40

目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we
Page 2: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

目次

特集=山口勝弘のアート・ワーク30年

文:中原佑介(美術評論家) 竹山 実(建築家) ジョアン・コスタ(ビュジユ

アル・コミュニケーション研究所長)

作品 : 山口勝弘展〈ヴィトリースからビデオまで>/山口勝弘展〈未来庭園による〉

ヴィトリーヌ/布張り彫刻/光の彫刻IJ/ ビデオアートなど

13

レストラン〈カフェ・モーツアルト〉

〈リコーショールーム〉

デザイン:境沢孝

デザイン: K.I. D アソシエーツ

49

53

ソファ <TAKA> デザイン:岩倉栄利 +あとりえ むに 57

59 黒川哲郎のくダブルパネル・シリーズ〉と森島紘の <WAGAMI>

<LP I 、ウス〉

東京ビジネスサービス(株)筑波支店

設計:小宮山昭+アトリエ R

設計:中森紫光建築工房

67

78

PRODUCT DESIGN OF THE MONTH スクーター〈ベルーガ〉 デザイン :YAC株式会社

今月の提言 文:柏木博

ω一回一卯一位

連載 ⑤ ラジカル・デザイン〈ポスト・アバンギャルド〉 文:アレッサンド口・メンディーニ

書評=<建築神話の崩壊〉 著 : マンフレッド・タフーリ 文 : 石山修武

表紙: <山口勝弘展〉 神奈川県民ギャラリーより

インテリア/陥 266 1981<手 5 月 l 日 発行 f毎月 i 回 1 日発行

発行所/インテリア出版株式会社/東京都中央区銀座 3・ 10-14 車銀ビル/電話543・ 30引拘 郵便番号 104

発行人/森本勉

編集人/森山和彦 ・ 森山エディタ - ;z;スタジオ /電話353- 7559

印刷所/大日本印刷株式会社

取次店/東販・日販・大阪屋・栗田出版販売・中央社・誠光堂/ 定価2 , 000円 ( 〒 120円 ) /振替(東京5 ) 146 1 78 /雑誌コ ー ド 01621-5

Page 3: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

CONTENTS

fEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI

eぉay: Yusuke Nakahara, Minoru Takeyama, Joan Costa

Restaurant < Cafe Mozart > design: Takashi Sakaizawa

< Richo Showroom > design: K.I.D. Associates

Sofa <TAKA> design: Eirilwakura+Atelier Muni

Products for Interior 一一

< Double Panel Series> hy Tetsuro Kurokawa

回d <Wagami> hy Hiroshi Morishima

< LP House > design: Akira Komiyama-Atelier R

< Tokyo Business Service > design: Shiko Nakamori Architect & Associates

Scooter < BELUGA > design: Yamaha Motor Company

Opinion of the Month essay: Hiroshi Kashiwagi

Series-5 < POST A V ANGUARD > essay: AIessandro Mendini

:: Book Review essay: Osamu Ishiyama

Cover: Private Exhibitions by Katsuhiro Yamaguchi

Publisher: Tsutomu Morimoto

Editor: Kazuhiko Moriyama

Assistant Editor: Kiyoshi Akimoto Jukan Kawatoko Noriyoshi Suzuki

English Translation: SUNRISE ASSOCIATES

13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART

BY KATSUHIRO YAMAGUCHI

This month we feature the work of Katsuhiro Yamaguchi , form creator. Since 1952 when he exhibited (VITRINE) , his composite drawing in glass, Yamaguchi has constantly remained a first rank figure

in the art worlds and produced numerous

controversial works.

In March of this year Yamaguchi held two private exhibitions -one at the Prefectural Gallery in Yokohama and another at Tokyo Gallery. The former was a grand exhibit featuring most of Yamaguchi's work over the

length of his career, while the latter exhibit featured his work in video objects and holoュ

graphy.

These exhibits made it clear 仕lat Yamaguchi has consistently combined art and techュnology. His materials are varied , ranging from glass , cloth and acrylic plastic to such media as video and holography. It is possible

to comprehend the whole range of his work

with reference to (VITRINE), (SCUL町URE

OF F ABRIC), (SCULPTURE OF LIGHT) and (VIDEO ART). It is important to note that he has continued to combine technology

and art , including communication with

the onset of the video age.

If the 1960's was a decade in which design

was strongly linked with environment, Yamaュguchi conceives the 70's and 80's as a time when environment should be grasped in a more concrete channel of communication. Yamaguchi intends to develop his thematics

in terms of (Light) , (Image) and (Environュment).

He was born in Tokyo in 1928.

Page 4: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we
Page 5: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

14

山口勝弘 1951 ~ 1981

MOHOLY NAGY

FREDERICK KIESLER

DADAISM

CONSTRUCTIVISM

1951

J

OPTlCAL

LlGHT

IMMATERIALlTY

TRANSPARENCY

MOVEMENT

. ‘q宍ぷ芝〆ぷ£、V豆FF?γdぷFJダ1《。2ト>、砕9. ・. fs)vSgF 3

PARTICIPATION

RESPONCE

CO制CEPT IIMAGINARIUM

1955

POSITIVE NEGATIVE

KINETIC

/ h

/

ROBERT MORRIS 'f.

FLUXUS

1960

COSMIC ENVIRONMENT

jAPANESE GARDEN

r

r

r

f

f

f

f

.・‘、、~っζy ぐv唱ー

• ENVIRONMENT

a ー. PERFORMANCE

A 可TER P<I

...... ・F

VOID

Page 6: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

WARHOL VELAzauEZ

ミ ;> ART

5 1970 1975 19伺

GLOBAL COMMUNICATION

f 卜1

/ r¥

J

J " ノ h

J

/

色'"

、3守a、e -3 、νd、jトらr

/ /

一 創TERMEDIA

し/rCOMMU…ON

15

Page 7: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

く重力への挑戦〉 山口勝弘の仕事

中原佑介

〈第三インターナショナル記念塔〉の模型製作て府知

られるウラジミール・タトリ ン は, 1930年代の初め

に「レタトリン」という名の人力飛行機の発明に熱

中するが,その際,動機を関われて r人間に飛行感

覚を戻したい」と思っ たからだと答えている . この

「飛行感覚」 とい うのは,単に空を飛んでいる感覚

というのではない.タトリンによれば, この感覚は

「航空機による機械的な飛行によって失われつつあ

る」ものだというからである . 飛行機に よ っては「わ

れわれは空中における自分のからだの運動を感じる

こと ができません」 とタト リ ンは述べている.

タトリンのいう「飛行感覚」というのを別のこと

ばでいうなら,それは「重力に抗しでいるという肉

体感覚」 とでもいうべきものではないかと思う . 飛

行機で「重力に抗している」ということを感じるの

は難しい. 人力飛行機でこそそれは可能でレあろう .

タトリンの人力飛行機によって人聞が重力から自由

になるのではなく ,逆に重カにさからっているとい

う 感覚を目覚めさせるこ とを意図したのだと私は思

う .というのも , われわれは四六時中重力に支配さ

れていればこそ, それをことさら肉体的に感ずるこ

とはないからである .

山口勝弘は芸術家であるとともに著述家といって

いい存在だが, 私が彼の文章でもっとも記憶に残っ

ているもののひとつは「無重力の造形」について語

っ たそれであった.近刊の作品集 r r山 口勝弘J 360・」

の中にもそれは再録されているが, そ こで彼は次の

ように述べている .

「絵画や彫刻lや建築な ど, 造形芸術に現われる重力

感という効果ほど私を憂穆にさせるものはない. 地

球という小きな天体の揺がぬ大地, 不変の海洋, そ

してそこに住む不滅の人類といったルネッサンス時

代以来の芸術を支配してきた これらの観念から , 今

の芸術がどれだけ脱しているだろうか. 重力によっ

て,おろかしいあの永遠の芸術という考えが支えら

れているのだ.モナ ・ リザの微笑は, 過ぎ去っ た重

時代,地球中心の微笑である. j

山口勝弘はこ う 前置きしたのち, 自作をこの重カ

への挑戦という視点から話ってい る r私の仕事は ,

ヴィトリーヌ以来,重力への挑戦であ り , .絵画と彫

刻がとざされていた四角い枠や大理石の塊りを遠心

分離器にかけることであ っ た . キャンパスとキャン

パスにへばりついた油絵具を分離させ,別の方法で

新しいセ ンセイショ ンを作り だそうとしたのがヴィ

16

トリーヌであ っ た . 最近のマグネティ ッ ク ・ レリー

フも,四角い空間とレリーフのピースとを固定させ

ないで分離させ,磁力によって任意の位置, 任意の

組み合せで一時的に定着させる.麻袋や木綿袋によ

る中味のない彫刻も , 壁の上や天井や樹の上に止ま

る.鳥よりも自由に, 貝よりも自由に , くらげより

も自由に存在するような彫刻jが私の理想、だ. j

これは 1963年に書かれた文章だが,山口勝弘のさ

らにその後の作品である光の彫刻からビデオ ・ ワー

クに至る一連のそれもまた, 重力への挑戦とい う文

脈で語ることができょう . 初期のヴィトリーヌ , 光

の彫刻, ビデオ ・ ワークというように拾ってつなぐ

と,彼の関心は彼が若い頃から関心を抱いてきたモ

ホリ ・ ナギと似て r光への関心」 というように要約

することができる . 透明な物体による光の屈折, 鋭

面における反射などはナギがも っ とも輿味を寄せた

現象だっ た . しかし,山口勝弘の仕事は,マグネテ

ィ ッ ク ・ レリーフがあり , 布による立体作品があり,

金網による造形があるというように,光への関心だ

けに終っ てはいない. これらに共通しているのは「重

力への挑戦」であり,逆のいい方をするなら,物質

の重さの感覚を自覚するところから始められた立体

f乍品だということである .

