16
大学改革と研究資金改革の一体的推進:大学の研究力の世界から見た評価(世界大学ランキング) 大学の世界から見た評価 Times Higher Education (THE)及びQSの世界大学ランキングにおいて、ランキングの上位は諸外国の大学が占める 中、我が国の大学は、100位以内がTHE2校、QS5校であり、相対的に順位が低下している。(この順位について は、論文引用に関するデータベースやスコア算出の方法等の変更によって大きく変動するため、前回との単純比較を 行うべきでないとされている。特に、THEの平成272820152016)年の順位は、そうした影響を大きく受けているこ とに注意しなければならない。) (注1)平成27年、平成28年は東京工業大学、大阪大学及び東北大学が順位200位以下になったため、順位の 詳細は公表されていない。 (注2)順位は、スコア算出方法等の変更によって大きく変動するため、異なる調査年度間での単純比較を行う べきでないとされている。 (出所)Times Higher Education, World University Rankingsを基に作成。 図表1 Times Higher Education世界大学ランキングにおける日本の大学の順位 図表2 QS世界大学ランキングにおける日本の大学の順位 (注)順位は、スコア算出方法等の変更によって大きく変動するため、異なる調査年度間での単純比較 を行うべきでないとされている。 (出所)QS World University Rankingsを基に作成。 153

大学改革と研究資金改革の一体的推進:大学の研究力の世界 ......大学改革と研究資金改革の一体的推進:大学におけるパーマネントな職に占める若手の割合

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Page 1: 大学改革と研究資金改革の一体的推進:大学の研究力の世界 ......大学改革と研究資金改革の一体的推進:大学におけるパーマネントな職に占める若手の割合

大学改革と研究資金改革の一体的推進:大学の研究力の世界から見た評価(世界大学ランキング)

大学の世界から見た評価

Times Higher Education (THE)及びQSの世界大学ランキングにおいて、ランキングの上位は諸外国の大学が占める中、我が国の大学は、100位以内がTHEで2校、QSで5校であり、相対的に順位が低下している。(この順位について

は、論文引用に関するデータベースやスコア算出の方法等の変更によって大きく変動するため、前回との単純比較を行うべきでないとされている。特に、THEの平成27、28(2015、2016)年の順位は、そうした影響を大きく受けていることに注意しなければならない。)

(注1)平成27年、平成28年は東京工業大学、大阪大学及び東北大学が順位200位以下になったため、順位の詳細は公表されていない。(注2)順位は、スコア算出方法等の変更によって大きく変動するため、異なる調査年度間での単純比較を行うべきでないとされている。(出所)Times Higher Education, World University Rankingsを基に作成。

図表1 Times Higher Education世界大学ランキングにおける日本の大学の順位 図表2 QS世界大学ランキングにおける日本の大学の順位

(注)順位は、スコア算出方法等の変更によって大きく変動するため、異なる調査年度間での単純比較を行うべきでないとされている。(出所)QS World University Rankingsを基に作成。

153

Page 2: 大学改革と研究資金改革の一体的推進:大学の研究力の世界 ......大学改革と研究資金改革の一体的推進:大学におけるパーマネントな職に占める若手の割合

大学改革と研究資金改革の一体的推進:大学におけるパーマネントな職に占める若手の割合

大学本務教員の年齢構成

全大学本務教員に占める40歳未満の割合は、平成元年度以降一貫して減少傾向にあり、平成25年度は24.7%である。

実数で見ると、若手の大学本務教員数(40歳未満)は全体的に横ばいであったが、直近10年で見ると、平成19年度をピークにその後は減少し、平成25年度には43,763人である。代わりに40歳以上の大学本務教員が平成元年以降一貫して増加している。

(注)「任期無し」のデータは取得できないため、ここでは、大学本務教員数のデータを記載した。数字は各年度の10月1日現在。対象となる職種は、学長、副学長、教授、准教授、講師、助教、助手である。(出所)文部科学省「学校教員統計調査」を基に作成。

図表1 大学本務教員の年齢構成(大学等)

42,03144,412

46,195 46,162

44,72744,005 45,694 45,107

43,76337,111

38,310 39,878 40,583

42,23345,895

48,32149,466

51,964

25,69928,099

31,692

37,209

40,749 42,17344,305

44,441

47,501

16,264

20,03321,722 22,199

23,884

27,65129,651

33,714 34,035

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

平成元

年度

平成4年度

平成7年度

平成10年度

平成13年度

平成16年度

平成19年度

平成22年度

平成25年度

人数(人)

