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3 経済概況 17 経済概況 経済概観 ベトナム経済の歩み ~「ドイモイ」から「アジア通貨危機」~ 1980 年代に入り、社会主義的経済運営の行き詰まりとソ連をはじめとした友邦国からの援助の 停滞から経済危機に陥ったベトナムは、1986 12 月の第 6 回ベトナム共産党大会において、計 画経済路線に代えて、市場経済に則った「ドイモイ政策」(「ドイモイ」はベトナム語の「刷新」 を意味する)と呼ばれる新たな経済改革路線を採択した。この「ドイモイ(刷新)政策」は、旧 ソ連の「ペレストロイカ」(再構築、改革)に倣ったもので、対外経済開放、企業自主権拡大、農 家請負制導入などの資本主義的な制度を採り入れている点に特色がある。 「ドイモイ政策」の下でベトナムの経済成長率は回復するものの、通貨価値の下落とインフレ の昂進が 1992 年頃まで続く。特に 19871989 年の 3 年間は、年間の通貨価値の下落率が 7080と高く、1986 年末時点では 1 ドル 22 ドン台だった為替レートは 1989 年末には 5,348 ドンと、通 貨価値は 1986 年末の 0.4%に減価した。この結果、当該 3 年間で物価水準も 43 倍に高騰し、ドル 建ての 1 人あたり GDP 1987 年の 675 ドルから 1989 年には 97 ドルへと急落した。 図表 3-1 実質経済成長率と 1 人あたり GDP の推移 (出所)IMF より作成、予想は IMF 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 10% 11% 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 80 85 90 95 00 05 10 15 20 (ドル) (暦年) 1人あたりGDP(左軸) 実質GDP成長率(右軸) (予想) 1988:外国投資法制定 2003:日越投資協定締結 19971998:アジア通貨危機 1998:APEC加盟 1986:ドイモイ路線開始 1995:米国との国交正常化 ASEAN正式加盟 2000:改正外国投資法 2006:共通投資法・ 統一企業法 2014:投資法・企業法 1991:カンボジア和平 パリ協定

経済概況 - JBIC第3 章 経済概況 19 2008 年以降、ベトナムの経済成長率は7%を下回っているが、5~6%台の成長は持続している。2011 年の金融引き締め局面では企業活動が全般的に停滞したものの、世界的なスマートフォン需

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  • 第 3 章 経済概況

    17

    経済概況

    経済概観

    ベトナム経済の歩み ~「ドイモイ」から「アジア通貨危機」~

    1980 年代に入り、社会主義的経済運営の行き詰まりとソ連をはじめとした友邦国からの援助の停滞から経済危機に陥ったベトナムは、1986 年 12 月の第 6 回ベトナム共産党大会において、計画経済路線に代えて、市場経済に則った「ドイモイ政策」(「ドイモイ」はベトナム語の「刷新」

    を意味する)と呼ばれる新たな経済改革路線を採択した。この「ドイモイ(刷新)政策」は、旧

    ソ連の「ペレストロイカ」(再構築、改革)に倣ったもので、対外経済開放、企業自主権拡大、農

    家請負制導入などの資本主義的な制度を採り入れている点に特色がある。

    「ドイモイ政策」の下でベトナムの経済成長率は回復するものの、通貨価値の下落とインフレ

    の昂進が 1992 年頃まで続く。特に 1987~1989 年の 3 年間は、年間の通貨価値の下落率が 70~80%と高く、1986 年末時点では 1 ドル 22 ドン台だった為替レートは 1989 年末には 5,348 ドンと、通貨価値は 1986 年末の 0.4%に減価した。この結果、当該 3 年間で物価水準も 43 倍に高騰し、ドル建ての 1 人あたり GDP は 1987 年の 675 ドルから 1989 年には 97 ドルへと急落した。

    図表 3-1 実質経済成長率と 1 人あたり GDP の推移

    (出所)IMF より作成、予想は IMF

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    80 85 90 95 00 05 10 15 20

    (ドル)

    (暦年)1人あたりGDP(左軸) 実質GDP成長率(右軸)

    (予想)

    1988:外国投資法制定

    2003:日越投資協定締結

    1997~1998:アジア通貨危機

    1998:APEC加盟

    1986:ドイモイ路線開始

    1995:米国との国交正常化

    ASEAN正式加盟

    2000:改正外国投資法

    2006:共通投資法・

    統一企業法

    2014:投資法・企業法

    1991:カンボジア和平

    パリ協定

  • ベトナムの投資環境

    18

    1990 年代半ばには通貨価値が安定したことでインフレ圧力も低下し、対外的にも 1995 年には米国との国交正常化と ASEAN への正式加盟を果たしたことで、ベトナム経済は安定成長に向かった。1991~1992 年は年間 5 億ドル前後に過ぎなかった海外からの直接投資(実行ベース)も、1994~1997 年には同 28 億ドルと増加し、民間消費と総固定資本形成を併せた実質 GDP 成長率への寄与は平均 8.8%と高成長の牽引役となった。

    しかし、1997 年 7 月にタイを契機に広まったアジア通貨危機は、東南アジア諸国の景気を急速に悪化させたため、ベトナムの成長率は 1997 年の 8.2%から 5.8%(1998 年)、4.8%(1999 年)へと低下した。

    2000 年以降のベトナム経済

    2000 年代に入ると、ベトナム経済へのアジア通貨危機の影響は一巡し、経済成長率も 7%台に回復する。特に 2002~2005 年までは、民間消費と総固定資本形成だけで 8.5%分の成長率をもたらした。しかし、旺盛な内需や 2006 年から急増した海外からの直接投資に伴って貿易赤字が拡大し、外貨準備高の減少、ドンの下落や物価上昇によって、2008 年の成長率は 5.7%へと鈍化した。

    高成長路線よりもインフレ抑制を重視する政策へのスタンス変更となったのが、2011 年 2 月に同国政府が発表したインフレ抑制・マクロ経済安定化を目的とする「政府決議第 11 号」である。当該決議を受けて中央銀行(ベトナム国家銀行)は金融引き締めに転じ、公定歩合の引き上げ(7%→12%)や信用残高の伸び率の 20%以内への抑制等を行った。一連の政策の効果もあって、一時は前年同月比で 20%を超えていた消費者物価上昇率は、2012 年 5 月以降、1 桁台に低下している。

    図表 3-2 実質 GDP 成長率と要因分解

    (出所)ベトナム統計総局より作成

    -10%

    -5%

    0%

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    00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

    (暦年)民間消費 政府支出 総固定資本形成 在庫増減

    純輸出 誤差 実質GDP成長率

    堅調な民間消費と投資活動が

    高い経済成長率をもたらす

    貿易収支の改善が

    経済成長に寄与

    旺盛な投資意欲の反面、

    貿易赤字が拡大に

  • 第 3 章 経済概況

    19

    2008 年以降、ベトナムの経済成長率は 7%を下回っているが、5~6%台の成長は持続している。2011 年の金融引き締め局面では企業活動が全般的に停滞したものの、世界的なスマートフォン需要の増加によって「通信・音響機器」の輸出が急増し、外需が経済成長の牽引役となった。その

    後、2013~2018 年にかけては再び民間消費と総固定資本形成等の内需にシフトしている。両項目の成長率に対する寄与は、2014 年以降、6.5%ポイント以上で推移している。

    2018 年の実質 GDP 成長率は 7.1%と、2007 年(7.1%)以来の高い伸びとなった。GDP の約 2割を占める製造業が前年比 13.0%、1 割相当の卸売・小売業が同 8.5%と、GDP 構成比の高いセクターが牽引役となった。

    中期的なベトナムの成長率に対する期待も高い。IMF の「World Economic Outlook」(2019 年 4月)に基づくと、2012 年から 2018 年にかけてのベトナムの経済成長率は年率 6.4%と、比較可能な世界 192 ヵ国・地域の中で 19 番目の高さとなった。2024 年にかけての経済成長率(同 6.5%)も同 14 番目と、いずれも全体の 1 割にあたる上位 20 ヵ国に含まれており、同国の経済成長率は相対的に高いと期待されている。

    堅調な経済成長が続くベトナムだが、足下のインフレ圧力も低位で落ち着いている。2014 年 7月以降、前年同月比で 5%を下回っていた消費者物価上昇率は、物価の 5%を占める医療関連費や同 6%を占める教育費の上昇を受け、2017 年初頭には一時的に 5%を上回った。しかし、ウェイトの高い食料品や住宅・建築資材の上昇が限定的だったことや、医療関連費と教育関連費の上昇

    寄与が一巡したことで、2017 年 3 月以降の物価上昇率は 5%を下回る水準で推移している。

    また、2015 年に 4 年ぶりに赤字となった貿易収支は 2016 年に黒字に転換し、2018 年は過去最大となる 68 億ドルの貿易黒字を計上した。

    図表 3-3 主要経済指標

    (出所)IMF、ベトナム統計総局より作成

    単位 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

    名目GDP 億ドル 1,060 1,159 1,355 1,558 1,712 1,862 1,932 2,053 2,238 2,452

    1人あたりGDP ドル 1,181 1,297 1,532 1,751 1,899 2,047 2,086 2,172 2,353 2,551

    実質GDP成長率 % 5.4 6.4 6.2 5.2 5.4 6.0 6.7 6.2 6.8 7.1

    人口 万人 8,603 8,693 8,784 8,881 8,976 9,073 9,171 9,269 9,364 9,458

    失業率 % - 2.9 2.2 2.0 2.2 2.1 2.3 2.3 2.2 2.2

    消費者物価上昇率 % 7.1 8.9 18.7 9.1 6.6 4.7 0.9 3.2 3.5 3.5

    輸出額 億ドル 571 722 969 1,145 1,320 1,502 1,620 1,766 2,151 2,435

    輸入額 億ドル 699 848 1,067 1,138 1,320 1,478 1,656 1,748 2,130 2,367

    貿易収支 億ドル -129 -126 -98 7 0 24 -36 18 21 68

    経常収支 億ドル -66 -43 2 94 77 94 -20 6 -16 59

    直接投資流入額(登録) 億ドル 231 199 156 163 224 219 241 269 371 364

    直接投資流入額(実行) 億ドル 100 110 110 100 115 125 145 158 175 191

    外貨準備高 億ドル 160 121 131 252 255 338 279 362 487 551

    為替レート(年平均) ドン/ドル 17,065 18,613 20,510 20,828 20,933 21,148 21,698 21,698 21,698 21,698

  • ベトナムの投資環境

    20

    社会経済 5ヵ年計画(2016~2020 年)

    2016 年 1 月に開催された第 12 回ベトナム共産党全国代表者大会では「社会経済発展の実施結果評価(2011~2015 年)及び社会経済発展任務の方向性(2016~2020 年)に関する報告書」が採択された。その後、同年 3 月には国会で「社会経済開発 5 ヵ年計画(2016~2020 年)」が承認された(図表 3-4)。