いささか横道にそれることになるが,この重カへ

の挑戦というのは芸術家にとってもまたひとつのモ

チーフとなってきたものであり(科学者や技術者や

小説家も同様だからである) , とりわけ今世紀になっ

て , そのさまざまなあらわれを見ることができる .

タ ト リンが「飛行感覚」と い うことをいっ たのは冒頭に紹介した通りだが,彫刻家のコンスタンチン ・

ブランクーシが生涯にわたって 「飛掬」に関心を抱

きつづけたのもまた「重力への挑戦」のー表現にほ

かなるまい.高き 30メートルの直立する「無限柱」

は単位の反覆する形態によって大地からの離別感を

強調している . カジミール ・ マレーヴィ ッ チがその

抽象絵画をさを中からの視点によ っ て考察したのもま

た「重力への挑戦」と無関係ではあるまい. 重カへ

の挑戦という観点から芸術を眺めるのは, 多分興味

深いひとつの光景をうみだすことになるだろうと恩

7.

2 山 口勝弘かヴィトリーヌ 以来試みてきたさまざま

な仕事は,第一に視覚における重力への挑戦をモチ

ーフとしてきた.具体的にはそれは光の利用. ガラ

一連の光の彫刻l

〈金網彫刻〉

1961 金縞

45 X65cm

スやアクリルのような透明度の高いも の,布か金綱

のような軽量なものの使用というその素材の選択に

あらわれている . 電波とブラウ ン管上の映像による

ビデオ ・ ワ クの場合も例外ではない. これらはい

ずれも,よ り 軽量の物質が,あるいはウエイト ・ フ

リ ーのエネルギーである .

しかし,山 口勝弘のこの重力への挑戦というモチ

ーフは, さらにより深い意味へと転化してゆく . 先

程, 引用した文章と同じ.中で,彼が次のように述べ

ていることは , より重要といわなければならない.

「絵画や彫刻は, ょうやく重々しい場か ら動きだし.

2E聞の中へ飛びはじめた . この遠心力の作用は,も

う一つの古い芸術の観念をこわすにちがいない.

作品を遠心分離器にかけて, その構造と制作過程に

分離してしまえば, 作者の手を離れて機械や他人の

手で作ることができる . 造物主の手を離れて,今や

人間が電子計算機や人工衛星を作るように,芸術も

また,個人主義の名の もとに造形主の手元に止めお

かれる時代ではない. 芸術も一つの宇宙が爆発し,

消滅し,新しいエネルギーの誕生を繰り返す よ うに,

無限の過程をたどるなかにある . j

山口勝弘のいう芸術の「個人主義」 からの解放と

いうことが早急に実現するかどうかは大きな問題で

はあるが, ここで彼が芸術を「無限の過程」という

ことばで語っていることは, 単なる比喰と見るべき

ではあるまい. 重力は常に物質系の中心というもの

を想定し , そ こ を重力の発する一点とするように ,

一切が還元されるある特別な点が存在している . あ

るいは区別される特異点というものが考慮されてい

る . それに対し「無限の過程」 という概念にはそう

した特別な点というものは考えられない.つまり ,

山口勝弘が重力への挑戦をモチーフとして仕事を展

開してきたとき , それは同時に作品をある特別な点

として特殊化するのではなく r無限の過程」へと転

換してゆく こ とが同時にはらまれていたということ

である.重カへの挑戦は素材の軽量化,あるいは光

とい っ た無重量のエネルギーの利用においてのみあ

らわれているのではなしもうひとつ,芸術という

メティウムの無重力化をも 内包していた . メディウ

ムの無重力化というのは, メディウムを過程とする

ことに他ならず,メディウムのある一点に特殊な重

さを想定しないということであ る .

「われわれが電子 コ ピーを使 うのは , 一つの コ ピー

から無限のコピーまでの量化を前提としている . し

かも,このコピーの値段は , 一つの単価が基準にな

Page 8: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

網にる

て い る.電話料金と同じである . コピーは , 実体

壬るっ た製品 ( プロダクト ) でありながら , コピー

ーも つ意味は , 情報の媒介物という見方からすれば,プロセス

品 というよりは. J盈干呈メティアである. J

lJ 口勝弘は今年の二月に書いた「イ 7ジナリウム

ご J う論文のなかでこう書いているが,ここでいう

ー過程メディア」への関心は,芸術を 「無限の過程

二 見た初期の考え方の延長であり,かっその具体化

二池なるまい . 彼の次のことばは,それのより明快

二・表明といえよう .

'芸術は、本質的に過程メディアに関係するもので

' り ,それが必要なとき,必要な場所で,必要な人

二よって入手できることが望ましいのである.でき

\J,芸術という名称、自体をも消去して,そのかわ

私は , 想像的行為 ( イ 7 ジナリーソマフォ-'7ン

スヘ という言葉を使うべきではないかと考えている.

ぎ像的行為が, 過程メディアの上を移行し,それが

ぷ要な人のための情報として転送されてゆくことが,

釜本的なシステムである . J

彼のいうイ 7ジナリウムもまだ実験的段階という

べきであって,それがグローノりレな規模て‘実現して

、 るわけではない. しかし,このイマジナリウムと

、う コンセプトにはメディウムの非中心化, 非特異

理主化という考えがその土台にあるのは注目していい

ことがらであろう . ( たとえば,サテライトの使用に

ζ っ て芸術情報のネ y トワークをひろげるという考

え方は,空中から地上を眺めるという視点と対応し

ていることに注意.つまりサテライトもまた視覚メ

干 ィ ウムにおける重力への挑戦のー表現形態になっ

ていると見ることが可能である. ) 山 口勝弘のいう

ー電子コヒ。ー 」 とは,テレビを含む電子テクノロジ

ーによる映像の量産ということであろう . たとえば

どデオがそれである . しかし , 映像がそのまま製版

さ れるというような技やI':iも含まれる . さらにそれが

印刷されることも含まれよう . ヴィトリーヌに始ま

る山 口勝弘の仕事は, 重力への挑戦を手がかりに,

この電子コピーによる仕事にまで展開してきたので

あ る .

し、

チ先

"

し.

にのやも

lで

よーノ

義己

グ〉

し 、

転と光あ

うウ

る重 3

1974年に始めて発表された「ラス ・ メニナス ・ No

1 J は , ヴェラスケスの作品「ラス ・ メニナス 」 の

複製とテレビ ・ カメラ , モニタ ー を組み令せて,わ

れわれの作品を見るという立場を , 見られる立場に

逆転させようという興味深い試みだった .

作品を見るというのも重力の比聡でいえば作品が

重力の源泉であり,作品を見ることは眼がその重力

によってひきつけられるということであって,この

場合. ~艮の方もまた作品をひきつけるという過程は

考えられない . つまり,作品は前節のいい方を使え

ば特異点なのである I ラス ・ メニナス. No.l J は ,

そうした特異点としての作品という概念を解体し,

見ている自分がまた見られるというエンドレスな過

程に人聞を置こうとする試みであった . つまり , こ

れもまた視覚重力への挑戦て*ある .

この 「 ラス ・ メニナス . No.l J 以降, 山口勝弘に

は , 見ることと見られることの同等化という目論み

が顕著になっていることを感じさせる.今度発表さ

れた 「インフォ・エンノ〈イラメンタル ・ スカルプチ

ュア一一未来庭園のために J (Info-Environmental)

Sculptur e ) も , この同等化に根ざした作品だ っ た.

これは,彫刻jのなかに,テレビ・カメラー一一モニタ

テレビ ・ カメラを仕込み,観衆は作品を見て

いる自分をさらに見るという仕組みのものである .

山 口勝弘はそれを 「インフォ ・ エンドレス ・ スカル

プチュア」 とも呼んでいる .

