34
分散型生活排水処理の技術及び 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 経済性に関する考察 ( ( 独)国立環境研究所 独)国立環境研究所 アジア自然共生研究グループ アジア自然共生研究グループ 水落 水落 元之 元之

分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

分散型生活排水処理の技術及び分散型生活排水処理の技術及び経済性に関する考察経済性に関する考察

((独)国立環境研究所独)国立環境研究所

アジア自然共生研究グループアジア自然共生研究グループ

水落水落 元之元之

Page 2: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

自己紹介自己紹介

専門分野及び関連する活動専門分野及び関連する活動

生活排水処理生活排水処理→→高度処理・高度処理・GHGGHG削減削減

JICAJICAでの技術協力・集団研修での技術協力・集団研修

19931993年から年からJICAJICAを通して韓国に対して行っを通して韓国に対して行っ

た「水環境修復技術」に関する技術協力に対た「水環境修復技術」に関する技術協力に対してして20002000年に韓国環境大臣表彰を受ける。年に韓国環境大臣表彰を受ける。

座右の銘:座右の銘: 「雪中送炭」「雪中送炭」

水落一族のスタートは朝鮮半島からの渡来人かもしれない。なぜなら、水落と水落一族のスタートは朝鮮半島からの渡来人かもしれない。なぜなら、水落とは大昔の水時計の呼び名で、奈良で遺構が発掘された(水落遺跡)。私はこは大昔の水時計の呼び名で、奈良で遺構が発掘された(水落遺跡)。私はこれが事実であり、技術協力は天命と信じている。れが事実であり、技術協力は天命と信じている。

Page 3: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

小規模・分散型生活排水処理技術の重要性小規模・分散型生活排水処理技術の重要性

生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小都市域から農村部に必要な小規模分散型処理システムへ移行している。都市域から農村部に必要な小規模分散型処理システムへ移行している。

開発途上国では地域の社会・経済的状況を考慮した適応可能な、「適地技開発途上国では地域の社会・経済的状況を考慮した適応可能な、「適地技術」が求められているが、日本で術」が求められているが、日本で現在用いられている現在用いられている一般的な技術システ一般的な技術システムをそのまま移転することは難しい。ムをそのまま移転することは難しい。

建設・維持管理コストの安いシステムが求められる建設・維持管理コストの安いシステムが求められる

日本の対策現況、技術動向および中国等に対するこれまでの技術移転日本の対策現況、技術動向および中国等に対するこれまでの技術移転事例から技術の適応性と今後のあるべき姿を概観する事例から技術の適応性と今後のあるべき姿を概観する

Page 4: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

作物生産・消費を取り込だNフロー図(桃源県を例とし、tN/年)

1,975

2,707

3,654

(3,446)

(2,230)

農副

生産物

人間

食生活

農地

+ 280

脱窒

NH3 発揮

県外

家畜排泄物

人間

排泄物燃焼

河川

溶脱 10,516

放牧地

大気降下

生物固定

化学肥料

2,7873,459

35,815

13,236

9,356

1,865

(196)(2,981)

(2,023)15

,762 53

4

4,424

(707)(1,122) 水産

循環

有機物

家畜作物

947

(2,416)

5,995

35,815

土壌還元率41%

1人当たり17gN/日

作物 50%畜産 38%水産 12%

河川排出率58%

劉ら劉ら(2007)(2007)農業システム農業システム

Page 5: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

生活排水生活排水の区分の区分

風呂風呂

台所台所

洗面所洗面所

洗濯機洗濯機

トイレトイレ

生活雑排水生活雑排水

し尿し尿

生活排水生活排水

Page 6: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

雑排水生活排水し尿汚泥雑排水 し尿処理水

処理システム

下水道システム

汚泥処理システム

し尿処理場焼却処理

再利用

くみ取り式トイレ

公共用水域 埋立地

農業集落排水処理施設

浄化槽

日本における生活排水の処理フロー(体系)日本における生活排水の処理フロー(体系)

Page 7: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

農村集落排水処理

事業,352, 3%

合併処理浄化槽,1128, 9%

くみ取り,1474,12%

単独処理浄化槽,953, 7%

下水道,8802,69%

日本における生活汚水処理状況(2005年 単位:万人)

20052005年末で日本の総人口年末で日本の総人口12,70912,709万人のうち、万人のうち、2,4272,427万人万人((19%19%)分の生活雑排水が未処理放流されている)分の生活雑排水が未処理放流されている