    2011 年 1 月、同国共産党は今後 10 年間の社会経済開発に関する指針として、「社会経済開発 10ヵ年計画(2011~2020 年)」を採択しており、現行の 5 ヵ年計画は当該 10 ヵ年計画とほぼ同程度か、または若干下方修正した目標が設定されている。例えば、全体目標の 1 つに、10 ヵ年計画では「2020 年までに工業化達成」と掲げられていたが、現行の 5 ヵ年計画では「早期に近代的な工業国になるための基礎づくり」と位置付け、工業化に対するスピード感を減速させている。また、

    GDP 成長率も、2015 年までの成長率(年率平均 5.9%)に鑑みて、従前の「7~8%」から「6.5~7%」へと引き下げられている。

    尚、5 ヵ年計画の全体目標にある「3 つの突破口に基づいた政策実施の加速化」の中で挙げられた「3 つの突破口」とは、①社会主義志向の市場経済体制の整備、②人材育成・人的資源の形成、③インフラの整備・建設、である。これら 3 点はこれまでもスローガンとして用いられてきたが、当該 5 ヵ年計画では、①知的所有権の保証、土地市場の整備、紛争解決等の仕組みの整備、金融市場や不動産市場等の発展、②教育政策全体のフレームワークの改革、少数民族や貧困層への教

    育、職業訓練の重要性など、③交通インフラや都市インフラの整備の重要性、が指摘されている。

    当該 5 ヵ年計画が始まった 2016 年は目標を下回るペースだったが、3 年目にあたる 2018 年までの実績に基づくと、実質 GDP 成長率(年率)は 6.7%、1 人あたり GDP は 2,551 ドルとなっている。IMF の中期予測を基に推計すると、実質 GDP 成長率(年率)は 6.6%、1 人あたり GDP は2,929 ドルとなり、同国共産党の計画を達成する可能性が従前よりも高くなっている。

    図表 3-4 社会経済開発計画の全体目標と主な経済指標

    (出所)在ベトナム日本大使館ウェブサイトを基に作成

    社会経済開発5ヵ年計画(2016~2020年) 社会経済開発10ヵ年計画(2011~2020年)

    (1) 全体目標 (1) 全体目標

    ・ マクロ経済安定の維持 ・ 政治的・社会的安定の維持

    ・ 過去5年間より高い経済成長率を達成 ・ 人々の物理的・精神的な生活の向上

    ・ 「3つの突破口」に基づいた政策実施の加速化 ・ 独立・領土の保全

    ・ 国際社会における地位向上 ・ 国際社会における地位向上

    ・ 早期に近代的な工業国になるための基礎づくり ・ 2020年までに工業化達成

    ・ 経済再構築と結びついた成長モデルの転換

    (2) 主な経済指標 (2) 主な経済指標

    ・ GDP成長率(年率平均): 6.5~7% ・ GDP成長率(年率平均): 7~8%

    ・ 1人あたりGDP(ドル): 3,200~3,500 ・ 1人あたりGDP(ドル): 3,000

    ・ 消費者物価上昇率: 5%以内 ・ 消費者物価上昇率: -

    ・ 財政赤字(対GDP比): 4%以内 ・ 財政赤字(対GDP比): -

    ・ 産業構造(対GDP比): 鉱工業・サービス業が85% ・ 産業構造(対GDP比): 鉱工業・サービス業が85%

    - 内、ハイテク産業が45%

  • 第 3 章 経済概況

    21

    産業構造

    ドイモイ政策の始まった 1980 年代半ば以降のベトナム経済の産業構造をみると、①第 1 次産業の GDP 構成比の低下、②製造業部門を中心とした第 2 次産業比率の上昇、③第 3 次産業の高いシェアの継続、等の特徴が窺える(図表 3-5)。

    実質 GDP の基準や産業別 GDP 構成要素の変更があったため、産業別構成比の連続性を判断するには留意が必要だが、第 1 次産業は 1985 年の 34.7%から 2018 年の 16.2%へ、ほぼ一貫して比率が低下している。

    第 2 次産業に含まれる製造業の構成比は、GDP 算出基準の変更の影響を除けば、年々上昇している。2009 年には算出基準変更以外では 1991 年以来 18 年ぶりに前年水準を下回ったが、その後は再び上昇に転じている。製造業の構成比の上昇ペースを 10 年単位でみると、1990 年代は 4.8%ポイント、2000 年代は 6.4%ポイント(基準変更の影響を除く)、2010 年代は 2018 年の8 年間で 5.9%ポイントとなっており、上昇スピードは引き続き速い。

    第 3 次産業は 1989 年以降、GDP の 4 割以上を占めている。2005 年から 2010 年にかけては、金融業(銀行・保険)、運輸・倉庫業、ホテル・レストラン業の 3 つのセクターが、2010 年から 2018 年にかけては卸売・小売業が、それぞれ第 3 次産業の GDP 構成比の上昇を牽引している。

    図表 3-5 第 1~3 次産業の構成比の推移

    (出所)ベトナム統計総局より作成

    0%

    5%

    10%

    15%

    20%

    25%

    30%

    35%

    40%

    45%

    50%

    85 90 95 00 05 10 15

    (暦年)

    第1次産業 第2次産業 (うち、製造業) 第3次産業

    基準変更 基準変更

  • ベトナムの投資環境

    22

    実質 GDP 算出の基準年が変更になった 2010 年と 2018 年の産業別 GDP の構成比をみると(図表 3-6)、第 1 次産業(▲4.0%)から第 2 次産業(+3.4%)や第 3 次産業(+1.8%)へのシフトが窺える。第 2 次産業では、製造業(+5.4%)の伸びが顕著で、徐々にではあるが、同国が中期的に目標とする工業化に向けて進んでいることが分かる。この他では、公益業(+1.3%)が伸び、他方で鉱業・採石業(▲3.5%)が低下している。

    第 3 次産業では、卸売・小売(+1.7%)の伸びが顕著である。また、ホテル・レストラン、情報・通信、銀行・保険などのセクターの構成比も上昇してはいるが、+0.2~+0.4%に留まっており、大きな変化にまでは至っていない。また、製造業のウェイトが高まっているものの、サポート・

    インダストリーとなる運輸・倉庫の比率は変わっておらず、製造業の成長のメリットが他セクタ

    ーにまで波及していない。

    図表 3-6 産業別 GDP(実質)の構成比

    (出所)ベトナム統計総局より作成

    (金額:兆ドン)  2010 2018 (年率) 2010 2018全体 2,158 3,493 6.2% (100.0%) (100.0%) ( - )

    第1次産業 397 501 3.0% (18.4% ) (14.3% ) (-4.0% ) 第2次産業 693 1,242 7.6% (32.1% ) (35.6% ) (+3.4% )

    鉱業・採石業 205 208 0.2% (9.5% ) (5.9% ) (-3.5% ) 製造業 279 640 10.9% (12.9% ) (18.3% ) (+5.4% ) 公益業 77 170 10.4% (3.6% ) (4.9% ) (+1.3% ) 建設業 133 224 6.8% (6.1% ) (6.4% ) (+0.3% )

    第3次産業 797 1,355 6.9% (36.9% ) (38.8% ) (+1.8% ) 卸売・小売 173 339 8.8% (8.0% ) (9.7% ) (+1.7% ) 運輸・倉庫 62 102 6.5% (2.9% ) (2.9% ) (+0.1% ) ホテル・レストラン 78 131 6.8% (3.6% ) (3.8% ) (+0.2% ) 情報・通信 20 38 8.5% (0.9% ) (1.1% ) (+0.2% ) 銀行・保険 117 202 7.2% (5.4% ) (5.8% ) (+0.4% ) 不動産 132 169 3.2% (6.1% ) (4.8% ) (-1.3% ) 専門サービス 28 48 7.0% (1.3% ) (1.4% ) (+0.1% ) 公共サービス 55 94 6.9% (2.6% ) (2.7% ) (+0.1% ) 教育・訓練 50 89 7.4% (2.3% ) (2.5% ) (+0.2% ) その他サービス 83 142 6.9% (3.9% ) (4.1% ) (+0.2% )

    生産課税補助金 271 396 4.9% (12.5% ) (11.3% ) (-1.2% )

    2010年基準 構成比

    (差分)

  • 第 3 章 経済概況

    23

    貿易構造

    輸出・輸入・貿易収支の推移

    かつては恒常的な貿易赤字国だったベトナムは、2012 年に 20 年振りに貿易黒字になって以降、黒字体質に変わっている。ベトナム統計総局(General Statistics Office)に拠ると、同国の 2018 年の輸出額は 2,435 億ドルと過去最高となり、貿易黒字額は 68 億ドルに達した。2008 年には旺盛な国内需要により資本財の輸入が多くなり、名目 GDP の 18%に相当する 180 億ドルの貿易赤字を記録したが、2009 年に韓国のサムスン電子が携帯電話の生産を開始したことで輸出が増加し、貿易収支は大幅に改善している。2015 年には、中国、韓国、シンガポールから電気機器や通信機器(部品含む)の輸入が増加したため 4 年ぶりの赤字となったが、翌年以降、黒字が続いている。

    図表 3-7 輸出・輸入と貿易収支の推移

    (出所)ベトナム統計総局より作成

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    95 00 05 10 15

    (10億ドル)

    (暦年)

    輸出 輸入

    -2.7 -3.9

    -2.4 -2.1 -0.2 -1.2 -1.2

    -3.0

    -5.1 -5.5 -4.3 -5.1

    -14.2

    -18.0

    -12.9 -12.6

    -9.8

    0.7 0.0

    2.4

    -3.6

    1.8 2.1

    6.8

    -20

    -15

    -10

    -5

    0

    5

    1095 00 05 10 15

    (10億ドル)

    (暦年)

    貿易収支

  • ベトナムの投資環境

    24

    ひとくちメモ 3: 統計によって異なるベトナムの貿易黒字?

