51
慶應義塾大学病院中央臨床検査部 石橋みどり 慶應義塾大学病院中央臨床検査部 石橋みどり 平成24年度JLCCLS学術集会 平成24年度JLCCLS学術集会 2012.9.1 2012.9.1

慶應義塾大学病院中央臨床検査部 石橋みどりHPLC法(イオン交換カラム法) 免疫法 酵素法 荷電差による測定 HbA1cの特定のエピトープに対する抗原・抗体反応による測定

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Page 1: 慶應義塾大学病院中央臨床検査部 石橋みどりHPLC法(イオン交換カラム法) 免疫法 酵素法 荷電差による測定 HbA1cの特定のエピトープに対する抗原・抗体反応による測定

慶應義塾大学病院中央臨床検査部

石橋みどり

慶應義塾大学病院中央臨床検査部

石橋みどり

平成24年度JLCCLS学術集会平成24年度JLCCLS学術集会2012.9.12012.9.1

Page 2: 慶應義塾大学病院中央臨床検査部 石橋みどりHPLC法(イオン交換カラム法) 免疫法 酵素法 荷電差による測定 HbA1cの特定のエピトープに対する抗原・抗体反応による測定

◆ HbA1c測定の標準化の経緯

国内外における標準化の現状と経緯

新しい診断基準とHbA1cの国際標準化

国際標準化の終着点

課題

◆ HbA1c測定の動向と今後の課題

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HPLC法(イオン交換カラム法)

免疫法

酵素法

荷電差による測定

HbA1cの特定のエピトープに対する抗原・抗体反応による測定

Β鎖N端の糖化ペプチドをプロテアーゼで切り出す測定

アフィニティ法

ホウ酸は糖のcis-diol基と可逆的共有結合体を作るHbA1cは1-deoxyfructosyl化合物で、cis-diol基を有する

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桑克彦.内分泌・糖尿病・代謝内科 2011,32(1)

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測定方法間比較測定方法間比較

S1 S2 S3 S4

◆ Mean

-SD

+SD

目標値

4.05.06.07.08.09.0

10.011.012.0

2434455566768697

107

JDS(%) IFCC(mmol/mol)

目標値◆ Mean

-SD

+SD

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Sample 1HPLC法

酵素法酵素法

免疫法

Mean:5.96%(JDS)

方法間CV:1.76%

方法内CV:1.55%

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1993年

1994年

1995年

1997年1998年

2001年

2003年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年

HbA1c標準化WG設置

IFCC法 ( Kobold et al )リファレンスシステムによる換算式検討

グリコヘモグロビンの標準化に関する委員会

(JDS)

基準範囲;4.3~5.8%(安定型HbA1c)糖尿病関連指標専門(DMI)委員会(JSCC)

HbA1c標準化作業部会(JSCC関東支部)

DMI委員会;星野委員長(JSCC)糖尿病関連検査の標準化に関する委員会(JDS)

基準測定施設網設定

国内 海外

標準品 JDS Lot 1

KO500法

標準品JDS Lot 2

標準品JDS Lot 3=CRM-004a

標準品 JDS Lot 4=JCCRM411

ADA 診断基準にHbA1cを導入NGSP値導入

新たな糖尿病診断基準導入

コンセンサスステートメント発表

Marrakech (2001), Chicago (2002), Kyoto (2003),Barcelona( 2004),Los Angels (2005), Orlando (2006),Amsterdam (2007), Melbourne (2008)Tokyo(2009) ・・・

WGRL会議

DCCT研究成績発表 (N Engl J Med 1993)

コンセンサスステートメントに対する見解(JSCC)

日本糖尿病学会の決定事項(JDS)

HbA1c適正運用機構

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DCCT (Diabetes Control and Complication Trial)DCCT (Diabetes Control and Complication Trial)

HbA1c値の重要性HbA1c値の重要性

患者が持参した紹介状のHbA1c値と自施設データが一致しない

患者が持参した紹介状のHbA1c値と自施設データが一致しない

施設間差の実態調査施設間差の実態調査=

グリコヘモグロビンの標準化に関する委員会

島健二:Practice, 29(4),1012

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低濃度

高濃度

健常者

糖尿病患者

5.0 6.2 4.3 6.310.0 11.6 8.6 4.25.4 6.8 3.7 10.4

10.9 13.4 7.7 10.5

107

凍乾血液

新鮮血

検体種Mean

施設数CVMax. Min.

