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兵庫教育大学 研究紀要 第542019 2 pp.127 133 大学生の体育実技におけ るス ポーツ経験と 思考力 ・ 判断力 と の関係 The Relationship Between the Sport Experiences in Physical Education Classes and the Thinking and Judgement Abilities Among in University Students 中須賀 * 阪 田 俊 輔** NAKASUGA Takumi SAKATA Shunsuke 本研究の目的は, 大学体育実技におけ る経験に対す る評価と 思考力 ・ 判断力 と の関係について検討す るこ と であ る. 学生を対象に体育実技におけ るスポーツ経験評価尺度と思考力 ・ 判断力の自己評価尺度を実施し , データに欠損がなかっ 150(男性52, 女性98; 平均年齢19.29±.49) を分析対象者 と し た. 分析は体育実現経験を独立変数, 思考力 ・ 判断力 を従属変数と し た重回帰分析 (強制投入法) を行った. 本研究の結果は以下に示す通り である. ( 1 ) 「自己開示」 は 「学び合い」 に正の影響を与えた. ( 2 ) 「自己開示」 と 「挑戦達成」 は 「学習成立の基盤」 に正の影響を与えた. ( 3 ) 「楽し さ実感」 「観察 ・ 分析 ・ 解決」 に正の影響 を与え た. 以上のこ とから , 体育実技経験は学生の思考力や判断力に 異なる影響を与えることが示唆された. The purpose of study was to examine the relationship between the sport experiences in physical education classes and the thinking and judgement abilities among in university students. The participants were 150 university students (52 men and 98 women, mean age= 19.29 ±.49 years) who completed questionnaires on sport experiences in physical education classes, and thinking and judgement abilities. The multiple regression analyses ( forced entry method) were conducted to examine the influence of sport experiences in physical education classes on the thinking and judgement abilities. The results of the study suggested the following processes: (1) The self-disclosure had a positive influence on mutual learning . (2) The self- disclosure and challenge had a positive influence on foundation of learning establishment . (3) The enjoyment had a positive influence on observation, analysis and problem-solving . In conclusion, the sport experiences in physical education classes had different influence on the thinking and judgement abilities in university students. キーワード : 大学生, 体育, スポーツ経験, 思考力, 判断力 Key words : university students, physical education classes, sport experiences, thinking ability, judgement ability 1. はじめに 文部科学省 (2017) による第 2 期スポーツ基本計画で , スポーツの価値を①スポーツで 「人生」 が変わる , ②スポーツで 「社会」 を変える , ③スポーツで 「世界」 とつながる , ④スポーツで 「未来」 を創るという 4 つの 観点 から 説明 し , 「スポーツ参画人口」 の拡大や 「一億 総スポーツ社会」 の実現に取り 組むこ と を基本方針と し て提示している . こ れからの大学における体育 ・ スポー ツは, こ の方針 に対 し , どのように関わることができる のかについて考えていく 必要があるだろう . その関わり 方の一つと し て, 多 く の大学には全学学生を対象に開講 れる教養 ての体育あ るいはス ポーツ をべ一 ス とし た実技科目がある. 笹原ほか (2006) は多 く の国立大学 において教養学部が廃止されて以降, 体育やスポーツの 実技科目は必修科目から 選択科目 と な っ たが, その履修 者は全国で 7 割程度存在 し ており , こ れら は大学生自身 が体育やスポーツの存在意義を認めているのではないか と推察している . それでは, 大学生は体育やスポーツの 実技科目に一体何を求めているのだろう か. 大学生が体 育やスポーツの実技科目に対 し , どう 価値や意義 を感 じ ているかについて検討している研究では, 動けることが 楽しい, 仲間づく りができるなどを感じていることが報 告されている ( 笹原ほか, 2006 ; 多胡, 2006 ; 中野, 2017) . また体育実技を通した学生の成長度について検 討している研究では, 体育実技の中で教員と学生で意見 交換するための大福帳を用いたことによって対人コミ ュ ニケーショ ンが向上したこと ( 西田ほか, 2009) , 業内 で自己調整学習 ノ ー ト を用い て自己の動 き や活動内 容をモニタ ングしながら様々な計画 ・ 目標を設定した こ と によ っ て自己効力感が高ま っ たこ と (須崎 ・ 杉山, 2017) なども報告されている . このように, 大学におけ る体育やスポーツの実技科目は学生自身が受講する価値 や意義を理解しており , さ ら には身体活動 を通 じ て心身 の成長に貢献してきた重要な科目の一つと言えるだろう . ところで, 中央教育審議会 (2008) は 「学士課程教育 の構築に向けて」 の答申を取り まと めており , その中で * 兵庫教育大学大学院教科教育実践開発専攻生活 ・ 健康 ・ 情報系教育 コ ース 助教 * * 九州産業大学 127 平成30 1019 日受理

