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宇宙からの災害監視 Space Application for Disaster Monitoring 陸域観測技術衛星2号「だいち2号」災害事例集 2014~2015 ©JAXA

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宇宙からの災害監視Space App l i ca t ion fo r D i sas te r M on i to r i ng

陸域観測技術衛星2号「だいち2号」災害事例集2014~2015

©JAXA

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はじめに

陸域観測技術衛星 2 号「だいち 2 号」(ALOS-2:Advanced Land Observing Satellite-2) は、「 だいち」(ALOS)の後継機として、暮らしの安全の 確 保 を ミ ッ シ ョ ン の 一 つ と し て い ま す。ALOS-2 に 搭 載 す る L バ ン ド 合 成 開 口 レ ー ダ

(SAR:Synthetic Aperture Radar) は、 こ れ まで日本が技術を蓄積してきた分野であり、その特徴を生かした災害状況把握への利用が期待されています。近年、国内外で増加する大規模な自然災害に対し、広域かつ迅速に災害状況を把握することへの重要性が高まっており、だいち2 号の災害観測を通じて課題解決へ貢献することが期待されています。 本書では、だいち 2 号の災害観測のうち、災害状況把握に利用されたいくつかの事例を掲載し て い ま す。 宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構(JAXA:Japan Aerospace Exploration Agency) に お ける、だいち 2 号のデータを利用した防災分野への取り組みを広く知っていただけたら幸いです。

Contents

陸域観測技術衛星 2 号「だいち 2 号」の概要 2本書で用いられる画像解析の概要 4防災分野における取り組み 6

事例 1 箱根山 [火山] 8事例 2 口永良部島 [火山] 10事例 3 桜島 [火山] 12事例 4 西之島 [火山] 15事例 5 御嶽山 [火山] 16事例 6 長野県神城断層地震 [地震] 20事例 7 ネパール地震(2015 年) [地震] 24事例 8 平成 27 年 9 月関東・東北豪雨 [水害] 26事例 9 ミャンマー/パキスタンにおける洪水 [水害] 30事例 10 紀伊半島(平成 23 年台風第 12 号の痕跡) [土砂] 32事例 11 平成 26 年 8 月豪雨による広島市の土砂災害 [土砂] 34

出典一覧 35「だいち 2 号」による主な災害観測一覧 36

背景画像:だいち 2 号で撮像した関東平野 ©JAXA

表紙画像だいち 2 号で撮像した桜島の干渉画像(鳥瞰図)1 回目の観測日時:2015/1/4 23 : 332 回目の観測日時:2015/8/16 12 : 36

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The Advanced Land Observing Satellite-2

Lバンド合成開口レーダ(PALSAR-2) 直接伝送アンテナ

10.0m

3.0m

衛星間通信アンテナ

太陽電池パドル7.2m

2.7m

[観測時]

衛星進行方向

衛星進行方向地心方向

30deg30deg

地心方向

[非観測時]

[左側観測時][右側観測時]

ビーム走査範囲:入射角8~60deg

ビーム走査範囲:入射角8~70deg

[だいち2号]

[だいち]

陸域観測技術衛星2号「だいち2号」ALOS-2(Advanced Land Observing Satellite-2)

 「だいち2号」は「だいち」の後継機として開発された地球観測衛星です。地図作成、地域観測、災害状況把握、資源探査の幅広い分野で利用され、私たちの暮らしにさまざまな形で貢献してきた「だいち」のミッションを発展的に引き継ぎます。 「だいち2号」の搭載センサは、「だいち」搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR)を高性能化させたPALSAR-2です。分解能や観測可能領域が改良されたことで、より正確かつ迅速に情報を提供することが可能になりました。

だいち2号の概要

だいち2号の特徴

表1:「だいち2号」の主要諸元

打上げ日時 2014年5月24日

ロケット H-ⅡAロケット24号機

設計寿命 5年(目標7年)

運用軌道

種類 太陽同期準回帰軌道

高度 約628km(赤道上)

降交点地方時 12:00±15分

回帰日数 14日

衛星サイズ(軌道上) 約10.0m×16.5m×3.7m

衛星質量 約2100kg

ミッション機器(周波数)

Lバンド合成開口レーダPALSAR-2(1.2GHz帯)

技術実証ミッションとして船舶自動識別装置(AIS)信号受信機(SPAISE2)、小型赤外カメラ(CIRC)も搭載しています。

図1:「だいち2号」の概要図

図3:「だいち2号」の観測時の姿勢

図2:「だいち2号」の観測イメージ黄色帯:広域観測モード(観測幅:490km)赤色帯:広域観測モード(観測幅:350km)緑色帯:高分解能[10m]モード(観測幅:70km)桃色帯:高分解能[3m/6m]モード(観測幅:50km)

1広範囲な地域を観測できる 「だいち2号」は衛星の姿勢を傾けることで、衛星の左右どちら側も観測できます。また、レーダ波(ビーム)を電子的に振ることが可能なフェーズドアレイ方式を採用します。この効果により、観測可能領域が「だいち」の約3倍である2,320kmになります。広域を撮像するモードでは、「だいち」のPALSAR(350km)よりも広い490kmの観測幅を実現しました。

2昼夜天候を問わず、詳細な観測ができる 合成開口レーダ(SAR)は、昼夜天候によらず観測ができることが最大の特徴です。「だいち2号」が搭載するPALSAR-2は、Lバンドを利用して観測するため、他の衛星で用いられるXバンドやCバンドと比べて天候の影響がより小さいことも特徴です。また、PALSAR-2は、「スポットライトモード」で、1m×3mの分解能を有しており、「だいち」と比べてより高解像度な観測ができます。

3災害時の迅速な観測に対応できる 「だいち2号」では、衛星が左右両側を観測できること、回帰日数が大幅に短くなったこと、データ伝送能力を強化したことにより、災害発生時の迅速な観測が可能となりました。国内で災害が発生し、緊急観測を実施した場合は、最短で2時間、最長でもほぼ12時間程度で被災地の画像が得られます。

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■スポットライトモード 「だいち2号」では新たな観測モード「スポットライトモード」を追加したことで、最高で1m×3m(アジマス方向×レンジ方向)の高画質な画像を得ることができるようになりました。スポットライトモードでは、観測したい地域を局所的に狙い、通常より長い時間観測を続けます。その結果、より詳細な地表面の様子をとらえることができるようになりました。

■高分解能モード 2つの独立したビームで受信を行うデュアルビーム方式を採用したことで、「高分解能モード」では、高分解能かつ広い観測幅を保つことが可能になりました。災害状況把握などの目的には、主にこの「高分解能モード」を使用します。

■広域観測モード 「だいち2号」では350kmまたは490kmという極めて広範囲の観測が可能となっています。巨大地震の地殻変動の把握などの目的には、この「広域観測モード」を使用します。

表2:観測モードの一覧観測モード 分解能 観測幅

スポットライト1m(アジマス)

×3m(レンジ)

25km(アジマス)×

25km(レンジ)

高分解能

3m 50km

6m 50km

10m 70km

広域観測60m 490km

100m 350km

アジマスとは衛星進行方向、レンジとは電波照射方向を意味します。

図5:スポットライトモードでの撮像

(舞浜駅周辺)

図6:高分解能モードでの撮像

(東京、千葉)

図7:広域観測モードでの撮像

(関東)

図4:各観測モードでの観測概念図

観測モード

 「だいち2号」では、大きく3つの観測モードが選べます。最も詳細な観測を実現する分解能1m×3m(観測幅25km)の「スポットライトモード」、分解能3~10m(観測幅50~70km)の「高分解能モード」、広範囲を一度に観測できる分解能60~100m(観測幅350~490km)の「広域観測モード」を備えます。観測目的に応じて適切な観測モードを選択し、観測を実施します。

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The Advanced Land Observing Satellite-2

本書で用いられる画像解析の概要

 SARは観測対象に対し電波を放射し、衛星に戻るその反射波の強さを計測するセンサです。一般に、観測対象が水面のように滑らかな面の場合にはその反射波は少なく、凹凸のある面の場合にはその反射波は多くなります。SAR画像は反射波の強さ、すなわち地表面の状況を濃淡の白黒で画像化したものであり、水面は黒く映り、凹凸面は白く映ります。 例えば、浸水災害により凹凸面が水面に変化した場合、災害前後で反射波すなわちSAR画像上の濃淡が変化するため、その2時期(災害前後)のSAR画像を比較することで被災域(浸水域)を推定することが可能です。 2時期の画像を比較するために、一般に赤、緑、および青にそれぞれの時期の画像を割り当ててカラー合成表示をします。図1には、事例9のミャンマー/パキスタンの洪水を例に2時期のカラー合成例を示します。赤に被災前を、緑と青に被災後の画像を割り当てており、多くの地域で赤く

