39
中小企業の経営課題に関する実態調査 ~BCP・SDGs対応・シェアリングエコノミーを巡る実態~ [2019年7月調査] 2019年10月21日 産業調査部 情報メモNo.2019-39 中小企業設備投資動向調査(2019年7月調査) 付帯調査

中小企業の経営課題に関する実態調査中小企業の経営課題に関する実態調査 ~BCP・SDGs対応・シェアリングエコノミーを巡る実態~ [2019年7月調査]

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中小企業の経営課題に関する実態調査~BCP・SDGs対応・シェアリングエコノミーを巡る実態~

[2019年7月調査]

2019年10月21日 産業調査部

情報メモNo.2019-39

中小企業設備投資動向調査(2019年7月調査)付帯調査

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目次

1

〇調査要領、調査回答企業の属性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P2

〇調査結果

【BCP編】

1.災害・事故等による悪影響の経験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P6

2.BCPの策定・認知状況 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P9

3.BCP策定による効果および策定に期待する効果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P12

4.BCPを策定していない理由 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P13

5.緊急時に備えての対策 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P14

6.自由記載(緊急時対策) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ P16

【SDGs対応編】

1.SDGsに対する対応と認知状況 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・P18

2.実施している環境関連の取組 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・P20

3.環境関連の取組を実施したことによるメリット ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・P21

4.環境関連の取組をする上でのネック ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・P22

5.国内外の環境規制による経営への影響 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・P23

6.自由記載(SDGs対応、環境規制の影響等) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・P26

【シェアリングエコノミー編】

1.シェアリングエコノミーの活用・関心・認知状況 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・P29

2.シェアリングエコノミーの活用形態 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・P31

3.シェアリングエコノミーの具体的活用内容 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・P33

4.シェアリングエコノミー活用によるメリット ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・P36

5.自由記載(シェアリングエコノミーの活用・関心状況) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・P37

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調査要領

2

1 目的・内容 〇調査目的

BCP・SDGs対応・シェアリングエコノミーを巡る実態調査〇調査内容P1「目次」の「調査結果」記載の通り

2 調査時点 ○2019年7月1日現在

3 対象企業 ○当金庫取引先中小企業(注)(注)いわゆる「中小会社」(会社法第2条6号に規定する「大会社」以外の会社)または法定中小企業(中小企業基本法第2条に規定する中小企業者)のいずれかに該当する非上場企業

4 企業数 有効回答数 4,830社(アンケート発送数10,499社、回収率46.0%)

5 調査方法 ○調査票によるアンケート調査(郵送自記入方式)

■ご照会先 商工中金 産業調査部 髙宮 TEL:03-3246-9370

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調査回答企業の属性

3

1)従業員規模別

回答企業数 構成比(%)

①    10人以下 846 17.5

②    10人超~30人以下 1,465 30.3

③    30人超~50人以下 867 18.0

④    50人超~100人以下 835 17.3

⑤    100人超 817 16.9

合  計 4,830 100.0

(注1)各項目の構成比は、四捨五入の関係で100%

とならない場合がある。以下同様。

2)地域別(本社所在地)

回答企業数

構成比(%)

回答企業数

構成比(%)

1  北海道 178 3.7 6  北陸 188 3.92  東北 384 8.0 7  近畿 850 17.63  関東 1,368 28.3 8  中国 392 8.14  甲信越 270 5.6 9  四国 159 3.35  東海 535 11.1 10 九州・沖縄 506 10.5

4,830 100.0合  計(注1)地域区分:東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)、関東(茨城、栃木、群馬、東京、埼玉、千葉、神奈川)、甲信越(山梨、長野、新潟)、東海(静岡、愛知、三重、岐阜)、北陸(富山、石川、福井)、近畿(大阪、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山)、中国(鳥取、島根、岡山、広島、山口)、四国(香川、徳島、愛媛、高知)、九州・沖縄(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

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調査回答企業の属性

4

3)業種別

回答企業数

構成比(%)

回答企業数

構成比(%)

1,605 33.2 3,225 66.8

食料品 195 4.0 建設 403 8.3

繊維 92 1.9 卸売 920 19.0

木材・木製品 68 1.4 小売 400 8.3

紙・パルプ 37 0.8不動産・物品賃貸

197 4.1

化学 135 2.8 運輸 759 15.7

窯業・土石 64 1.3 サービス 408 8.4

鉄・非鉄 85 1.8 情報通信 45 0.9

印刷 105 2.2 飲食店・宿泊業 93 1.9

金属製品 283 5.9

はん用、生産用、業務用機械

184 3.8

電気機器 85 1.8

輸送用機器 84 1.7

その他製造 188 3.9

4,830 100.0(注1)2017年1月調査より従来の「一般機械」及び「精密機器」を「はん用、生産用、業務用機械」に統合。

従来「サービス業」に含まれていた「物品賃貸業」を「不動産・物品賃貸業」に区分。

非製造業

全業種

製造業

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BCP編

中小企業の経営課題に関する実態調査~BCP・SDGs対応・シェアリングエコノミーを巡る実態~

[2019年7月調査]