~39歳 40歳~49歳 50歳~59歳 60歳以上

34.7% 33.9%33.1%

31.6%

29.5%

27.6% 27.2% 26.1%

24.7%

30.6%29.3% 28.6%

27.8%27.9%

28.7% 28.8% 28.6% 29.3%

21.2% 21.5%22.7%

25.5%26.9% 26.4% 26.4% 25.7%

26.8%

13.4%15.3% 15.6% 15.2% 15.8%

17.3% 17.7%19.5% 19.2%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

平成元

年度

平成4年度

平成7年度

平成10年度

平成13年度

平成16年度

平成19年度

平成22年度

平成25年度

~39歳 40歳~49歳 50歳~59歳 60歳以上

<実数><割合>

154

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大学改革と研究資金改革の一体的推進:競争的資金の金額の増減割合

競争的資金の金額の増減割合

競争的資金は平成21年度に予算額4,913億円に達したが、以降減少に転じた。

その後、予算額は平成26年度から再び増加傾向に転じたが、平成28年度は平成27年度に比べて減少した(4,213億円→4,120億円)。

(出所)内閣府競争的資金制度(http://www8.cao.go.jp/cstp/compefund/)、競争的資金制度について、競争的資金制度一覧表(予算額)を基に作成。

図表1 競争的資金の推移

年度 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28

制度数 22 25 23 26 28 37 36 37 44 47 39 23 22 20 18 19 19

155

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大学改革と研究資金改革の一体的推進:経常収益に占める寄附金収益割合、民間収益割合

国立大学等の経常収益に占める寄附金収益割合、受託研究等収益等割合

受託研究等収益等は絶対額も経常収益に占める割合も平成24年度以降増加傾向にある。

寄附金収益については平成21年度以降増加傾向にあるが、経常収益に占める割合は横ばいである。

1,857  1,851  1,828  1,882 1,756 

1,975 

2,249 

608  566  602  630  642  667  684 

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26

金額(億円)

受託研究等収益等 寄附金収益

図表1 国立大学等の経常収益に占める寄附金収益割合、受託研究等収益等

(注)大学共同利用機関法人を含む国立大学等。受託研究等収益等には、受託事業等収益等を含む。(出所)文部科学省「国立大学法人等の各事業年度決算等について」を基に作成。

6.9% 6.8% 6.6% 6.6%6.2%

6.7%7.3%

2.3% 2.1% 2.2% 2.2% 2.3% 2.3% 2.2%

0%

1%

2%

3%

4%

5%

6%

7%

8%

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26

受託研究等収益等

寄附金収益

156

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学術研究・基礎研究の推進:論文数、論文被引用数(被引用度の高い論文数)

我が国の総論文数と被引用回数トップ10%論文数の割合

我が国の総論文数は近年横ばい。総論文数に占める被引用回数トップ10%論文数の割合は8.4% (平成25年)。

我が国の総論文数は横ばい(77,460件(平成25年))。

我が国の総論文数に占める被引用回数トップ10%論文数の割合は8.4% (平成25年)で、増加傾向。

(注1)トップ10%補正論文数とは、被引用回数が各年各分野で上位10%に入る論文の抽出後、実数で論文数の1/10となるように補正を加えた論文数を指す。(注2)Article, Review を分析対象とし、整数カウント法により分析。整数カウント法は国単位での関与の有無の集計である。 例えば、日本のA大学、日本のB大学、米国のC大学の共著論文の場合、日本1件、米国1件と集計する。したがって、1件の 論文は、複数の国の機関が関わっていると複数回数えることとなる。(注3)データベース収録の状況により単年の数値は揺れが大きいため、3 年移動平均値を用いている。トムソン・ロイター Web of Science XML (SCIE, 2015 年末バージョン)を基に、科学技術・学術政策研究所が集計(出所)文部科学省科学技術・学術政策研究所「科学技術指標2016」を基に作成。

図表1 我が国の総論文数及び総論文数に占める被引用回数トップ10%(補正)論文数の割合(整数カウント)