しかし,彼自ら認めるように , これもひとつの実

験的試みにすぎない. あるいは模型的試みとでもい

おうか . ここでは , ひとりの人聞の見ることと見ら

れることとがも っ とも短いサーキ y トによて結びつ

けられている.たとえは\その間にいくつものリレ

ーを置けば,見ることと見られることの距離ははる

かに増大するだろう.つまり,それだけ過程の輸は

ひろがるにちがいない .

それに関して山口勝弘が 「連句」 をもちだしてい

るのはたいへん面白い発想だと思う .

I < イマジナリウム 〉は,わが国に伝わる連句,連

歌のような集団的な芸術形式を,その先駆的な例と

してあげることができる.とくに連句の座は , 個人

の家などでテンポラリ に開かれ, しかも,そこで

のライヴ ・ コミュニケーションが重要視されている

芭蕉に よ れば, 連句という表現から生まれる句より

連句の開かれている場のラ イ ヴな状況が大切なこと

とされている . したがって連句の座が終ると . 記録

に使われた紙などは, 反古として捨てきるべきだと

述べている . J

この連句への着目は,山口勝弘のいうエンドレス

の過程が, 作品と観衆という 「重力的」 構造の完全

な解体によってのみ得られるのだということをより

はっきりさせる . 作品とし寸概念は,逆にこの過程

のなかから生まれてくる.あるいは見ることと見ら

れることの同等性のなかから生まれてくるというべ

きかもしれない.

オプティミストというより,一種のユートピアン

としての山口勝弘がそこにはいるように思われる .

見ることと見られることの同等性は , 彼にとっては

視覚心理学や美学の問題でなく , ユートピアとして

考えられているからである. ( 1イマジナリウム」と

いう言葉はその意味でもシンボリ ッ クな気がする .

今回の新作が 「未来庭園」 とあったのも放なしとは

しまい . )

山口勝弘の重力への挑戦の深層的な意味はそこに

求められよう . それは重力をニュートン的な遠隔作

用としてとらえる見方から , 場という近接作用とし

てとらえることとも対応している . 場というのは情

報のネ ッ トそのものに他ならない . 近接作用の無限

の連鎖, それが彼のいうイマジナリウムの根本であ

ろっ.これは近代の芸術観を根底からゆさぶらずに

はいない思想である. (美術評論家 )

〈三つの風姿

1978

200 X 300 X 450cm

情報環境彫刻J (ア チ,サテラ イト, マスク)

1981

17

Page 9: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

山口勝弘展一一一 〈ヴィ ト リ ーヌ〉からくビデオ〉 まで一一一

場所 ー 神奈川県民ギャラリー

日時 ; 1981年 3 月 4 日 - 3 月 15 日

18

EXHIBITION くKATSUHIRO YAMAGUCHI, From VITRINE To VIDEO>

p1ace ; Kanagawa Prefectura1 Gal1ery

date ; 4th - 15th, March , 1981

Page 10: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

中央・〈情報環境彫刻IJ (アーチ・サテライト・マスク ))

を中心とした会場風景

会場風景

19

Page 11: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we
Page 12: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

手前・ 〈推力>.奥・ 〈ユニ ヴア ース 〉など

〈布張り彫刻〉シ リ ー ズ

21

Page 13: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

〈情報一環境彫刻I (ア ーチ , サテライト,マスク )> 1981 年 h ・ 600cm

22

Page 14: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

上 ・ 下: <情報一環境彫刻J ( アーチ ・サテライト・マ スク )>

23

Page 15: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

会場風景

手前・ 〈五月の橋〉

24

Page 16: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

. <情報一環境彫刻一

サテライト ・ アーチ・マスク 〉

この作品は,神奈川県民ホールのギャラリーの独

特の,あの高さ 6 メートルの大空間を想定したもの

である . しかも 1 階ギャラリーからの視界,地下

へ下りてゆく オープン階段からの視界, 地下を歩き

ながら眺める視界のそれぞれに対応した構成を計算

している .

そういう意味では,観客がこの作品を見るという

ことが,彼らにと ってのノマフォーマンスであるよう

な作品であり,またさらに , 彫刻の中に組みこまれ

た閉回路のテレビ ・ システムが,観客の姿を 3 つの

角度からとらえ,それらをモニターテレビ上に映し

だすというメディア的性格をもっている .

そういう意味で,情報システムと環境が結びつい

た周三刻ということカずできる . かつての「ラス ・ メニ

ナス」が,ベラスケスの絵画のメディア的解縛だと

すれば,その「ラス・メニナス」のメディア構造を ,

彫刻作品のなかに組みこんだのがこの作品である .

(造形作家 山口勝弘 以下同)

25

Page 17: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

26

山口勝弘展未来庭園による

場所 : 東京画廊, 東京銀座

日時 : 1 981年 3 月 1 3 日 - 3 月 24 日

EXHIBITION くKATSUHIRO YAMAGUCHI, Info-Environmental Sculputure: Future Garden>

place : Tokyo Gallery, Ginza, Tokyo

date: 14th - 24th , March. 1981

Page 18: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

27

Page 19: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

28

Page 20: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

問l}

e

一-

m一

a

‘一

FUe

ベ守E

一-F

ト'hLMV

一\

-mT

mwL

ζ

.<情報環境彫刻一未来庭園のためにー〉

この作品は,東京画廊の展覧会のために構想され

た もので, 3 つの要素から成り立っ ている.その 1

つは , ホロ グラフ ィ ーによるモニ ュ メ ン ト, 2 番目

立,ホログラフ ィ ーに撮影した内臓的イメー ジ をテ

ーマとしたビデオ作品 , 3 番目は , 神奈川県民ホー

ルに展示 した 「情報 環境彫刻」 と同系列の鯨的イ

メージの彫刻lである rサテライト ・ アーチ ・ マスク 」

の場合は,ステンレスの細棒によるオープンな構造

をもっていたのに対し,こちらの方は,閉回路テレ

ビ ・ システムが,彫刻的な形態の中に閉じこめられ

ている . つまり胎内的なメディアが.この彫刻の内

部空聞の存在を示している .こ うして , ホログラフ

ィー上の内臓的形態は, ヒデオ作品の解縛を通して,

さらに , この情報一環境彫刻によ っ て内宇宙的イメ

ジに結びつくのである .

なお , この東京画廊の展示は,いわば庭園的な構

成にな っ ていて, 日本庭園のなかにちりばめられる

石や,砂や, 樹木や,池などによ っ て,庭園を訪ず

れる人たちが, さまざまなイメージを受けとるのと

同じく,ホログラフィー上のイメージや,アルミニ

ュームの織成物や,テレビや, 白い彫刻や, 黒いコ

クスの塊りによ っ て,未来的風景のイメージをつ

くりあけfることカずて凶きる .

29

Page 21: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

作品「ラス • メニナス」の中にて・・…・ ビデオグラム的断想

口勝弘展くヴィ トリーヌからビデオまで〉を見て

普通の美術に用いられる視覚メディアにくらべる

と.どデオによる映像は,観客に実にさ ま ざまな メ

セージ を送りこむ. その挙句,受け手の知覚構造

品多様なコードの反応でみち溢れる . 山口勝弘氏の

っくり だした“メソセージ ・ スペース"の場合も同

様で,僕の刺激反応系はあわただしく揺さぶられ,

多重化した記号の意味作用がいち じるしく増幅した .

時には,僕の内部に投影さ れた意味を , 防衛的に閉

じこめたり,反対に,作意の倶IJ に挑戦的にたち向っ

た り した . また時には , そ こ に訴えられたものとは,

全 く 無関係な出来事に何かのきっかけて\こちらの

思考が転換し たり , また , 逆に作品の状況の中にひ

さづりこまれた末に , 白 日 夢に似た幻覚をおぽえた

り することも あ った .

「 ビデオ ・アー トの特性の 1 つは,メ ソ セージを受

け取る側がいつも受け身であるという芸術のコミ

ュニケーションの形態が, 懐れつつあるという点

にある .ま た, 芸術家のメ ッ セージが, 必ずしも

いままでの芸術のような審美的な内容をその対象

としているた一けではなし政治的な, 社会的な ,

哲学的な,精神医療的な,遊戯的な, 実にさまざ

まな内容のメッセージの伝達が , このメディアに

よって可能になったことに , 注目しなけれは、ない

のである . J (f ビデオ ・ アートの社会性」 山口勝弘)

時に , 白日夢に酔いながらも,僕の意識の中では,

多様なメッセージに対応するアクティブな対応があ

っ Tこ

とりわけ作品「ラス ・ メニナス J( 1 974年, 第 1 3回

サンパウ ロビエンナー レ展出品 ) の前で ( というよ

り , その中で , 僕は一番長い時間,足をとどめた.

そこでの僕 自 身のレクチュールを , 今よびかえして

みて , たとえそれが断片的なコードで綴られたもの

であるにせよ , それをありのまま告白することはま

ん ざら無意味なことではないだろう.