Page 8: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

小規模分散型生活排水小規模分散型生活排水処理技術体系処理技術体系

■■原則好気処理原則好気処理

●●浮遊生物法浮遊生物法 オキシデーションディッチオキシデーションディッチ

●●生物膜法生物膜法 接触曝気(浄化槽)接触曝気(浄化槽)回転円板回転円板

●●自然型処理自然型処理 土壌土壌処理・人工湿地処理・人工湿地

■■原則嫌気処理原則嫌気処理

●●腐敗槽腐敗槽 セプティックタンクセプティックタンク

■■くみ取り方式くみ取り方式

●●貯留のみ(地下浸透型)貯留のみ(地下浸透型) ピットピット

●●回収・再利用回収・再利用 し尿分離トイレし尿分離トイレコンポストトイレコンポストトイレバイオガストイレバイオガストイレ

Page 9: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

小規模分散型生活排水処理技術の一例小規模分散型生活排水処理技術の一例

オキシデーションディッチオキシデーションディッチ 合併処理浄化槽合併処理浄化槽

Page 10: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

日本における日本における浄化槽浄化槽の位置づけと問題点の位置づけと問題点

5人槽 30人槽

浄化槽とは生活排水を処理する小規模(戸別浄化槽とは生活排水を処理する小規模(戸別//集合住宅)な処理装置(システム)で集合住宅)な処理装置(システム)であり、一般的には自前の汚泥処理機能を有していない。従って、サイズに応じて定あり、一般的には自前の汚泥処理機能を有していない。従って、サイズに応じて定期的な汚泥引き抜きが必要であり、引き抜かれた汚泥は従来の屎尿処理場で処理期的な汚泥引き抜きが必要であり、引き抜かれた汚泥は従来の屎尿処理場で処理される。小規模分散型のため管路敷設の必要はないが、処理のエネルギー効率はされる。小規模分散型のため管路敷設の必要はないが、処理のエネルギー効率は集約型処理(都市下水など)に比べて劣るのが一般的である。日本では専門業者集約型処理(都市下水など)に比べて劣るのが一般的である。日本では専門業者による定期的な維持管理が義務づけられているが、維持管理は個人の責任に委による定期的な維持管理が義務づけられているが、維持管理は個人の責任に委ねられているため、専門業者との契約率は低く、大きな問題となっている。ねられているため、専門業者との契約率は低く、大きな問題となっている。

Page 11: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

日本の技術トレンド:土壌被覆日本の技術トレンド:土壌被覆れきれき間接触処理間接触処理

背景:景気の低迷により、建設費および維持管理費の安い手法が求められている背景:景気の低迷により、建設費および維持管理費の安い手法が求められている

特徴特徴

処理システムが単純で柔軟な設処理システムが単純で柔軟な設計が可能で、建設コストが安く、計が可能で、建設コストが安く、維持管理も単純である維持管理も単純である

土壌で被覆されるため、臭気の土壌で被覆されるため、臭気の発生が少ない発生が少ない

汚泥発生量が少ない(浮遊汚泥汚泥発生量が少ない(浮遊汚泥法の法の60%60%程度)程度)

2525年ほど前に開発された技術で年ほど前に開発された技術で

あるが再注目されているあるが再注目されている

地方中小都市で中小規模下水道への適応が進んでいる地方中小都市で中小規模下水道への適応が進んでいる

Page 12: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

土壌被覆型土壌被覆型れきれき間接触酸化法間接触酸化法の断面図の断面図

Page 13: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

工事事例:小規模(工事事例:小規模(5050人槽相当)人槽相当)

Page 14: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

中規模程度スケールへの適応中規模程度スケールへの適応

工事終了後の試運工事終了後の試運転調整の様子転調整の様子

Page 15: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

・浄化槽・浄化槽

工場生産型浄化槽工場生産型浄化槽::JICAJICA太湖水質改善技術協力太湖水質改善技術協力PP((20012001~~20052005))

:環境省貴州省水環境協力事業(:環境省貴州省水環境協力事業(20002000))

・土壌処理施設・土壌処理施設

高度処理型土壌トレンチ高度処理型土壌トレンチ:環境省貴州省水環境協力事業(:環境省貴州省水環境協力事業(20002000))

多段土層法多段土層法::JICAJICA草の根資金協力(緑の地球ネットワーク草の根資金協力(緑の地球ネットワーク 20032003))

日本からの技術移転事例(中国を中心として)日本からの技術移転事例(中国を中心として)