大学生の体育実技におけるスポーツ経験と思考力 ・ …repository.hyogo-u.ac.jp/dspace/bitstream/10132/17754/1/...兵庫教育大学 研究紀要 第54巻 2019年2

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兵庫教育大学 研究紀要 第54巻 2019年 2 月 pp.127 133

大学生の体育実技におけ るスポーツ経験と思考力 ・ 判断力 と の関係

The Relationship Between the Sport Experiences in Physical Education Classes and the Thinking and Judgement Abilities Among in University Students

中須賀 巧* 阪 田 俊 輔**NAKASUGA Takumi SAKATA Shunsuke

本研究の目的は, 大学体育実技におけ る経験に対す る評価と思考力 ・ 判断力 と の関係について検討す るこ と である . 大

学生を対象に体育実技におけ るスポーツ経験評価尺度と思考力 ・ 判断力の自己評価尺度を実施し , データ に欠損がなかっ

た150名 (男性52名, 女性98名 ; 平均年齢19.29±.49歳) を分析対象者と した. 分析は体育実現経験を独立変数, 思考力 ・

判断力 を従属変数と した重回帰分析 (強制投入法) を行った. 本研究の結果は以下に示す通り である. ( 1 ) 「自己開示」

は 「学び合い」 に正の影響を与えた. ( 2 ) 「自己開示」 と 「挑戦達成」 は 「学習成立の基盤」 に正の影響を与えた. ( 3 )

「楽 し さ実感」 は 「観察 ・ 分析 ・ 解決」 に正の影響を与えた. 以上のこ とから , 体育実技経験は学生の思考力や判断力に

異な る影響 を与え るこ と が示唆 さ れた .

The purpose of study was to examine the relationship between the sport experiences in physical education classes and the

thinking and judgement abilities among in university students. The participants were 150 university students (52 men and 98

women, mean age= 19.29±.49 years) who completed questionnaires on sport experiences in physical education classes, and

thinking and judgement abilities. The multiple regression analyses ( forced entry method) were conducted to examine the

influence of sport experiences in physical education classes on the thinking and judgement abilities. The results of the study

suggested the following processes: (1) The self-disclosure had a positive influence on “mutual learning”. (2) The self-

disclosure and challenge had a positive influence on foundation of “learning establishment”. (3) The enjoyment had a positive

influence on “observation, analysis and problem-solving”. In conclusion, the sport experiences in physical education classes had

di fferent influence on the thinking and judgement abil ities in university students.

キーワード : 大学生, 体育, スポーツ経験, 思考力, 判断力

Key words : university students, physical education classes, sport experiences, thinking abili ty, judgement ability