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1.災害・事故等による悪影響の経験①

6

災害や事故等が原因で事業活動に悪影響(直接的・間接的問わず)が出た経験を尋ねた。

全体の13.6%の企業が「大きな悪影響が出た経験あり」と回答。

「やや悪影響が出た経験あり」と合算すると、全体の55.1%の企業が悪影響が出た経験ありと回答。

[図表1-1]災害・事故等による悪影響の経験

13.6

13.0

13.8

41.5

41.9

41.3

45.0

45.1

44.9

0 20 40 60 80 100

全体

(n=4,638)

製造業

(n=1,549)

非製造業

(n=3,089)

大きな悪影響が出た経験あり やや悪影響が出た経験あり 悪影響が出た経験はない

(%)

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7

同じ質問の回答結果を企業の売上規模別でまとめた。

売上規模が大きいほど悪影響を受けた経験のある企業割合は高かった。

拠点や取引先の数が多いと、災害や事故による影響を受けやすくなることなどが背景にあるとみられる。

1.災害・事故等による悪影響の経験②

[図表1-2]災害・事故等による悪影響の経験(売上規模別)

13.2

12.5

13.2

13.9

17.4

19.7

36.0

40.8

41.0

49.8

52.9

51.0

50.8

46.7

45.8

36.4

29.8

29.3

0 20 40 60 80 100

5億円以下

(n=1,570)

5億円超~10億円以下

(n=1,072)

10億円超~20億円以下

(n=922)

20億円超~50億円以下

(n=685)

50億円超~100億円以下

(n=242)

100億円超

(n=147)

大きな悪影響が出た経験あり やや悪影響が出た経験あり 悪影響が出た経験はない

(%)

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8

同じ質問の回答結果を企業の所在地域別でまとめた。

東北地方では、「大きな悪影響が出た経験あり」と回答した企業割合がとりわけ高かった。

2011年に東日本大震災による大きな被害が出たこと等が背景にあるとみられる。

1.災害・事故等による悪影響の経験③

[図表1-3]災害・事故等による悪影響の経験(地域別)

15.0

32.7

12.7

15.8

9.5

8.4

11.5

10.0

7.9

13.5

48.0

41.8

42.6

35.5

34.2

40.4

48.5

40.4

36.4

37.8

37.0

25.5

44.7

48.6

56.3

51.1

40.0

49.6

55.6

48.8

0 20 40 60 80 100

北海道

(n=173)

東北

(n=373)

関東

(n=1,319)

甲信越

(n=259)

東海

(n=515)

北陸

(n=178)

近畿

(n=819)

中国

(n=369)

四国

(n=151)

九州・沖縄

(n=482)

大きな悪影響が出た経験あり やや悪影響が出た経験あり 悪影響が出た経験はない

(%)

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9

[図表2-1]BCPの策定・認知状況

BCP(事業継続計画)の策定・認知状況について尋ねた。

「策定済み」は全体の11.4%で「策定中」は11.5%。一方、16.8%が「BCPという言葉を知らない」と回答。

非製造業よりも製造業の方が、「策定済み」企業の割合は大きく、BCPという言葉の認知度は高かった。

2.BCPの策定・認知状況①

11.4

13.8

10.1

11.5

14.3

10.0

29.8

30.3

29.5

30.6

27.7

32.1

16.8

13.9

18.3

0 20 40 60 80 100

全体

(n=4,651)

製造業

(n=1,562)

非製造業

(n=3,089)

策定済み 策定中

未策定だが、策定を検討している 未策定で、策定の予定はない

BCPという言葉を知らない

(%)

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10

[図表2-2]BCPの策定・認知状況(売上規模別)

同じ質問の回答結果を企業の売上規模別でまとめた。

売上規模が大きいほど「策定済み」と回答した企業の割合は高かった。

また、売上規模が大きいほどBCPという言葉の認知度は高かった。

2.BCPの策定・認知状況②

7.9

8.8

12.4

15.5

18.0

30.1

8.9

11.3

10.9

14.9

18.0

17.1

27.4

30.6

32.9

30.6

28.6

26.7

32.7

31.7

29.7

28.6

26.1

23.3

23.1

17.5

14.0

10.5

9.4

2.7

0 20 40 60 80 100

5億円以下

(n=1,570)

5億円超~10億円以下

(n=1,078)

10億円超~20億円以下

(n=926)

20億円超~50億円以下

(n=686)

50億円超~100億円以下

(n=245)

100億円超

(n=146)

策定済み 策定中

未策定だが、策定を検討している 未策定で、策定の予定はない

BCPという言葉を知らない

(%)

