1項 サービス提供責任者は、利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、指定

訪問介護の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問

介護計画を作成しなければならない。

第2項 訪問介護計画は、既に居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画の内

容に沿って作成しなければならない。

第3項 サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成に当たっては、その内容について利

用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得なければならない。

第4項 サービス提供責任者は、訪問介護計画を作成した際には、当該訪問介護計画を利

用者に交付しなければならない。

第5項 サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成後、当該訪問介護計画の実施状況の

把握を行い、必要に応じて当該訪問介護計画の変更を行うものとする。

◇解釈通知第三の一の3(13)①~⑤

① サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成に当たって、利用者の状況を把握・分析

し、訪問介護の提供によって解決すべき問題状況を明らかにし(アセスメント)、これに

基づき、援助の方向性や目標を明確にし、担当する訪問介護員等の氏名、訪問介護員等

が 提供するサービスの具体的内容、所要時間、日程等を明らかにするものとする。

② 訪問介護計画の作成後に居宅サービス計画が作成された場合は、当該訪問介護計画が

居宅サービス計画に沿ったものであるか確認し、必要に応じて変更するものとする。

③ 訪問介護計画は、利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて作成されなければ

ならないものであり、その内容について説明を行った上で利用者の同意を得ることを義

務付けることにより、サービス内容等への利用者の意向の反映の機会を保障しようとす

るものである。したがって、サービス提供責任者は、訪問介護計画の目標や内容等につ

いては、利用者又はその家族に、理解しやすい方法で説明を行うとともに、その実施状

況や評価についても説明を行うものとする。

④ 訪問介護計画を作成した際には、遅滞なく利用者に交付しなければならない。なお、

訪問介護計画は、2年間保存しなければならない。

⑤ サービス提供責任者は、他の訪問介護員等の行うサービスが訪問介護計画に沿って実

施されているかについて把握するとともに、助言、指導等必要な管理を行わなければな

らない。

て分析する必要があります。家族の介護能力やヘルパーの稼働状況についても十分な聞

き取りを行い、利用者の日常生活全般の状況を十分に把握してください。

☆☆実地指導での好事例☆☆

・アセスメント、訪問介護計画の作成(利用者から同意を得る)、モニタリング等、利用

者に対して行うべきことをチェックリストにし、利用者の個人のファイルの先頭に用意、

活用していた。

25

事業所名 ○○訪問介護事業所 利用者名 札幌 太郎

アセスメント実施日    平成29年  ○月  ○日

提供していないサービス行為を含め全項目アセスメントする

介助の程度(該当する程度に丸)

(一部介助又は全介助の場合)このサービス行為の介助者は誰ですか?

(一部介助の場合)本人ができない一部とは何を

指しますか?

本人が出来ない理由は何ですか?(傷病名や身体状況等を

記載)

例:掃除 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

トイレの床、浴室膝の痛みが強く、屈めない。居室の掃除機掛けは出来るが認知症の為声掛けが必要

排泄 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

清拭 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

部分浴 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

全身浴 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

足、背中 バランスがとりずらく、転倒の恐れがある。

洗面等 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

身体整容(日常的な髪の手入れ等)

自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

更衣介助 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

体位交換 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

移乗・移動介助 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

支えがないと転倒することがある。 足の筋力低下により、多少のふらつきがある。

通院・外出介助 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(タクシー利用 )

長時間の歩行ができない。 筋力低下し、長時間の一人での歩行ができない。

薬の受け取り 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

起床介助 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

就寝介助 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

服薬介助 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

掃除 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

洗濯 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

ベッドメイク 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

衣類の整理 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

被服の補修 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

買い物 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

重い物を持つことができない。 筋力低下し、一度に多くの買い物ができない。

調理 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

食材・栄養管理。重い物を持つことができない。

健康に気を使わず、食べたいものを食べてしまい、野菜をあまり食べない。

配下膳 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

重い食器を持てない。 筋力低下し、食器等を床に落としてしまう。

食事介助 自立 一部介助 全介助家族   ヘルパーその他(         )

訪問介護・介護予防訪問介護 アセスメントシート(例)※利用者さんの日常生活全般の状況を把握・分析し、訪問介護の提供によって解決すべき問題状況を明らかにしましょう※