38,84741,505

43,962

48,70351,040

56,051

60,764

66,02668,670

71,38472,61873,63074,631

75,98976,79877,01176,58176,38575,83375,36275,39575,89977,25677,460

3,159 3,294 3,421 3,698 3,862 4,230 4,626 5,051 5,268 5,405 5,500 5,576 5,644 5,750 5,845 5,900 5,938 6,010 6,069 6,071 6,123 6,250 6,444 6,524

8.1% 7.9% 7.8% 7.6% 7.6% 7.5% 7.6% 7.6% 7.7% 7.6% 7.6% 7.6% 7.6% 7.6% 7.6% 7.7% 7.8% 7.9% 8.0% 8.1% 8.1% 8.2% 8.3% 8.4%

0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

14%

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

平成元年

(S63‐H2)

平成2年

(H1‐3)

平成3年

(H2‐4)

平成5年

(H4‐6)

平成6年

(H5‐7)

平成7年

(H6‐8)

平成8年

(H7‐9)

平成9年

(H8‐10)

平成10年

(H9‐11)

平成11年

(H10‐12)

平成12年

(H11‐13)

平成13年

(H12‐14)

平成14年

(H13‐15)

平成15年

(H14‐16)

平成16年

(H15‐17)

平成17年

(H16‐18)

平成18年

(H17‐19)

平成19年

(H18‐20)

平成20年

(H19‐21)

平成21年

(H20‐22)

平成22年

(H21‐23)

平成23年

(H22‐24)

平成24年

(H23‐25)

平成25年

(H24‐26)

割合

論文数(件)

出版年

日本の総論文数(3年平均、整数カウント) 日本のトップ10%補正論文数(3年平均、整数カウント) 総論文数に対するトップ10%論文の割合

157

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世界 日本 英国 ドイツ

領域数 参画領域数 割合 参画領域数 割合 参画領域数 割合

サイエンスマップ2008 647 263 41% 388 60% 366 57%

サイエンスマップ2010 765 278 36% 488 64% 447 58%

サイエンスマップ2012 823 274 33% 504 61% 455 55%

サイエンスマップ2014 844 274 32% 531 63% 465 55%

学術研究・基礎研究の推進:学際的・分野融合的な領域

学際的・分野融合的領域の状況

TOP 1%論文に着目し、わが国が参画している領域数をみると、英国やドイツに比べて少なく、かつ、減少傾向にある。

さらに、サイエンスマップ2014の領域844のうち、学際的・分野融合的領域数は209となっているが、これらに対する日本の参画も英国やドイツに比べて少ない。

(出所) 文部科学省科学技術・学術政策研究所「サイエンスマップ2014」を基に作成。

科学技術・学術政策研究所がトムソン・ロイター社 ESI・リサーチフロントデータ(NISTEP ver.)を基に、集計、分析を実施。「サイエンスマップ」:共引用関係に着目した論文データベース分析により、国際的に注目を集めている研究領域を定量的に把握し、それらが互いにどのような位置関係にあるのか、どのような発展を見せているのかを示した科学研究の地図。2007-2012年を対象としたサイエンスマップ2012では国際的に注目を集めている研究領域として823領域が抽出された。「コアペーパー」:サイエンスマップの各研究領域を構成している論文(Top1%論文)。「参加領域数」:研究領域のコアペーパー(Top1%論文)のうち1件以上に関与している領域数。

図表1 各国の参画領域数の推移

図表2 学際的・分野融合的領域への各国の参画状況

英国やドイツと比べて低い参画率

低下傾向

サイエンスマップ2014

日本 英国 ドイツ

学際的・分野融合的領域の数 209 76 120 101

総計 844 274 531 465

158

Page 7: 大学改革と研究資金改革の一体的推進:大学の研究力の世界 ......大学改革と研究資金改革の一体的推進:大学におけるパーマネントな職に占める若手の割合

研究開発法人の機能強化:機関間の人材流動化の状況

研究開発法人の研究者新規採用者・転入者

平成27年度の在籍研究者数は15,063人に対して、研究者新規採用数は382人、転入者は1,167人。

年代別では39歳以下のみで転入者全体の61.5%を占めている。

転入者の前職の所属セクターは、大学等が多くなっており、それと比較して会社は少ない。

図表1 新規採用研究者・転入者の内訳(年代別) 図表2 転入者の内訳(転入者の前職の所属セクター別)

