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20回日本看護系学会協議会 公開シンポジウム 「地方創生時代の看護系大学のチャレンジ 看護学の変革と課題」 看護とものづくり: 大分県立看護科学大学における 産学連携推進の取り組み 日時: 平成 29 12 17() 16:3018:00 場所:仙台国際センター 第 3 会場(会議棟 2 階萩) 大分県立看護科学大学 学長・理事長 村嶋 幸代 (東京大学名誉教授)

第 回日本看護系学会協議会公開シンポジウム 「地方創生時代の看護系大学のチャレンジ: 看護学 … · ⇒共同研究は本学と企業で契約

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Page 1: 第 回日本看護系学会協議会公開シンポジウム 「地方創生時代の看護系大学のチャレンジ: 看護学 … · ⇒共同研究は本学と企業で契約

第20回日本看護系学会協議会 公開シンポジウム「地方創生時代の看護系大学のチャレンジ:看護学の変革と課題」

看護とものづくり:大分県立看護科学大学における

産学連携推進の取り組み

日時: 平成 29 年 12 月 17日(日) 16:30〜18:00場所:仙台国際センター 第 3 会場(会議棟 2 階 萩)

大分県立看護科学大学 学長・理事長

村嶋 幸代(東京大学名誉教授)

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県立大学の県にとっての意味/使命

•保健・医療・福祉の人材供給(教育・社会貢献)

•少子高齢化・過疎化・国際化が進む地域社会への対策立案(研究・社会貢献)

•看護学・人間科学の知見を、県内の企業・起業に生かす(研究・産学連携)

⇒上記を組み合わせて、地域を活性化し、安心して暮らせる地域となるように役割を果たす

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看護を通したものづくりの利点・特色

• 看護学:療養者が、安全・安楽に生活できる様、

支援する学問

• 看護師は、24時間365日、療養者の側で安全・安

楽を支援

⇒その視点から、

看護はものづくりに貢献できる可能性大

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大分県立看護科学大学の産学官連携の取組例

研究について繋がりのきっか

け協力内容

2)徳器技研工業株式会社の機器開発(自動吸引器、カフ圧自動調整器)

日本ALS協会大分県支部の活動→企業と大学教員の交流

看護専門職の立場からの助言

3)ヤクルトヘルスフーズ株式会社との共同研究

健康増進プロジェクト→本学教員の紹介

企業の扱う食品の高齢者の嚥下機能への影響の検討

4)

中津家具株式会社、大分県立芸術文化短期大学、大分県産業科学技術センターとの共同研究(高齢者用のイスの開発)

中津家具が産業科学技術センターへ相談→本学教員の紹介

生体、心理計測・解析、椅子の座り心地の評価

個人のつながり

平成28年4月~ 産学官連携推進チームが発足樋口

1)平成20年頃:アレルギー抑制作用をもつ柚子製品(特許取得)

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大分県立看護科学大学看護研究交流センター

H28年度:産学官連携推進チーム新設

○本学の拠点• 教育・研究を通した地域貢献

• 地域の看護職者の研究能力の開発と質的向上、

• 看護に関する国際協力・支援の拠点施設

看護研究交流センター長(兼理事)

国際交流・留学生チーム

事 務 局 地域交流チーム

継続教育推進チーム

NP教育推進チーム

学術ジャーナルチーム

産学官連携推進チーム

研究と産業を結びつける

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4大講座

17科目群

人間科学講座

生体科学

生体反応学

健康運動学

人間関係学

環境保健学

健康情報科学

言語学

基礎看護科学講座基礎看護学

看護アセスメント学

専門看護学講座

成人・老年看護学

小児看護学

母性看護学

助産学

精神看護学

広域看護学講座

保健管理学

地域看護学

国際看護学

全17研究室

看護学:10研究室+看護研究交流センター

健康科学:7研究室・元々の実験系:人間科学講座の3研究室

・教員の関心により、看護学の研究室からラボワークを実施する研究室が出てきた

・実験室での測定を行う教員は、人間科学講座の関連する研究室に出入りして共同研究

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Hallow:生きがいのあるくらしをつくるオープンイノベーション・ワークショップ

<概要>• 多業種・多職種(デザイナー、看護職、作業療法士、ものつくり企業家、造形やプログラミング専攻の学生等)でチームを組み、高齢社会に向けたものづくりに挑戦• ものづくりのPDCAサイクル(ニーズ゙調査、計画、設計・デザイン、試作、試用)を体験、3Dプリンタの活用<主催>• 日本文理大学、• 大分県立看護科学大学、• 大分県立芸術文化短期大学、• 大分東部病院、• 大分県工業連合会(三次元技術研究会)<共催>大分県医療ロボット・機器産業協議会<参加者>(学部生、大学院生、教員)第1期(H28.5~9月) 6名、第2期(H28.10~3月) 5名第3期(H29.5〜9月)以降、自由科目となる