なっていることが分かります。これは、被災前に露出していた凹凸な地面が被災後に冠水し、合成画像上では赤色になっていると解釈されます。 このような解析を実施する場合、観測対象の変化のみを抽出するため、観測条件(昇降軌道やオフナディア角等)は、同じにすることを推奨します。なお、色の割り当ては、解析によって異なることに留意が必要です。

 SARで用いられる電波は、音波などと異なり、進行方向に垂直な面において「波の揺れる方向」を持つことがわかっており、「波の偏り」と書いて偏波と呼ばれます。偏波には、楕円偏波や直線偏波等多くの種類が存在しますが、SARでは、一般に水平方向に揺れる偏波(H)と垂直方向に揺れる

垂直偏波(V)が用いられ、送信と受信で偏波を切り替えます。図2にだいち2号で可能な偏波の組み合わせを示します。Hで送受信するものをHH、Vで送受信するものをVV、および送信と受信でHとVを切り替えるものをHV(VH)と呼んでいます。

 このように偏波を切り替えることで、観測対象への感度を選択することが可能となります。一般にLバンドSARでは、HHが地上の構造物や地表面に、HVが森林等の植生に、そしてVVが地表面に感度が高いことが知られています。図3には、植生に覆われた山間部のHHとHVの2偏波による観測画像の例を示します。本例では、HHを赤と青に、HVを緑に割り当てており、殆どの地域でHVが支配的であることがわかります。

時期の異なる画像の重ね合わせ

偏波の異なる画像の重ね合わせ

図3 偏波合成画像例(事例10より)

図1 2時期の合成画像例(事例9より)

©JAXA

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図2 SARの偏波観測について

SAR干渉解析

 電波は、その名の通り波の性質をもち、一定間隔で山と谷(山なのか谷なのかを位相と呼びます)が繰り返されます。図4に示すように、センサから照射された電波が観測対象で反射されてセンサに戻ってくるまでの距離が変わらなければ、受信時の位相状態は変わりません。しかし、その距離に何らかの変化が生じた場合は、受信時の位相状態が変化します。例えば、衛星の位置が変わらず、図4のように地形が隆起する場合、その頂点とセンサとの距離は隆起前に比べて短くなります。このような2回の観測から得られる

位相差を二次元のSAR画像上の各画素について計算した画像を「SAR干渉画像」と呼びます。これにより、衛星の方向から見た地表の変動量を面的にとらえることができます。反対に、地形が沈降する場合は、ある地点とセンサとの距離は長くなるため、位相差は、隆起の時と比べて符号が逆転することになります。すなわち、SAR干渉解析では、センサに近づく地形変動と遠ざかる地形変動を区別することも可能なのです。

 一方、2回の観測において、ある地表面が全体に移動するような変化を示す場合は、変動前後の位相差は生じます(干渉縞が生成される)が、隣り合う画素間での位相差は生じません。しかし、地表面が凸凹になるような急激な変化に対しては、隣り合う位相差がばらばらになるため、干渉縞を得ることができず、地形変動は計測することができません。

このように、隣り合う画素間の位相差の状態は、コヒーレンスと呼ばれ、前者の整然としたケースではコヒーレンスが高く、後者のランダムなケースではコヒーレンスが低くなります。コヒーレンスは、例えば噴火や地震による地面や建物の崩壊等急激な変化の有無に対して感度が高いため、災害前後での被害状況に対するSAR干渉解析の重要な手法の一つです。

図4 SAR干渉解析により得られる地殻変動成分の概略図

出典:国土地理院ホームページをもとに三菱スペース・ソフトウエア株式会社にて加工

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The Advanced Land Observing Satellite-2

海外との取り組み

表2:国際災害チャータ参加機関および主な衛星(2015年10月時点)参加機関 利用衛星 空間分解能(m)

フランス国立宇宙センター(CNES)

Pleiades-1A, Pleiades-1BSPOT-6, SPOT-7FORMOSAT-2

2.8,0.76,1.58,2

中国国家航天局(CNSA) SJ-9A 10,2.5

アルゼンチン国家宇宙活動機関

(CONAE)SAC-C(アーカイブのみ) ─

カナダ宇宙庁(CSA) RADARSAT-2 1,3,8,25,60,100

ドイツ航空宇宙センター(DLR)

TerraSAR-X, TanDEM-XRapidEye constellation(5機)

1,2,3,18.5,406.5

DMCイ ン タ ー ナショナル・イメージング(DMC)

UK-DMC2Deimos-1(スペイン)NigeriaSAT-2(ナイジェリア)NigeriaSAT-X(ナイジェリア)

22222.5,5,3222

欧州宇宙機関(ESA)

PROBASentinel-1A

Sentinel-2AERS(アーカイブのみ)ENVISAT(アーカイブのみ)

18-36,55 × 2 0 ,5 × 5 ,2 0 ×4010,20,60──

欧州気象衛星機構(EUMETSAT)

MetopシリーズMeteosat Second GenerationシリーズMeteosat First Generationシリーズ

11001000,3000

2500,5000

ブラジル宇宙研究所(INPE)

CBERS-01, 02, 2B(ア ー カ イブのみ) ─

インド宇宙研究機関(ISRO)

Cartosat-2, 2A, 2BResourcesat-2RISAT-1Oceansat-2IRSシリーズ(アーカイブのみ)Cartosat-1(アーカイブのみ)IMS-1(アーカイブのみ)

15.8,23,56─360×236───

宇宙航空研究開発機構(JAXA)

ISS日本実験棟きぼうALOS-2ALOS(アーカイブのみ)

120,2401-3,3-10,100─

韓国航空宇宙研究院(KARI)

KOMPSAT-2KOMPSAT-3

1,40.7,2.8

アメリカ海洋大気庁(NOAA)

POESGOES

11001000,4000,8000

ロシア連邦宇宙庁(ROSCOSMOS)

Kanopus-VMeteor-MRESURS-PRESURS-DK(アーカイブのみ)

2.1,10.5450,9001,3,12─

米国地質調査所(USGS)

LandsatシリーズQuickBirdWorldView-1, 2, 3

GeoEye-1IKONOS(アーカイブのみ)

15,30,60,1000.6,2.40 . 3 1 - 0 . 5 ,1 . 2 4 -2.0,3.7,300.41,1.65─

図2:センチネルアジアの体制

■センチネルアジア センチネルアジアは、アジア太平洋地域の自然災害の監視を目的とした国際協力プロジェクトです。地球観測衛星などの宇宙技術を使って得た災害関連の情報をインターネット上で共有し、台風、洪水、地震、津波、火山噴火、山火事などの自然災害による被害を軽減し、予防することを目的としています。JAXAはその中心となり活動を支えています。 センチネルアジアは、2005(平成17)年にアジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)において提唱され、翌年にプロジェクトチームが発足しました。2015年10月時点で、25か国・地域83機関、15国際機関が参加しており、その活動は着実に広がっています。 「だいち2号」が取得する画像も、センチネルアジアに提供され、自然災害が発生した際に被害の把握などに貢献しています。国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)との協力や、アジア太平洋地域の各国の防災機関との連携を通じて、アジア太平洋地域の災害監視を支えています。

(URL https://sentinel.tksc.jaxa.jp/)

■国際災害チャータ 国際災害チャータは、大規模な災害が発生した際に、宇宙機関の衛星データをユーザに提供する国際協力の枠組みです。1999(平成11)年に欧州宇宙機関(ESA)とフランス国立宇宙センター(CNES)が提唱したもので、正式な名称は、

「自然または技術的な災害時における宇宙施設の調和された利用を達成するための協力に関する憲章」といいます。参加宇宙機関の間での無償の国際協力として、「最善の努力ベース」で協力が行われています。

 JAXAは2005(平 成17)年 に 正 式 加 入 し ま し た。 ま た、JAXAが 行 っ て い る 国 際 災 害 チ ャ ー タ へ の 貢 献 と し て、2015年4月25日に発生したネパール地震や2015年7月下旬に発生したミャンマーの洪水などで「だいち2号」のデータによる有効な情報を提供しています。

(URL https://www.disasterscharter.org/web/guest/home)

防災分野における取り組み

表1:地球観測衛星を用いた防災利用実証実験の活動と内容活動 内容

防災府省庁との防災利用実証

● 災害観測画像の提供● だいち防災マップの提供(防災訓練への提供

含む)