(出所)内閣府「独立行政法人等の科学技術関係活動等に関する調査」を基に作成。

<新規採用者>

<転入者>

<新規採用者>

<転入者>

<実数>

<割合>

(注)「採用・転入研究者」は、研究者にあたる者で外部から加わった者をいう。その際、「出向(ある者が自己の使用者を離れて第三者の下で就労すること)」も含める。そのうち、「新規採用者」は、いわゆる新卒採用者をいう。最終学歴修了後、アルバイトやパートタイムの勤務、大学や研究機関の臨時職員としての雇用などの経験のみの者も含む。「転入者」は、採用・転入をした者の内、新規採用者を除く者をいう。

(注)その他は、外国の組織、自営業者など。

191

149

21

0 4

224

131

14

0 0

239

179

26

3 5

218

182

19

5 0

221

137

19

5 0

0

50

100

150

200

250

300

~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳~

人数(人)

平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

52.3%60.5% 52.9% 51.4% 57.9%

40.8%35.4%

39.6% 42.9% 35.9%

5.8% 3.8% 5.8% 4.5% 5.0%0.0% 0.0% 0.7% 1.2% 1.3%1.1% 0.0% 1.1% 0.0% 0.0%

0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%

100%

平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳~

152

632

236

129

10714

7

565

246

117

137

155

552

218

107

37

144

569

229

127

93

155

562

262

137

51

0

100

200

300

400

500

600

700

~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳~

人数(人)

平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

12.1% 12.1% 14.5% 12.4% 13.3%

50.3% 46.6%51.6% 49.0% 48.2%

18.8% 20.3%20.4%

19.7% 22.5%

10.3% 9.7%10.0%

10.9% 11.7%8.5% 11.3% 3.5% 8.0% 4.4%

0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%

100%

平成23年度平成24年度平成25年度平成26年度平成27年度

~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳~

210 176 169 180 16525 35 27 40 31

336 277 299 325 383

315354 279

364 352

370 370295

253 236

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

平成23年度平成24年度平成25年度平成26年度平成27年度

人数(人)

会社 非営利団体 公的機関 大学等 その他

16.7% 14.5% 15.8% 15.5% 14.1%

2.0% 2.9% 2.5% 3.4% 2.7%

26.8% 22.9% 28.0% 28.0% 32.8%

25.1% 29.2%26.1% 31.3% 30.2%

29.5% 30.5% 27.6% 21.8% 20.2%

0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%

100%

平成23年度平成24年度平成25年度平成26年度平成27年度

会社 非営利団体 公的機関 大学等 その他

159

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研究開発法人の機能強化:機関間の人材流動化の状況

研究開発法人の在籍研究者に対する新規採用・転入者の割合

在籍研究者に対する新規採用の割合は~29歳で24.5%(平成27年度)と高い。

在籍研究者に対する転入者の割合は~29歳が17.2% (平成27年度) 、30~39歳で13.4%(平成27年度)、60歳以上が5.8%(平成27年度)と多い。

図表1 在籍研究者に対する新規採用者・転入者の比率

(出所)内閣府「独立行政法人等の科学技術関係活動等に関する調査」を基に作成。

<新規採用者> <転入者>

23.8

%

2.9%

0.4%

0.0% 0.4% 2.

3%

24.3

%

2.7%

0.3%

0.0%

0.0% 2.

3%

26.3

%

3.9%

0.5%

0.1% 0.6% 2.

9%

26.2

%

4.1%

0.4%

0.1%

0.0% 2.

8%

24.5

%

3.3%

0.4%

0.1%

0.0% 2.

5%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳~ 計

平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度18

.9%

12.3

%

4.2%

3.7%

11.3

%

7.9%

15.9

%

11.6

%

4.5%

3.3%

14.5

%

7.6%

17.1

%

12.0

%

4.1%

2.9% 4.

6%

6.8%

17.3

%

12.9

%

4.5%

3.3%

10.3

%

7.6%

17.2

%

13.4

%

5.1%

3.5%

5.8%

7.7%

0%2%4%6%8%

10%12%14%16%18%20%

~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳~ 計

平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

160

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研究開発法人の機能強化:インフラの整備・活用の状況

先端機器・設備、大規模施設に関する共用・供用の状況

平成26年度から平成27年度にかけて、貸出対象施設数は1,134件から1,006件、延べ貸出時間は2,735,950時間から433,063時間と共に減少しているが、利用収入は15億円から23億円へと増加している。

平成26年度(末) 平成27年度(末)