( % )

島健二:糖尿病、37,1994

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測定対象物の定義

標準物質

基準測定法

ラボラトリーネットワーク、維持管理

標準化体系

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名称

形状

値付け

認証

1994~2001年

JDS Lot 1

凍結乾燥品

HPLC法2法の平均値

JDS

2001~2006年

JDS Lot 2

液状深凍結

JDSLot1校正KO500法

JDSJCCLS

2006~ 2008年

CRM-004a(Lot 3)

液状深凍結

JDSLot2校正KO500法

JDSJCCLS

2008年~

JCCRM 411(Lot 4)

液状深凍結

JDSLot3校正KO500法IFCC法

ReCCS

NGSP値2010.8.31

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(2008年 ReCCSデータ)

Lot 4Lot 3

Immuno Assay

4

6

8

10

12

4 6 8 10 12JDS Certified (%)

JDS

Mea

sure

d(%

)JD

S M

easu

red

(%)

Enzymatic Assay B

4

6

8

10

12

4 6 8 10 12JDS Certified (%)

JDS

Mea

sure

d (%

)Enzymatic Assay A

4

6

8

10

12

4 6 8 10 12JDS Certified (%)

JDS

Mea

sure

d (%

)HPLC Assay

4

6

8

10

12

4 6 8 10 12JDS Certified (%)

JDS

Mea

sure

d (%

)

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測定対象:β鎖N端のみにグルコースが結合β-N-mono deoxyfructosyl hemogkobin

陽イオン交換樹脂カラムを用いたHPLC法

血液中のヘモグロビンを細分化し、St-HbA1cを単離測定する方法

St-HbA1cと他のヘモグロビン成分は、充填剤との親和性の差により分離

全Hbピーク面積に対するSt-HbA1cピーク面積の割合(%)として表す

安定型HbA1cSystem construction HPLC condition

Instrument : HPLC system NANOSPACE (Shiseido ,Japan) Column : TSK- gel GlycoHSi , 4.6 x 100mm (Tosoh) Flow rate : 0.4 mL/minColumn temperature : 25℃Detection : 415nmInjection volume : 4 µL

EluentA : 20mmol/L MES, 20mmol/L HEPES,0.01% NaN3,(pH5.20) EluentB : 20mmol/L MES, 20mmol/L HEPES,

400mmol/L NaCl , 0.01% NaN3 (pH7.00)Gradient program :

Time (min) 0 10 16 17 35 36 38 39 50B (%) 18 19 23 24 27 80 80 18 stop run

[mV]

[分]

0.000

20.000

40.000

60.000

0.00 10.00 20.00

1/2.770

2/3.427

3/4.348

4/6.237 5/7.573

6/8.502

7/10.180

8/11.855

9/12.752

10/13.723 11/14.585

12/15.013

13/16.217

14/17.488

15/19.697

16/20.928

17/21.223

18/22.453

ピークNo.保持時間HbA0

Gulthatione AductsUnstable HbA1c

Stable HbA1cβ1-mono-Fructosyl hemoglobin

HbF

KO500法 クロマトグラム

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HbA1c測定用の常用参照標準物質のIFCC値の監視

実用標準物質の値付け

JDS値の維持や不確かさの確認

サーベイランス試料の目標値の設定

実試料系に対してIFCC値やJDS値を決定

実試料系に対してNGSP値を決定

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(日本臨床化学会糖尿病関連指標専門委員会報告:臨床化学,Vol.38, No.2, 2009)

IFCC/HbA1c WG JFCC/HbA1cネットワークラボラトリー

日本臨床化学会糖尿病関連指標専門委員会

(JSCC/DMI)

標準化の方針

標準物質の規格

基準測定施設の基準

一次基準測定施設(PRL)

実用基準測定施設(WRL)

Ⅰ種(WRL-Ⅰ)

Ⅱ種(WRL-Ⅱ)

