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生物多性シンポジウム 外来生物から考える 平成26(2014)年11月9日(日) 神戸市シルバーカレッジ 「カレッジホール」 神戸市北区山田町下谷上中一里山 14-1 しあわせの村内 主催/神戸市、神戸市シルバーカレッジ 後援/兵庫県森林動物研究センター、 国連生物多様性の 10 年日本委員会 協力/兵庫県立人と自然の博物館 事務局/神戸市環境局環境創造部環境評 価共生推進室

外来生物から考える - city.kobe.lg.jp · 体の協働による外来種の駆除と在来種の保全 活動に取り組む。 パネリスト 神戸市環境局 環境創造部

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生物多様性シンポジウム

外来生物から考える

平成26(2014)年11月9日(日)

神戸市シルバーカレッジ

「カレッジホール」

神戸市北区山田町下谷上中一里山 14-1 しあわせの村内

主催/神戸市、神戸市シルバーカレッジ

後援/兵庫県森林動物研究センター、

国連生物多様性の10年日本委員会

協力/兵庫県立人と自然の博物館

事務局/神戸市環境局環境創造部環境評

価共生推進室

〈表彰式〉13:00~13:20 ○みんなでつくる KOBE 生きものマップ目撃情報優秀投稿者 表彰

○環境功労者 表彰

生物多様性シンポジウム 外来生物から考える

〈第1部〉13:25~15:20

○神戸市長 久元 喜造 開会の挨拶

○基調講演 「外来生物による生物多様性への脅威」

(独立行政法人 国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター 主席研究員)

五箇 公一氏

○環境省講演「外来生物対策に関する最近の国の動き」

(環境省 自然環境局 野生生物課 外来生物対策室長)

関根 達郎氏

〈休 憩〉15:20~15:50

※ポスターセッションをロビーにて開催していますので、是非お立ち寄りください。

この休憩時間中は各ポスターで出展者との交流が図れます。

〈第2部〉15:50~17:30

○パネルディスカッション「神戸市の外来生物問題の現状と各主体が行動すべきこと」

コーディネーター/角野 康郎氏(神戸大学大学院理学研究科教授)

パネリスト/亀崎 直樹氏(岡山理科大学教授・神戸市立須磨海浜水族園学術研究統括)

横山 真弓氏(兵庫県立大学准教授・兵庫県森林動物研究センター主任研究員)

安井 幸男氏(神戸カワバタモロコ保全推進協議会会長)

横田 雅弘 (神戸市環境局環境創造部長)

コメンテイター/五箇 公一氏(独立行政法人 国立環境研究所 生物・生態系環境研究セン

ター 主席研究員)

関根 達郎氏(環境省 自然環境局 野生生物課 外来生物対策室長)

《同時開催》12:30~17:30

○ポスターセッション 出展者一覧

①シルバーカレッジ OB・中埜正光様、②シルバーカレッジ OB・辻村允夫様、③シルバーカレッ

ジ OB・堀池邦康様、④豊かな森川海を育てる会様、⑤須磨ふるさと生きものサポータ様、⑥農・

都共生ネットこうべ様、⑦東お多福山草原保全・再生研究会様、⑧希少野生動植物種保存推進員(環

境省)・丹波地域のホトケドジョウを守る会・青山茂様、⑨ため池・湿地帯生きもの保全グループ

様、⑩玉一アクアリウム様、⑪小学生きのこ博士・和田匠平様、⑫兵庫県立御影高等学校環境科学

部生物班様、⑬こうべ環境未来館様

○外来生物剥製展示(協力:兵庫県立人と自然の博物館)

生物多様性シンポジウム 外来生物から考える

〈 第 1部 〉 13:25 ~

神戸市長 久元ひさもと

喜造き ぞ う

開会の挨拶

基調講演 「外来生物による生物多様性への脅威」

講 演 者 独立行政法人 国立環境研究所

生物・生態系環境研究センター

主席研究員 五ご

箇か

公一こういち

(略 歴) 国立環境研究所で外来生物や化学物質による生態影響

評価の研究プロジェクトリーダーを務める。

環境省「外来種被害防止行動計画策定会議」委員、

同「中央環境審議会 自然環境部会 外来生物対策の

あり方検討小委員会」委員。テレビ出演・講演など多

数。

著書『クワガタムシが語る生物多様性』創美社(2010

年)