1 . はじ めに

文部科学省 (2017) によ る第 2 期スポーツ基本計画で

は , ス ポーツの価値 を①ス ポーツ で 「人生」 が変わる ,

②スポーツで 「社会」 を変え る , ③スポーツで 「世界」

と つながる , ④スポーツで 「未来」 を創る と いう 4 つの

観点から説明 し , 「スポーツ参画人口」 の拡大や 「一億

総スポーツ社会」 の実現に取り 組むこ と を基本方針と し

て提示 し てい る . こ れから の大学におけ る体育 ・ ス ポー

ツは , こ の方針に対 し , どのよ う に関わる こ と がで き る

のかについ て考え てい く 必要があ る だ ろ う . その関わり

方の一つと し て, 多 く の大学には全学学生を対象に開講

さ れる教養と し ての体育あ るいはス ポーツ をべ一 ス と し

た実技科目がある. 笹原ほか (2006) は多 く の国立大学

におい て教養学部が廃止 さ れて以降 , 体育やス ポーツの

実技科目は必修科目から 選択科目と な っ たが, その履修

者は全国で 7 割程度存在しており , こ れらは大学生自身

が体育やス ポーツの存在意義 を認めてい るのではないか

と推察 し てい る . それでは, 大学生は体育やス ポーツの

実技科目に一体何を求めてい るのだ ろう か. 大学生が体

育やスポーツの実技科目に対 し , どう 価値や意義 を感 じ

てい るかについ て検討 し てい る研究では, 動け るこ と が

楽 しい , 仲間づ く り ができ るな どを感 じてい るこ と が報

告さ れている (笹原ほか, 2006 ; 多胡, 2006 ; 中野, 2017) . また体育実技 を通し た学生の成長度について検

討 し てい る研究では, 体育実技の中で教員 と学生で意見

交換す るための大福帳 を用い たこ と によ っ て対人 コ ミ ュ

ニケーシ ョ ンが向上 し たこ と (西田ほか, 2009) や, 授

業内で自己調整学習ノ ート を用いて自己の動きや活動内

容をモニ タ リ ン グし ながら様々な計画 ・ 目標を設定 し た

こ と によ って自己効力感が高まったこ と (須崎 ・ 杉山, 2017) な ども 報告 さ れてい る . こ のよ う に, 大学におけ

る体育やスポーツの実技科目は学生自身が受講する価値

や意義 を理解 し ており , さ ら には身体活動 を通 じて心身

の成長に貢献してきた重要な科目の一つと言え るだろう .と こ ろで, 中央教育審議会 (2008) は 「学士課程教育

の構築に向け て」 の答申を取り ま と めており , その中で

* 兵庫教育大学大学院教科教育実践開発専攻生活 ・ 健康 ・ 情報系教育 コ ース 助教

* * 九州産業大学

127

平成30年10月19 日受理

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中須賀 巧 阪 田 俊 輔

学士力に関し , 学生の知識 ・ 理解, 汎用的技能, 態度 ・

志向性, 総合的な学習経験と創造的思考力 と い っ た資質

能力 を養成 し てい く こ と が重要な課題である と 記 し てい

る . 大学教育では, 学生に幅広い知識を身につけ させる

こ と に加え , その身につけ た知識を他者に伝え る , ある

いは実生活に役立てるこ と ができ る力 , さ ら には自身の

考え を整理 し , 新たな課題 を発見 ・ 解決し てい く こ と が

でき る力な ども同時に育ませてい く こ と が必要になる . このよう な基礎知識の習得や応用力の獲得に対 し , 大学

体育では学生の思考力 ・ 判断力 を養成するこ と で貢献が

可能であると考え ら れる. 体育学習場面における思考力 ・

判断力に関する研究では, 小林ほか (2016) が中学生を

対象に 5 つの下位尺度 (「情報収集」 , 「学び合い」 , 「課

題解決」 , 「運動観察 ・ 分析」 , 「学習成立の基盤」) から

構成 さ れる 「思考力 ・ 判断力の自己評価尺度」 を作成し

てい る . こ の尺度開発によ っ て , 体育学習中に どの程度

思考力 ・ 判断力が育成 さ れてい るのかを簡易に測定する

こ と が可能にな っ た. そ し て, 体育授業での思考力 ・ 判

断力が生徒の学習意欲と どのよ う に関連するのかについ

ても検討 さ れており , 運動に対する意欲が思考力 ・ 判断

力 を高める可能性があるこ と を示唆 し てい る (小林ほか, 2017) . しかし , こ のよう に思考力 ・ 判断力がどのよ う

な要因の影響 を受け て向上 ・ 低下す るのかについ ては, そ れほ ど多 く の知見が蓄積 さ れてい る と は言え ない . し

たがっ て, 体育授業の経験がどのよ う に学生の思考力や

判断力に貢献するか判断するためには, 思考力 ・ 判断力