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2.BCPの策定・認知状況③

11

同じ質問に対する回答結果について、災害や事故によって受けた悪影響経験との対応関係を調べた。

結果、過去に経験した悪影響が大きい企業群ほど、BCPを「策定済み」「策定中」の回答割合が高かった。

14.2

12.5

9.2

15.2

12.2

9.7

29.6

34.0

25.7

24.1

26.6

36.5

16.9

14.7

18.9

0 20 40 60 80 100

大きな悪影響が出た経験あり

(n=626)

やや悪影響が出た経験あり

(n=1,907)

悪影響が出た経験はない

(n=2,055)

策定済み 策定中

未策定だが、策定を検討している 未策定で、策定の予定はない

BCPという言葉を知らない

(%)

[図表2-3]BCPの策定・認知状況(過去に災害や事故によって受けた経験のある悪影響別)

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12

[図表3]BCPを策定した効果・BCPの策定に期待する効果(複数回答)

BCPを「策定済み」の企業に対し、策定したことによりどのような効果があったかを尋ね、BCPを「策定中」お

よび「策定検討中」の企業に対しては、策定するにあたりどのような効果を期待するかを尋ねた(複数回答)。

いずれの企業でも、「緊急時の適切な対応」、「従業員の緊急時対応に対する意識向上」、「取引先から

の信頼度向上」の順に回答が多かった。

3.BCP策定による効果および策定に期待する効果

68.4

40.7

7.0

53.0

13.84.5 1.3

40.4

32.2

10.9

34.1

16.3

4.1 0.4

42.8

28.3

7.8

36.3

14.7

3.6 0.10

20

40

60

80

100

緊急時の適切な対応

取引先からの信頼度向上

売上や取引先数の増加

従業員の緊急時対応に対

する意識向上

業務の効率化

在庫水準の適正化

その他

BCPを「策定済み」の企業

(n=528)BCPを「策定中」の企業

(n=534)BCPを「策定検討中」の企業

(n=1,384)

(%)

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4.BCPを策定していない理由

13

BCPを「未策定で、策定の予定なし」と回答した企業群に対し、策定していない理由を尋ねた(複数回答)。

「策定必要性を考えるほどの緊急時が想定できない」が40.5%と最も多いが、「ノウハウが不足」(36.7%)

「人員が確保できない」(22.3%)といった点が障害となりBCP策定に至っていないケースも多いとみられる。

36.7

22.3

10.418.3

40.5

3.2

0

20

40

60

80

100

ノウハウが不足

人員が確保できない

コストがかかり過ぎる

効果が期待できない

策定必要性を考えるほど

の緊急時が想定できない

その他

(%)

(n=1,424)

[図表4]BCPを策定していない理由(複数回答)

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5.緊急時に備えての対策①

14

緊急時に備えて実施済みの対策および今後実施したい対策を尋ねた(複数回答、5つまで)。

実施済みの対策としては「火災・地震等の保険の加入」(70.0%)、「緊急時の連絡体制の整備」(65.2%)

「データ等のバックアップ体制整備」(48.1%)の回答割合が大きかった。

今後実施したい対策としては「非常時に協力できる同業者や地域社会等との関係構築」(35.0%)、「非

常食や飲料水の備蓄」(32.7%)、「非常時の予備電源の整備」(31.9%)の回答割合が大きかった。

19.3

65.2

27.4

16.1

28.6 28.5

48.1

10.1

70.0

5.60.2

27.522.4

32.7 31.9

23.0 23.229.7

35.0

4.8

20.5

0.20

20

40

60

80

建物や設備等の耐震化対策

緊急時の連絡体制の整備

非常食や飲料水の備蓄

非常時の予備電源の整備

防災訓練や研修の実施

指導系統の明確化

データ等のバックアップ体

制整備

非常時に協力できる同業者

や地域社会等との関係構築

火災・地震等の保険の加入

原材料・資材の調達先や自

社拠点の分散

その他

実施済みの対策

(n=3,879)

今後実施したい対策

(n=3,600)

(%)

[図表5-1]緊急時に備えての対策(複数回答)

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5.緊急時に備えての対策②

15

緊急時に備えて実施済みの対策を回答企業の従業員数規模別に集計したところ、「緊急時の連絡体制

の整備」と「防災訓練や研修の実施」の回答について特徴的な結果が得られた。

両項目の対策とも、概ね従業員数が小さい企業ほど「実施済み」と回答した割合が低かった。

従業員数の小さい企業は大きい企業と比べ、実施に際し何らかのネックを抱えている可能性がある。

[図表5-2]緊急時に備えて実施済の対策(複数回答、従業員数別、一部選択肢抜粋)

46.5

15.8

49.8

12.3

58.2

17.1

57.7

17.6

67.5

25.1

73.6

40.1

78.1

46.3

79.1

60.1

0

20

40

60

80

100

緊急時の連絡体制の整備 防災訓練や研修の実施

5人以下(n=241) 6人~10人(n=333) 11人~20人(n=608)

