40
157 Ⅳ沖縄修学旅⾏の⼊壕体等の全対に関するヒアリング調 1. サマリー (1) 職員数:平均 19 ガイド人員数:平均 45 (2)ガイドの・業体 連携は、情報交換と勉強会という形式が多い。 登録ガイドの育成のために、地域の「ガイドの会」と連携しているケースもある。 (3)ガイドの用方法・保方法 各団体が実施している講習会の修了者を採用するケースが多い。 そのほか、コンベンションビューローの講座、推薦、退職者などの採用もある。 近年はガイド内容の質が一定ではないという意見もあり、内容の統一を求める意見も挙げられた。 (4)保資 ガイドが保有している資格については、特にないという回答が多いが、保有している場合は「平和 ガイド」、「教員免許」、「平和講話講師(語りべ)」などが挙げられた。 資格よりも、日々のガイドが定型化・マンネリにならないよう、内容に研鑽を重ねる必要があると いう意見も挙げられた。 少数例としては、救急蘇生法の講習受講者や自然体験活動指導者など。 (5)マニュアルの 運営マニュアルがある:6713 団体 マニュアルの内容は、安全管理マニュアルや事前学習資料、予約受付方法など。 (6)全のためのガイド同⾏ 原則同行する:7713 団体 ※ 「原則同行しないが要望がある場合に手配する」が 5 団体、「同行しない」が1団体

Ⅳ沖縄修学旅⾏の⼊壕体挧等の勣全対北に関するヒアリング調匀 · 匽内するガマ 轟壕、マヤ-アブ、糸洲壕、山拝本部壕、アンディラガマ、换兊の塔下のガマ(糸掫市)

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Ⅳ沖縄修学旅⾏の⼊壕体験等の安全対策に関するヒアリング調査

1. サマリー

(1) 組織体制 � 職員数:平均 19 名

� ガイド人員数:平均 45 名

(2) ガイドの登録・協業体制 � 連携は、情報交換と勉強会という形式が多い。

� 登録ガイドの育成のために、地域の「ガイドの会」と連携しているケースもある。

(3) ガイドの採用方法・確保方法 � 各団体が実施している講習会の修了者を採用するケースが多い。

� そのほか、コンベンションビューローの講座、推薦、退職者などの採用もある。

� 近年はガイド内容の質が一定ではないという意見もあり、内容の統一を求める意見も挙げられた。

(4) 保有資格状況 � ガイドが保有している資格については、特にないという回答が多いが、保有している場合は「平和

ガイド」、「教員免許」、「平和講話講師(語りべ)」などが挙げられた。

� 資格よりも、日々のガイドが定型化・マンネリにならないよう、内容に研鑽を重ねる必要があると

いう意見も挙げられた。

� 少数例としては、救急蘇生法の講習受講者や自然体験活動指導者など。

(5) 運営マニュアルの有無 � 運営マニュアルがある:6713 団体

� マニュアルの内容は、安全管理マニュアルや事前学習資料、予約受付方法など。

(6) 安全のためのガイド同⾏ � 原則同行する:7713 団体

※ 「原則同行しないが要望がある場合に手配する」が 5 団体、「同行しない」が1団体

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(7) 利用者・⾒学者への安全対策 � ヘルメットは、壕により整備している所と無い所がある。155 セット完備している団体もある。

� 懐中電灯が必要なことが、旅行会社や教員に伝わっていない。

� ガイド団体が用意しているケースは少なく、学校や施設に任せている。

� 地元消防署と定期的に避難訓練を行っていることもある。

(8) 保険加入の状況 � 加入している:15713 団体

� 多くの団体が、ガイド向けの保険。参加者の保険は、学校の旅行保険などでカバーしている。入壕

料の一部を保険に充当しているケースもある。

(9) 緊急時の連絡先等の準備状況 � 緊急時担当者を決めている:4713 団体

(10) 安全を促す映像やパンフレット、サイン類 � パンフレットを制作している:5713 団体

� サインを整備している:5713 団体

� 口頭説明で十分であり、パンフレット制作の必要性が無いという意見が多い。

� 壕の歪みを感知する非常ベルを設置しているケースもみられた。

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2. 沖縄県観光ボランティアガイド友の会

管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 沖縄県観光ボランティアガイド友の会 所在地 豊⾒城市豊⾒城 236

設⽴年⽉⽇ 平成 9 年 8 月 所属組織 豊⾒城市社協

平和教育関連

事業概要

職員数 44 名

事業名 平和ガイド、歴史ガイド

事業概要 修学旅⾏⽣や観光客、あるいは県内の⼩中⾼校⽣を沖縄戦の戦跡や琉球王朝の史跡

に案内説明をする。また沖縄戦体験者などの講話派遣も⾏う。

問2. 使用施設、保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

案内するガマ 轟壕、マヤ-アブ、糸洲壕、山城本部壕、アンディラガマ、白梅の塔下のガマ(糸満市)

糸数壕(南城市)、ちびちり、シムク(読⾕)、南風原陸軍病院壕

平和祈念資料館 県⽴、ひめゆり、旧海軍司令部壕、対⾺丸記念資料館

米軍基地 普天間基地、嘉手納基地、辺野古、など

戦跡 荒崎海岸、米須海岸、平和祈念公園、魂魄の塔、などの県内各地の慰霊塔。

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

役員会 6 名 会⻑、副会⻑、学習正副部⻑、ガマ対策部正副部⻑、広報部⻑、事務局⻑

事務局 2〜3 名 ガイド依頼を受け、会員を派遣する事務。

予約は約1年前からであるが、半年前に他団体とガマの調整し確定。

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

計 44 名 1〜3 期⽣ コンベンションビュ-ロ-の講座修了⽣

4 期⽣ 会独⾃で開催した講座修了⽣

問5. 貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

特になし

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165

問6. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

ガマがある⾃治会 慰霊祭に参加、年末に挨拶

わくこえネット 平和ガイド団体とのつながり。沖縄平和ネットワ-ク、南風原平和ガイドの会、沖縄市

平和ネットワ-ク、平和祈念資料館友の会。

他団体の参加はあるが主催は主に上記団体で⾏っている。

県主催の修学旅⾏推進協議会 ビュ-ロ-が運営している平和学習⽂化会でも意⾒交換をしている。

ガマの安全性や、新しい平和学習の模索、お互いの近況報告など。

他施設団体やガイド団体の10団体が参加。

問7. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:-

内容:大まかな決め事はあるが、マニュアル化はされていない。研修で基本的な内容を共有

するが、内容はガイドそれぞれであるが1時間程度。

壕に入る際には、前後に先⽣に付いてもらうようにはしている。

⼊壕・⾒学時の安全対策について

問8. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

原則ではなく、ガイド依頼を受けたときは必ず同⾏。安全に対しての説明の後に入壕

する。マヤ-アブに関しては、県からの通達もあり、ヘルメットを着用している。ヘルメット

の管理は友の会が⾏っている。

問9. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 マヤ-ガマでは80〜90個のヘルメットを用意。及びその管理倉庫。

原則として懐中電灯は必須。必ず個人で持参するように依頼している。

軍手は規則ではないが事前に持参するように伝えてはいる。

②備品類の管理方法 入壕時は下⾒でも先⽣でも添乗員でもヘルメットを着装。メンテは⽔洗いを年数回。

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

轟、マヤ-、白梅の下の壕では危険がないように階段やロ-プなど目⽴たない程度の手を加えて安

全対策をしている。(地主、⾃治会の許可を得ている)

問10. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない

豊⾒城市社協のボランティア保険。(ガイドのみ対象)

修学旅⾏⽣に関しては、学校の旅⾏保険でカバ-。

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問11. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

事故などが起こったときは事務所に連絡。その後、役員に事務所から連絡があ

る。⼟⽇などは、携帯電話で対応する。台風キャンセルの緊急時は事務局⻑が

携帯電話で連絡を受け、指示を促すようにしている。

緊急時は、教員・添乗員に対応を依頼している。

問12. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット

1.制作している

2.制作していない

会の活動案内のパンフレットはあるが、安全を促すパンフレットはない。ガマの案

内は1時間なのでパンフレットを読んでもらう時間もなく、口頭での指導で十分か

と思う。

サイン 1.設置している

2.設置していない

ガマの危険個所に看板を設置(白梅、轟)

その他

問 13. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

ガマの安全な出入り。入壕前の念入りな注意。

ガイドは必ず30分前に壕についているようにしている。

問14 . その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

各壕すべてにヘルメット着用が義務ではない。管理の⾯も含め、ヘルメットの準備が⾏えていないが、帽⼦を着用するように依頼

しているところ。

各壕により、⾬天時の状況が違うので当⽇に壕内の確認をし、ガイド判断で決定する。各壕の特徴は理解している。

また入口までいって入れない場合もあるが、その場合には学校側と相談しながら講話にするなど対応している。

轟壕を含め、管理者がいないところとは地元との関わりが大切だと思っている。そのため、定期的に⾃治会とのやりとりもするように

している。

問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

懐中電灯がないと決して入れない。ガイド依頼は旅⾏社を通じてのことがほとんどで、申込用紙に懐中電灯必携と書いてあるに

もかかわらず学校に伝わっていないことがある。あまりに懐中電灯を持たない⽣徒が多い場合はガマに入れない。

懐中電灯なしでガマに入る危険を旅⾏会社の担当者がわかっていないことがある。

修学旅⾏で来る前に教員に下⾒をしてもらいたいが、下⾒をする学校は2割程度。また実際に来られても、壕内に入らない教

員の方も多い。事前学習を⾏う学校も少なく、ガマに入る意味を分からないまま入ってしまう⽣徒もいる。そのため、教員が下⾒

をするなど、ガマに入る意味を含めガマのことを学ぶことも必要だと考える。

各壕の物理的な状況でヘルメットの置き場の設置、管理ができない状況もある。その⾯を考えると、市やその地区が管理してくれ

るといいが、安全管理を中⼼に現在の⾃然の状態を変化させてほしくないという思いもある。

轟壕は、原則的に誰が使っても良いため、最近では⺠泊をしている方が宿泊者を連れてきたり、海外の団体が訪れることもある

印象。今後安全管理を含め問題になるのではないかと思う。

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3. 沖縄平和祈念資料館友の会

管理団体の概要

問1.施設概要について教えてください。

団体名 沖縄県平和祈念資料館友の会 所在地 糸満市字摩⽂仁 614 番地の1

設⽴年⽉⽇ 平成 16 年4月 所属組織 沖縄県資料館 友の会

平和教育関連

事業概要

職員数 27 名 平均年齢 68 歳

事業名 平和学習(講和、ポイントガイド)