と併せて学生が体育授業 を通し て どのよ う なスポーツ経

験 を し たのかを測定す る必要があ る .大学体育でのスポーツ経験 を測定する方法について,

例えば島本 ・ 石井 (2007) は, 学生がどのよ う なスポー

ツ経験 を し たのかを個人の視点から評価でき る尺度 を開

発 し , さ ら に ラ イ フ スキルと の関係につい て検討 し てい

る . その結果 , 体育授業でのス ポーツ経験は個人によ っ

て様々であ り , その経験がラ イ フ スキルの獲得に異な る

影響 を与え る こ と を確認 し てい る . ま た , 内田 ・ 橋本

(2016) は, 大学生を対象に体育授業経験, 社会的スキ

ル, 向社会的行動の関係について検討 し ており , 授業で

の挑戦や達成 し た経験が学生の向社会的行動に影響を及

ぼすこ と を明 ら かに し てい る . こ れらは , 体育授業での

経験によ っ て獲得 さ れる スキルや行動の仕方が異な る こ

と を示唆す る も のであ る . し たがっ て , 先述 し た学士力

の資質能力の養成に与え る影響も異なるこ とが予測さ れ, その資質能力の一つである思考力 ・ 判断力の高まり に関

す る検討 も必要にな る と 考え る .

以上のこ と から , 本研究では, 大学体育実技におけ る

経験に対する評価と 思考力 ・ 判断力 と の関係について検

討するこ と を目的と した. また思考力 ・ 判断力の尺度は, あ く まで も中学生 を対象に作成 さ れており , そこ で確認

128

さ れてい る因子構造が大学生にも適用可能か否かについ

て も検討す る .

11. 方法1 . 調査対象者

関西地区の 1 大学の大学生155名のう ち, 欠損値のあ

る者や回答に誤り のある者を除外し た150名 (男性52名, 女性98名 ; 平均年齢19.29±.49歳) を分析対象と し た. 調査は体育実技の一部を利用 し て集団実施さ れた.2 . 調査内容

(1) 体育授業経験

学生が体育授業の中で どのよ う な経験を どの程度 し て

い るのかについ ての評価には, 島本 ・ 石井 (2007) が開

発 し た 「体育授業におけ るスポーツ経験評価尺度」 を用

いた . こ の尺度は, スポーツ経験を参加者個人の視点か

ら捉え る ものであり , 4 下位尺度 (「自己開示 : 自 らの

思いや考え を相手に伝え る」 , 「他者協力 : 友人ら と の協

力や励ま し合い を表す」 , 「挑戦達成 : 未経験のプレーや

技に挑戦し , それを成 し遂げる」 , 「楽 し さ実感 : 友人ら

と ス ポーツそのも のを楽 し む」 ) , 全14項目で構成 さ れて

い る . 回答は, 各項目の内容を体育の実技授業で どの程

度経験したかを問う 4 段階 (「 1 点 : なかった」 , 「 2 点 : たまにあっ た」 , 「 3 点 : と き どきあっ た」 , 「 4 点 : よ く

あっ た」 ) の自己評定で求めた.(2) 思考力 ・ 判断力

学生の思考力 ・ 判断力の測定には, 小林ほか (2016) が開発 し た 「思考力 ・ 判断力の自己評価尺度」 を用いた. こ の尺度は, 「情報収集」 , 「学び合い」 , 「課題解決」 , 「運動観察 ・ 分析」 , 「学習成立の基盤」 から なる 5 つの

下位尺度, 計20項目で構成 さ れてい る . 回答は, 各項目

の内容を体育の実技授業で どの程度実施 し てい るかを問

う 5 段階 (「 1 点 : ま った く あてはまら ない」 , 「 2 点 : あまり あてはま ら ない」 , 「 3 点 : どち ら と もいえ ない」 , 「 4 点 : まあ まああ てはま る」 , 「 5 点 : と て も あ てはま

る) の自己評定で求めた. なお , 上記の因子構造は中学

生 を対象に確認 さ れてい る も のであり , 大学生におい て

も同様の因子構造が確認さ れるかについて検証を行 っ た. 3 . 統計解析

大学生におけ る思考力 ・ 判断力の自己評価尺度の因子

構造は , ま ず標本妥当 性 を Kaiser-Mayer-0 lkin の測度

(以下, KM 0 と す る) と Bartlett の球面性検定 (以下, Bs とする) によ り 検証し , 続いて探索的因子分析 (主因子法, バリ マ ツク ス回転) およ び確認的因子分析を実

施 し , 最後 に ク ロ ンバ ツク の a 係数 を算出 し た . なお

探索的因子分析では, 因子負荷量0.40未満を削除対象項

目と し た. また確認的因子分析におけ る因子構造モデル

の採択判断には, GFI (Goodness of Fit Index) , CFI (Comparative Fit Index) , RMSEA (Root Mean Square

