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- 37 - 特別支援学校高等部の家庭科における実生活への活用を図る力を育む授業の研究 -思考ツールを用いた協働的な学習を通して- 山口県立山口南総合支援学校 教諭 中原 敬子 1 研究の意図 (1) 研究の背景 中央教育審議会答申(平成28年)では、質の高い深い学びをめざすために、「子供たちの思 考を深めるために発言を促したり、気付いていない視点を提示したりする」 *1 など、学びに必 要な学習環境を設定していくことが求められるとしている。 「高等学校学習指導要領解説 家庭編」(平成30年)(以下、新学習指導要領解説)では、 家庭科で育成をめざす資質・能力の一つとして、「生涯を見通して生活の課題を解決する力」 *2 を挙げている。そのためには、実生活との関連を図った問題解決的な学習を効果的に取り入 れることが資質・能力の育成に必要であるとし、生徒が自分の生活に結び付けて学習できるよ う、問題を見出して課題を設定し、解決する学習活動の設定が重要になることが示された。 また、指導計画の作成に当たっては、障害のある生徒などについて、生徒の自立と社会参加 を一層推進していくためには、十分な学びを確保し、障害の状態や発達の段階に応じた指導や 支援をより充実させていく必要があるとしている。 原籍校の家庭総合を履修している生徒は、授業全体を通して積極的に取り組んでいる姿が見 られる一方で、授業の振り返りは、実験・実習の感想に留まる記述が多いという傾向がある。 また、家庭での取組について「教わったことで、家でできることがあればやってみることがあ るか」との質問には否定的な回答が多かった。このことから、学習内容が実生活への活用につ ながっていないことが懸念される。 (2) 研究テーマ設定の理由 これまでの私の授業を振り返ると、生徒が学習内容を自分事として捉えられないまま実験・ 実習を行い、学習の振り返りでは実生活への活用について十分考えさせるまでに至らなかった。 これは、衣食住等の生活を営む上で生じる問題(以下、生活事象の問題)を生徒自身が見出し たり、学習課題を自分事として捉えさせたりする働き掛けが不十分であったことが要因として 挙げられる。鈴木ら(2011)は、家庭科の学習内容は生活の中で経験していることが多いため、 疑問を感じることが少なく、教師や友人との関わりの中で自分の生活を客観視し、「自分の生活 を振り返り、課題を整理することが必要」 *3 としている。 そこで、本研究では、生活事象の問題を整理するための思考ツールを用いた協働的な学習を 行うことにした。この学習で、生徒同士が多様な考えを取り入れながら生活事象を客観的に把 握することで、自分の生活事象における課題を設定できると考えた。そして、学習内容を生か して解決方法を検討し生徒自身が学習目標を捉えることで実験・実習を行う意欲が喚起され、 自分の生活へ活用する意識を高められると想定した。 (3) 研究の仮説 以上のことを踏まえ、研究の仮説を「特別支援学校高等部の家庭総合において、思考ツール を用いて事実や考えの根拠等を整理する協働的な学習を行うことで、授業における自分の学習 目標を明確にでき、実験・実習後の振り返りで学習内容を自分の生活に関連させ、活用への意

特別支援学校高等部の家庭科における実生活への活用を図る力を育む授業の研究 -思考ツールを用いた協働 … · イ 思考ツールを用いた協働的な学習

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特別支援学校高等部の家庭科における実生活への活用を図る力を育む授業の研究