事業概要

平成 28 年 165 件

(⾼校 49 件、中学校 57 件、⼩学校 19 件、その他 40 件)

平和祈念公園内の平和ガイド、講和

問2.保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

沖縄県平和祈念資料館 糸満市字摩⽂仁 614 番地の1

管理体制

問3.管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

会⻑ 1 名 -

副会⻑ 2 名 -

事務局⻑ 1 名 -

庶務会計 1 名 -

問 4.語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

27 名 沖縄県平和祈念資料館友の会 沖縄県平和祈念資料館平和ガイド養成講座

問 5.貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

平和ガイド 27 名 平和ガイド、平和講話

問 6.関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

特になし -

問 7.運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:

内容:沖縄県平和祈念資料館平和ガイド養成講座にて内容は統⼀しているが、マニュア

ルがないためガイド間での内容はことなる可能性はある。

申し込み者からの希望に沿う形で案内する場所、説明をしている。

(申し込み用紙に希望のコ-スや何を学びたいかの希望が記載できるようになっている)

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⼊壕・⾒学時の安全対策について

問 8.⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

基本的にガイドの希望があれば同⾏するようになっている。他ガイドも使用していること

もあるため、友の会あてに申し込みした依頼者のみの対応。

問 9.利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 なし

②備品類の管理方法 なし

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

比較的道も開けており、危険な場所はない。今までは特に問題はなし。

問 10.保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない

平和祈念資料館には保険がかかっているが、ガイドの保険は個人契約。

修学旅⾏⽣などの参加者も旅⾏会社に任せている。

問 11.緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

特に連絡体制は決めていないが、何かあれば資料館に連絡。学校側に対応し

てもらうようにしている。

問 12.安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

特に記載はしていないが、何かあった際には⾃己責任であることは、申込書に記

載している。それを理解の上で参加していただいている。

サイン 1.設置している

2.設置していない

その他

問 13.現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

敷地内全体的に整備されている為、ガイドとしても安全⾯で管理することはあまりない。

問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

夏場などは、⽔分補給の促しやトイレ休憩を取るなどの配慮をしている。

問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

現在のところ特になし。

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4.沖縄市平和ガイドネットワ-ク 管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 沖縄市平和ガイドネットワ-ク 所在地 沖縄市

設⽴年⽉⽇ 平成 13 年 2 月 13 ⽇ 所属組織 沖縄市平和男⼥共同課・平和推進課

平和教育関連

事業概要

職員数 会員数 35 名(名簿登録) 平均年齢 68 歳

事業名 -

事業概要 平成 28 年度年受け入れ学校数 年間 27 校

問2. 使用施設、保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

タ-ガ-ガマ

ヌヌマチガマ 主に使用しているのは4つ。轟の壕は使用する回数が多い。

クラシンジョ-壕 学校側からの希望もあるが、希望がない場合はそれぞれの防空壕を説明し提案。

轟の壕

糸数アブチラガマ 最近は、専属のガイドがいるため使用していない。

沖縄市役所 7 階 教育委員会会議室(総会)

地下1階、入札室(総会)

沖縄市社会福祉センタ- 沖縄市男⼥共同参画センタ-3階(定例会、学習会)

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

代表世話人 3 名 会の代表、定例総会および定例会の招集

県内の学校回りを⾏い、平和講和の紹介等をする。依頼を受けたのち、均等に

振り分けを⾏う。また総会の実施。

企画委員会 3 名 学習会、沖縄市平和月間の参加企画

会員 10 名 会活動、平和ガイド(フィ-ルドワ-ク含む)、県内での講話等

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

7 名 沖縄市平和ガイドネットワ-ク 沖縄市平和ガイド養成講座

7 名 沖縄市平和ガイドネットワ-ク 退職者教員、平和ガイド学習会

2 名 沖縄市平和ガイドネットワ-ク 平和学習会、会員⼀致の推薦

問5. 貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

平和ガイド 7名 戦跡案内、平和講話

平和ガイド、教員免許 9名 戦跡案内、平和講話

教員免許 5名 平和講和、協⼒会員

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問6. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

沖縄県観光ボランティアガイド友の会 各団体と協⼒して、学習会を実施している。現在 2 回実施済み。

沖縄平和ネットワ-ク

平和記念資料館友の会

南風原ガイド友の会

問7. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:-

内容:マニュアルはないが、勉強会にて資料を使用し内容の理解を深めている。また、総会

にて会則の作成や活動内容の統⼀、伝達を⾏っている。

主な内容としては、沖縄戦の過去から、現在の沖縄を伝えるようにしている。

対象者は県内の⼦供達で、県外の⼦供達へはまだ手が回らない状況。

⼊壕・⾒学時の安全対策について

問8. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

フィ-ルドワ-クの他に講話も⾏っているため、壕を使用する際にガイドが同⾏。

問9. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 会が準備しているものはない。

参加者、学校側に、帽⼦・軍手・懐中電灯の準備の依頼。夏場は⽔を持参するよう依頼。

②備品類の管理方法 特になし。

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

沖縄市平和ガイドネットワ-クのメンバ-で安全対策の為、ハブ対策の研修を受けている。

問10. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない

個人で加入。値段は数十円程度。

参加する学校に加入するよう依頼している。

問11. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

マニュアル化はされておらず、緊急時は教員に任せている。

何かあった際には、学校と連携を取った担当メンバ-に連絡をする。

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問12. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

特になし

サイン 1.設置している

2.設置していない

特になし

その他

問13. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

ガマに⾏く際の環境整備やハブ対策など。

夏場の熱中症。

問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

現在、緊急時の対策をしておらず、マニュアル等もない状態である。今まで何も緊急時がなかった為、検討してこなかったが、今

後対策していかなければと思っている。

語り手、ガイドも⾼齢化となり、実体験を伝えられなくなる時代となっている。また、戦争を知らない教師が増えており、教育現場

での平和教育が重要視されていない状況である。そのため、若者への伝達、育成、県や市への呼びかけにて、教育現場への平

和学習の大切さやあり方について伝えていく必要がある。それと共に、受け入れ側の学校の状況や希望を知ることも必要だと考

えている。

補記

[現在の活動について]

県内の学校に対して、平和活動を⾏っており、対象は幼稚園から⾼校⽣まで実施している。県外からの依頼もあるが、メンバ

-の年齢も 70 歳以上と⾼齢化しており、⻑時間の平和学習の対応ができない状況の為、現在は断っている。活動件数は講

話、平和フィ-ルドワ-クともに年間 20 件程で会員の 13 名で分担して実施している。

講話の内容については、実際の体験者・語り手より話を聞き、実際の場に足を運ぶなどして、体験者の声をガイドできるように

⾏っている。また、研修や総会を⾏い、内容の統⼀、共有をしている。学校側へは公⽂を渡し、平和学習の目的や注意点を伝

えるようにしている。

繁忙期は 5〜6 月で、特に慰霊の⽇前後が多い。また、クラス単位での対応の為(40 名に1名のガイド)、依頼が重なると

きは対応が困難なこともあるが、その場合は⽇程を調整しながら対応している。防空壕に⾏く際には他グル-プと重ならないよう

に連携を取っている。実施する場所は担当教師の希望もある場合もあるが、ない場合は各防空壕の説明を⾏い決定している。

年々、依頼件数は少なくなっている状況である為、沖縄市平和ガイドネットワ-クの代表を中⼼に県内の北部、中部の学校

を回り、講話、平和フィ-ルドワ-クについての活動の説明や実施の呼びかけを⾏っている。しかし、学校側の時間的な問題や、

戦争未体験の教師も多くなっている影響か、平和教育に対して消極的な⾯もある印象。そのため、学校側の意⾒や要望につい

て確認している状況。

[ガイドの免許制度について]

免許制度に関しては何とも⾔えないが、若者がガイドをしているのを聞くと、きちんと伝えられていない印象や内容にばらつきを感

じる。⼀定の統⼀が必要であるが、免許制度になると、企業を起こして平和活動が商売になってしまわないか不安である。まず、

研修を⾏い、内容の統⼀や共有をしていくことが大切と考えている。

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5. 沖縄平和ネットワ-ク 管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 沖縄平和ネットワ-ク 所在地 那覇市⾸⾥⾚⽥町 3-26 コルネットハウス 5-B