JSCC/DMI; Japan Society of Clinical Chemistry / Diabetes

Mellitus Indices

PRL; Primary Reference Laboratory

WRL; Working Reference Laboratory

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1993年

1994年

1995年

1997年1998年

2001年

2003年2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年

HbA1c標準化WG設置

リファレンスシステムによる換算式検討

グリコヘモグロビンの標準化に関する委員会

(JDS)

基準範囲;4.3~5.8%(安定型HbA1c)糖尿病関連指標専門(DMI)委員会(JSCC)

HbA1c標準化作業部会(JSCC関東支部)

DMI委員会 (JSCC)糖尿病関連検査の標準化に関する委員会(JDS)

基準測定施設網設定

国内 海外

標準品 JDS Lot 1

KO500法

標準品JDS Lot 2

標準品JDS Lot 3=CRM-004a

標準品 JDS Lot 4=JCCRM411

ADA 診断基準にHbA1cを導入NGSP値導入

新たな糖尿病診断基準導入

コンセンサスステートメント発表

Marrakech (2001), Chicago (2002), Kyoto (2003),Barcelona( 2004),Los Angels (2005), Orlando (2006),Amsterdam (2007),Melbourne (2008)Tokyo(2009) ・・・

コンセンサスステートメントに対する見解(JSCC)

日本糖尿病学会の決定事項(JDS)

HbA1c適正運用機構

DCCT研究成績発表 (N Engl J Med 1993)

IFCC法 ( Kobold et al )

WGRL会議

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測定体系と報告値は国際的に標準化されるべきである。★

HbA1cの測定はIFCC法を基準測定法とする測定体系によって標準化する。★

HbA1c測定値の報告は国際的にはIFCC値(単位:mmol/mol)およびIFCC-NGSP換算式により得られるNGSP値(単位:% ) を併記する。

HbA1cと平均血糖値(ADAG)の相関に関する研究結果によりHbA1c測定値解釈のためにHbA1c換算平均血糖値も報告する。

臨床ガイドラインに盛り込まれる治療目標としてのHbA1cはIFCC値(mmol/mol)、換算NGSP値(%)、将来的にはADAGとして表されるべきである。

Diabetes Care 30,2007

Diabetologia 50,2007

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糖尿病関連検査の標準化に関する委員会(柏木委員長)

HbA1cはヘモグロビンβ鎖N末端のValineの糖化された量として定義し、標準化を進める。

方法の標準化はIFCC法を基準とする。但し、HbA1c測定の際には、JCCLから出された実試料標準物質JCCLS CRM004aにトレースできる標準物質を用いて測定し、JDS値(%)を求める。

JDS値とIFCC測定値の比較を行い、そのIFCC-JDS関係式からIFCC値(mmol/mol)を求める。

当面、臨床上の問題を回避する目的で、日常診療ではこれまで用いた

JDS値(%)を用いて血糖管理をする。

臨床報告、学会発表、論文発表にはJDS値とIFCC値を併記する。★

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糖尿病関連指標専門委員会(武井委員長)

HbA1c測定の標準化はIFCC法をアンカーとする体系とする。★

HbA1cの測定値の報告値はIFCC値(mmol/mol)およびJDS値(%) を併記することとする。

HbA1c測定値を国際的学術論文や国際学会などで報告する場合はIFCC値(mmol/mol)およびIFCC-NGSP換算式により得られるNGSP値(% ) を併記する。

平均血糖値(ADAG)の相関に関しては今後の報告を待つ。★

糖尿病診療ガイドライン等に盛り込まれるHbA1cの基準範囲、治療目標値等の表記に関しては関連学術団体と協議する。

(日本臨床化学会糖尿病関連指標専門委員会報告:臨床化学,Vol.36, No.4, 2007)

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柏木厚典他:糖尿病,52(9),811-816,2009

IFCC値(mmol/mol)

=10.19 x NGSP値(%) - 19.9

IFCC値欧州

JDS値日本

NGSP値米国

IFCC値(mmol/mol)

=10.39 x JDS値(%)- 16.8

JDS値(%)= 0.0963 x IFCC値(mmol/mol)+ 1.62

NGSP(%)=0.0981x IFCC値( mmol/mol )+1.95

NGSP値(%)=1.019 x JDS値(%)+ 0.30JDS値(%)=0.981x NGSP値(%) - 0.294

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1993年

1994年

1995年

1997年1998年

2001年

2003年2006年2007年2008年2009年2010年

HbA1c標準化WG設置

IFCC法 ( Kobold et al )リファレンスシステムによる換算式検討

グリコヘモグロビンの標準化に関する委員会

(JDS)