21人~30人(n=506) 31人~50人(n=714) 51人~100人(n=726)

101人~300人(n=598) 301人以上(n=153)

(%)

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6.自由記載(緊急時対策)

16

その他サービス業データを全てクラウドにバックアップし緊急時に備えている。しかし、ランニングコストが増加。

はん用・生産用・業務用機械製造業

緊急時の緊急連絡網の再整備、非常食、飲料水、毛布等の備蓄を完了している。

金属製品製造業指示系統が明確でなく、東日本大震災時にスタッフが何も動けなかった。ラインを明確にし、ある程度のリーダーの裁量をもたせることで対策をスピーディーにするようにした。

金属製品製造業 自社の拠点を分散させる事で災害時でも供給を可能にした。その他卸売業 各事業所に防災上必要な物資をヒアリングし、すべて配付した。

物品賃貸業防災訓練の実施(3月・9月の年2回)。良い効果として、社員の防災に対する危機的意識が大変良くなった。今後の課題としてマンネリ化をいかに排除していくかに悩む。

道路貨物運送業会計システムをクラウドシステムにしている。センターで会計データが管理されている為、災害・セキュリティ面で安心できる。

その他サービス業人員の安全確保の為の避難場所の通知・それに伴い社員教育を実施・健康被害に対する研修・実習などに取り組んでいる。

燃料小売業 SS(サービスステーション)での自家発電装置の設置。

紙・パルプ製造業建物1Fが浸水した場合の損害保険の完備をした。しかし営業損害の保険は未整備。

自動車・同部品卸売業H28年4月の熊本地震により社屋が全壊し、多大な被害を受けた。社屋の再建に当り、耐震化対策と、省エネ対策化を考慮した社屋を建設した。

印刷業同業他社と協業し、災害等の緊急時生産供給体制を構築。相互の資源の有効活用による生産向上に取り組んでいる。

(注)匿名性の確保や読み易さの観点から、商工中金産業調査部で一部加筆・修正を行っている。

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SDGS対応編

中小企業の経営課題に関する実態調査~BCP・SDGs対応・シェアリングエコノミーを巡る実態~

[2019年7月調査]

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1.SDGsに対する対応と認知状況①

18

近時、国内外で「SDGs(※注)」への注目度が高まっている。

そこで、本調査では、「SDGs」に対する対応と「SDGs」の認知状況を尋ねた。

「考え方を経営に取り入れている」が全体の6.5%、「今後考え方を取り入れる予定あり」は10.4%だった。

一方、「関心はない」が13.6%、「SDGsという言葉は知らない」すなわち認知していない企業は42.2%だった。

[図表1-1]SDGsに対する対応と認知状況

(※注)「SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)」とは、2015年に国連で採択された2030年までの国際目標。17の「ゴール(目標)」と169の「ターゲット(達成基準)」で構成されており、気候変動や格差など幅広い課題の解決をめざすもの。

6.5

6.2

6.7

10.4

12.4

9.4

27.2

29.5

26.1

13.6

12.3

14.2

42.2

39.5

43.6

0 20 40 60 80 100

全体

(n=4,453)

製造業

(n=1,508)

非製造業

(n=2,945)

考え方を経営に取り入れている 今後考え方を取り入れる予定あり 関心はあるが取り入れる予定なし

関心はない SDGsという言葉は知らない

(%)

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19

同じ質問の回答結果を企業の売上規模別でまとめた。

規模が大きいほど認知度は高く、経営への取入れに関しては概ね規模が大きい企業ほど前向きだった。

1.SDGsに対する対応と認知状況②

[図表1-2]SDGsに対する対応と認知状況(売上規模別)

5.4

4.5

7.8

7.8

8.6

15.7

8.5

9.9

11.2

12.1

13.7

16.4

24.6

26.9

27.1

30.9

34.3

30.0

13.4

14.0

13.1

13.7

15.5

12.1

48.2

44.7

40.8

35.4

27.9

25.7

0 20 40 60 80 100

5億円以下

(n=1,490)

5億円超~10億円以下

(n=1,027)

10億円超~20億円以下

(n=900)

20億円超~50億円以下

(n=663)

50億円超~100億円以

(n=233)

100億円超

(n=140)

考え方を経営に取り入れている 今後考え方を取り入れる予定あり 関心はあるが取り入れる予定なし

関心はない SDGsという言葉は知らない

(%)

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20

実施している環境関連の取組を尋ねた(複数回答)。

「クール・ビズまたはウォーム・ビズ運動」、「再生資源の原材料としての使用、コピー・事務用品の削減」、

「駐停車時のアイドリングストップ等、こまめな消灯等」、「一般・産業廃棄物の発生抑制、容器包装等の

回収、リサイクル推進」といった回答が多かった。

2.実施している環境関連の取組

[図表2]実施している環境関連の取組(複数回答)