<制作物>・片手で使用できる衣装ケース・片手で着脱できる靴・片手操作で4点杖になる杖・片手でネックレスを着用できる補助具・片麻痺患者の上肢固定具(対人センサー付)・手を触れずに取り出せるウェットティッシュボックス

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H28年11月:大分県医療ロボット・機器産業協議会に看護関連機器開発部会設置⇒本学看護研究交流センター長が部会長就任

• 大分県商工労働部 産業集積推進室

• 「産業集積に係るプロジェクト推進」(自動車関連産業の振興、半導体産業の振興)

• 「産学官連携の総合企画」及び

• 「産学官による研究、技術開発の支援」

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看護学とものづくりの連携フォーラム2016.12.18 於:大分県看護研修会館、 (大学等によるおおいた創

生推進協議会・地方創生大学等連携プロジェクト支援事業B)・・・COC+<目的>• 看護の視点からのものづくりの取組加速/産官学連携<位置付け>• 看護関連機器開発部会キックオフイベント<参加>• 医療・介護、企業、大学、行政関係者等106名<講演>「看護学におけるイノベーション-療養生活支援とものづくり」真田弘美教授(東京大学大学院)・・・特許47件等

<報告と意見交換>• (本学)Hallowの取組• (県病・看護師長)病院内のニーズ調査から• (県内の2企業)産学連携の事例:離床センサー、排泄支援装置• (県産集推進室)県の支援施策・補助制度等

<評価>• 参加者(企業・看護職)から高い評価⇒今後の連携の必要性確認

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看護学とものづくり:その後• 2017年3月28日(火) 県立病院で「看護現場とモノづくり連携セミナー:ニーズ探索交流会」• 主催:大分県医療ロボット・機械産業協議会、大分県立病院、

大分看護科学大学• プログラム:現場からのニーズ・シーズ発表①大分県立病院看護師長:「現場からの看護ニーズ」②大分県内の医療機器卸の企業③大分県立看護科学大学教員:「看護を科学する立場から」④県内ものづくり企業の取組事例⑤展示と討議

• 2017年12月9日(土) 本学で「看護分野での産官学連携と知財活用セミナー」

• 身近な知的財産権• 知的財産、何でも相談窓口• 企業2社の報告①中津家具(KK) 社長 永岡 侍紹央氏「高齢者に優しい椅子の開発」②トクソ―技研(KK)社長 徳永修一氏 「寝たままで測れる体重計の開発」

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看護を科学する立場から-生物学的視点を導入した取組の紹介-

大分県立看護科学大学 樋口幸(助産学研究室)• 助産師• 臨床の経験から、新生児の皮膚機能に関心(文部科研・学内競争的研究資金等で、早期新生児期の胎脂と皮膚バリア機能等を研究)• 生物学的視点と手法の導入(皮膚機能の測定手法)⇒この発表が縁で問い合わせ5件→内、3件が進行中⇒共同研究は本学と企業で契約①企業から、開発中の製品の評価を受託②県の補助金を受けて、企業・臨床・大学(看護、工学)で医療機器の共同開発

2017.3.28 看護現場とモノづくり連携セミナーニーズ探索交流会

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看護学とものづくり:その後• 2017年3月28日(火) 県立病院で「看護現場とモノづくり連携セミナー:ニーズ探索交流会」

• 主催:大分県医療ロボット・機械産業協議会、大分県立病院、大分看護科学大学

• プログラム:現場からのニーズ・シーズ発表①大分県立病院看護師長:「現場からの看護ニーズ」②大分県内の医療機器卸の企業③大分県立看護科学大学教員:「看護を科学する立場から」④県内ものづくり企業の取組事例⑤展示と討議

• 2017年12月9日(土) 本学で「看護分野での産官学連携と知財活用セミナー」

• 身近な知的財産権• 知的財産、何でも相談窓口• 企業2社の報告①中津家具(KK) 社長 永岡 侍紹央氏「高齢者に優しい椅子の開発」②トクソ―技研(KK)社長 徳永修一氏 「寝たままで測れる体重計の開発」

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「高齢者の生活の質の向上を目指し、前を向いて楽しく食事・会話ができる木製の椅子」の開発

• 産学官共同研究で連携して作成• 中津家具株式会社、

• 大分県立芸術文化短期大学、

• 大分県立看護科学大学

• 開発に約1年間

• 2017年度グッドデザイン賞受賞(平成29年10月4日)

(主催公益財団法人日本デザイン振興会)

• 高齢者に多い「円背」の姿勢に対し、具体的に解決しようとしている点が評価された⇒会社では、社員に良い影響!