設⽴年⽉⽇ 平成 6 年 10 月 10 ⽇ 所属組織

平和教育関連

事業概要

職員数 なし

事業名 -

事業概要 沖縄戦や基地問題に関する調査研究、戦争遺跡の保存に関する活動、学習会の開

催、会報・学習資料の発⾏および「平和ガイド」の派遣

問2. 使用施設、保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

轟の壕

識名壕

県庁壕

フィ-ルドワ-クとして使用しているのが、3つの壕。特に轟の壕の使用頻度が多い。使用

する際には、時間がかぶらないように依頼が来たら、主に沖縄観光ボランティアガイド友の

会と調整している。

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください

役割・部署 ⼈員数 業務概要

- - 市⺠団体のため、明確な部署や役割はなく、各会員や複数の部会(⽂化財・ガマ

部会/基地部会/ガイド部会)等の単位で⾏われている諸活動を、事務局におい

て調整をしています。活動内容については年 1 回の総会において報告を⾏い、会

員からの承認を得る形で進めています。

- -

- -

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

約 20 名 各種団体からのガイド申し込みを整理して会員に知らせ、希望をもとに調整してガイドを決定

問5. 貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

- - 「○○ができれば合格、ガイドできます」という考え方ではなく、それぞれのガイ

ドが常に探求、研鑽を重ねていけるよう、定期的に沖縄戦の実相や基地問

題についての学習会を⾏い、会員に参加を呼び掛けています。

- -

- -

問6. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

複数のガイド団体 昨年より協働での学習会を開催。各団体と横の連携を取れるよう学習会を「枠超え

ネット」という名称にて開始。主な参加団体は、沖縄平和ネットワ-クを中⼼に、沖縄

観光ボランティアガイド友の会、沖縄市平和ガイドネットワ-ク、南風原平和ガイドの

会、沖縄県平和資料館友の会の 5 団体。

市町村教育委員会 戦跡保存等に関する情報/意⾒交換

県内/県外の各種団体 ⽇常的な情報/意⾒交換および協働での各種取り組み

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問7. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:

内容:ガイド間での対応の共有はしているが、マニュアルの作成はしていない。

そのため、ガイドで内容も異なる。

会則はありますが運営マニュアルとは性格が異なるかと

⼊壕・⾒学時の安全対策について

問8. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

〈場所によっても注意事項は変わってきますし、当会ガイドの統⼀的なマニュアルがある

わけではありませんが、⼀般的に〉

・頭上と足元に注意すること。・⾃分勝手な⾏動はしないこと。

・気分が悪くなれば知らせること。・洞窟探検ではないこと…など

※できるだけ、引率の先⽣方の協⼒をお願いしています。

問9. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 ・管理している場所があるわけではないので特になし。原則的に必要な物は参加者に準備していただ

いています。

②備品類の管理方法 -

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

問10. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない

・傷害保険(会活動全般に関わって)に加入しています。平和ガイドがガイド中に怪我をした

際などに適用事例あり。参加者は⾃己での加入。

問11. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

(連絡体制など)何かあった際には、事務局⻑やガイド部会の会⻑に連絡して

指示を仰ぐようにするなどと決めているが、状況に対してのマニュアルがあるわけで

はない。その状況での判断を随時⾏う形にしている。

問12. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

サイン 1.設置している

2.設置していない

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その他

問13. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

・安全上のリスクは以前からも、これからもずっと存在すると考えています。ただ、平和学習が学校⾏事であるにも関わらず、この問

題への学校の関わりがどんどん希薄になっていることが問題かと思います。

・⼀般的な注意地点としては、頭上や足元注意することや、気分が悪くなれば知らせるようになど、場所や状況に合わせ対応し

ている。また、壕内の案内に関しては、同⾏する教員に注意する場所を⽣徒に伝えるよう協⼒の依頼をしている。

問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

・現状として、この問題に関わる関係機関の横の連携が取りづらい状況があるかと思います。例えば、大きめの地震があった時な

どは、平和ネットワ-クのガイドがガマの様⼦に問題はないか⾒に⾏ったりすることもありますが、そうした情報を関係機関で共有で

きないかと考えていました。それもあるので、ガイド団体間での情報共有をできるように、協働で様々な活動をする機会を増やし、

⽇常的な情報共有ができるような状況を作り出そうとしています。

問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

・壕内の環境に関しては、管理する団体もなく判断基準が定まっていないため、ガイドの経験則でしか判断できないのが現状であ

る。ガイドによっては、早めに壕内を確認するガイドもいるが、全員が⾏っているかは曖昧であり、壕内の情報を共有できていない

のも現状である。

・「安全性の確保」と「戦跡の保存・活用」はかなり以前からある問題ですし、全国的に戦争遺跡の保存に関わる方々との情報

交換等も進めてきました。これまでの取り組みの蓄積に学び、⾏政、市⺠団体、研究者、体験者、学校、地域が⼀体となって、

この問題に取り組んでいく必要性を感じていますし、ぜひ沖縄県が積極的にそうした諸団体のつなぎ役になっていただきたいです。

・特に沖縄県で⾔えば、南風原町などはかなり時間をかけてこの問題(「安全性の確保」と「戦跡の保存・活用」)について取り組

み、その両⽴が可能であることを実証されているように思います。全国的に⾒てもかなり先進的な事例である南風原町のノウハウ

がもう少し広く県内に浸透すればいいのですが。

補記

<沖縄平和ネットワ-クについて>

会員は県内外合わせて180〜200名弱。県内会員は半分。沖縄戦基地問題に関する調査研究や、戦争遺跡の保存、学

習会の開催などの活動も⾏っており、ガイドのみの活動ではない。ガイドとして活動しているのは 20 名程度。年代は 20〜80 代

と幅広いが、活動しているのは 60〜70 代の方が多い。ガイド対象は県外の修学旅⾏が 8 割で、年に 100 件程。県内の平和

学習は 1 割程度とかなり少ない状況。時期としては 10〜12 月、春頃に依頼が多い。ガイドの予約の流れとしては、エ-ジェン

トや学校側から依頼を受けた後に、事務局よりガイドへ確認し調整していく。最近は学校側らかの直接的な依頼は減少してお

り、エ-ジェントからの依頼が多くなっている印象。

<今後の課題、希望>

各団体の横のつながりを作ることで、現場での関わりがよくなるのではないかと考えている。そのために、学習会での顔合わせを

含め、さまざまな情報を共有できればいいと思う。しかし、戦跡の保存と活用においては難しい問題であり、各団体の繋がりだけで

取り組める問題ではない。壕内の管理や壕の調整など、⾏政を含めた理解と取組が今後必要であると感じている。

また、安全性の確保においてもガイドをするにおいて大きな問題である。他団体との情報共有も必要であるが、同⾏する教員

に下⾒に来てもらい、壕内をみることで緊急対応の検討をしていく必要がある。以前に比べると、下⾒を⾏う学校は減少している

印象もあり、平和学習を⾏う際の安全管理の意識付も重要であると感じる。

現在、戦争体験者が減ってきている現状であり、語り手、ガイドを育成することも大切であるが、今後若い世代には、⾃己学

習にて平和学習ができる環境作りを⾏うことが必要だと考えている。たとえば、壕の前に歴史や情報を設置や資料の作成など、

学べる環境を提供することが目標である。

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6.NPO 法⼈自然体験学校 管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 NPO 法人⾃然体験学校 所在地 八重瀬町字具志頭1番地

設⽴年⽉⽇ 平成 16 年 5 月 6 ⽇ 所属組織 沖縄体験観光協会

沖縄南部広域観光協会

平和教育関連

事業概要

職員数 理事 3 名、監査 1 名、職員 5 名

事業名 ① クラシンウジョウ壕・ヌヌマチガマ・イリユ-ジガマ 入壕体験管理理事

② 平和ガイド養成事業

事業概要

① 八重瀬町内クラシンウジョウ壕・ヌヌマチガマ・イリユ-ジガマでの入壕 体験における

予約・入壕・安全管理

② 教育旅⾏などの平和学習において平和ガイドができる人材の育成講座、講習開催。

③ 平和講和の提供

問2. 保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

クラシンウジョウ壕 ・八重瀬町字具志頭

・平成 25 年 9 月より町・具志頭区・当団体で協定を結び、平和学習におけるガマへの入

壕に係る管理を当団体が⾏うこととなった。

・⽇本軍の陣地壕として整備された⾃然洞堀。⼀部⽇本軍による構築された人⼯壕有り

ヌヌマチガマ ・八重瀬町字具志頭(八重瀬町戦争遺跡公園内)

・平成 27 年 7 月 1 ⽇〜八重瀬町より指定管理者の指定を受けて管理開始。

・白梅学徒隊5名が従軍していた⾃然洞窟。戦時中は野戦病院壕として利用された。

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

統括 1 平和学習事業全体の統括

現場管理 1 平和ガイドの手配、ガマの安全点検、旅⾏会社等下⾒対応、緊急時対応など

予約管理 1 旅⾏会社などとの予約やりとり、予約管理

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

平和ガイド

13 名

登録制(ガイドの資質確認、認定救急蘇⽣法の

受講の義務)

・公募で希望者を募る(広報誌、WEB)

・所定の講座と救急蘇⽣法講習会を受講し、複数

回、教育旅⾏などの平和学習受け入れ現場に⽴ち

会い、ガイド練習をしたのち、平和ガイドとして登録

平和講和講師

(語りべ)

6 名

都度依頼する ・白梅同窓会や白梅同窓会会⻑の紹介

・地域の方からの紹介

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問5. 貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

平和ガイド L.S.F.A.認定救急蘇⽣法 13 名

(平和ガイド)

約6時間の認定救急蘇⽣法

CRP,AED の操作

⾃然体験活動指導者

NEAL リ-ダ-

3 名

(平和ガイド)

3泊4⽇の養成講習会修了者

体験活動の企画、運営、安全管理、指導方法、法令の講義

問6. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

八重瀬町役場 指定管理、共益費の納付(担当:観光振興課)