土砂WG 地すべり等の予兆把握や土砂崩れ等の災害への適用

水害WG 浸水域等の水害状況把握や関連する防災活動への適用

火山WG 活火山のモニタリングや噴火時の被害状況把握への適用

地震WG 地殻・地盤変動等の異常検出や災害時の被害状況把握への適用

大規模災害衛星画像解析WG

大規模災害時の解析業務のワークシェアやプロダクト標準化の検討

地方自治体等との防災利用実証

● 災害発生時の地域における衛星画像利用体制の検討

● 地域連携防災活動における衛星画像利用の促進

図1:だいち防災WEBのページ

 JAXAでは、「衛星利用運用センター」が防災関係府省庁・機関の衛星利用ユーザに対する一元的窓口となり、「だいち2号」をはじめとする地球観測衛星や「きずな」等の通信衛星による災害対応活動への協力、将来の利用構想の策定・調整のために活動しています。さらに、同センターは「センチネルアジア」や「国際災害チャータ」といった国際協力の枠組みに参画し、地球観測衛星の災害監視への活用を推進しています。 また、筑波宇宙センター内にある「地球観測研究センター」では、平時に実施する地球観測の研究と並行し、災害発生時は衛星利用運用センターと連携して災害データの解析にあたっています。本事例集で紹介する画像は、「だいち2号」打ち上げ以降さまざまな解析活動を実施してきた結果得られたものです。現在、「だいち2号」後継機も利用できる災害解析手法の研究開発にも取り組んでいます。

国内での取り組み

 JAXAは、防災関係府省庁、地方自治体などの防災関連機関とともに、「だいち2号」など衛星画像の防災活動への利用実証を行っています。これらの活動成果は、防災関連のユーザに利用されるとともに、「だいち2号」以降の地球観測衛星や防災システム作りへと反映していきます。

■地球観測衛星を用いた防災利用実証実験 地球観測衛星を用いた防災利用実証実験は、平成18年度に開催された「防災のための地球観測衛星等の利用に関する検討会」で明確になった地球観測衛星に関わる防災ニーズに基づいて活動を開始し、順次実利用にむけてステップアップを行っています。これらの活動では、災害発生時の緊急・応急対応のみでなく、平時の地殻変動や活火山モニタリングなどの幅広い防災活動により地球観測衛星データについて、有効性の検討や実証を行っています。 なお、平成26年度に開催された同検討会にて、「だいち」アーカイブデータ及び「だいち2号」の防災分野の利用をより促進させるとともに、今後の防災のための地球観測衛星システム等の開発・運用等に向け、防災関連業務における地球観測衛星利用の実行性・有効性向上の検討等を実施することを目的として、表1に示す「だいち2号防災利用実証計画」が確認されました。

■だいち防災WEB 地球観測衛星を用いた防災利用実証実験における情報共有のためのWEBサイトも運用しています。実証実験参加各機関は、「だいち防災WEB」からログインして各種情報を利用することができます。だいち防災WEBには、日本全国を2次メッシュ単位でカバーする「だいち防災マップ」も掲載しています。(URL https://bousai.jaxa.jp/)

■ AUIG2(ALOS-2/ALOS  User Interface Gateway) AUIG2は広く一般に対して、「だいち」および「だいち2号」に関する様々な情報や観測データの参照といった、各種オンラインサービスを提供するウェブサイトです。提供している情報は、①「だいち」および「だいち2号」の観測済みのデータを検索・注文できるページ、②「だいち2号」が観測した地域、センサ及び軌道情報の確認が行える観測計画情報のページなどがあります。

(URL https://auig2.jaxa.jp/ips/home)

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The Advanced Land Observing Satellite-2

100m

100m

100m

箱根山

災害事例 1 [火山]2015 平成27年

 2015(平成27)年4月26日から大涌谷を震源とする火山性地震が増加し、5月6日に噴火警戒レベルが1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)へ引き上げられました。これに伴い箱根町は、同日午前6時10分に大涌谷周辺に対し避難指示を発令し、火口周辺の立ち入りを規制しました。6月中旬には地震の回数は減少傾向が見られましたが、6月29日7時30分ころより火山性地震が再び増加し、観測史上初めてとなる火山性微動も確認されました。翌30日には大涌谷で小規模な火砕丘が確認され、噴火警戒レベルが2から3(入山規制)に引き上げられました。その後、8月下旬から山体膨張を示す地殻変動は鈍化していると判断され、9月11日に噴火警戒レベルは2に引き下げられています。

図1:差分干渉画像(2014年10月9日~2015年5月7日の変動)大涌谷内の直径200m程度の非常に狭い範囲で、最大6cm程度の衛星に近づく変動が見られました。この変動は、地下の浅いところでの膨張をとらえている可能性があります。なお、2015年5月6日に噴火警戒レベルが1から2に引き上げられました。

電波照射方向

衛星進行方向

■地殻変動抽出

1 回目の観測 観測日時:2014/10/9 11:41  モード:高分解能 3m  オフナディア角:38.2°  偏波: HH 2 回目の観測 観測日時:2015/5/7 11:40  モード:高分解能 3m  オフナディア角:38.2°  偏波:HH

 2015年5月4日に箱根山の火山活動が活発になり、JAXAは、火山噴火予知連絡会に設置された「衛星解析グループ(火山WG)」(事務局:気象庁)からの要請に基づき、だいち2号による緊急観測を実施し、観測データを提供しました。火山WGメンバーの神奈川県温泉地学研究所および国土地理院による解析結果は箱根町と箱根火山対策連絡会議に報告され、その後の規制区域への立入再開および安全対策の判断材料として活用されました。

図2:差分干渉画像(2015年6月18日~7月2日の変動)変動の範囲と分布に大きな変化は見られません。この2週間で最大10cm程度の衛星に近づく地殻変動が見られました。なお、2015年6月30日に噴火警戒レベルが2から3に引き上げられました。

図3:差分干渉画像(2015年7月2日~8月27日の変動)これまでの変動の範囲(赤枠)で、ノイズレベルと同等ですが、最大3cm程度の衛星から遠ざかる地殻変動が見られました。6月末に発生したごく小規模な噴火後に収縮性の変動が生じている可能性があります。

1 回目の観測 観測日時:2015/6/18 11:40 モード:高分解能 3m オフナディア角:38.2° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2015/7/2 11:41 モード:高分解能 3m オフナディア角:38.2° 偏波:HH

1 回目の観測 観測日時:2015/7/2 11:41 モード:高分解能 3m オフナディア角:38.2° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2015/8/27 11:42 モード:高分解能 3m オフナディア角:38.2° 偏波:HH

電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

8 9

火 山

地 震

水 害/土 砂

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The Advanced Land Observing Satellite-2

電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

口永良部島

災害事例 2 [火山]2015 平成27年

 2015(平成27)年5月29日9時59分に爆発的噴火が発生し、黒灰色の噴煙が火口縁上9,000m以上に上りました。この噴火に伴い火砕流が発生し、新岳の北西側(向江浜地区)では海岸まで達しました。気象庁は、同日10時7分に噴火警報を発表し、噴火警戒レベルを3(入山規制)から5(避難)に引上げ、同日10時34分には火山現象に関する海上警報を発表しました。今回の噴火は前回(2014年8月3日)の噴火を超える規模と考えられます。同日、国土交通省九州地方整備局が実施した上空からの観測では、火砕流は新岳火口からほぼ全方位に流れており、新岳北西側への流下が顕著であることが確認されました。

■噴火前後の差分抽出

噴火前 観測日時:2014/11/14 12:50 モード:高分解能 3m オフナディア角:29.1° 偏波:HH噴火後 観測日時:2015/5/29 12:53 モード:高分解能 3m オフナディア角:29.1° 偏波:HH

図1:口永良部島の噴火前後のカラー合成画像噴火前(2014年11月14日)の観測画像を紫色、噴火後の観測画像(2015年5月29日)を緑色にして重ね合わせたカラー合成画像で、噴火後に画像が暗くなった部分が紫色、明るくなった部分が緑色で示されます。火口の近傍では、火口の形状が変化したためと見られる局所的な色の変化が見られます。また、火口の周囲のやや広い範囲(図中の白い円内)でも色の変化が見られ、降灰や火砕流などによる地表の状態の変化と見られます。

©JAXA

 2015年5月29日10時頃の噴火発生後、JAXAは、内閣府、火山噴火予知連絡会に設置された「衛星解析グループ(火山WG)」(事務局:気象庁)および九州地方整備局の要請に基づき、同日13時頃に、だいち2号による緊急観測を実施し、観測データを提供しました。火山WGメンバーの気象庁気象研究所、防災科学技術研究所および国土地理院による解析結果は、「火山噴火予知連絡会拡大幹事会」において報告さ