先づ, 僕自身に投影されたこの作品の意味を,い

ささか大げさに形容するなら r人称形撹乱装置」 と

いいかえてもよさそうである .

先づ,この作品については以前にも色々と聞かさ

れてはいたが,それを実際に経験したのははじめて

だっ たから, 衝撃は大きし印象は新鮮だった . 王

女や侍女達, それに国王夫妻と画家ベラスケス自身

の視線の行き交いがっくりだすこの絵画の意味は,

ピカソやダリを含めた色々な画家たちによってそれ

ぞれに多様な解説をなきれているわけだが,ビデオ

と いう メディアを用いた 山口勝目、氏の意図は実に鮮

30

明に訴えられていて , それが僕には面白かった . つ

ま り , この新しいメディアによって, 一番基底に横

たわっているテーマ,すなわち,「見る 」 という認識

過程そのものへの問いかけが浴びせられているよう

に僕には読めた .さらにその問いかけそのものが,観

客への問いかけとな っ て訴えが増幅しているように

も思えた.ミュ チャリティ

視線のやりとりの相互性をテ マにした原画の

複製の中に,その場に居合せた観客のもう 1 つの視

線をはめこ むことによ っ て , 視線のやりとりをさら

に重層化する一一一それがこの作品の 1 つの狙いのよ

うに思えた . いわゆるこのミューチャル ・ スペクテー

ターシ y プが,ここでは時間と空間を超越している .

そうしてもたらされたイメージが,さらにまた 1 つ

の情報に転換する . そこでは 「見る」という知覚に

よってなされる認識過程が,創造的に再確認されて

いる . その結果j見る 」 ことの意味が深化きれ, さ

らに時には 「見えないもの」までも見せるという意

志が,明確に,情報化されているようでもあった .

もっとも,氏自身にと っ ては,この 「見る 」 とい

う情報化だけではあきたらず,その挙句さらに 「見

る Jr見られる 」 という視線の可逆性をより 一層緊密

化した環境彫刻 r焔と水の噴水計画J ( 1 974年 ) へと

発展させたそうである . (f 360・ J 山口勝弘) しかし,

例の 「イマジナリウム 」 あるいはビデオによる 「 メ

デ ィ ア ・ スペ ス」の効果を理解するには,僕にと

って, これで充分である.

「見る J , r見られる 」 或いは 「見る行為の重層化」

ということをもう少しはりさげてみよう.

このいわば視覚による能動と受身の行為は , とか

く 「 自分」 と 「相手」 という仲間意識の対応, つま

り言葉でいうなら第 1 人材、 と第 2 人称の関係に限定

されがちである . とりわけ , 日本人の生活意識の中

では,第 3 人称がこの関係になかなか入りこめない.

日本語の人称代名詞の第 1 ,第 2 人材、形がこれほど

豊かな割に,第 3 人材、形が貧困していると,よく言語

学者が指摘する通りのようだ.言語のメデ ィ アだけ

に限らず,都市とか建築がっくりだす生活環境の現

象形のうちにも,それに似た関係があ っ て , 仲間意

識の環境化には神経がゆきとどく割には, 世間への

配慮の環境化が貧困しているようだ.

「見る J , r見られる 」 というのは , しかし,第 l

人称,第 2 人材、の聞の閉ざされた可逆性だけではな

しもっとマルチプルに人聞の存在形を認識する行

為である.従っ て,第 3 人称が,も っ と自 由にこの

山口勝弘展 〈 ビデオラマ〉

南画廊

1977 IMAGINARIZE PROCCESS CHART

PROCCESS 1

相互性に交り合うことが必要となる . それは人聞の

集団的な営みの基本律を定める問題である .

ベラスケスの絵画の中に,観客 という他人として

溶けミんでしまった自分自身を眺めながら,僕の頭

の中で,人称代名詞の語形が色々と撹乱的に変化し

た こ とは事実だった . 作品 「 ラス ・ メニナス」 を「人

材、形撹乱装置」 と形容したゆえんはこ こ にある .

ところで「ラス・メ ニナス」の中に, 他人として

封じこめられた自分自身の容姿をみながら, f業の想

像力は,さらに,恩わぬ方へとんでいった .

この第 3 人称化した自分自身に , {業は,まづ驚い

た.正確には当然の驚きを知らされる篤きとでもい

えるだろう . つまり,この第 3 人称化した自分自 身

が, そ の背景とあまりにも異質なことをありありと

知らされたためである .

このいわば当り前の驚きには時々出くわすものだ.

ふと思い当るところでは,約20年前はじめてアメ

リカへ渡ったときの話である.当時はフラ ッ ト ・ ト

ッ プという短髪全盛期だっ たので, 自分でへアカッ

トができず床屋へての当けた . 学生だったし , アメリ

カの床屋は高いこともあ っ て下町の安い所を狙って

でかけた.黒人街だった . 白い布で首をしめられた

自分の顔と,愛想話を大声でしゃべりながら僕の頭

の毛を刈る黒人の顔が,同時に大きな鏡に映っ たと

き,僕は大変なショ ッ クだった . この当然のことが

驚きだっ た . 口と耳との会話のときはそれほどの遠

いを意識しないのに視覚にその違いを訴えられたか

ら,僕は無邪気に驚いた .

「ラス・メニナス」の中に入りこんでしま っ た自分

自身に対する驚きもこれに類似していた . 床屋と僕

とは,同じ言葉である共感を分ち合っ た . 相手は知

らないが,少くとも僕にはそれがあった.その共感

を視覚による認識が裏切ったともいえるだろう r ラ

ス ・ メニナス」では,ある種の予備知識が,この原

画に対する親近感を僕の側へ植えつけていたから,

その中に入りこんだ自分自身の容姿をみると,それ

があまりにも違う 出来事なので親近感が裏切られた

というか,そうした現実に素朴な驚きを感じたわけ

なグ)1.ご .

この驚きの体験から,少 くとも次の 2 つのことに

思考がさらに展開する . 1 つはイコノグラフ ィ のも

つ伝達性がイデオ グラフィをはるかに上廻るという

ことと , もう 1 つはビデオという視覚メデ ィ アは ,

いわばメ ッ セージのズレを楽しむのに適していると

一一一ー今

PROCCESS 2

Page 22: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

')

、う こと , である .

イ デオ グラフィとは表意文字に代表されるように

:つの概念を形象化したものである . だから美術作

るぷ当然, イデオグラフィではない.しかし,美術

室.こ陳列され,それに神話化された解説がつきまと

よ 名画の様々は,むしろイデオグラフィ化したとも

考えられる . その挙句, 観客は常に静かな受け身の

妥勢を強いられ,作品の放つメ y セージもそのコ­

Jが一元化しがちになる . j業がベラスケスの原画に

ついて知らされていた予備知識は, その作品をイデ

で グラフィ化するのに役立っていた.その中に他人

三した自分自身の容姿を視覚対象として体験したと

き .僕の味わった素朴な驚きは,実はそこだけに突如

工して現実化されたイコノグラフィがもたらしたも

た寄ったわけだ.この驚きは,従って生きた現実が

らたらした図像記号の新鮮さによるものだろう .

記号の意味の伝達性からみても , 一般にイコノグ

=フィは,イデオ グラフ ィ よりも早くて深度は大き

\ 逆に精度は低下するが,恋意性がましてコ ド

デ多様化する . ビデオがそうした記号作用に適した

イディアであることを.この作品はき っ ぱりと証明

J ているように f業には思えた .

もう 1 つの僕の驚きは, 対象化した自分自身が,

その背景と全〈異質な こ とによ っ てもたらされた.

Jか し,これもよく考えてみると , 現実を裏切るこ

ご ではな く ,異質なものがっくりだすもう 1 つの現

実の認識なのである . つまり ,こ の異質なもののつ

り 出すズレを僕は無邪気に驚きながらも楽しんで

、たのではなかっ たか.僕自身の容姿が無造作に侵

申して,原因の意味は質的に変った.それ故に,僕

き身のイマジネーションは,その環境の中でさらに

震動した. それは 1 つのイベントだったのかもしれ

て相

u

し、

、,、

だメト

、ソ

リてた頭と

iJ ミ二・い .

僕の友人にセ ン ト・フローリアンという のがいて,

三は別なメデ ィ アをつか っ てこうしたズレを情報化

する.例えば, 旧イ乍だが, ホログラフ ィ を用いてア

J リ カ の 「 自由の女神」 をサノ\ラ砂漠に実現したり .

づ ランスの「ベルサイユ宮殿」 をアメリカのアリ ゾ

ーに移し変えたりした . 彼自身,それ ら一連の試み

を「イマジナ リィ ・ アーキテクチェア」 と名付けて

唱が,要は,建築の意味を ‘ 移植" とい う 変換作

弓で実体から遊離しようとする のが狙いのようだ.