アセスメントを行った人 介護 一郎

備考欄(何かあれば)通院は月1回あるが、タクシー利用するため、本人のみで可能。家族が週に数回、夕食を作りに来ている。

どういった理由で利用者が

できないのかを明確にし、

利用者が必要としている

サービスを提供すること。

26

-

訪問介護計画書(例)作成日

【本人及び家族の希望】

【支援目標】

【支援内容】

【担当する訪問介護員】

上記の訪問介護計画書に基づきサービス提供を行います。

上記の訪問介護計画書の内容に同意し、交付を受けました。

住所 札幌市中央区◯◯

本人 自分でできることは行い、自宅生活を維持したい。

平成29年 ○ 月 ○ 日

利用者名 札幌 太郎 生年月日 大正11年8月1日 要介護度 要介護2

家族 バランスの良い食事をとり、体調を崩さないでほしい。

目標買い物同行(代行)により、ご本人の負担を減らし、食材に困らないようにする。栄養バランスの良い食事をとってもらい、健康維持に努める。清潔に生活をする。

サー

ビス1

(身体2生活1

サービス提供曜日 水曜日 サービス提供時間・15時00分~17時45分(合計 105分)・買い物代行時:15時00分~17時35分(合計95分)

サービス①所要時間(分)

サービス内容②所要時間(分)

項目 具体的サービス内容 項目 具体的サービス内容

5

スーパーへ買い物同行 35 スーパーへ買い物代行 25

買い物同行

買い物メニューの確認 5

買い物代行(体調不良時)

買い物メニューの確認

買った品物を確認し、清算 3 買った品物を確認し、清算 3

本人の心身状態の確認 2 本人の心身状態の確認 2

計 45 計 35

サービス③所要時間(分)

サービス内容④所要時間(分)

項目 具体的サービス内容 項目 具体的サービス内容

食材準備・調理 45

配膳 1

手洗い・身支度 2

平成29年 ○月 ○日 利用者同意署名欄 札幌 太郎

食器・調理器具洗い・生ごみ等の片づけ

7

計 60 計

調理介助

調理メニューの確認 5

介護 一郎、介護 二郎、介護 三郎

説明日 平成29年 ○月  ○日 説明者(サービス提供責任者) 介護 一郎

援助の方向性や

目標を明確にす

ること。

訪問介護員等が

提供するサービ

スの具体的内容、

所要時間、日程

等を明らかにする

こと。

サービス行為ごと

の区分について

は、平成12年老

計第10号より、

サービスの一連

の流れを細かく区

分し、時間配分す

ること。

担当する訪問介

護員等の氏名。

担当予定の全職

員名を記載するこ

と。

サービス提供責任者は、訪

問介護計画の内容について

説明を行ったうえで利用者

の同意を得ること。

サービス提供責任者

は、訪問介護計画を利

用者に交付すること。

27

【支援内容】

【支援内容】

15時00分~16時40分(合計 100分)

サービス①所要時間(分)

サービス内容②所要時間(分)

項目 具体的サービス内容 項目 具体的サービス内容

入浴介助

声掛け、体調確認、着替えの準備

5

調理介助

調理メニューの確認

洗体、洗髪 15

5

洗面所への移動 1 手洗い・身支度 2

脱衣、浴室への移動 1 食材準備・調理 45

洗面所への移動、体拭き、着衣

3

居間へ移動、水分補給 2

配膳 1

入り湯 5食器・調理器具洗い・生ごみ

等の片づけ7

サービス③所要時間(分)

サービス内容④所要時間(分)

項目 具体的サービス内容 項目 具体的サービス内容

浴室の清掃 8

計 40 計 60

サー

ビス3

サービス提供曜日 木曜日 サービス提供時間 10時00分~10時40分(合計 40分)

サービス①所要時間(分)

サービス内容②

サー

ビス2

(身体2生活1

サービス提供曜日 月曜日 サービス提供時間

所要時間(分)項目 具体的サービス内容 項目 具体的サービス内容

入浴介助

声掛け、体調確認、着替えの準備

5

洗面所への移動 1

脱衣、浴室への移動 1

洗面所への移動、体拭き、着衣

3

居間へ移動、水分補給 2

洗体、洗髪 15

入り湯 5

サービス③所要時間(分)

サービス内容④所要時間(分)