• 10月18日に大分県庁で受賞報告会• 開発に従事した麻生助手(基礎看護学研究室)が出席

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大分県立看護科学大学「看護分野での産学連携と知財活用セミナー」事例報告

2017年12月9日(土)

大分県立看護科学大学

トクソー技研株式会社

代表取締役社長 德永 修一

※元々、ALS患者のための、「痰の自動吸引器の開発」で本学と連携あり

看護・医療関連機器開発ワーキンググループ

-ベッド上体重計の研究開発-

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1.看護関連機器開発ワーキンググループの発足

1.大分県立病院ニーズ探索交流会(2017年3月28日)

・こんな機器があったらいいのに(ニーズ)

「超薄マット型の体重スケール」

①寝たきりの重度患者を体重測定

・患者の移乗や体重計の設置等で大変な苦労

②現状はストレッチャー式体重計

・移乗する方式で大変な手間と労力が必要

・大変に高価、他に良い機器がない

2.トクソー技研の技術(シーズ)

・車いす体重計の技術が応用できないか。

3.大分県産業科学技術センター

・体重計等の計量検定機関

「ベッド上で測定可能な体重計の研究開発」のWGが発足

シーズ「車椅子体重計」の技術

大分県立病院ニーズ探索交流会

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2、実施計画と役割分担

団体名 参加者 役割分担

トクソー技研 社長 機構・方式の検討、設計、試作、商品化検討

大分県立病院 看護師 現状の課題と必要性、方式の提言、臨床評価

大分県立看護科学大学 稲垣敦教授 学究的な調査・提言、臨床評価、学会発表

大分県産業科学技術センター アドバイザー 体重計の許認可、法制度の検討・提言

大分県産業集積推進室 コーディネーター 総合コーディネート

3.ワーキンググループの活動状況

・3-4カ月に一回位、県立病院で集まりる。試作品の作成と検証

4.今後の課題と計画「ベッド上で測定可能な体重計」を実用化する

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看護と産学連携における本学の特色

臨床評価疑問・問題の明確化、

ニーズの抽出

臨床現場 (病院や施設における研究)

病態生理に基づくメカニズムの解明

基礎系分析・実験(遺伝子・細胞・動物)

製品、機器の開発

看護工学ものづくり

基礎系の教授陣が充実

実験設備、実験機材も整備

看護教員も実験研究実施中看護理工学入門セミナー資料より引用

観察・計測・分析装置ソフトウエア・システム開発等

(樋口)

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看護技術の開発 ひとづくり(教育) 地域貢献

大分県立看護科学大学

本学の役割と理想の将来像

臨床評価 疑問・問題の明確化、ニーズの抽出

臨床現場 (病院や施設における研究)

製品、機器の開発

看護工学ものづくり

病態生理に基づくメカニズムの解明

基礎系分析・実験(遺伝子・細胞・動物)

樋口

(樋口)

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「看護を通したものづくり」へのバックアップ体制A.大学の体制・基礎科学の基盤・産学官連携推進チーム

B.大分県の体制1)県産業集積推進室(県庁)2)大分県産業科学技術センター3)大分県産業創造機構4)大分県よろず支援拠点(22名のコーディネーター)5)大分県医療ロボット・機器産業協議会① コーディネーターによるマッチング・支援② 地域資源活用商品創出支援事業③ 試作品等開発補助事業

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産学官連携推進チームの担う役割と課題

1. 臨床や企業と大学等との共同研究、研究場所等の提供、受託研究など研究面での活動を支援

2. 研究者への相談の窓口

3. オープンイノベーションプログラム(Hallow)など教育面での連携・人材育成

4. 研究成果や人的資源等による、地域・社会貢献のための環境整備

1. 研究環境の整備・システムづくり

2. 学内外への情報発信

3. 研究成果の公表、臨床・社会への還元を強化

役割

課題

樋口

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機器開発コーディネータによるハンズオン支援

• 機器開発コーディネーター派遣事業• ワーキンググループ活動支援事業• 薬事アドバイザー派遣事業

大分県 医療・看護・福祉機器関連産業を目指す企業への支援体系

参入意欲の

醸成

医療現場の

ニーズ体制整備

医療機器

開発販路開拓

開発テーマ発掘と企業とのマッチング

情報提供• 医薬品医療機器等法説明会

• 参入事例の紹介

• PMDAとの個別相談会

• 東九州メディカルバレー構想推進大会

• 医療、介護現場からのニーズ紹介大分大学医学部付属病院等とのニーズ探索会

←看護現場にも対象を拡大

• 医療機器メーカーとのマッチング

製品化支援

• 医療機器研究開発補助事業大学等研究機関、医療機器メーカーとの連携した県内中小企業による医療関連機器の研究開発を補助補助金額:上限400万円(2/3以内)×3件