貸出対象先端機器・設備、大規模施設数(件) 1,134 1,006

延べ貸出時間(時間) 2,735,950 433,063

利用収入(百万円) 1,492 2,264

図表1 先端機器・設備、大規模施設に関する共用・供用の状況

(注1)「延べ貸出時間」は、貸出対象端機器・設備、大規模施設を外部の機関・研究者などに共用・供用した延べ時間。「利用収入」は、貸出対象端機器・設備、大規模施設において利用者から徴収した利用料の総額。(注2)当該機器・設備を保有する機関による事業の実施状況によって、 「延べ貸出時間」は大きく変動することに注意が必要である。(注3)平成26年度の数値は過去に遡って修正があったため、昨年度公表の数値と一部異なる。(出所)内閣府「独立行政法人等の科学技術関係活動等に関する調査」を基に作成。

161

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研究開発法人の機能強化:海外・民間資金獲得及び共同研究の状況

民間企業からの収入、産学連携の状況

平成27年度の民間企業からの収入額は521億円であり、収入全体に占める割合は4.5%と平成22年度から増加。

平成27年度の共同・受託研究件数では大企業(共同研究1,722件、受託研究421件)を主な相手先としている。 外国企業との共同・受託研究はごく少数に留まっている。

図表1 民間企業からの収入(研究開発型法人)

(注1)自ら研究開発を行う研究開発法人33法人の内、石油天然ガス・金属鉱物資源機構を除く32法人

に関する集計結果。石油天然ガス・金属鉱物資源機構は研究活動以外の収入・支出が極めて大きいため、集計から除外している。(注2)民間企業からの収入額: 法人における収入のうち、運営費交付金、施設整備費補助金以外の収入を、収入源セクター別に区分した中で、民間企業から得た収入。民間企業は、いわゆる「会社(NTT、JR等の特殊会社を含む)」としている。具体的には、株式会社、有限会社、合名会社、合資会社、合同会社、相互会社及び個人で経営する形態の企業としており、それ以外の独立行政法人、大学、地方公共団体、社会法人、財団法人、NPO法人等は含まない。

(出所)内閣府「独立行政法人等の科学技術関係活動等に関する調査」を基に作成。

図表2 産学連携活動の相手別構成(研究開発型法人)

<民間企業からの受託研究件数><民間企業との共同研究件数>

(注)自ら研究開発を行う研究開発法人33法人に関する集計結果。

1,574 1,755 1,553 1,748 1,722

575648

544629 583

3844

2042 41

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

平成23年度平成24年度平成25年度平成26年度平成27年度

件数(件)

大企業 中小企業 外国企業

439 455 491 455 421

148186 172

174 2132

2 35 39

0

100

200

300

400

500

600

700

平成23年度平成24年度平成25年度平成26年度平成27年度

件数(件)

大企業 中小企業 外国企業

30,02039,911 37,788 40,257 38,180

52,104

2.6%

3.5%3.1% 3.1% 3.2%

4.5%

0%

1%

2%

3%

4%

5%

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

平成

22年度

平成

23年度

平成

24年度

平成

25年度

平成

26年度

平成

27年度

割合

金額(百万円)

民間企業からの収入額 民間企業からの収入割合

162

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163

23.9% 22.2% 20.7% 18.9% 21.8%

16.3% 17.9% 19.3% 22.1% 20.6%

51.7% 51.6% 52.5% 52.1% 48.4%

2.6% 3.0% 2.9% 2.2% 3.2%5.4% 5.2% 4.5% 4.6% 6.0%0.1% 0.1% 0.1% 0.1% 0.1%

0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%

100%

平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

特許の共有相手 国内大企業 国内中小企業

国内その他 外国企業 外国その他

1,225 1,142 1,140 1,233 1,317

836 918 1,063 1,440 1,245

2,646 2,648 2,8943,388

2,921131 155

158

145 191

279 267247

297360

5 5 8

56

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

件数(件)

特許の共有相手 国内大企業 国内中小企業

国内その他 外国企業 外国その他

研究開発法人の機能強化:研究開発成果の創出及び実用化の状況

産業化につながった研究成果の数

研究開発法人が実施許諾・譲渡した特許権は、平成26~27年度で合計6,508件から6,040件に減少。 相手先は国内中小企業が最大で、平成27年度で2,921件。

