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米連邦政府 2020 年 6 月 10 日時点 新型コロナウイルス関連のビジネス向け支援制度 (米連邦政府) ☆各支援項目名をクリック頂くと、個別概要のご説明ページに移動することができます。 ■中小企業庁(Small Business Administration) ・給与保護プログラム(Paycheck Protection Program) https://www.sba.gov/funding-programs/loans/coronavirus-relief-options/paycheck- protection-program-ppp ・COVID-19 経済損害・災害ローン https://www.sba.gov/disaster-assistance/coronavirus-covid-19 ■労働省(Department of Labor) ・家族第一・新型コロナウイルス対応法に基づく有給家族・傷病休暇の拡大 https://www.dol.gov/agencies/whd/ffcra ・失業保険の給付拡充 https://www.dol.gov/coronavirus/unemployment-insurance#news ■歳入庁(Internal Revenue Service) ・確定申告に関わる救済措置(確定申告の締切延長) https://www.irs.gov/coronavirus-tax-relief-and-economic-impact-payments ■連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board) ・メインストリート融資プログラム(Main Street Lending Program) https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/mainstreetlending.htm ■税関国境保護局(Custom and Border Protection) ・関税等の支払時期の 90 日間延期(COVID-19 90-Day Duty Postponement) https://content.govdelivery.com/accounts/USDHSCBP/bulletins/2875383 ■その他 ・新型コロナウイルス対策補正予算法 https://www.congress.gov/116/bills/hr6074/BILLS-116hr6074enr.pdf

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

新型コロナウイルス関連のビジネス向け支援制度

(米連邦政府)

☆各支援項目名をクリック頂くと、個別概要のご説明ページに移動することができます。

■中小企業庁(Small Business Administration)

・給与保護プログラム(Paycheck Protection Program)

https://www.sba.gov/funding-programs/loans/coronavirus-relief-options/paycheck-

protection-program-ppp

・COVID-19経済損害・災害ローン

https://www.sba.gov/disaster-assistance/coronavirus-covid-19

■労働省(Department of Labor)

・家族第一・新型コロナウイルス対応法に基づく有給家族・傷病休暇の拡大

https://www.dol.gov/agencies/whd/ffcra

・失業保険の給付拡充

https://www.dol.gov/coronavirus/unemployment-insurance#news

■歳入庁(Internal Revenue Service)

・確定申告に関わる救済措置(確定申告の締切延長)

https://www.irs.gov/coronavirus-tax-relief-and-economic-impact-payments

■連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)

・メインストリート融資プログラム(Main Street Lending Program)

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/mainstreetlending.htm

■税関国境保護局(Custom and Border Protection)

・関税等の支払時期の 90日間延期(COVID-19 90-Day Duty Postponement)

https://content.govdelivery.com/accounts/USDHSCBP/bulletins/2875383

■その他

・新型コロナウイルス対策補正予算法

https://www.congress.gov/116/bills/hr6074/BILLS-116hr6074enr.pdf

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

給与保護プログラム

(Paycheck Protection Program:PPP)