項目 具体的サービス内容 項目 具体的サービス内容

浴室の清掃 8

計 40 計

計計

28

訪問介護モニタリングシート(例)様

【モニタリング結果】

1 計画の通り実施することができた 1 なし 1 変化なし 1 見直しは不要

2 ほぼ計画の通り実施することができた 2 あり 2 変化あり 2 見直しが必要

3 計画の通り実施することができなかった ※

※ 1以外の場合はその理由等 ※ ありの場合はその内容 ※ 変化ありの場合はその内容 ※ 1及び2の理由等

1 計画の通り実施することができた 1 なし 1 変化なし 1 見直しは不要

2 ほぼ計画の通り実施することができた 2 あり 2 変化あり 2 見直しが必要

3 計画の通り実施することができなかった ※

※ 1以外の場合はその理由等 ※ ありの場合はその内容 ※ 変化ありの場合はその内容 ※ 1及び2の理由等

項目 ①サービスの実施状況 ②利用者及び家族からの意見等③利用者の生活状況及び心身の状況の変化

④訪問介護計画の見直し

実施日

利用者名 札幌 太郎

確認内容訪問介護計画の内容どおりに、サービス提供を実施できたかどうか

利用者及び家族からサービス内容等に対する意見等について

利用者の生活状況や心身の状況の変化について

①~③より、サービス内容に新たな課題が生じていないか、また、サービス内容が適切であるかどうか

平成30年 2月 1日

モニタリング実施者必要の場合は担当ケアマネジャーに連

絡が必要です。

介護 一朗

今までタクシーを利用し、病院受診していたが、一人での通院に不安があるため、ヘルパーに同行をお願いしたい。

長時間の歩行ができず、ほぼ買い物代行となっている。ご本人が希望している通院についても、ヘルパーが見守り、ご本人の不安を解消すべきと考える。

実施日

平成  年  月  日

モニタリング実施者必要の場合は担当ケアマネジャーに連

絡が必要です。

29

訪問介護 ≪報酬に関する事項≫ 訪問介護の所要時間

×2時間未満の間隔で行われた訪問介護を、それぞれの所要時間で請求している。

・前回提供した訪問介護から、2時間未満の間隔で訪問介護が行われた場合には、それぞ

れの所要時間を合算してください。

・訪問介護のサービス性質上、在宅である要介護者の生活パターンに合わせて提供される

べきであることから、一連のサービスを複数回に区分して行うことは適切ではありませ

ん。

・前回提供した訪問介護から、2時間を空けずに次の訪問介護を提供することを禁じるも

のではありません。「前回のサービス提供から2時間を空けなければ、次のサービス提供

はできないのか?」との質問を受けることがありますが、ケアプラン上、2時間を空け

ずにサービス提供を行う必要があると位置づけられている利用者については、2時間を

空けずに次回サービス提供を行うことは何の問題もありません。ただし、報酬請求に当

たっては、それぞれ所要時間を合算した上での請求をしてください。

◇解釈通知第ニの2(4)③

訪問介護は在宅の要介護者の生活パターンに合わせて提供されるべきであることから、

単に1回の長時間の訪問介護を複数回に区分して行うことは適切ではない。したがって、

前回提供した指定訪問介護からおおむね2時間未満の間隔で指定訪問介護が行われた場

合には、それぞれの所要時間を合算するものとする(緊急時訪問介護加算を算定する場

合を除く。)。

ただし、解釈通知第ニの2(5)①の規定に該当する場合(頻回の訪問を行うことが

できる場合)は、上記の規定に関わらず、20分未満の身体介護中心型について、前回

提供した指定訪問介護から2時間未満の間隔で提供することが可能であり、所要時間を

合算せずにそれぞれの所定単位数を算定するものとする。

介護職員初任者研修課程修了者であるサービス提供責任者を配置する指定訪問介護事

業所の減算について

×初任者研修課程修了者をサービス提供責任者として配置しているが減算していない。

・初任者研修課程修了者をサービス提供責任者に配置している事業所は、減算を行わなけ

ればなりません。この要件は暫定的なものであり、当該者を配置する訪問介護事業所に

おいては、早期にこれらの者に介護福祉士の資格取得等をさせるよう努める必要があり

ます。

30

◇解釈通知第ニの2(10)①及び②

① 「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について」(平成 11

年9月 17日老企第 25号厚労省老人保健福祉局企画課長通知)において、「サービス提供

責任者の任用用件として、「3年以上介護等の業務に従事した者であって、介護職員初任

者研修課程を修了した者」(介護職員基礎研修課程又は1級課程を修了した者を除く。)