Page 16: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

JICAJICA太湖水質改善技術協力太湖水質改善技術協力PP工場生産型浄化槽工場生産型浄化槽

環境省貴州省水環境協力事業環境省貴州省水環境協力事業

Page 17: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

中国における工場生産型浄化槽技術移転の問題点中国における工場生産型浄化槽技術移転の問題点

中国における浄化槽状況の把握が不十分中国における浄化槽状況の把握が不十分

デモンストレーション効果が発揮されるか否かのデモンストレーション効果が発揮されるか否かの社会状況把握の不足社会状況把握の不足

日本の浄化槽の適応可能性が検討されていない日本の浄化槽の適応可能性が検討されていない

構造が固定的であり、現地に合わせた適用が難構造が固定的であり、現地に合わせた適用が難しいしい

維持管理の実行可能性の検討が不十分維持管理の実行可能性の検討が不十分

今後の普及に関する検討不足今後の普及に関する検討不足

技術移転の波及効果に疑問が残る結果技術移転の波及効果に疑問が残る結果

中国の浄化槽

Page 18: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

現場施工型浄化槽の現場施工型浄化槽の技術移転技術移転

国際国際厚生事業団(厚生事業団(JICWELSJICWELS))

19951995~~19961996インドネシアインドネシア

従来、従来、日本日本ででは現場施工型は現場施工型の浄化槽が主であったが、の浄化槽が主であったが、人件費の高騰および浄化槽人件費の高騰および浄化槽性能の担保のために、性能の担保のために、現在現在ではでは工場生産型の工場生産型のFRPFRP製浄製浄

化槽が主化槽が主であるである。しかし、多。しかし、多くの開発途上国では人件費くの開発途上国では人件費がそれほど高騰していないがそれほど高騰していないため、浄化槽設置に占めるため、浄化槽設置に占める人件費比率が高い手法が、人件費比率が高い手法が、建設コスト低減に有利となる。建設コスト低減に有利となる。

Page 19: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

第1段目第2段目

40%流入水

60%

処理水土壌トレンチ

腐敗槽

土壌トレンチ

腐敗槽

土壌処理施設:高度処理型土壌トレンチ土壌処理施設:高度処理型土壌トレンチ

環境省貴州省水環境協力事業環境省貴州省水環境協力事業

Plastic sheet

Soil for treatment

Plastic sheet

GravelEffluent collection pipe

Base soil

Sand

MatTrench pipeGravel

Air supply pipe

Plastic sheet

Soil for treatment

Plastic sheet

GravelEffluent collection pipe

Base soil

Sand

MatTrench pipeGravel

Air supply pipe

Plastic sheet

Soil for treatment

Plastic sheet

GravelEffluent collection pipe

Base soil

Sand

MatTrench pipeGravel

Air supply pipe特徴:特徴:

動力が基本的には不要動力が基本的には不要

工事が非常に単純工事が非常に単純

建設・維持管理コストは安価建設・維持管理コストは安価

目詰まりのリスクを伴う目詰まりのリスクを伴う

Page 20: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

貴陽市に設置した高度処理型土壌トレンチ装置貴陽市に設置した高度処理型土壌トレンチ装置

処理能力:処理能力:30m30m33//日日

Page 21: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

Over flow

土壌処理施設:多段土層法土壌処理施設:多段土層法

JICAJICA草の根支援事業(緑と地球のネットワーク)草の根支援事業(緑と地球のネットワーク)

10.0

10.0 2.0 1.0 6.4 1.0 5.0

沈殿池ろ過槽

流量調整槽 ポンプ槽

貯留槽高度処理槽

オーバーフロー導水路 既設水路

28.2(内寸25.4) 単位: m

処理能力 : 250m3/day

P

P P

流入水

沈殿分離槽

濾過槽

散気管

流調槽

多段土壌槽

処理水槽

P

P P

流入水

沈殿分離槽

濾過槽

散気管

流調槽

多段土壌槽

処理水槽

処理原理は土壌処理原理は土壌トレンチ法と同様トレンチ法と同様だが、土壌層と透だが、土壌層と透水性の高い軽石水性の高い軽石層を交互に積み層を交互に積み上げることにより,上げることにより,閉塞による目詰閉塞による目詰まりの低減を達まりの低減を達成する技術成する技術

Page 22: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

大同市に設置された多段土層法による処理装置大同市に設置された多段土層法による処理装置

Influent Effluent流入水流入水 処理水処理水1818110110CODcrCODcr

処理水処理水流入水流入水

Page 23: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

日本では公園等の循環型トイレとして用いられている技術日本では公園等の循環型トイレとして用いられている技術

多段土層の内部状況多段土層の内部状況

Page 24: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

課題と今後のあり方課題と今後のあり方(1)(1)