    「2018 年のベトナムの貿易黒字の金額は?」と尋ねられたら、どのように答えるだろうか?ある人

    は「4 億ドル」、別の人は「68 億ドル」、更に別の人は「76 億ドル」と答えるかもしれない。三者三様

    の回答ではあるが、これらはいずれも「正しい」のである。

    なぜ正しいのか?それは、貿易統計を発表する機関が複数あり、これらは必ずしも一致している訳で

    はないからである。ベトナム政府では統計総局が貿易統計を発表し、国際機関では、国際連合が UNCTAD

    Statで品目別・IMF が Direction of Trade Statisticsで国別の輸出入統計を発表している。

    下の図表では、2008年から 2018年までの輸出、輸入、貿易収支と、ベトナム統計総局との差額を示

    している。これに拠ると、UNCTAD Stat は概ね統計総局と同じ数値となっているが、2018年は輸出、輸

    入ともに統計総局よりも金額が多くなっている。特に輸入では 95 億ドルも多く計上されており、この

    ため貿易収支は 4億ドルと、統計総局(68億ドル)よりも大幅に少なくなっていることが分かる。

    他方、Direction of Trade Statisticsは、2010年以降、統計総局との乖離が大きくなっており、総

    じて金額が相対的に少なく発表されていることが窺える。2018 年の差額は、輸出が▲46 億ドル、輸入

    が▲54億ドルで、結果、貿易収支は 76億ドルと 3機関の中で最も多くなっている。但し、2015~2017

    年の輸入は統計総局発表分より 100億~140億ドル程度増えており、これに基づくと、ベトナムの貿易

    収支は 2015~2017年にかけて赤字だったことになる。

    このような差異に加え、貿易統計では過年度分の修正も珍しくないため、傾向を分析する者はどの統

    計を採用するかに頭を悩ませている。尚、本稿では、貿易収支の推移は統計総局(図表 3-7)、主要輸

    出入品目は国際連合(同 3-8~11)、主要輸出入相手国では IMF(同 3-12~14)を用いている。

    (単位)10億ドル

    暦年

    輸出 輸入 貿易収支 輸出 輸入 貿易収支 輸出 輸入 貿易収支

    (1) (2) (3)=(1)-(2) (4) (5) (6)=(4)-(5) (7) (8) (9)=(7)-(8)2008 62.7 80.7 -18.0 62.7 80.7 -18.0 62.8 80.7 -17.9 2009 57.1 69.9 -12.9 57.1 69.9 -12.9 57.5 69.9 -12.4 2010 72.2 84.8 -12.6 72.2 84.8 -12.6 70.2 83.4 -13.1 2011 96.9 106.7 -9.8 96.9 106.7 -9.8 93.4 104.4 -11.0 2012 114.5 113.8 0.7 114.5 113.8 0.7 111.3 111.6 -0.3 2013 132.0 132.0 0.0 132.0 132.0 0.0 128.7 129.3 -0.5 2014 150.2 147.8 2.4 150.2 147.8 2.4 145.9 143.1 2.8 2015 162.0 165.6 -3.6 162.0 165.8 -3.8 160.2 176.1 -15.9 2016 176.6 174.8 1.8 176.6 175.0 1.6 175.9 185.8 -10.0 2017 215.1 213.0 2.1 215.1 213.2 1.9 213.8 226.9 -13.1 2018 243.5 236.7 6.8 246.5 246.2 0.4 238.9 231.3 7.6

    暦年

    輸出 輸入 貿易収支 輸出 輸入 貿易収支 輸出 輸入 貿易収支

    (1) (2) (3)=(1)-(2) (4) (5) (6)=(4)-(5) (7) (8) (9)=(7)-(8)2008 - - - +0.0 +0.0 +0.0 +0.1 -0.0 +0.1 2009 - - - -0.0 +0.0 -0.0 +0.4 -0.0 +0.4 2010 - - - -0.0 -0.0 -0.0 -2.0 -1.5 -0.5 2011 - - - - - - -3.5 -2.3 -1.2 2012 - - - -0.0 - -0.0 -3.2 -2.1 -1.1 2013 - - - - -0.0 +0.0 -3.3 -2.8 -0.5 2014 - - - - -0.0 +0.0 -4.4 -4.7 +0.4 2015 - - - - +0.2 -0.2 -1.8 +10.6 -12.4 2016 - - - - +0.2 -0.2 -0.7 +11.0 -11.7 2017 - - - -0.0 +0.2 -0.2 -1.3 +13.9 -15.2 2018 - - - +3.1 +9.5 -6.4 -4.6 -5.4 +0.8

    ベトナム / 統計総局 UN / UNCTAD Stat IMF / Direction of Trade Statistics

    貿易統計

    ベトナム統計総局発表の貿易統計との差異

    ベトナム / 統計総局 UN / UNCTAD Stat IMF / Direction of Trade Statistics

  • 第 3 章 経済概況

    25

    品目別輸出・輸入の動向

    UNCTAD(国際連合貿易開発会議、United Nations Conference on Trade and Development)の統計に拠ると、2018 年の輸出額は 2,465 億ドル。セグメント別にみた主な輸出分野は①通信・音響機器や電気機器等を含む「機械類・輸送用機器」(構成比:39.0%)、②衣類や履物等を含む「雑製品」(同 29.1%)、③魚介類や果実・野菜の金額が多い「食料品・動物」(同 11.5%)の比率が高い。これら 3 分野で全体の 79.6%を占めている。

    2018 年時点で輸出額が 50 億ドルを超える分野の内、2008 年からの 10 年間で堅調に伸びたのが機械類の「通信・音響機器」、「電気機器」、雑製品の「衣類・同附属品」、「履物」、食料品の「果

    実・野菜」である。これらの 5 品目に限った 2018 年の貿易収支は+594 億ドルで、2008 年の+105億ドルから 489 億ドル増加し、全体の貿易収支の改善をもたらす主因となった(注:「電気機器」は 2008 年の▲20 億ドルから 2018 年には▲230 億ドルと貿易収支の悪化要因となった)。

    図表 3-8 主要輸出品目

    (出所)UNCTAD Stat より作成

    (100万ドル/暦年) 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

    輸出総額 62,685 57,096 72,237 96,906 114,529 132,033 150,217 162,017 176,581 215,119 246,547(100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% )

    食料品・動物 12,119 11,463 13,428 17,343 18,709 18,249 21,425 20,108 21,955 25,286 28,403(19.3% ) (20.1% ) (18.6% ) (17.9% ) (16.3% ) (13.8% ) (14.3% ) (12.4% ) (12.4% ) (11.8% ) (11.5% )

    魚介類・同調製品 4,501 4,245 5,015 6,111 6,088 6,666 7,763 6,543 7,034 8,282 9,968穀物・同調製品 3,032 2,810 3,418 3,870 3,916 3,193 3,227 3,090 2,501 3,038 3,805果実・野菜 1,501 1,617 1,796 2,487 2,866 2,875 3,872 4,632 5,555 7,294 8,582コーヒー・茶・香辛料類 2,627 2,341 2,595 3,871 4,783 4,120 5,132 4,286 5,147 5,048 3,977

    飲料・たばこ 191 238 301 358 464 538 540 568 539 537 696(0.3% ) (0.4% ) (0.4% ) (0.4% ) (0.4% ) (0.4% ) (0.4% ) (0.4% ) (0.3% ) (0.2% ) (0.3% )

    食料に適さない原材料 2,466 1,891 3,294 4,688 4,247 4,736 4,130 4,078 4,130 5,088 6,958(3.9% ) (3.3% ) (4.6% ) (4.8% ) (3.7% ) (3.6% ) (2.7% ) (2.5% ) (2.3% ) (2.4% ) (2.8% )

    鉱物性燃料等 12,645 8,507 7,980 11,008 11,353 9,685 9,238 4,996 3,578 4,846 8,376(20.2% ) (14.9% ) (11.0% ) (11.4% ) (9.9% ) (7.3% ) (6.1% ) (3.1% ) (2.0% ) (2.3% ) (3.4% )

    石油・同製品 11,232 7,159 6,301 9,282 10,075 8,536 8,326 4,561 3,230 4,384 7,606動植物性油脂 105 82 106 219 321 258 265 289 170 171 273

    (0.2% ) (0.1% ) (0.1% ) (0.2% ) (0.3% ) (0.2% ) (0.2% ) (0.2% ) (0.1% ) (0.1% ) (0.1% ) 化学製品 1,446 1,267 1,876 2,869 3,745 3,829 4,218 4,096 4,015 4,683 6,572

    (2.3% ) (2.2% ) (2.6% ) (3.0% ) (3.3% ) (2.9% ) (2.8% ) (2.5% ) (2.3% ) (2.2% ) (2.7% ) 素材製造品(皮革、紙、鉄鋼等) 6,336 5,168 8,396 10,760 12,133 13,788 16,415 16,967 17,884 22,110 27,065

    (10.1% ) (9.1% ) (11.6% ) (11.1% ) (10.6% ) (10.4% ) (10.9% ) (10.5% ) (10.1% ) (10.3% ) (11.0% ) 織物用糸・繊維製品 1,563 2,009 3,061 3,770 3,894 4,612 5,330 5,628 6,108 7,199 9,091非金属鉱物製品 698 685 936 1,247 1,816 2,305 2,869 2,731 2,492 2,815 3,163鉄鋼 1,962 537 1,344 2,235 2,396 2,528 2,946 2,635 2,724 4,026 4,648金属製品 800 742 953 1,190 1,415 1,717 2,112 2,283 2,540 2,844 3,631

    機械類・輸送用機器 7,377 7,399 11,476 18,836 30,705 43,030 48,624 60,570 70,037 90,031 96,143(11.8% ) (13.0% ) (15.9% ) (19.4% ) (26.8% ) (32.6% ) (32.4% ) (37.4% ) (39.7% ) (41.9% ) (39.0% )

    事務用機器・コンピュータ 2,012 1,749 2,171 2,822 4,227 6,363 6,700 7,823 6,775 7,358 9,193通信・音響機器 1,084 1,522 3,044 7,629 14,498 23,576 26,745 34,780 41,225 54,973 53,264電気機器 2,122 2,186 3,310 4,256 6,722 7,735 8,728 11,584 15,029 19,309 24,279自動車・バイク等 618 503 721 969 1,304 1,586 1,902 1,899 2,058 2,317 2,915

    雑製品 19,211 19,891 24,918 30,199 32,395 37,313 44,800 49,718 54,020 62,072 71,661(30.6% ) (34.8% ) (34.5% ) (31.2% ) (28.3% ) (28.3% ) (29.8% ) (30.7% ) (30.6% ) (28.9% ) (29.1% )

    家具・部品 2,677 2,424 2,960 3,140 3,640 4,032 4,712 5,186 5,537 6,268 7,272バッグ、旅行用品 560 595 792 1,078 1,300 1,687 2,244 2,547 2,796 2,910 3,555衣類・同附属品 8,724 8,540 10,390 13,149 14,443 17,148 20,174 21,948 23,005 25,037 30,327はき物 4,872 4,152 5,230 6,718 7,515 8,722 10,690 12,439 13,476 15,218 16,559その他の専門、科学機器 166 195 269 395 551 576 754 811 1,493 4,219 3,632写真機器・光学機器・時計 229 515 515 756 1,796 1,759 2,174 2,508 2,719 3,089 3,906

    その他 788 1,191 462 626 456 606 561 625 252 295 401(1.3% ) (2.1% ) (0.6% ) (0.6% ) (0.4% ) (0.5% ) (0.4% ) (0.4% ) (0.1% ) (0.1% ) (0.2% )