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大学生の体育実技におけるスポーツ経験と思考力 ・判断力と の関係

Error of Approximation) を採用 した (豊田ほか, 1992 ; 室橋, 2003) . また各測定尺度の記述統計量と し て, 平

均値, 標準偏差, 相関係数を算出し た. そ し て, 体育授

業経験の下位尺度を独立変数, 思考力 ・ 判断力の下位尺

度を従属変数と した重回帰分析 (強制投入法) を実施し , 変数間の関係につい て検討 を行 っ た. なお全 ての分析に

は, 統計パ ッ ケ ー ジの IBM SPSS Statistics 24.0な ら び

に IBM SPSS Amos 24.0を使用 し , 有意水準は 5 %未

満, 有意傾向は10%未満と し た.

m. 結果1 . 体育授業における大学生の思考力 ・ 判断力評価尺度

の因子構造

まず標本妥当性を確認するための KM 0 と BS の値は,

いずれも統計的基準 (KM0= .86, BS= 1399.35, p<.05) を満た し ていた. 次に小林ほか (2016) が開発 し た思考

力 ・ 判断力自己評価尺度20項目に対 して探索的因子分析

(主因子法, プロ マ ッ ク ス回転) を実施 し , 因子負荷量

の絶対値が.40未満の項目 を削除 し た結果, 最終的に 4 項目 (「学 び合い : どう し た ら も っ と 上手 く な るのかを

友だちに伝えている」 , 「課題解決 : 自分と周り の人 (友だち) の動きの違い を見つけよ う と し てい る」 , 「運動観

察 ・ 分析 : 自分のチームの特徴を見つけよう と している」, 「学習成立の基盤 : 次の時間の学習課題 (「めあて」 や

「 ねらい」 ) が言え る」) が削除さ れ, 4 因子16項目が抽

出 さ れた (表 1 ) . 中学生を対象に し た尺度開発の先行

研究 (小林ほか, 2016) と大学生を対象に した本研究と

の違いは, 「課題解決」 と 「運動観察 ・ 分析」 の項目が

表 1 体育実技における大学生の思考力 ・ 判断力評価尺度の因子構造

因子負荷量

下位尺度および項目内容 第 I 第n 第:m 第rv 共通性因子 因子 因子 因子

第 I 因子 : 観察・ 分析・ 解決(α=.89)

X1 どうしたら上手< なるのかを考えながら、体を動かしている

X2 楽しく運動するため技のポイントを見つけようとしている

X3 いろいろな動きを上手に行うため、どのように体を動かしたら良いのかを考えている

X4 動きを身につけるため、技のポイントを見つけようとしている

X5 「できない」ことでも、どのように体を動かせば「できるか」を理解している

X6 楽しく運動するため、工夫して運動している

12 .28 .09 .67

09 .24 .17

19 .21 .14

29 .22 .14

26 .00 .00

13 .16 .19

66

64

68

48

47

第 II 因子: 情報収集(α=.88)

楽しく運動するため、教科書 (配布プリント) 以外の本で情報を集めているX7 (体育の時間以外を含む)

上手に体を動かすため、インターネットで情報を集めているX8 (体育の時間以外を含む)上手に体を動かすため、教科書 ( 配布プリント) 以外の本で情報を集めているX9 (体育の時間以外を含む)楽しく連動するため、インターネットで情報を集めているX10 _ _ _ __ _ _ . . . ・ _ ^ ・ 、

18

6

1

3

2

2

1

8

7

7

0

7

7

7

7

22 -.03

12 .11

22 .08

13 .23

69

69

70

58

第 III因子 :学び合い(α=.84)

X i i 周りの人 ( 友だち) が上手になるため、技のポイントをf云えている

X12 周りの人 ( 友だち) がどのような動きをしているのかを他 の人に伝えている

X13 自分が上手にできたら、そのポイントを周りの人 (友だち) に伝えている

29 .34

41 .20

47 .35

28

2

85

6

33

8

10

0 国

80

2

76

5

第「V因子 :学習成立の基盤(α=.71)