9:59噴火 ⇒10:20緊急観測要請 ⇒12:53緊急観測実施 ⇒13:55火山WGへデータ提供

■地殻変動抽出

■噴火前後の比較

図2:口永良部島の差分干渉画像噴火前(2014年11月14日)と噴火後(2015年5月29日)に取得されたデータを用いて、差分干渉解析により地殻変動成分を抽出したものです。図中の白円で囲った新岳周辺では、干渉性が低下し有意な変動量が得られませんでしたが、これは噴火に伴う激しい地形の変形と火砕流を含む噴出物の影響によるものと考えられ、図1で色が変化している領域もここに含まれています。島内の他の部分については大きな地殻変動は見られませんでした。

図3:噴火前後の口永良部島火口図1赤枠の新岳周辺を拡大した も の で す。 比 較 の た め に2014年11月14日 に 観 測 さ れた画像を左に並べています。噴火によると見られる火口の地形の変化があることが分かります(図中矢印)。

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噴火前 観測日時:2014/11/14 12:50 モード:高分解能 3m オフナディア角:29.1° 偏波:HH噴火後 観測日時:2015/5/29 12:53 モード:高分解能 3m オフナディア角:29.1° 偏波:HH

噴火後噴火前

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れ、火口の変化や降灰、火砕流の状況把握に活用されました。 本事例では、昼の観測機会に間に合ったため、噴火から約4時間で火山WGへのデータ提供に至りました。

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火 山

地 震

水 害/土 砂

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1km

1km

1km

桜島

災害事例 3 [火山]2015 平成27年

 2015(平成27)年8月15日7時頃から島内を震源とする地震が多発し、山体膨張を示す急激な地殻変動が観測されました。昭和火口および南岳山頂火口から3km以内の鹿児島市有村町および古里町で、重大な影響を及ぼす噴火が切迫していると考えられ、同日10時15分に噴火警戒レベルが3(入山規制)から4(避難準備)に引き上げられました。桜島で噴火警戒レベル4を発表したのは、2007(平成19)年12月の噴火警戒レベルの運用開始後初めてのことです。

図1:差分干渉画像(2015年6月1日~8月10日の変動)桜島を含む鹿児島(錦江)湾周辺において大気の影響と考えられる色の変化(ノイズ)が多く見られ、ノイズレベルを超えるような変動は見られません。

電波照射方向

衛星進行方向

■地殻変動抽出

1 回目の観測 観測日時:2015/6/1 12:18 モード:高分解能 3m オフナディア角:32.4° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2015/8/10 12:18 モード:高分解能 3m オフナディア角:32.4° 偏波:HH

 桜島では、2015年8月15日に島内を震源とする地震が多発し、また、設置している傾斜計および伸縮計では山体膨張を示す急激な地殻変動が観測されました。JAXAは、火山噴火予知連絡会に設置された「衛星解析グループ(火山WG)」(事務局:気象庁)からの要請に基づき、だいち2号による緊急観測を実施し、観測データを提供しました。火山WGメンバーの気象庁気象研究所および国土地理院による解析結果は「火山噴火予知連絡会拡大幹事会」において報告され、地殻変動の変動源の推定に活用されました。

電波照射方向

衛星進行方向

図2: 差分干渉画像(2015年1月4日~8月16日の変動)南岳山頂火口の東側の広い範囲で最大16cm程度の衛星に近づく地殻変動が見られます。なお、2015年8月15日に噴火警戒レベルが3から4に引き上げられました。

図3:差分干渉画像(2015年7月6日~8月17日の変動)南岳山頂火口と鍋山の間を境に、東側で最大6cm程度の衛星から遠ざかる地殻変動が、西側で最大5cm程度の衛星に近づく地殻変動が見られます。電波の照射方向が異なる結果(図2)も合わせた解析から、地下の変動源の位置は鍋山の西ではなく、昭和火口の下にあると推定されます。

1 回目の観測 観測日時:2015/1/4 23:33 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2015/8/16 23:36 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH

1 回目の観測 観測日時:2015/7/6 13:05 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2015/8/17 13:06 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH

電波照射方向

衛星進行方向

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火 山

地 震

水 害/土 砂

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N

■桜島の鳥瞰図

電波照射方向

衛星進行方向

図4:差分干渉画像(2015年8月17日~8月31日の変動)ノイズレベルを超えるような変動は見られません。なお、2015年9月1日に噴火警戒レベルが4から3に引き下げられました。

図5:差分干渉画像の鳥瞰図(2015年1月4日~8月16日の変動)2015年1月4日と2015年8月16日にPALSAR-2高分解能モード(3m分解能)で得られたデータを用いた干渉画像を「だいち」による全球数値地表モデル(AW3D30)に重ね鳥瞰図表示したものです。この結果、桜島の南岳山頂火口の東側の広い範囲で、1月から8月の間に最大16cm程度の衛星方向に近づく変位が確認できました

1 回目の観測 観測日時:2015/8/17 13:06 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2015/8/31 13:06 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH 偏波:HH

1 回目の観測 観測日時:2015/1/4 23:33 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2015/8/16 23:36 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH

1km

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西之島

災害事例 4 [火山]2014 平成26年

 西之島は東京の南約1,000km、父島の西約130kmに位置し、火山列島(硫黄列島)と同一火山脈に属しており、付近では海底火山活動が活発に発生しています。2013(平成25)年11月20日西之島の南南東500mで新島が出現し、黒色の噴煙を上げている様子が確認されました。現在ではこの新火口群のうち第7火口が火砂丘となっています。 噴火時に出現した新島は直径約200m程度でしたが、その後旧島と一体となり、2015年9月時点で2.67km2まで拡大しています。

■西之島の地表変化

左上 観測日時:2014/6/20 22:54 モード:高分解能 3m オフナディア角:42.7° 偏波:HH右上 観測日時:2014/11/9 23:34 モード:高分解能 3m オフナディア角:29.1° 偏波:HH左下 観測日時:2014/12/10 12:12 モード:高分解能 3m オフナディア角:38.2° 偏波:HH右下 観測日時:2014/12/24 22:59 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH

図1:海底火山により拡大する西之島の様子だいち2号は、昼夜問わず、天候にも左右されないため、拡大する西之島の様子を克明に観測することができます。

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火 山

地 震

水 害/土 砂

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N

御嶽山

災害事例 5 [火山]2014 平成26年

 2014(平成26)年9月27日11時41分頃から火山性微動が発生し始め、同11時52分頃に噴火が発生しました。山頂の南西、地獄谷付近の地下にあった熱水溜まりが膨張・破裂し噴火に至りました。新たな火口が複数個形成されるとともに、最初の噴火では火砕流も発生し火口南西方向に3km以上流下しました。なお、噴出した火山灰には新鮮なマグマに由来する物質は確認されておらず、この噴火は水蒸気爆発と分析されています。気象庁は、噴火警戒レベル3(入山規制)を発表し、火口から4キロメートル以内に立ち入らないように呼びかけました。気象庁の調査結果では、御嶽山の西側の岐阜県下呂市萩原町から東側の山梨県甲府市飯田にかけての範囲で降灰が観測されました。御嶽山で噴火が発生したのは、2007(平成19)年3月下旬のごく小規模な噴火以来となります。

■御嶽山鳥瞰図

観測日時:2014/9/29 23:58モード:高分解能 3mオフナディア角:46.4°偏波:HH

図1:御嶽山山頂付近の噴火後の鳥瞰図図中赤枠内は、噴火により生成された新たな火口の可能性がある領域です。

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■御嶽山の山頂付近

図3:御嶽山山頂付近の噴火前後のカラー合成画像8月18日 と9月29日 の 御 嶽 山山頂部を同じ軌道から観測した画像の変化を抽出したものです。変化したところは赤に色づけされており、衛星画像においても御嶽山山頂の火口周辺に降灰堆積が多く分布していることが推察されます。

赤  :2014年8月18日観測緑・青:2014年9月29日観測

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噴火前 観測日時:2014/8/18 23:58 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH噴火後 観測日時:2014/9/29 23:58 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH

噴火前 観測日時:2014/8/18 23:58 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH噴火後 観測日時:2014/9/29 23:58 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH

噴火前 噴火後

図2:噴火前後の御嶽山山頂付近噴火前後の比較を示しています。噴火後の画像(右)では地獄谷の左側に窪んでいる領域が見えます。一方、噴火前(左)にはそれが見られません。今回の噴火で新たにできた火口の可能性があります。