内容

※本プログラムについては、米議会が 6月 4日に可決した「PPP Flexibility Act(H.R. 7010)」に基づき、

主に、借主の受け取った PPP融資が返済免除となるための要件を緩和する変更がなされました。詳しくは下記

【PPP Flexibility Act に基づく変更点】を参照下さい。

【PPP Flexibility Act に基づく変更点】

1. 法律施行日以降に承認された PPP ローンは、返済期限を 2年から 5年に延長。

2. PPP ローンの利用可能な期限を 2020年 6月 30日から 2020年 12月 31日まで延長。

3. PPP ローンのうち返済が免除となる利用期間を、ローン成立日から 8週間以内としていたところを、24週間

以内もしくは 2020年 12月 31日までの、いずれか早い方に延長。

4. PPP ローンの返済免除額の減殺を免れるための例外措置として設定していた再雇用の期限を、2020年 6

月 30日から 2020年 12月 31日まで延長。

5. 借主が 2020年 2月 15日~2020年 12月 31日の間に、フルタイム従業員の数を減らした場合でも

次のいずれかの条件を満たせば、PPP ローンの返済免除額の減殺を免れる。

(A)2020年 2月 15日時点で雇用していた従業員で一旦解雇した者(もしくはその空席ポストを埋め

る同等の者)を 2020年 12月 31日までに再雇用できないことを、文書をもって誠実に証明する、または

(B)連邦政府による要請またはガイダンスによって設定された衛生基準や社会的距離、従業員・顧客へ

の安全要件により、2020年 3月 1日~12月 31日の間に、2020年 2月 15日以前の事業活動レ

ベルに戻れないことを、文書をもって誠実に証明する。

6. PPP ローンの返済免除を受けるための要件として、少なくともローンの 75%を給与連に利用するとしていたと

ころを、60%に引き下げ。

7. PPP ローンの返済開始時期につき、最初の 6 カ月間まで延期可能としていたところを、ローンの返済免除額

が確定する日までに変更する。ただし、借主が PPP ローンの返済免除対象期間(ローン成立日から 24週

間か、2020年 12月 31日のいずれか早い方)の最終日から 10 カ月以内に返済免除の申請をしなかっ

た場合は、借主は元利金の返済を開始しなければならない。

8. PPP ローン受給者は CARES法で認められていた給与税(2020年 3月 27日~12月 31日に発生す

る分)の支払延期の対象外となっていたところ、対象とする。

【申請要件】

(a)従業員 500人以下の中小企業(small businesses)(b)従業員が 501人以上であるものの、中

小企業庁(SBA)が産業別に定める中小企業としての従業員数の要件を満たす企業(c)北米産業分類制

度(NAICS)によりコード 72に該当するレストランやホテル等の企業で各所在地の従業員が 500人以下の企

業(d)宗教団体を含む非営利団体で SBA の基準を満たす企業(e)従業員が 500人以下の独立所有さ

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れたフランチャイズ(f)個人事業、独立請負業者、フリーランサー等で、いずれも 2020年 2月 15日時点で事

業を開始しており給与及び給与税を支払うべき従業員を雇用していた場合。

※(a)、(b)に該当するかは以下から確認可能

https://www.sba.gov/document/support--table-size-standards

→(a)に関して、従業員数をカウントする場合は、米国内外の全拠点の従業員数を含めるべきとのガイダンスが

5月 5日付の本プログラムの FAQの 44番目の QAで発表された。(FAQは下記、関連情報にある【PPP制

度に関わる情報】に記載の URL よりアクセス可能)