八重瀬町 具志区 入壕管理、整備、スム-ズな受け入れの為の連絡(随時)、実施前後⽇程、人数

の報告、地域協⼒⾦の納付

八重瀬町ガイドの会 ガイドの依頼、ガイド養成について連携

平和ガイド NPO 法人⾃然体験学校認定の平和ガイド(八重瀬町ガイドの会会員の⼀部含

む)月⼀回の会議、救急蘇⽣法の更新、受け入れのガマチェック

白梅同窓会(会⻑を通して) 平和講話講師の依頼、証⾔のヒアリングなど

問7. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:NPO 法人⾃然体験学校スタップのみ(社外秘)

内容:安全管理マニュアル、ガマの事前学習資料、予約受付方法、台帳、平和ガイド登

録シ-ト

⼊壕・⾒学時の安全対策について

問8. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

入壕について・・・ヘルメットと懐中電灯は必ず着用、持参すること

足場が悪い箇所では手で体を支えて移動すること

複数人で入壕する場合、⼀列になり、前の人とはある程度間を空けて進むこと

体調が悪いと感じたり、中に入りたくないと感じたら、無理せずにガイドに知らせ、地上に

でること

問9. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 入壕⾒学時のヘルメット、予備懐中電灯、懐中電灯用電池、予備の軍手、救急箱、トイレットペ-

パ-、ゴミ袋

②備品類の管理方法 入壕前に現場でガイドから貸出、ヘルメットは使用⽇は毎⽇、⽔拭き、アルコ-ルで消毒

電池の充電、予備軍手の洗濯

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

すべり止めの砂(役場主導で関係各所に確認整備予定)

通⾏路の草刈り

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問10. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない

入壕料の⼀部として徴収。当団体が保険会社と契約。

300 円程度で配分としては保険会社、地区(20 円)へ支払

ガイドはガイド個人で保険に加入。当団体が⾏っている講習を受講すると、年間 2,000 円

にて 7,000 万円ほどの保険に加入することができる。

問11. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

現場ガイド⇒当団体(事務局)⇒当団体スタップが現場で状況確認

⇒必要に応じて 119 および 110

問12. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

安全に関しては旅⾏会社、学校に渡す書類に記載している。パンフレット⾃体

の作成はしていない。

サイン 1.設置している

2.設置していない

その他

問13. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

・平和学習に携わるガイドの人材不足(現場で活躍できる人材がおらず、担い手が不足している)

・他団体において、万が⼀、事故が起こった際の責任の所在は明らかになっているのか。

問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

・ヘルメットの着用、ライト、軍手と事前の服装チェック

・傷害保険と損害賠償責任保険の加入

・事前学習資料の作成

・事前学習 DVD の作成

・毎月のガマ内定期チェック

・入壕前壕内チェック

・大⾬、台風、地震などの天災時の内部チェックの実施(翌⽇必須)

・島尻消防署と連携した避難救助(年1回)

・ガイドによる救急箱の携⾏

問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

・ヌヌマチガマにおいて、指定管理者以外で、崩落の危険性が⾼い場所において平和学習を実施している団体がある。

・クラシンウジョウの具志頭城址公園、ヌヌマチガマの八重瀬町戦跡公園の公衆トイレが汚れている。また、夜間酒を飲み、ゴミを

捨て汚していく者がいる

・過去⼀度だけ、感受性の豊かな⽣徒が、入壕後何かに憑りつかれたように泣きわめき、暴れることがあった。霊障のような状態

に陥った場合の明確な対処方法や予防方法があれば教えてほしい

・沖縄鍾乳洞協会(NPO 法人)が無理やり入り、様々な妨害⾏動がある。

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補記

[NPO 法⼈ 自然体験学校の活動]

平和学習におけるガマの入壕に対し、平和団体や現地住⺠の理解を得ることが困難だった経緯もあり、4年前に、具志頭村

からの依頼を受け、平和学習における平和二団体・区などの間を取り持つことになったのが始まりである。平成 25 年にクラシンウ

ジョウ壕において町・具志頭区と協定を結び、入壕の管理を含めた平和学習を⾏うことになり、平成 27 年にはヌヌマチガマの指

定管理者の指定を受け管理を開始している。クラシンウジョウ壕に関しては、8人の地権者がいたため、協定を結び、必ず月始

に入壕予定の人数、学校名を伝え、月末には実際に入壕した人数と報酬を報告している。ル-ルにも理解を得られた為、揉め

事⾃体は減少している。ヌヌマチガマは、地権者から⼟地を購入し、八重瀬町がバス停や階段の設置など環境整備を⾏ったが、

平和団体の反対活動や他団体の理解が得られないなど、管理に関して苦労もあった過去もある。

しかし、平成 28 年度は 4 万 6 千人の体験者が訪問しており、昨年度に比べ倍の人数年々増加傾向である。体験学習も

⾏っているが、平和学習を目的とした訪問者が最も多い。持前のガイドもいること、安全管理のマニュアルや救急対応においても

研修を⾏っており、安⼼・安全を謳える。また、受付は 2 年前から可能とスケジュ-ルを組みやすいのも強みである。

[安全管理について]

入壕を開始する前に、壕内をレ-ザ-光線にて崩れやすい場所や安全な場所を調査し、案内ル-トを確保した。現在は、

鍾乳洞の管理方法を利用し、壕内に⾍ピンを設置し、落下してないかの確認を月に⼀回実施している。耐震の弱い部分は、

鉄の板を設置し対応している。また、壕内に入る前に必ず確認を⾏い、安全を確認後に案内するようにしている。大⾬、台風や

地震などがあれば、翌⽇に壕内の確認をしており、学校側の希望も聞きながら対応している。(入壕を希望されない場合には講

話に変更するなど)

[研修や、ガイド免許制度について]

沖縄県の体験学習の体制が遅れていると感じている。北海道では、資格者制度があり、資格を持っていなければ体験学習を

⾏うにしても、旅⾏会社と契約できないという規則がある。他県も観光・体験においてのリスクマネジメントに対し動いている。沖

縄県の観光・体験に関わる施設が、安⼼・安全に対する理解を深めることが必要である。

当団体では、沖縄県唯⼀、環境教育においての認証を⽂部科学大臣と環境大臣から取っている。当団体が開催している、

研修会では様々な緊急対応を含め、保険の内容など体験を⾏う際に必要な基礎的なことを講義している。平和学習ガイド、

体験学習ガイドにおいても、マニュアルを作成しているため、伝えることはほぼ同様であり、研修の他にも緊急蘇⽣法の受講も義

務付けるなど、緊急時に対応できるようにしている。体験学習においても専門の認定を取得し、体験ガイドをように徹底してい

る。資格を取得することで、ガイド側も⾃身につながるし、依頼側からの信頼も得られると考える。

[今後の課題]

平和学習を確⽴していくには、まず平和学習で利用される場所の地権者からの同意を得て、安⼼と安全を掲げられるようにし

ていかないといけない。

現在の平和学習は、沖縄戦から戦後の沖縄、そして現在の状況がどうなっているのかを繋げられないのが現状である。点を線

で結ぶことが、今後の平和学習を⾏うにおいて重要であり、課題である。また、語り手が減っていく中、きちんと事実を伝える、正し

い語り手を作ることが必要。しかし、平和学習を⾏っても、8割程度が現実身を感じていないというのも現状である。そのために、

事前学習が必要であり、平和学習までの過程を検討しなければならない。

今後は、各団体や施設が連携し沖縄県全体が動くことが大切である。また、安⼼・安全を謳うためにも、沖縄県の⾏政を含

め平和・体験を⾏う施設全体が、しっかりとした資格を取ることも大切であり、県全体の安全対策についての理解が必要である。

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7.南風原平和ガイドの会 管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 南風原平和ガイドの会 所在地 南風原町

設⽴年⽉⽇ 平成 19 年 6 月 所属組織

平和教育関連

事業概要

職員数 30 名

事業名 -

事業概要 沖縄陸軍病院 20 号壕の案内をし、沖縄戦を伝える。

問2. 保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

沖縄陸軍病院

南風原壕群 20 号壕

沖縄戦時に、⽇本軍が⻩⾦森と呼ばれる⼩⾼い森に沖縄陸軍病院壕軍を構築。南風

原町は沖縄戦の記憶を伝えるために、1990年に⽂化財に指定し、2007年6月に⼀般

公開に至る。第二次世界大戦の戦争遺跡を⽂化財に指定したのは⽇本初。

飯上げの道(⻩⾦森)

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

- - -

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

30 名 - 約 8 回の講習会を受けると終了証明書が発⾏され、

その後ガイドとして活動が可能となる。

問5. 貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

- 80 名 約 8 回の講習会を受けると終了証明書が発⾏される。先輩ガイドが

⾏っているのを学びながら、徐々に実際に⾏っていく。

講習会の参加には年齢制限はなく、すべての希望者の参加が可能。

問6. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

南風原⽂化センタ- 南風原⽂化センタ-に予約が入ると南風原平和ガイドの会へ連絡があり、そこからガ

イドの配置を⾏う。ガイド実施後は、南風原⽂化センタ-へ実施時間を報告し、その

分の給料が入る。

問7. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:

内容:前会⻑が作成。

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⼊壕・⾒学時の安全対策について

問8. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

壕に入る前に、道が滑りやすいことや、壁も低くなっていることなどの、壕内での注意

事項を説明。また、1組あたり 10 名に限定し、1列にて⾒学するようにしている。

問9. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 懐中電灯、ヘルメットを貸出ししている。100 セットほど完備。