排水処理技術は社会状況によって変化するものであり、基排水処理技術は社会状況によって変化するものであり、基

本的要素を別とすれば、用いられる社会に最も適した形態本的要素を別とすれば、用いられる社会に最も適した形態

を取る。したがって、これらの技術を異なる社会へ移転するを取る。したがって、これらの技術を異なる社会へ移転する

場合は、適応可能性を多方面から検討する必要がある。場合は、適応可能性を多方面から検討する必要がある。

今後の技術移転を考える上では、現在の技術ばかりでなく、今後の技術移転を考える上では、現在の技術ばかりでなく、

これまでに開発・採用されてきた技術これまでに開発・採用されてきた技術を掘り起こし、技術的を掘り起こし、技術的

あるいは経済的側面について評価を行うことも必要である。あるいは経済的側面について評価を行うことも必要である。

Page 25: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

図面名称

担当 製図 承認 製 作 訂 正株式会社環境開発茨城県つくば市北中妻215- 1

URL ht tp://ho mepage3 .nifty .com/kankyoukaihatu/E-ma il UG [email protected]

2階タンク

散水ピット槽

土壌式循環接触曝気槽

排泥ポンプ槽

分水ピット槽

250 4,000 250 1,200 250

5,950

250

1,000

250

800

250

5,500

250

800

250

9,350

原水ポンプ槽

ON

OFF

警報 警報

OFF

ON

15050250

2,000

150

300

2,900

250 1,200 250250 4,000

5,950

工事名称

平面図・断面図

断面図

平面図

縮 尺

1:30酒寄

酒寄

放流ポンプ槽

スクリーン

スクリーン

原水ポンプ槽

GL

流入 土壌式トレンチへ放流

土壌式トレンチへ放流

放流ポンプ槽

曝気エジェクター

散水濾床槽

散水管

取手市立さくら荘浄化槽

分配桝

インホフタンク(腐敗槽)

散水濾床

土壌被覆型礫間接触曝気槽

腐敗槽 散水濾床土壌被覆型礫間接触曝気

土壌トレンチ

2525年前に設置された施設(茨城県取手市):十分な処理水質を得ている年前に設置された施設(茨城県取手市):十分な処理水質を得ている

流入水流入水

散水濾床散水濾床

処理水処理水

Page 26: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

技術は固定されたものではなく、常に必要とされる現場に技術は固定されたものではなく、常に必要とされる現場において状況に応じて変化していくため、中国での技術開発おいて状況に応じて変化していくため、中国での技術開発事例などを併せて検討していくことにより、現場により適し事例などを併せて検討していくことにより、現場により適した技術を選択し、必要に応じて新たに開発していくことが可た技術を選択し、必要に応じて新たに開発していくことが可能となる。能となる。

「適地技術」は導入される地域の現状において選択される「適地技術」は導入される地域の現状において選択されるが、その後の変化に対応可能な計画が考慮されなくてはなが、その後の変化に対応可能な計画が考慮されなくてはならない。我が国や東アジア地域のし尿を巡る歴史は都市とらない。我が国や東アジア地域のし尿を巡る歴史は都市と農村の間に良好な循環関係が成立していたが、それらが農村の間に良好な循環関係が成立していたが、それらが崩壊し、水質汚濁をもたらすという極めて類似した流れを経崩壊し、水質汚濁をもたらすという極めて類似した流れを経ている。ている。

課題と今後のあり方課題と今後のあり方(2)(2)

Page 27: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

日中協力事業として考えられる処理システム:必要条件日中協力事業として考えられる処理システム:必要条件

●●建設コストが安い建設コストが安い

・工事に係る人件費比率が高い・工事に係る人件費比率が高い

・材料が安価で現地調達可能・材料が安価で現地調達可能

・機械部品が少ない・機械部品が少ない

●●維持管理コストが安い維持管理コストが安い

・電力消費の削減・電力消費の削減

・薬品費用の削減・薬品費用の削減

●●維持管理に熟練を要しない維持管理に熟練を要しない

・システムフローが単純・システムフローが単純

・人手をかけて良い制御システム・人手をかけて良い制御システム

●●地域の物質循環および水循環に寄与する地域の物質循環および水循環に寄与する

・緑農地(肥料)利用・緑農地(肥料)利用//処理水再利用処理水再利用

Page 28: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

日中協力事業として考えられる処理システム:基本フロー日中協力事業として考えられる処理システム:基本フロー

沈殿分離沈殿分離 散水散水ろろ床法床法

(礫間)接触曝気法(礫間)接触曝気法

多段土壌法多段土壌法

土壌トレンチ法土壌トレンチ法

人工湿地人工湿地

一次処理一次処理 簡易な二次処理簡易な二次処理 自然利用型三次処理自然利用型三次処理

再利用再利用

汚泥処理(有効利用)汚泥処理(有効利用)