※(c)の SBA の基準の詳細は以下から確認可能

https://www.sba.gov/sites/default/files/affiliation_discussion_0.pdf

※(e)に該当するかは以下から確認可能

https://www.sba.gov/document/support--sba-franchise-directory

【融資の内容】

・ 従業員の給与等の維持のために融資を受けることができる。融資借り入れ直近 1年間の全従業員の平均

月給にかかる経費の 2.5倍まで借入が可能だが、1,000万ドルが上限。

【返済免除となる範囲および条件】

・ 従業員の給与経費(時給、チップ、有給病気休暇、団体医療保険料等も含まれる)は免除対象。

・ 既存の不動産ローンにかかる利息、家賃、共益費の支払いに利用した額など、直接的に給与支払いに関与

していない費用については、融資額の 40%までであれば免除対象となる。

【留意事項】

・ 免除の対象とされなかった分のローンの返済利率については、最長 5年で 1.00%。

・ 既に SBAによる経済的損害災害融資(EIDL)を受けている場合、同融資の受領が 2020年 1月 31

日から PPP申込受付開始日の間であれば、PPP への申請・受理は可能だが、EIDL と同じ目的で利用する

ことは出来ない。

・ 本プログラムの FAQの 31番目の QA では、「借主は誠実に(in good faith)、PPP融資が必要である

ことを証明しなければならない。特にすべての借主は申請前に、継続的な事業運営を支えるうえでこの融資が

必要な理由が、現在の先行き不透明な経済状況にあることを証明する必要がある」とされ、「例えば相応の

市場価値を持つ上場企業で、その他資金へのアクセスが十分ある場合はローンを受領するに値し得ない」との

方針が出されており、そうした企業が一旦受領したローンを 5月 7日までに返納した場合は、当該企業は

「誠実に(in good faith)」対応したと見做される、とのルールが加えられている。43番目の QA では、その

自主返納の期限を 5月 14日まで延期するとした。

・ SBAは 5月 13日に、FAQ に 46番目の QA を追加し、受給額が 200万ドル未満の場合は、借主は誠

実に当該ローンが必要であることを証明したと見做すとしている。他方、200万ドルを超える全ての(および適

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

当と認められる)受給者については、PPP の最終暫定規則と借主の申請様式に照らして、ローンの必要性に

関する誠実な宣誓義務の要件を満たしているかを個別に審査されるとしている。

・ また、同 QA では、SBA がその過程で、当該借主にはローンの必要性の要件を基礎づける十分な証拠を欠

く受給資格がないと判断した場合、SBAは借主に対して未返済の PPP ローンの返納を要請するとともに、貸

主に対して当該借主はローンの返済免除の資格がないことを通知するとしている。SBAは、借主が SBAから

の通知を受け取った後にローンを返納した場合、SBAは行政上の強制執行はせず、他の省庁への通報も行

わないとしている。(FAQ は下記、関連情報にある【PPP制度に関わる情報】に記載の URL よりアクセス可

能)

【申込受付開始日】

中小企業、個人事業主:2020年 4月 3日

独立請負業者、自営業者、フリーランサー:2020年 4月 10日

【申込受付終了日】

2020年 6月 30日

※財源が枯渇した場合は、これより前に終了する可能性がある。

関連情報

【PPP制度に関わる情報】

(財務省による制度情報)※随時更新のため、申請要件や申込用紙、よくある質問などの最新情報はこちらで

ご確認下さい。

https://home.treasury.gov/policy-issues/top-priorities/cares-act/assistance-for-small-

businesses?mod=article_inline

【申込方法】

上記財務省ウェブページに掲載されている Borrower Application Form(申込用紙)に必要事項を記入

し、プログラムに参加している融資会社に直接申し込む。まずは、普段利用している銀行が参加しているか確認す

ることが推奨される。

【プログラムに参加している SBA と連携関係にある融資会社の検索ページ】

上記財務省ウェブページに掲載されている Find and eligible lender から、本プログラムに参加している融資機

関を検索することが可能。

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

COVID-19 経済損害・災害ローン

(COVID-19 Economic Injury Disaster Loans:EIDL)

内容

※本プログラムは連邦政府・議会が成立させた法律に基づき、600 億ドルの追加融資枠が確保されたため、

SBA は既に申請が届いているものから先着順で審査を再開の旨、発表しています。また、新規受付は農業関連

事業に限って受け付けるとしています。

https://www.sba.gov/disaster-assistance/coronavirus-covid-19

【申請要件】

・ (a)小企業(small businesses)(b)小農業協同組合 (small agricultural

Cooperatives)(c)小養殖業(small aquaculture businesses)(d)民間の非営利団体

(private nonprofit organizations)など

・ COVID-19 が原因で事業に損害が発生している。

※小企業に該当するかは中小企業庁のページから確認可能

https://www.sba.gov/size-standards/

【低利融資の内容】

・ 対象企業は 200 万ドルまでの融資を受けることができる。

・ 金利:中小企業 3.75% 民間非営利団体 2.75%

・ 期間:最長 30 年

・ 資金の使い道:運用資金、固定負債の支払い、給与、買掛金、その他 COVID-19 が発生しな ければ

支払われていた債務。

【返済不要の緊急救済金:経済損害・災害アドバンス・ローン(EIDAL)】

・ EIDL 申請者は同時に、経済損害・災害アドバンス・ローン(EIDAL)にも申請可能。

・ 申請を受けた中小企業庁(SBA)は 3 日以内に申請を処理しなければならない。

・ 申請が通過すれば、1 万ドルを上限に返済不要な緊急救済金を受理することが可能。EIDL の 申請が却

下された場合でも、EIDAL の返済は不要。

【申込受付終了日】

2020 年 12月 16日~21日(州により異なる)