②備品類の管理方法 壕に入る前に、壕管理室にて懐中電灯とヘルメットの貸出しを⾏う。

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

問10. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない

南風原町が加入している。

オプションプランを実施する場合には、その料⾦(1000 円)の中に保険料も含まれている。

問11. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

緊急時は管理人、南風原⽂化センタ-へ連絡。壕から管理人室まで近い為、

そこまで実際にいくようにしている。

問12. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

ホ-ムペ-ジに注意事項を記載している。

サイン 1.設置している

2.設置していない

歪みを察知するような非常ベルを 3 つ設置している。

その他

問13. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

壕⾃体劣化しているため、壁にぶつからない、触らないよう注意している。また、劣化を防ぐために出入り口の開閉に注意し、⼀

定の湿度を保てるようにしている。

必ず壕に入る前に、安全⾯の説明をする。ヘルメットと懐中電灯を 100 個程準備しており、参加者に貸出しをしている。⾬天時

はすべりやすいが、スニ-カ-でも大丈夫である。壕内に歪みを察知する非常ベルが3つ設置されているが、今まで1度も作動し

たことはない。

問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

劣化を防ぐ為に、壕内の湿度の管理はしているが、年々劣化している為、壁には触らないように説明している。

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問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

耐久性に問題もあり、現在南風原町に調査を依頼しているところ。今後修正が必要か検討していく。また、劣化を防ぐ為に入場

制限も必要か検討していかなければいけない。

⼀般公開を始めた時期からも耐久性について⾔われていたが、壕内の劣化もみられる為、現在町への調査を依頼しているところ

である。⼀定の湿度を保てるように出入り口の開閉など管理は⾏っているが、状態を保つのは厳しい。そのため、今後は訪問数も

調整が必要かもしれない。また、20 号壕以外にも跡が残っているため、壕だけではなくその周囲の状態も維持できるよう南風原

町とも話し合いが必要となるかもしれない。

体験を話せる方が少なくなってきており、語り手の後継者をつくることが課題。今後も講習会も開催していく予定であるが、参加

者が減少していることも問題である。また、今後は戦争時代に⼦供だった世代からの調査をし、⼦供からの戦争目線という形で

話をまとめては、と考えている。

補記

[南風原平和ガイドの会の活動]

平成 19 年の公開に合わせ、ガイドの募集を開始。8 回の講習会を受けたのち、ガイドとしての活動ができる。80 名ほどの受

講終了者がいるが、実際に活動しているガイドの人数は 30 名程度と、講習会を⾏っても実際に活躍するガイドを確保するのが

難しい状況である。年齢層は 10 代から 80 代と幅広く、平均年齢は 50 代であり、90%が戦争未体験者である。

ガイドの配置に関しては、南風原⽂化センタ-に予約が入ると連絡が来るため、その後、南風原平和ガイドの会にてスケジュ

-ルの確認、配置を⾏っている。入館者数は年間 9,000〜1 万人、1 ⽇ 200 名訪れることもある。

ガイドする内容としては、前館⻑が作成したマニュアルや講習会で受講した内容、また体験者の話や、先輩ガイドの内容を加

えながら伝えている。やはり個人間で伝える内容が異なるのは事実。そのため、5 月の総会にて年間計画を⽴て、月1回の勉強

会での中で県内の壕へ足を運んだり、体験者の話を伺うなどと⽇々勉強を⾏っている。

南風原壕群 20 号内は 70 メ-トルと比較的短いル-トのため、1組 10 名と限定している。沖縄陸軍病院の様⼦を再現し

た模型や、壕内から出てきた薬品や弾薬などの物品もあり、大体10〜20 分の説明をしながら回っている。

また、周辺の施設に飯上げの道もあり、当時のひめゆり学徒が⾷料を運んだとされる道も⾒学することができる。希望があれ

ば、証⾔を元にした、当時のおにぎりの量(200 個程度)を樽に入れて運ぶという体験もできる。また、当時の壕内の臭いを再

現し瓶詰めにしており、希望者は体験ができる。学校側や参加者の希望にて対応している。

訪問者は地元の方も多い。また、南風原町では戦争遺跡を⽂化財に登録するなど、平和に対しての動きもいち早く⾏ってい

るため、平和活動や学習に関しては⼟台がある印象。⼦供たちにも身近に体験する機会があると思う。

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8.ゆうなの会(糸数アブチラガマ専属ガイド) 管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 ゆうなの会 所在地 南城市玉城字糸数

設⽴年⽉⽇ 平成 21 年 所属組織

平和教育関連

事業概要

職員数 -

事業名 ガイド案内

事業概要 糸数アブチラガマからの沖縄戦の実相を伝える。

ガマのガイドのみではなく、幼稚園での紙芝居での平和活動も実施している。

問2. 保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

糸数アブチラガマ 糸数区の委託で運営

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

- - -

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

10 名 - ゆうなの会独⾃の研修会受講が必要。終了後は認

定証書を渡している。メンバ-条件は南城市在住の

方のみ。

問5. 貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

糸数アブチラガマ研修終了証書 10 名 約1年の研修が⾏われる。糸数アブチラガマの研修の他にも、県内の

沖縄戦に関わる壕や遺物等の⾒学も⾏う。

問6. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

南部観光総合案内センタ- 予約受け場所。その後、ゆうなの会へガイド依頼を⾏う。

その他ガイド団体 依頼者がゆうなの会以外のガイドを希望する際には、他団体のガイドが糸数アブチラガ

マを案内。豪内の安全管理は共有している。

問7. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:ゆうなの会のみ

内容:南部観光案内センタ-が管理しているが、下⾒やガイド方法等含めマニュアル作成

している

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178

⼊壕・⾒学時の安全対策について

問8. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

個人・団体と人数に関わらず、必ずガイドは同⾏。

ヘルメットの装着の義務、懐中電灯と軍手の持参、壕内では滑りやすい為、靴の着用

などの説明をしている。事前に安全管理の資料を配布しており、壕内に入る前も説明

を⾏っている。

問9. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 ヘルメットの着用の義務付けしており、貸出ししている。

懐中電灯と軍手の持参を依頼しているが、懐中電灯のレンタルは可能。(350 本程度完備)

AED は総合案内センタ-に完備。

②備品類の管理方法 ヘルメット使用後は消毒対応。

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

出入り口や階段に手すりあり。壕内に柵の設置をしている。

緊急ブザ-は、説明時に⽴ち止まる 5 つのスポットに設置。

平成 28 年よりガイドは無線を持つようにしている。センタ-と連絡が取れるようになっている。

問10. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない ゆうなの会では管理していない。ガイド個人

問11. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

(連絡体制など)

無線を使用し、教員と案内センタ-と連絡を取りながら緊急対応を⾏うが、救

急⾞呼ぶかなどの学⽣の最終決定は、教員に任せている。

問12. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

安全管理に関してのパンフレットはないが、申し込み時に注意事項の用紙は配

布している。

サイン 1.設置している

2.設置していない

壕内入口に「頭上注意」のサインはある。

その他

問13. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

天井に気を付ける、滑りやすいなど、壕内での安全管理が第⼀。そのため、ヘルメットの着用の義務、壕内の手すりの設置を⾏っ

た。2016 年度より、壕内に入る際には、外部と連絡できるよう無線を持つように義務付けた。

また、緊急時の連携の方法などは、年に⼀度、島尻消防署からの緊急安全講習会を受講し、シミュレ-ションを⾏っている。

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179

問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

年⼀回に消防署からの緊急安全対策の受講している。

団体を案内する場合には、説明で⽴ち止まるごとに参加者全員の顔が⾒える場所に⽴ち、状況を確認できるように気配りを

している。他ガイドメンバ-へも情報の共有をしており、安全管理への対応を統⼀している。また、同⾏する教員や旅⾏ガイドに

も、緊急時の対応ができるよう同⾏を依頼している。

事前への注意事項の用紙の配布や、壕内に入る前に再度説明するなど徹底している。また、修学旅⾏などの団体を案内す

る場合は、前後に引率の教員をつけるようにしており、⽴ち止まって説明する場合は、参加者の顔が⾒えるよう、⽴ち位置を真ん

中にするなど配慮している。また、前もって教員に気にかける必要のある学⽣を聞くなど、事前に情報を集めたりしている。

問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

ゆうなの会以外にも他のガイド団体が使用するため、安全管理をすべてのガイドと共有することが難しい。

ガイドとエ-ジェント・教員間の安全管理の危機感が違う印象。⼀度に 20〜40 名の⽣徒をガイド 1 人で管理するのは難し

い。そのため、エ-ジェント、教員方の安全管理の意識づけをすることが必要。下⾒準備でしっかり壕内を⾒て、安全管理につい

て考えてもらいたい。また、壕内についてや各ガイド団体の理念についても知ってもらい、それを参加者へ伝えられるようにしてほし

い。

壕内の管理としても、手すりなどの設置は⾏っているが、⾃然洞堀である為中の管理が引き続き必要である。しかし、毎⽇壕

内の状況確認、管理が⾏えなくなっている状況である為、危機感を持って対応していく必要がある。

海外からの訪問者も多くなってきているが、⾔語⾯で対応が⾏えていない状況。今後はその対応もしていく必要がある。

補記

<追加>

活動しているガイドは 10 名ほど。35〜75 歳と幅広い年齢層で、メンバ-は地元南城市在住である。思想信条を押し付け

ずに、糸数アブチラガマの実相から沖縄戦と命の大切さを伝えることを理念とし活動している。

ゆうなの会のガイドは、約1年の研修を⾏った後に、独⾃の終了証書を受賞。その後糸数アブチラガマ専属として活動してい

る。また、ガイドの他にも、幼稚園での紙芝居読み聞かせでの平和活動をしている。現在はガイド数を増やすことはしていないが、

内容を深める為に、月 1〜2 回の勉強会を実施している。

南部観光案内センタ-が予約の窓口となっているが、旅⾏会社や学校側の依頼者が、他のガイド団体を希望する場合もあ

るため、さまざまなガイド団体が利用している。そのため、沖縄戦や糸数アブチラガマ関しての説明内容も異なってしまうのが現状

である。ゆうなの会では独⾃の研修終了証書があるが、市や県から認められたものではないため効⼒がない。きちんとした認定書

があってもいいと思うが、利用する各壕について研修し、そこで認定することが大切だと考えている。

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185

9.地域ガイド風の会 管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 地域ガイド風の会 所在地 沖縄県読⾕村都屋 272-6

