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1 編 共通対策編 1 章 総則 1 節 総則 ページ 1 第1編 共通対策編 1総則 1総則 本編は、風水害対策及び震災対策に関わる計画について定めたものである。また、南海ト ラフ地震防災対策推進計画編、特殊災害対策編に共通する事項を定めるものとする。 1. 町地域防災計画の目的 この計画は、災害対策基本法(昭和 36 年法律第 223 号)第 42 条の規定に基づき、町の 地域に係る暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地 滑り等の災害対策に関し、おおむね以下の事項について定め、総合的な防災行政の推進を図 るものである。 (1) 町及び町の区域内の公共的団体その他防災上重要な施設の管理者の処理すべき事務又は 業務の大綱 (2) 防災施設の新設又は改良、防災のための調査研究、教育及び訓練その他の災害予防、情 報の収集及び伝達、災害に関する予報又は警報の発令及び伝達、避難、消火、水防、救難、 救助、衛生その他の災害応急対策並びに災害復旧に関する事項別の計画 (3) 災害に関する前号に掲げる措置に要する労務、施設、設備、物資、資金等の整備、備蓄、 調達、配分、輸送、通信等に関する計画 (4) その他、防災に関し町防災会議が必要と認める事項 2. 計画の基本方針 2.1 基本的考え方 平成 23 3 11 日に発生した東日本大震災では、従来の想定を超える大規模災害が発生 し得ること、災害に完全に対応することは困難であること、災害の被害を軽減させる減災が 重要であることが明らかとなった。 防災に関しては平常時からの備えが重要であるとの観点から、町では住民の防災意識の向 上を図るとともに、「自助」、「共助」、「公助」の適切な役割分担のもと防災対策を推進する ことで、災害に強い地域づくりを目指す。 また、災害応急対策においては、県をはじめとする関係機関との連絡、協力体制を踏まえ た計画とする。 2.2 地域防災計画の見直し等 本計画は、毎年検討を加え、必要があると認められるときは修正する。また、本計画を実 効あるものとするため、各対策の実施状況を確認し、必要に応じて各種マニュアル、必要な 下位計画等の整備を図る。

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  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 1 節 総則

    ページ 1

    第1編 共通対策編

    第1章 総則

    第1節 総則

    本編は、風水害対策及び震災対策に関わる計画について定めたものである。また、南海ト

    ラフ地震防災対策推進計画編、特殊災害対策編に共通する事項を定めるものとする。

    1. 町地域防災計画の目的

    この計画は、災害対策基本法(昭和 36 年法律第 223 号)第 42 条の規定に基づき、町の

    地域に係る暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地

    滑り等の災害対策に関し、おおむね以下の事項について定め、総合的な防災行政の推進を図

    るものである。

    (1) 町及び町の区域内の公共的団体その他防災上重要な施設の管理者の処理すべき事務又は

    業務の大綱

    (2) 防災施設の新設又は改良、防災のための調査研究、教育及び訓練その他の災害予防、情

    報の収集及び伝達、災害に関する予報又は警報の発令及び伝達、避難、消火、水防、救難、

    救助、衛生その他の災害応急対策並びに災害復旧に関する事項別の計画

    (3) 災害に関する前号に掲げる措置に要する労務、施設、設備、物資、資金等の整備、備蓄、

    調達、配分、輸送、通信等に関する計画

    (4) その他、防災に関し町防災会議が必要と認める事項

    2. 計画の基本方針

    2.1 基本的考え方

    平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災では、従来の想定を超える大規模災害が発生

    し得ること、災害に完全に対応することは困難であること、災害の被害を軽減させる減災が

    重要であることが明らかとなった。

    防災に関しては平常時からの備えが重要であるとの観点から、町では住民の防災意識の向

    上を図るとともに、「自助」、「共助」、「公助」の適切な役割分担のもと防災対策を推進する

    ことで、災害に強い地域づくりを目指す。

    また、災害応急対策においては、県をはじめとする関係機関との連絡、協力体制を踏まえ

    た計画とする。

    2.2 地域防災計画の見直し等

    本計画は、毎年検討を加え、必要があると認められるときは修正する。また、本計画を実

    効あるものとするため、各対策の実施状況を確認し、必要に応じて各種マニュアル、必要な

    下位計画等の整備を図る。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 1 節 総則

    ページ 2

    3. 計画の構成

    本計画は、以下のような構成をとるものとする。

    第 1 編 共通対策編

    第 2 編 南海トラフ地震防災対策推進計画編

    第 3 編 特殊災害対策編

    第 4 編 資料編

    【1.1.1.1 計画の構成】

    川南町地域防災計画

    総 則 第 1 章

    災害応急対策計画 第 3 章

    災 害 予 防 計 画 第 2 章

    災害復旧計画・復興計画 第 4 章

    共 通 対 策 編 第 1 編

    津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助

    第 3 章

    関係者との連絡協力

    の 確 保

    第 4 章

    特 殊 災 害 対 策 編 第 3 編

    南海トラフ地震防災対策推進計画編 第 2 編

    計 画 の 趣 旨 第 1 章

    地震津波に関する備え 第 2 章

    火 山 災 害 対 策 第 1 章

    海 上 災 害 対 策 第 2 章

    航 空 災 害 対 策 第 3 章

    鉄 道 災 害 対 策 第 4 章

    道 路 災 害 対 策 第 5 章

    危険物等災害対策 第 6 章

    大規模な火事災害対策 第 7 章

    林 野 火 災 対 策 第 8 章

    原 子 力 災 害 対 策 第 9 章

    資 料 編 第 4 編

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 1 節 総則

    ページ 3

    4. 用語の定義

    この計画において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところに

    よるものとする。

    基本法 : 災害対策基本法(昭和 36 年法律第 223 号)をいう。

    救助法 : 災害救助法(昭和 22 年法律第 118 号)をいう。

    防災計画 : 川南町地域防災計画をいう。

    県防災計画 : 基本法第 40 条に基づき宮崎県防災会議が作成した宮崎県地域

    防災計画をいう。

    県災対本部 : 基本法第 23 条の 2 に基づき設置する宮崎県災害対策本部をい

    う。

    県地方支部 : 県地域防災計画に基づき地方に設置する宮崎県災害対策本部

    東児湯地方支部をいう。

    町災対本部 : 基本法第 23 条の 2 に基づき設置する川南町災害対策本部をい

    う。

    県本部長 : 宮崎県災害対策本部長をいう。

    本部長 : 川南町災害対策本部長をいう。

    防災関係機関 : 町、県、指定地方行政機関、指定公共機関、指定地方公共機

    関、公共的団体及び防災上重要な施設の管理者をいう。

    その他の用語については、災害対策基本法の例による。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 2 節 防災関係機関の実施責任と処理すべき業務の大綱

    ページ 4

    第2節 防災関係機関の実施責任と処理すべき業務の大綱

    1. 各機関の実施責任

    町防災会議の組織、所掌事務及び運営については、基本法、町防災会議条例の定めるとこ

    ろによるものとする。

    1.1 所掌事務

    町防災会議の所掌事務は、おおむね次のとおりとする。

    (1) 防災計画を作成し、その実施を推進すること。

    (2) 町に係る災害が発生した場合に、災害に関する情報を収集すること。

    (3) 災害予防、災害応急対策、災害復旧及び復興に関し、町並びに関係機関相互の連絡調整

    を図ること。

    (4) その他、法令に基づきその権限に属する事務

    1.2 組織

    防災会議の組織は、表のとおりとする。

    【1.1.1.2 防災会議の組織】

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 2 節 防災関係機関の実施責任と処理すべき業務の大綱

    ページ 5

    2. 処理すべき事務又は業務の大綱(県防引用)

    町、町の地域を管轄する指定地方行政機関、県、指定公共機関、指定地方公共機関及び公

    共的団体その他防災上重要な施設の管理者の処理すべき事務又は業務の大綱は、おおむね次

    のとおりである。

    2.1 町

    【災害予防】

    ① 防災会議に関する事務に関すること。

    ② 防災対策組織の整備に関すること。

    ③ 防災施設の整備に関すること。

    ④ 防災に関する教育訓練の実施に関すること。

    ⑤ 県及び防災関係機関との連絡調整に関すること。

    ⑥ 防災に必要な資機材等の整備、備蓄に関すること。

    ⑦ 生活必需品、応急食料等の備蓄に関すること。

    ⑧ 給水体制の整備に関すること。

    ⑨ 管内における公共的団体及び自主防災組織の育成指導に関すること。

    ⑩ 災害危険区域の把握に関すること。

    ⑪ 各種災害予防事業の推進に関すること。

    ⑫ 防災知識の普及に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 水防・消防等応急対策の実施に関すること。

    ② 災害に関する情報の収集、伝達及び被害調査に関すること。

    ③ 避難の指示・勧告及び避難者の誘導並びに避難所の開設に関すること。

    ④ 災害時における文教、保健衛生に関すること。

    ⑤ 災害広報の実施に関すること。

    ⑥ 被災者の救難、救助その他の保護に関すること。

    ⑦ 復旧資機材の確保に関すること。

    ⑧ 災害対策要員の確保・動員に関すること。

    ⑨ 災害時における交通、輸送の確保に関すること。

    ⑩ 防災関係機関が実施する災害対策の調整に関すること。

    ⑪ 地域安全対策の実施に関すること。

    【災害復旧】

    ① 公共土木施設、農地、農林水産用施設等の新設、改良及び災害復旧に関すること。

    ② 災害弔慰金・災害障害見舞金の給付及び災害援護資金の貸付けに関すること。

    ③ 公的徴収金の猶予、減免措置に関すること。

    ④ 義援金品の受領、配分に関すること。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 2 節 防災関係機関の実施責任と処理すべき業務の大綱