61.6

53.2

43.2

53.3

21.4 19.8

11.3 9.2 11.5 13.1

5.5

14.6

0.8 1.1

0

20

40

60

80

クール・ビズまたはウォーム・

ビズ運動

駐停車時のアイドリングス

トップ等、こまめな消灯等

一般・産業廃棄物の発生抑制、

容器包装等の回収、リサイクル

推進

再生資源の原材料としての使

用、コピー、事務用品等の削減

騒音・振動、悪臭の低減

有害物質の使用・排出・製品

含有の削減・抑制

環境保全型、あるいは環境に配

慮した製品・サービスの開発・

販売

グリーン購入・調達の推進、仕

入・調達先への購入・調達方

針開示

環境保全のための社会貢献活

環境保全のための従業員の教

自社の取組の情報開示

環境・マネジメント・システ

ムの構築(ISO14001な

ど)

二酸化炭素の排出権の購入

その他

(%)

(n=4,193)

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21

前項の質問でいずれかを回答した企業に、取組をしたことによるメリットを尋ねた(複数回答)。

「コストを削減できた」(42.3%) 、「企業イメージの向上」(39.0%)、「法規制順守意識の向上」(38.1%)、

「経営者・従業員の満足度向上」(22.5%)という回答が多かった。

3.環境関連の取組を実施したことによるメリット

[図表3]環境関連の取組を実施したことによるメリット(複数回答)

39.042.3

38.1

22.5

9.3

3.5 1.7 0.94.0

0.6 0.8

5.9

0

20

40

60

企業イメージの向上

コストを削減できた

法規制順守意識の向上

経営者・従業員の満足度向上

販売先・受注先との関係強化

官公庁・自治体・金融機関等と

の関係強化

売上の増加

取引先数の増加

商品・サービスの付加価値の向

人材の確保がしやすくなった

新事業への参入実現

その他

(%) (n=3,776)

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4.環境関連の取組をする上でのネック

22

環境関連の取組をする上でネックとなっていることを尋ねた(複数回答)。

「ノウハウが不足」(49.0%)、「人員が不足」(38.0%)など経営資源の不足が障害になっているという回答が

多く見られた一方、「業績への効果が期待できない」(30.1%)という回答も多く見られた。

[図表4]環境関連の取組をする上でネックとなっていること(複数回答)

49.0

38.0

21.0

11.6

30.1

6.02.4

0

20

40

60

ノウハウが不足

人員が不足

資金が不足

技術力が不足

業績への効果が期待できない

従業員からの理解が得られない

その他

(%) (n=3,717)

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5.国内外の環境規制による経営への影響①

23

近時、中国での環境規制強化など、規制の変化により日本企業が影響を受けるケースが多くなっている。

そこで、本調査では国内外の新たな環境規制や環境規制の強化によって経営が影響を受けた経験を尋

ねた(概ね直近3年間の経験について回答を依頼)。

7.9%が「好影響・悪影響両方があった」、5.3%が「悪影響があった」、2.4%が「好影響があった」と回答。

[図表5-1]国内外の新たな環境規制・環境規制の強化によって経営が影響を受けた経験(概ね直近3年間の経験について回答)

2.4

2.5

2.3

5.3

5.0

5.4

7.9

7.9

7.9

84.4

84.6

84.4

0 20 40 60

全体

(n=4,440)

製造業

(n=1,496)

非製造業

(n=2,944)

好影響があった 悪影響があった 好影響・悪影響両方があった 特になかった

(%)100

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5.国内外の環境規制による経営への影響②

24

同じ質問について、製造業における業種別の集計結果をまとめた。

製造業の中では、化学、電気機器製造業において影響を受けた企業の割合が大きかった。

[図表5-2]国内外の新たな環境規制・環境規制の強化によって経営が影響を受けた経験(製造業内訳、概ね直近3年間の経験について回答)

2.8

4.7

2.9

2.4

1.3

3.0

1.9

4.7

5.0

3.7

0.6

2.3

5.8

3.5

5.7

13.6

6.5

5.0

3.0

4.5

3.5

11.3

6.21.1

4.0

3.5

10.5

8.6

13.6

9.7

6.3

3.0

9.1

5.2

8.8

11.1

10.7

90.9

86.0

86.0

82.9

70.4

83.9

87.5

91.1

84.5

86.6

75.0

79.0

87.6

0 20 40 60

食料品(n=176)

繊維(n=86)

木材・木製品

(n=57)

紙・パルプ(n=35)

化学(n=125)

窯業・土石(n=62)

鉄・非鉄(n=80)

印刷(n=101)

金属製品(n=264)

はん用、生産用、

業務用機械(n=172)

電気機器(n=80)

輸送用機器(n=81)

その他(n=177)

好影響があった 悪影響があった 好影響・悪影響両方があった 特になかった

(%)

100

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5.国内外の環境規制による経営への影響③

25

同じ質問について、非製造業における業種別の集計結果をまとめた。

非製造業の中では、運輸業において影響を受けた企業の割合が大きかった。

[図表5-3]国内外の新たな環境規制・環境規制の強化によって経営が影響を受けた経験(非製造業内訳、概ね直近3年間の経験について回答)