-思考ツールを用いた協働的な学習を通して-

山口県立山口南総合支援学校 教諭 中原 敬子

1 研究の意図

(1) 研究の背景

中央教育審議会答申(平成28年)では、質の高い深い学びをめざすために、「子供たちの思

考を深めるために発言を促したり、気付いていない視点を提示したりする」*1など、学びに必

要な学習環境を設定していくことが求められるとしている。

「高等学校学習指導要領解説 家庭編」(平成30年)(以下、新学習指導要領解説)では、

家庭科で育成をめざす資質・能力の一つとして、「生涯を見通して生活の課題を解決する力」

*2を挙げている。そのためには、実生活との関連を図った問題解決的な学習を効果的に取り入

れることが資質・能力の育成に必要であるとし、生徒が自分の生活に結び付けて学習できるよ

う、問題を見出して課題を設定し、解決する学習活動の設定が重要になることが示された。

また、指導計画の作成に当たっては、障害のある生徒などについて、生徒の自立と社会参加

を一層推進していくためには、十分な学びを確保し、障害の状態や発達の段階に応じた指導や

支援をより充実させていく必要があるとしている。

原籍校の家庭総合を履修している生徒は、授業全体を通して積極的に取り組んでいる姿が見

られる一方で、授業の振り返りは、実験・実習の感想に留まる記述が多いという傾向がある。

また、家庭での取組について「教わったことで、家でできることがあればやってみることがあ

るか」との質問には否定的な回答が多かった。このことから、学習内容が実生活への活用につ

ながっていないことが懸念される。

(2) 研究テーマ設定の理由

これまでの私の授業を振り返ると、生徒が学習内容を自分事として捉えられないまま実験・

実習を行い、学習の振り返りでは実生活への活用について十分考えさせるまでに至らなかった。

これは、衣食住等の生活を営む上で生じる問題(以下、生活事象の問題)を生徒自身が見出し

たり、学習課題を自分事として捉えさせたりする働き掛けが不十分であったことが要因として

挙げられる。鈴木ら(2011)は、家庭科の学習内容は生活の中で経験していることが多いため、

疑問を感じることが少なく、教師や友人との関わりの中で自分の生活を客観視し、「自分の生活

を振り返り、課題を整理することが必要」*3としている。

そこで、本研究では、生活事象の問題を整理するための思考ツールを用いた協働的な学習を

行うことにした。この学習で、生徒同士が多様な考えを取り入れながら生活事象を客観的に把

握することで、自分の生活事象における課題を設定できると考えた。そして、学習内容を生か

して解決方法を検討し生徒自身が学習目標を捉えることで実験・実習を行う意欲が喚起され、

自分の生活へ活用する意識を高められると想定した。

(3) 研究の仮説

以上のことを踏まえ、研究の仮説を「特別支援学校高等部の家庭総合において、思考ツール

を用いて事実や考えの根拠等を整理する協働的な学習を行うことで、授業における自分の学習

目標を明確にでき、実験・実習後の振り返りで学習内容を自分の生活に関連させ、活用への意

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識を高めることができる」とし、授業実践を通して検証することとした。