X14 周りの人 ( 友だち) と安全面について考えている

X15 自分はいつも安全面について考えている

X16 周りの人 ( 友だち) と安全面について話し合っている

129

16 .05 -.01

07 .07 .05

19 .28 .33

4

3

9

7

7

4

57

54

46

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中須賀 巧 阪 田 俊 車南

統合 さ れた点であ る . そのため, 本研究ではそ れら両因

子名 を併せて 「観察 ・ 分析 ・ 解決」 と した. また 「学び

合い」 と 「学習成立の基盤」 の 2 つの因子からは 1 項目

ずつ削除 さ れ, そ れぞれ 3 項目 と な っ た . なお , 「情報

収集」 の因 子 か ら 削 除対象 項目は な く , 小 林ほか

(2016) の先行研究と同様の 4 項目と なっ た. 続いて, 確認的因子分析によ る 4 因子16項目の因子構造モデルの

妥当性について検討 を行 っ た (図 1 ) . その結果, GFI がやや低い値ではあ っ たが, 許容 さ れる範囲内であり , そ の他 の適合 度 指 標 は基 準 値 を 満 た す 値 で あ っ た

(GFI= .86, CFI= .92, RMSEA= .08) . 最後に信頼性を

確認す る ためク ロ ンバ ツク の a 係数 を算出 し た と こ ろ , 「観察 ・ 分析 ・ 解決」 は a = .89, 「情報収集」 は a = .88, 「学び合い」 は a = .84, 「学習成立の基盤」 はα= .71で

あり , それぞれ基準値 を満たす値であ っ た. 以上のこ と

から , 体育授業内での思考力 ・ 判断力に関し て, 中学生

と 大学生で若干の因子構造に違いは認めら れた ものの, 小林ほか (2016) の思考力 ・ 判断力の自己評価尺度を大

学生対象に用いても信頼性と妥当性は概ね確認する こ と

がで き たのではないかと 考え ら れる . し たがっ て , 大学

生の思考力 ・ 判断力 と し て構成 し た 4 因子16項目の因子

構造で以降の分析 を進めるこ と と し た .2 . 各尺度の基本統計量

各下位尺度の平均値, 標準偏差なら びに相関係数は表

2 に示す通り である. 体育授業経験の各下位尺度と思考

力 ・ 判断力の各下位尺度と の相関係数について述べる . まず体育授業経験の 「自己開示」 は, 「観察 ・ 分析 ・ 解

決」 , 「学び合い」 , 「学習成立の基盤」 にそれぞれ有意な

正の相関 (順に r= .19, .35, .20) を示 し た. 続いて, 「他者協力」 と 「楽し さ実感」 は, 「観察 ・ 分析 ・ 解決」

(順に r= .20, .29) と 「学び合い」 (順に r= .20, .31) にそれぞれ有意な正の相関を示 した . 最後に 「挑戦達成」

は, 「学び合い」 , 「学習成立の基盤」 にそ れぞれ有意な

正の相関 (順に r= .22, .22) を示 し た. 体育授業経験

の下位尺度と 「情報収集」 と の間には有意な相関係数が

認めら れなかっ た .

注)潜在変数(構円)から観測変数(長方形)へのパス, 潜在変数間の共分散を示すパスはすべて5%水準で有意である.

図 1 体育実技における大学生の思考力 ・ 判断力評価尺度の確認的因子分析

130

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大学生の体育実技におけるスポーツ経験と思考力 ・判断力と の関係

表 2 各調査内容の基本続計量 (平均値, 標準偏差, 相関係数)