基準範囲;4.3~5.8%(安定型HbA1c)糖尿病関連指標専門(DMI)委員会(JSCC)

HbA1c標準化作業部会(JSCC関東支部)

DMI委員会 (JSCC)糖尿病関連検査の標準化に関する委員会

基準測定施設網設定

国内 海外

標準品 JDS Lot 1

KO500法

標準品JDS Lot 2

標準品JDS Lot 3=CRM-004a

標準品 JDS Lot 4=JCCRM411コンセンサスステートメント発表

ADA 診断基準にHbA1c導入を発表

(ADA, EASD, IDF) NGSP値

Marrakech (2001), Chicago (2002), Kyoto (2003),Barcelona( 2004),Los Angels (2005), Orlando (2006),Amsterdam (2007),Melbourne (2008)Tokyo(2009) ・・・

コンセンサスステートメントに対する見解(JSCC)

日本糖尿病学会の決定事項(JDS)

HbA1c適正運用機構

JDS 診断基準にHbA1c導入NGSP値の導入2012.4.1

WGRL会議

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1. 現行診断基準との連続性

2. エビデンスに基づいた科学的妥当性2. エビデンスに基づいた科学的妥当性

3. 海外の診断基準との整合性

4. 臨床現場での実行可能性合併症減少に向けて従前以上に糖尿病の早期診断と早期介入を可能にする

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①糖尿病症状(口渇,多飲,多尿,体重減少)②糖尿病網膜症

糖尿病糖尿病

何れも無し

何れか有り何れか有り

何れか有り

空腹≧126mg/dLOGTT2時間≧200mg/dL随時≧200 mg/dL

血糖値

Glu.HbA1c共に糖尿病型

or糖尿病型 =糖尿病型 =

初回検査Glu.のみ糖尿病型 HbA1cのみ糖尿病型

初回検査

糖尿病疑い糖尿病疑い

糖尿病糖尿病 再検査再検査

Glu.HbA1c共に糖尿病型

初回検査Glu.のみ糖尿病型 HbA1cのみ糖尿病型 いずれも非糖尿病型

3~4ヶ月以内に血糖値・HbA1c値を再検査3~4ヶ月以内に血糖値・HbA1c値を再検査

≧6.5%HbA1c(NGSP)

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2011年10月1日

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柏木厚典他:糖尿病,52(9),811-816,2009

NGSP値(%)=1.019 x JDS値(%)+ 0.30

IFCC値(mmol/mol)

=10.19 x NGSP値(%) - 19.9

IFCC値欧州

JDS値日本

NGSP値米国

IFCC値(mmol/mol)

=10.39 x JDS値(%)- 16.8

JDS値(%)= 0.0963 x IFCC値(mmol/mol)+ 1.62

NGSP(%)=0.0981x IFCC値( mmol/mol )+1.95

JDS(%) 6.5% vs. NGSP(%) 6.92%JDS(%) 7.0% vs. NGSP(%) 7.43%JDS(%) 8.0% vs. NGSP(%) 8.45%

NGSP値(%)=1.02×JDS値(%)+ 0.25

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JDS値 < 4.9%

JDS値 5.0~9.9%

JDS値 10.0~14.9%

NGSP値(%)=JDS値(%) + 0.3

NGSP値(%)= JDS値(%) + 0.4

NGSP値(%)=JDS値(%) + 0.5

NGSP値 < 5.2%

JDS値 5.3~10.2%

JDS値 10.3~15.2%

JDS値(%)=NGSP値(%) - 0.3

JDS値(%)= NGSP値(%) - 0.4

JDS値(%)=NGSP値(%) - 0.5

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当検査部2012年3月31日のデータ

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0

実測JDS値 (%)

換算

JDS値

(%)