2 研究の内容

(1) 「実生活への活用を図る力」とは

本研究では、実験・実習を取り入れた授業を通して、自分の課題に気付き、学習内容を生か

しながら主体的に自分の生活へ活用しようとする態度が見られることを、実生活への活用を図

る力が育まれたと捉える。

(2) 生徒の実態を踏まえた指導方法の検討

本研究の対象となる高等部第1学年4人の生徒について、自立活動と家庭総合における生徒

の実態を表1に示す。

生徒は与えられた課題に対して、興味をもって真剣に取り組み、意欲的な様子はあるものの、

自分自身の生活事象の問題を見出して課題を設定し、解決するという経験が少ない。このこと

から、生徒各自の実態に応じて問題解決的な学習が進められるように授業改善の必要性がある

と考えた。

問題解決的な学習について、武藤(1998)は、『「自分もやれるぞ」という自信、「やることが

良いこと」とする価値観が形成されてこそ行動に移す意欲が起こってくる』*4としている。ま

た、舟木(1996)は、関心の具体的な行動の一つとして、課題提起に対して疑問をもつことと

しており、関心は意欲を喚起する動機として非常に大切なものとし、関心の高まりは授業の効

果を上げる上で欠かせない要素と捉えている。

そこで、本研究では、問題解決的な学習の過程において、思考ツールを用いた協働的な学習

を行うことで、生徒同士で生活事象の問題に関心をもち、自分事として生活事象の課題を設定

することができると考えた。

ア 学習過程モデル

新学習指導要領解説の「家庭科、技術・家庭科(家庭分野)の学習過程の参考例」を基に、

本研究の学習過程モデルを組み立てた(図1)。この学習過程モデルは、本研究で、生徒が自

分事として問題解決的な学習を行う上で、教師の手立てとして思考ツールを用いた協働的な

学習を効果的に取り入れたものである。

はじめに、クラス全体の学習活動で、思考ツールを用いた協働的な学習を行う。ここでは、

教科書等の学習内容や自他の意見や考えから生活事象の問題を客観的に把握し、それらを生

実態(自立活動の実態を踏まえて) 家庭総合に関する実態

Aさん

・手足の関節が硬直しており、車いすを使用している。

・筆記できるが、疲れやすい。

・移動を伴わない作業は、車いすから立って作業すること

ができる。

・調理器具は本人と相談しながら可能な範囲

で使用する。包丁は自分専用を使用する。

・興味をもって取り組み、課題をきちんとこ

なす。

Bさん

・手話も用いるが、音声での会話もする。音声の場合、思

い込みや聞き間違いで意思疎通ができないことがある。

・見通しが立つと積極的に発言をする。

・光覚過敏のため、窓に向かわない座席配置にしている。

・実習では、他者に確認しながら進める。

・ゆっくりではあるが、課題をきちんとこな

す。

Cさん

・FMマイクを使用している。

・聴覚口話だけで話は通じる。

・自分からの発言は少なめである。

・授業態度は良く、課題をきちんとこなす。

・包丁を使う時、ゆっくりではあるが、問題

なく作業することができる。

Dさん

・手話で、コミュニケーションをとる。

・助詞の間違いはあるが、積極的に発言する。

・気配りができ、他者と協力することができる。

・実習の課題を丁寧に行うことができる。

・生活場面における多様な経験が少ない。

表1 生徒の実態

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徒同士で共有し整理する。その整理された問題点から他者と共に解決すべき課題の設定を行

う。

次に、他者と共に設定し

た課題を基に生徒自身の課

題を設定し、生徒それぞれ

が自分の生活と結び付けて

取り組む学習活動を行う。

これは、自分の生活の課題

解決のために、他者と共に

捉えた抽象的な課題から自

分事として具体的な課題を

考えるという2段階で課題

設定をすることにより、そ

の後の実験・実習について、

生徒自身で自分の生活と結

び付けて検討できると考え

たためである。

そして、実験・実習も踏まえて学習全体を振り返ることで、より一層自分の生活への活用

を意識できるようにした。

イ 思考ツールを用いた協働的な学習

新学習指導要領解説では、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進める際、

教師が言語活動や問題解決的な学習の質を向上させることが重要であるとしている。本研究

の協働的な学習では「他者との関わりの中で自他の意見や考えを見たり聞いたり話したりし、

多様な考えを取り入れながら自分の生活と結び付けて課題を捉えること」を目的にした。「他

者との関わり」とは生徒の実態を踏まえて、直接的な対話だけでなく、書いて自分の意見を

伝える、読んで他者の意見を知ることも含むものである。このような関わりを可能にするた

めの手立てとして特に有効だと考えたのが思考ツールである。

図2 クラゲ・チャートとその使用方法

図1 本研究の学習過程モデル

自分の実生活の問題を見出す

自分たちを取り巻く生活の問題を知る

自他の意見を可視化し、共有する

生徒自身の課題を設定する

生活事象の問題を整理する

解決方法を検討する

実践計画を立てる

実験・実習を行う

学習全体を振り返る

問題整理のための思考ツールを用いた協働的な学習

生活事象の問題を把握する

他者と共に課題を設定する

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本研究の授業実践では、根拠を探して書くことを促す「クラゲ・チャート」(図2)*5を用

いた。「クラゲ・チャート」は、既習の知識や新たに学習して得た知識、また、自他の意見や

考えなどを客観的に把握しながら整理しやすくすることができる思考ツールである。使用に

ついては、図2の①から④の順に使用する。本研究では、あらかじめ教師が問題提起をし、

生徒が協働的な学習で課題設定まで行うことで、学習のめあてに沿って生徒主導での話合い

が進められるようにした。

さらに、図2をアレンジして、クラス全体で設

定した抽象的な課題から生徒それぞれに具体的

な課題を捉える場面で、課題解決に向けて自分事

として考えを出しやすくする工夫を考えた(図

3)。具体的には「クラゲ・チャート」のクラゲの

頭の部分はそのままにして、頭と足を結ぶ矢印を

逆向きに示し、自分の生活事象の問題と照らし合

わせて課題解決の方法を記入できるようにした。

(3) 授業の概要及び実践

ア 授業の概要

本単元は、家庭総合「食品と栄

養」の単元で、四つの食品群を含

む栄養バランスの視点から、思考

ツールを用いた協働的な学習によ

り、現在の日本人の食生活の問題

と自分自身の食生活を照らし合わ

せて整理し、生徒たちで課題を設

定した。本実践では、新学習指導

要領解説の「第3章 各科目にわ

たる指導計画の作成と内容の取扱

い」の中の「2 内容の取扱いに

当たっての配慮事項」を踏まえ、

生徒が各自の家庭生活と結び付けて生活上の問題を見出し、解決方法を考え、計画を立てて

実践できるようにし、問題解決能力の育成を図ることに重点を置いて指導計画を作成した。

クラス全体で食生活における課題を設定する協働的な学習を行うことで、生徒自身の学習目

標を明確にし、実験・実習を通して自分の生活に関連させて活用への意識を高めることをね

らいとしている。調理実習については、興味関心が高い生徒が多く、調理に使用する食材を

生徒自身で検討し、レシピプリント作成を行うことで、実習を行う意欲がより一層高まるこ

とが期待される内容である。原籍校は家庭科の中の「家庭総合」の授業を2時間連続で行っ

ており、図4は学習過程モデルに基づいて本単元の流れを示したものである。

イ 授業実践

(ア) 生活事象の問題を把握し、他者と共に課題を設定する授業(1~4時間目)