※財源が枯渇した場合は、これより前に終了する可能性がある。

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

【留意事項】

・ SBAから給与保護プログラム(PPP)を受ける場合、EIDALの助成金額分については PPP の返済免除か

ら控除される。また、EIDL に基づく融資を受ける場合、その融資を PPP と同じ用途(同じ月の給与支払な

ど)に充てることはできない。

・ 申請者は、既存の SBA ローンや SBA が提供する他融資を受けている場合も、新型コロナウイルスに関して

EIDLの融資を受けることができるが、借り入れたローンの統合はできない。

関連情報

【EIDL 関連情報】

https://www.sba.gov/disaster-assistance/coronavirus-covid-19

【EIDL/EIDAL 申請リンク】

https://covid19relief.sba.gov/#/

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

家族第一・新型コロナウイルス対応法に基づく有給家族・傷病休暇の拡大

(Families First Coronavirus Response Act: Employer Expanded Family and Medical

Leave Requirements)

内容

【概要】

新型コロナウイルスに関連する理由による従業員の有給休暇の取得を雇用者に義務付ける。適用期間は

2020年 4月 1日~12月 31日で、従業員は、自身を含む家族が感染した場合や、感染拡大の影響によ

る学校封鎖などで子供のケアが必要である場合など、有給での傷病休暇や家族・医療休暇法に基づく休暇の

取得が認められる。

【適用対象・補償内容】

・ 従業員数が 500人未満である雇用主(企業)が対象。従業員数については、フルタイム・パートタイムを

問わずカウントし、派遣社員も直接労務管理を行っている場合等は共同雇用主として加える必要がある。

親・子会社で従業員数を合算する場合もある。

(注)従業員数のカウント方法の詳細については、下記【関連情報】のジェトロ資料を参照。

・ 50人未満の企業は、ビジネス継続が困難等を理由に適用免除となる場合がある。

・ 従業員は以下の理由に基づき労働(テレワーク含む)ができない場合に、最大 2週間(最大 80時

間)の傷病休暇を受けることが可能。

(1)連邦、州、自治体の検疫または隔離命令の対象となっている場合

(2)感染の懸念があり、医療機関より自主隔離するように助言されている場合

(3)感染の疑いのある症状が出ており、医療機関による診察を求めている場合

(4)従業員が(1)や(2)に該当する家族等の個人を介護している場合

(5)学校や子育支援施設の閉鎖等により保育提供者が従業員の子供をケアできない場合

(6)保健福祉長官が指定する実質的に感染に近い症状がある場合

・ 傷病休暇に加え、上記(5)を理由に、最大 10週間の家族・医療休暇の延長が可能

【留意事項】

・ 雇用主が支払う給与については、上記理由(1)~(6)に応じて、以下のとおり:

(1)~(3) 通常給与の満額(1日 511 ドルが上限)

(4)~(6) 通常給与の 3分の 2(1日 200 ドルが上限)

・ 雇用主は、社内の目立つ場所に規定を紹介する労働局のポスターを掲示する義務を負う。

・ 雇用主は、有給の病気休暇を取得に関わる苦情を申し立てる従業員、関連する訴訟を起こす従業員に

対して、解雇や懲戒、その他の方法で差別してはならない。

・ 法律に違反する雇用者は、民事制裁金(ペナルティ)の対象となる可能性がある。ただし、2020年 4月

17日までは調整期間として、同期間中は違反とならない。

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

関連情報

【労働省による家族第一・新型コロナウイルス対応法(FFCRA)の解説ページ】

https://www.dol.gov/agencies/whd/ffcra

【ジェトロ:家族第一・新型コロナウイルス対応法(FFCRA)に関する Q&A(米国)】

https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/covid-19/us/us_report_FFCRA_qa.pdf

【米労働局:家族第一・新型コロナウイルス対応法(FFCRA)に関する Q&A】

https://www.dol.gov/agencies/whd/pandemic/ffcra-questions

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

失業保険の給付拡充

(Unemployment Insurance Relief During COVID-19 Outbreak)

内容

【概要】

・ 2020年 3月に施行した「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障(CARES)法」に基づき、失業保険

について、給付の対象拡大や増額、期間延長などが実現。

(注)通常、州の失業保険は、直近 52週間の所得に応じて、最長 26週間まで給付される。給付上限や

延長の有無は、州によって異なる。課税対象となるが、確定申告を行うか源泉徴収を選択することが可能。

【主な適用対象・補償内容】

1.給付対象の拡大(Pandemic Unemployment Assistance:PUA)

<対象>新型コロナウイルスの影響で就労ができない自営業者、独立請負業者、フリーランス等で、連邦・州の

失業保険などの対象外である者または同保険の受給が満了した者

<内容>州が規定する失業保険の給付額が最長 39週間にわたり給付される

<期間>2020年 12月 31日まで

2.給付の増額(Federal Pandemic Unemployment Compensation)