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火 山

地 震

水 害/土 砂

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地獄谷

剣ヶ峰二の池

500m

500m

■地殻変動抽出

図5:御嶽山の差分干渉画像(拡大図)図4の青枠部分の地獄谷部分に関する拡大図を示します。地獄谷近傍の緑円内が黄色~赤色に変化しており、ここで衛星に近づく変化(西側への地面の移動)があったものと思われます(最大約9cm)。

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1 回目の観測 観測日時:2014/8/18 23:58 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2014/9/29 23:58 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH

図4:御嶽山の差分干渉画像(2014年8月18日~9月29日の変動)御嶽山を含む約50km四方の干渉処理結果を示します。特に山頂を含む6km四方の領域について、変動結果とだいち2号の画像を重ね合わせて表示したものです。これらは42日間の地形の変化(衛星と地表の距離の変化)を色で示したもので、変化の無いところは黄緑色にしています。山頂付近は9月29日の降雨と降灰の影響でやや干渉性が落ちていますが、地獄谷内で剣ケ峰から南西方向900mの地点を中心に図5の緑円内が東西700m×南北350mに渡り黄色~赤色に変化しています。ここで衛星に近づく変化があったものと思われます(最大約9cm)。

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電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

 国土地理院においても、図6と図7に示すような分析が実施されました。

図6:差分干渉画像(2014年8月18日

~9月29日の変動)非常に狭い範囲で衛星に近づく変動が見られます

(最大10cm程度)。

1 回目の観測 観測日時:2014/8/18 23:58 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2014/9/29 23:58 モード:高分解能 3m オフナディア角:46.4° 偏波:HH

電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

図7:差分干渉画像(2014年8月22日

~10月3日の変動)赤枠内は、非干渉地域であり、火山灰、噴石等により地表面の状態が大きく変わった範囲と考えられます。

1 回目の観測 観測日時:2014/8/22 23:40 モード:高分解能 3m オフナディア角:32.4° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2014/10/3 23:44 モード:高分解能 3m オフナディア角:32.4° 偏波:HH

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火 山

地 震

水 害/土 砂

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3km

3km

3km

長野県神城断層地震

災害事例 6 [地震]2014 平成26年

 2014(平成26)年11月22日22時8分頃、長野県北部において地震が発生しました。気象庁によると震源の深さは5km、地震の規模はマグニチュード6.7でした。震源断層は、白馬村と小谷村を縦断する神城断層(かみしろだんそう)です。破壊した震源断層の長さは約20kmで、神城断層の北側の部分が活動したと考えられています。この地震による被害は、全壊81軒、半壊172軒に上りました。

■地殻変動抽出

電波照射方向

衛星進行方向

1 回目の観測 観測日時:2014/9/29 11:29 モード:高分解能 3m オフナディア角:53.3° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2014/11/24 11:28 モード:高分解能 3m オフナディア角:53.3° 偏波:HH

図1:差分干渉画像(2014年9月29日~11月24日の変動)

図2:差分干渉画像(2014年10月14日

~11月25日の変動)

1 回目の観測 観測日時:2014/10/14 11:49 モード:高分解能 3m オフナディア角:38.2° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2014/11/25 11:49 モード:高分解能 3m オフナディア角:38.2° 偏波:HH

電波照射方向

衛星進行方向

図3:差分干渉画像(2014年9月19日

~11月28日の変動)

1 回目の観測 観測日時:2014/9/19 23:40 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2014/11/28 23:44 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH

電波照射方向

衛星進行方向

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火 山

地 震

水 害/土 砂

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■地震予知連絡会での報告 2014年11月28日に開催された第205回地震予知連絡会において、国土地理院より、次の報告が行われました。

1. 白馬村を中心とする東西約30km、南北約30kmの地域に地殻変動が見られます。特に神城断層沿いの東側に地殻変動の集中が見られ、飯森駅の東部では約1mの変位も見られます。

2. 神城断層を挟んで、東側は西向・上方に最大約1m変動し、西側は東向・下方に最大20cm程度変動したことがわかりました。これは、東西に地殻が短縮したことを示しています。

3. 地殻変動分布を示すSAR干渉画像において、色が急激に変化する境界線は、地表地震断層など、境界線の両側で地表変位が急激に変化する位置を示しています。この地殻変動分布から震源断層の長さは約20kmであるとみられます。その内、南部の約10kmは既知の神城断層の位置と良く一致します。

4. 小谷村の姫川の東側の山間部で、地すべりによる変位が見られます。

図4:地震予知連絡会での報告差分干渉画像(2014年9月29日~11月24日の変動)

1 回目の観測 観測日時:2014/9/29 11:29 モード:高分解能 3m オフナディア角:53.3° 偏波:HH2 回目の観測 観測日時:2014/11/24 11:28 モード:高分解能 3m オフナディア角:53.3° 偏波:HH

図5:小谷村周辺地図

■現地調査結果 図1~4の差分干渉画像の中には、衛星と地表間を結ぶ距離の変化を示す色が急激に変化する境界線が見られます。南部の白馬村では干渉領域と非干渉領域の境界線が都市圏活断層線と一致する箇所が多い一方、北部の小谷村では、干渉領域の中に色(干渉位相)の不連続線が見られました。国土地理院は、この北部の小谷村内の位相不連続線の現地調査を2014年12月2日に実施し、2箇所(図5中の緑の楕円内)で地表変形を確認しました。

①小谷村泥崎の地表変形(平成26年12月2日確認) 長野県北安曇郡小谷(おたり)村泥崎の標高約600mの東向き斜面の道路、畑、水田の畦において、3本の亀裂を確認しました(写真1)。3本の亀裂の走向はN0°EからN25°Eで、長さ・幅ともに約30mの範囲で確認されました。付近には開口亀裂も見られますが、東側のLine-1とLine-2の地表変形は、東側隆起が卓越していると考えられます(写真2、写真3、写真4)。3本の亀裂は、道路を横断しており、北の路肩や南の畑に続いています。特にLine-1とLine-2は畑を横断していることが確認されました。この南南西約100mの水田の畦にも東側隆起の段差亀裂が続いています(写真5、写真6)。これらは、Line-2、またはLine-3の南部延長とみられています。

②千国駅付近の地表変形(平成26年12月2日確認) 千国(ちくに)駅改札口の南南西約40mの道路上にほぼ南北方向の走向を持つ東西短縮変形による路面の隆起と頂部亀裂を確認しました(写真7)。南北の長さは約10mです。また、この道路の東に隣接した屋根付き歩道の一部が隆起し、頂部に亀裂が生じたことを確認しました(写真8)。東西短縮は2cm強、隆起は約10cmです。

写真1

写真4

写真7

写真2

写真5

写真8

写真3

写真6

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火 山

地 震

水 害/土 砂

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ネパール地震

災害事例 7 [地震]2015 平成27年

 2015(平成27)年4月25日11時56分(現地時間)にネパールの首都カトマンズ西方約80kmを震源として地震が発生しました。米国地質調査所(USGS)によれば震源の深さは約15km、地震の規模はマグニチュード7.8です。この地震の強震によってネパールでは、主として煉瓦組積造建物の倒壊、雪崩、土砂災害などにより甚大な被害が発生しました。その後の余震による被害と合わせ、この地震による死者はインドや中国など周辺国を合わせて8,900人に上りました。

図1:差分干渉画像(2015年4月5日

~5月17日の変動)20cm以上の地殻変動がみられる領域は、カトマンズ北 東 約20kmを 中 心 と して、 東 西150km程 度、 南北100km程 度 の 範 囲 で、最大で約1.4m隆起していることが推測されました。

■地殻変動抽出

1 回目の観測 観測日時:2015/4/5 15:06 モード:広域観測 100m 分解能 オフナディア角:34.9° 偏波:HH + HV2 回目の観測 観測日時:2015/5/17 15:12 モード:広域観測 100m 分解能 オフナディア角:34.9° 偏波:HH + HV

 2015年4月25日にネパールで発生した地震について、JAXAは、センチネル・アジアや国際災害チャータおよび地震予知連絡会に設置された「地震SAR解析ワーキンググループ(地震WG)」(事務局:国土地理院)からの要請に基づき、4月26日以降、だいち2号による緊急観測を実施し、観測データをセンチネル・アジアの枠組みで国際総合山岳開発センター(ICIMOD)へ、併せて地震WGに提供しました。地震WGメンバーの国土地理院により解析された地殻変動の全体像は同院ホームページで世界に先駆けて公表されました。また、だいちデータは現地入りした日本赤十字社と現地支援組織に活動拠点へのアクセスルートの資料として活用されました。