#1 y=0.97+0.04#2 y=0.98+0.02

1 4.3 4.5 4.2 4.3 4.6 4.32 5.1 5.4 5.0 5.1 5.5 5.13 6.0 6.3 5.9 6.1 6.3 5.94 7.2 7.4 7.0 7.2 7.5 7.15 8.2 8.4 8.0 8.1 8.4 8.06 9.1 9.4 9.0 9.1 9.3 8.97 9.9 10.1 9.7 9.8 10.1 9.78 12.3 12.5 12.0 12.2 12.5 12.09 13.0 13.2 12.7 12.9 13.3 12.8

実測JDS 実測JDS換算JDS 換算JDSNGSP NGSP# 1 # 2

(%)

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◆ HbA1c測定の標準化の経緯

国際標準化の終着点

課題

◆ HbA1c測定の動向と今後の課題

国内外における標準化の現状と経緯

新しい診断基準とHbA1cの国際標準化

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日本: JDS値北欧: Mono S値米国、オーストラリア、アジア、その他: NGSP値

Mono-S値

NGSP値 NGSP値 NGSP値

NGSP値

IFCC値mmol / mol

NGSP値 JDS値

SI単位

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JDS

JSCC

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Clin Chem2004; 50:166-74

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California Study

16施設

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Country Name%

answermmol/mol

answerBoth %&

mmol/molOnly

mmol/mol

Germany HbA1c Yes 2009 2009 2010

Great Britain HbA1c Yes Yes 1.6.-31.12.2009 2010/1/1

The Nethetlands HbA1c Yes Yes 2009-2010 2011/1/1

Sweden HbA1c Yes Yes 1.9.-31.12.2010 2011/1/1

Serbia HbA1c Yes Yes From 1.9.2009 2011/9/1

Australia HbA1c Yes From July 2011 July 2013

Finland HbA1c Yes Yes From 3.3.2010 2013/1/1

Italy HbA1c, glyc Hb Yes 2011/1/1 From1.1.2011 2012/1/1

New Zealand HbA1c Yes From July 2011 July 2013

Poland Glyc hb Yes No 2011 ?

Japan HbA1c Yes ? ? ?

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United Kingdom

Ireland

The Netherlands

Italy

Germany

Australia

New Zealand

Korea

Sweden

Denmark

Finland

Belgium

Spain

Austria

Garry John .2012.4.6 JDS-Garru John Meeting

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・ DCCT(Diabetes Control and Complications Trial)で使用されたHbA1cのHPLC測定法を値を基準とした測定値。

・ 測定対象のHbA1cピークはβ鎖のN末端にGluが結合したものを大部分の成分として含む。

・ NGSP値(%)=安定型HbA1cのピーク面積/トータルピーク面積×100

・ NGSPではミズーリ大にあるHPLCの測定値を基準とし、その実検体を用いた相関試験によってトレースし、認証を行う方法で標準化が行われている。

・ DCCT(Diabetes Control and Complications Trial)で使用されたHbA1cのHPLC測定法を値を基準とした測定値。

・ 測定対象のHbA1cピークはβ鎖のN末端にGluが結合したものを大部分の成分として含む。

・ NGSP値(%)=安定型HbA1cのピーク面積/トータルピーク面積×100

・ NGSPではミズーリ大にあるHPLCの測定値を基準とし、その実検体を用いた相関試験によってトレースし、認証を行う方法で標準化が行われている。

National Glycohemoglobin Standardization Program

糖尿病関連検査の標準化に関する委員会報告 糖尿病、第45巻、5号、385-388、2002

=DCCT参加29施設のHbA1c値を合わせる

国際標準化

NGSPによる標準化=

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9.80

9.30

8.80

8.30

7.80

7.30

6.80

Mea

n% H

bA1c

Year

DCCT Study(1983~)

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PRL

PRLPRL

Steering Committee

NETCORE

SRLSRL

SRL

Network Monitoring

SRL

CPRL(US)

SRL

SRL

SRL

SRL

EUROPEUS

Asia SRL ReCCSGarry John .2012.4.6 JDS-Garru John Meeting

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材料材料校正校正

操作法操作法 実施実施値付け値付け

日常測定操作法

検査室検査室

製造業者製造業者

日常試料

測定結果

製造業者社内標準測定操作法

製造業者製品校正物質

一次基準測定施設(IFCC-Net)

一次基準測定施設(IFCC-Net)