<対象>州の失業保険受給者の他、PUAや PEUC(下記参照)等の受給者

<内容>州の失業保険受給額に加えて、週 600 ドルの給付を受けることが可能

<期限>2020年 7月 31日まで

3.給付期間の延長(Pandemic Emergency Unemployment Compensation:PEUC)

<対象>2019年 7月 1日以降に州の失業保険受給が満了した者

<内容>13週間(従来の給付期間と合わせて最長 39 週間)

<期限>2020年 12月 31日まで

【給付例:ニューヨーク州】

・ 上限は週 504 ドル(これに2.の 600 ドルが上乗せ)、最長 26週間(3.の 13週間が延長可)

(注)各州の具体的な給付額について、州労働局ウェブサイトで試算が可能

関連情報

【労働省:州別失業保険に関わる情報(内容、申請方法等)】

https://www.careeronestop.org/LocalHelp/UnemploymentBenefits/find-unemployment-

benefits.aspx?location=CT&keyword=&persist=true&ajax=0

【在ニューヨーク日本国総領事館】 ※上記内容の作成において資料提供を受けた。

https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/unemployment-info.html

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確定申告に関わる救済措置(確定申告の締切延長)

(Relief for Taxpayers Affected by Ongoing Coronavirus Disease 2019 Pandemic)

内容

【概要】

米国歳入庁は、新型コロナウイルスの影響を受けた企業や個人に対して、連邦所得税申告書の提出と所得税

の支払い期限を 4月 15日から 7月 15日まで延長すると発表(Notice 2020-18)。

【延長対象となる申告書番号】

・ Form 1040, 1040-SR, 1040-NR, 1040-NR-EZ, 1040-PR, 1040-SS

・ Form 1041, 1041-N, 1041-QFT

・ Form 1120, 1120-C, 1120-F, 1120-FSC, 1120-H, 1120-L, 1120-ND, 1120-PC, 1120-

POL, 1120-REIT, 1120-RIC, 1120-SF

・ Form 8960

・ Form 8991

※Form 990-T に関しては、4月 15日が提出期限だったものについてのみ、7月 15日まで延長。5月 15

日が提出期限だったものは、Notice 2020-18では延長対象となっていない。

関連情報

【米国歳入庁の新型コロナウイルス関連措置のページ】

https://www.irs.gov/coronavirus-tax-relief-and-economic-impact-payments

【支払い及び支払い期限に関する質問と回答】

※随時更新のため、最新情報はこちらでご確認下さい。

https://www.irs.gov/newsroom/filing-and-payment-deadlines-questions-and-answers

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

メインストリート融資プログラム

(Main Street Lending Program)

内容

※本支援制度は未だ申請の受付が開始されていません。米政府から発表があり次第、情報を更新致します。

【概要】

連邦準備制度理事会(FRB)は 4月 9日、従業員 1万 5,000人以下もしくは 2019年の年間売上

高が 50億ドル以下の企業を対象に、利用する融資制度に応じて最大2億ドルの融資を提供するプログラ

ムの設立を発表。同プログラムでは、財務省がコロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES

Act)に基づき 750億ドルを投じて本制度を運営するための特別目的事業体(SPV)を設立し、これによ

り最大 6,000億ドル規模の融資提供を見込む。

プログラムは 3つの融資制度に分かれる。貸主・借主の間で、2020年 4月 8日以降、新たに融資を行う

場合はメインストリート新規融資制度(Main Street New Loan Facility:MSNLF)もしくはメインスト

リート優先融資制度(Main Street Priority Loan Facility:MSPLF)、同日より前に存在する既存

融資を拡大する場合はメインストリート拡大融資制度(Main Street Expanded Loan Facility:

MSELF)をそれぞれ活用することとなる。

(注)今後詳細が確定した後に、企業・団体は適格な金融機関や銀行持株会社等を通じて融資を受け

ることが可能となる(2020年 5月 1日時点)