を定めているところであるが、この要件については暫定的なものである」とされており、

サービス提供責任者の質の向上を図る観点から、将来に向け当該暫定措置を解消するこ

ととしている。このため、介護職員初任者研修課程修了者(介護職員基礎研修課程修了

者、1級課程修了者又は看護師等の資格を有する者を除く。以下同じ。)であるサービス

提供責任者を配置する事業所に係る訪問介護費を減算することとしたところであり、当

該者を配置する指定訪問介護事業所は、早期にこれらの者に介護福祉士の資格取得等を

させるよう努めること。

② 本減算は、1月間(暦月)で1日以上、介護職員初任者研修課程修了者であるサービ

ス提供責任者を配置している事業所について、当該月の翌月に提供された全ての指定訪

問介護に適用となること。ただし、当該サービス提供責任者が月の途中に介護福祉士(介

護福祉士試験の合格者を含む。)又は実務者研修を修了(全カリキュラムを修了している

場合、必ずしも修了証明書の交付を求めない。)した者(以下介護福祉士等という。)と

なった場合については、翌月から減算は適用されないこと。また、配置時点で介護福祉

士等である者についても、本減算の適用対象者とはならないこと。

指定訪問介護事業所と同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物に居住する利用者

に対する取扱い

×サービス付き高齢者向け住宅(有料老人ホーム)と、行き来が容易な隣接する場所に所

在している訪問介護事業所が、当該サービス付き高齢者向け住宅の入居者にサービスを

提供していたが、減算していなかった。

×有料老人ホームに住む利用者で訪問介護のサービス提供を受ける者が 1月に 20名以上い

たが、事業所と有料老人ホームの距離が離れているという理由で減算をしていなかった。

・訪問介護事業所と同一敷地内若しくは隣接する敷地内の建物、若しくは同一建物に居住

する利用者にサービスを提供する場合は、所定単位数の100分の90に相当する単位

数を算定してください。

・減算の対象となる建物と、訪問介護事業所が同一の建物にある場合は、同一建物に居住

する利用者が1名でもいれば減算になります。

・訪問介護事業所と対象の建物が離れている場合も、同一の建物に1月当たりの利用者が

20人以上居住する場合は、同様に減算の対象となります。

・減算の対象となる建物は、

「養護老人ホーム」「軽費老人ホーム」「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住

31

宅の」4種類です。なお、有料老人ホームについては、未届けであっても実態が備わっ

ていれば、有料老人ホームの要件に該当するものと判断され、当該集合住宅減算の対象

となります。

・上記の要件を満たしている場合には、自主的に減算してください。実地指導等で確認さ

れた場合には、過誤調整の対象となります。

◇解釈通知第ニの2(11)①及び②

① 同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物の定義

「同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物」とは、当該指定訪問介護事業所と構

造上又は外形上、一体的な建築物(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、

サービス付き高齢者向け住宅に限る。以下「有料老人ホーム等」という。)及び同一敷地

内並びに隣接する敷地(当該指定訪問介護事業所と有料老人ホーム等が道路等を挟んで

設置している場合を含む。)にある建築物のうち効率的なサービス提供が可能なものを指

32

すものである。具体的には、一体的な建築物として、当該建物の1階部分に指定訪問介

護事業所がある場合や当該建物と渡り廊下でつながっている場合など、同一の敷地内若

しくは隣接する敷地内の建物として、同一敷地内にある別棟の建築物や幅員の狭い道路

を挟んで隣接する場合などが該当するものであること。

② 同一の建物に20人以上居住する建物の定義

イ 「当該指定訪問介護事業所における利用者が同一建物に20人以上居住する建物」

とは、①に該当するもの以外の有料老人ホーム等を指すものであり、当該有料老人ホ

ーム等に当該指定訪問介護事業所の利用者が20人以上居住する場合に該当し、同一

敷地内にある別棟の建物や道路を挟んで隣接する建物の利用者数を合算するものでは

ない。

ロ この場合の利用者数は、1月間(暦月)の利用者数の平均を用いる。この場合、1

月間の利用者の数の平均は、当該月における1日ごとの該当する建物に居住する利用

者の合計を、当該月の日数で除し得て得た値とする。この平均利用者数の算定に当た

っては、小数点以下を切り捨てるものとする。

特定事業所加算

×サービス提供責任者から訪問介護員に対する伝達が、毎回のサービス提供開始前に行わ

れていない。

×サービス提供責任者から訪問介護員に対する指示が電話で行われている。

×訪問介護員から受けるサービス提供終了後の報告内容について、

サービス提供責任者が、文書にて記録を保存していない。

① 計画的な研修の実施

全ての訪問介護員等またはサービス提供責任者について個別具体的な研修の目標、内

容、研修期間、実施時期等を定めた計画を策定すること。

② 会議の定期的開催(会議はおおむね 1 月に 1 回以上開催)

サービス提供に当たる訪問介護員等のすべてが参加する会議を開催し、その概要を記録す

ること(開催日時、出席者、会議の内容、やむを得ず欠席する者がいる場合は欠席者へ伝達し

た旨の記録等)

③ 文書等による指示及びサービス提供後の報告

サービス提供責任者が、訪問介護員等に対し、利用者に関する情報や留意事項を文書等の

確実な方法により(口頭指示・電話のみは認められない)伝達してから、訪問介護員等はサービ

スを開始すること。また、サービス提供終了後、サービス提供責任者は、担当する訪問介護員

等から適宜報告を受けること。

※サービス提供責任者からの指示については、文書のほか、FAX・メール等によることも可能

※サービス提供終了後の報告内容については、文書にて記録を保存しなければなりません。

※サービス提供の際には必ず上記の指示・報告が必要。

33

◇解釈通知第ニの2(17)①のイ及びロ及びハ(抜粋)