  • ベトナムの投資環境

    26

    一方、2018 年の輸入額は 2,462 億ドル。セグメント別にみた主な輸入分野は①「機械類・輸送用機器」(構成比:43.0%)、②「素材製造品(皮革・紙・鉄鋼等)」(同:21.6%)、③「化学製品」(同 12.1%)である。これら 3 分野で全体の 76.8%を占め、2008 年からの 10 年間で 11.4%ポイント上昇している。また、機械類等の資本財と並んで 2007 年から 2011 年の貿易収支悪化の主因だった「石油・同製品」は 2011~2016 年に減少していたが、2017~2018 年は増加に転じ、2018年の輸入額は 118 億ドルと過去最大だった 2008 年(115 億ドル)を上回っている。

    2018 年時点で輸出額が 50 億ドル以上ある分野の内、2008 年からの 10 年間で大幅に伸びているのが機械類の「通信・音響機器」、「電気機器」、衣類等の原材料となる「織物用糸・繊維製品」、

    である。これらの 3 分野はいずれも同国の輸出製品の原材料であるため、輸出増に呼応して輸入額も増えている。但し、「電気機器」については、輸出の増加以上に輸入が増加している。サムス

    ン電子が 2016 年にホーチミン工場でテレビ、洗濯機、冷蔵庫の生産を開始しており、将来的には電気機器の輸出入バランスが改善する可能性はあるが、電気機器の輸入額は 2018 年の分野別で最大の輸入品目となっている(輸入総額の 19%に相当)。

    図表 3-9 主要輸入品目

    (出所)UNCTAD Stat より作成

    (100万ドル/暦年) 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

    輸入総額 80,714 69,949 84,839 106,750 113,780 132,033 147,839 165,776 174,978 213,215 246,154(100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% ) (100.0% )

    食料品・動物 4,447 4,579 6,175 7,320 7,616 9,025 10,593 12,030 13,450 15,079 15,834(5.5% ) (6.5% ) (7.3% ) (6.9% ) (6.7% ) (6.8% ) (7.2% ) (7.3% ) (7.7% ) (7.1% ) (6.4% )

    穀物・同調製品 705 934 1,339 1,462 1,624 1,664 2,263 2,641 3,116 2,945 3,914果実・野菜 485 489 631 932 834 1,196 1,339 1,981 2,827 4,466 2,873飼料 1,735 1,765 2,176 2,380 2,462 3,085 3,259 3,397 3,451 3,236 3,873

    飲料・たばこ 269 342 293 319 321 378 383 409 414 478 538(0.3% ) (0.5% ) (0.3% ) (0.3% ) (0.3% ) (0.3% ) (0.3% ) (0.2% ) (0.2% ) (0.2% ) (0.2% )

    食料に適さない原材料 3,820 3,224 4,479 6,326 6,556 7,003 8,135 7,655 7,373 9,724 10,536(4.7% ) (4.6% ) (5.3% ) (5.9% ) (5.8% ) (5.3% ) (5.5% ) (4.6% ) (4.2% ) (4.6% ) (4.3% )

    鉱物性燃料等 12,330 7,497 8,140 12,531 11,452 10,119 10,356 7,845 7,707 11,009 15,122(15.3% ) (10.7% ) (9.6% ) (11.7% ) (10.1% ) (7.7% ) (7.0% ) (4.7% ) (4.4% ) (5.2% ) (6.1% )

    石油・同製品 11,524 6,755 7,136 11,272 10,426 8,989 9,066 6,616 6,117 8,654 11,825動植物性油脂 649 492 698 915 738 688 760 683 698 761 850

    (0.8% ) (0.7% ) (0.8% ) (0.9% ) (0.6% ) (0.5% ) (0.5% ) (0.4% ) (0.4% ) (0.4% ) (0.3% ) 化学製品 10,285 10,215 12,475 15,528 16,140 18,178 19,690 20,124 21,342 26,024 29,811

    (12.7% ) (14.6% ) (14.7% ) (14.5% ) (14.2% ) (13.8% ) (13.3% ) (12.1% ) (12.2% ) (12.2% ) (12.1% ) 医薬品 1,094 1,400 1,587 1,887 2,179 2,321 2,538 2,825 3,151 3,423 3,886プラスチック(成型前) 3,005 2,851 3,820 4,798 4,834 5,760 6,368 5,994 6,308 7,654 8,941

    素材製造品(皮革、紙、鉄鋼等) 20,029 17,767 22,389 25,519 26,143 29,977 34,568 37,118 38,505 43,070 53,239(24.8% ) (25.4% ) (26.4% ) (23.9% ) (23.0% ) (22.7% ) (23.4% ) (22.4% ) (22.0% ) (20.2% ) (21.6% )

    織物用糸・繊維製品 5,703 5,469 7,042 8,702 9,075 10,633 12,069 12,825 13,322 14,519 17,588鉄鋼 7,581 5,994 6,896 7,226 6,960 7,632 8,938 8,900 8,854 9,887 13,094非鉄金属 1,875 1,711 2,695 2,849 2,769 3,060 3,553 4,398 4,969 6,041 7,470金属製品 1,500 1,465 1,966 2,476 2,697 3,353 3,740 4,456 4,254 4,560 6,044

    機械類・輸送用機器 22,473 21,928 24,765 31,117 38,914 49,415 55,014 70,323 74,516 91,803 105,903(27.8% ) (31.3% ) (29.2% ) (29.1% ) (34.2% ) (37.4% ) (37.2% ) (42.4% ) (42.6% ) (43.1% ) (43.0% )

    原動機 1,992 1,987 1,928 2,409 2,173 2,542 2,726 2,943 3,521 3,534 4,265専門機械 3,472 2,863 3,575 3,792 3,725 4,031 4,695 6,409 6,701 8,468 9,134その他産業機械・部品 3,819 3,618 4,039 4,630 4,260 4,943 5,762 7,750 7,000 7,054 9,592事務用機器・コンピュータ 1,787 1,808 1,943 2,170 2,228 2,997 3,204 3,216 3,146 3,452 4,042通信・音響機器 2,624 3,365 3,473 4,724 7,575 11,469 12,938 16,072 16,433 23,887 21,563電気機器 4,114 4,102 5,887 8,954 14,685 19,260 20,263 24,894 30,705 38,493 47,306自動車・バイク等 2,500 2,495 2,289 2,407 1,666 1,850 3,151 4,719 4,631 4,563 6,072

    雑製品 3,292 3,272 4,173 4,755 5,446 6,475 7,479 8,695 10,629 14,836 14,164(4.1% ) (4.7% ) (4.9% ) (4.5% ) (4.8% ) (4.9% ) (5.1% ) (5.2% ) (6.1% ) (7.0% ) (5.8% )

    その他 3,121 632 1,252 2,420 453 775 861 893 344 432 156(3.9% ) (0.9% ) (1.5% ) (2.3% ) (0.4% ) (0.6% ) (0.6% ) (0.5% ) (0.2% ) (0.2% ) (0.1% )

  • 第 3 章 経済概況

    27

    輸出入の国別動向

    2008 年から 2018 年にかけての国・地域別シェアをみると、輸出入ともに中国と韓国の比率の上昇が顕著で、他方、輸出では日本の、輸入ではシンガポールと台湾の比率が大幅に低下してい

    る(図表 3-12、13)。

    2018 年の主な輸出相手国・地域は、①米国(構成比:19.9%)、②中国(同 17.3%)、③日本(同7.9%)、④韓国(同 7.6%)、⑤香港(同 3.3%)である。2008 年と比べると、当該期間中、ベトナムにとっての最大の輸出相手国は米国で、輸出全体の 2 割前後を占めている。日本は 2008 年時点では米国に次ぐ第 2 位の輸出相手国だったが、2014 年には中国に逆転され、2018 年には 4 位の韓国とほぼ同額となっている。輸出に占める日本の比率は 2008 年の 13.5%から 2018 年には 7.9%へと▲5.6%ポイント低下し、対照的に、中国が+9.6%ポイント(7.7%→17.3%)、韓国が+4.7%ポイント(2.9%→7.6%)上昇し、輸出相手国としての存在感を高めている。

    図表 3-10 では、2018 年の輸出額に占める比率が高かった国・地域について、2013 年からの輸出増加額が顕著だった分野での変化を表している。これに拠ると、サムスン電子が 2009 年に携帯電話の生産を開始したことで大幅増となった「通信・音響機器」では中国、韓国、米国向けが、

    「電気機器」や「果実・野菜」では中国向けの輸出が増えていることが分かる。また、最大輸出

    先国である米国向けでは衣類・履物・家具等の労働集約型産品が増加に寄与している。

    図表 3-10 品目別輸出増加額(対主要輸出国:2013 年→2018 年)

    (注)各国とも増加額が顕著だった項目のみを記載しており、「-」はゼロを表さない (出所)UNCTAD Stat より作成

    (分野、億ドル) 米国 中国 香港 日本 韓国 オランダ 小計 全体

    全体 251 294 41 59 121 44 810 1,145

    食料品 16 49 - 6 8 5 84 102魚介類・同調製品 5 8 - 4 6 2 25 33果実・野菜 10 32 - - - 4 46 57

    素材製造品 21 31 3 11 14 - 80 133織物用糸・繊維製品 3 22 1 2 5 - 33 45鉄鋼 5 - - 1 2 - 8 21

    機械類 87 123 37 23 66 26 362 531事務用機器・コンピュータ 8 5 - 1 4 3 21 28通信・音響機器 46 57 15 6 48 6 178 297電気機器 24 56 22 11 14 15 142 165

    雑製品 130 53 - 27 33 11 254 343家具・部品 19 2 - 2 2 - 25 32衣類・同附属品 64 8 1 12 20 4 109 132履物 29 11 - 4 4 3 51 78

  • ベトナムの投資環境

    28

    他方、主な輸入相手国・地域(2018 年)は、①中国(構成比:28.3%)、②韓国(同 20.5%)、③日本(同 8.2%)、④台湾(同 5.7%)、⑤米国(同 5.5%)となっている。2008 年からの過去 10年間で上位 2 ヵ国の比率の上昇は顕著で、中国は+8.5%ポイント(19.8%→28.3%)、韓国は+11.5%ポイント(9.0%→20.5%)と高まっている。これらの国々とは対照的に、シンガポール(▲9.7%ポイント)、台湾(▲4.6%ポイント)、日本(▲2.0%ポイント)の比率が大幅に低下している。

    図表 3-11 では、2018 年の輸入額に占める比率が高かった国・地域について、2013 年からの輸入増加額が顕著だった分野での変化を表している。これに拠ると、輸入増加額が大きかった「電

    気機器」は、韓国、中国、米国、台湾の 4 ヵ国・地域から、「通信・音響機器」は中国、韓国から、「織物用糸・繊維製品」と「鉄鋼」はともに中国からの輸入が多く、中でも、韓国からの電気機

    器の輸入増加額は 112 億ドルと突出していることが窺える。

    図表 3-11 品目別輸入増加額(対主要輸入国:2013 年→2018 年)