知識量や生活経験に差がある生徒が、他者と生活事象の問題を整理する学習に主体的に

取り組むことができるように、学習のめあてを「献立や栄養バランスの視点から食生活の

図3 本研究におけるクラゲ・チャート使用 の工夫

図4 本単元の流れ

図4 授業実践において工夫したクラゲ・チャート

設定された課題

自分の生活事象の問題と照らし合わせて具体的な課題解決策を記入する

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問題点を見出す」とした。単元の導

入で、まず中学校の教科書を用いて

既習事項の確認を行い、高等学校で

の新出内容として栄養素の特性で分

類された四つの食品群の分け方とそ

の摂取めやす量を学習した。続い

て、それらの知識を用いて自分の食

事、卒業後に想定される食生活及び

日本人の食生活の現状について、各

自で問題を挙げた(図5)。そこで、

思考ツールを用いた協働的な学習を

行うことで、食生活の問題を他者と

共有しながら整理した(図6)。

そして、日常的な食事における献

立の栄養バランスの視点から、生徒

同士で共通の課題を見出した。

(イ) 本研究の手立てを取り入れ、実生

活への活用を図る力を育むための配

慮点(3~6時間目)

学習内容を生かして自分の生活へ活用しようとする態度を引き出すために、クラス全体

で捉えた抽象的な課題から自分事として課題を捉えるための学習場面を設定した(表2)。

ここで、自分事として課題を捉えて実習を行うことができるように、既習の野菜類の調理

性や本校の給食の献立における使用材料の分量を参考にし、生徒全員が主体的に実習材料

等の検討を行うことにした。

図6 協働的な学習での思考ツールの記述

図5 食生活における問題把握

表2 生徒自身の課題を設定する学習過程における指導計画

学習活動・内容 ◇指導上の留意点 〈3、4時間目〉 1 自分の食事記録、市販の弁当の食品分類及び日

本人の食生活の現状から食生活の問題点をホワイトボードに掲示してあるクラゲ・チャートの足の部分に記入し、クラス全体で共有する。

2 思考ツールにクラス全体の意見として「私たち

の食生活の問題は○○である」とまとめる。 3 これからの自分の生活で栄養バランスを調えた

食事を心がけられるように、食事内容で解決したい問題点についてクラス全体で話し合い、課題を設定する。

4 クラス全体で捉えた食生活の課題から自分の課

題を設定する。

◇クラゲの足の部分に各自が問題点を書き、クラス全体で

食生活の問題点を共有する。 ◇クラス全体から出た意見はこれからのライフステージ

の中で栄養バランスを考える際の問題点であるとして、学習内容を自分の生活の中で生かすことを意識させる。

◇給食に使われている食品の分量に注目させる資料をス

ライドで示し、今回の汁物に入れる分量の目標を決めさせる。

◇クラス全体で考えた大まかな課題を、既習の汁物や野菜類の調理性についてスライドを使って復習し、献立に取り入れることで解決できそうか、検討させる。

◇家庭にありそうな汁物材料や野菜類等を用意し、実際に

見ながらクラス全体で検討する。その際、自分が自宅で作るならどのような材料を選ぶか考えるように声かけ

自分の食生活の課題を設定する

栄養バランスのとれた献立に向けて食生活の問題点をクラス全体で共有する

クラス全体で食生活の課題を設定する

副菜が少ない

使う材料が少ない

コンビニの弁当はたんぱく質の量が多い

油の取り過ぎに注意

野菜摂取量が少ない

私たちにとって食生活の問題点は○副菜が少ない○1群の中にある使う材料が少ない

○野菜摂取量が少ない

一汁三菜

1群2群

3群

4群

私たちにとって食生活の問題点は何?