①のイ 「訪問介護員等ごとに研修計画を作成」については、当該事業所におけるサービ

ス従事者の資質向上のための研修内容の全体像と当該研修実施のための勤務体制の確保

を定めるとともに、訪問介護員等又はサービス提供責任者について個別具体的な研修の

目標、内容、研修期間、実施時期等を定めた計画を策定しなければならない。

①のロ 「利用者に関する情報若しくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達又は当

該指定訪問介護事業所における訪問介護員等の技術指導を目的とした会議」とは、サー

ビス提供責任者が主催し、登録ヘルパーも含めて、当該事業所においてサービス提供に

当たる訪問介護員等のすべてが参加するものでなければならない。なお、実施に当たっ

ては、全員が一堂に会して開催する必要はなく、サービス提供責任者ごとにいくつかの

グループ別に分かれて開催することで差し支えない。会議の開催状況については、その

概要を記録しなければならない。なお、「定期的」とは概ね1月に1回以上開催されてい

る必要がある。

①のハ 「当該利用者に関する情報やサービス提供に当たっての留意事項」とは、少なく

とも、次に掲げる事項について、その変化の動向を含め、記載しなければならない。

・利用者の ADLや意欲

・利用者の主な訴えやサービス提供時の特段の要望

・家族を含む環境

・前回のサービス提供時の状況

・その他サービス提供に当たって必要な事項

なお、「前回のサービス提供時の状況」を除く事項については、変更があった場合に記

載することで足りるものとし、1日のうち、同一の訪問介護員等が同一の利用者に複数

回訪問する場合であって、利用者の体調の急変等、特段の事情がないときは、当該利用

者に係る文書等の指示及びサービス提供後の報告を省略することも差し支えないものと

する。また、サービス提供責任者が事業所に不在時のサービス提供に係る文書等による

指示及びサービス提供後の報告については、サービス提供責任者が事前に一括指示を行

い、適宜事後に報告を受けることも差支えないものとする。この場合、前回のサービス

提供時の状況等については、訪問介護員等の間での引継ぎを行う等、適切な対応を図る

とともに、利用者の体調の急変等の際の対応のためサービス提供責任者との連絡体制を

適切に確保すること。

「文書等の確実な方法」とは、直接面接しながら文書を手交する方法のほか、FAX、メ

ール等によることでも可能である。

また、訪問介護員等から適宜受けるサービス提供終了後の報告内容について、サービ

ス提供責任者は、文書(電磁的記録を含む。)にて記録を保存しなければならない。

④ 定期健康診断の実施

非常勤の訪問介護員等も含め、すべての訪問介護員等に対し、事業主の負担により、健康

診断等を実施しなければならない。

34

~通院等乗降介助と院内介助について~

【「通院等乗降介助」とは?】

指定訪問介護事業所の訪問介護員等が、利用者に対して、通院等のため、自

らの運転する車両への乗車又は降車の介助を行うとともに、併せて、乗車前若

しくは降車後の屋内外における移動等の介助又は通院先若しくは外出先での受

診等の手続き、移動等の介助を行うこと。

[参照]平成 12 年厚労省告示第 19 号別表1注4

【「通院等乗降介助」と「身体介護による通院・外出介助」の違い】

移動手段と算定の仕方が異なります。

「通院等乗降介助」は「訪問介護員等自らの運転する車両への乗車又は降車の

介助」に加えて、「乗車前・降車後の移動等の介助」又は「通院・外出先での受

診等の手続き、移動等の介助」を行う場合に算定することができます。

移動手段 算定の仕方

通院等乗降介助 訪問介護員等自らが運転す

る車両

片道 97 単位(固定)

身体介護による外出・通院

介助

徒歩・公共交通機関・タクシ

ー等

身体介護を行う時間に応じた

単位

【「通院等乗降介助」算定に関する留意点】

通院等乗降介助を利用する際の目的は「外出介助」の目的と同じです。

介護保険報酬算定の対象として適当な目的を以下に示します。

[参照]平成 12 年3月1日付 老企第36号 第2の2(7)④

≪適当な目的の例≫ ≪適当でない目的≫

・病院受診 ・嗜好品の買い物

・整骨院等での治療(医師の指示がある場合) ・趣味の演劇、映画鑑賞

・日用品の買い物

・官公庁での手続き

・選挙の投票

35

ここでおさらい ~訪問介護で提供するサービスとは?~

介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例

1.「直接本人の援助」に該当しない行為

例)利用者以外の者に係る洗濯、調理、買い物、掃除 等

2.「訪問介護員が行わなくても日常生活を営むのに支障が生じない」と判断される行為

例)草むしり、花木の水やり、ペットの散歩 等

3.「日常的に行われる家事」の範囲を超える行為

例)大掃除、窓のガラス・サッシ拭き、カーテンの丸洗い 等

[参照]平成 12 年 11 月 16 日付 老振第 76 号 別紙

【院内介助の算定に関する留意点】

病院内の介助は、「基本的には院内のスタッフにより対応されるべきものであ

るが、場合により算定対象となる」とされています。([参照] 平成15年5月

8日老振発第 0508001 号、老老発第 0508001 号)