    (注)各国とも増加額が顕著だった項目のみを記載しており、「-」はゼロを表さない (出所)UNCTAD Stat より作成

    国別の貿易統計を基に、貿易額の大きい国や地域(ASEAN、EU28 等)とベトナムとの貿易収支の関係をみると、米国、欧州(EU28)に対しては輸出超過(貿易黒字)で、中国、韓国、台湾、ASEAN に対しては輸入超過(貿易赤字)である(図表 3-14 参照)。

    貿易総額では、中国が最大の貿易相手国で全体の 22.7%を占めており、2008 年の 14.5%から+8.2%ポイントとなっている。2 位の韓国(6.3%→14.0%)、3 位の米国(10.1%→12.8%)もともに構成比は上昇しているが、対照的に日本(▲3.6%ポイント)、台湾(▲3.3%ポイント)、シンガポール(▲6.8%ポイント)の比率は大幅に低下している。

    (分野、億ドル) 中国 韓国 日本 米国 タイ 台湾 小計 全体

    全体 327 299 87 83 65 47 908 1,141

    素材製造品(皮革、紙、鉄鋼等) 127 40 12 4 10 9 202 233織物用糸・繊維製品 45 11 3 - 1 5 65 70鉄鋼 41 5 1 - - 3 50 55非鉄金属 14 12 2 - 1 - 29 44金属製品 13 7 3 - 1 - 24 27

    機械類 141 194 54 49 27 40 505 565専門機械 14 19 4 1 - 2 40 51その他産業機械・部品 16 8 4 2 7 1 38 46事務用機器・コンピューター 7 - - - - - 7 10通信・音響機器 42 38 9 1 3 - 93 101電気機器 43 112 22 36 7 35 255 280自動車・バイク等 11 7 6 - 9 - 33 42

  • 第 3 章 経済概況

    29

    図表 3-12 主要輸出相手国

    (出所)“Direction of Trade Statistics”, IMF, UNCTAD Stat より作成

    (単位:100万ドル/暦年) 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018輸出 62,791 57,516 70,249 93,386 111,291 128,743 145,857 160,195 175,861 213,849 238,866

    100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%先進国 43,285 38,479 47,530 59,791 71,648 83,125 95,502 105,685 116,059 132,013 147,329

    68.9% 66.9% 67.7% 64.0% 64.4% 64.6% 65.5% 66.0% 66.0% 61.7% 61.7%日本 8,468 6,292 7,728 10,781 13,060 13,651 14,704 14,100 14,671 16,792 18,851

    13.5% 10.9% 11.0% 11.5% 11.7% 10.6% 10.1% 8.8% 8.3% 7.9% 7.9%韓国 1,794 2,064 3,092 4,715 5,580 6,631 7,144 8,915 11,406 14,807 18,205

    2.9% 3.6% 4.4% 5.0% 5.0% 5.2% 4.9% 5.6% 6.5% 6.9% 7.6%台湾 1,401 1,121 1,443 1,843 2,082 2,214 2,300 2,483 2,698 3,686 3,152

    2.2% 1.9% 2.1% 2.0% 1.9% 1.7% 1.6% 1.6% 1.5% 1.7% 1.3%香港 877 1,034 1,464 2,206 3,706 4,107 5,203 6,959 6,088 7,574 7,955

    1.4% 1.8% 2.1% 2.4% 3.3% 3.2% 3.6% 4.3% 3.5% 3.5% 3.3%シンガポール 2,714 2,076 2,121 2,286 2,368 2,662 2,933 3,257 2,420 2,979 3,138

    4.3% 3.6% 3.0% 2.4% 2.1% 2.1% 2.0% 2.0% 1.4% 1.4% 1.3%米国 11,887 11,356 14,238 16,928 19,668 23,869 28,656 33,475 38,473 41,550 47,526

    18.9% 19.7% 20.3% 18.1% 17.7% 18.5% 19.6% 20.9% 21.9% 19.4% 19.9%英国 1,581 1,329 1,682 2,398 3,034 3,699 3,652 4,645 4,898 5,415 5,776

    2.5% 2.3% 2.4% 2.6% 2.7% 2.9% 2.5% 2.9% 2.8% 2.5% 2.4%ドイツ 2,073 1,885 2,373 3,367 4,095 4,730 5,185 5,707 5,961 6,354 6,869

    3.3% 3.3% 3.4% 3.6% 3.7% 3.7% 3.6% 3.6% 3.4% 3.0% 2.9%オーストラリア 4,352 2,277 2,704 2,519 3,241 3,514 3,990 2,906 2,865 3,271 3,965

    6.9% 4.0% 3.8% 2.7% 2.9% 2.7% 2.7% 1.8% 1.6% 1.5% 1.7%発展途上国 17,490 15,988 22,468 33,595 39,643 45,618 50,355 54,510 59,801 81,836 91,536

    27.9% 27.8% 32.0% 36.0% 35.6% 35.4% 34.5% 34.0% 34.0% 38.3% 38.3%アジア 12,945 12,022 16,901 24,518 29,597 32,037 34,401 34,937 40,710 59,341 70,389

    20.6% 20.9% 24.1% 26.3% 26.6% 24.9% 23.6% 21.8% 23.1% 27.7% 29.5%中国 4,850 4,909 7,309 11,125 12,388 13,259 14,906 16,568 21,950 35,394 41,268

    7.7% 8.5% 10.4% 11.9% 11.1% 10.3% 10.2% 10.3% 12.5% 16.6% 17.3%タイ 1,289 1,266 1,183 1,792 2,832 3,104 3,476 3,178 3,691 4,801 5,494

    2.1% 2.2% 1.7% 1.9% 2.5% 2.4% 2.4% 2.0% 2.1% 2.2% 2.3%マレーシア 2,030 1,682 2,093 2,832 4,496 4,926 3,931 3,577 3,342 4,204 4,048

    3.2% 2.9% 3.0% 3.0% 4.0% 3.8% 2.7% 2.2% 1.9% 2.0% 1.7%インドネシア 751 748 1,433 2,359 2,358 2,454 2,891 2,848 2,618 2,859 3,535

    1.2% 1.3% 2.0% 2.5% 2.1% 1.9% 2.0% 1.8% 1.5% 1.3% 1.5%フィリピン 1,825 1,462 1,706 1,535 1,871 1,695 2,321 2,016 2,220 2,833 3,465

    2.9% 2.5% 2.4% 1.6% 1.7% 1.3% 1.6% 1.3% 1.3% 1.3% 1.5%カンボジア 1,532 1,147 1,552 2,407 2,831 2,926 2,667 2,395 2,199 2,762 3,741

    2.4% 2.0% 2.2% 2.6% 2.5% 2.3% 1.8% 1.5% 1.3% 1.3% 1.6%インド 389 420 992 1,554 1,782 2,354 2,461 2,470 2,687 3,756 6,542

    0.6% 0.7% 1.4% 1.7% 1.6% 1.8% 1.7% 1.5% 1.5% 1.8% 2.7%欧州 1,773 1,193 1,868 2,852 3,206 3,852 4,337 4,021 4,190 5,758 6,103

    2.8% 2.1% 2.7% 3.1% 2.9% 3.0% 3.0% 2.5% 2.4% 2.7% 2.6%中東・北アフリカ 1,104 977 1,299 1,887 3,309 5,229 6,144 7,973 7,084 7,275 7,036

    1.8% 1.7% 1.8% 2.0% 3.0% 4.1% 4.2% 5.0% 4.0% 3.4% 2.9%サブサハラ・アフリカ 658 863 948 2,460 1,351 1,575 1,520 2,224 1,843 1,750 1,632

    1.0% 1.5% 1.3% 2.6% 1.2% 1.2% 1.0% 1.4% 1.0% 0.8% 0.7%西半球 1,009 933 1,451 1,877 2,181 2,925 3,954 5,354 5,975 7,713 6,376

    1.6% 1.6% 2.1% 2.0% 2.0% 2.3% 2.7% 3.3% 3.4% 3.6% 2.7%その他 2,016 3,049 251 0 0 0 0 0 0 0 0

    3.2% 5.3% 0.4% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

    【参考】

    ASEAN 10,333 8,584 10,351 13,583 17,312 18,470 19,090 18,195 17,449 21,680 24,73616.5% 14.9% 14.7% 14.5% 15.6% 14.3% 13.1% 11.4% 9.9% 10.1% 10.4%

    EU 28 10,842 9,301 11,385 16,541 20,303 24,375 28,010 30,788 34,029 38,314 41,95117.3% 16.2% 16.2% 17.7% 18.2% 18.9% 19.2% 19.2% 19.4% 17.9% 17.6%

  • ベトナムの投資環境

    30

    図表 3-13 主要輸入相手国

    (出所)“Direction of Trade Statistics”, IMF, UNCTAD Stat より作成

    (単位:100万ドル/暦年) 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018輸入 80,713 69,949 83,365 104,419 111,640 129,258 143,100 176,140 185,832 226,926 231,307

    100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%先進国 47,784 36,535 43,958 56,447 59,982 66,047 70,773 81,905 88,268 111,268 118,350

    59.2% 52.2% 52.7% 54.1% 53.7% 51.1% 49.5% 46.5% 47.5% 49.0% 51.2%日本 8,240 7,468 9,016 10,400 11,603 11,612 12,909 14,182 15,098 16,917 19,011

    10.2% 10.7% 10.8% 10.0% 10.4% 9.0% 9.0% 8.1% 8.1% 7.5% 8.2%韓国 7,255 6,976 9,761 13,176 15,536 20,698 21,736 27,579 32,193 46,943 47,497

    9.0% 10.0% 11.7% 12.6% 13.9% 16.0% 15.2% 15.7% 17.3% 20.7% 20.5%台湾 8,363 6,253 6,977 8,557 8,534 9,424 9,407 10,364 10,854 13,710 13,228

    10.4% 8.9% 8.4% 8.2% 7.6% 7.3% 6.6% 5.9% 5.8% 6.0% 5.7%シンガポール 9,378 4,248 4,101 6,391 6,690 5,703 6,827 6,031 4,769 5,319 4,524

    11.6% 6.1% 4.9% 6.1% 6.0% 4.4% 4.8% 3.4% 2.6% 2.3% 2.0%米国 2,647 3,009 3,767 4,529 4,827 5,232 6,284 7,793 8,712 9,343 12,753

    3.3% 4.3% 4.5% 4.3% 4.3% 4.0% 4.4% 4.4% 4.7% 4.1% 5.5%オーストラリア 1,358 1,050 1,444 2,123 1,772 1,587 2,058 2,022 2,442 3,200 3,747

    1.7% 1.5% 1.7% 2.0% 1.6% 1.2% 1.4% 1.1% 1.3% 1.4% 1.6%発展途上国 32,117 32,131 39,406 47,972 51,659 63,211 72,327 92,299 96,100 113,674 112,957