解決すべき問題点は何か、クラス全体で整理する

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(ウ) 生徒自身の課題を設定し、課題解決に向けた実験・実習を行う授業(5~8時間目)

クラスで設定された食生活全体に関わ

る課題を基に、自分の食生活や家庭の実態

を踏まえて課題を設定し(図7)、汁物の実

習材料の検討を行った。

図8はクラスで設定された食生活全体に関わる課題について、Dさんが自分事として課

題解決の方法の一案を記述したものである。これを記入例として、生徒の実態に合わせた

実習材料の検討を進めた(次頁図9、図10)。Aさんは、普段食材を自ら買いに行くことが

少ないという実態に合わせて、学習のめあてを「新聞広告や食品の写真などを利用して実

習材料を検討する」とした。身近な食品をより多く知る機会を設けたことで、調理のしや

すさに気付き、実習材料検討の参考にすることができた。また、Bさん、Cさん、Dさん

は食生活の様子が大きく異なる生徒の実態に合わせて、学習のめあてを「市販の汁物から

実習材料を検討する」とした。使われている食材の種類を確認し、分量を実際に計量した

ことで、各自で取り組む実習材料検討の参考にすることができた。そして、各自で自信を

もって実習材料を決定し、調理実習を行った後、単元のまとめとして学習内容の振り返り

を行った。

を行う。 ◇自分の生活で日常的に用意しやすい食品に着目させる

ようにする。 ◇家庭にある食品も踏まえて、家庭学習で材料の検討をし

てくることを伝える。

〈5、6時間目〉

1 食品に含まれる栄養素とその働きを理解し、汁

物に使用する食品を検討し、決定する。 (1)使用する実習材料を検討する。 (2)自分が調理実習で使用する実習材料を決定す

る。

◇生徒の生活経験等実態に応じて新聞広告や市販の汁物を用いて、検討の参考にさせる。

図8 Dさんが自分事として食生活の課題を捉えた記述

Aさん…旬の食材や自分一人で調理可能な材料で作る

Bさん…自宅にある材料を使って作る

Cさん…興味をもっている加工食品を入れて作る

Dさん…自分の嗜好を踏まえた材料を入れて作る

自分の課題解決に向けて、調理実習に使用する食品を検討する

図7 生徒自身で設定した課題

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(4) 仮説の検証

ア 検証の視点と方法

検証の視点と方法を表3に示す。

イ 思考ツールを用いた協働的な学習における生徒の記述及び様子

(ア) クラス全体の様子

自分の食事記録、市

販の弁当の食品分類

及び日本人の食生活

の現状について、思考

ツールを用いた協働

的な学習によって食

生活の問題を整理し

たことで、生徒の実態

に応じた取組方法で

食生活の問題を共有

することができた。そ

して、四つの食品群を

含む栄養バランスの

視点から解決すべき

食生活の課題を「一群

に含まれる卵類、乳・

乳製品と三群に含ま

れる野菜類等の摂取量が不足している」と設定した(図11)。また、一汁三菜の献立で副菜

や汁物が不足しがちなことを捉えており、これらを合わせて学習目標を「自分の食事に不

足しがちな食品を使った汁物を献立に取り入れる」とした。思考ツールを用いたことで、

他者の意見の把握、教科書等を用いた生徒同士での話合い及び教師との対話によって、自

表3 検証の視点と方法

検証の視点 方法

生徒自身の課題設定 思考ツールを用いた協働的な学習への取組及び記述

課題解決に向けた実験・実習 実習材料の検討及び実習の様子

単元まとめの振り返り 振り返りにおける記述及び対話

図10 Bさん、Cさん、Dさんの活発な検討の様子 図9 Aさんの机上の様子

図11 問題整理及び学習目標を捉えるために使用した思考ツールの記述

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分の考えを具現化することができ、生

徒それぞれの実態で協働的な学習に意

欲的に取り組む様子が見られた。この

様子から、学習目標の設定に思考ツー

ルが有効な手立てとして働いたと考え

る。そして、自分の生活に結び付けて各

自で実習材料を決定することができた

(図12)ことで、実習中は自発的に材料

の分量を確認する様子(図13)や集中し

て主体的に調理を進める様子(図14)が

見られた。

その結果、実習後には自分の生活に

関連させた振り

返りの記述や生

徒同士で互いの

実習材料につい

て積極的に質問

する様子(図15)