ここでいう算定対象となる場合とは、例えば要件①、②を満たす場合を指し

ます。

各利用者がこれらの要件を満たしているかどうかについては、担当するケアマ

ネジャーにご確認ください。

要件①利用者が院内での移動・排せつ介助等が必要な身体状態にある、

又は自傷・他害の危険性があるため他者の見守りが必要な状態にある

(理由が明確ではない「見守り」、単なる待ち時間は算定対象になりません)

要件②院内のスタッフは利用者の介助ができないことを医療機関に確認し、

その旨の記録が残されている(医師の指示書等を文書で受領する必要はありま

せんが、医療機関に確認を取った記録は支援経過記録等に記載しておいてくだ

さい)

なお、院内介助は、実際に介助を行った時間が請求の対象となるため、担当

した訪問介護員は院内介助を行った内容、時間を記録に残し、ケアマネジャー

に報告してください。

36

【事業所が「通院等乗降介助」を行うには?】

福祉有償運送(NPO 法人、社会福祉法人、医療法人、公益法人等の非営利法

人)もしくは一般旅客自動車運送事業(営利法人)に係る届出後、介護保険課

へ「通院等のための乗車又は降車の介助に係る報酬の算定に関する届出書」を

提出してください。

福祉有償運送/札幌市

http://www.city.sapporo.jp/koreifukushi/sts/sts.html

加算の届出(居宅サービス)

http://www.city.sapporo.jp/kaigo/k200jigyo/taisei-todokede.html

37

平成 28年度

訪問入浴介護

集団指導資料

平成29年1月 19 日(木)

札幌市保健福祉局 介護保険課(事業指導担当)

38

訪問入浴介護≪根拠法令・基準・通知等≫

実地指導における指摘事項は「基準条例」「基準省令」及び「告示」の項目に基づいてお

り、訪問介護事業に関する「基準条例」「基準省令」「告示」及び「解釈通知」は下表のと

おりです。

基準条例・・・・・・ ★印で記載しています。

基準省令・告示・・・ ◆印で記載しています。

解釈通知・・・・・・ ◇印で記載しています。

その他の法令等・・・ ▲印で記載しています。

サービス種別

人員・設備・運営基準 報酬算定

★基準条例

札幌市指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例(平成25年札幌市条例第8号)

◆基準省令告示

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準

(平成12年2月10日厚生省告示第19号)

◇解釈通知

指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号)

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実

施上の留意事項について(平成12年3月1日厚生省告示第36号)

★基準条例

札幌市指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例(平成25年札幌市条例第8号)

◆基準省令告示

指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第37号)

指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準

(平成18年3月14日厚生労働省告示第127号)

◇解釈通知

指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号)

指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上

の留意事項について(平成18年3月17日老計発第0317001号、 老振発第0317001号、老老発第0317001

号)

居宅サービス

介護予防

サービス

39

訪問入浴介護≪運営に関する基準≫ 指定訪問入浴介護の具体的取扱方針について

×事業所の都合で、看護職員に代えて介護職員を充ててサービスを提供している。

★基準条例第54条第4号 (◆基準告示第50条第4号)

指定訪問入浴介護の提供は、1回の訪問につき、看護職員1人及び介護職員2人をも

って行うものとし、これらの者のうち1人を当該サービスの提供の責任者とする。ただ

し、利用者の身体の状況が安定していること等から、入浴により利用者の身体の状況等

に支障を生ずるおそれがないと認められる場合においては、主治の医師の意見を確認し

た上で、看護職員に代えて介護職員を充てることができる。

緊急時等の対応

×協力医療機関を定めていない。

×緊急時対応マニュアルはあるが、従業者に周知されていない。

・事業所の都合で、看護職員に代えて介護職員を充てることはできません。

・利用者の身体の状況が安定している等という理由から、入浴により利用者の身体の状況

に支障を生ずるおそれがないと認められる場合においては、主治の医師の意見を確認し

た上で、看護職員に代えて介護職員を充てることができます。

・「主治の医師の意見の確認」については、利用者又は利用者の承諾を得て当該事業者が、

利用者の主治の医師に確認してください。あわせて、利用者の身体の状況等を踏まえて、

次に主治の医師の意見を確認すべき時期についても把握してください。

・主治の医師の意見、その確認方法、日付等について、記録が不足している事例がありま

した。必要な情報は、支援経過表等に必ず記録してください。

・訪問入浴介護の提供を行っているときに利用者の状態が急変した場合には、運営規程に

定められた緊急時の対応方法に基づき、速やかに主治医又は協力医療機関への連絡を行

う必要があります。

・緊急時に円滑な協力を得るため、協力医療機関との間であらかじめ必要な事項を取り決

めておくことが大切です。また、協力医療機関は、事業の通常の実施地域内にあること

が望ましいです。

・緊急時対応マニュアルを作成していたが、事業所内会議や研修で従業者に周知されてお

らず、有効に活用されていなかったため、緊急時の対応に活かされるよう従業者へ周知

徹底するよう指導しました。利用者の主治医や家族の緊急連絡先についても、それを確

認して整備することが目的ではありません。緊急時の対応については、定期的に確認を

行うようにしてください。

40

★基準条例第55条 (◆基準告示第51条)