【申請要件】

従業員数 1万 5,000人以下または 2019年の売上高が 50億ドル以下であること。

米国内で創設または米国法に基づき設立された事業であり、その事業の相当部分が米国において行われ、

かつ従業員の大半が米国に常駐していること。

(注)FRB は「事業の相当部分が米国(で行われている)」の例として、子会社(subsidiary)と合算

した資産や純利益、純営業利益、純費用の過半が米国内で生じている場合を挙げている。親会社や親会

社が保有する他子会社は合算に含まない。

新型コロナウイルスの影響で財政状況が悪化していることや、融資期間内に給与や従業員の維持のために

「合理的な努力」に努めること。

【融資内容】

融資の最低額は 25万ドル(MSELF のみ 1,000万ドル)。融資の上限や返済方法については、融資の

枠組みに応じて以下のとおり異なる。

<MSNLF>

・次のうち小さい方の金額が融資上限:(i)3,500万ドル、(ⅱ)借主の既存の債務残高と発行済・未実

行の債務に加算する場合、2019年の EBITDA(利払前・税引前・償却利益)の 4倍を超えない金額

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

<MSPLF>

・次のうち小さい方の金額が融資上限:(i)5,000万ドル、(ⅱ)借主の既存の債務残高と発行済・未実

行の債務に加算する場合、2019年の EBITDA(利払前・税引前・償却利益)の 6倍を超えない金額

<MSELF>

・次のうち小さい方の金額が融資上限:(ⅰ)3億ドル、(ⅱ)借主の既存の債務残高および発行済・未実

行の債務の合計額の 35%、(ⅲ)借主の既存の債務残高と発行済・未実行の債務残高に加算する場合、

2019年の EBITDA の 6倍を超えない金額

下記の条件はいずれの融資制度も同じ(手数料のみ異なる)。

5年満期、元本の返済は 2年間、利息の返済は 1年間繰り延べられる(未払い金利は資金計上され

る)。

元本返済期限:5年(2年目まで猶予、3年目 15%、4年目 15%、5年目 70%)

金利はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)(1 ヵ月物または 3 ヵ月物)からプラス 300ベーシスポイント

(3.0%)の変動金利とする。

手数料として、貸主(銀行等)は元本の 100ベーシスポイント(1%)を、本制度を所管する SPV に支

払い、同費用を借主に請求することができる(貸主の裁量次第)。また、借主は元本の 1%に相当する金

額を貸主に支払う。(MSELF のみ、いずれの手数料も 75ベーシスポイント〔0.75%〕)

違約金が伴わない期日前返済が可能。

【申請手続き・必要書類】

申請手続きは追って詳細発表された後に、本融資制度の参加機関に申し込みを行う。

【留意事項】

外国企業の子会社であっても、米国において又は米国法に基づき設立・組織され、事業の相当部分と従業

員の大半を米国内で保持している限り、借主の適格性は失われない。ただし、本プログラムで受けた融資は

借主やその米子会社、米国でビジネスを行う関係会社にのみ使用可能で、親会社への使用は禁止。

本プログラムで受けた融資を、他の融資の返済や借り換えに用いることはできない。

融資を全額返済するまでの間は、義務付けられた元本の返済を除き、同等または優先度の低い債務の返

済は控える必要がある。ただし、MSPLFは融資を受けるタイミングで既存債務を本件貸主以外の金融機関

などに借り換えることが可能。

あらゆる金融機関との間で、未使用の融資枠の解約および引き下げは禁止。

融資後、最低 90日間は金融上の債務を履行するとともに破産申請を行わないとの証明が必要。

MSNLF と MSPLF、MSELFはいずれかしか申請することができない。また、いずれかに申し込む場合、FRB

が提供する、大企業向けの融資や社債の引き受けを行う Primary Market Corporate Credit

Facility を用いることはできない。ただし、給与保護プログラム(PPP)に基づく融資を受けた企業でも本融

資の申請は可能。

関連情報

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

【制度に関わる情報】

連邦準備制度理事会(FRB):制度概要や運用状況、議会向け報告書などを掲載

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/mainstreetlending.htm

ボストン連邦準備銀行:貸主の登録申請や参加契約書、各種証明手続きなどを掲載

https://www.bostonfed.org/supervision-and-regulation/supervision/special-

facilities/main-street-lending-program/information-for-lenders/docs.aspx

【問合せ先:ボストン連邦準備銀行】

[email protected]