2.1

3.1

2.0

2.9

1.6

2.9

0.0

1.2

2.9

4.6

5.0

1.2

9.7

5.1

2.3

2.4

10.5

6.3

7.8

4.6

10.9

5.1

2.3

10.7

84.5

86.1

85.2

91.3

77.9

86.9

95.3

85.7

0 20 40 60

建設業(n=373)

卸売業(n=848)

小売業(n=358)

不動産業・物品

賃貸業(n=173)

運輸業(n=691)

サービス業

(n=374)

情報通信業

(n=43)

飲食店・宿泊業

(n=84)

好影響があった 悪影響があった 好影響・悪影響両方があった 特になかった

(%)100(%)(%)

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6.自由記載①(SDGs対応、環境規制の影響等)

26

食料品製造業「SDGs宣言」を行うことにより、社員一人一人の意識が向上し、様々な取組に結びついている。

建設業

「ビジョン構築プロジェクト」を始動させ、10年後の会社のありたい姿について議論を重ねている。そんな中、プロジェクトの主導によりSDGs達成に向け、各部毎にSDGsに関連した行動目標を掲げ、実践している。

水運業今後SDGsに関する対応が強く求められてくるが、その都度対応せざるを得ない。

輸送用機器製造業グリーン調達、IMDSへの登録などを実施している。しかし、取引先(購入品メーカー)からの情報開示が消極的な為、情報収集に手間がかかりすぎる。

その他卸売業環境に害を及ぼすような製品の販売をしないことにしている。場合によっては薬品の含有量をメーカーより提示してもらう。

衣服・身の回り品小売業ショッパーの有料化に今後入って行く中で、自店のエコバッグを作成するなど、どうしていくか、いつからするかなどが課題。

繊維・身の回り品卸売業資源循環型ケミカルリサイクル対応製品の生産と供給、さらなるその開発と普及に取り組んでいる。

化学工業自社商品はプラスチックのパーツでアッセンブルされたものが多く、プラスチックに代わる素材やプラスチックの比率を下げる加工を模索している。

(注)匿名性の確保や読み易さの観点から、商工中金産業調査部で一部加筆・修正を行っている。

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6.自由記載②(SDGs対応、環境規制の影響等)

27

その他製造業ゴミ問題が課題となっており、分別を徹底した会社作りを行っている。プラスチック製袋加工を行っているので、プラスチックゴミの輸出入禁止などは、今後も大きな課題であると考えている。

水運業船舶のNOX、SOX、排出規制により、船舶改造工事のコストがかかる。

窯業・土石業

建設機械や、車輌の排ガス規制の強化対策により購入金額が1割程度アップした。また、使用にあたっても尿素を常に入れる時の手間も増加している。環境配慮した対策でもあり、やむを得ないと考えている。

道路貨物運送業環境規制対応の車両導入に関しコスト(車両価格)が増加しているが、売上に直結していない(客に環境コスト増を理解してもらえない)。

はん用、生産用、業務用機械製造業

環境経営システム規格エコステージを導入し、エネルギー消費や時間外労働の削減を実現した。

印刷業ISOが形だけになりつつあり、コストと効果のバランスが崩れてきている。

その他卸売業環境関連の取組みに手をつけたくても既存事業に追われ、本腰を入れて活動に入れない現状。

建設業環境についていつも気にはしているが、時間と人材不足で、なかなかすぐ取組が出来ない。今後少しずつでも対策を考えてみたい。

(注)匿名性の確保や読み易さの観点から、商工中金産業調査部で一部加筆・修正を行っている。

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シェアリングエコノミー編

中小企業の経営課題に関する実態調査~BCP・SDGs対応・シェアリングエコノミーを巡る実態~

[2019年7月調査]

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1.シェアリングエコノミーの活用・関心・認知状況①

29

シェアリングエコノミー(※注)について、活用・関心・認知の状況を尋ねた。

「活用している」「活用予定あり」が計3.9%、「活用に関心はあるが活用予定はない」が19.1%。

一方で、「活用に関心はない」が44.5%で、「シェアリングエコノミーを知らない」が32.5%に上った。

活用・関心・認知の度合いについていずれも、製造業よりも非製造業の方がやや高かった。

2.7

2.3

2.9

1.2

0.6

1.4

19.1

18.2

19.6

44.5

44.0

44.8

32.5

34.8

31.4

0 20 40 60 80 100

全体

(n=4,556)

製造業

(n=1,518)

非製造業

(n=3,038)

活用している 活用予定あり

活用に関心はあるが、活用予定はない 活用に関心はない

シェアリングエコノミーを知らない

(%)