■ランタン村付近の鳥瞰図

図2:大規模な崩落範囲の抽出結果ランタン村において雪崩または地すべりのような大規模な崩落が発生し、だいち2号の画像から幅約1500m、長さ約700mにわたる崩落による河床を覆っている状況が推測されました。なお、図中の上と下の画像では観測方向が異なるため、見え方が異なることにご注意ください。

上図 観測日時:2014/12/28 15:13 モード:高分解能 3m オフナディア角:38.2° 偏波:HH下図 観測日時:2015/4/26 16:01 モード:高分解能 3m オフナディア角:44.7° 偏波:HH

電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

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火 山

地 震

水 害/土 砂

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平成27年9月関東・東北豪雨

災害事例 8 [水害]2015 平成27年

 2015(平成27)年9月、台風第18号から変わった低気圧に向けて南から流れ込む湿った風と、日本の東海上を北上していた台風第17号から流れ込む湿った風の影響により、多数の線状降水帯が次々と発生したことにより、関東地方と東北地方では記録的な大雨となりました。特に、9月9日から11日にかけては栃木県日光市今市や茨城県古河市古河、宮城県仙台市泉区泉ヶ岳など関東地方や東北地方において、統計期間が10年以上の観測地点のうち16地点で最大24時間降水量が観測史上1位の値を記録しました。この大雨の影響を大きく受けた栃木県や茨城県、埼玉県の各地で浸水被害が多発し、特に、栃木県と茨城県を流れる鬼怒川では常総市での堤防の決壊をはじめ、各所で甚大な被害をもたらしました。

■浸水域の抽出

図1:だいち2号からの浸水域抽出画像被災前後の画像から浸水域を推定した解析例です。被災前の2015年7月31日に観測された画像を赤色に、被災後の2015年9月11日に観測された画像に青色と緑色に割り当てています。本結果では、赤色が浸水範囲として抽出されています。

赤  :2015年7月31日青、緑:2015年9月11日

災害前 観測日時:2015/7/31 22:56 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH災害後 観測日時:2015/9/11 22:56 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH

■常総市付近の浸水域

図2:だいち2号からの浸水域抽出画像(左:図1の常総市拡大、右:2015年9月16日までの推定浸水範囲)

堤防決壊に伴い甚大な浸水被害に遭った常総市の一部エリアについて、図2に拡大します。国土地理院による9月11日13:00時点の推定浸水範囲(茶色)と比較して同様な結果が得られていることがわかります。だいち2号等のSAR衛星により、昼夜、天候問わず、定期的にこのような解析結果を得ることが可能となります。

衛星進行方向

電波照射方向

Analyzed by© 広島工業大学、included©ALOS-2/JAXA 出典:国土地理院ホームページ

 JAXAは、国土交通省からの要請に基づき、だいち2号による緊急観測を実施し、浸水域抽出などの解析画像を国土交通省などの防災関連機関に提供しました。国土交通省では、光学衛星画像や航空写真などに加え、だいち2号解析画像も参考にして、鬼怒川の堤防決壊以降の浸水範囲の把握、排水ポンプ車の配置および運用を実施しました。

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火 山

地 震

水 害/土 砂

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出典:国土地理院 HP(地理院地図)

出典:国土地理院 HP(地理院地図)

9/10 11:42健全健全 破堤

Analyzed by © Mitsubishi Space Software Co., Ltd., included © ALOS-2/JAXA

Analyzed by © Mitsubishi Space Software Co., Ltd., included © ALOS-2/JAXA

Analyzed by © Mitsubishi Space Software Co., Ltd., included © ALOS-2/JAXA

Analyzed by © Mitsubishi Space Software Co., Ltd., included © ALOS-2/JAXA

■災害時のインフラ被災状況把握 だいち2号では3mの高分解能SARモードを用いて、インフラの被災状況を把握することも可能となります。本水害において、被害に遭ったいくつかのインフラについて、解析例を示します。

■宇都宮市東刑部町付近

■常総市若宮戸付近

出典:国土地理院 HP(地理院地図)

災害前 観測日時:2015/8/13 11:42 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH災害後 観測日時:2015/9/10 11:42 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH

災害前 観測日時:2015/8/13 11:42 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH災害後 観測日時:2015/9/10 11:42 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH

図3:栃木県宇都宮市東刑部町の潜水橋流出の様子栃木県宇都宮市東刑部町の潜水橋の流出に関する解析結果です。災害後の画像では橋が確認できず、流出した可能性があります。

図4:茨城県常総市若宮戸の越水の様子茨城県常総市若宮戸の越水(9月10日6時過ぎ)に関する解析結果です。災害後の画像からは越水の様子が確認できます。

災害前

災害前

災害後

災害後

写真2:越水地点の様子(2015年9月10日15時頃)

写真1:潜水橋の様子(2015年10月1日11時頃)

電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

提供:国土交通省関東地方整備局

©2015 MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION

写真4:破堤地点の様子(2015年9月10日15時頃)

提供:国土交通省関東地方整備局

災害前 1 観測日時:2015/8/13 11:42 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH災害前 2 観測日時:2015/9/10 11:42 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH災害後 観測日時:2015/9/11 22:56 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH

■常総市三坂町付近

図5:茨城県常総市三坂町の破堤(9月10日12:50)の様子茨城県常総市三坂町の破堤(9月10日12:50)に関するモニタリング結果です。災害後の画像では、破堤した様子が確認できます。なお、災害後の画像については、観測の向きが異なるため、見え方も異なることに注意を要します。本事例では、明らかに黄枠周辺が明らかに暗くなったことから破堤と判断しています。

災害前1

写真3:破堤地点の様子(2015年9月10日15時頃)

災害前2 災害後

提供:国土交通省関東地方整備局

電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

28 29

火 山

地 震

水 害/土 砂

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The Advanced Land Observing Satellite-2

ミャンマー/パキスタンにおける洪水

災害事例 9 [水害]2015 平成27年

 ミャンマーでは、2015(平成27)年7月中旬から降り続く豪雨により中北部で洪水被害が発生しており、ミャンマー社会福祉救済復興省によると、8月2日までに死者46名、6州6地域において217,768名が被災しました。また、7月31日にチン州、ラカイン州、ザガイン地域、マグウェ地域を自然災害地域として定める大統領宣言(非常事態宣言)が発表されました。 一方、パキスタンでは、7月中旬からモンスーンによる大雨が降り続き、インダス川流域等パキスタンの広範な地域で洪水が発生しました。8月3日のパキスタン国家災害管理庁(NDMA)の発表によると、死者118名、負傷者61名、家屋損壊2,897棟、被災者数約82万人の被害が出ているとのことです。

図1:2時期の合成画像チン州とサガイン地区にまたがるチンドウィン川周 辺 の 拡 大 図 で す。2015年8月11日 に 高 分解能モード(分解能10m、観測幅70km)で取得された 画 像 と、 洪 水 前 の2015年2月10日 に 同 じ条件で取得された画像とを色合成したものです。この画像では、赤色が浸水などの変化が起きている こ と を 示 し、 チ ン ドウィン川の水量が増大していることや、西部のチン州で広範囲にわたる浸水が起きていることが分かります。

赤  :2015年2月10日青、緑:2015年8月11日

■浸水域の抽出

災害前 観測日時:2015/2/11 02:40 モード:高分解能 10m オフナディア角:28.2° 偏波:HH災害後 観測日時:2015/8/12 02:41 モード:高分解能 10m オフナディア角:28.2° 偏波:HH

電波照射方向

衛星進行方向

チンドウィン川

サガイン州

チン州

■センチネルアジアでの取り組み

図3:パキスタン洪水での浸水域抽出(SUPARCO)(2015年7月30日)

JAXAは、センチネル・アジアからの要請に基づ き、7月30日、8月7日、9日「だ い ち2号」による観測を行い、データを現地のデータ解析ノ ー ド(Pakistan Space & Upper Atmosphere Research Commission(SUPARCO))に 提 供しました。SUPARCOで解析したデータは、パキスタン災害管理機関(National Disaster Management Authority)に提供され、浸水域の把握に使用されました。

図2:ミャンマー洪水での浸水域抽出(東京大学)(2015年7月24日)

JAXAは、センチネル・アジアおよび国際災害チャータを通じた現地機関からの要請に基づき、7月22日から継続的にだいち2号による緊急観測を実施し、観測データを現地の防災機関(Myanmar Peace CenterおよびMyanmar Earthquake Committee)に提供した結果、洪水の迅速な把握に有効との報告を受けました。

30 31

火 山

地 震

水 害/土 砂

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電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