講演要旨 外来生物は、遺伝子、種、生態系という様々なレベルで生物多様性を脅かす要因であ

り、国際的にもその対策は生物多様性保全の最重要課題のひとつとされる。ヒトとモ

ノの高速移動と、経済のグローバリゼーションによって、外来生物問題はより大きく、

より複雑で、解決が困難な問題へと発展している。本講演では、国内外における外来

生物問題の実態及び対策について概説するとともに、我々は今後どのようにこの問題

に向き合うべきかを論じる。

環境省講演「外来生物対策に関する最近の国の動き」

講 演 者 環境省 自然環境局 野生生物課 外来生物対策室

室長 関根せ き ね

達郎たつろう

(略 歴) 平成 2(1990)年環境庁(当時)に入庁。環境省本省、地方

環境事務所、国民公園管理事務所や地方自治体(出向)な

どで野生生物の保護や公園の管理業務を担当し、平成

23(2011)年 10 月より現職。

講演要旨 平成 22(2010)年の生物多様性条約第 10 回締約国会議で採択された愛知目標の達成を

目指して作成を進めている「侵略的外来種リスト」及び「外来種被害防止行動計画」

の概要、制定後の施行状況を踏まえて平成 25(2013)年に改正された外来生物法の改正

のポイント、希少な野生生物が生息する地域や新たに侵入が確認された外来生物を対

象に実施している防除事業の成果と課題など、外来生物対策に関する最近の国の動向

を紹介する。

生物多様性シンポジウム 外来生物から考える

〈 第 2部 〉 15:50 ~

パネルディスカッション 「神戸市の外来生物問題の現状と各主体が行動すべきこと」

コーディネーター 神戸大学大学院理学研究科

教授 角野か ど の

康郎やすろう

(プロフィール) 日本の水生植物研究の第一人者。環境省「愛知目

標達成のための侵略的外来種リスト作成会議」の

委員を務める。希少種の保全など市民団体として

の活動にも取り組む。主な著書「日本水草図鑑」

文一総合出版(1994 年)、「日本の水草」文一総

合出版(2014 年)など。

パネリスト

岡山理科大学教授、

神戸市立須磨海浜水

族園学術研究統括

亀崎かめざき

直樹な お き

(プロフィール)

元日本ウミガメ協議

会会長、元須磨海浜水

族園園長。外来のアカミミガメ(ミドリガメ)

など淡水ガメの研究に取り組む。平成22(2010)

年には須磨海浜水族園内にアカミミガメを受

け入れ、淡水カメ類などの保全を目的とした研

究施設「亀楽園」を開設した。

パネリスト

兵庫県立大学准教

授、兵庫県森林動物

研究センター

主任研究員

横山よこやま

真弓ま ゆ み

(プロフィール)

ニホンジカ、イノシ

シや外来のアライグ

マなどの人との軋轢がある野生動物を対象と

して、その保全管理に関する研究に取り組む。

野生動物管理全国協議会副会長

パネリスト

神戸カワバタモロコ保全

推進協議会

会長 安井や す い

幸男ゆ き お

(プロフィール)

兵庫・水辺ネットワーク

幹事。神戸市のため池や

河川などで、地域住民・

地元学校・行政・市民団

体の協働による外来種の駆除と在来種の保全

活動に取り組む。

パネリスト

神戸市環境局

環境創造部

部長 横田よ こ た

雅弘まさひろ

(プロフィール)