• 機器開発コーディネーター派遣事業(再掲)

• 薬事アドバイザー派遣事業(再掲)2社×4回程度

体制整備 販路開拓支援• 県産新医療・福祉機器等普及促進事業県内の医療機関等が県内中小企業等が開発製造する医療関連機器のへの導入を支援補助金額:上限120万円(1/2以内)

• 医療機器関連展示会への共同出展本郷展示会、国際福祉機器展、MEDICAなど

• 産学官連携コーディネータによる支援(大分大学)

産学官連携

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課題• この分野の人材育成• スピード感を持った開発• 卒論・修論の場合、論文提出時期と開発のスピード感がマッチしない• ニーズと教員の専門性のマッチングの難しさ• コーディネイトの専従者がいない(小規模大学)

• 市場規模の予測が難しい、販売戦略が重要

加えて、• 本務(教育)との関係

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「看護を通したものづくり」の意義

• 個々の教員が取り組んでいた研究を、「ものづくり」というキーワードで括ることにより、その活動に光が当たる

• 基本は、一人一人の教員の地道な努力と潜在力

• 教員の力を発揮する時に(伸ばす方向性として)、現場や企業からの提案が「新しい契機」となる。

• 看護研究交流センター:きっかけを提供する装置

• 錦の御旗:

「大学としてものづくりに取り組むぞ」という宣言

⇒看護実践に際し、ケアの方法論の開発と同時に「ものづくり」を行い、看護師が使える道具を増やす。

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臨床現場の課題解決に向けて(大分県立病院 小畑看護師長の調査から)

①患者の危険防止・事故防止:転倒予防、安全モニター②患者の苦痛軽減:移動・体位変換、見守り支援③看護師の負担軽減:検体などの搬送、入院オリエンテーション⇒現場の看護師がものづくりを考えることで、創造性向上

<看護・保健分野におけるものづくりによる可能性>・医療サービスの生産性向上・健康経営(従業員の健康保持・増進→生産性向上・コスト削減)・なでしこ銘柄(女性のキャリア促進+仕事と家庭の両立支援)

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◇ 大分県の保健医療福祉に貢献する大分県立看護科学大学 ◇

大分県立看護科学大学

企業への支援や地元への貢献等

・県介護予防二次予防事業(県福祉保健部 他)・健康・体力・人づくり推進事業(県教育委員会)・スポーツ救護ナースおよびスポーツ救護士育成事業(県スポーツ学会 他)・温泉と運動プログラム研究会(大分県、別府市 他)・犯罪被害者支援や警察安全相談実務に関する研修(県警察)、惨事ストレス対策(県消防学校)・夏休み子どもサイエンス教室・環境アセスメント委員

健康増進事業、環境、その他分野への支援(講師派遣等)大分県

保健

医療

教育

福祉

卒業生は、県内各地の医療機関等で活躍中

県施策等への協力

・県医療審議会委員、健康寿命日本一おおいた創造会議、生涯健康県おおいた21推進協議会委員・大分県医療計画策定協議会委員、県公私立学校教育協議会委員、県自殺対策連絡協議会副会長 等・県、県教育委員会等が実施する研修会への講師派遣:「看護アセスメント研修」、「メンタルヘルス研修会」、「医療的ケア看護師研修会」等

・看護の視点を活かしたものづくり(工学・看護・芸術の連携)・企業へのアドバイス(家具・補装具・患者用体重計等)・産学官連携によるものづくり共同プロジェクト開始・全国学会による来県者の増加(H28・29で本学教員が計6学会を主宰。県外から3,000人を集客)

第2期中期計画から第3期中期計画へ⇒大分県全体の更なる活性化に貢献する大学へ

県立大学の ①保健・医療・福祉の人材供給(教育・社会貢献)使命・役割 ②少子高齢化・過疎化・国際化が進む地域社会への対策立案(研究・社会貢献)

③看護学・人間科学の知見を、県内の企業・起業に生かす(研究・産学連携)

・質の高い看護師の教育と県内就職の促進、地域密着型病院を実習施設に拡大・診療看護師(NP)が県内の隅々まで届くように、NP地域枠による定員増及びEラーニング導入の検討

・大学院修士課程保健師教育で1年生9名の3タイプの実習報告会に全県下から指導者を招き、各々の地域保健の課題を共有→解決策を学生の実習を通して提案。修了者2名が大分県内へ就職。

・県内5病院への研究支援と看護研究交流会の実施・修士課程看護管理・リカレントコースへの入学とブラッシュアップ(H22~28計25名)

人材育成・看護の質向上に向けた支援

活力ある大分県へ

産業

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ご清聴ありがとうございました。

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