電波照射方向

衛星進行方向

紀伊半島(平成23年台風第12号の痕跡)

災害事例 10 [土砂]2011 平成23年

 2011(平成23)年8月25日に発生した台風第12号は、大型で動きが遅く長時間にわたり周辺の非常に湿潤な空気が流れ込み、西日本から北日本にかけての広い範囲で大雨になりました。特に台風の中心から東側に位置した紀伊半島では総降水量が広い範囲で1,000mmを超え、一部の地域では解析雨量が2,000mmを超えるなど記録的な大雨となり各地で甚大な被害をもたらしました。 紀伊半島では、土砂崩れや土石流が発生するとともに、土砂崩れにより発生した河道閉塞(天然ダム)が奈良県、和歌山県の両県で17カ所確認されました。大規模な土砂崩れについては、雨が地中深くまで浸透して岩盤の深い部分から大きく崩れる深層崩壊であると指摘されています。

■偏波合成画像(赤谷~長殿付近)

観測日時:2015/5/19 12:38モード:高分解能 3mオフナディア角:35.4°偏波:HH + HV

図1:赤谷~長殿 2偏波合成画像被災した箇所を含む全景を示します。赤枠で囲んだ部分が被災地域です。赤、青:HH偏波緑  :HV偏波

 河道閉塞箇所の緊急調査、対策を実施する上では、迅速に発見する手法が必要であり、ヘリ調査のできない夜間・荒天時においても地表状況を観測可能な合成開口レーダー画像を利用できる可能性があります。また、だいち2号の機能向上により高分解能2偏波画像を用いることで、湛水池や河道閉塞箇所の大規模崩落箇所を抽出でき、判読時の視認性が向上することが期待できます。

©JAXA

■被災箇所の拡大図

©JAXA

©JAXA

上段: (Landsat-8/OLI パンシャープン) 観測日:2015/7/26 分解能:15m 分解能中段: 観測日時:2015/6/3 23:50 モード:高分解能 3m オフナディア角:29.1° 偏波:HH下段: 観測日時:2015/5/19 12:38 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH + HV

図2:被災エリア拡大図図1の赤枠部分を拡大した画像を示します。上段には、Landsat-8の画像を、中段下段にはだいち2号の画像を示します。中段の単偏波画像に比べて、下段の2偏波画像の被災エリアの視認性が高いことがわかります。

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火 山

地 震

水 害/土 砂

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電波照射方向

飛行方向

斜め写真(左) 観測日:2014/8/202 時期合成画像(右) 観測日時:2014/8/22 12:52 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH 観測日時:2014/12/26 12:51 モード:高分解能 3m オフナディア角:35.4° 偏波:HH

図1:土砂流出域のモニタリング(左:国土地理院の斜め写真、右:だいち2号の2時期合成画像)

二時期の画像から土砂災害の被災地域を推定します。左には2014年8月20日に国土地理院で撮像 さ れ た 斜 め 写 真(航 空 写 真)を、 右 に は だ い ち2号 の2014年8月22日(赤)と2014年12月26日

(青、緑)に観測された画像を重ねた結果を示します。黄枠で示された土砂流出(赤)に伴い、道路が通行困難であることが明確に確認できます。

赤  :2014年8月22日青、緑:2014年12月26日

平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害

災害事例 11 [土砂]2014 平成26年

 2014(平成26)年8月19日から20日にかけて、日本海に停滞する前線に向かい暖かく湿った空気が流れ込み、広島市を中心に猛烈な雨となりました。1時間降水量、3時間降水量、24時間降水量の値が観測史上1位の値を更新しました。広島市を対象とした大雨警報(土砂災害、浸水害)が19日21時26分に発表され、土砂災害警戒情報1号が20日1時15分に、記録的短時間大雨情報が3時49分に発表されました。また、根谷川にはん濫警戒情報が3時20分に、はん濫発生情報が4時20分に発表されました。安佐南区と安佐北区では多数の土石流や崖崩れが発生し、広島市の家屋被害は全壊179軒、半壊217軒に上りました。

■被災地域の抽出

© 国土地理院 ©JAXA

出典一覧●本書に掲載されている図、写真およびその解説の出典元は以下のとおりです

No 項目 頁 掲載図表、写真、解説 出典

1 本書で用いられる画像解析の概要 5 図4 国土地理院ホームページをもとに三菱スペース・ソフトウエア株式会社にて加工

http://www.gsi.go.jp/common/000095940.pdf

2 事例1 8,9 図1,2,3国土地理院ホームページhttp://www.gsi.go.jp/kikakuchousei/bousaichousei/h27-hakoneyama-index.html

3 事例3 12,13,14 図1,2,3,4 国土地理院ホームページhttp://www.gsi.go.jp/BOUSAI/H27-sakurajima.html

4 事例5 19 図6,7 国土地理院ホームページhttp://www.gsi.go.jp/BOUSAI/h26-ontake-index.html

5 事例6

20,21,22図1,2,3,4地震予知連絡会での報告

国土地理院ホームページhttp://www.gsi.go.jp/BOUSAI/h26-nagano-earthquake-index.html

23

図5写 真1,2,3,4,5,6,7,8現地調査結果

国土地理院ホームページhttp://www.gsi.go.jp/cais/topic141203.html

6 事例7 24 図1 国土地理院ホームページhttp://www.gsi.go.jp/cais/topic150429-index.html

7 事例8

27 図2 国土地理院ホームページhttp://www.gsi.go.jp/common/000107466.pdf

28,29 図3,4,5 国土地理院 地理院地図http://maps.gsi.go.jp/

28,29 写真2,3,4 国土交通省関東地方整備局ホームページhttp://www.ktr.mlit.go.jp/bousai/bousai00000091.html

8 事例11 34 図1左 国土地理院 地理院地図http://maps.gsi.go.jp/

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「だいち2号」による主な災害観測一覧

国 内 編

No 発生事象 発生国/発生場所 観測日 提供先 掲載頁

1 火山 日本/鹿児島県、口永良部島 2014/8/5 火山WG2 火山 日本/鹿児島県、口永良部島 2014/8/7 火山WG3 火山 日本/鹿児島県、口永良部島 2014/8/8 内閣府、火山WG4 火山 日本/長野県・岐阜県、御嶽山 2014/9/27 内閣府、火山WG5 火山 日本/長野県・岐阜県、御嶽山 2014/9/28 内閣府、火山WG6 火山 日本/長野県・岐阜県、御嶽山 2014/9/29 内閣府、火山WG 16,17,18,197 火山 日本/長野県・岐阜県、御嶽山 2014/9/30 内閣府、火山WG8 火山 日本/長野県・岐阜県、御嶽山 2014/10/1 内閣府、火山WG9 火山 日本/長野県・岐阜県、御嶽山 2014/10/2 内閣府、火山WG

10 火山 日本/長野県・岐阜県、御嶽山 2014/10/3 内閣府、火山WG 1911 火山 日本/長野県・岐阜県、御嶽山 2014/10/5 内閣府、火山WG12 火山 日本/長野県・岐阜県、御嶽山 2014/10/6 火山WG13 火山 日本/長野県・岐阜県、御嶽山 2014/10/13 火山WG14 火山 日本/長野県・岐阜県、御嶽山 2014/10/14 火山WG15 火山 日本/熊本県、阿蘇山 2014/12/5 火山WG16 火山 日本/東京都、西之島 2014/12/10 火山WG 1517 火山 日本/北海道、十勝岳 2014/12/18 火山WG18 火山 日本/鹿児島県、桜島 2015/1/7 火山WG19 火山 日本/鹿児島県、桜島 2015/1/9 火山WG20 火山 日本/熊本県、阿蘇山 2015/1/16 火山WG21 火山 日本/北海道、十勝岳 2015/1/15 火山WG22 火山 日本/東京都、硫黄島 2015/2/2 火山WG23 火山 日本/東京都、硫黄島 2015/2/15 火山WG24 火山 日本/鹿児島県、桜島 2015/2/23 火山WG25 火山 日本/宮崎県・鹿児島県、霧島山 2015/2/23 火山WG26 火山 日本/東京都、西之島 2015/3/1 火山WG27 火山 日本/東京都、硫黄島 2015/3/1 火山WG28 火山 日本/東京都、西之島 2015/3/15 火山WG29 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/5/7 火山WG 830 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/5/10 火山WG31 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/5/15 火山WG32 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/5/21 火山WG33 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/5/24 火山WG34 火山 日本/鹿児島県、口永良部島 2015/5/26 火山WG35 火山 日本/鹿児島県、口永良部島 2015/5/29 内閣府、防衛省、国土交通省、九州地方整備局、火山WG 10,1136 火山 日本/鹿児島県、口永良部島 2015/6/1 内閣府、九州地方整備局、火山WG37 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/6/4 火山WG38 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/6/7 火山WG39 火山 日本/鹿児島県、口永良部島 2015/6/9 内閣府、九州地方整備局、火山WG40 火山 日本/鹿児島県、口永良部島 2015/6/12 内閣府、九州地方整備局、火山WG41 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/6/18 火山WG 942 火山 日本/群馬県、浅間山 2015/6/20 火山WG43 火山 日本/群馬県、浅間山 2015/6/23 火山WG44 火山 日本/鹿児島県、口永良部島 2015/6/26 火山WG45 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/7/2 火山WG 946 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/7/5 火山WG47 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/7/16 火山WG48 火山 日本/北海道、十勝岳 2015/7/23 火山WG49 火山 日本/鹿児島県、口永良部島 2015/7/24 火山WG50 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/7/24 火山WG51 火山 日本/神奈川県、箱根山 2015/8/6 火山WG52 火山 日本/熊本県、阿蘇山 2015/9/14 火山WG53 地震 日本/長野県 2014/11/23 内閣府、国土交通省