環境省環境影響審査室

(出向)、環境政策課

長、環境未来都市推進

担当部長などを経て、平成 25(2013)年 4 月よ

り現職。中央環境審議会瀬戸内海環境保全小委

員会委員

コメンテイター

五箇ご か

公一こういち

氏 独立行政法人 国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター 主席研究員

関根せ き ね

達郎たつろう

氏 環境省 自然環境局 野生生物課 外来生物対策室長

神戸市のブラックリストとは

絶滅が危惧されている野生生物種についてまとめたレッドリストに対して、外来生物等であって地

域の生態系を破壊したり、そこに暮らす在来種の存続を脅かすような重大な被害を与えている種、も

しくは今後その恐れの大きい種をまとめたものをブラックリストと呼んでいます。

神戸市のブラックリストは、平成 22(2010)年 3 月に神戸版レッドデータをとりまとめた際に、

レッドデータブックの検討委員や協力者のほか、外来生物に造詣の深い専門家の方々からの分布情報

や助言をもとに作成されました。リストの対象種は、外国から持ち込まれた種、国内産の種であって

も他地域から持ち込まれることでその地域の個体群に遺伝子レベルでの攪乱を与える恐れのある種

及びもともとその地域に分布しなかった種が持ち込まれることでこれまでの生物分布情報に混乱を

与える恐れのある種としています。

ブラックリストの選定基準

外来動物 ヌートリア 国内産放流種 イチモンジタナゴ 緑化・植栽種 トウネズミモチ

「特定外来生物」と「要注意外来生物」

国が定めた外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)では、

概ね明治元年以降に日本に持ち込まれた外来生物のうち、生態系、人の生命・身体、農林水産業への

被害を及ぼすもの、または及ぼす恐れがあるものを「特定外来生物」に指定しています。

「特定外来生物」については、飼育、栽培、保管、運搬、輸入、野外への放逐などの行為が禁止さ

れています。112 種の動植物が指定されており、法律に違反した場合に、個人では懲役3年以下、

または 300 万円以下の罰金が課せられます。法人の場合には、1億円以下の罰金が課せられます。

環境省では「特定外来生物」以外に、生態系への影響が指摘されるなど、利用にあたっての注意と

知見・情報の収集に努めるべき生物として「要注意外来生物」のリストを公表しており、148 種の

動植物がリストアップされています。

区分 選定基準

外来生物種 海外から侵入して生態系に著しい被害を与えている、または与える恐れのある動植物で、すでに

駆除等の対策が講じられているか、今後の実態把握に努めて対策を検討する必要のある種

国内産放流種 放流のかたちで国内の他地域から移入されたことにより、生態系や遺伝子レベルでの悪影響が懸

念されることから、情報を提供して注意を喚起する必要のある種

緑化・植栽種 国内他地域や国外から緑化・植栽の目的で移入されたことにより、生態系や遺伝子レベルでの悪

影響が懸念されることから、情報を提供して注意を喚起する必要のある種

種名

シロヒレタビラ

イチモンジタナゴ

ニッポンバラタナゴ

昆虫類 ゲンジボタル

動物魚類

分類

ブラックリストの選定結果

分 類 外来生物種 国内産放流種 緑化・植栽種 合計 環境省による指定・公表

特定外来生物 要注意外来生物

哺乳類 2 0 ― 2 2 0

鳥 類 1 0 ― 1 1 0

爬虫類 2 0 ― 2 1 1

両生類 1 0 ― 1 1 0

魚 類 4 3 ― 7 3 1

昆虫類 1 1 ― 2 1 0

クモ類 1 0 ― 1 1 0

甲殻類 1 0 ― 1 0 1

軟体動物類 3 0 ― 3 1 2

植 物 23 0 16 39 11 14

合 計 39 4 16 59 22 19

ブラックリスト

■外来動物(16 種) ■国内産放流種(4種)

■緑化・植栽種(16 種)

■外来植物(23 種)

要注意外来生物は大きく下記の 4 つのカテゴリーに分類

でき、表の①~④は、そのカテゴリーを示しています。

① 被害に係る一定の知見はあり、引き続き特定外来生物

等への指定の適否について検討する外来生物

② 被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積

に努める外来生物

③ 選定の対象とならないが注意喚起が必要な外来生物

④ 別途総合的な検討を進める緑化植物

* 国外または国内他地域から移入したもの

タデ科 イタドリ(オオイタドリを含む) *

イタチハギ ④

ハリエンジュ(ニセアカシア) ④

コマツナギ *

ハギ類 *

メドハギ類 *

ヒメヤシャブシ *

オオバヤシャブシ *

モクセイ科 トウネズミモチ ④

キク科 ヨモギ類 *

シナダレスズメガヤ ④

ネズミムギ ④

ホソムギ ④

モウソウチク

チガヤ *

ススキ *

特定外来生物

要注意外来生物

環境省外来生物法

マメ科

カバノキ科

イネ科

科名 種名

アメリカザリガニ オランダガラシ(クレソン)

ブラックリスト掲載種の紹介(その1)

アライグマ:市内に広く分布し、家屋侵入・農作物

等への被害が多い。(撮影:石井克彦氏) オオクチバス:ため池の生態系破壊の元凶であり、

河川への侵入も見られる。

アカミミガメ:繁殖力が旺盛で、在来のニホンイシ

ガメなどの生活場所を奪っている。

スクミリンゴガイ:市内の水田、水路、河川への侵

入が確認された。(右図はスクミリンゴガイの卵塊)

ウシガエル:市内の多くのため池に侵入・定着して

いる。

アゾラ・クリスタータ:各地のため池に見られ、水

面を覆い尽くすように広がっている。

カダヤシ:メダカと誤認されることが多く、じわじ

わと市内での分布を広げている。 ハゴロモモ:水槽用に販売されているものがため池

などに逸出している。(別名フサジュンサイ)

ブラックリスト掲載種の紹介(その2)

オオフサモ:ため池や河川に侵入し、旺盛な繁殖力

で、駆除が困難な水草となっている。

イタチハギ:砂防用、生け垣用に導入されたものが

逸出し、道路沿いに繁茂している。(花期は 6月)

メリケンムグラ:湿地などに侵入し、もとからそこ

に生育していた湿地植物を駆逐している。

ハリエンジュ:緑化用、砂防用に導入され、市内に

広く分布する。(別名ニセアカシア) (花期は 5月)

オオカワヂシャ:春に目立つ植物で、河川や水路で

頻繁に見られる。(花期は 5月)

シナダレスズメガヤ:砂防用に導入されたが、現在

では道路端から河原などの各地で見られる。

オオキンケイギク:野生化して河川敷や道路沿いに

大きな群落を形成している。(花期は 5~6月)

生物多様性シンポジウム

外来生物から考える

平成 26(2014)年 11 月 9日(日)

神戸市シルバーカレッジ

「カレッジホール」

このシンポジウムは

「国連生物多様性の 10 年日本委員会

(UNDB-J)」の後援を受けています。