[図表1-1]活用・関心・認知状況

(※注)ここでは、「モノ・人材・空間などを仲介者を介して共有する仕組みで、料金のやりとりを伴うもの」としている。

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30

同じ質問の回答結果を企業の売上規模別でまとめた。

規模が大きいほど認知度は高い一方、活用や関心度合いは規模の大小で顕著な差がみられなかった。

1.シェアリングエコノミーの活用・関心・認知状況②

[図表1-2]活用・関心・認知状況(売上規模別)

2.6

2.4

2.9

3.1

2.9

2.8

0.9

1.0

1.1

1.2

2.1

3.5

18.7

19.9

20.6

18.2

17.4

16.1

40.6

42.6

44.9

49.6

53.5

58.0

37.3

34.1

30.5

27.9

24.1

19.6

0 20 40 60 80 100

5億円以下

(n=1,527)

5億円超~10億円以下

(n=1,050)

10億円超~20億円以下

(n=908)

20億円超~50億円以下

(n=687)

50億円超~100億円以下

(n=241)

100億円超

(n=143)

活用している 活用予定あり

活用に関心はあるが、活用予定はない 活用に関心はない

シェアリングエコノミーを知らない

(%)

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31

[図表2-1]シェアリングエコノミーの活用形態(複数回答)【シェアリングエコノミーを「活用している」「活用予定あり」と回答した企業】

シェアリングエコノミーを「活用している」「活用予定あり」と回答した企業に、活用形態を尋ねた(複数回答)。

「活用している」の企業群では活用形態として「他者の遊休資産等を利用」(63.9%)が最多。「自社の遊

休資産等を提供」(34.4%)が次いで多く、「遊休資産等の提供者と利用者をマッチングさせる(あるいはプ

ラットフォーマーになる)」は7.4%だった。

「活用予定あり」の企業群でも同様の順で回答割合が大きかった。

2.シェアリングエコノミーの活用形態①

34.4

63.9

7.4

0

20

40

60

80

100

「活用している」企業

自社の遊休資産等を提供

他者の遊休資産等を利用

遊休資産等の提供者と利用者をマッチングさせる

(%) (n=122)

50.954.7

18.9

0

20

40

60

80

100

「活用予定あり」企業

自社の遊休資産等を提供

他者の遊休資産等を利用

遊休資産等の提供者と利用者をマッチングさせる

(%) (n=53)

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32

「活用に関心はあるが、活用予定はない」企業にも、関心のある活用形態を尋ねた(複数回答)。

他企業群と同様、「他者の遊休資産等を利用」(47.3%) 、「自社の遊休資産等を提供」(36.2%)、「遊休

資産等の提供者と利用者をマッチングさせる(あるいはプラットフォーマーになる)」(23.4%)の順に回答が多い。

他の企業群と比べ、「遊休資産等の提供者と利用者をマッチングさせる(あるいは、プラットフォーマーにな

る)」の存在感が大きかった。

2.シェアリングエコノミーの活用形態②

[図表2-2]シェアリングエコノミーの活用形態(複数回答)【シェアリングエコノミーの「活用に関心はあるが、活用予定はない」と回答した企業】

36.2

47.3

23.4

0

20

40

60

80

100

「活用に関心はあるが、活用予定はない」企業

自社の遊休資産等を提供

他者の遊休資産等を利用

遊休資産等の提供者と利用者をマッチングさせる

(%) (n=871)

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3.シェアリングエコノミーの具体的活用内容①

33

シェアリングエコノミーを「活用している」と回答した企業に、その具体的内容を尋ねた(複数回答)。

自社の遊休資産を提供している企業の中では、具体的な内容として「空間のシェア(民泊・駐車場等)」と

答えた企業が比較的多かった。

他者の遊休資産を利用している企業の中では、具体的な内容として「移動手段のシェア(カーシェア等)」と

回答した企業が比較的多かった。

[図表3-1]活用しているシェアリングエコノミーの具体的内容(複数回答、数値は社数)モノ

のシェ

ア(

機械設

備・

資材

等)

移動

手段

のシェ

ア(

カー

シェ

ア等)

人材(

キル)

のシェ

空間

のシェ

ア(

民泊、

車場

等)

その

自社の遊休資産を提供している企業(n=42) 6 5 9 26 4

他者の遊休資産を利用している企業(n=78) 19 30 20 27 3

遊休資産等の提供者と利用者をマッチングさせている企業あるいはプラットフォーマーになっている企業(n=9)

2 3 6 4 1

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3.シェアリングエコノミーの具体的活用内容②

34

シェアリングエコノミーを「活用予定あり」と回答した企業にも、その具体的内容を尋ねた(複数回答)。

自社の遊休資産を提供する予定の企業の中では、具体的な内容として「空間のシェア(民泊・駐車場

等)」と答えた企業が比較的多かった。

他者の遊休資産を利用する予定の企業の中では、具体的な内容として「人材(スキル)のシェア」と回答し

た企業が比較的多かった。

[図表3-2]活用を予定しているシェアリングエコノミーの具体的内容(複数回答、数値は社数)モノ

のシェ

ア(

機械設

備・

資材

等)