    39.8% 45.9% 47.3% 45.9% 46.3% 48.9% 50.5% 52.4% 51.7% 50.1% 48.8%アジア 28,296 27,639 34,087 41,460 45,015 55,482 63,171 80,951 83,611 98,530 96,827

    35.1% 39.5% 40.9% 39.7% 40.3% 42.9% 44.1% 46.0% 45.0% 43.4% 41.9%中国 15,974 16,441 20,019 24,594 28,786 36,954 43,868 49,441 50,038 58,533 65,438

    19.8% 23.5% 24.0% 23.6% 25.8% 28.6% 30.7% 28.1% 26.9% 25.8% 28.3%タイ 4,906 4,514 5,602 6,384 5,792 6,311 7,119 8,270 8,855 10,702 12,023

    6.1% 6.5% 6.7% 6.1% 5.2% 4.9% 5.0% 4.7% 4.8% 4.7% 5.2%マレーシア 2,596 2,505 3,413 3,920 3,412 4,104 4,193 4,185 5,174 5,945 7,450

    3.2% 3.6% 4.1% 3.8% 3.1% 3.2% 2.9% 2.4% 2.8% 2.6% 3.2%インドネシア 1,729 1,546 1,909 2,248 2,248 2,375 2,497 2,738 2,992 3,656 4,918

    2.1% 2.2% 2.3% 2.2% 2.0% 1.8% 1.7% 1.6% 1.6% 1.6% 2.1%フィリピン 389 498 700 805 965 953 676 899 1,060 1,158 1,256

    0.5% 0.7% 0.8% 0.8% 0.9% 0.7% 0.5% 0.5% 0.6% 0.5% 0.5%カンボジア 214 186 277 430 486 504 625 946 729 1,033 963

    0.3% 0.3% 0.3% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.5% 0.4% 0.5% 0.4%インド 2,094 1,635 1,762 2,346 2,161 2,883 3,132 2,655 2,746 3,955 4,147

    2.6% 2.3% 2.1% 2.2% 1.9% 2.2% 2.2% 1.5% 1.5% 1.7% 1.8%欧州 1,661 2,216 1,654 1,404 1,465 1,552 1,693 1,604 2,414 2,730 3,370

    2.1% 3.2% 2.0% 1.3% 1.3% 1.2% 1.2% 0.9% 1.3% 1.2% 1.5%中東・北アフリカ 698 800 1,496 2,315 2,348 2,667 2,786 2,197 2,162 2,614 5,024

    0.9% 1.1% 1.8% 2.2% 2.1% 2.1% 1.9% 1.2% 1.2% 1.2% 2.2%サブサハラ・アフリカ 407 127 350 479 317 500 361 1,908 2,534 3,926 1,377

    0.5% 0.2% 0.4% 0.5% 0.3% 0.4% 0.3% 1.1% 1.4% 1.7% 0.6%西半球 1,056 1,349 1,819 2,314 2,513 3,010 4,316 5,639 5,379 5,874 6,359

    1.3% 1.9% 2.2% 2.2% 2.3% 2.3% 3.0% 3.2% 2.9% 2.6% 2.7%その他 812 1,283 0 0 0 0 0 1,936 1,464 1,984 0

    1.0% 1.8% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 1.1% 0.8% 0.9% 0.0%

    【参考】

    ASEAN 19,566 13,811 16,408 20,910 20,758 21,348 22,998 23,759 24,086 28,363 31,76624.2% 19.7% 19.7% 20.0% 18.6% 16.5% 16.1% 13.5% 13.0% 12.5% 13.7%

    EU 28 5,502 5,807 6,362 7,746 8,791 9,452 8,893 10,326 11,158 12,202 13,8936.8% 8.3% 7.6% 7.4% 7.9% 7.3% 6.2% 5.9% 6.0% 5.4% 6.0%

  • 第 3 章 経済概況

    31

    図表 3-14 国別の貿易収支の推移

    (出所)“Direction of Trade Statistics”, IMF, UNCTAD Stat より作成

    (単位:100万ドル/暦年) 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018貿易収支 -17,922 -12,433 -13,116 -11,033 -349 -515 2,757 -15,945 -9,972 -13,077 7,559

    先進国 -4,499 1,943 3,572 3,344 11,666 17,078 24,729 23,780 27,791 20,745 28,979

    日本 228 -1,176 -1,288 381 1,457 2,040 1,795 -82 -427 -125 -160

    韓国 -5,462 -4,912 -6,669 -8,460 -9,955 -14,067 -14,592 -18,663 -20,787 -32,136 -29,293

    台湾 -6,961 -5,132 -5,534 -6,713 -6,452 -7,210 -7,107 -7,881 -8,156 -10,024 -10,077

    香港 -1,756 209 604 1,236 2,736 3,057 4,165 5,639 4,588 5,909 6,416

    シンガポール -6,664 -2,172 -1,980 -4,105 -4,322 -3,040 -3,894 -2,774 -2,349 -2,339 -1,385

    米国 9,240 8,346 10,471 12,399 14,841 18,637 22,371 25,683 29,761 32,207 34,772

    英国 1,195 934 1,171 1,752 2,491 3,126 3,004 3,917 4,174 4,668 4,806

    ドイツ 593 298 630 1,168 1,718 1,767 2,562 2,505 3,110 3,150 3,048

    オーストラリア 2,994 1,227 1,260 396 1,469 1,927 1,932 884 423 71 218

    発展途上国 -14,627 -16,143 -16,939 -14,376 -12,016 -17,593 -21,973 -37,789 -36,299 -31,838 -21,420

    アジア -15,350 -15,617 -17,186 -16,941 -15,417 -23,445 -28,771 -46,014 -42,900 -39,189 -26,438

    中国 -11,124 -11,532 -12,710 -13,469 -16,398 -23,695 -28,962 -32,873 -28,087 -23,138 -24,169

    タイ -3,617 -3,248 -4,419 -4,591 -2,960 -3,207 -3,643 -5,092 -5,164 -5,901 -6,529

    マレーシア -566 -823 -1,320 -1,087 1,084 822 -263 -608 -1,832 -1,741 -3,403

    インドネシア -978 -798 -476 111 110 79 393 109 -375 -797 -1,383

    フィリピン 1,436 964 1,006 730 907 742 1,645 1,117 1,160 1,675 2,210

    カンボジア 1,317 961 1,275 1,977 2,344 2,422 2,041 1,449 1,471 1,730 2,778

    インド -1,705 -1,215 -770 -792 -379 -529 -671 -185 -58 -198 2,395

    欧州 112 -1,023 214 1,448 1,741 2,300 2,643 2,417 1,776 3,028 2,733

    中東・北アフリカ 407 177 -197 -427 960 2,562 3,358 5,776 4,922 4,660 2,012

    サブサハラ・アフリカ 252 736 598 1,981 1,033 1,075 1,159 316 -691 -2,177 256

    西半球 -47 -416 -368 -437 -333 -85 -362 -284 595 1,839 17

    その他 1,204 1,766 251 0 0 0 0 -1,936 -1,464 -1,984 0

    【参考】

    ASEAN -9,233 -5,227 -6,057 -7,327 -3,446 -2,877 -3,908 -5,564 -6,637 -6,683 -7,029

    EU 28 5,341 3,494 5,024 8,795 11,511 14,922 19,116 20,462 22,871 26,111 28,058

  • ベトナムの投資環境

    32

    ASEANの中のベトナム

    ASEAN の中で 3 番目に人口の多いベトナム

    1967 年に 5 ヵ国(インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピン、シンガポール)で発足したASEAN は、1984 年にブルネイ、1995 年にベトナム、1997 年にラオスとミャンマー、1999 年にカンボジアが加盟し、現在、10 ヵ国で構成されている。IMF の統計によると、2018 年の総人口は約6 億 4,750 万人、名目 GDP は約 2.9 兆ドルである(図表 3-15)。

    ベトナムは、1 人あたり GDP でみた所得水準は相対的に低いものの、人口は域内で 3 番目に多く、高い潜在性が魅力の国である。同国の人口は 9,458 万人と、インドネシア(2 億 6,416 万人)、フィリピン(1 億 660 万人)に次ぐ規模である。1 人あたり GDP の水準は 2,551 ドルと 10 ヵ国中8 番目の位置にある。過去のアジア諸国の経験則では、1 人あたり GDP が 3,000 ドルを超えると自動車の普及率が加速している。ベトナムの所得水準が向上すれば、自動車の販売市場としての

    注目度は高まってこよう。

    図表 3-15 ASEAN 諸国の比較表(2018 年)

    (出所)IMF, “World Economic Outlook (2019/4)”、国際連合資料より作成

    シンガポール 564 (9) 0.7 (10) 3,611 (3) 64,041 (1)

    ブルネイ 43 (10) 6 (9) 141 (10) 32,414 (2)

    マレーシア 3,239 (6) 330 (5) 3,543 (4) 10,942 (3)

    タイ 6,779 (4) 513 (3) 4,872 (2) 7,187 (4)

    インドネシア 26,416 (1) 1,911 (1) 10,225 (1) 3,871 (5)

    フィリピン 10,660 (2) 300 (6) 3,308 (5) 3,104 (6)

    ラオス 678 (8) 237 (7) 184 (9) 2,720 (7)

    ベトナム 9,458 (3) 331 (4) 2,413 (6) 2,551 (8)

    カンボジア 1,625 (7) 181 (8) 245 (8) 1,509 (9)

    ミャンマー 5,283 (5) 677 (2) 686 (7) 1,298 (10)

    合計(平均) 64,745 4,486 29,229 4,514

    【参考】

    日本 12,649 378 49,719 39,306

    米国 32,735 9,834 204,941 62,606

    中国 139,538 9,600 134,074 9,608

    インド 133,422 3,287 27,167 2,036

    EU28 51,041 4,374 187,501 36,735

    EU28(除く英国) 44,395 4,132 159,214 35,863

    USMCA(3ヵ国) 48,908 21,783 234,288 47,903

    人口 面積 名目GDP 1人あたりGDP

    万人 1,000 km2 億ドル ドル

  • 第 3 章 経済概況

    33

    ASEAN 域内での貿易額の変化

    ASEAN 域内での関税率撤廃の動きや各国の経済成長に伴い、ASEAN 諸国内での貿易額が年々増加している。2018 年の ASEAN 諸国の域内向け輸出総額は 3,461 億ドルと、2008 年(2,507 億ドル)の 1.4 倍となった(図表 3-16 参照)。

    ベトナムは、この間に ASEAN 諸国向け輸出額を 144 億ドル増やしている(図表を縦方向に合計)。一方、各国からのベトナム向け輸出(図表を横方向に合計)は 210 億ドル増えている。つまり、ベトナムは、当該 10 年で ASEAN 諸国への輸出を増やす以上に、域内諸国からの輸出先となっていたことになる(144 億ドル-210 億ドル=▲66 億ドル)。尚、2018 年までの 10 年間の全体的な変化では、相対的に経済規模の大きいインドネシア、タイ、シンガポール、マレーシアでは