が見られた。

(イ) Aさんの様子

思考ツールを用いた協働的な学習に

おいて、自分の食事記録などから「野菜

の摂取量が少ない」と思考ツールに自

分の意見を書くことができた。

実習材料の検討の場面では、ビタミンや無機質及び食物繊維を多く含む野菜類を中心に、

汁物に適した実習材料について教科書と食品成分表を用いて探った(図16)。特に、食品成

分表では、汁物材料として使うことが多い食品の分類や栄養成分、みそ等の加工食品の原

材料となる食品に興味をもって調べていた。この学習活動の背景には、協働的な学習の場

面で、数種類のみそを比較する生徒がいたことで、Aさんにとって他者の考えや意見を参

考にすることができる環境があり、これが知りたいと好奇心を示すきっかけの一助となっ

たと考えられる。また、生活経験の不足を補うことができるように、新聞広告や実際の食

品を用意し、食品の旬や価格にも興味をもつことができるように

した。その際、思考ツールを掲示しておくことで、多くの食品の中

から材料を検討する中で、課題を意識しながら材料を選ぶことが

できた。その結果、食品に含まれる栄養素や汁物材料として適し

ているかに着目し、様々な食品を使用する材料の候補に挙げてい

た。そこで、教師が「自分で料理を作るならどういう材料を用意し

たらよいか」という視点から実習で使用する材料を絞り込むこと

を促したところ、授業前に旬の食材を使用することを考えていた

Aさんは、新聞広告の写真を見て、さつまいもとれんこんのどちら

図15 実習後の生徒同士の対話

図14 各自で実習を進める様子

Bさん:「(みそ汁に)入れたみそは?」 Aさん:「「合わせみそ(を入れた)」 Bさん:「汁物に何を入れたの?」 Aさん:「「キムチと大根とわかめとれんこん!」 Bさん:「僕はしめじと…」

図12 各自の実態を踏まえた実習材料(一部抜粋)

図13 自発的に分量を確認する様子

図 16 食品成分表で調べ る様子

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かを使うことにした。そして、できる限り自分で調理できることや調理時間を教師と相談

した結果、下処理の必要がなく、自分専用の包丁で切ることが可能であるという点を実習

材料決定の基準とした。最終的に市販されている水煮済みのれんこんを使うことに決定し

た(図17)。

今回の授業は、自分の課題を捉えて実習材料の検討から進めたことで「自分で材料や切

り方を決めて作ること」ができたと、

自信につながった振り返りの記述が

見られた。また、「自分で作る時、カッ

トしてある材料とかも使って工夫し

たい」と具体的にイメージすることが

できている記述もあり、学習内容を自

分の生活で活用することへの意識の

高まりが見られた。

(ウ) Bさんの様子

自分で把握した食生活の問題点を思考ツールに記入

し、その内容について教科書や配布資料を使ってDさん

と話し合う様子(図18)が見られた。学習後の感想からは、

他者と対話を通して、自他の意見や考えを比較すること

で、他者の考え方を受け止めながら、自分の意見を説明す

ることに充実感を覚えた様子がうかがえた(図19)。

また、思考ツールを用いた協働的な学習によって、食生

活の問題点の根拠を整理し課題を設

定したことで、自分事として見通し

をもって学習を進めることができ

た。そのことで、より意欲的に自分

の生活と結び付けて材料の検討を行

うことができた(図 20)。また、授業

実践前は、「料理に興味があり、自分

で料理をしてみたい気持ちはある

が、なかなか実際の行動につながら

ない」という生徒の実態があったが、

授業実践後の振り返りでは「料理で

どんな汁の実(具)を入れるか考えてみたい」という記述があり、自分事として食生活の

課題解決の見通しをもつことができたことにより、知識を自分の生活へ活用しようとする

意欲の高まりが引き出されたと考えられる。

(エ) Cさんの様子

Cさんにとって思考ツールを用いた協働的な学習に取り組むことは初めてで学習形態に

馴染むことが難しかったが、「テレビコマーシャル等から食品について幅広く情報を得て

いる」「自分なりのアレンジを加えてみることに興味がある」との実態があり、実習材料の

検討の場面では、食材の味や香りを自発的に比較し意欲的に取り組む様子がうかがえた

図18 思考ツールへの記述について話し合う様子

図19 思考ツールを用いた協働的な学習への取組における Bさんの感想

図17 使用する材料の候補を挙げた板書の様子

図20 実習材料検討時の使用材料の変化

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(図21)。また、レシピプリントへの記述について、学習目