設⽴年⽉⽇ 平成 12 年4月 1 ⽇ 所属組織 -

平和教育関連

事業概要

職員数 10 名

事業名 -

事業概要 修学旅⾏(⼩学校〜⾼校)の講話、ガイド案内、フィ-ルドワ-クなど多種多様に活

動。

問2. 使用施設、保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

チビチリガマ 読⾕村内の2つのガマと座喜味城跡をロ-テンションで案内することもある。

シムクガマ

座喜味城跡

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

- - -

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

- - -

問5. 貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

- - -

問6. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

読⾕村⽂化振興課 -

読⾕村⽴歴史⺠俗資料館 -

問7. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:-

内容:ガマの説明、注意事項など

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181

⼊壕・⾒学時の安全対策について

問8. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

問9. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 基本的に、軍手と懐中電灯を持参してもらう。貸出しもできるように、ガイドも現場に持っていく。

⾬天時はカッパも貸出しが可能なように準備しているが、管理が大変なため公にはしていない。

(50〜80 個等そろえることもあった)

②備品類の管理方法 -

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

バス駐⾞場所にぶつからないようにポ-ルを設置。(県が対応)

問10. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない -

問11. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

問12. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

サイン 1.設置している

2.設置していない

「ハブに注意」などの看板を設置。

(読⾕村が対応)

その他

問13. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

・⾬や台風の後は必ず現場を⾒にいくようにしている。

問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

・⾬天時など、フィ-ルドワ-クができなかったときの為に、⽂化センタ-などの場所を確保している。(3 カ月前から予約)

・安全対策を含め、下⾒には1時間以上の時間をかけるようにしている。また、下⾒に来た教員には、事前学習のことや、どのよ

うな平和学習がいいかなど寄り添いながら対応してきた。本⼟からの教員には、地元の情報がわかるように沖縄の新聞を渡したり

しており、この情報も安全対策に繋がっていると思う。

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182

問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

・ネット社会の中で、個人情報取扱の観点からも安全性の確保をしなければならない。勝手に撮られた写真や音声を他の場所

で使用される可能性もある。修学旅⾏中にも写真を撮られるなどの危険性もあるため、⼦供達の安全を守るためにも対策が必

要である。

・安全対策ができるように、添乗員や、派遣される看護師等も理解のある方がきてほしい。

・以前は懐中電灯の貸出しもしていたが、返却をしてくれないことや、管理の⾯で、今は持参するように依頼している。

・学校側と、ガイド側での熱意の差を感じることもある。また、数年前に予約をするが、急にキャンセルをする学校側もあり対応に

困ることもある。

・台風の後の道の整理など、⾏政も含めて対応してほしい。ガイドだけでの管理では難しい。また、プロモ-ションをする以前に、

沖縄県⾃体の受入環境整備や観光協会等がしっかり機能するようなチェック機能を確⽴してほしい。まずは、沖縄県担当者も

観光関係者にも現場に来てほしいし、今後の沖縄の為に繋げられるように対応しなければならないと思う。

・今後の課題としては、地域内での連携が挙げられる。信頼を築き、継続的にガイドをしていきたい。

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183

10.公益財団法⼈ 対⾺丸記念会 対⾺丸記念館 管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 公益財団法人対⾺丸記念会 対⾺丸記念館 所在地 那覇市若狭 1-25-37

設⽴年⽉⽇ 平成 25 年 4 月 1 ⽇ 所属組織 -

平和教育関連

事業概要

職員数 8名

事業名 対⾺丸平和祈念事業、遺族及留守家族等援護活動、来館促進支援事業

事業概要 犠牲者の慰霊とともに語り部、平和学習推進連携、来館促進事業を中⼼とした平和発

信事業

問2. 使用施設、保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

対⾺丸記念館 平成9年に深海で対⾺丸が発⾒され、遺族の遺骨収集の願いは、船体引き揚げができ

ない状況であったことから、犠牲者の慰霊、対⾺丸事件の史実、教訓を伝えるために国の

全額補助で対⾺丸記念館が設置された。博物館相当施設として遺品、遺影等の展示

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

理事⻑ 1 名 対⾺丸記念会を代表し、その業務を執⾏する。

副理事⻑ 1 名 理事⻑の補佐、業務執⾏、理事⻑の職務代⾏(理事⻑に事故、⽋けたとき)

常務理事 1 名 常勤で、対⾺丸記念会の業務を分担執⾏、副理事⻑の職務代⾏

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

4 名 - 対⾺丸⽣存者

1 名 - 対⾺丸遺族

3 名 - 語り部認定者・語り部養成講座受講後のバスガイドや観光従事者

問5. 貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

語り部認定 3 名 語り部養成のための講習会を受講

問6. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

那覇市教育委員会 共催で那覇市内全⼩中学校平和教育担当者研修会開催(2 回/年)

問7. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:

内容:マニュアルの作成は特にしていない。

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184

⼊壕・⾒学時の安全対策について

問8. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

問9. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 特になし

②備品類の管理方法 特になし

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

館内入口が 2 階なので、手すりの設置と、階段から外を覗いて落ちないように網を設置。

問10. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない

賠償責任保険加入。施設管理上の損害賠償責任に基づいて治療費等を来館者等に支

払う。

問11. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

職員がパ-トである為、常に同じスタッフがいるわけではない。そのため、随時出

勤している職員が⾏うようにしている。

緊急時は職員に依頼するようにしているが、事前に学校側からの依頼があれ

ば、病院の案内ができるように準備をしておく。

問12. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

サイン 1.設置している

2.設置していない

消防法に基づく、各種防災対策をしている。

避難するための非常口サインあり。

その他

問13. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

津波警報が発令された場合の来館者の避難

設置してあるエレベ-タ-や、⽕災報知器などの管理は指定の規定通り実施している。

問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

特になし。

問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

職員の⽕災訓練など⾏っていないため今後検討が必要か。

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185

補記

[対⾺丸館の現状と活動]

入館数は徐々ではあるが、平成 22 年度より増加傾向で、戦後 70 年の節目にも増加しており、年間 2 万人ほど。しかし、沖

縄県内からの訪問者は少なく県外からの訪問者が多い。県内 25%、県外 75%であり、県内の 25%の内訳は⼩学校での平

和学習での訪問が多い。

対⾺丸館は、戦時中の学童疎開について考えられる、全国で唯⼀⼦供と戦争、平和に特化した特色のある場所である。ま

た、犠牲になった8割の⼦供が那覇市出身のため、特に地元那覇の⼦供達に学んでもらいたいという願いがある。しかし、展示さ

れている資料が少ない事や、対⾺丸記念館以外に⾒学するルートが確⽴していない現状、そして、教育現場も戦争を知らない

教員が増えているという時代背景もあり、地元からの訪問者が増えない状況である。

展示品の資料が少ないことに関しては、対⾺丸船体の引き揚げができない事や、箱口令により⽣存者からの証⾔が得られにくか

ったという背景、犠牲児童出身地の那覇が空襲で焼け出されたこと等による。教育現場の変化としては、教員の年代のほかに、

学校側の時間の拘束や、身近にある戦争に関する遺物、遺跡を⾒に⾏くというようなカリキュラムに移⾏しているからだと考えてい

る。

そのため、5 年前から那覇市の全⼩中学校(54 校)の平和担当教師に年に1回沖縄戦や対⾺丸、児童疎開についてなど

の研修会を実施している。今年度から年に2回実施するようになった。この研修会を始めることで、那覇市と教育委員会経由

で、対⾺丸についてのニュース紙が配られるようになった。また、平成 29 年度は浦添市教育委員会も研修会に参加する予定で

ある。

[語り部について]

過去に、語り部養成講座を実施した。現在活動しているのは、対⾺丸⽣存者、その遺族、そしてバスガイドや観光従事者が

いる。平均年齢は 70〜80 代、語り部認定者は 40 代である。語り部認定者のガイド内容としては、講座内容が主であり、実

際の⽣存者の方と話す機会は少ない。以前は、2 回ほど講座を⾏い、語り部の養成をするが、実際に活動してくれる語り部は少

ないのが現状である。

[今後の課題]

今後の課題としては、運営費の確⽴、語り部の養成、学校現場との連携の拡充などある。現在、那覇市の⼩学校が年に 1

度は対⾺丸記念館へ平和学習として訪問する制度を那覇市へ陳情しているが、入館料やバスのチャーターなどの予算も必要な

ため、実現には時間がかかっている。優秀な指導者の育成、そして、⼦供達が平和な社会を形成していく主体として、「平和形

成⼒」をどう身につけるかということが、今後の大きな課題である。

館内が多⾔語化対応できれば、海外の方にも対⾺丸記念館の情報を流し、訪問者を増やしてもいいと思う。 対⾺丸で犠

牲になった⼦供の8割が那覇市の⼦供達であることから、まずは地元那覇市の⼦供達を中⼼に平和発信していきたい。

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11.南部観光総合案内センタ- 管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 南部観光案内センタ- 所在地 南城市玉城字糸数

設⽴年⽉⽇ 平成 14 年 所属組織 糸数区の指定管理

平和教育関連

事業概要

職員数 6 名

事業名 -

事業概要 糸数アブチラガマの管理

問2. 保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

糸数アブチラガマ 糸数区の委託で運営

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

事務 4 名 予約管理、ガイドへ連絡

受付 2 名 糸数アブチラガマ入口での人数管理

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

10 名 ゆうなの会 ゆうなの会が実施している研修を受講。原則としては

南城市在住の方。

問5. 貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

- 糸数アブチラガマ⾃体は他の団体も利用する

問6. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

- -

問7. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:

内容:南城市が作った、契約書に実施内容が記載されている。

⼊壕・⾒学時の安全対策について

問8. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

壕内に入る際には、ゆうなの会ガイドや、他ガイドが必ず同⾏。

すべりやすい場所、天井に気を付ける場所の説明。

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問9. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 ヘルメットは義務。懐中電灯、軍手は持参するよう依頼。

懐中電灯のレンタルは 100 円にて可能

②備品類の管理方法 -

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

問10. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない

ガイドする方は個人で加入。

参加者は学校側の旅⾏保険で対応、個人旅⾏に関しても個人で対応。

問11. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

壕内で緊急あれば無線で連絡がくる。無線は壕内入口、観光案内センタ-と

つながっている。緊急対策は⾏っているが、最終判断は教員と相談。当施設が

独⾃で判断することはない。

問12. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

事前に注意事項は配っているが、パンフレットに記載はない。

入壕する前に再度口頭にて説明。

サイン 1.設置している

2.設置していない

糸数アブチラガマの入口に「頭上注意」のサインはある。

その他

問13. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

壕内での安全対策が重要。そのため、壕内の確認もしている。

問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

無線を使用するにあたり、壕内の近くにアンテナを設置するなど対応してきた。

壕内に設置している、緊急ブザ-も定期的にテストしている。

問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

地震があったときなどの防災訓練、連絡体制の強化を今後もしていく。

現在、市が市全体での緊急時のマニュアル作成を検討しているとのこと。

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188

12.ひめゆり平和祈念資料館 管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 ひめゆり平和祈念資料館 所在地 糸満市字伊原 671-1

設⽴年⽉⽇ 平成元年 6 月 23 ⽇ 所属組織

平和教育関連

事業概要

職員数 -

事業名 ひめゆり関連戦跡壕の調査・保存・活用事業

事業概要 伊原第⼀外科壕の保存・活用の検討

伊原第⼀外科壕・伊原第三外科壕の戦跡考古学調査報告書の発⾏

問2. 保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

- -

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

理事⻑、事務局⻑ 4 名 法人を代表し統括する 事務局業務全般、経理・庶務業務

館⻑、副館⻑ 2 名 資料館管理・運営業務の統括

総務課 5 名 総務全般・経理・庶務業務に関すること

学芸課 5 名 学芸業務・説明業務に関すること

証⾔員 8 名 ひめゆり学徒の⽣存者(館内説明/証⾔員会 月 1 回)

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

- - -

問5. 貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

特になし

問6. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。(※加盟館)

連携先団体・組織名(加盟) 連携状況・内容

⽇本平和博物館会議 ⽇本平和博物館加盟館 10 館との定例会議や情報交換会(年 1 回開催)

平和のための博物館市⺠ネットワ-ク 全国から平和博物館が参加し様々な意⾒や情報交換会(年 1 回開催)

問7. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:

現在作成している。

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⼊壕・⾒学時の安全対策について

問8. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

基本的に館内にガイドをつけていないが、証⾔員の同⾏を依頼されるときのみ対応して

いる。

問9. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 特になし

②備品類の管理方法 特になし

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

⾞いすでも入館できるよう配慮している。

問10. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない

施設(ひめゆり平和祈念資料館 ひめゆりの塔敷地内)

賠償責任保険 1 名 5,000 万円

問11. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

緊急時のときは、連絡体制を決めて対応している

夜間の機械警備時は、緊急があれば警備会社から担当者との連絡を

取って対応している

問12. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

特になし

サイン 1.設置している

2.設置していない

特になし

その他

問13. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

10 月から 12 月の修学旅⾏シ-ズンで多いときは、1 ⽇ 30 校余り、4,000 名余り入館している。

館内の混雑時の対策として、ロビ-入口及び展示室入口などに職員を配置して、⽣徒を制限して展示室を⾒学させている。

また、⼀般の入館者への声掛けに配慮したりしている。

問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

比較的学⽣の服装は落ち着いており、喧嘩などのトラブルもない

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195

補記

[ひめゆり平和資料館の活動]

実際にガイドをしているのは 6 名で、平均年齢は 89 歳。依頼された学校へ出向いたり、ひめゆり平和資料館で平和講話を

中⼼に実施している。しかし、証⾔者も⾼齢となっており、館外での講話回数は減少しているのが現状である。その反⾯、依頼

者からの要望は圧倒的に体験者の講話の依頼が多い状況である。現在、語り手の引き継ぎとして講話内容などのマニュアルを

作成中あり、学芸員が証⾔員と⽣活を共に過ごすことで、直接向き合いながら調査をしている状況である。現在の人材育成とし

ては、ひめゆりの研究をしていたような基礎知識を持った方が学芸員となり、そこから証⾔員の方から情報収集をしている形にして

いる。その学芸員が教員やバスガイド、平和ガイドなどに教育することで、語り手を育てるようにしている。

館内は基本的にガイドの説明なく理解できるように作ってあるが、説明の統⼀を図るために館内の説明は証⾔員と学芸員の

みとしている。館外にある施設の説明に関しては、当施設のガイド研修会を受講後可能としている。年に 2 回ほど研修会を開催

しており、対象者は主にバスガイドなどの観光従事者である。研修会実施後は、比較的説明内容の統⼀が図れている印象であ

る。

現在は、世代交換の時期でもあり、戦争を伝えられる人も少ない状況である。そのため、年に 1〜2 回の教員へ向けたワ-ク

ショップを開催し、間に⽴つ人へ伝えることも始めている。県外からの依頼もあり、県内外へ向け活動している。

また、海外からの入館者も増加傾向であり、通訳がいる場合や、⽇本語の理解があれば、⽇本人向けのプログラムを少しアレ

ンジした内容での対応も開始している。

[安全管理]

入館者が多い時期には、入館人数の調整をしたり、⼀般の方に声掛けでの配慮を⾏ったりしている。来館中は、安全管理を

含め教員と移動するように依頼している。学⽣の緊急時の判断は教員に任せているが、救護室を設けているので、そこでの対応

も可能となっている。また、環境整備としては、ハブ対策として周囲をフェンスで囲んだり、館内に解毒スプレ-などの完備もしてい

る。

[今後の課題]

平和学習で訪問しても、⾔葉では戦争を伝えられない世代になっており、⽣徒の受け方もそれぞれである。興味がある⼦もい

れば、イメ-ジの湧かない⼦もいるのが現状である。そのため、事前学習用に DVD を作成し、希望のある学校へ貸出しをした

り、講話の途中にビデオ上映や説明を入れるなど、⽣徒が理解できるように⼯夫もしている。しかし、学校側の時間の問題、平

和学習への意識的な問題の影響か、DVD を実際に利用する学校が少ないのも現状である。事前学習の検討と共に、平和学

習を戦争の知らない世代にどう伝えていくかが課題となる。それと共に、年々大人の来館者が減少しているのも問題であり、⼦供

に平和学習を伝える年代にも足を運んでもらい、学べる機会となれればと思っている。

ガイドに関しては、沖縄県全体が県外から来る方に対し、個人の意⾒を伝えるのではなく、同様の説明ができるように統⼀で

きればいいと考えている。また、⼀施設だけで平和学習をやったという事実作りをするのではなく、沖縄戦がさまざまな施設と場所

で繋がっている事実を伝えることも今後必要だと思う。

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13.株式会社がちゆん 管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 株式会社がちゆん 所在地 沖縄市/中城村(オフィス)

設⽴年⽉⽇ 平成 26 年 5 月 1 ⽇ 所属組織

平和教育関連

事業概要

職員数 8 名

事業名 平和共育プログラム

事業概要 沖縄の大学⽣と「沖縄戦」「米軍基地問題」などに関するテ-マで意⾒交換を⾏う。

※学校により内容はアレンジしています。

問2. 保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

琉球大学内 ⻄原町千原1番地/学内⾒学を兼ねた依頼もあるため、琉球大学広報室と協定を結び

協⼒体制を作っての運営となっている。

県内本島のホテルバンケット 糸満市、南城市、那覇市、北⾕町、恩納村、本部町など

その他 各市町村にあるホ-ル(※上記 2 箇所での実施不可の場合)

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

人事/広報 3 名 アルバイト⽣の管理/研修実施/定期⾯談/大学⽣スタッフ募集

総務/経理/営業 2 名 問い合わせ窓口/運営管理/経理業務/学校、代理店への営業(間接)

授業開発/営業 2 名 授業開発(研究/企画)/学校、代理店への営業(直接)/下⾒対応

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

約 200 名 名簿作成/SNS グル-プ 県内に在学している大学⽣。

参加者からの口コミ/⾯談/研修

問 5.登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

特になし - -

問5. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

琉球大学/沖縄大学 広報室関連/教授との協同

宜野湾市役所/嘉手納町役場 米軍基地の学習の際の資料提供/説明

沖縄市観光物産振興協会 コザまち歩きとのコラボ計画実施

問6. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:-

内容:マニュアルではないが、ワ-クシ-トを作成しており、講義やグル-プワ-クを⾏う際に

利用している。確かな情報は与えないよう注意している。

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⼊壕・⾒学時の安全対策について

問7. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

壕に入ることはないが、フィ-ルドワ-クを⾏う際には会のメンバ-の代表が必ず同⾏

する。そのほかにフリ-のメンバ-を 2 名同⾏できるよう調整。

フィ-ルドワ-クは 20 名に 1 名のメンバ-をつけるようにしている。

問8. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 -

②備品類の管理方法 -

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

問9. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない 現在検討中

問10. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

緊急時担当の設置 緊急時の対応内容

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

メンバ-間での緊急時の連絡先は決めているが、基本的には教員、添乗員へ

連絡し、最終手段を任せている。必ず同⾏する添乗員、教員の番号を確認し

ている。

問11. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

特になし

サイン 1.設置している

2.設置していない

特になし

その他

問12. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

身体的な安全とは逸れてしまいますが、SNS 等で⽣徒と大学⽣が個人的なやり取りを⾏うリスクがあるため、採用時の際の⾯

談、事前研修、直前研修時に注意喚起している。

問13. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

配慮が必要な⽣徒がいるか事前に確認。施設までの案内ル-トに反映。(⾞椅⼦/松葉杖など)