    域内輸出の方が増え、ベトナムを含むその他 6 ヵ国では輸出先としての金額の方が増えている。

    図表 3-16 ASEAN 諸国間の貿易額の変化(2008 年→2018 年)

    (注)統計誤差等のため、輸出からみた上記図表 3-16 は、輸入からみた数値とは必ずしも一致しない (出所)IMF 資料より作成

    (単位:100万ドル)

    輸出先国 年インド

    ネシアタイ

    シンガ

    ポールマレーシア フィリピン ベトナム ミャンマー カンボジア ラオス ブルネイ ASEAN10

    インドネシア 08 6,259 35,747 6,243 603 751 9 5 0 2,113 51,72918 9,985 33,018 7,865 866 3,535 123 22 24 44 55,482Diff 3,726 -2,729 1,622 263 2,784 114 17 24 -2,069 3,752

    タイ 08 3,661 13,193 9,571 1,509 1,289 3,622 14 582 81 33,52218 6,819 15,561 14,063 2,717 5,494 3,057 365 2,300 687 51,062Diff 3,158 2,368 4,491 1,208 4,205 -565 352 1,718 606 17,540

    シンガポール 08 12,862 9,999 29,416 2,607 2,714 367 113 1 176 58,25518 12,992 9,338 34,471 4,234 3,138 490 6 8 555 65,232Diff 130 -661 5,055 1,628 424 123 -108 7 380 6,978

    マレーシア 08 6,433 9,781 40,912 1,958 2,030 173 9 3 31 61,32918 9,437 11,535 44,895 1,930 4,048 263 240 6 500 72,853Diff 3,004 1,754 3,983 -28 2,017 90 231 3 469 11,524

    フィリピン 08 2,054 3,473 7,297 1,254 1,825 5 1 0 152 16,06118 6,825 7,831 7,983 2,226 3,465 45 22 9 37 28,444Diff 4,772 4,358 686 973 1,641 40 21 9 -115 12,383

    ベトナム 08 1,673 4,968 8,744 2,437 385 150 169 263 0 18,78918 4,584 12,855 12,059 8,475 944 211 208 412 24 39,772Diff 2,911 7,886 3,315 6,038 559 61 39 149 24 20,983

    ミャンマー 08 251 1,317 1,286 315 11 33 1 0 0 3,21418 897 4,580 2,767 696 41 702 1 1 0 9,687Diff 647 3,262 1,480 381 31 669 -0 1 0 6,472

    カンボジア 08 174 2,019 519 138 7 1,532 0 0 0 4,39018 525 7,556 4,763 579 31 3,741 8 32 0 17,236Diff 351 5,536 4,244 441 23 2,210 8 32 -0 12,846

    ラオス 08 4 1,757 26 9 1 160 0 1 0 1,95718 7 4,093 44 10 3 595 0 7 0 4,758Diff 3 2,336 18 2 2 434 0 6 0 2,801

    ブルネイ 08 60 122 864 449 10 0 0 0 0 1,50618 61 105 879 548 6 18 0 7 0 1,624Diff 2 -17 15 99 -4 18 0 7 -0 118

    ASEAN10 08 27,171 39,696 108,587 49,833 7,090 10,333 4,327 314 849 2,553 250,75218 42,148 67,877 121,969 68,934 10,771 24,736 4,198 878 2,793 1,848 346,151Diff 14,977 28,181 13,381 19,101 3,681 14,403 -129 564 1,944 -706 95,398

    +11,225 +10,641 +6,404 +7,577 -8,702 -6,580 -6,601 -12,282 -858 -824

    輸出元国

    輸出増-輸入増

    (注)

  • ベトナムの投資環境

    34

    賃金コストで比較したベトナムの位置付け

    図表 3-17 では、JETRO の投資コスト比較調査(2019 年 3 月時点調査)を基に、残業代や賞与等の年間支給分から求められた実質月額給与を職種別に算出し、ハノイ(ベトナム北部)、ダナン

    (同中部)、ホーチミン(同南部)を比較している。

    これに拠ると、①総じて中部のダナンの賃金コストが低く、製造業のワーカーではハノイやホー

    チミンより 15%程度、エンジニアや中間管理職では約 3 割低いこと、②ハノイとホーチミンとの比較では、ワーカーや非製造業のスタッフ等の「人員を多く要する職種」での賃金コストはハノ

    イの方が相対的に低く、製造業の中間管理職や非製造業のマネージャー等の「リーダークラス」

    での賃金コストはホーチミンの方が相対的に低いことが分かる。

    図表 3-17 ベトナム主要都市間の賃金コスト比較

    (注)下段は月額(ドル) (出所)JETRO 資料を基に作成

    また、ベトナムの賃金コストを他の ASEAN 諸国や中国の主要都市と比較すると、相対的に低いことが分かる。図表 3-18 は、上記の JETRO 調査を基に、製造業、非製造業のそれぞれの主要職位ごとに、「月間基本給」(上段)と残業代や賞与等の年間支給分から求められた「実質月額給

    与」(下段)を表している。

    ベトナムのワーカーの賃金は、隣接するラオスやカンボジア、ミャンマーの月額 190~243 ドルに比べれば高いが、タイ(バンコク:654 ドル)、マレーシア(クアラルンプール:601 ドル)、インドネシア(ジャカルタ:439 ドル)、フィリピン(マニラ:375 ドル)に比べれば低い水準にある。特にバンコクと比べたホーチミンやハノイの賃金コストは半分程度である。また、北部ハノ

    イは中国南部の広州との距離は比較的近いが、ハノイのワーカーの賃金コストは広州の 3 割に過ぎない。

    エンジニアや中間管理職での ASEAN 主要都市との賃金コストの比較においては、フィリピン(マニラ、セブ)でのエンジニアの賃金コストがベトナム(ハノイ、ホーチミン)よりも低くなっ

    ているが、当該職種でも総じてワーカーと同様の傾向が窺える。

    都市名 ワーカー エンジニア 中間管理職 スタッフ マネージャー

    ハノイ中

    300

    600

    1,300

    780

    1,750

    ダナン低

    275

    430

    850

    670

    1,450

    ホーチミン高

    330

    600

    1,200

    880

    1,600

    製造業 非製造業

  • 第 3 章 経済概況

    35

    図表 3-18 ASEAN 諸国・中国との賃金コスト等の比較

    (注)各都市の上段は正規雇用者の月額基本給(ドル)、下段は、「基本給、諸手当、社会保障、残業代、賞与

    などを含む年間総支給額」を 12 ヵ月で割った実質月間コスト(ドル) (出所)IMF、JETRO、DEMOGRAPHIA より作成

    国名 都市名

    1人あたりGDP  人口 ワーカー エンジニア 中間管理職 スタッフ マネージャー

    シンガポール シンガポール 1,946 3,064 4,490 2,548 4,468 64,041 ドル 567 万人 (2,425) (4,200) (6,001) (3,229) (5,761)

    マレーシア クアラルンプール 413 840 1,576 890 1,983 10,942 ドル 786 万人 (601) (1,129) (2,075) (1,297) (2,789)

    タイ バンコク 413 728 1,559 789 1,755 7,187 ドル 1,605 万人 (654) (1,175) (2,316) (1,159) (2,352)

    インドネシア ジャカルタ 308 457 1,031 442 1,130 3,871 ドル 3,437 万人 (439) (641) (1,388) (608) (1,551)

    バタム 241 344 797 - - 119 万人 (359) (499) (1,026) - -

    フィリピン マニラ 234 373 971 497 1,223 3,104 ドル 2,507 万人 (375) (488) (1,231) (648) (1,781)

    セブ 223 306 812 616 1,173 265 万人 (314) (404) (1,096) (864) (1,461)

    ベトナム ハノイ 217 436 957 543 1,281 2,551 ドル 835 万人 (311) (599) (1,282) (774) (1,753)

    ダナン 203 311 621 499 1,058 107 万人 (275) (430) (856) (666) (1,423)

    ホーチミン 242 464 943 568 1,209 1,096 万人 (332) (604) (1,207) (881) (1,605)

    ラオス ビエンチャン 180 383 875 446 1,123 2,720 ドル 104 万人 (223) (474) (1,061) (610) (1,624)

    カンボジア プノンペン 201 648 1,117 501 1,273 1,509 ドル 211 万人 (243) (726) (1,294) (572) (1,473)

    ミャンマー ヤンゴン 162 349 1,016 415 1,028 1,298 ドル 559 万人 (190) (407) (1,488) (511) (1,277)

    中国 北京 698 939 1,801 1,222 2,495 9,608 ドル 1,943 万人 (1,112) (1,529) (2,962) (1,865) (3,814)

    上海 662 1,003 1,742 1,129 2,328 2,213 万人 (1,190) (1,693) (2,856) (1,630) (3,418)

    広州 551 1,002 1,665 1,011 2,207 2,013 万人 (988) (1,705) (2,694) (1,456) (3,353)

    製造業 非製造業

    第1章 概観(国土、民族、社会、歴史等)1. 正式国名2. 人口3. 国土4. 首都5. 気候6. 民族7. 言語8. 宗教9. 教育10. 通貨11. 歴史(1) 成立~19世紀(2) フランスによる植民地支配~南北分断(3) ベトナム戦争~ドイモイ政策(4) ドイモイ政策の採用と市場経済の枠組みの構築(1987年~)

    第2章 政治・外交・軍事1. 政体2. 元首3. 首相4. 内閣5. 行政組織6. 地方行政制度7. 立法8. 司法9. 外交10. 国防

    第3章 経済概況1. 経済概観(1) ベトナム経済の歩み ~「ドイモイ」から「アジア通貨危機」~(2) 2000年以降のベトナム経済(3) 社会経済5ヵ年計画(2016~2020年)

    2. 産業構造3. 貿易構造(1) 輸出・輸入・貿易収支の推移(2) 品目別輸出・輸入の動向(3) 輸出入の国別動向

    4. ASEANの中のベトナム(1) ASEANの中で3番目に人口の多いベトナム(2) ASEAN域内での貿易額の変化(3) 賃金コストで比較したベトナムの位置付け

    第4章 直接投資受入動向1. 外国直接投資(FDI)受入動向2. 国別受入動向3. 業種別受入動向4. 日本からベトナムへの直接投資

    第5章 日越経済関係1. 日越の経済関係と貿易の概要2. ベトナムにおける日系企業3. 日・ベトナム経済連携協定(1) 日越共同イニシアティブ(2) 日越投資協定(3) 日越経済連携協定(JVEPA)