標に合わせて選んだ食材以外に、生徒の独創性を感じる食

材も選んでおり、料理名を「発明できるかもしれないみそ

汁」として自分の生活と結び付けながら学習に取り組むこ

とができていた。

一方で、思考ツールを用いた協働的な学習に直接関わる

ことは難しかったが、思考ツールでクラス全体の意見や考

えを可視化したことで、他者の意見や考えを的確に知る機

会をもつことができた。そのことで課題を意識しながら自

分事として考えを巡らせることができ、「入れる野菜が少なかったので、100g以上入れら

れるようにしたい」と振り返りの記述があった。この記述から、食生活の課題を解決する

ことに苦労したことを、今後は改善したいという実践に向けたさらなる意欲につながった

と考える。さらに、「今日作ったみそ汁はとてもおいしかった」「見事に発明できた」とい

う振り返りの記述もあり、学習内容と自分の生活を結び付けて食生活の課題解決に迫るこ

とができたことへの充実感が読み取れる。

(オ) Dさんの様子

思考ツールを用いた協働的な学

習について、他者との話合いで気付

くことができた(図22)。また、教師

との対話(図23)から、生徒自身が

「野菜類を含む三群の食品を100g

入れる」と自分事として学習目標を

捉えたことによって自分の食生活

の課題を意識して意欲的に実習材

料を検討できたことがうかがえる。

そして、実習後の気付きとして、

学習目標は達成とともに実感を基

にした新たな気付きが出た様子が

書かれていた(図24)。この記述から、学習目標を意識して実習に取り組んだことで実習に

対して充実感があるだけではなく、自分の食生活で学習内容を生かすことを意識したこと

が分かる。

ウ 授業実践後の授業担当教員、担任からのコメント

「今までは他者の意見をなんとなく聞いていた、自分から意見を出すことがなかった」と

の思いがあった授業担当教員2人からは、今回の授業では、「他者との話合いで気付くことや

話合い後に自分の生活と照らし合わせて考えていた様子もあり、実習により意欲的に取り組

めていた」「自分で食生活の問題や改善を考えることがなかった生徒が、思考ツールを用いた

ことで、自分の生活を振り返る材料を揃えることができた」「自分の経験のみではなく、互い

に経験不足を補いながら課題を設定することができ、食生活改善の汁物を自分の力で考える

ことができていた」との感想があった。また、担任から「卒業後の生活を考えると、生徒自

身の生活と関連付けた学習は自立に向けてとても重要で、生徒それぞれに抱える食生活の課

図24 振り返りにおける実習に関する気付きの記述

図23 実習後の教師との対話

図22 思考ツールを用いた協働的な学習に対する感想

図21 意欲的な実習材料検討の 様子

Dさん:「野菜がたくさん入っている」 教師:「「落ち着いてしっかり考えたからだと思うよ」 教師「:「(汁物を見ながら)「きのこも入れたの?どんな

きのこ?」 Dさん:「しいたけを切って入れた!」

野菜(は)とても十分だけど入れすぎると水が足りなくなる。(野菜を)入れる量を考えないといけない。 ( )内は筆者

僕の思うことと他の人の思うことと似ているところ(や)全く違う「(ところもあった)けど「「あーそういう(こと)あった」と思うことが多かったです。 ( )内は筆者

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題が見えたこともよかったと思う」との感想があった。

以上の感想から、思考ツールを用いた協働的な学習で食生活の問題を整理したことで、生

徒同士や教員と生活事象の問題を共有することを通して、学習内容を生徒自身が生活へ活用

することを強く意識できたと考える。

エ 保護者のコメント

授業実践の全容をまとめて、保護者の来校時に掲示した。あらかじめ示しておいた生徒の

興味関心があった部分を見た保護者から「話合い学習や学習内容が楽しかったことが分かっ

た」「家庭でも実習で作った料理を作ってほしい」との意見があった。よって、本研究におけ

る授業実践は、保護者からも肯定的に受け止められていることが分かり、思考ツールを用い

た協働的な学習を取り入れた問題解決的な学習は、実生活への活用につなげることができる

と考える。

3 研究のまとめと今後の課題

(1) 研究のまとめ

ア 思考ツールを用いた協働的な学習の有用性

本研究では、自他の考えを可視化し、思考のプロセスを互いに知ることで、他者との関わ

りを活発にし、食生活の問題点を見出すことにつながった。また、自他の思考を可視化した

内容を見ること、疑問が浮かんで話し合うきっかけとなったことで、学習して得た知識と実

習による技能を結び付けることができ、自ら課題解決に向けて考える様子が見られた。

また、学習過程モデルを基に協働的な学習を行うにあたり、言葉の意味の取り違いや生徒

だけでは解決できない活動が表出する場面があった。これは、自分事として課題を捉え学習

を進めたことで理解できていることとそうでないことを生徒自身で認識することができた姿

であり、そこへ個に応じた支援を行うことによって、学習内容をより深めることができた。