※本制度の運営はボストン連銀が所管。

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

関税等の支払時期の 90日間延期

(COVID-19 90-Day Duty Postponement)

内容

【概要】

新型コロナウイルスの影響で金銭的に困難な状況にある輸入者のため、輸入関税などについて 90日間の支払

延長の猶予が与えられる。

【適用対象・基準】

・ 2020年 3月~4月において、国内消費を目的に行われた、輸入または倉庫(外国貿易地域(FTZ)

を含む)からの出庫

・ 新型コロナウイルスの影響で、政府が商業、旅行、集会を規制したことによって、事業が中断された結果、

収益総額が 2019年同期比で 60%以下になった輸入者

(注)収益の算定期間は 3月 13日~31日もしくは 4月 1日~30日とする。

【申請手続き】

・ 税関国境保護局(Custom and Border Protection:CBP)への書類提出など手続きは不要。

ただし、上記適用基準を満たすことを示す関連書類は保有しておく必要がある。

【留意事項】

・ 支払い済の関税、諸税および輸入手数料は対象外であり、今回の措置で返金されることはない。

・ 以下の関税は対象外:

a) アンチダンピング関税および相殺関税

b) 1962年通商拡大法 232条に基づく関税(鉄鋼・アルミニウム製品の輸入が対象)

c) 1974年通商法 201条に基づく関税(太陽光セル・パネル、洗濯機・同部品の輸入が対象)

d) 1974年通商法 301条に基づく関税(特定の中国・EU原産品の輸入が対象、注)

(注)具体的な対象品目は米通商代表部(USTR)ウェブサイトを参照。

・ 支払猶予に関して、利息、罰則、損害賠償またはその他の制裁措置は発生しない。

ただし、CBP に対するその他の債務の支払い期限は猶予されない。

・ CBPは、3月 20~26日に同様に関税支払猶予の申請を受け付けていたが、突如受付を終了した経緯

がある。CBPは、追加・変更情報について当局からの情報を注視するよう勧めている。

関連情報

【関税国境保護局(CBP)ウェブサイト】

プレスリリース

https://content.govdelivery.com/accounts/USDHSCBP/bulletins/2875383

FAQ(よくある質問)

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

https://www.cbp.gov/trade/basic-import-export/frequently-asked-questions-90-day-

postponement

【ジェトロ:ビジネス短信「米国税関国境保護局(CBP)が 90日間の輸入関税などの支払い猶予措置を発

表」(2020年 4月 22日、ロサンゼルス事務所)】

https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/04/66de31d6135dbd36.html

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

新型コロナウイルス対策補正予算法

(Coronavirus Preparedness and Response Supplemental Appropriations Act,

2020)

内容

【概要】

緊急補正予算法(3月 6日施行)において、新型コロナウイルスの影響で資金的損害を受けた中小企業へ

の低利融資が盛り込まれた。その他、ワクチンの研究・開発費や、連邦・州・自治体の財政支援、外国の医療

機関支援のための予算措置を含む。

【対象機関】

中小企業庁、保健福祉省、国務省

【予算措置の内容】

・ 中小企業庁が実施する「経済的損失災害融資(EIDL)」プログラムに対して追加予算を付与。米国で

事業を行う中小企業は EIDL プログラムによる低金利の融資(上限 200万ドル)に申請可能。

※EIDL については本ファイルの「経済的損失災害融資(EIDL)」の項を参照。4月 16日以降、申請

受付を停止中。

・ 保健福祉省については、ワクチンや治療法、診断方法に関わる研究開発、医療・医薬品などの生産、調達

のために予算が付与される。また、米国疾病予防管理センター(CDC)を通じて、州、地方の医療機関に

対策費を分配。

・ 国務省には、各国の米国大使館とその他国務省関連機関に勤める職員の緊急避難に向けた準備・活動

費を補填。また、影響を受けた国の医療機関への経済・医療支援を強化。

関連情報

【新型コロナウイルス対策補正予算法の原文】

https://www.congress.gov/116/bills/hr6074/BILLS-116hr6074enr.pdf

【同法に関わる議会上院・歳出委員会作成の概要】

https://www.appropriations.senate.gov/imo/media/doc/Coronavirus%20Emergency%20

Supplemental%20Summary.pdf

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米連邦政府 2020年 6 月 10日時点

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