当然,観客の側に発生するイマジネーショ ンが拠 り

れ 事で,それはこの‘ 移植"によ っ てもたらされるズ

}逢

力、

i 分

t知

三感、

「 ラ

〉原

),

1.1:ニ

コけ

J に よ って一層誘発される .

つも

山 口勝弘氏はこうしたズレを 「原イメ ー ジの質的

層差」とよび, それは 「人間の イ 7ジネーションの

れか一関係」 していると指摘している . ビデオがさ

内に他のメディ ア ( ポラロイ ド ・ カメラ,カラー ・ フ

?ト ・ コピ 装置等) と結びついて,こ うした 「 イ

ージの移送過程J が実現する こ とは期待できるだ、 7

ま ,

ると 7.

こ つし たズレの効果を,記号のコ ンテキス ト と関

一貫して流れているとみる こ とができ る だろ う.イマジネンヨン テクノロジ

人聞の創造性は, 想像力と技術の2本の柱に支

えられている . そうして創造性こ そが人聞の集団化

の営みを活性化する . 人聞の「想像力の社会化」と

いう場合に,個と集団という 問題にぶつかる . 事実,

社会化は,個の主張の確立が安定しなければ成立し

ない.個の想像力を豊かにし, 創造力を安定きせる

ためのメディ アとして , ビデオは今後どれ程有効な

のだろうか rテレビは7ス ・ メディアであり , ビデ

オ ・ グラム ( VTR およびビテーォ ・ テザイスク)は7

イクロ ・ メテボィアである」ときっ l;rりいいきるのは

デン7ーク出身のアスケー・夕、ム(もと都市計画家

で目下ビデオ作家) である.書物やレコードなどと

同じ くらい,多 くの情報を限られた少数の受け手の

選択に委ねることができるというのだ.しかも,テ

レビは見棄てられるメディアなのに対して,ビテオは

書物のようにスト ッ クされくり返し利用されるパー

ソナルな情報源となる . つまりビデオは個の想像力

の自由を約束する のに有効なのだという .

こ うした能動的な個人の志向性が, 現代の情報社

会において,実に重要なことのように思われる.そ

うして,あらゆる集団化の基本律,つまりコミュニ

ケーションの問題もこうした個の確立が前提になる .

「ビ デオ・ア トはすでに,美術の範田寿における一

形式ではなしむしろ現代の文化の中央集権的な

性格を弱め,周縁的文化の活性化が始まっている

状況に応じうる j (r ビデオ ・アートの社会性」山口勝弘

1978年 )

建築や都市においても,人聞の集団形成を支える

コミ ュニケーションを重要な解き口として,その文

化的使命を再確認しようとしている . 逆にいうと,

コミュニケーションの問題を回避しつづけたままで,

人間の集団と対応した環境を創造的にと り上げるこ

とができない. 例えは\フラ ンスの未来派の建築家,

ヨナ ・ フリードマンは 1970年の初めごろから r リ ・

コミュニケーション ( Re. communication )j を主張し

ていた . それは,人聞の集団形成の適正規模を求め

ようとせずに,どうして都市とか建築をデザインで

きるか といった問題提起か ら 出発 して,文化的

風土の遠いによる集団化の限界規模の調査とか,コ

ミュニケーション ・ パタ ンの類型化,さ らにはサ

ブ ・ カルチュアによる建築の意味のコード化など様

々な作業を試みたものであった . コミュニケーショ

ンを解き口にして,建築や都市の意味が放つ文化的

使命を明確にしようとする試みである.

こうした共通した命題をかかげ,山口勝弘氏の「イ

マジナリウム」 の構想、には , さらに貴重なマニフェ

ストが凝縮しているように僕には感じ ら れる . 今後,

それがどのような表現の形式として実現されるか

「ラス ・ メニナス」の中での僕の断想、は,大きな期

待とな って拡大していくは、かりだっ た .

(建築家)

係していると僕はみている . 記号の意味作用を切断

したり , 縫合したり,知覚者自身が自主的に知覚対

象を綴るという こ と一一一それは情報化された社会で

は自己溶解の防止策として有効なのではなかろうか.

あるいはこの洪水化した情報社会によってもたらさ

れた,集団催眠状態からの覚醒剤として役立つのか

もしれない .

作品 「ラス ・ メニナス」の中に入りながら,山口勝

弘氏の作品の系譜が反復して僕の頭の中をかすめた.

1 95 1年か ら 80年代までの30年間は,展覧会の冨Ij題

にも示されていたように , 「ヴィトリ ーヌか ら (彫刻

を通 して ) ビデオまで 」 だった.そしてこの三つの

形式の代表作の数々 が会場を埋めていた . 出品目録

の上だけでみる限り ,この三つの形式が,それぞれ

10年間 ぐらいのタイムスパンで転換していったのが

僕の関心をさそった . というのは , 形式が変っても,

その内容が連続的に号 |き 継がれていて,それが鮮明

な系譜をとどめているように思われたからだ. ま た

これはささやかなことだが,建築家が素材やその表

現形式を変えることの難かしさにくらべると,こう

した形式の転換を 自主的にできることがうらやまし

くも 忠、えた .

氏の作品系譜に一貫しているものが r イ マジナリ

ウム」なのだろう .

「想像的行為に必要なスベスとメディアが用意さ

れた場所. j

「集合的な想像力のワークショップ的機能をもっ」

「人工衛星 (“芸術衛星" ) によるグローパルなコミ

ュニケーション・システムを共有して,中央集中

的な芸術の階層性を排除する. J

氏がいままてー書かれたものの中から,いくつか重

要な解き口を拾っ てみると,以上のようになる . さ

らに 1 977年に書かれたも のでは,この 「 イ 7ジナリ

ウム」 の実験を果す道具として r ビデオ装置( カメ

ラ , レコ タぉー,モニターテレビ ),ポラロイド,カ

ラー ・ フォト ・ コピー装置」 などをとり上げている .

ビデオが有効性を獲得するまでの問,ヴィトリー

ヌと一連の彫刻が,プレリュ ドとして存在してい

たとみることも 出来るだろう . ヴィトリーヌのもつ,

光学的な処理やオプテイカルな効果, 彫刻jに用いら

れた素材 (布,アクリル樹脂板,金属の線材等) に

漂 う, 非物質性は,何れも,映像やエ レクトロ ・ ワ

ークなどにみられる同時性のメディアに直接つなが

るも のに思える . さらに , 幾 く つかの彫刻jや映像装

置 (モニター・テレビ ) の構成や配置が 「対J をな

していて,それが,なんとなし人聞の対話の姿が

暗喰 と し て秘められているように僕には感じられて

面白かっ た . 何故ならこの 「対」 の関係こそ,コミ

ュ ニケーションの基本形を暗示しているからだ.

「イマジナリウム」の最終的な使命は, 人間の 「想

像力の社会化」 という こ とにあると山口勝弘氏は主

張している.そ うした主張が,過去30年間の作品に ,

ヨ ←江コ1 l J包 +0

)ー ム ω→'0ー申 L18;JR AIT

31

Page 23: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

32

ヴィトリ ーヌ <No. 1 >

1952 ガラス・油絵具

20.8X 17.8cm

ウ.ィトリ ーヌ〈静かな昇天〉

1955 ガラス ,由絵具

94.5X65cm

ヴィトリ ーヌ 〈夜の進行〉

1954 ガラス・油絵具

60.6X51.6cm

Page 24: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

- , ..リ ーヌ 〈サルゴン王の像〉

=x ガラ ス油絵具

一 司 X 9 1cm

rて~-;,- .,.-ペずヲ~シF

♂告"""'~F ___ 三守-ー'-1: 三Lーコr 一一

ヴィトリ ー ヌ 〈アフリ カの花〉

1 953 ガラス 油絵具

56X94.5cm

ウ'ィトリ ーヌ く赤い街〉

1957 型板ガラス 田 油絵具樹脂系絵具

60.7X91cm

3~

Page 25: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

34

ヴrィトリ ーヌ 〈空虚な限〉

1953 ガラ ス ・ 油絵具

56X65cm

ヴィトリ ーヌ 〈言

955 ガラ ス ・ 主主主主兵

9IX60.

. rヴィトリ ーヌ 」の時代

1950年代は. 訟にとっての 1920年代 と でもいえる .

日本で,なとんど実践的な活動のなか っ た織成主義

の内容を . モホリ ・ ナギの「ヴィジョン ・ イン ・ モ

ーショ ン J と Pザ ・ ニュー ・ ヴイジョン」の二冊の

本をたよりに , ノートをとり ながら独学したのが,

19 50年前後のことである.

とくに,ナギのいう光線絵画の考えに強い刺激を

うけ , 油絵てー抽象絵画を描いていた試みを, さらに

造形的素材を用いる方向へすすめる原因とな ったの

であ る .

近所のガラス屋をのぞく こ とが,函材屋へ出かけ

て油絵具を買うことより面白くなった.