法人発ベンチャーの設立件数(当該時点で存続していないものを含む)は平成26~27年度で188件から200件に増加。

図表1 特許権の実施許諾・譲渡件数 図表2 法人発ベンチャーの設立件数(経過年数別)

(注)件数は実施許諾・譲渡したのべ権利数(出所)内閣府「独立行政法人等の科学技術関係活動等に関する調査」を基に作成。

(注) 当該時点で存続していない法人発ベンチャーも含む。<割合>

図表3 これまでに設立された法人発ベンチャーの件数

6 6 3 10 1317 14 14 10 1418 18 18 19 12

124 133 141 149 161

0

50

100

150

200

250

平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

件数(件)

1年以内 1年超~3年以内 3年超~5年以内 5年超

143 151

16 1729 32

0

50

100

150

200

250

平成26年度 平成27年度

件数(件)

現在は存続していない(解散、倒産等)

M&Aされた(他企業への吸収、子会社化等)

現在も独立したまま存続

<実数>

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中小・中堅・ベンチャー企業の挑戦の機会の拡大:中小・ベンチャー企業への投資額

ベンチャー・キャピタル等の投資額

日本のVC等の投資金額は増加と減少を繰り返している。

日本のVC等の平成26年度の年間投資額は1,171億円で、平成25年度の1,818億円から減少したが、平成27年度は1,302億円となり再び増加している。

(出所)一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター(VEC)「ベンチャー白書」を基に作成。

図表1 日本のベンチャーキャピタル等の年間投資額

(注1)各年度の対象期間は以下の通り。平成11年度:平成11年7月~平成12年6月、平成12~14年度:各年10月~翌年9月、平成15年度以降:各年4月~翌年3月(注2)平成22年度までは国内外合算の金額のみ表示。(注3)投資先件数は、延べ件数を表示。

164

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中小・中堅・ベンチャー企業の挑戦の機会の拡大:中小・ベンチャー企業への投資額

中小企業技術革新制度(SBIR)による国から中小・ベンチャー企業への研究資金額

中小企業技術革新制度(SBIR)では、中小企業庁・その他省庁の中小企業・小規模事業者に向けた「特定補助金」など

を交付し、補助金をはじめ、特許料の軽減、信用保険の保証枠の拡大などの支援措置により事業者の技術普及活動を促進している。

平成25年度の中小企業・小規模事業者向け「特定補助金」額は目標値455億円に対し実績値(見込み)356億円である。

図表1中小企業技術革新制度(SBIR)の目標額・実績額

(出所)中小企業庁経営支援部 技術・経営革新課「中小企業技術革新挑戦支援事業と中小企業技術革新制度(SBIR制度)の概要 」を基に作成。

(注)平成11年度~: 5省庁参加(経産省、総務省、文科省、厚労省、農水省)平成13年度~:8省庁参加(環境省が追加、また、警察庁、防衛庁が関係省庁連絡会議へオブザーバーとして追加)平成17年度~:9省庁参加(国交省参加)特定補助金等の交付を受けた中小企業は、平成23年度までで延べ約26,000社である。※25年度実績額は見込値

110 130180

250280 300 310

370 390 400 405435 451 453 455 455

96145

198253 261

298

367 379 362 357 351

413367 365 35640

47 4856 56

60 5864

89 91

111

129

110118

113 111

0

20

40

60

80

100

120

140

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500平成11年

平成12年

平成13年

平成14年

平成15年

平成16年

平成17年

平成18年

平成19年

平成20年

平成21年

平成22年

平成23年

平成24年

平成25年

平成26年

指定本数(本)

目標額・実績額(億円)

目標額 実績額 指定本数

(億円)

165

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12.0

15.0

24.0

22.0

27.0

28.0

42.0

31.0

16.0

20.0

29.0

23.0

11.0

14.0

22.0

21.0

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

プロダクト・イノベーション実現 (%)

プロセス・イノベーション実現 (%)

組織イノベーション実現 (%)

マーケティング・イノベーション実現 (%)