    ページ 6

    2.2 県

    (1) 県

    【災害予防】

    ① 防災会議に係る事務に関すること。

    ② 県災対本部等防災対策組織の整備に関すること。

    ③ 防災施設の整備に関すること。

    ④ 防災に係る教育、訓練に関すること。

    ⑤ 国、市町村及び防災関係機関との連絡調整に関すること。

    ⑥ 防災に必要な資機材等の整備、備蓄に関すること。

    ⑦ 食料、飲料水、その他生活必需品の備蓄に関すること。

    ⑧ 危険物施設の保安確保に必要な指導、助言及び立入り検査に関すること。

    ⑨ 地下街等の保安確保に必要な指導、助言に関すること。

    ⑩ 防災行政無線通信施設の整備と通信の確保に関すること。

    ⑪ 防災知識の普及に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 災害予警報等情報の収集・伝達に関すること。

    ② 市町村の実施する被災者の救助の応援及び調整に関すること。

    ③ 被災児童・生徒等に対する応急教育の実施に関すること。

    ④ 救助法の適用に関すること。

    ⑤ 災害時の防疫その他保健衛生に関すること。

    ⑥ 水防管理団体の実施する水防活動及び市町村の実施する消防活動に対する指示、調整

    に関すること。

    ⑦ 公共土木施設、農地及び農林水産用施設等に対する応急措置に関すること。

    ⑧ 農産物、家畜、林産物及び水産物に対する応急措置に関すること。

    ⑨ 緊急通行車両の確認及び確認証明書の交付に関すること。

    ⑩ 自衛隊の災害派遣要請に関すること。

    ⑪ 県管理港湾施設等の維持管理及び障害物等の除去に関すること。

    ⑫ 地域安全対策に関すること。

    【災害復旧】

    ① 公共土木施設、農地及び農林水産用施設等の新設、改良及び災害復旧に関すること。

    ② 物価の安定に関すること。

    ③ 義援金品の受領、配分に関すること。

    ④ 災害復旧資材の確保に関すること。

    ⑤ 災害融資等に関すること。

    (2) 児湯農林振興局

    【災害予防・災害応急対策】

    ① 農作物、農地、農業施設、園芸、家畜及び林産物等の災害対策並びにこれらの指導に

    関すること。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 2 節 防災関係機関の実施責任と処理すべき業務の大綱

    ページ 7

    (以下、県災対本部地方支部としての業務大綱)

    ② 町への職員派遣による情報収集を含む、町の被害概況の把握と県災対本部への伝達

    ③ 町で発見した災害情報を受報した場合の県への伝達

    ④ 物資集積場所への職員派遣

    ⑤ ヘリコプター離発着場の使用可能状況の把握と県災対本部への報告

    ⑥ 総合相談窓口及び出張相談所の設置・開設

    (3) 高鍋土木事務所

    【災害予防】

    ① 所轄に係る施設の災害予防に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 災害時における応急対策に関すること。

    ② 災害復旧対策及びこれらの指導に関すること。

    (4) 高鍋保健所

    【災害予防・災害応急対策】

    ① 災害時における医療、助産及び救護の指導調整に関すること。

    ② 災害時における防疫及び食品等の衛生保持並びに清掃の指導に関すること。

    (5) 児湯福祉事務所

    【災害予防・災害応急対策】

    ① 救助法の適用に関する指導に関すること。

    ② 災害救助の連絡調整に関すること。

    (6) 中部港湾事務所

    【災害予防】

    ① 所管に係る施設の災害予防に関すること。

    【災害応急対策・災害復旧】

    ① 災害時応急対策及び災害復旧対策並びにこれらの指導に関すること。

    (7) 高鍋警察署

    【災害応急対策】

    ① 災害時における住民の生命、身体及び財産の保護に関すること。

    ② 災害時における社会秩序の維持及び交通に関すること。

    2.3 指定地方行政機関

    (1) 林野庁 九州森林管理局 西都児湯森林管理署

    【災害予防】

    ① 国有保安林・治山施設の整備に関すること。

    ② 林野火災予防体制の整備に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 林野火災対策の実施に関すること。

    ② 災害対策用材の供給に関すること。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 2 節 防災関係機関の実施責任と処理すべき業務の大綱

    ページ 8

    【災害復旧】

    ① 復旧対策用材の供給に関すること。

    (2) 国土交通省 九州地方整備局 宮崎河川国道事務所

    【災害応急対策】

    ① 洪水予報の発表及び伝達に関すること。

    ② 水防活動の指導に関すること。

    ③ 災害時における交通規制及び輸送の確保に関すること。

    ④ 災害広報の実施に関すること。

    ⑤ 港湾、港湾区域内における災害対策の技術指導に関すること。

    ⑥ 緊急物資及び人員輸送活動に関すること。

    ⑦ 海上の流出油に対する防除措置に関すること。

    【災害復旧】

    ① 被災公共土木施設の復旧事業の推進に関すること。

    ② 港湾、海岸保全施設等の応急工法の指導に関すること。

    (3) 国土交通省 九州運輸局 宮崎運輸支局

    【災害応急対策】

    ① 災害時における陸上輸送の調査及び指導に関すること。

    ② 災害時における自動車輸送事業者に対する運送命令に関すること。

    (4) 気象庁 宮崎地方気象台

    【災害予防】

    ① 防災気象知識の普及及び指導に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 気象、地象(地震にあっては、発生した断層運動による地震動に限る)(地震・火山

    現象を除く)、水象の予報、警報の発表及び通報に関すること。

    ② 地震情報の発表及び通報に関すること。

    ③ 災害発生時における気象、地象、水象観測資料の提供に関すること。

    (5) 海上保安庁 宮崎海上保安部 日向海上保安署

    【災害予防】

    ① 海上災害に関する防災訓練及び啓発指導に関すること。

    ② 排出油防除資機材の整備及び油防除組織の育成指導に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 避難の援助及び勧告並びに警報等の伝達に関すること。

    ② 海難の救助及び危険物等の海上排出対策の実施に関すること。

    ③ 人員及び救助物資の緊急海上輸送に関すること。

    ④ 海上交通の安全確保及び海上の治安の維持に関すること。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 2 節 防災関係機関の実施責任と処理すべき業務の大綱

    ページ 9

    2.4 指定公共機関

    (1) 日本郵便株式会社(川南郵便局、塩付郵便局、番野地郵便局、十文字簡易郵便局、川南

    港簡易郵便局)

    【災害応急対策】

    ① 災害時における郵便事業に係る災害特別事務取扱い及び援護対策の実施に関すること。

    ② 災害時における郵便事業運営の確保に関すること。

    ③ 災害時における郵便局窓口業務の確保に関すること。

    (2) 九州旅客鉄道株式会社(JR 川南駅)

    【災害予防】

    ① 鉄道施設の防火管理に関すること。

    ② 輸送施設の整備等安全輸送の確保に関すること。

    ③ 災害時における緊急輸送体制の整備に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 災害時における鉄道車両等による救援物資、避難者等の緊急輸送に関すること。

    (3) 西日本電信電話株式会社(NTT 宮崎支店)

    【災害予防】

    ① 電気通信設備の整備と防災管理に関すること。

    ② 応急復旧用通信施設の整備に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 津波警報、気象警報の伝達に関すること。

    ② 災害時における災害非常電話の調整に関すること。

    ③ 災害関係電報、電話料金の減免に関すること。

    (4) 日本赤十字社宮崎県支部

    【災害予防】

    ① 災害医療体制の整備に関すること。

    ② 災害医療用薬品等の備蓄に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 災害時における医療助産等救護活動の実施に関すること。

    ② 避難所での活動、義援金品の募集、配分等の協力に関すること。

    (5) 九州電力株式会社(高鍋営業所)

    【災害予防】

    ① 電力施設の整備と防災管理に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 災害時における電力の供給確保に関すること。

    2.5 指定地方公共機関

    (1) 児湯医師会

    【災害予防・災害応急対策】

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 2 節 防災関係機関の実施責任と処理すべき業務の大綱

    ページ 10

    ① 災害時における医療救護・助産の実施に関すること。

    ② 負傷者に対する医療活動の実施に関すること。

    2.6 公共的団体

    (1) 尾鈴農業協同組合、川南町漁業協同組合、町商工会

    【災害予防・災害応急対策】

    ① 町が行う被害状況調査及び応急対策への協力に関すること。

    ② 被災組合員に対する融資の斡旋に関すること。

    2.7 東児湯消防組合

    【災害予防】

    ① 防災に関する教育訓練の実施に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 災害時における出動及び消防団指導に関すること。

    2.8 自衛隊

    【災害予防】

    ① 災害派遣計画の作成に関すること。

    ② 防災計画に関する訓練の参加協力に関すること。

    【災害応急対策】

    ① 災害時における人命救助、応急対策等の支援に関すること。

    3. 住民の責務

    防災対策の確立には、「自助」、「共助」、「公助」の適切な役割分担が重要であり、基本法

    の平成 7 年の改正により、「地方公共団体の住民は、自ら災害に備えるための手段を講ずる

    とともに自発的な防災活動に参加する等、防災に寄与するように努めなければならない(基

    本法第 7 条第 2 項)」と定められた。

    特に「自助」、「共助」の面について、地域の防災力の向上を図るため、住民は、日頃から

    防災に関する知識の習得、家具転倒防止措置、家庭での生活必需品や食糧の備蓄、防災訓練

    への参加など防災対策に必要な活動に努めるものとする。

    また、災害時には避難についての協力、応急措置への協力等防災に寄与するものとする。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 3 節 災害に関する調査等