肥料化肥料化

(乾燥方法)(乾燥方法)

Page 29: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

汚泥処理の検討は非常に重要である汚泥処理の検討は非常に重要である

濃縮濃縮 脱水脱水 廃棄物として処分廃棄物として処分

日本での一般的な小規模処理施設からの汚泥処理日本での一般的な小規模処理施設からの汚泥処理再利用は前提再利用は前提としていないとしていない

一部で肥料化に向けた技術開発が行われている一部で肥料化に向けた技術開発が行われている

移動乾燥車 石灰混練り造粒装置

Page 30: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

石灰混練り造粒装置の設置例(栃木県真岡市)石灰混練り造粒装置の設置例(栃木県真岡市)

土壌改良材(有機肥料)を含む石灰肥料といったイメージであり、窒素/リン肥料として期待されているわけではない

Page 31: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

日中技術協力への冷めやらぬ夢日中技術協力への冷めやらぬ夢

日中の技術協力関係は提供者と受入者の関係で良いのか日中の技術協力関係は提供者と受入者の関係で良いのか

これまで中国との研究協力は我が国から中国への一方通行の感がこれまで中国との研究協力は我が国から中国への一方通行の感が強く、多分に我が国の研究者の思いこみによる一方的な協力も少な強く、多分に我が国の研究者の思いこみによる一方的な協力も少なからず存在した。からず存在した。

しかし、近年の経済発展に相まって環境への問題意識が高まり、環境しかし、近年の経済発展に相まって環境への問題意識が高まり、環境研究に多くの投資が成されるようになり、活発な研究が行われている。研究に多くの投資が成されるようになり、活発な研究が行われている。

我が国と中国は我が国と中国は19721972年の日中国交正常化以降、特に年の日中国交正常化以降、特に8080年代から年代から技技

術術交流が非常に活発となり、交流が非常に活発となり、技術技術者ネットワークは成熟しつつあるよ者ネットワークは成熟しつつあるように感じられる。うに感じられる。

したがって、今後は互いの知識あるいは技術を共有できるような協力したがって、今後は互いの知識あるいは技術を共有できるような協力関係の構築が急がれるべきと考えられる。関係の構築が急がれるべきと考えられる。

Page 32: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

小規模生活排水処理分野における日中協力の姿小規模生活排水処理分野における日中協力の姿

-私、水落の独断と偏見と夢と主張--私、水落の独断と偏見と夢と主張-

世界人民大团结万岁世界人民大团结万岁

中学生の時に北京放送局のラジオ放送を毎日のように聞き、労働歌に憧れ、高校生の時はベトナム人民連帯運動、韓国やチリの民主化運動に共鳴し、スペインの軍事独裁政権を心の底から呪うも、結局、行動の伴う事の無かった私の夢に見る「世界人民大団結万歳」とは・・・・・。

Page 33: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

生活排水処理・水環境改善分野における生活排水処理・水環境改善分野における

「日中協力技術支援」の実現へ「日中協力技術支援」の実現へ

中国の技術中国の技術

必要性が高い中でコストなど制約条件の厳しい条件で生み出される技術

日本の技術日本の技術

問題を解決しながら段階的に整理・発達してきた技術と過去の蓄積

世界への発信世界への発信

技術を取り巻技術を取り巻く制度を含めく制度を含めた技術交流た技術交流

国際協力機構(JICA)の第三国研修スキームを用いた集団研修実施

最初の一歩最初の一歩

日中協力から日中協働へ日中協力から日中協働へ

次の一歩次の一歩

協働による「もの」・「人」などの支援協力

実効性の高い実効性の高い「適地技術」の「適地技術」の構築と効果的構築と効果的な技術移転な技術移転

世界人民大团结万岁世界人民大团结万岁

JICAJICAの経の経

験の活用験の活用

Page 34: 分散型生活排水処理の技術及び 経済性に関する考察 · 小規模・分散型生活排水処理技術の重要性 ¾生活排水処理の課題が大都市における大規模な集中型システムから中小

Thank you for your attentionThank you for your attention

ご静聴ありがとうございましたご静聴ありがとうございました

謝謝 謝謝