標準 相関係数平均値 -偏差 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧

体育授業経験

① 自己開示

② 他者協力

③ 挑戦達成

④ 楽しさ実感

10.51 2.40

12.39 2.17 .52 *

7.50

8.99

2.00

1.72

37 * .21 *

53 * .72 * .37 *

思考力

判断力

⑤ 観察・分析・解決

⑥ 情報収集

⑦ 学び合い

19.23 4.56

9.09 3.43

8.19 2.68

19 * .20 * .09 .29 *

15 .04 .14 .12 .46 *

35 * .20 * .22 * .31 * .65 * .56 *

⑧学習成立の基盤 9.31 2.18 .20 * .03 .22 * .11 .36 * .32 * .33 *

表 3 体育授業経験と思考力 ・ 判断力と の関係 *p < 05

独立変数

自己開示 他者協力 挑戦達成 楽しさ実感

決定係数

R2値

観察・分析・解決従属 情報収集

議学び合い

学習成立の基盤

07 -.04 -.04 .30 * .09 * 12 -.13 .08 26 * 19 †

-.11

-.13

07 16 †

1123 †

04 15 *

04 .07 *

3 . 体育授業経験と思考力 ・ 判断力と の関係

体育授業経験の下位尺度を独立変数, 思考力 ・ 判断力

の下位尺度を従属変数と した重回帰分析 (強制投入法) を実施した (表 3 ) . その結果, 「自己開示」 は 「学び合

い」 (β= .26, p<.05) と 「学習成立の基盤」 (β= .19, p<. 10) に正の関係を示 し , 「挑戦達成」 は 「学習成立の基盤」

(β= .16, pく.10) に正の関係 を示 し , 「楽 し さ 実感」 は

「観察 ・ 分析 ・ 解決」 (β= .30, p<.05) と 「学び合い」

(β= .23, p<.10) に正の関係を示 し た. 「他者協力」 か

ら思考力 ・ 判断力の下位尺度への有意あるいは有意傾向

を示すパス係数は確認さ れなかっ た. また 「情報収集」

に関係 を示す体育授業経験の下位尺度から の有意あ るい

は有意傾向のパス係数も確認 さ れなかっ た. なお独立変

数が従属変数を説明する値である決定係数 (以下, R2 とする) は, 上記の結果順に R2= .09, .15, .07であり , 10 %前後の説明力であ っ た.

IV. 考察本研究では, 大学体育実技におけ る経験に対する評価

131

*p< 05 tp< 10と 思考力 ・ 判断力 と の関係について検討す るこ と を目的

と した. またそこ で使用する中学生版の思考力 ・ 判断力

に関す る尺度の因子構造が大学生にも適応可能かについ

て検討 を行 っ た . まず, 使用尺度であ る思考力 ・ 判断力

に関する尺度は, 分析の結果, 最終的に16項目 4 因子構

造と なり , 小林ほか (2016) が示 し た中学生での因子構

造と そ れを構成す る項目と は若干の違い (「課題解決」

と 「運動観察 ・ 分析」 の統合) が認めら れた . 続い て , 大学体育実技におけ る経験に対する評価と思考力 ・ 判断

力 と の関係について検討 を進めた. その結果 「自己開示」

は 「学び合い」 と 「学習成立の基盤」 に, 「挑戦達成」

は 「学習成立の基盤」 に, 「楽 し さ実感」 は 「観察 ・ 分

析 ・ 解決」 と 「学び合い」 にそれぞれ正の関係を示 し た. 以上の結果をそれぞれ 「学び合い」 を高める体育授業経

験, 「学習成立の基盤」 を高める体育授業経験, 「観察 ・

分析 ・ 解決」 を高める体育授業経験の順に考察してい く . 1 . 「学び合い」 を高める体育授業経験

「学び合い」 には 「自己開示」 が正の関係を示 した. こ れは 「自己開示」 の経験が豊富な者ほど, 「学び合い」

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中須賀 巧 阪 田 俊 車南

の得点 も高 く なるこ と を意味 し てい る . 自 らの思いや考

え を相手に伝え る行為である自己開示の経験は, 学習者

に どう し たら も っ と 上手 く な るのかを考え さ せるだけ で

な く , さ ら にそ れを相手にわかり やす く 伝え るための言

葉の選択や注目させたい動きの部分について伝え よ う と

する力 (他者に何かを伝え る力 ) を養う のではないかと示

唆 さ れる .