    ページ 11

    第3節 災害に関する調査等

    1. 風水害に関する調査・研究の推進(県防引用)

    1.1 調査・研究の推進

    風水害の未然防止と被害の軽減に対し、必要となる調査や研究情報収集を積極的に行うと

    ともに、情報提供等を推進するものとする。

    1.2 調査・研究体制の整備

    風水害は、地形、地質、気象などの自然的条件が複雑に絡み合うことにより、多様な災害

    を引き起こす。このため、町、県、指定地方行政機関、指定公共機関、指定地方公共機関、

    公共的団体・防災上重要な施設の管理者(以下、「防災関係機関」という。)は、これらの現

    象を科学的に分析、検討できる調査研究体制の整備に努め、地域に応じた総合的な防災活動

    の実施を図るものとする。

    また、防災関係機関は、防災研究の基礎となる災害記録、防災施設に関する資料、その他

    各種災害に関する資料を収集・分析し、いつでも活用できるよう整備するものとする。

    1.3 調査・研究項目

    以下の項目について調査・研究を実施するものとする。

    (1) 災害の特性と傾向

    (2) 危険地区の実態把握

    (3) 被害の想定

    (4) 災害情報システム(観測システムも含む)

    (5) 救助活動支援システム

    2. 地震及び津波災害に関する調査並びに観測等の推進(県防引用)

    地震・津波による災害は、その災害事象が広範かつ複雑であり、震災対策の推進において

    は、様々な分野からの調査研究が必要となる。

    関係各機関は科学的な調査研究を行い、総合的な地震対策の実施に結びつけて行くことが

    重要である。

    2.1 震災対策に関する調査研究

    災害の発生に地域性、時代性があることは過去の地震・津波災害の実例から明らかである。

    したがって、過去の地震・津波災害の経験を基礎として災害の拡大原因となるものは何か、

    被害を最小限にくいとめる方法は何かを常に調査研究して災害の防止策の向上に努めるもの

    とする。震災対策に関する調査研究事項としては次の事項等が考えられるため、町は県や防

    災関係機関と連携して実施検討に努める。

    (1) 被害想定調査研究

    (2) 地域危険度測定調査

    (3) 津波災害に関する調査研究

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 3 節 災害に関する調査等

    ページ 12

    (4) 地盤の液状化に関する調査研究

    (5) 地震時の出火、延焼に関する調査研究

    (6) 建築物・土木構造物等の耐震性に関する研究

    (7) 震災に伴う社会心理に関する調査研究

    (8) 避難に関する調査研究

    (9) 防災情報システムに関する調査研究

    (10) 地震時における交通確保に関する研究

    (11) 消防活動の充実強化に関する調査研究

    (12) 広域応援・受援に関する研究

    (13) 海上防災に関する調査研究

    3. 位置及び地勢

    本町は宮崎平野の北部に位置し、北緯 32 度 11 分、経度 131 度 31 分である。北は都農町、

    西は木城町、南は高鍋町、東は日向灘に接している。町の面積は 90.12 平方キロメートルと

    なっており、そのうち林野が約 37 パーセント、農用地が約 37 パーセントを占めている。

    町域の大半を標高 100〜50 メートル程度の洪積台地が占め、西の山地から東の海岸部へ

    緩やかに傾斜した地形となっている。都農町との境界付近を名貫川、町の中央部を平田川、

    南部を切原川が流れている。

    また、町は日本有数の開拓地として知られ、生産農業所得(平成 16 年度)は農業産出額

    が全国市町村のうち第 24 位となっており、県内有数の農業基地となっている。また、通浜

    地区には川南漁港がある。

    交通施設としては、町内を南北に海岸沿いを日豊本線、中央部を国道 10 号、西部を県道

    40 号都農綾線、広域農道が通っている。

    災害については、海岸部に集落があるので、津波に対する備えが必要である。

    また、土砂災害については西側の山地の部分及び海岸部で災害危険箇所が多くあり、災害

    の危険性が高い。

    【1.1.3.1 地すべり危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    【1.1.3.2 急傾斜地危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    【1.1.3.3 土石流危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    【1.1.3.4 河川危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    【1.1.3.5 ため池危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    【1.1.3.6 海岸危険箇所】(資料引用:宮崎県)

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 4 節 地震被害想定(県防引用)

    ページ 13

    第4節 地震被害想定(県防引用)

    1. 地震被害

    東日本大震災において、従前には十分に想定し得なかった災害が発生し、海溝型巨大地震

    はその被害が甚大かつ広域化するという特徴も明らかになり、自然現象であるため大きな不

    確実性を伴うが、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大な地震・津波を検討する必要

    があるとして、県は南海トラフ巨大地震(マグニチュード 9 クラス)の想定を行った。

    そこで、町では、県が調査した南海トラフ巨大地震等に伴う被害想定結果を防災計画に反

    映させることで、今後の地震防災対策の基礎とする。

    2. 津波被害

    「共通対策編 第 1 章 第 4 節 3. 3.4 南海トラフ巨大地震の特徴と被害想定の概

    要」を参照。

    3. 想定地震と被害想定

    3.1 日向灘地震の特徴と被害想定の概要

    (1) 地震の特徴

    日向灘から薩南・南西諸島東方沖にかけての領域は、フィリピン海プレートがユーラシ

    アプレートの下に沈み込む境界に位置し、過去十数年~数十年間隔でマグニチュード 7

    クラスの地震が発生しており、地震活動が活発な地域となっている。

    この領域を震源とする日向灘地震は、今後 30 年以内にマグニチュード 7.6 前後の地震

    が 10 パーセント程度、マグニチュード 7.1 前後の地震が 70~80 パーセントで発生する

    とされており、県に大きな被害を及ぼす可能性がある。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 4 節 地震被害想定(県防引用)

    ページ 14

    【1.1.4.1 日向灘地震の想定震源域】(県防引用)

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 4 節 地震被害想定(県防引用)

    ページ 15

    【1.1.4.2 日向灘地震の発生確率】(県防引用)

    マグニチュード7.6前後 マグニチュード7.1前後

    10年以内の発生確率 5%程度 30%~40%

    30年以内の発生確率 10%程度 70%~80%

    50年以内の発生確率 20%程度 80%~90%

    資料:地震調査研究推進本部「活断層及び海溝型地震の長期評価結果一覧(2013 年)」

    (2) 被害想定の概要

    日向灘地震による被害想定は、過去発生した地震等を考慮して、地震の規模を北部、南

    部ともにマグニチュード 7.5 として想定する。

    また、津波については、最大高さが日向灘地震よりも東南海・南海地震の方が高いこと

    から、東南海・南海地震による被害を最大被害として採用している。

    予測される震度分布、被害想定結果の概要は、以下のとおり。

    【1.1.4.3 震度分布(日向灘南部の地震、日向灘北部の地震)】(県防引用)

    【1.1.4.4 被害想定結果(日向灘南部の地震、日向灘北部の地震)】(県防引用)

    震源が県から近いことから揺れによる被害が最も懸念される。特に、日向灘南部地震が

    発生すると、県央・県南を中心に死者が約 880 人、全壊する建物が約 22,600 棟に及ぶと

    想定される。

    また、津波の高さは、東南海・南海地震によるものより低くなるが、震源が近いことか

    ら、地震発生から短時間(早いところで 10 分以内)で到達するおそれがある。

    3.2 えびの・小林地震の特徴と被害想定の概要

    (1) 地震の特徴

    えびの・小林地震の震源域であるえびの市付近は、これまでもたびたび群発的な地震活

    動を繰り返しており、1968 年(昭和 43 年)には、マグニチュード 6.1 のえびの地震が発

    生し、多数の建物被害が発生している。

    えびの・小林地震は、津波の心配はないが、強い揺れや山崩れ等の土砂災害により大き

    な被害が発生する可能性がある。

    (2) 被害想定の概要

    えびの・小林地震による被害想定は、過去発生した地震等を考慮して、地震の規模をマ

    グニチュード 6.5 として想定する。

    予測される震度分布及び被害想定結果の概要は、以下のとおり。

    【1.1.4.5 震度分布(えびの・小林地震)】(県防引用)

    【1.1.4.6 被害想定結果(えびの・小林地震)】(県防引用)

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 4 節 地震被害想定(県防引用)

    ページ 16

    えびの・小林地震が発生すると、震源から近い県央地区に被害が集中し、死者約 110

    人、全壊する建物は約 4,400 棟に及ぶと想定される。

    山間部では、強い揺れにより山崩れなどの土砂災害が多数発生するおそれがある。

    3.3 東南海・南海地震の特徴と被害想定の概要

    (1) 地震の特徴

    静岡県沖から紀伊半島沖を震源とする東南海地震と紀伊半島から四国沖を震源とする南

    海地震は、過去 100~150 年間隔で発生している。直近では昭和 19 年に東南海地震、昭

    和 21 年に南海地震が発生しており、マグニチュード 8 クラスの地震が今世紀前半にも発

    生する可能性がある。

    また、東南海地震と南海地震が同時に発生した場合、強い揺れや津波によって、東海地

    方から九州に至る広域な地域に大きな被害が及ぶと予測されている。

    【1.1.4.7 東南海・南海地震の過去の被害】(県防引用)

