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構造力学Ⅰ 構造工学科 松田浩

構造工学科 松田浩回 月日 内容 演習問題 第1回 10/1 (1)構造力学とは (2)構造力学Iの学習範囲 (3)構造力学Iの到達目標 (4)静力学の基礎(一点に交わる力、平行力、一般平面力)

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構造力学Ⅰ

構造工学科 松田浩

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回 月日 内 容 演習問題

第1回 10/1 (1)構造力学とは(2)構造力学Iの学習範囲(3)構造力学Iの到達目標(4)静力学の基礎(一点に交わる力、平行力、一般平面力)

演習①

第2回 10/15 第1章 1.1 橋に関する基礎知識:橋の文化とテクノロジー1.2 橋に作用する荷重

第2章 橋の反力(力のつり合い、単純ばりの支点反力)

第3回 10/22 演習 (ラーメン、ゲルバーはり、間接載荷)

第4回 10/29 第3章 橋の断面力 演習④

第5回 11/5 演習(片持はり、張出しはり、ゲルバーはりの反力、断面力図) 演習⑤

第6回 11/12 中間試験(静力学の基礎、静定構造物のM図・Q図)

第7回 11/19 第4章 静定ばりの影響線とその利用 演習⑥

第8回 11/26 演習(影響線) 演習⑦

第9回 12/3 第6章 断面2次モーメント

第10回 12/10 演習(平面図形の図心、2次モーメント) 演習⑧

第11回 12/17 1. 断面の応力度軸方向応力度・曲げ応力度・せん断応力度

演習⑨

第12回 1/7 演習 断面の応力度

第13回 1/21 第8章 橋のたわみ 微分方程式による解法 演習⑩

第14回 1/28 第8章 橋のたわみ 弾性荷重法 演習⑪

第15回 定期試験

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演習の解答、授業に用いた参考資料などは,HomePage(下記アドレス参照)に掲載します。パスワードが必要な場合は、 st-mech と入力してください。

http://www.st.nagasaki-u.ac.jp/ken/matsuda/lecture/structural-mech/2006.html

2006年度(後期)の授業アンケート・ 板書の文字が小さくわかりにくいという評価が、9人からあった。・ 反力に時間をとりすぎて、応力の部分の時間が少ない。・ hとbの区別が付きにくい。・ 一度聴いても、理解できない内容が多い。・ とても早かったけど、要点はまとまっていた。

2007年度の改善点・ わかりやすい板書に努めること・ hとbの区別を明確に!・ 反力の部分の説明を効率的に実施し、

応力の部分に多く時間をかけるようにする。・ 前期(2年生)より評価は増加した。 3.35→3.65

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構造力学Ⅲ構造物安定論構造力学Ⅱ土木材料学土質力学Ⅰ

構造力学Ⅲ土質力学Ⅱ

1年後期 2年前期 2年後期 3年前期 3年後期

構造工学科

構造力学Ⅱ材料力学構造材料学

構造力学Ⅲ構造物安定論土質力学

構造システム構法接合工学

平面曲面構造論構造振動学水理学鋼構造設計法塑性設計法RC構造設計法

溶接構造強度学構造工学実験

構造塑性力学計算力学構造安定制御工学維持管理工学PC構造学

構造設計製図

社会開発工学科

構造力学Ⅱ土木材料学土質力学Ⅰ

水理学

構造力学Ⅲ

土質力学Ⅱ

コンクリート構造工学鋼構造設計法構造振動学地下利用工学岩盤力学、基礎工学社会開発工学実験

構造物設計学維持管理工学

構造力学Ⅰ

受働・主働土圧基礎地盤反力

波力

擁 壁

堤防・護岸

外力

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(1) 構造力学とは

- どうして構造の力学を学ばなければならないのか -

社会基盤構造物の一例として橋を対象として、構造物を設計する場合に、なぜ力学的な感覚を身に付けていないといけないかを示そう。

橋には図1に示すようにいろんな形式があるが、その構造形式は力学的な原理により説明できる。

“橋の文化とテクノロジー”(googleで検索するとすぐ出てきます)

http://www.st.nagasaki-u.ac.jp/ken/matsuda/bridge-culture-tech/bridge.html

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桁 ―最も単純な橋の形式―谷や川や海などに橋をかければ、物や人・情報・文化をスムーズに渡すことができる。最も単純な形式は桁(図2)と呼ばれるもので、構造力学では単純ばりという。

単純ばりは以下のように抵抗する。1. 橋に載っている人や車の重量は、重力下向きの力として桁にかかる。2. 桁の中では、図2に示すように、上部は縮んでいることから圧縮で抵抗しており、下

部は伸びていることから引張りで抵抗する。どちらも水平方向の力で、桁の上半分と下半分で向きが違う。もともとは上から下への力を、桁の抵抗で水平方向の力に抵抗していることは、ちょっと不思議。

3. 一つの断面の上部と下部に同じ大きさで逆向きの力がかかっていることから、その二つの偶力(曲げモーメント)が最終的な桁の抵抗力になって荷重を支えている。

これは初学者にはなじみが薄くとても難しいことで、今は理解できなくてもいい。構造力学Iの講義が終る1年後期終了までには理解して欲しい。

図2 桁

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では、同じ長方形断面の桁を、横向きに置いたときと、縦向きに置いたときで、どちらが強いだろう?

答えは後者。その裏には断面2次モーメント(I=bh3/12)と断面係数(Z=bh2/6)

(b:桁の断面の幅、h:桁の断面の高さ)が、抵抗係数として関与しているからである。具体的に述べると、変形のしにくさ示す抵抗はこのIに比例し、幅bに比

例してしか強くならないが、桁の高さhについてはその3乗(h3)に比例して強くなる。抵抗力の度合いの場合には、Z、つまりhの2乗(h2)に比例して強くなる。

(a) (b)

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下の図3の三つの断面を高さhの矩形断面に対して比較すると、

h2h h

h/2

h/2

図3 異なる断面からなる桁

矩形(h) 矩形(2h) I形(2h) 断面幅(b)

コスト 1 2 1+α 断面積比(ウェブの分のαは小さい)

たわみ難さ 1 8(=23) 7 断面2次モーメントの比

抵抗力 1 4(=22) 3.5 断面係数Zの比

コストと抵抗力を比較して総合的に判断すれば、一番右のI形断面が力学的には合理的であることが示される。このようなことを「構造力学」という科目で習い、それを身に付けていれば、より合理的な構造デザインができるようになる。

ところで、I形断面は厚い板(フランジ)を上下方向に縦の薄い板(ウェブ)で距離を離しているだけの構造。これはどこかで見た形? 身近な例で考えてみよう。

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(2) 構造力学Ⅰの学習範囲静定構造物(静定はり):

単純はり、片持ちはり、ゲルバーはり、ラーメン不静定構造物 → 構造力学Ⅱ、構造力学Ⅲ引張・圧縮、ねじり → 材料力学

(3) 構造力学Ⅰの到達目標静定はりの断面力(M図、Q図))、応力、変形の解析法を習得すること。

《例》 等分布荷重を単純はり反力、断面力(軸力:N、せん断力:Q、曲げモーメント:M)応力(直応力:σt、σc、曲げ応力:σb、せん断応力:τ)、たわみ

xl

q

A B

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http://kitten.ace.nitech.ac.jp/ichilab/mech/