2 . 「学習成立の基盤」 を高める体育授業経験

「学習成立の基盤」 には 「自己開示」 や 「挑戦達成」

が正の関係を示 し た. こ れは 「自己開示」 や 「挑戦達成」

の経験が豊富な者ほ ど, 「学習成立の基盤」 も高い と い

う こ と を意味 し てい る . つまり授業中の安全面について

考え てい る と い っ た 「学習成立の基盤」 は, 自 ら の思い

や考え を相手に伝え たと いう 経験や新たな プレーや技に

挑戦し , それを成 し遂げるこ と ができたという 経験によ っ

て培われてい く こ と を示唆 し てい る . 例えば, 新たな プ

レーに挑戦す る こ と で , こ れまでにはなかっ た危険性や

困難な部分が学習者には見え るのではないかと考え る . その危険性や困難さ に対 し て学習者は仲間あるいは教員

と 意見交換 し ながら , どのよ う に安全面が保たれるのか

や, どこ に注意 し ながら プレーす るのかと い っ た安全に

運動ができ る場について考え る力が養われるのではない

かと 推察 さ れる .3 . 「観察 ・ 分析 ・ 解決」 を高める体育授業経験

「観察 ・ 分析 ・ 解決」 には 「楽 し さ実感」 が正の関係

を示 した. こ れは 「楽 し さ実感」 の経験が豊富な者ほど, 「観察 ・ 分析 ・ 解決」 の得点 も高いこ と を意味 し てい る . 仲間の動き を見て , その動き を ヒ ン ト に どう やっ た ら自

分に も同 じ よ う な動きができ るのかを考え る力は, 仲間

と ス ポーツそのものを楽 し むこ と がで き た と い う 経験の

中で培われてい く こ と が示唆 さ れた. 楽 し さ実感の経験

は共感や対人関係づ く り な ど仲間 を理解す るために必要

な力 を身につけ る う え で有効的であ る (内田 ・ 橋本 , 2016) . こ のよう な楽 し さ実感を作り 出す和気あいあい

と し た雰囲気やのびのびプレーで き る雰囲気は, 自分の

体を自由に動かすこ と に留ま らず, 仲間の動き を観察し

たり , 自分の動き に対する意見を気軽に仲間に求めるこ

と によ っ て , そこ での様々な意見 を集約 し てい く 力が養

われてい く のではないかと 示唆 さ れる .

V . ま と め

体育授業における経験と学生の思考力 ・ 判断力と の関

係について検討 を行 っ た結果, 以下の 3 点にま と めるこ

と ができ た. ①運動上達のためのポイ ン ト を学生同士が

伝え合 う と い っ た 「学び合い」 は , 自 ら の思いや考え を

相手に伝え る行為である 「自己開示」 の経験が必要にな

る . ②授業中の安全面について考え てい る と い っ た 「学

習成立の基盤」 は, 自 らの思いや考え を相手に伝え たと

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いう 「自己開示」 の経験や新たなプレーや技に挑戦し , それを成 し遂げるこ と ができ たと いう 「挑戦達成」 の経

験によ っ て培 われてい る . ③仲間の動 き を見て , その動

き を ヒ ン ト に どう やっ た ら自分にも同 じよ う な動き がで

き るのかと いう 「観察 ・ 分析 ・ 解決」 は, 仲間と スポー

ツそのものを楽 しむこ と ができ たと いう 「楽 し さ実感」

の経験の中で培われてい る . こ のよ う に体育授業におい

て どのよ う な経験が どの程度あ るのかによ っ て , 向上す

る学生の思考力や判断力に異なる影響を与え るこ と が示

唆 さ れた .

VI . 今後の課題

本研究は, 1 つの大学の学生に対 し て質問紙調査を実

施し たものであり , 広 く 大学生全体に当てはま る知見で

あると は言え ない . したがっ て今後は複数の大学の学生

に対 し ても同様の質問内容について調査を実施 し てい く

必要があ ると考え る . また他の独立変数の存在や媒介変

数の問題も あ る . 例えば, 本研究では体育授業経験を独

立変数と し , 思考力 ・ 判断力 を従属変数と した重回帰分

析を実施したが, 変数同士の説明力 を示す決定係数は10 %前後と 決し て高い値と は言えない . つまり , こ れは独

立変数と し て体育授業におけ る経験以外にさ らに大きな

影響 を与え る変数の存在 を示唆す る も のであ る . あ るい

は経験と思考力 ・ 判断力の間にスポーツに対する内発的 ・

外発的動機づけといった心理変数や行動のと り方といっ

た行動変数な ど何らかの媒介す る変数が存在する可能性

も ある . 以上を今後の課題と し て, 大学体育の意義につ

い て さ ら な る検討 を深めてい く こ と が必要にな る .

謝辞

本研究は JSPS 科研費 (課題番号16H03227, 研究代表

者 橋本公雄教授) の助成を受けた ものである .

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