    (2) 被害想定の概要

    東南海・南海地震による被害想定は、東南海地震と南海地震の震源域が同時に破壊され

    る場合を対象とし、地震規模はマグニチュード 8.6 として想定する。

    予測される震度分布・被害想定結果の概要は、以下のとおり。

    【1.1.4.8 震度分布(東南海・南海地震)】(県防引用)

    【1.1.4.9 被害想定結果(東南海・南海地震)】(県防引用)

    震源が県から離れているため、揺れによる被害よりも津波による被害が大きくなってい

    る。

    東南海・南海地震が発生した場合、揺れが小さくても予想以上に高い津波が襲来するお

    それがあるので、沿岸部では十分注意が必要である。

    3.4 南海トラフ巨大地震の特徴と被害想定の概要

    (1) 地震の特徴

    静岡県の駿河湾から日向灘まで延びる南海トラフと呼ばれる海溝では、歴史上たびたび

    東南海・南海地震(マグニチュード 8 クラス)や日向灘地震(マグニチュード 7 クラ

    ス)などが発生しており、国は、「東北地方太平洋沖地震」を踏まえ、南海トラフで科学

    的に考えられる最大クラスの地震予測として、南海トラフ内全体でマグニチュード 9 ク

    ラスの地震が発生した場合の震度分布や津波高、各種被害の想定を公表した。

    県では、この国の想定を踏まえながら、県内の現況を可能な限り反映させ、地震・津波

    に関するより詳細な予測を行うとともに、それらに起因する各種被害の想定を行った。

    ① 強震断層モデル

    内閣府の「南海トラフ巨大地震モデル検討会」公表(2012.8)の 4 ケースのうち、

    県に大きな影響を及ぼす「陸側ケース」を選定した。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 4 節 地震被害想定(県防引用)

    ページ 17

    また、日向灘を中心に発生した断層破壊が周辺の領域に影響して広がる、県独自の断

    層モデルとして、県南部沖に強震動生成域を新たに配置したモデルを選定した。

    【1.1.4.10 強震断層モデル】(県防引用)

    ② 津波断層モデル

    内閣府の「南海トラフ巨大地震モデル検討会」公表(2012.8)の 11 ケースのうち、

    県沿岸に大きな影響を及ぼす「ケース④」「ケース⑪」を選定した。

    また、日向灘を中心に発生した断層破壊が、周辺の領域に影響して広がる県独自の断

    層モデルを想定した。

    【1.1.4.11 南海トラフ巨大地震(考えうる最大クラス)】(県防引用)

    (2) 被害想定の概要

    ① 地震動について

    県内に最大クラスの揺れをもたらすと想定される強震断層モデルとして、内閣府の

    「南海トラフの巨大地震モデル検討会」公表(2012.8)の 4 ケースのうち、県に大き

    な影響を及ぼす「陸側ケース」を選定した。

    また、日向灘を中心に発生した断層破壊が、周辺の領域に影響して広がる県独自の断

    層モデルとして、県南部沖に強震動生成域(SMGA※)を新たに配置したモデルを想

    定した。

    ※SMGA とは、「Strong Motion Generation Areas」の略称。より広い領域(対象地

    震の場合、一辺が数十キロメートル程度)からまんべんなく強震動が生成されるとする

    震源モデルである。

    以上の計 2 つのモデルによる地震動の想定結果を重ね合わせて、最大クラスの地震動

    を想定した。

    予測される震度分布は、以下のとおり。

    【1.1.4.12 震度分布(2つのモデルによる地震動)】(県防引用)

    ② 津波浸水について

    県沿岸に最大クラスの津波をもたらすと想定される津波断層モデルとして、内閣府の

    「南海トラフの巨大地震モデル検討会」公表(2012.8)の 11 ケースのうち、県沿岸に

    大きな影響を及ぼす「ケース④」「ケース⑪」を選定した。

    また、日向灘を中心に発生した断層破壊が周辺の領域に影響して広がる、県独自の断

    層モデルを想定した。

    以上の計 3 つのモデルによる津波の想定結果を重ね合わせて、最大クラスの津波を想

    定した。

    予測される津波浸水想定は、以下のとおり。

    【1.1.4.13 津波浸水想定】(県防引用)

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    第 4 節 地震被害想定(県防引用)

    ページ 18

    ③ 被害想定について

    県内に影響の大きい 2 つのケースについて、各種想定を行った。

    【想定ケース①】

    内閣府(2012)が設定した強震断層モデル(陸側ケース)及び津波断層モデル(ケ

    ース⑪)を用いて、県独自に再解析した地震動・津波浸水の想定結果に基づくケース

    【想定ケース②】

    県独自に設定した強震断層モデル・津波断層モデルによる地震動及び津波浸水の想定

    結果に基づくケース

    【1.1.4.14 最大深度及び最大津波高】(県防引用)

    (最大震度及び最大津波高)

    最大震度(県内) 最大津波高(県内)

    震度7 17m

    【1.1.4.15 被害想定】(県防引用)

    (被害想定)

    想定ケース① 想定ケース②

    建物被害(全壊棟数)

    約83,000棟 約89,000棟 約88,000棟

    人的被害(死者数)

    約42,000人 約35,000人 約28,000人

    項目内閣府の想定(2012.8公表)

    県の想定

    (3) 町の被害について

    ① 建物被害

    揺れによる建物被害は、想定ケース①の場合、町で全壊約 3,200 棟、半壊約 2,400 棟

    である。県内全域で全壊約 50,000 棟、半壊約 76,000 棟、詳細については、以下のと

    おり。

    【1.1.4.16 想定ケース①②冬 18 時(建物被害)】(資料引用:宮崎県)

    ② 人的被害(死傷者数)

    建物倒壊による人的被害は想定ケース、季節・時間によって違いがある。想定ケース

    ①の冬深夜の場合、町では建物倒壊で死者約 210 人、負傷者約 860 人である。県内全

    域で死者約 3,700 人、負傷者約 20,000 人、詳細については、以下のとおり。

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    第 1 章 総則

    第 4 節 地震被害想定(県防引用)

    ページ 19

    【1.1.4.17 想定ケース①②(人的被害 死傷者数)】(資料引用:宮崎県)

    ③ 人的被害(要救助者数)

    揺れによる建物倒壊に伴う要救助者は想定ケース①の冬 18 時の場合、町では約 370

    人、県内全域で約 9,300 人、詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.18 想定ケース①②(人的被害 要救助者数)】(資料引用:宮崎県)

    ④ ライフライン被害(上水道)

    上水道の断水率は想定ケース①の場合、被害直後の町では給水人口約 16,000 人のう

    ち、断水人口は約 16,000 人で断水率はほぼ 100 パーセントである。県内全域で給水人

    口約 1,094,000 人、断水人口約 1,051,000 人、断水率は 96 パーセントとなり、被災 1

    か月後の町における断水人口は約 5,900 人で断水率は 37 パーセント、県内全域で断水

    人口約 249,000 人、断水率は 23 パーセントとなっている。詳細については、以下のと

    おり。

    【1.1.4.19 想定ケース①②(ライフライン被害 上水道)】(資料引用:宮崎県)

    ⑤ ライフライン被害(下水道)

    下水道の機能支障率は想定ケース①の場合、被害直後の町では処理人口約 4,700 人の

    うち、支障人口は約 4,600 人で機能支障率は 99 パーセントである。県内全域で処理人

    口約 677,000 人、支障人口約 644,000 人、機能支障率は 95 パーセントとなり、被災 1

    か月後の町における支障人口は約 850 人で機能支障率は 18 パーセント、県内全域で支

    障人口約 299,000 人、機能支障率は 44 パーセントとなっている。詳細については、以

    下のとおり。

    【1.1.4.20 想定ケース①②(ライフライン被害 下水道)】(資料引用:宮崎県)

    ⑥ ライフライン被害(電力)

    電力の機能支障率は想定ケース①の場合、被害直後の町では電灯軒数約 8,000 軒のう

    ち、停電軒数は約 7,900 軒で停電率は 99 パーセントである。県内全域で電灯軒数約

    590,000 軒、停電軒数約 534,000 軒、機能支障率は 91 パーセントとなり、被災 1 か月

    後で町では停電軒数約 610 軒で停電率は 8 パーセント、県内全域で停電軒数約 54,000

    軒、停電率は 9 パーセントとなっている。詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.21 想定ケース①②(ライフライン被害 電力)】(資料引用:宮崎県)

    ⑦ ライフライン被害(通信)

    ア 固定電話

    固定電話の不通回線率は想定ケース①の場合、被害直後の町では回線数約 5,800 回

    線のうち、不通回線数は約 5,700 回線で不通回線率は 98 パーセントである。県内全

    域で回線数約 372,000 回線、不通回線数約 338,000 回線、不通回線率は 91 パーセン

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 4 節 地震被害想定(県防引用)

    ページ 20

    トとなり、被災 1 か月後で町では不通回線数は約 140 回線で不通回線率は 2 パーセ

    ント、県内全域で不通回線数 25,000 回線、不通回線率は 7 パーセントとなっている。

    イ 携帯電話

    携帯電話の不通ランクは想定ケース①の場合、被害直後の町では停波基地局率 14

    パーセントで不通ランクは A、県内全域で停波基地局率は 13 パーセントで不通ラン

    クは A である。被災 1 週間後で町では停波基地局率 22 パーセントで不通ランク外、

    県内全域で停波基地局率は 22 パーセントで不通ランク外となっている。詳細につい

    ては、以下のとおり。

    【1.1.4.22 想定ケース①②(ライフライン被害 通信)】(資料引用:宮崎県)