また、ワ-クショップやフィールドワーク時の声掛けにも反映。

問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

フィ-ルドワ-クを⾏う際に、他の団体とかち合う可能性もあるが、管理されているわけではないため連携が取れない。他グル-プ

とブッキングする可能性があるため、今後対応が必要か。

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補記

[株式会社がちゆん活動]

意⾒交換をする場としてのサ-クル活動から始まり、対話の場を提供する企業として、平成 26 年に会社を⽴ち上げた。がち

ゆんの社名の由来は、「ガチ(本気)のゆんたく(対話)」。本気のゆんたくは、⽣徒ひとりひとりの主体性を引出、内⾯の変化

を引き起こすことができると考え、沖縄を訪れる全国の中学⽣・⾼校⽣に向けたプログラムを実施している。

参加者は、主に県外修学旅⾏⽣だが、県内の地域学習の事前学習や、大学の講義も多くなってきている。修学旅⾏⽣への

プログラムとしては、修学旅⾏の⼯程でまわってきた沖縄戦に関わる場所の理解、意⾒交換を⾏い、アウトプットする機会を作る

ことである。また、このプログラム終了後に、⾃分の中にこんな学びがあったんだ。という気付きを与えることが最大の目的である。主

にワ-クショップが中⼼で、10 名グル-プに 1 名のメンバ-が対応する形であるが、受け入れ規模もさまざまで、最大 400 名の

対応も⾏ってきた。対応人数に応じ、大学⽣メンバ-を動員し実施している。参加するメンバ-の研修も実施しており、ワ-クシ

-トを使用し講義方法などを統⼀できるようにしている。また、確かでない情報を与えないようにすること、⽣徒とメンバ-の年が

近いため、SNS での個人的な関わりを作らないように注意している。

フィ-ルドワ-クも希望に応じ⾏っており、嘉手納基地⾶⾏場周囲、嘉数⾼台公園や上大謝名など、沖縄戦に関係している

場所を利用している。メンバ-は学⽣40名に対し2名同⾏するようにし、前後で案内するようにしている。事前に配慮が必要な

⽣徒がいないか確認をしており、施設までのル-トなどの調整や、講義中の対応時の声掛けに注意したりしている。

緊急対応としては、マニュアルの作成はしていないが、必ず教員・添乗員の番号を確認し、随時連絡を取れるようにしている。

ガイド中も、教員に⽣徒の状況がわかるよう⾒て回るよう協⼒の依頼をしており、緊急対応時は最終判断を任せている。また、フ

リ-のメンバ-もガイドの他に 2 名同⾏するため、緊急時は協⼒できるよう調整している。

今後の課題とてしては、保険加入の検討や、フィ-ルドワ-クを⾏っている場所の予約管理である。また、現在⾏っている平

和学習と観光に区切れが⽣じているため、どう平和学習をつなげていくかも課題となる。そのために、他団体とコラボを検討し、事

前学習や姿勢作りとなるよう新しい方法を⽣み出していきたい。

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14.南風原町⽴南風原文化センター 管理団体の概要

問1. 施設概要について教えてください。

団体名 南風原町⽴南風原⽂化センター 所在地 南風原町字喜屋武 257 番地

設⽴年⽉⽇ 平成元年 所属組織 南風原町役場

平和教育関連

事業概要

職員数 約 9 名

事業名 -

事業概要

「継承・交流・創造」を柱に、町の歴史・⽂化等の調査・研究・公開を⾏う専門機関として

の活動のほか、町⺠の⽂化創造の場や他地域との⽂化交流の場を提供するなど、町の芸

術・⽂化発信の拠点として機能している。沖縄陸軍病院壕を⽂化財と指定することで、手

を加えず保存する、次世代に伝えることを目的とし、南風原町が動いたのが始まりである。

問2. 保有施設について教えてください。

施設名 施設概要(所在地、設置経緯、施設内容)

南風原⽂化センター 戦時〜戦後の沖縄の歴史を学べるように設⽴。

沖縄陸軍病院

南風原壕群 20 壕

1990 年に南風原町が戦争の悲惨さを伝える証とし、第⼀外科壕群、第二外科壕群を

町の⽂化財に指定。

管理体制

問3. 管理・運営団体の組織について、部署や役職などの役割別に⼈数を教えてください。

役割・部署 ⼈員数 業務概要

学芸員 2 名 学芸員の嘱託 2 名、委託 1 名

事務職員 2 名

課⻑ 1 名 南風原公⺠館、図書館、南風原⽂化センタ-が⽣涯学習⽂化課と1つの課に

なっている。

課⻑の席は公⺠館にあるが、⽂化センタ-の館⻑は課⻑が兼務している。

嘱託 4 名 受付、掃除係

問4. 語り部、ガイド等の確保方法について教えてください。

⼈員数 登録・協業体制 採用方法・確保方法

ガイドの会 ガイド養成講座受講後にガイドが可能

問5. 貴団体に登録・提携している語り部、ガイド等の経験・資格等の保有状況について教えてください。

保有資格 資格者数 育成・資格取得支援などの内容

約 80 名 年により回数は変わるが、数回の講習会を受け、ガイドの会に加入すると

ガイドとして活動ができる。講習を受講してもガイドとして活動する方は少

ない印象。

問6. 関連団体や、地元共同体との連携状況を教えてください。

連携先団体・組織名 連携状況・内容

会合などを持つことはないが、施設を持つ方と話をする機会はある。

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問7. 運営マニュアル等の有無、内容について教えてください。

運営マニュアルの有無 内容

1.ある

2.ない

主な参照者:ガイドの会/管理人

内容:緊急時やガイド方法についての簡易的なマニュアルが作成されている。

⼊壕・⾒学時の安全対策について

問8. ⼊壕・⾒学時のガイド同⾏の有無や安全に関する説明内容について教えてください。

安全のためのガイド同⾏ ガイドの安全に関する説明内容

1.原則的に同⾏する

2.要望がある場合手配する

3.同⾏しない

ガイドは原則的に同⾏。中に人が残されないように、壕の出入り口が二重扉になってお

り、入るときに鍵を開ける、出るときに閉めるように決めている。

修学旅⾏時には教員の同⾏を依頼している。

問9. 利用者・⾒学者への安全対策について教えてください。

①用意している備品類 懐中電灯とヘルメットの貸出しをしている。軍手はなくても入壕可能。

レンタル料は入壕料に入っている。

②備品類の管理方法 -

③歩道や養⽣、手すり

等の安全に対する配

慮・設備

館内はバリアフリ-、⾞いす対応

担当者に発掘担当がおり、温湿度計測、地滑りや落盤を把握するための機械の設置、シュミレット

ハンマ-を使用しての表⾯壁の強度確認にて壕内の管理をしている。

問10. 保険加⼊の状況について教えてください。

保険加⼊状況 保険の内容

1.加入している

2.加入していない 20 号壕⾃体には南風原町が保険をかけている。

問11. 緊急時の連絡先等の準備状況について教えてください。

1.緊急時担当者を決めている

2.随時対応できる職員が担当する

緊急時は必ず管理室に連絡するようにしている。壕内も 70mほどしかないの

で、外に出て管理室へ伝えにいく。また、南風原⽂化センタ-に連絡するように

している。⽂化センタ-が留守になる場合は、携帯番号に連絡するように調整し

ている。

問12. 安全を促す映像やパンフレット、サイン類の把握

作成設置状況 安全に関する記載内容・サインの内容

パンフレット 1.制作している

2.制作していない

ホ-ムペ-ジには記載しているが、壕内に入る前に口頭で再度説明。

サイン 1.設置している

2.設置していない

その他

問13. 現状、特に意識しなければいけない安全上のリスク(他の施設を含む)があれば、教えてください。

壕の安全管理が第⼀。そのため月に⼀度の壕内の確認は⽋かさず⾏っている。

安全管理を維持できるように、壕内の温室調整や強度を把握するための機械などを設置している。

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問14. その他、⼊壕・⾒学者の安全に関する取組み・⼯夫について教えてください。

壕内に入る場合に必ず注意事項を説明している。

⾬天時は、壕に入るまでの道が滑りやすくなるため、他の道にするなど対応をしている。

問15. その他、⼊壕・⾒学者の安全を確保するための課題やお困りのことがありましたら教えてください。

申し込みは旅⾏会社から連絡が来るため、学校側が何をもとめているのか、⽣徒たちの理解はどのくらいなのかなど把握していき

たい。学校側から直接申し込みをもらい、平和学習に対しての意識や、来館する⽣徒たちについても事前に確認ができたら良い

と思っている。また、下⾒にくる教員も少ない為、教員⾃身も⽣徒に説明できていない印象。下⾒にもしっかり時間をかけてほし

いし、実際に来館した際には⽣徒と⼀緒に平和学習に参加してほしい。修学旅⾏でのスケジュ-ルに関しても、タイトな印象で

あるため、⽣徒が⾃分⾃身に落とし込めていない印象。しっかり⽣徒にも学べる時間を作れるようなスケジュ-ル調整が必要だと

思う。

申し込みは約1年前から⾏っているが、半年前になると他の施設の予約を取ってキャンセルする学校もある。施設としては、予約

された⽇を確保しているので、その対応に困っている。