移動

手段

のシェ

ア(

カー

シェ

ア等)

人材(

キル)

のシェ

空間

のシェ

ア(

民泊、

車場

等)

その

自社の遊休資産を提供する予定の企業(n=27) 6 8 7 13 2

他者の遊休資産を利用する予定の企業(n=29) 5 8 15 9 2

遊休資産等の提供者と利用者をマッチングさせる予定の企業あるいはプラットフォーマーになる予定の企業(n=10)

1 3 5 3 -

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3.シェアリングエコノミーの具体的活用内容③

35

「活用に関心はあるが、活用予定はない」企業にも、その具体的な内容を尋ねた(複数回答)。

自社の遊休資産を提供することに関心のある企業の中では、具体的な内容として「空間のシェア(民泊・駐

車場等)」と答えた企業が比較的多かった。

他者の遊休資産を利用することに関心のある企業の中では、具体的な内容として「人材(スキル)のシェア」

と回答した企業が比較的多かった。

[図表3-3]活用に関心があるシェアリングエコノミーの具体的内容(複数回答、数値は社数)モノ

のシェ

ア(

機械設

備・

資材

等)

移動

手段

のシェ

ア(

カー

シェ

ア等)

人材(

キル)

のシェ

空間

のシェ

ア(

民泊、

車場

等)

その

自社の遊休資産を提供することに関心のある企業(n=315) 93 36 84 149 24

他者の遊休資産を利用することに関心のある企業(n=412) 132 71 210 117 26

遊休資産等の提供者と利用者をマッチングさせる、あるいはプラットフォーマーになることに関心のある企業(n=204)

85 25 87 65 16

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4.シェアリングエコノミー活用によるメリット

36

シェアリングエコノミーを「活用している」企業に対し、活用したことによるメリット及び期待するメリットを尋ねた

(複数回答)。また、シェアリングエコノミーを「活用予定あり」の企業に対しては、期待するメリットを尋ねた。

「活用している」企業の中では「コスト削減」や経営資源の不足解消を挙げる企業が比較的多かった。

一方で、「活用予定あり」の企業の中では遊休資産の有効活用や「既存事業における売上高や利益の

増加」を期待する企業が比較的多かった。

[図表4]シェアリングエコノミーを活用したことによる・活用に期待するメリット(複数回答、数値は社数)

13

36

48

19

46

3

0

20

40

60

「活用している」企業

新事業への参入実現遊休資産の有効活用既存事業におけるコスト削減既存事業における売上高や利益の増加モノ・人材・空間などの不足解消その他

(社) (n=122)

13

23

1519

14

00

20

40

60

「活用予定あり」企業

新事業への参入実現遊休資産の有効活用既存事業におけるコスト削減既存事業における売上高や利益の増加モノ・人材・空間などの不足解消その他

(社) (n=53)

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5.自由記載(シェアリングエコノミーの活用・関心状況)

37

繊維・身の回り品卸売業 人材のシェアを始めたばかり。未だ効果を語るには至らず。

建設業経費の節減、働き方を変えるためにも、支店を作らずシェアオフィス、車輌を買わずにカーシェアを、今後検討していきたい。

不動産業所有の駐車場をコインパーキング業者に利用してもらうことにしたり、カーシェア業者に利用してもらい、売上げにつなげた。

建設業同業者間での人材のシェア及び機械設備の共有で有効に提供者と利用者のマッチングが出来ている。

不動産業 小規模ではあるが卸団地内でカーシェアリングを実施中。

対事業所サービス業シェアオフィスの活用により、保証金が少なく現金を有効活用できている。

はん用、生産用、業務用機械製造業

現在、事業を実施している工業団地のインフラ(土地、建物、機械設備、人材等々)をより効果的、効率的に活用する方法として、関心大。

飲・食料品卸売業カーシェアの活用により、コスト削減につながったので、今後も利用を推進していきたい。

機械・金属・鉱物・石油卸売業

我々の業種では、シェア=技術漏洩にも繋がる考えがあり、あまり普及していない。ただし今後の企業のあり方の中では、必要不可欠な分野かと考える。

その他サービス業自動車業界をとりまく環境として、「所有」から「シェアリング」へ移行してゆく中で自社で所有している車両にてシェアリング事業参入を計画している。

その他小売業現在でも他社の遊休資産の利用と自社の遊休資産の提供は行なう事により業績がアップした。

対事業所サービス業カーシェアリングの利用により、資産を購入する事なく遠方での営業活動が可能となった。

(注)匿名性の確保や読み易さの観点から、商工中金産業調査部で一部加筆・修正を行っている。

Page 39: 中小企業の経営課題に関する実態調査中小企業の経営課題に関する実態調査 ~BCP・SDGs対応・シェアリングエコノミーを巡る実態~ [2019年7月調査]

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