当時, 私の集めた素材といえば, 色々なカ、ラス板,

アルミ ニ ューム板, 金網, セルロイド板などだっ た .

それに , 懐中電灯があれば, 私の部屋は, 小パウハ

ウスの工房となっ たのである .

とくに,何種類かの型板カラスや, アル ミ ニ ュー

ムの金属板によって, ナギのいう光の透過, 反射,

屈折などの造形的効果を , 実際に知識と感覚を通 し

てとらえる こ とができたのは , 私の基礎造形だっ た .

ある日,モンドリアンの晩年のブギブギ ・ シリー

ズを , さらにオプテイカルな効果にした一枚の油絵

の上で,モール ・ ガラスという型板ガラスを動かし

たとき , 下の画面の丸や四角な部分が, 伸ぴたり縮

んだりするのを発見した .

これは , モール ・ カ、ラスの型が, 一穣のレンス'効

果をも っ ているために起っ た現象だったのである .

こうして, 1952年の 12月に,ガラスによる構成絵

画 「ヴィトリーヌ 」の第一号が誕生した . こ の「ヴ

ィトリーヌ」という名称は . 故滝口修造が, 命名し

たものである .

こ の作品は , 二枚の凹凸の縞模様のガラスを , タ

テヨコに重ねたもので,これによってJ 一定の距離

をおいた画面に,上下左右の方向に , オ プテイカル

な動的振動を起こさせることができる .

しかも , 絵の描かれる画面は二重の構造にな って

いて,一枚はガラスの上に . 一枚は下のパネルに捕

かれる . したがって , 二重の画面問の距離と,捕か

れる形態と色彩によ っ て,カラス越しの中に , 空間

的な深みをつくりだすことができる .

「ヴィト リーヌ」は,反射光で見るものと , パ y ク

のパネルを透過性のものに変えた一種のステンドカ、

ラス風のものとがある . また,井戸状のもので, 上

からのぞきこむものや,柱状の三次元的形態のもの

など,いくつかのヴァリエ ションが生まれている .

「ヴィト リーヌ 」の仕事は , 1958年頃で終って いる

が, 光の効果を用いた造形的手法は , 後の光の周波IJ ,

ビデオによる彫刻j などへと 引きつカ、れてゆく

(造形作家 山口勝弘 以下同 )

Page 26: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

〈声〉

1 962 金属布袋

nsx7Scm

" 普

35

Page 27: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

36

Page 28: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

くハー ト〉

1 963 鉄 布袋

〈ベン〉

1 963 鉄布袋

232X I05X45cm

-布張り彫刻の時代「ヴィトリーヌ 」から , 布張り彫刻への移行期に,

一連の金網を使った彫刻Iがある . 金網という素材を

Hf:õ~、だしたのは,ガラスのように光を通過させると

同時に . 自由に曲げて , 三次元的な立体をつくるこ

とが可能だ っ たからだ.

さらに.この金網の彫刻lによ っ て,三次元的な形

態の閉部空間と外部空間が,透過性の連続性をもつ

ものになることを発見した .

1 961年 1 0 月から, 61年の 1 月まで. 最初は40 日ほ

どの予定だっ たヨーロ ッパ旅行が,ニューヨークを

含む 100 日間の世界旅行となり , ヨーロ ッパの古い

芸術の屑に絶望し,ニューヨークでのオールデンパ

ーク\モリスなどとの出会い,キースラー訪問など

の刺激的体験が重なった .

帰国後約半年間,空虚にとりつかれ, すべての造

形的形態をつくることに興味を失った .

布張り彫刻の第一作は r風の棺」で, 空虚を包む

ことから , この作品が生まれた . 布張り彫刻は,壁

というニュートラルな空間を , 造形空間として意味

づけるため,壁にとりつける場合が多い.

とくに,中央に孔のあるフジツボ型のものは, と

りつけた壁の奥の空間を想像させる . また,壁から

垂直に突きだしたナイフのような彫刻や.翼のよう

な彫刻は,壁の奥から空間へ突きだしている.

とくに , この布張り彫刻のシリーズは, 一点一点

を,独立した作品としてみるより , 何点かの彫刻が,

群となって壁面上に展示されている状態を重要視す

る . この壁面上を環境化する考えは,キースラーの

「銀河系」の絵画に触発されて始めたものである .

なお,布張り彫刻のシ リ ーズは,コーヒー豆やチ

ョコレート豆を輸送する麻袋,メリケン粉や砂糖を

輸送する袋など, 使い古しの汚れたものを, ツギハ

ギに張り合わせている . 一種の コ ラ ジュ的手法で

あり,また鉄棒のフレームに張りつけると き, いろ

いろな方向に縞を寄らせて縫いつけている . この縞

の方向が,形に一種の緊張感を与える こ とになる .

布張り彫刻jのシリース'は , 次第に ニュートラルな

布の表面を求めるようになり r推力」のシリーズに

なると , キャンパス地を鉄筋に張りつける . 形態 も ,

単ーのユニ ッ トを繰返す方法を用いている .

この布張り彫刻は,空虚への関心から生ま れたた

めに,中味のない実体のない彫刻!となっている . こ

の中味と実体のない造形は, やがて光そのものを包

む彫刻jに発表してゆく .

37

Page 29: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

〈推力No. 3 )

1965 金属・キャンパス

194 X 92 X 60cm

38

1965 金属・キャンパヌ

60X90XI85cm

Page 30: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

< C の関係〉

1965 アクリル 蛍光灯・金属

170X240X 100cm

<KISS>

1968 アクリ jレ・光

200 X 260 X 35cm

39

Page 31: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

40

〈ステップ〉

1968 ア?リ jレ・光

180X IIOX II0cm

.

〈五月の橋〉

1968 アクリル ー 蛍光灯

105 X 240 X 240cm

-光の彫刻の時代

布張り彫刻の時代に,すでに彫刻とその環境につ 刻としてのイメージに変化がうまれる .

いて,強い意識をも っ ていたが, 光の彫刻のシリー あたかも,日本庭閣の石組みのように,一つの中

ズて1 さらに具体的な環境を,造形作品のために考 心的な形態をもたないで,いくつかの形の並べ方に

える必要が生じてきた. よって雰囲気が変わるのである.

光の彫刻のなかで,最初の作品は , r C の関係」 で こうした方法ふ実は作品と環境の関係について.

ある . この作品の制作の動機は,伝統的なl司法IJの技 遠心的な , 相対的な考え方をも っ ていることの表わ

法の一つにな っ ている,雌型のなかに材料を流しこ れなのである .

む,いわゆる鋳造の方法にあった . つまりボジとネ 光の彫刻のなかで,いくつかの基本的な形態が用

ガの関係を . 両方みせることを考えた.そ してこの いられているが,それらは,できるだけニュートラ

材料は,光である . 赤い C は , 光を封じこめ,透明 ルな形をしているべきだという考え方から,文字の

な C は,光を透過させる.この二つの形を対置させ. ような形一一一アルファベ ッ トとか,ひらがなーなどを

光による彫刻lのあり方を問うたわけである . えらんでいる .

さらにこの考えを発展させたのが r港」 とか r作 なかでも r KISS J は . ブランクーシの有名な彫

品」 などで,次第に独立した彫刻!としてのイメージ 刻から , ポジとネガの関係をヒントにしたものであ

をもつようにな っ たが,これらの作品でも,いくつ る .

かの対称形を用いているので,ポジとネカ、の関係を これら光の彫刻のシリーズの背景には,インター

みることができる . また , いくつかのユニ ッ トに分 メディアとしての造形の果すべき方法を探ぐる目的

かれているため,これらの組み合せ方によって,彫 もあった.

Page 32: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

〈装置〉

1967 ?クリル・光

157X280X 120cm

〈光の立方体〉

1970 アクリル ・ アルミニウム ・光

500 X 500 X 500cm

41

Page 33: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we
Page 34: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

イマジナリウム 一一想像力の社会化のために一一

ジョアン・コスタ

以下に記述するテキストには,個人的な思い出が

ある.山口勝弘に よ ってパルセ ローナて。書かれたも

のであるが,そこで,われわれは,ビデオ ・ コミ ュ

ニケーションに関する仕事をいっしょに行っ た .

山口は,その 1 週間後,パリで 「イ マジナリウム」

の有名な実験を紹介する こと になる .

r300年前, 日本には,開放的な連歌の集いがあっ

た.それは,非常に規則的に維持され, 芸術と社会

との生き生きした関係を作り出していた . こ の会の

主催者は , 季節の出来事に関連したテー?をひとつ

選ぶ.たとえ ば, 初雪, 戸をたたく.00.の音などであ

る . 数人,多くて30人程度が, 連歌を作るために,

一つ部屋に集まった . ときには,発句を詠むのは主

催者自 身であり,その後,横に座っていた者が,次

の句を詠み,次々と,一種の集団的な想像的創作の

中て, 3 時間に 200- 300の匂を作ること があ る.