訪問入浴介護事業者は、現に指定訪問入浴介護の提供を行っているときに利用者に病

状の急変が生じた場合その他必要な場合は、速やかに主治の医師又はあらかじめ当該指

定訪問入浴介護事業者が定めた協力医療機関への連絡を行う等の必要な措置を講じなけ

ればならない。

◇解釈通知第3の二の3の(3)

訪問入浴介護従業者が現に指定訪問入浴介護の提供を行っているときに利用者に病状

の急変が生じた場合その他必要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基

づき速やかに主治医又はあらかじめ当該指定訪問入浴介護事業者が定めた協力医療機関

への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものである。協力医

療機関については次の点に留意するものとする。

① 協力医療機関は、事業の通常の実施地域内にあることが望ましいものであること。

② 緊急時において円滑な協力を得るため、当該協力医療機関との間であらかじめ

必要な事項を取り決めておくこと。

運営規程

★基準条例第57条 (◆基準告示第53条)

指定訪問入浴介護事業者は、指定訪問入浴介護事業所ごとに、次に掲げる事業の運営

についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。

一 事業の目的及び運営の方針

二 従業者の職種、員数及び職務の内容

三 営業日及び営業時間

四 指定訪問入浴介護の内容及び利用料その他の費用の額

五 通常の事業の実施地域

六 サービスの地用に当たっての留意事項

七 緊急時等における対応方法

八 その他運営に関する重要事項

・運営規程は、訪問入浴介護の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な訪問入浴介護

の提供を確保するため、事業所ごとに定めることが義務付けられています。

・「サービスの利用に当たっての留意事項」とは、利用者が訪問入浴介護の提供を受ける

際に、利用者側が留意すべき事項(入浴前の食事の摂取に関すること等)を指します。

利用者の安全なサービス提供のため、必要な内容を盛り込んでください。

41

訪問入浴介護≪報酬に関する事項≫ 利用者の身体の状況等に支障を生ずるおそれがないと認められる場合の取扱い

×利用者の心身の状況が安定していることを主治医に確認し、介護職員3人(介護予防訪

問入浴介護の場合は2人)が訪問入浴介護を提供するとしていた場合に、事業所の都合

で、介護職員の代わりに看護職員を充てた場合について、所定単位数を算定していた。

★基準条例第54条第4項

指定訪問入浴介護の提供は、1階の訪問につき、看護職員1人及び介護職員2人をも

って行うものとし、これらの者のうち1人を当該サービスの提供の責任者とする。ただ

し、利用者の身体の状況が安定していること乙から、入浴により利用者の身体の状況等

に支障を生ずる恐れがないと認められる場合においては、主治の医師の意見を確認した

上で、看護職員に代えて介護職員を充てることができる。

◇解釈通知第2の3(2)抜粋

訪問入浴介護の提供に当たる3人の職員のうち、看護職員が含まれている場合であっ

ても所定単位数に100分の95を乗じて得た単位数が算定されることには変わりがな

いものであること。

利用者の心身の状況により入浴を見合わせた場合の取扱い

×キャンセル等によりサービスを提供しなかった場合にも算定している。

×全身入浴が困難のため清拭や部分浴に変更した場合にも計画どおり算定している。

・利用者の身体の状況が安定していることなどから、入浴により利用者の身体の状況等に

支障を生ずる恐れがないと認められる場合においては、主治の医師の意見を確認した上

で、看護職員に代えて介護職員を充てることができます。

・ただし、その場合報酬算定上では、所定単位数の95/100に相当する単位数を算定

する必要があります。

・また、主治の医師の意見を確認した上で、看護職員に代えて介護職員を充てることがで

きる場合に、3人の介護職員ではなく、2人の介護職員と1名の看護職員がサービス提

供に当たった場合も、同様に所定単位数の95/100に相当する単位数を算定するこ

とになります。

・訪問入浴介護費は、実際に入浴を行った場合に算定の対象となり、入浴を見合わせた場

合には算定できません。ただし、利用者の希望により、清拭、部分浴を実施した場合に

は、所定単位数に100分の70を乗じて得た単位数を算定できます。

・訪問入浴介護の提供に当たっては、利用者の心身の状況により、「清拭」又は「部分浴

(洗髪、陰部、足部等)」を実施するなど、適切なサービス提供に努めてください。

42

◇解釈通知第2の3(3)