    ⑧ 交通施設被害

    津波浸水域外被害(箇所)は想定ケース①の場合、町では約 30 箇所、県内全域で数

    約 1,100 箇所となっている。詳細については以下のとおり。

    【1.1.4.23 想定ケース①②(交通施設被害)】(資料引用:宮崎県)

    ⑨ 鉄道施設被害

    津波浸水域被害(箇所)は想定ケース①の場合、日豊本線では約 100 箇所、津波浸

    水域外被害(箇所)は想定ケース①の場合、日豊本線では約 260 箇所、計約 660 箇所

    となっている。詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.24 想定ケース①②(鉄道施設被害)】(資料引用:宮崎県)

    ⑩ 生活への影響(避難者)

    避難者の数は想定ケース①の場合、被災 1 日後の町では避難者数約 7,200 人でそのう

    ち、避難所に約 4,400 人、避難所外に約 2,800 人、県内全域では避難者数約 333,000

    人でその内避難所に約 211,000 人、避難所外に約 122,000 人である。被災 1 か月後で

    町では約 9,800 人でその内、避難所に約 2,900 人、避難所外に約 6,900 人、県内全域で

    は避難者数約 383,000 人でその内避難所に約 115,000 人、避難所外に約 268,000 人と

    なっている。詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.25 想定ケース①②(生活への影響 避難者)】(資料引用:宮崎県)

    ⑪ 生活への影響(帰宅困難者)

    帰宅困難者の数は想定ケース①、②の場合共に、町では就業者、通学者数が約 6,000

    人で帰宅困難者が約 850 人である。県内全域では就業者、通学者数が約 479,000 人で

    帰宅困難者が約 45,000 人となっている。詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.26 想定ケース①②(生活への影響 帰宅困難者)】(資料引用:宮崎県)

    ⑫ 生活への影響(物資需要量)

    必要とする物資の需要量は想定ケース①の場合、被災 1 日後の町では食糧約 16,000

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    第 4 節 地震被害想定(県防引用)

    ページ 21

    食、飲料水約 47,000 リットル、毛布約 9,000 枚、県内全域では食糧約 760,000 食、飲

    料水約 2,783,000 リットル、毛布約 371,000 枚である。被災 1 か月後の町では食糧約

    11,000 食、飲料水約 18,000 リットル、毛布約 4,400 枚、県内全域では食糧約 414,000

    食、飲料水約 748,000 リットル、毛布約 177,000 枚となっている。詳細については、

    以下のとおり。

    【1.1.4.27 想定ケース①②(生活への影響 物資需要量)】(資料引用:宮崎県)

    ⑬ 生活への影響(医療機能)

    医療需要は想定ケース①の場合、町では要入院約 700 人、要外来約 390 人、県内全

    域では要入院約 20,000 人、要外来約 12,000 人となっている。詳細については、以下

    のとおり。

    【1.1.4.28 想定ケース①②(生活への影響 医療機能)】(資料引用:宮崎県)

    ⑭ 産業廃棄物等

    産業廃棄物は想定ケース①の場合、町では約 20 トン、県内全域では約 750 トンとな

    っている。詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.29 想定ケース①②(産業廃棄物等)】(資料引用:宮崎県)

    ⑮ その他の被害(要配慮者)

    要配慮者の避難者の数は想定ケース①の場合、被災 1 日後の町では避難者数約 2,000

    人でそのうち、避難所に約 1,200 人、避難所外に約 790 人、県内全域では避難者数約

    73,000 人でその内避難所に約 47,000 人、避難所外に約 27,000 人である。被災 1 か月

    後で町では約 2,700 人でその内、避難所に約 820 人、避難所外に約 1,900 人、県内全

    域では避難者数約 84,000 人でその内避難所に約 25,000 人、避難所外に約 59,000 人と

    なっている。詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.30 想定ケース①②(その他の被害 要配慮者)】(資料引用:宮崎県)

    ⑯ その他の被害(要配慮者の内訳)

    要配慮者の内訳は想定ケース①の場合、町では 65 歳以上の単身高齢者約 580 人、身

    体障害者約 280 人、県内全域では 65 歳以上の単身高齢者約 12,000 人、身体障害者約

    13,000 人となっている。詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.31 想定ケース①②(その他の被害 要配慮者 1 週間後の避難所避難者に占め

    る)】(資料引用:宮崎県)

    ⑰ その他の被害(孤立集落)

    孤立集落は想定ケース①の場合、町では農業集落 1 箇所、総数 1 箇所、県内全域で

    は農業集落 34 箇所、総数 575 箇所となっている。詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.32 想定ケース①②(その他の被害 孤立集落)】(資料引用:宮崎県)

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    第 4 節 地震被害想定(県防引用)

    ページ 22

    ⑱ 経済被害(資産等の被害)

    建物被害額は想定ケース①の場合、県内全域で 3 兆 4 千億円となっている。詳細に

    ついては、以下のとおり。

    【1.1.4.33 想定ケース①②(経済被害 資産等の被害)】(資料引用:宮崎県)

    ⑲ 経済被害(生産・サービス低下による影響)

    農林水産業に対する影響は想定ケース①の場合、県内全域で 1 兆 6 千億円となって

    いる。詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.34 想定ケース①②(経済被害 生産・サービス低下による影響)】(資料引用:

    宮崎県)

    ⑳ 経済被害(交通寸断による影響)

    交通寸断による道路の人流の影響は、想定ケース①の復旧完了までに 1 か月の場合、

    県内全域で 110 億円となっている。詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.35 想定ケース①②(経済被害 交通寸断による影響)】(資料引用:宮崎県)

    3.5 減災に向けた大規模地震等減災計画の策定

    県においては、日向灘地震やえびの小林地震、東南海・南海地震に加え、最大クラスとし

    て想定される南海トラフ巨大地震・津波により、甚大な人的被害、建物被害、土木施設等被

    害、ライフライン被害等が発生する危険性を有している。

    このため、県においてはこれらの地震・津波による被害を軽減することを目的とした

    「新・宮崎県地震減災計画」を策定し、関係機関、住民等と一体となって効率的かつ効果的

    な地震・津波防災対策を推進するものとしている。

    (1) 計画の概要

    ① 減災目標

    県内の建物の耐震化率を現行(71 パーセント~87 パーセント)から 90 パーセント

    へ高め、津波からの早期避難率(すぐに避難する人の割合)を 20 パーセントから 70

    パーセントへ高めることにより県内における人的被害が約 35,000 人から約 8,600 人に、

    町内における人的被害が約 620 人から約 120 人に軽減できるほか、避難場所の確保や

    避難訓練の実施、広域連携の推進など各種対策にも取り組むことにより、更に被害を軽

    減していくことを目標とする。

    ② 目標達成のための取組

    減災目標を達成するために取り組むべき主な内容は次のとおりとする。

    【1.1.4.36 想定ケース①②(減災効果 死傷者数)】(資料引用:宮崎県)

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    第 4 節 地震被害想定(県防引用)

    ページ 23

    ア 住民防災力の向上

    イ 住宅・建築物の耐震化、居住空間内の安全確保

    ウ 外部空間における安全確保対策の充実

    エ 津波対策の推進

    オ 被災者の救助・救命対策

    カ 県、市町村の防災体制の充実、広域連携体制の確立

    (2) 減災効果

    ① 減災効果(全半壊棟数)

    現状の建物の耐震化率は 71 パーセント~87 パーセント、想定ケース①の場合、町で

    全壊約 3,200 棟、半壊約 2,400 棟であるが、耐震化率 90 パーセントまで進んだ場合、

    全壊約 1,200 棟、半壊約 1,700 棟にまで減少する。詳細については、以下のとおり。

    【1.1.4.37 想定ケース①②(減災効果 全半壊棟数)】(資料引用:宮崎県)

    ② 減災効果(死傷者数)

    現状の建物の耐震化率は 71 パーセント~87 パーセント、早期避難者比率低、想定ケ

    ース①の場合、町で死者約 210 人、負傷者 860 人であるが、耐震化率 90 パーセント、

    避難者比率高+呼びかけの条件の場合死者約 80 人、負傷者 490 人にまで減少する。詳

    細については、以下のとおり。

    【1.1.4.36 想定ケース①②(減災効果 死傷者数)】(資料引用:宮崎県)

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 5 節 風水害被害想定(県防引用)

    ページ 24

    第5節 風水害被害想定(県防引用)

    1. 風水害の概況

    町における主な災害は台風による暴風雨災害及びこれに伴う高潮災害並びに低気圧、前線

    等による水害であって、これらによりしばしば大きな被害を受けている。

    【1.1.5.1 町内における災害履歴】(資料引用:宮崎県)