芭蕉 なかでもとりわけ知られた詩人だが

ま,紙の上に句を書いたり編集したりするのは無用リアルタイム

のことだと 言っていた . この集いは,現実時間上の,

集団に よる想像力あふれる 出来事だっ た . 今 日 , わ

れわれは,現実に想像的な出来事を作り出すための

手段として,テレビやテレビカメラを持っ ている.

連歌の開放的な集い というような日本の伝統を 引き

継ぐために,ビデオを利用すること ができるだろう .

これが,みなさんに御紹介したい 『イマジナリウム』

である . あまりにも多くの場合.人聞の想像力は,

芸術家の手に よ って把握され, 芸術対象の中に閉じ

込められて来た.われわれは,今日,新しいi認の技術のおかげで, 想像的過程を動的にし, 表現する

可能性を持っ ている.これは,想像的産物の社会化

を許すに違いない .

この 『イマジナリウム』 とビデオに関して,若干

申し上げておきたい . 日本では , 電機 ・ 電子工学の

大会社が, 個人使用可能のハーフインチカセ ッ トテ

ープを販売している . 2 つの企業グループが市場を

争っているが, ひとつはソニー,東芝,サンヨーで

あ り,他方ではビクター,松下 (ノマナソニ ッ ク ) ,目

立であ る.それらの技術体系は相容れるも のではな

~ 、

今や,われわれは,ビデオ機材の大量生産を迎え

る時代にな った . はじめ企業は , 家でテレビ番組を

収録できることの宣伝をさかんにし , 家庭で見るた

めのビデオカセ ッ トも売っている. こ うして , 人聞

の想像力を閉 じ こめる企てが行われてきた . すなわ

ち , レコ ード を聞くときのように , 人間を想像力の

単なる受身的な消費者にしようとしている .

われわれは , コミュ ニケーションの道を切り開く

よう努めるべきであり rイマジナリウム』 の産物を

作り出すべきである rイマジナリウム』 は , 単に技

術的なものではなし空間でもある . つまり,各自

の創造的参加による , われわれの出会い空間である .

われわれは, 300年前の日本の集いを再び作ることが

できるのでいある .J ( K. 山口 )

-社会的コミュニケーシ ョ ン における新 しい方

向づけ

東京での「イマジナリウム」の実験

もし,伝達技術の発達と共に,近い将来,自分の

イノージ

情報環境を把握する ことを可能にするよ うな像のイメージ

移動システムを各家庭が利用するようになればi 像

は家の内部空間を積極的な情報空間へと変えるだろ

っ .

壁 ・ 額 ・ 家具が今日機能を果たしている静止した

イメージ空間は rイマジナリウム」の仮説によ っ て ,

全的イメージ空間へと歩を進めることになるだろうイメジ

これは , 他者の手で選択された像か らなる現在の

空間内て1 伝達の受信者として受身的に振るま っ て

いる人聞の時代が終駕することを予測する.

同様に,コミュニケーションが文字や言葉で基本

的に維持されている時代は終わるだろう.要するに,イメージ イメジ

自分自身で像を選択し,その像を使っ て,自分

自身によ っ て全く自由に作られ, コ ント ロールされ

た,想像的な環境へと日常的環境を変えるのである .

今日,インテリア ・ デザインやデコレーションに

依存している私的空間は,情報そのものと深い関わ

り合いを持つようになるだろうし , そこに住む者と

も大いに関わりあるものになるだろう.

以上の点が,これら仮説の提唱者山口の「イマジ

ナリウム」の概要である.山口が作り , 東京で実験

し,近日 , アメリカで紹介するものである .

山口勝弘は, 美術家,彫刻家であり,後,ビデオ

アートに加わり,現在, 社会学的な芸術に携わ っ て

いる.現在人聞は,欲しでもいないメ ッ セージの雪

崩に閉じ込め られ,もち ろん , 自分でメ y セー ジを

作りもせず,次第に想像力を失っているという事実

から,山 口は出発している .

しかし , 失なわれた楽園神話の背後にある空間に

逃げながら反応するといつことではなく,われわれ

の時代の技術進歩を受け入れ, その操作者の役割をイノジ

引き受けることである.個人はこうして, f象の生産

者とな り,操作者となり , 送信者となるのである .

イメージ

・現実の時間における像の移動

「イ マジナリウム」は , 3つの異なった謀長て許方法化される . 託証を通して, 現実時聞のイ議ジへの移動カずOJ音色になる.

1 . ビデオテープカメラ,ビデオテープ収録機,

T V モニタ-

2 . ポライドカメラ

3 . カラー複写機

これらの機器を通して,出来事や環境がどのよう

に収録されるかを見てみよう .

ビデオテープとポラロイドカメラは,資料の登録

媒体として機能する.一方, ビデオテープカメラをイノーー会P

通 して生じ,同時に録画機によ っ て録画される像

は,同 じ瞬間に傍観者が受像できるようにテレ ビモ

ニター へ送られる .イノ ーー ふJ

もし,そのとき,モニターによって提供された像

が, ポラ ロ イドカメラで写されれば,情報はテレビ

から写真へ移っ た ことになる .

もし後で, ポラ ロ イドカメラのこの情報がカラー

複写機によるコピーへと移されれば,自動的に情報

を複数化していることになる .

こ の過程で\複写機の調節により,異な っ た結果

を伴っ て,カラーコピーに任意の修正が得られる.イメージ

こ れは , 連続的に像をコピー しながら , 質的な相

i皇が導入されるというこ とである . ( フォトコピーの

正確さと対置される異化機能である ) .イメジ

像が移動しているとき,同時にその過程が,ビデ

オテープ,ポラロイドカメラ , カラー複写機を通し

てとらえられるということは rイマジナリウム」の

機能が本質的に情報の再生産機能であることを示し

ている .

「原始の意味で一一山口は思索する 植物の変

形 ・ 擬態 ・ 向日性, 外的環境に対する純粋に植物的

な生命現象は, 情報そのものと,情報環境の体系を

利用するこ とを知っている人間と の聞にエコーシス

テムを挿入することと似ている . 季節の変化,明け

方の光景から夜景への続きぐあい,家庭の内外で起

きたこと,訪問答やらありとあらゆる出来事は, けィ ノ ジ

っ きよし像の移動過程における想像力とつながり

はじめる . J

-全体的は創造へ「イマジナリウム」の笑験をもとにして, イ15移動

体系に応用可能で, コ ンビューターや衛星中継によ

っ て提供される,いくつかのソフトウェアがきっと

研究されるだろ う . 資料銀行を組織する必要もある

だろう.造形美術について言えば, 古代から現代,

ヨーロ ッパから極東まで,ありとあらゆる穫のイメ

ージを包括するようなものである .イメジ

このとき , 人類は長い歴史の後やっと , 像移動過

程のセルフコント ロールを回復することになるだろ

う . それは今まで建築家 ・ 芸術家 ・ 図案家のみによ

っ て操作されて来たものであ る . これらのことはす

べて,創造性や想像力が生活環境にうまく根をおろ

していた洞穴時代に始まる周期が閉 じられ, もう一

度,それらの創造性 ・ 想像力が日常生活で怠を吹き

返すことを意味する だろう .

おそらく , 今われわれは想像力拡張のためのプロ

グラムのひとつに参加してい る のであ る r イ 7ジナ

リウム」のような実験を通して, 想像力を鍛えよう

とするプログラムのひとつに/

( コミュニケーション研究 ・ 応用セ ンタ一所長)

43

Page 35: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we
Page 36: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we
Page 37: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we
Page 38: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we
Page 39: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