● 本災害観測一覧は、JAXA衛星利用運用センターが2014年から2015年までの期間に対応してきた国内、および海外の主要な災害の観測事例を掲載しています。

●掲載順は国内編、海外編として、各編ごとに発生事象を「火山」、「地震」、「水害/土砂」として掲載しています。●掲載順は時系列とし、通し番号を付しています。●表中で文字が青色になっている事例は、本災害事例集に収録されている事例です。●掲載情報は、2015年9月時点のものです。

No 発生事象 発生国/発生場所 観測日 提供先 掲載頁

1 火山 チリ/ビジャリカ山 2015/3/19 火山WG2 火山 コスタリカ/トリアルバ火山 2015/3/23 NDMC(国家防災委員会)3 地震 パプアニューギニア/ニューブリテン島沖 2015/3/31 国土地理院(地震WG)4 地震 パプアニューギニア/ニューブリテン島沖 2015/4/5 国土地理院(地震WG)5 地震 ネパール/カトマンズ他 2015/4/26 センチネルアジア、国際災害チャータ、地震WG 256 地震 ネパール/カトマンズ他 2015/4/28 センチネルアジア、国際災害チャータ、地震WG7 地震 ネパール/カトマンズ他 2015/4/29 センチネルアジア、国際災害チャータ、地震WG8 地震 ネパール/カトマンズ他 2015/5/1 センチネルアジア、国際災害チャータ、地震WG

9 地震 ネパール/カトマンズ他 2015/5/3 センチネルアジア、国際災害チャータ、地震WG、NASA(アメリカ航空宇宙局)

10 地震 ネパール/カトマンズ他 2015/5/8 センチネルアジア、国際災害チャータ、地震WG、NASA(アメリカ航空宇宙局)

11 地震 ネパール/カトマンズ他 2015/5/17 地震WG 2412 地震 ネパール/カトマンズ他 2015/6/5 国交省13 地震 マレーシア/ボルネオ島 2015/6/22 地震WG14 地震 中国/ウイグル地区 2015/7/27 地震WG15 地震 チリ/─ 2015/9/17 ─16 森林火災 ブータン/トラシガン 2015/3/20 ブータン王立大17 水害・土砂 台湾/台湾市・高雄市 2014/8/15 NSPO(台湾国家宇宙センター)18 水害・土砂 台湾/台湾市・高雄市 2014/9/23 NSPO19 水害・土砂 スリランカ/─ 2014/10/30 ─20 水害・土砂 フィリピン/─ 2014/12/10 PAGASA(フィリピン大気地球物理天文局)21 水害・土砂 インドネシア/─ 2014/12/16 LAPAN(インドネシア航空宇宙研究所)22 水害・土砂 インドネシア/ジャカルタ 2015/2/11 LAPAN23 水害・土砂 バヌアツ/ポートヴィラ他 2015/3/14 ─24 水害・土砂 バヌアツ/ポートヴィラ他 2015/3/17 バヌアツ防災機関25 水害・土砂 バヌアツ/ポートヴィラ他 2015/3/21 バヌアツ防災機関26 水害・土砂 ネパール/HungeKhola域氷河湖 2015/6/23 センチネルアジア27 水害・土砂 ブータン/Mo chu川上流氷河湖 2015/7/2 センチネルアジア28 水害・土砂 ミャンマー/kachin州Sagaing地区 2015/7/23 センチネルアジア29 水害・土砂 ミャンマー/kachin州Sagaing地区 2015/7/24 センチネルアジア 3130 水害・土砂 ミャンマー/kachin州Sagaing地区 2015/7/29 センチネルアジア31 水害・土砂 パキスタン/インダス川 2015/7/31 センチネルアジア32 水害・土砂 ベトナム/クアンニン州 2015/7/31 センチネルアジア、国際災害チャータ

No 発生事象 発生国/発生場所 観測日 提供先 掲載頁

54 地震 日本/長野県 2014/11/24 国土地理院、地震WG 20,2255 地震 日本/長野県 2014/11/25 国土地理院、地震WG 2156 地震 日本/長野県 2014/11/27 国土地理院、地震WG57 地震 日本/長野県 2014/11/28 国土地理院、地震WG 2158 地震 日本/徳島県 2015/2/7 国土地理院、地震WG59 地震 日本/徳島県 2015/2/10 国土地理院、地震WG60 水害・土砂 日本/鹿児島県、桜島周辺 2014/7/10 内閣府、国土交通省、国土技術政策総合研究所、九州地方整備局61 水害・土砂 日本/熊本県、諫早湾周辺 2014/7/10 内閣府、国土交通省、国土技術政策総合研究所、九州地方整備局62 水害・土砂 日本/高知県、四万十市 2014/7/10 高知県、高知県立大学63 水害・土砂 日本/長野県、南木曽町 2014/7/11 内閣府、国土交通省、国土技術政策総合研究所64 水害・土砂 日本/高知県、高知市 2014/8/5 内閣府、高知県、高知県立大学65 水害・土砂 日本/高知県、高知市 2014/8/6 内閣府、高知県、高知県立大学66 水害・土砂 日本/山口県、岩国市 2014/8/7 広島工業大学、中国地方整備局67 水害・土砂 日本/山口県、岩国市 2014/8/9 広島工業大学、中国地方整備局68 水害・土砂 日本/三重県、津市 2014/8/10 内閣府、国土交通省、国土技術政策総合研究所、三重県69 水害・土砂 日本/鳥取県 2014/8/10 高知県、高知県立大学70 水害・土砂 日本/高知県、高知市 2014/8/10 高知県、高知県立大学71 水害・土砂 日本/和歌山県、紀伊山地 2014/8/11 内閣府72 水害・土砂 日本/岐阜県、高山市 2014/8/18 内閣府、岐阜県73 水害・土砂 日本/広島県、広島市 2014/8/20 広島工業大学74 水害・土砂 日本/広島県、広島市 2014/8/21 広島工業大学75 水害・土砂 日本/広島県、広島市 2014/8/22 広島工業大学 3476 水害・土砂 日本/広島県、広島市 2014/8/26 ─77 水害・土砂 日本/石川県~静岡県 2014/10/6 内閣府、気象庁78 水害・土砂 日本/鹿児島県、垂水市 2015/3/4 国土交通省79 水害・土砂 日本/鹿児島県、垂水市 2015/6/1 国土交通省80 水害・土砂 日本/奈良県、天川村 2015/8/9 国土交通省81 水害・土砂 日本/鹿児島県、垂水市 2015/8/10 国土交通省82 水害・土砂 日本/栃木県・茨城県 2015/9/10 国土交通省 28,29

海 外 編

36 37

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宇宙からの災害監視-陸域観測技術衛星2号「だいち2号」災害事例集 2014~2015-

発行年月 2015 年 11 月発 行 元 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 編  者 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)      衛星利用運用センター(SAOC)      地球観測研究センター(EORC)

編集協力 三菱スペース・ソフトウエア株式会社     三菱電機株式会社

製本印刷 株式会社アイワード ALOS-2 利用に関するお問い合わせ国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門衛星利用運用センター〒 101-8008 東京都千代田区神田駿河台 4-6 御茶ノ水ソラシティMail:[email protected] 本書に使用されている ALOS-2 画像は、宇宙航空研究開発機構が著作権を有しています。ただし、画像提供または © の但し書きがある場合は、その限りにありません。