    1.1 台風による災害

    (1) 台風災害の状況

    台風による被害は周知のとおり人畜、建造物、農地、林地、農作物など全般に及びその

    程度はルース台風(昭和 26 年 10 月 14 日)の際に県内で死傷者 369 人、住家 11,837 戸

    を全半壊させ、その被害総額は、県財政規模の 2 倍以上となった例もある。

    (2) 県における台風の特性

    県は、九州の東部に位置し、東は日向灘、南は志布志湾を隔てて太平洋に面し、北と北

    西は高く険しい九州山脈を境にして大分県と熊本県に接し、南西は霧島山系を境界として

    鹿児島県に連なっている。

    以上のような地理的条件から、県は毎年のように台風の被害を受けているが、その襲来

    回数と経路・その強度を示すと次のとおりである。

    ① 台風の襲来回数

    県に被害を及ぼした台風を調べると(統計期間昭和 24 年から平成 20 年まで、熱帯

    低気圧を除く、宮崎県災異誌による。)年平均 2.9 個となっており、毎年 2 個以上の台

    風から被害を受けている。

    ② 台風の襲来季節

    県に被害をもたらした台風の襲来を各月の旬別でみると下記の表のとおりである。こ

    れによると、台風の襲来期間は 7 月上旬から 10 月下旬の間である。また、襲来数の多

    い期間は 7 月下旬と 8 月中旬から 9 月下旬までとなっている。更に詳しくみると、7 月

    下旬は 18 回、8 月下旬は 19 回と圧倒的に多くなっている。

    【1.1.5.2 台風の月別襲来回数(昭和 40 年~平成 20 年)】(県防引用)

    旬 月 7月 8月 9月 10月上旬 4 11 9 7中旬 5 14 16 7下旬 18 19 14 3

    月合計 27 44 39 17注)この表は、災害の記録(宮崎県)に掲載されている本県に影響した台風についてまとめた。

    台風の月別襲来回数(昭和40年~平成20年)

    ③ 台風の経路別風雨の特性

    台風に伴う風は時計の針と反対方向に吹いていて、その全体が移動していくのである

    から、一般的には進行方向に向かって中心の左側では風速は小さく右側は大きい。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 5 節 風水害被害想定(県防引用)

    ページ 25

    県は地形的条件とあいまって通過経路により風雨の強さが著しく異なる。台風が九州

    の西方を通過するか、又は九州を縦断北上するような経路のときは風雨が強く、したが

    って被害も大きい。これに反して東側日向灘を通過するときの台風は風雨ともに比較的

    弱く被害も少ない場合が多い。

    ア 台風の経路別にみた県の暴風の特性

    台風の経路により県に及ぼす風雨は著しく異なるが、その実態を示すと次のとおり

    である。

    ◯台風の進路で異なる県の暴風

    県に影響を及ぼした代表的な台風 19 個について宮崎地方気象台で観測した経路別風速

    を示すと【1.1.5.3 台風の経路別風速表(宮崎地方気象台観測)】(県防引用)のとおりで

    ある。

    ① 九州南部に上陸し縦断北上したもの(上陸縦断型)

    風速 30 メートル毎秒前後から 40 メートル毎秒弱で最も強い。

    ② 九州西方海上を通過したもの(西方型)

    風速 20 メートル毎秒前後で①に次ぐ。

    ③ 九州東方海上を通過したもの(東方型)

    風速 20 メートル毎秒以下で最も弱い。

    ◯県の暴風の状況と台風の位置との関係

    ① 上陸縦断型

    暴風の始まりは北緯 28 度付近に達したころで、台風が山陰沖に出て暴風は吹き終る。

    最大風速は台風が北緯 30 度線に達したころに現れるが、台風の中心が九州南部上陸寸

    前に、最大風速が観測されることが最も多い。

    ② 西方型

    県の暴風(「10 メートル毎秒以上の風」以下同じ)は台風が北緯 25 度付近に達した

    ころから吹き始め、日本海に台風が入るころまで続く。最大風速は台風が転向して進行

    速度を増したころ観測される。

    ③ 東方型

    暴風は、台風が北緯 27 度付近に達したころから吹き始め、瀬戸内海東部に去ったこ

    ろに吹き終る。最大風速は、北緯 31 度~32 度付近で観測される。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 5 節 風水害被害想定(県防引用)

    ページ 26

    【1.1.5.3 台風の経路別風速表(宮崎地方気象台観測)】(県防引用)

    ①上陸縦断型台風名

    昭和 20. 9.17 枕崎台風 SSE 39.2   29. 9. 7 台風第13号 S E 35.2   30. 9.30 台風第22号 SSE 32.6

    39. 9.24 台風第20号 ESE 29.244. 8.22 台風第 9号 S E 29.2

    平成 5. 9. 3 台風第13号 S E 27.4

    ②西方型台風名

    昭和 24. 7.17 フェイ台風 ESE 20.1   25. 7.20 グレイス台風 S E 18.0   31. 9.10 台風第12号 SSE 18.8

    32. 8.19 台風第7号 ESE 22.0平成 1. 7.27 台風第11号 E 20.4

    5. 8.10 台風第7号 ESE 17.517. 9. 6 台風第14号 ESE 21.1

    ③東方型台風名

    昭和 36. 9.16 第2室戸台風 W 19.7   38. 8. 8 台風第9号 N E 18.0

    54. 9.30 台風第16号 N 17.3平成 2. 9.29 台風第20号 N E 17.0

    15. 8. 8 台風第10号 N E 15.916.10.20 台風第23号 NNE 16.9

    (統計期間:1945〜2008年)

    来襲年月日 最大風速 (m/s)

    来襲年月日 最大風速 (m/s)

    来襲年月日 最大風速 (m/s)

    ア 台風の経路別降雨の特性

    台風による県下の雨量分布は、台風の経路によってだいたいの型がある。また台風

    の経路により県の雨の降り方にも特異性がみられる。これらの状況について示すと次

    のとおりである。

    ◯台風の経路別雨量分布

    台風の経路により雨量分布が異なる。

    ① 上陸縦断型の場合には県下の雨量は最も多く、しかも降雨強度が強い。したがって警

    戒すべき台風進路である。

    ② 西方型は上陸縦断型に次いで雨量が多く、東方型は雨量が比較的少ない。

    ③ 特殊なケースとして、台風の進行速度が遅いときとか、台風の前面に前線があるよう

    なときには異常な豪雨になることがある。

    ◯県の降雨状況と台風の位置との関係

    台風の経路により県の雨の降り方にも風と同様に特異性がみられる。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 5 節 風水害被害想定(県防引用)

    ページ 27

    特記すべきことは、台風が北緯 23 度~25 度付近に達したころ県では雨が降り始め、台

    風の中心が県から約 600 キロメートルの距離に遠ざかって降りやむ。つまり降雨継続時間

    が長い。しかも降雨強度が強く豪雨型になりやすい。

    (3) 台風と水害

    水害の発生件数中、台風に起因するものは梅雨、低気圧前線に次いで多い。

    降水量が多くなるほど被害も増大するが、降水量がどのくらいになると水害が発生する

    かを宮崎県災異誌の水害について被害発生降水量の下限から調べると、「総降水量と水害

    の程度」のような結果が得られる。すなわち、被害が発生するかどうかの限界の降水量

    200 ミリメートルで、それ以上になると田畑の浸水、がけ崩れ等の被害が急増し、350 ミ

    リメートル以上になると、床上浸水等の甚大な被害が発生するようになる。

    ここに示した降水量は降り始めからの総降水量で、継続時間は問題にしていない。

    【1.1.5.4 総降水量と水害の程度】(県防引用)

    総降水量と水害の程度       被害種類降水量

    床下浸水 床上浸水 田畑の浸水 がけくずれ 死者

    200㎜以下 なし なし 少 少 なし300㎜ 急に増加 少 急に増加 急に増加 なし350㎜以上 甚大 急に増加 甚大 甚大 急に増加

    1.2 高潮

    (1) 日向灘沿岸の高潮の実例

    ① 下記図は日向灘に高潮を起こした台風の経路の一例である。台風の中心が満潮時かそ

    の前後に、しかも県の西側を通った場合に高潮の高さは大きくなる。

    【1.1.5.5 日向灘沿岸に高潮を起こした台風の経路】(県防引用)

    ② 下記表は日向灘で高潮を観測した例である。高潮が最も大きくなったのは、昭和 29

    年 9 月の台風第 12 号に伴うもので、油津では 1 メートル以上となっている。

    【1.1.5.6 日向灘沿岸の高潮観測表(高極潮位:平滑値)】(県防引用)

    1.3 低気圧と前線

    低気圧や前線も水害を起こし、その件数は台風に次いで多い。

    その雨量は、ときに平地で日雨量 400 ミリメートルを越えるほどの大雨になった記録(県

    で観測した 587.2 ミリメートル、昭和 14 年 10 月 16 日)もあるが、一般には河川に洪水を

    起こすほどの雨量に達することは珍しい。普通 1 回の低気圧がもたらす雨量は夏期 50 ミリ

    メートル~100 ミリメートル、冬期は 10 ミリメートル~40 ミリメートル程度である。前線

    では梅雨前線、台風前面の前線など停滞前線による雨は雨量も多く、水害を引き起こしやす

    い。これに対して寒冷前線のような移動性の前線は、一般に水害を起こすような雨量をもた

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 5 節 風水害被害想定(県防引用)

    ページ 28

    らすことは少ない。

    1.4 竜巻等の突風

    竜巻等の突風は、台風や寒冷前線等の活動により発生し、その猛烈な風で建築物を倒壊さ

    せたり、発生した飛散物が人や建物に甚大な被害を与えることがある。

    県において災害をもたらした竜巻等の突風の発生確認件数は、平成 3 年から平成 22 年ま

    での統計では 21 個であり、全国 3 位の多さとなっている。

    竜巻が発生する要因は、県では台風によるものが多く、台風の中心が県から見て、南から

    西にあり、200 キロメートル~300 キロメートル離れて位置する場合に発生しやすい。

    また、県の場合、竜巻は内陸部でも発生しているが、多くは沿岸部で発生している。

    (1) 県の竜巻災害の実例

    ① 延岡市で発生した竜巻(平成 18 年台風第 13 号)