山口勝弘略歴・作品

KATSUHIRO YAMAGUCHI-CAREER

/ WORKS

1928 Born in Tokyo

1951 Graduated from Nihon Un iversity , Law

Department

Joined "Experimental Workshop" in

Tokyo

Selected Group Exhibitions and Perュ

formances

1952 The 1 st Experimental Workshop Exュ

hibition , Takemiya Gallery , Tokyo Yomiuri Newspaper's I ndependent Exュ

hibit ion , Tokyo Metropolitan Museum

1953 Abstract Art and Fantasy Art, National

Museum of Modern Art , Tokyo

1954 Abstract Art in Japan and America ,

National Museum of Modern Art , Tokyo

1955 Auto-Slide Projection "Adventure in

Eyes of Test Pilot W.S. " , Yamaha Hall ,

Tokyo

1956 Experimental Film "Silver Bicycle" with

Shozo Iく itadai and Toshio Matsumoto

1960 Joined "Contemporary Sulptors Group"

The 1 st Contemporary Sculptors Exュ

hibit ion , Seibu Department Store, Tokyo

写真

1928 東京に生れる

1951 日 本大学法学部法律科卒業 実験工房の結成に参加

主要展覧会及びパフォ ーマ ンス1952 読売アンデパンダン展,東京都美術館・東京

1953 抽象と幻想展, 東京国立近代美術館

1954 日米抽象美術展,東京国立近代美術館

1955 オ ー トス ラ イド作品〈試験飛行家 w . s 氏の眼の冒険〉

ヤマハ・ホール・東京

1950 PR 映画〈銀輪〉北代省三,松本俊夫と制作

1957 <世界今日の美術展〉具体グループ主催 ・ 大阪

1960 <集団現代彫刻〉の結成に参加

〈第 l 回集団現代彫刻l展〉西武百貨店・東京

1964 <今 日の作家 ' 64> 横浜市民ギャラリー

1955 く新しい日本の絵画彫刻展〉サンフランシスコ美術館

ニ ューヨ ーク近代美術館

1966 <色彩と空間展〉南西廊・東京

〈空間から環境へ展〉松屋デパ ト・東京

1967 <第 5 回グッゲンハイム国際展〉ソロモン・ R . グ y ゲ

ンハイム美術館・ ニ ューヨ ー ク

〈第 4 回長岡美術館賞展〉長向現代美術館

1968 <第34回ヴェ ニ ス ヒ.エンナーレ〉 ヴェ ニ ス

1969 <エレクトロマジ力展〉ソ ニ ・サロン・東京

〈蛍光菊展> i. C .A ・ロンドン

〈アルス 69> アテナウム美術館・へルシンキ

1970 エクスポ '70大阪,三井グループ館・チーフ・プロデ

ユ サー〈スベース・レ ヴユ >

1972 <ビデオ・ひろば〉結成に参加

〈ビデオ・コミュ二ケーション〉ソ ニー ・ ピル・東京

〈ビデオ・ウィ ーク〉わしづかみの映像・アメリカン・

センタ ・ 東京

1973 <コンヒ。ユ ーターアー ト '73> ソ ニ ー ・サロン・東京

1964 Artists Today '64 , Yokohama Civic

Gallery , Yokohama 1965 New Japanese Painting and Sculpture,

San Francisco Museum of Art , The

Museum of Modern Art. New York

1966 The 7th Exh ibition of Contemporary

Japanese Art , Tokyo Metropolitan

Museum

1967 IX Tokyo Bier可 nale , Tokyo Metropolitan

Museum

The Solomon R. Guggenheim Museum ,

New York 1968 XXXIV Venice Bier可 nale

1969 Electromagica , SONY Salon , Tokyo

Fluorescent Chrysanthemum , I.C.A .,

London

The 1 st I nternational Exhibition of

Contemporary Sculpture, Hakone Openュ

air Sculpture Museum

1972 Joined "Video Hiroba " , Tokyo

Video Week , American Center , Tokyo

1973 Computer Art '73/Cybernetic Art Trip , SONY Salon , Tokyo

1974 Tokyo-New York/Video Express, Tenjoュ

Sajiki Hall , Tokyo

XI Tokyo Biennale , Tokyo Metropolitan

Museum

The Japan Art Festival , Mus馥 d' Art

Comtemporain , Montreal/The Vancouver

Art Gallery

〈マトリックス ・ 国際ビデオ会議〉ウ.アンクーノて一美智鵡

1974 <東京・ ニューヨーク/ビデオ・ エキスプレス〉天井

桟敷館 ・ 東京

〈第 9 回東京ビエ ンナー レ〉東京都美術館

〈ジャパン ・ アー ト ・ フ 工 ステイノ~)レ〉現代美術館 ・

モントリ オール,ヴァンク ーパ一美術館

〈第 1 4回セント・ジュ ド招待ビデオ・ショ ー〉サセッ

ト美術館・サンタ・クララ

1975 (ビデオ・アー ト〉現代芸術研究所,ペンシルウ'ァ二ア

大学・フィラデルフィア

〈現代美術の展望展〉西武美術館・東京

〈第 13回サンパウ口ヒ'エンナーレ〉サンパウロ

〈第 4 由国際オープン・ 工ンカウンタ ー オン・ビデオ〉

CAYC . フぜエノスアイレス

1976 (第五回国際オープン・エン力ウンター・オン・ビデオ〉

CCI ・ アントワ ープ

1978 (山口勝弘ビデオ・ショー〉ブエノス・アイレス

く山 口 勝弘・ エンパイラメンタル・ビデオ・アート〉

ニ ュ ー ヨ ーク

〈国際ビデオアー ト展 '78TOKYO> 草月ホール

〈第 l 回工ンコント口・インテルショネール・デ・ビデ

オアルテ〉サンノfウ ロ

〈近代日本美術の歩み展〉栃木県立美術館

1980 (現代彫刻の歩み展〉神奈川県民ギャラリ ー

〈 日米ビデオアー ト展〉西武美術館

1981 (山 口勝弘展ーウeィトリ ーヌからビデオまで〉神奈川県

民ギャラリ ー

〈山 口勝弘展ー未来庭園による〉東京画廊 ・ 東京

受賞1967 <第 4 回長岡現代美術館賞展〉大賞

1968 <第 8 回日本現代美術展〉国立近代美術館賞

1969 <第 l 回箱根彫刻の森美術館国際彫刻展〉優秀賞

1975 (第 13回サンパウ ロ ビエンナー レ〉ビラ ーレス工業賞

1975 Video Art , I nstitute of Contemporary

A rt , University of Pennsylvania , Philaュ

delphia/The Contemporary Arts Center ,

Cincinnat i , Ohio/Museum of Contemュ

porary Art , Chicago/Wadworth Atheュ

neum , Hartford

The Seibu Museum of Art , Tokyo

1976 The 5th I nternational Open Encounter

on V ideo , C.C.I ., Antwerp

1979 Development of Modern Art in Japan ,

Tokyo National Museum of Modern

Art

1980 Development of Contemporary Sculpュ

ture in Japan , Kanagawa Prefectual

Gallery ,

1981 One man Show, Kanagawa Prefectual

Gallery

One man Show, Tokyo Gallery

Awards

1967 The 4th Exhibition of Contemporary

Art at Nagao lく a , Grand Prize

1968 The 8th Exhibition of Contemporary

Japanese A rt , Tokyo National Museum

of Modern Art Prize

1969 The 1 st International Exhibition of

Contemporary Sculpture at Hakone, Prize

for excellent Work

1975 XIII Sao Paulo Bier可 nale , Pr麥io I nュ

dustria Villares

作本邦治 : P.36, P.37 ・右, P 38 ・ 下 . P.39 上, P. 40 ・ 上. P. 4 1 ・下, P 42 ・左上 ・ 下右, P. 44 ・ 下左 ・ 下右, P. 45 ・ 上右 上左.藤塚光政・ P 16 左, P.17 - P.31 , P 32 ・上, P.44 ・ 上. P.45 ・中, P.46 中・ 下. 大

辻清司 P 16 ・ 右 酒井啓之 P 35 星野健一 P 46 ・上, P . 4 7 ・上. 杉山一夫: P. 47 ・ 下. 東京画廊: P.32 ・ 下左-下右, P.33, P.34, P.37 左, P.38 ・ ょ, P.39 ・下 P. 40 ・下, P. 41 ・上, P. 42 ・上右・下左

48

Page 40: 目次yamaguchikatsuhiro.musabi.ac.jp/data/2-art-design/1981...English Translation: SUNRISE ASSOCIATES 13 FEATURE OF THE MONTH = 30 YEARS OF ART BY KATSUHIRO YAMAGUCHI This month we

イノ テ リ ア第266号 昭和国年 S 月 1 目先行 さ毎月 己 主 。 唱町42 .îf. I O~ 18811' l ;・ .~ ...吻認可 昭和551字 2 月 26日国註首都特完1I担承認後民第日 1 8号/尭行所 インテリア出版線式会社東京都中失巨額座3・叩・ 14東盟ピル 電(543 ) 3051刊

佳bや曹い空局づくりが私定ちの仕事で軍 司俳 詳 しい責料は下.îl!同ご請求ください,

ロ::Jæ.J-JII 開制=車京都千代田区神田山川町ル宮(03) 253-494 1 &'ìl/í!!i = *,1Ij宮創削附(ω川0郎6加u仰州…l哨w附仰&'ìl/iIl柑出…包削蜘叩(何仰例川川0引仙川州"川附lけ巾)拘川5臼川3ト26ω0叶義m刺包似削(何01川l川削叩2伽悶 新糊脚相渇佃制削宮創附(卯0叫叩91 金沢含(07…l...J ' ~‘' 長野合( 0262) 28-3715 回大宮古川郎)45- 1 511 ・横混合(045 ) 662- 7370・静岡宮(0542) 51-3712 名古車宮(052 ) 935 →7063・岡山台(侃6926)- 4321 広島町0822) 49-3600 ・ 高松宮(0878)22-4 177 ・福岡宮(092 )4]2-5857

定価2 , 000 円 (送料150 円 ) Printed in Japan 来世誌コード01621 -5