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Chronic Care Model DAISUKE SON北足立生協診療所
なぜこのテーマが重要か
Edward Wagnerらが提唱しているChronic Care
Modelは、複雑な慢性疾患のケアに関する包括的で多
面
的なアプローチのモデルであり、(1) 地域との連携、(2)
組織化されたケアの提供、(3) 自己管理支援、(4) 診療に
おける意志決定支援、(5) 医療提供システムの設計、(6)
臨床情報システム の6つの要素を含む。
心房細動は年齢とともに増加し、家庭医にとっ
てコモ
ンな慢性疾患であるが、その管理はシステマティ
ックに
行われているとは言いがたい。今回、当診療所に
おける
慢性心房細動患者のケアの実態をChronic Care Modelに
照らして分析した。
NEXT STEP・まず診療所で取り組めることとして、患者
自己
管理支援のためのパンフレット作成、多職種での
心房細動に対するケアの勉強会などを行いたい。
DISCUSSION・Chronic Care Modelに照らして分析すると、心房細動患者に関するケアはまだ組織化されていない状態であり、個々の医師によって行われている。
・多職種チームでの取り組み、患者の自己管理支援、患者と協力した治療計画の策定、地域リソースとの連携などが未だ不十分な領域である。
36%
45%
18%
PT-INR
1.0-1.491.5-1.992.0-2.49
心房細動患者PROFILE
患者数: 18人
平均年齢 (± SD): 74.9 ± 7.7 歳
CHADS2 Score平均値: 2.11 ± 1.45
PT-INR平均値 (± SD): 1.63 ± 0.43
warfarin内服率 (CHADS≧1): 12/16 (75%)
PT-INR至適率 (warfarin内服者): 6/11 (55%)
012345
0 1 2 3 4 5
Case age sex drug PT-INR guideline CHADS2
123456789
101112131415161718
F warfarin 1.07 2.0-3.0 2M warfarin 1.97 2.0-3.0 1M warfarin 1.16 2.0-3.0 3M warfarin 1.89 1.6-2.6 3M warfarin 2 1.6-2.6 1M warfarin 2 1.6-2.6 1M warfarin 1.73 1.6-2.6 5F warfarin - 1.6-2.6 2 PafM warfarin 1.05 1.6-2.6 2F warfarin 1.15 1.6-2.6 5F warfarin 1.86 1.6-2.6 1F warfarin 2.08 1.6-2.6 3M aspirin - warfarin 1M aspirin - aspirin 0 PafM aspirin - warfarin 3F aspirin - warfarin 2 PafF aspirin - warfarin 3 易転倒性M なし - aspirin 0
CHADS2スコア分布
地域との連携* 地域社会資源とのつながり:「心友会」など心疾患患者会の利用* 地域組織との協力体制:「足立区循環器情報ネットワーク」の利用
自己管理支援* 自己管理のサポート体制:自己管理のためのパンフレット配布自己管理ための学習会への参加* 患者と家族の不安に対するケア:自助グループや医療者による支援プログラムによるサポート
診療における意志決定支援* エビデンスに基づいたガイドライン利用:「心房細動治療(薬物)ガイドライン2006年度版」(2005年度合同研究班)の利用* 慢性疾患ケアについての医療者への教育:医師への教育は行われている
当診療所での慢性心房細動患者のCHRONIC CARE
診療における意志決定支援* 診療を改善させるための専門医の関与:専門医による研修会や家庭医へのトレーニング* 慢性疾患ケアについての医療者への教育:看護師・医療事務など医師以外への教育* 患者に対するガイドラインの情報提供:患者用に作成されたガイドラインの利用
医療提供システムの設計* ケアの継続性(他医療者との連携):専門医との連携は弁膜症や冠動脈疾患合併例で行われている
医療提供システムの設計* 診療チームの機能と指導的役割:定期的なミーティング、チームリーダーの任命* 診療予約システム・フォローアップ:計画的なガイドラインにそったフォローアップ
臨床情報システム* 患者登録(全患者のリストアップ):電子カルテの「慢患登録」機能により可能である* 医療者へのリマインダー:電子カルテの検査の年間計画のリマインダー機能
臨床情報システム* 医療者へのフィードバック:定期的なチームあるいは個人へのフィードバック* 患者の治療計画:自己管理目標を含んだ患者と医療者の協力による治療計画の策定
すでに実施できている点
これから取りくむべき点
北足立生協診療所で、現在実施できている点、できていない点についてまとめてみました
参考文献:T. Bodenheimer “Improving Primary Care - Strategy and Tools for a Better Practice” McGraw-Hill Medical. 2006.