DCCTトレーサブルKO500法*1

IFCC基準測定操作法DCCTトレーサブルKO500法*1

一次校正物質

IFCC単位(mmol/mol)

常用参照標準物質(JCCRM 411)

IFCC単位(mmol/mol)

実用標準物質NGSP値 (%)

ASRL/基準測定施設*2ASRL/基準測定施設*2

*1 NGSPのCPRLによるキャリブレータを用いた校正

*2換算式の決定・維持

ASRL/基準測定施設*2ASRL/基準測定施設*2

ASRL/基準測定施設*2ASRL/基準測定施設*2

NGSP値、IFCC値(NGSP値からの換算値)

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DCCT

UKPDS

1983年~(10年)

1978年~(15年)

1983~1986;BioRec 70系

1978~1984;等電点電気泳動法

1986~2002;Diamat(BioRec値にあわせて補正)2002~;TOSOH A1c2.2 PLus(=1.36×Diamat-0.236)

1984~1989;電気浸透法(EEC)

1989~1996;Diamat(=0.83×EEC-0.54)

HbA1c(UKPDS)=1.104×NGSP-0.7336

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異なる複数のNGSP値の存在

NGSP

IFCC-derived NGSP

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2.0

2.0

4.0

4.0

6.0

6.0

8.0

8.0

10.0

10.0

12.0

12.0

14.0

HbA1c IFCC(%)

y=x

Swedish-HbA1c

JDS-HbA1c

NGSP-HbA1cアメリカ

日本ヨーロッパ

Clin Chem 2004 (50): 166-174

HbA

1c D

CM

s (%

)

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IFCC(mmol/mol)

IFCC derived-JDS (%)

IFCC derived-NGSP(%)

JDS(%)=0.0963 x I FCC (mmol/mol) + 1.62→IFCC(%)=10.39 × JDS (%) - 16.8 (JSCC/DMI. Jpn J Clin Chem 37:393-409, 2008)

NGSP(%)=0.0915 x I FCC(mmol/mol) + 2.15

→IFCC(%)=10.93 ×NGSP (%) - 23.52

(Cas Weykamp, et al. Clin Chem 54:240-248, 2008 )

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Case Studies using IFCC units

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ADA (US)1

HbA1c < 7% IDF (Europe)3

HbA1c £ 6.5%

CDA (Canada)4

HbA1c £ 7%

NICE (UK)5

HbA1c 6.5–7.5%

AACE (US)2

HbA1c £ 6.5% ALAD (Latin America)6

HbA1c < 6–7%

APPG (Asia Pacific)7

HbA1c < 6.5%

Australia8

HbA1c £ 7%

1American Diabetes Association. Diabetes Care 2004; 27 (Suppl. 1):S15–S34. 2American Association of Clinical Endocrinologists. Endocr Pract 2002; 8 (Suppl. 1):40–82. 3European Diabetes Policy Group. Diabet Med 1999; 16:716–730. 4Canadian Diabetes Association. Can J Diabetes 2003; 27 (Suppl. 2):S1–S152.

5National Institute for Clinical Excellence. 2002. Available at: http://www.nice.org.uk. 6ALAD. Rev Asoc Lat Diab 2000; Suppl. 1.7Asian-Pacific Policy Group. Practical Targets and Treatments (3rd Edition). 8NSW Health Department. 1996.

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IFCC

アメリカNGSP

日本JDS

北欧Mono-S

従来の臨床研究成果の橋渡し IFCC法

による測定値

48雨宮 伸先生(埼玉医大)提供

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1. 健常者と糖尿病患者のヘモグロビン糖化に相違はないか?

2. 測定法ごとにヘモグロビンの分子形態の相違による測定値の差はないのか?

3. HPLC法で分離されたA1cのピークの中身は何か?

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測定法による値の差 (生血)

三家登喜夫. 内分泌・糖尿病・代謝内科 Jan.2011 32(1)3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

10.0

11.0

0 . 5 1 1 . 5 2 2 . 5 3 3 . 5

●●●

●●

●●

HPLC(A) HPLC(T)免疫法

HbA

1c(J

DS値

) %

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平成24年度JLCCLS学術集会平成24年度JLCCLS学術集会2012.9.12012.9.1