そして、各自の課題を設定した上で実習材料の検討を行い、主体的に実験・実習に取り組め

ていた。よって、本研究の手立ては有効だったと考える。

イ 実生活への活用を図る姿

思考ツールを用いた協働的な学習によってクラス全体で抽象的な課題を捉えた後、自分自

身の課題を設定する場面では、学校での学習に加えて、家庭で課題について考えることで、

自分自身の生活と向き合い、自分の生活を意識して課題解決の方法についてより具体的に考

えることができていた。

生活事象の問題整理の場面で、自分自身の食生活と現在の日本人の食生活の問題を把握し、

それらを照らし合わせて整理した。その過程では、食生活の問題点として挙げてよいかどう

か悩む生徒や協働的な学習に苦手意識をもっている生徒の様子も見られた。しかし、学習目

標を明確に捉えて、その後の実習へ向けて意欲的に実習材料を検討することができていた。

これは、思考ツールによってクラス全体の意見や考えを可視化したものを基に話合いをした

り、思考ツールを見るなど、生徒の実態に応じた取組方法によって、授業に向かうことがで

きたからであると考える。

(2) 今後の課題

本研究は、生活事象の問題に疑問を感じる機会が少ない生徒の実態を踏まえ、問題解決的な

学習を自分の生活と結び付けやすいように、栄養素や食品をイメージしやすい食品群に焦点を

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当てて授業を進めた。今後は、多様化するライフスタイルの中で、主体的によりよい食生活を

営むために、問題解決的な学習を効果的に取り入れつつ学習内容の指導の充実を図る授業を検

討していきたい。また、生徒の自立と社会参加をより一層進めるために、生徒の実態に合わせ

て、個の特性に応じた自立活動の充実を図り、本人の理解の仕方や他者との関わり方の基礎に

ついて育んでいくことが必要だと考える。併せて、他者の力を借りる場面とそこから自分自身

が課題を捉えて取り組む場面をバランスよく取り入れながら、自立に向けて個人の知識・技能

を育てていくことも大切である。そのためには、学校や生徒の実態に応じて協働的な学習にお

ける支援をさらに工夫し、実生活への活用を意識できる授業づくりの研究をめざしたい。

本研究では、特別支援学校高等部の生徒を対象に、思考ツールを用いて考えや根拠等を整理

する協働的な学習を取り入れた授業実践を行った。今後は、特別支援学校に限らず、どの生徒

にとっても実生活への活用を図る力を育む授業にする工夫を継続していきたい。そして、高等

学校家庭科の他の領域においても学習過程モデルを基に問題解決的な学習を取り入れることで、

実生活への活用に向けて自ら行動できるような力をさらに伸ばすことにつなげたいと考える。

【引用文献】

*1 中央教育審議会、『幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び

必要な方策等について(答申)』、2016、p52

*2 文部科学省、『高等学校学習指導要領解説 家庭編』、2018、p12

*3 鈴木明子・高橋美与子・平田道憲・今川真治・佐藤敦子・小川貴弘、「高等学校家庭科における自己の

生活課題を追求する生活設計の授業開発」、広島大学 学部・附属学校共同研究機構研究紀要 第 39 号、

2011、p364

*4 武藤八恵子、『家庭科教育再考』、家政教育社、1998、p99-100

*5 黒上晴夫・小島亜華里・泰山裕、『シンキングツール~考えることを教えたい~』、NPO 法人学習創造フォー

ラム、2012、http://ks-lab.net/haruo/thinking_tool/for_print.pdf p15

【参考文献】

・文部科学省、『高等学校学習指導要領解説 家庭編』、2018

・舟木美保子、『必修領域「家庭生活」「食物」の「関心・意欲・態度」の指導と評価』、家政教育社、1996

・独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所、『聴覚障害教育Q&A50~聴覚に障害のある子どもの指導・

支援~』、2016

・黒上晴夫他、『シンキングツール~考えることを教えたい~』、NPO 法人学習創造フォーラム、2012

・津田ひろみ、「協働学習の成功と失敗を分けるもの」、リメディアル教育研究 第 10 巻第 2 号、2015

・桂聖・日本授業UD学会、『授業のユニバーサルデザイン Vol.8』、東洋館出版社、2016

・小林里美・中村潤一郎・加藤裕貴・大庭重治・池田吉史・八島猛、「小集団学習場面における特別な教育的

ニーズのある児童の自己表現の変容を促すための支援課題」、上越教育大学特別支援教育実践研究センター

紀要 第 21 巻 65-66、2015

・武藤八恵子、『家庭科教育再考』、家政教育社、1998

・岩田吉生、『聴覚障害児の教育環境における課題-ろう学校および通常の学校での教育環境-』、愛知教育

大学、2012

・兜坂弘子、「他者とのかかわり合いを大切にする表現につながる教育的支援-メタ認知に視点を当てた授業

を通して―」、やまぐち総合教育支援センター、2008