    平成 18 年 9 月 17 日、14 時頃、台風第 13 号の九州地方への接近に伴い、竜巻災害

    が発生し、死者 3 人、負傷者 143 人、住宅全壊 79 棟など甚大な被害が発生した。

    被害地域は、長さ約 7.5 キロメートル、幅 150 メートル~300 メートルに、ほぼ連続

    的に建物の倒壊、屋根や壁の損傷、屋根瓦や窓ガラス等の破損等の大きな被害となった。

    これは、竜巻の通過したコースが市街地であったことから、竜巻の風に加え、飛散物に

    より、被害が増大したものである。

    竜巻の移動速度は時速約 90 キロメートルと推定され、竜巻の強度は、「多数の住宅

    の屋根瓦が飛んだり屋根がはぎ取られた」、「樹木が倒れていたり、折れていた」「自動

    車が横転した」等の被害状況から藤田スケールでF2 と推定された。

    【1.1.5.7 竜巻の強さと基準(藤田スケール)】(県防引用)

    1.5 災害の想定

    防災計画の修正に当たっては、県の気象、地勢、地質等地域特性によって起こる災害を考

    慮し、次に掲げる規模の災害が、今後県地域に発生することを想定した。

    (1) 台風 13 号(風の強い代表的な台風)

    襲来年月日

    最大瞬間風速・風向

    総降雨量

    死傷者

    家屋全半壊流出

    一部損壊

    平成 5 年 9 月 2 日

    57.9 メートル毎秒 南東(宮崎地方気象台)

    404.0 ミリメートル(えびの)

    145 人

    385 戸

    33,444 戸

  • 第 1 編 共通対策編

    第 1 章 総則

    第 5 節 風水害被害想定(県防引用)

    ページ 29

    (2) 台風 12 号(降雨量の多い代表的な台風)

    襲来年月日

    最大瞬間風速・風向

    総降雨量

    死傷者

    家屋全半壊流出

    昭和 29 年 9 月 13 日

    38.6 メートル毎秒 南東(宮崎地方気象台)

    1,265.6 ミリメートル(渡川)

    129 人

    2,430 戸

    (3) 枕崎台風(風が強く被害の大きかった代表的な台風)

    襲来年月日

    最大瞬間風速・風向

    総降雨量

    死傷者

    家屋全半壊流出

    昭和 20 年 9 月 17 日

    55.4 メートル毎秒 南南東(宮崎地方気象台)

    550.4 ミリメートル(神門)

    565 人

    33,944 戸

    (4) 台風 19 号(近年における床上浸水の多い代表的な台風)

    襲来年月日

    最大瞬間風速・風向

    総降雨量

    死傷者

    家屋全半壊流出

    床上浸水

    平成 9 年 9 月 15 日

    36.7 メートル毎秒 南東(宮崎地方気象台)

    927.0 ミリメートル(神門)

    12 人

    13 戸

    2,486 戸

  • 第 1 編 共通対策編

    第 2 章 災害予防計画

    第 1 節 災害に強い防災まちづくり

    ページ 30

    第2章 災害予防計画

    第1節 災害に強い防災まちづくり

    担当する機関 項 目

    まちづくり課

    ・浸水想定区域内の施設の指定及び支援に関すること。

    ・土砂災害の情報伝達、周知に関すること。

    ・災害危険箇所の周知に関すること。

    ・緊急避難場所等の指定に関すること。

    建設課

    ・災害危険箇所の点検、処置に関すること。

    ・建築物や施設の安全強化等に関すること。

    ・都市防災構造の強化に関すること。

    ・海岸、河川、道路施設等の整備に関すること。

    農地課 ・農道の整備に関すること。

    環境水道課 ・上下水道の耐震性強化に関すること。

    関係機関

    県 ・毒劇物施設への監視指導に関すること。

    日向海上保安署 ・海上安全防災対策に関すること。

    浸水想定区域内

    の施設管理者

    ・予報等の伝達方法、避難体制の整備に関すること。

    ・計画の作成、自衛水防組織の設置に関すること。

    港湾管理者 ・耐震強化岸壁を整備に関すること。

    ライフライン事

    業者 ・災害予防対策に関すること。

    危険物施設管理

    者 ・耐震化の促進・安全対策に関すること。

    その他関係機関 ・災害危険箇所の点検に関すること。

    1. 風水害に強いまちづくり(県防引用)

    災害危険箇所対策等の実施などにより、風水害に強いまちづくりを進めるものとする。

    1.1 河川氾濫に伴う浸水想定区域の指定等

    町は、県及び九州地方整備局が指定した浸水想定区域等を関係機関に提供するとともに、

    次の措置を検討する。

    (1) 町は、浸水想定区域内の高齢者等の要配慮者が利用する福祉施設及び申し出のあった大

    規模工場等を指定し、洪水予報等の伝達方法、避難場所その他洪水時の円滑かつ迅速な避

    難の確保を図るため、助言や指導を行うものとする。

    (2) 指定を受けた施設管理者は、当該施設の利用者に対して、洪水時の円滑かつ迅速な避難

    の確保が図られるよう、町と連携して洪水予報等の伝達方法、避難体制の整備に努める。

    (3) 町は、浸水想定区域内の指定施設における避難対策について、洪水ハザードマップ等の

    内容を活用した防災パンフレットを作成・配布することで住民に周知を図る。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 2 章 災害予防計画

    第 1 節 災害に強い防災まちづくり

    ページ 31

    (4) 指定を受けた浸水想定区域内の施設の管理者は、当該施設の利用者の避難の確保・浸水

    の防止を図るために必要な訓練その他の措置に関する計画を作成し公表する。また、当該

    施設の利用者の避難の確保・浸水の防止を行う自衛水防組織の設置に努める。

    1.2 土砂災害警戒区域の指定等

    町は、県から指定の受けた土砂災害警戒区域について、警戒区域毎に情報伝達や予警報の

    発令・伝達等を定め、警戒避難体制の整備を図る。

    (1) 町は、土砂災害警戒区域内に高齢者等の要配慮者が利用する福祉施設に対して土砂災害

    に関する情報伝達方法を定めるものとする。

    (2) 町は、町内の土砂災害警戒区域、災害が発生するおそれがある場合の情報伝達方法、避

    難地について土砂災害ハザードマップ等の内容を活用した防災パンフレットを作成するこ

    とで住民に周知を図る。

    1.3 災害危険箇所対策

    (1) 災害危険箇所の調査・把握・点検

    町は、災害発生を未然に防止し、また、被害の拡大を防ぐため、洪水、高潮、地すべり、

    山崩れ等の災害の発生のおそれのある地域については、あらかじめ調査を実施し、その実

    態の把握に努める。また、町は、高鍋土木事務所や児湯農林振興局、東児湯消防組合、高

    鍋警察署等関係機関と協力し、災害危険箇所の防災点検を計画的に実施する。

    (2) 災害危険箇所の住民への周知

    ① 災害危険箇所の周知

    町は、国、県等の災害危険箇所に関する調査について住民に周知する。また、その他

    の災害危険箇所についても、町独自に調査・把握し、危険性について住民に周知する。

    ② 災害危険箇所に係る避難所等防災情報の周知

    町は、災害危険箇所に係る避難場所、避難路、避難方法等について主に以下の方法に

    よって住民に周知する。

    ア 災害危険箇所のほか、避難所、避難路、消火・防災施設等を明記した地区別防災マ

    ップの作成・掲示・配布

    イ 広報誌、パンフレット等による周知・地域における各種会合等における周知

    【1.1.3.1 地すべり危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    【1.1.3.2 急傾斜地危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    【1.1.3.3 土石流危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    【1.1.3.4 河川危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    【1.1.3.5 ため池危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    【1.1.3.6 海岸危険箇所】(資料引用:宮崎県)

  • 第 1 編 共通対策編

    第 2 章 災害予防計画

    第 1 節 災害に強い防災まちづくり

    ページ 32

    (3) 応急対策用資機材の備蓄

    町は県と連携して、地震により発生した亀裂の拡大や雨水の浸透を防止するために必要

    な資機材の整備に努めるものとする。

    (4) 災害危険箇所への対処

    ① 建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)に基づく災害危険区域

    町は県と連携して、建築基準法に基づく災害危険区域を指定し、該当区域内における

    建築に関する制限について条例で定めることを検討する。

    また、がけ地近接等危険住宅移転事業により、がけ地に近接する既存の不適格住宅の

    移転を推進するよう努める。

    ② 水防計画の重要水防箇所

    町は、河川等の災害危険区域を把握し、異常降雨によって河川の水位が上昇している

    ときは、指定のある重要水防箇所の堤防等の巡視を行うとともに、当該区域毎に監視の

    ための消防団を配置する。

    【1.1.3.4 河川危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    【1.1.3.6 海岸危険箇所】(資料引用:宮崎県)