    第6章 外資導入政策と管轄官庁1. 管轄官庁2. 外資導入の概要3. 近年の主要な投資促進・優遇策(1) 裾野産業発展のための優遇(2) 工業団地の整備(3) 外資の意見を聞く姿勢

    第7章 主要関連法規1. WTO加盟と法改正(1) 法改正の状況

    2. 主要外資関連法規(1) 旧共通投資法・旧統一企業法と投資法・企業法① 新法の目的と変更点② 投資法・企業法の施行細則のポイント

    (2) その他の関連法規① 税法② 輸出入関税法③ 労働法④ 土地法

    第8章 投資形態1. ベトナムへの進出・投資形態

    第9章 主要投資インセンティブ1. 投資インセンティブの法的枠組み2. 法人所得税に関する投資優遇措置3. 輸入関税に関する投資優遇措置4. 土地使用税及び土地使用料に関する投資優遇措置5. その他の投資インセンティブ

    第10章 外資規制業種1. 条件付投資分野2. 投資禁止分野

    第11章 許認可・進出手続き1. 概要2. 投資登録証明書の取得(1) 省レベルの人民委員会による投資方針の承認が必要となる場合(2) 首相による投資方針の承認を得る必要がある場合(3) 国会による投資方針の承認を得る必要がある場合(4) 投資承認を得る必要がない場合

    3. 企業登録証明書の取得4. 外資系企業の義務と保管すべき書類5. 支店・駐在員事務所の設立の許可申請手続き6. 外国契約者として事業を行う際の許可申請手続き

    第12章 税制1. 法人所得税2. 付加価値税3. 特別消費税4. 個人所得税5. 外国契約者税6. 関税7. その他の税8. 日越租税条約9. 税務上の問題点と留意点(1) 移転価格税制(2) 税務調査

    10. 会計及び監査制度(1) 会計(2) 監査

    第13章 用地取得1. ベトナム土地制度の概要2. 外資系企業の土地使用権の取得方法3. 土地使用権の担保

    第14章 知的財産権1. 知的財産権の保護(1) 知的財産権の侵害(2) 知的財産権に関する法体系と法改正(3) 知的財産権認定のための手続き

    2. 保護対象の知的財産権3. 技術移転4. 国際条約と国際評価

    第15章 環境規制1. ベトナムの環境問題2. 環境保護の体制3. 環境保護の法体系4. 主な環境規制5. 環境影響評価(1) 環境影響評価報告書(2) 環境保護計画レポート

    6. 環境が問題となった事例(1) Vedan Vietnamの事例(2) Formosaの事例(3) Pominaの事例

    第16章 貿易管理・為替管理1. 輸出入規制(1) 輸入規制① 輸入地域規制② 輸入品目規制③ 中古機械・設備の輸入規制④ 輸入許可証⑤ 自由販売証明書

    (2) 輸出規制① 輸出地域規制② 輸出品目規制③ 自由販売証明書④ 輸出のための原産地証明書の発行

    2. 関税制度3. 通関手続(1) 輸入通関手続き(2) 輸出通関手続き

    4. 為替相場5. 外国為替管理と外貨交換制度

    第17章 金融制度1. 金融機関(1) 中央銀行(2) 商業銀行① 国有商業銀行② 民間商業銀行③ 外国銀行

    (3) 政策銀行、協同組合銀行(4) ノンバンク(5) 駐在員事務所

    2. ベトナムの金融市場(1) 金融政策(2) 不良債権比率の現状

    3. 資本市場(1) 株式市場(2) 債券市場

    第18章 資金調達1. 日系企業の資金調達の現状2. 現地商業銀行からの借入(1) 関連する規制(2) 金利水準の推移(3) 留意点

    3. 海外からの借入4. 社債市場からの資金調達5. 株式上場による資金調達

    第19章 労働事情1. 労働法の体系2. 労働市場と雇用情勢3. 賃金(1) 賃金(2) 最低賃金

    4. 雇用関係(1) 労働規制(2) 雇用契約の締結(3) 試用期間(4) 雇用契約の終了

    5. 労働条件(1) 勤務時間(2) 週休日・祝日(3) 祝日(4) 年次有給休暇

    6. 社会保険及び健康保険(1) 社会保険(2) 失業保険(3) 健康保険

    7. 労使関係8. 労働紛争の解決9. 外国人就労規制と労働許可の取得(1) 外国人労働者の採用(2) 外国人労働許可証(ワーク・パーミット)の取得義務

    第20章 物流・インフラ1. 主要な国際空港と港湾の位置2. 港湾(1) 港湾概要(2) 北部の港湾(3) 中部の港湾(4) 南部の港湾

    3. 空港4. 道路(1) 道路概要(2) 主要幹線道路(3) 経済回廊

    5. 鉄道(1) 主要鉄道路線(2) 南北高速鉄道計画(3) 都市鉄道計画

    6. 電力(1) 電力概要(2) 需給状況(3) 工業団地での最近の電力事情の実態

    7. 水道8. ガス9. 通信(1) 電話(2) インターネット(3) 郵便・宅配

    第21章 投資環境の優位性と留意点1. 進出先としての企業の見方(1) 進出先として注目を浴びるベトナム(2) ベトナムを有望視する理由と企業が指摘する課題

    2. 投資先としてのベトナムの優位性(1) 成長する国内市場(2) 若くて優秀な人材(3) 政治・社会の安定性(4) 自由貿易の拡大

    3. 投資にあたっての留意点(1) 賃金(2) 法務・税務処理の難しさ(3) インフラの未整備(4) 高度人材の確保難(5) 裾野産業の未発達(6) 日系社会と駐在生活

    第22章 主要産業の動向とFTAの影響1. ベトナムの主要産業2. 自動車(1) 需要が増す中、政府の自動車政策の方向性とビンファストが注目される(2) セダンの人気が高い国内市場(3) 自動車販売市場におけるメーカー各社のシェア

    3. 二輪車(1) 過去最高に迫った2018年の生産台数(2) ホンダ、ヤマハの存在感が大きい二輪車市場

    4. 携帯電話(1) 貿易赤字改善の主因となった携帯電話(2) 携帯電話のベトナムへの生産シフトが進行中

    5. 縫製(1) 輸出増に併せて増加基調にある縫製セクターの貿易黒字(2) 日本、米国の「脱中国」のメリットを最も受けたベトナム

    6. 食品(1) 食品加工業の市場規模とその推移(2) カテゴリー別にみた加工食品の市場規模(3) ベトナムの加工食品市場の特徴(4) 今後の見通し

    7. 小売(1) 市場概況(2) 外資小売企業に係る規制の厳格化(3) 日本企業など外資小売チェーンの進出・撤退動向(4) 今後の見通し

    8. FTA、EPAの進捗状況

    第23章 最近のトピックス1. 米中貿易摩擦のベトナムへの影響2. 中古機械の輸入規制緩和3. 投資優遇措置の一方的な取り消し4. 自動車メーカー、ビンファスト誕生

    第24章 地域ごとの特徴1. ベトナムの地域分類2. 地域別の経済動向(1) 地域別の産業の特徴

    3. 地域別の労働人口と所得水準4. 賃金水準5. 外国投資が多い地域と工業団地の分布【参考】地域別気候

    第25章 地域編①:北部1. 北部の概要(1) 北部の特徴(2) ハノイ市(3) ハイフォン市

    2. 外国直接投資受入状況(1) ハノイ市(2) ハイフォン市(3) その他の省

    3. 日系企業の動向(1) 直接投資流入の推移(2) 北部進出企業のベトナム戦略(ベトナム拠点の位置付け)

    4. 主要工業団地5. 投資申請・相談窓口6. インフラ(1) 港湾(2) 空港(3) 道路(4) 鉄道(5) 電力(6) ガス(7) 水道(8) 交通(9) 通信

    7. 労働事情(1) 労働者の確保(2) 労働管理(3) コミュニケーション(4) 雇用契約(残業時間、有給休暇、退職、転職)(5) 労働者に対する評価(6) 賃金水準

    8. 市場として見た北部9. 生活環境(1) ハノイ(2) ハイフォン

    10. 主要工業団地

    第26章 地域編②:中部1. 中部の概要(1) 中部の特徴(2) ダナン市

    2. 外国直接投資受入状況3. 日系企業の動向4. 主要工業団地5. 投資申請・相談窓口6. インフラ(1) 港湾(2) 空港(3) 道路(4) 東西回廊(5) 鉄道(6) 交通(7) 電力(8) 水道(9) ガス(10) 通信(11) その他

    7. 労働事情(1) 労働者の確保(2) 労働管理(3) 労働者の評価(4) 賃金水準

    8. 市場として見た中部9. 生活環境10. 主要工業団地

    第27章 地域編③:南部1. 南部の概要(1) 南部の特徴(2) ホーチミン市(3) ドンナイ省(4) ビンズン省(5) ロンアン省(6) バリア・ヴンタウ省(7) その他

    2. 外国直接投資受入状況3. 日系企業の動向(1) 直接投資流入の推移(2) 南部進出企業のベトナム戦略(ベトナム拠点の位置付け)

    4. 主要工業団地5. 投資申請・相談窓口6. インフラ(1) 港湾(2) 空港(3) 道路(4) 南部回廊(5) 鉄道(6) 交通(7) 電力(8) ガス(9) 水道(10) 通信

    7. 労働事情(1) 労働者の確保(2) 労働管理(3) 雇用契約(残業時間、有給休暇、退職、転職)(4) 労働者の評価(5) コミュニケーション(6) 賃金水準

    8. 市場として見た南部9. 生活環境10. 主要工業団地

    付録1 進出企業へのアドバイス付録2 よくある質問(FAQ)(1) ベトナムへの進出を考えていますが、まず、どこから情報を入手すれば良いでしょうか?(2) ベトナムは世界でも少ない社会主義の国だと思いますが、労務面で気を付けるべき点について、アドバイスを下さい。(3) ベトナムでは法令、通達が多いと聞きますが、最新情報を把握するにはどうすれば良いでしょうか?(4) ベトナムの税務面の特徴に、「外国契約者税」というものがあると聞いたことがありますが、どのようなものですか?(5) ベトナムでレストランや小売店を開きたいのですが、外資比率や出店に関する規制にはどのようなものがありますか?(6) ベトナムの小売業での商慣行の特徴を教えてください。(7) ベトナムの生活環境(教育、医療、娯楽)を教えてください。(8) ベトナムの治安に関する情報はどこで入手できますか。

    付録3 日本国内での相談窓口付録4 ベトナム国内での相談窓口1. 外国投資主要行政機関(投資関連情報の入手が可能)2. 地方省市の計画投資局等(投資関連情報の入手が可能)3. 工業区/輸出加工区 管理機関(工業団地入居関連情報等の入手が可能)4. 現地政府関係機関(投資関連、生活環境等に関する情報の入手が可能)5. 日系金融機関(資金調達等にかかる相談、投資関連情報の入手が可能)