実際に入浴を行った場合に算定の対象となり、入浴を見合わせた場合には算定できな

い。ただし、利用者の希望により清拭、部分浴を実施した場合には、所定単位数に10

0分の70を乗じて得た単位数を算定できる。

訪問入浴介護と訪問介護の同時利用

×訪問入浴介護を行っている時間帯に、別の訪問介護事業所の訪問介護員が生活援助を提

供している。

▲介護報酬に係るQ&A(vol.2)(平成 15年6月 30 日発出)

問3 訪問入浴介護と訪問介護の同時利用

利用者は同一時間帯にひとつの訪問サービスを利用することを原則とする。ただし、

例えば、家庭の浴槽で全身入浴の介助をする場合など、訪問介護と訪問看護、又は訪

問介護と訪問リハビリテーションを、同一利用者が同一時間帯に利用する場合は、利

用者の心身の状況は介護の内容に応じて、同一時間帯に利用することが介護のために

必要があると認められる場合に限り、それぞれのサービスについてそれぞれの所定単

位数が算定される。

訪問入浴介護は看護職員1人と介護職員2人の3人体制による入浴介助を基本とし

ており、当該訪問入浴介護従業者とは別の訪問介護員等が同一時間帯に同一利用者に

対して入浴その他の介助を行った場合には別に訪問介護費を算定できない。

指定訪問入浴介護事業所と同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物に居住する利

用者に対する取扱い

×有料老人ホームに併設された訪問介護事業所が、当該有料老人ホームの入居者にサービ

スを提供していたが、減算していなかった。

×サービス付き高齢者向け住宅と、行き来が容易な敷地に隣接した場所に所在している訪

問介護事業所が、当該サービス付き高齢者向け住宅の入居者にサービスを提供していた

が、減算していなかった。

・サービス内容は、利用者の希望を踏まえて変更する必要があります。訪問時には利用者

の心身の状況を十分に観察し、利用者の希望や看護職員の判断について、サービスの提

供の記録等に残すようにしてください。

・利用者は同一時間帯にひとつの訪問サービスを利用することを原則とします。訪問入浴

介護により入浴を行っている時間帯に、訪問介護による「家事援助」の提供を受けるな

ど、同一時間帯に異なるサービスを提供することは基本的に認められません。

43

・訪問入浴介護事業所と同一敷地内若しくは隣接する敷地内の建物、若しくは同一建物に

居住する利用者にサービスを提供する場合は、所定単位数の100分の90に相当する

単位数を算定してください。

・離れた場所にある建物についても、同一の建物に1月当たりの利用者が20人以上居住

する場合は、同様に減算の対象となります。

・減算の対象となる建物は、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービ

ス付き高齢者向け住宅の4種類です。なお、有料老人ホームについては、未届けであっ

ても実態が備わっていれば、有料老人ホームの要件に該当するものと判断され、当該集

合住宅減算の対象となります。

・上記の要件を満たしている場合には、自主的に減算してください。実地指導等で確認さ

れた場合には、過誤調整の対象となります。

◇解釈通知第ニの2(11)①及び②

① 同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物の定義

「同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物」とは、当該指定訪問介護事業所と構

造上又は外形上、一体的な建築物(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、

サービス付き高齢者向け住宅に限る。以下「有料老人ホーム等」という。)及び同一敷地

内並びに隣接する敷地(当該指定訪問介護事業所と有料老人ホーム等が道路等を挟んで

設置している場合を含む。)にある建築物のうち効率的なサービス提供が可能なものを指

すものである。具体的には、一体的な建築物として、当該建物の1階部分に指定訪問介

護事業所がある場合や当該建物と渡り廊下でつながっている場合など、同一の敷地内若

しくは隣接する敷地内の建物として、同一敷地内にある別棟の建築物や幅員の狭い道路

を挟んで隣接する場合などが該当するものであること。

② 同一の建物に20人以上居住する建物の定義

イ 「当該指定訪問介護事業所における利用者が同一建物に20人以上居住する建物」

とは、①に該当するもの以外の有料老人ホーム等を指すものであり、当該有料老人ホ

ーム等に当該指定訪問介護事業所の利用者が20人以上居住する場合に該当し、同一

敷地内にある別棟の建物や道路を挟んで隣接する建物の利用者数を合算するものでは

ない。

ロ この場合の利用者数は、1月間(暦月)の利用者数の平均を用いる。この場合、1

月間の利用者の数の平均は、当該月における1日ごとの該当する建物に居住する利用

者の合計を、当該月の日数で除し得て得た値とする。この平均利用者数の算定に当た

っては、小数点以下を切り捨てるものとする。