    ③ 主要道路交通途絶予想箇所

    町・高鍋土木事務所は、落石、崩土、河川の氾濫、浸水、高潮等により交通の途絶が

    予想される箇所を指定する。高鍋土木事務所は交通途絶予想箇所に標示を行うとともに、

    定期的に防災パトロールを実施し、実態の把握に努める。また、緊急度の高い箇所から

    順次工事を実施し、場合によっては通行規制や通行止めの措置を行い、被害の未然防止

    に努める。

    (5) 建築物の安全確保

    ① 防災建築の促進

    木造住宅については、台風対策として耐風性のある建築を建設促進する。また、町営

    住宅については、周囲の状況や構造等防災面に配慮して建設する。

    ② 建築物の災害予防措置

    ア 危険地域外への移転等

    地すべり、がけ崩れ等により身体、生命に危険を及ぼすおそれがあると町長が認め

    る地域内に居住している者が、危険地域外に移転する場合の住宅の新築及び建築基準

    法第 9 条又は第 10 条の規定により、特定行政庁から住宅の除却、移転又は改築の命

    令の予告通知を受けた者(同法第 9 条による場合は本人の責めに帰さない事由による

    ものに限る。)が移転する住宅の新築又は改良については、住宅金融支援機構の特別

    融資がなされるので、該当者について融資利用を促進することによって安全化を図る。

    イ がけ地近接等危険住宅移転事業

    がけ地の崩壊等により、住民の生命に危険を及ぼすおそれのある区域について、危

  • 第 1 編 共通対策編

    第 2 章 災害予防計画

    第 1 節 災害に強い防災まちづくり

    ページ 33

    険住宅の移転を行う者を対象とし、補助金を交付する地方公共団体に対して国が必要

    な助成を行う制度である。急傾斜地崩壊防止対策と併せて、これを促進し住民の生命

    の安全を図る。

    (6) 重要施設の安全性確保

    町は、不特定多数の人が利用する建築物、学校、医療機関等の応急対策上重要な建築物

    について風水害に対する安全性の確保に特に配慮する。

    2. 都市防災構造の強化

    2.1 基本方針(県防引用)

    地震に強いまちづくりを推進していくためには、都市計画基礎調査等を活用して災害に対

    する危険度の高い地域を把握し、重点的、緊急に整備を要する地域を明確にするとともに、

    防災都市づくり計画を策定する。

    (1) 防災都市づくり計画の策定

    町は、地震に強い都市づくりを計画的に推進するため、以下の点を主な内容とする防災

    都市づくり計画の策定を検討する。

    ① 都市づくりにおいて考慮する災害リスク

    ② 災害リスクを考慮した都市の課題

    ③ 防災都市づくりの基本方針

    ④ 防災都市づくりの具体的施策

    (2) 防災空間の確保

    町及び県は、地震に強いまちづくりを進めるために不可欠である防災空間を確保するた

    め、これらを形成する道路、公園、河川等の根幹的な公共施設の整備を検討する。

    ① 緑地保全地域等の指定

    都市における災害の防止に必要な遮断地帯、緩衝地帯又は避難地帯として適切な形態

    を有する緑地等については、都市緑地法(昭和 48 年法律第 72 号)に基づき緑地保全

    地域等を指定し、保存に努める。

    ② 延焼遮断空間を形成する公園や道路などの整備の推進

    同時多発的な火災に対応する延焼遮断空間を確保するため、幹線道路、都市公園、防

    災遮断緑地、河川等の整備や建築物の敷地後退、都市の不燃化構造の推進等を図る。

    ③ 防災通路や避難路となる道路の整備の推進

    災害時の緊急活動を支える幹線道路の整備や、円滑な避難を確保するための避難路と

    なる道路の整備を推進する。

    その際、都市の構造、交通及び防災等を総合的に検討し、特にその効果の高い広幅員

    の道路について緊急性の高いものから整備を促進する。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 2 章 災害予防計画

    第 1 節 災害に強い防災まちづくり

    ページ 34

    ④ 防災拠点や避難地となる都市公園、緑地の整備の推進

    防災拠点や避難地となる都市公園、緑地等の整備を推進するとともに、防災機能を強

    化するため災害応急対策施設の整備を推進し、公園の防災機能の一層の充実を図る。

    なお、市街地のオープンスペースである都市公園は、防災上果たす役割も大きいこと

    から、町及び県は、防災計画に位置づけられた行政施設等と一体となって防災拠点とな

    るよう、都市公園を中心に活用を図る。

    ⑤ 消防活動空間確保のための街路整備

    基盤未整備な市街地においては火災延焼の可能性が高いだけではなく、消防車両が進

    入できない道路が多いため消防活動の困難性が特徴としてあげられる。このため、これ

    らの区域の解消に資する道路の計画的な整備を推進する。

    (3) 緊急避難場所、避難路の確保等

    ① 避難施設整備計画の作成

    町は、夜間の人口と昼間の人口の分布及び道路、避難場所としての活用可能な公共施

    設の整備状況を勘案し、緊急避難場所・避難路等の整備に関する計画を作成するよう努

    める。

    ② 緊急避難場所の指定

    町は、延焼火災、崖崩れ、津波、建物倒壊等から避難者の生命を保護するため、次の

    指定基準にしたがって緊急避難場所の指定に努める。

    ア 管理条件

    災害が切迫した状況において、速やかに、居住者等に当該指定緊急避難場所が開設

    される管理体制を有していること。

    イ 立地条件

    異常な現象による災害発生のおそれがない区域(安全区域)内に指定緊急避難場所

    が立地していること。

    ウ 構造条件

    指定緊急避難場所が上記安全区域外に立地している場合には、当該異常な現象に対

    して安全な構造であるほか、このうち、洪水、津波等については、その水位よりも上

    に避難上有効なスペースなどがあること。

    エ その他

    地震を対象とする緊急避難場所の指定基準は、上記の管理条件に加えて、以下の条

    件を満たすこと。

    (ア) 当該施設が地震に対して安全な構造であること。

    (イ) 緊急避難場所やその周辺に、地震発生時に人の生命や身体に危険を及ぼすおそれ

    のある建築物や工作物等がないこと。

    ③ 広域避難地の整備

    密集市街地等をかかえる市町村については、震災時の延焼火災の発生が想定されるた

    め、②で指定した避難地に加え、次の設置基準にしたがって広域避難地の整備に努める。

  • 第 1 編 共通対策編

    第 2 章 災害予防計画

    第 1 節 災害に強い防災まちづくり

    ページ 35

    ア 広域避難地は、周辺市街地大火による輻射熱から安全な有効面積を確保することが

    できるオープンスペースを有する公園、緑地、グラウンド、公共空地等とする。有

    効面積は、広域避難地内の建物、道路、池などを除き、利用可能な避難空間として

    1 人当たり 2 平方メートル以上を確保することを原則とする。

    イ 広域避難地は、想定される避難者に見合った有効面積を有するものとし、おおむね

    10 ヘクタール以上を標準として配置する。

    ウ 広域避難地は、大規模な崖崩れや浸水等の危険のないところで、付近に多量の危険

    物等が蓄積されていないところとする。

    エ 広域避難地周辺においては、大火輻射熱を考慮し、建築物の耐震不燃化を図る。

    オ 地区分けをする際は、字の単位を参考とするが、主要道路・鉄道・河川等を境界と

    し、住民がこれを横断して避難することはできるだけ避ける。また、到達距離は 2

    キロメートル以内とする。

    ④ 避難路の整備

    町は、市街地の状況に応じ原則として次の基準により避難路を選定し、整備するもの

    とする。

    県防災計画では、避難路はおおむね 15 メートル以上の幅員を有し(町には該当区間

    なし)、なるべく道路付近に延焼危険のある建物、危険物施設がないこととされている。

    ⑤ 避難路の確保

    町職員、警察官、東児湯消防組合、その他避難の措置の実施者は、迅速かつ安全な避

    難ができるよう、通行の支障となる行為を排除し避難路の通行確保に努めるものとする。

    2.2 建築物の安全化(県防引用)

    (1) 建築物の耐震性強化

    ① 既存建築物の耐震診断・耐震改修の促進

    町は、昭和 56 年以前に建築された現行の耐震基準を満たさない建築物の耐震性の向

    上の促進を図るため、建築技術者の養成、広報、相談活動等を実施する。

    ア 建築物耐震診断を行う建築技術者の養成

    イ 既存建築物の耐震化に関する講演会開催

    ウ 建築物耐震診断に関する相談窓口の開設・広報

    エ 現行の耐震基準に適合しない建築物の所有者等への指導等

    オ 木造住宅の耐震化に対する支援等の情報提供

    ② 建築物の落下物対策の推進

    ア 建築物の落下防止対策

    町は、地震時に建築物の窓ガラス、看板等落下物による危険を防止するため次の対

    策を講ずる。

    (ア) 繁華街等の道路沿いにある 3 階建以上の建築物を対象に落下物の実態把握に努め

    る。

    (イ) 実態調査の結果、落下のおそれのある建築物について、その所有者又は管理者に

  • 第 1 編 共通対策編

    第 2 章 災害予防計画

    第 1 節 災害に強い防災まちづくり

    ページ 36

    対し修繕を指導する。

    (ウ) 建築物の所有者又は管理者に対し、窓ガラス、看板等の落下物防止対策の重要性

    について啓発を行う。

    イ ブロック塀の倒壊防止対策

    町は、地震時におけるブロック塀等の倒壊を防止するため、安全確保に関する広報

    活動を行うとともに、町内におけるブロック塀の調査を行い危険箇所については、所

    有者等に対し、改修等について指導を行うものとする。

    ウ 建築物の地震対策の促進

    町は、施設管理者等に天井材の落下などの