全規模 計

大規模

中規模

小規模

中小・中堅・ベンチャー企業の挑戦の機会の拡大:イノベーション活動を実施している中小企業の割合

イノベーション活動を実施している中小企業の割合

平成24年度~26年度にイノベーションを実現した企業の割合をみると、大規模企業と比較して、中規模、小規模企業ではイノベーションの実現割合が低い。

(注1)本調査は中小・ベンチャー企業に限定したものではない。

経済センサス基礎調査における「経営組織」のうちの「会社」(株式会社(有限会社を含む)、合名会社、合資会社、合同会社、相互会社)に属し、なおかつ常用雇用者数が国内と海外を合わせて10人以上で、農林水産業、鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業の一部に属する企業(注2)数値は母集団での全企業に占める割合の推計値である。(注3)小規模とは常用雇用者数(国内及び海外)10 人以上 49 人以下の企業、中規模とは同 50 人以上 249 人以下の企業、大規模とは同 250 人以 上の企業を指す。(出所)文部科学省「第4回全国イノベーション調査」を基に作成。

図表1 プロダクト/プロセス/組織/マーケティング・イノベーション実現割合

(単位:%)

※実現割合: 全体の中で、実現している企業の数の割合

166

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中小・中堅・ベンチャー企業の挑戦の機会の拡大:中小企業からの新製品・サービスの創出状況

中小企業からの新製品・サービス数

大幅改善、軽度な改善改良のいずれでも、規模が大きい企業ほど新製品・サービスを投入している割合が高い傾向。

ただし、軽度な改善改良については、規模による違いが大幅改善より小さい傾向にある。

図表1 過去3年間の主力製品・サービス分野における新製品・サービスの投入状況

(注1)調査対象は研究開発を実施している資本金1億円以上の企業 (中小・ベンチャー企業に限定した調査ではない)(注2)「過去3年間」とは、H24年度の値でH21~H23年度、H25年度の値でH22~ H24年度、H26年度の値でH23 ~ H25年度(出所)文部科学省「民間企業の研究活動に関する調査」を基に作成。

(単位:%)

企業規模

プロダクト・イノベーションを実現している企業

新製品 新サービス

平成18-20年度 平成21-23年度 平成24-26年度 平成18-20年度 平成21-23年度 平成24-26年度

全体 14 8 10 3 4 6小規模 10~49人 12 7 8 3 3 6中規模 50~249人 17 9 12 5 5 6大規模 250人以上 25 14 24 5 6 11

図表2 新製品・サービスを導入した企業の割合

(注)本調査は中小・ベンチャー企業に限定したものではない。

経済センサス基礎調査における「経営組織」のうちの「会社」(株式会社(有限会社を含む)、合名会社、合資会社、合同会社、相互会社)に属し、なおかつ常用雇用者数が国内と海外を合わせて10人以上で、農林水産業、鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業の一部に属する企業(出所)文部科学省 「全国イノベーション調査」を基に作成。

(単位:%)

資本金階級 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度

新しいまたは大幅に改善した製品・サービスを投入した

1億円以上10億円未満 38.7 37.1 39.4 36.8

10億円以上100億円未満 41.1 45.6 43.3 41.3

100億円以上 53.2 57.0 63.1 57.2

新しさや大幅な改善はないが、既存技術の軽度な改善改良による製品・サービスを投入した

1億円以上10億円未満 80.6 87.2 86.2 86.8

10億円以上100億円未満 79.9 86.1 88.3 86.8

100億円以上 85.3 90.5 87.3 90.6

167

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中小・中堅・ベンチャー企業の挑戦の機会の拡大:研究開発型ベンチャーの新規上場数

我が国における研究開発型企業の新規上場(IPO等)数は平成25年から平成27年にかけて増加、平成28年は減少。

我が国における研究開発型企業の新規上場(IPO等)数は平成25から平成27年にかけて増加(28社→34社)、平成28年は20社に減少。

(注1)「新規上場のための有価証券報告書」を参照し、研究開発の状況から研究開発の有無を確認した。有価証券報告書の「研究開発活動」において、研究活動内容の記載があるものを対象とした。(注2)企業の設立から株式新規上場までの年数は考慮していない。また経由上場も含まれる。(注3)IPOはInitial Public Offeringの略で株式公開とも呼ばれ、未上場会社が新規に株式を証券取引所に上場し、一般投資家でも売買を可能にすることと説明されている。

(http://j-net21.smrj.go.jp/features/2015012600.htmlによる)(出所)日本取引所グループ 新規上場会社情報(http://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/index.html)を基に作成。

図表1 研究開発型企業の新規上場(IPO等)数の推移

28  29 

34 

20 

0

5

10

15

20

25

30

35

40

平成25年 平成26年 平成27年 平成28年

企業数(社)

上場年

168