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1 4 年生 体育科(保健領域)指導案 新発田市立七葉小学校 会議室 平成 30 年 11 月 20 日(火)5限 授業者 (T1)教 小島 恵子 (T2)養護教諭 築井菜美子 単元名 「育ちゆく体とわたし」 単元の目標 体の発育・発達について関心をもち、意欲的に学習活動に取り組もうとすることができる。 (関心・意欲・態度) 体の発育・発達について、課題を見付け、解決を目指して実践的に考え、判断し、それらを表すことが できる。 (思考・判断) 体の発育・発達、思春期の体の変化、よりよく発育・発達させるための生活について、課題の解決に役 立つ基礎的な事項を理解することができる。 (知識・理解) 3 単元の評価規準 健康・安全への 関心・意欲・態度 健康・安全についての 思考・判断 健康・安全についての 知識・理解 体の発育・発達について関心 をもち、学習活動に意欲的に取 り組もうとしている。 体の発育・発達について、課題 の解決を目指して、知識を活用 した学習活動などにより、実践 的に考え、判断し、それらを表し ている。 体の年齢に伴う変化や個人 差、思春期の体の変化、よりよく 発育・発達させるための生活に ついて、課題の解決に役立つ基 礎的な事項を理解している。 体の発育・発達について、パ ワーポイントなどの資料や教 科書を見たり、自分の生活を 振り返ったりするなどの学習 活動に進んで取り組もうとし ている。 体の発育・発達について、課 題の解決に向けての話合いや 発表などの学習活動に進んで 取り組もうとしている。 体の発育・発達について、資 料や友達の話などを基に、自 分の成長や生活と比べたり、 関係を見付けたりするなどし て、それらを説明している。 体の発育・発達について、学 習したことを基に、課題や解 決の方法を見付けたり、選ん だりするなどして、それらを 説明している。 体の年齢に伴う変化や個人 差について理解したことを言 ったり、書いたりしている。 思春期の体と心の変化や個 人差について理解したことを 書いている。 体をよりよく発育・発達さ せるための生活について理解 したことを言ったり、書いた りしている。

体育科(保健領域)指導案...1 4 年生 体育科(保健領域)指導案 新発田市立七葉小学校 会議室 平成30 年11 月20 日(火)5限 授業者 (T1)教

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    4 年生 体育科(保健領域)指導案

    新発田市立七葉小学校 会議室

    平成 30 年 11 月 20 日(火)5限

    授業者 (T1)教 諭 小島 恵子

    (T2)養護教諭 築井菜美子

    1 単元名

    「育ちゆく体とわたし」

    2 単元の目標

    ○ 体の発育・発達について関心をもち、意欲的に学習活動に取り組もうとすることができる。

    (関心・意欲・態度)

    ○ 体の発育・発達について、課題を見付け、解決を目指して実践的に考え、判断し、それらを表すことが

    できる。 (思考・判断)

    ○ 体の発育・発達、思春期の体の変化、よりよく発育・発達させるための生活について、課題の解決に役

    立つ基礎的な事項を理解することができる。 (知識・理解)

    3 単元の評価規準

    ア 健康・安全への 関心・意欲・態度

    イ 健康・安全についての 思考・判断

    ウ 健康・安全についての 知識・理解

    単元の評価規準

    体の発育・発達について関心

    をもち、学習活動に意欲的に取

    り組もうとしている。

    体の発育・発達について、課題

    の解決を目指して、知識を活用

    した学習活動などにより、実践

    的に考え、判断し、それらを表し

    ている。

    体の年齢に伴う変化や個人

    差、思春期の体の変化、よりよく

    発育・発達させるための生活に

    ついて、課題の解決に役立つ基

    礎的な事項を理解している。

    学習活動に即した評価規準

    ① 体の発育・発達について、パ

    ワーポイントなどの資料や教

    科書を見たり、自分の生活を

    振り返ったりするなどの学習

    活動に進んで取り組もうとし

    ている。

    ② 体の発育・発達について、課

    題の解決に向けての話合いや

    発表などの学習活動に進んで

    取り組もうとしている。

    ① 体の発育・発達について、資

    料や友達の話などを基に、自

    分の成長や生活と比べたり、

    関係を見付けたりするなどし

    て、それらを説明している。

    ② 体の発育・発達について、学

    習したことを基に、課題や解

    決の方法を見付けたり、選ん

    だりするなどして、それらを

    説明している。

    ① 体の年齢に伴う変化や個人

    差について理解したことを言

    ったり、書いたりしている。

    ② 思春期の体と心の変化や個

    人差について理解したことを

    書いている。

    ③ 体をよりよく発育・発達さ

    せるための生活について理解

    したことを言ったり、書いた

    りしている。

  • 2

    4 単元と児童

    (1)単元について

    本単元は、小学校での性に関する指導の中心となる学習であり、中学校の保健体育「心身の機能の発達と

    心の健康」、高等学校の保健体育「生涯を通じる健康」と関連している。小学 4 年生では、体の発育・発達は

    年齢に伴って変化し、その変化には個人差があること、思春期には個人差はあるものの、体つきに変化が起

    こり、男女の特徴が現れ、初経や精通、異性への関心が芽生えるなど、大人の体に近づく現象が起こること、

    そして、体をよりよく発育・発達させるための生活の仕方について理解できるようにする必要がある。また、

    体の発育・発達に関わる事象から自分の生活を振りかえり、課題を見付け、体のよりよい発育・発達を目指

    すために、適切な方法を考え、それを表すことができるようにする。

    (2)単元に関する児童の実態 (男子 16 名、女子 12 名、計 28 名)

    男女ともに元気で活発な児童が多く、全体的に明るい学級である。また、二次性徴で見られる体の変化に

    ついて、まだ発現していない児童がほとんどである。体の発育・発達について否定的な言動は見られない。

    事前アンケートをとったところ、子どもから大人に成長すると、心や体にどのような変化が現れるか「分

    かる、どちらかといえば分かる」と答えた児童は 17 人(60.7%)であった。しかし、どのような変化が現れ

    るかの記述については、背が高くなる、体が大きくなる、力が強くなるといったものにとどまり、二次性徴

    についての記述は見られなかった。心の変化については、心が成長して善悪の判断が付くといった内容のも

    のがあった。男女の体の仕組みや成長に伴う変化については「知りたい、どちらかといえば知りたい」と答

    えた児童と「知りたくない、どちらかといえば知りたくない」と答えた児童は半数ずつであり、男女の体の

    仕組みについて勉強することが「恥ずかしい、どちらかといえば恥ずかしい」と答えた児童は、6 名(21.4%)

    であった。

    また、大人になることが「楽しみ、どちらかといえば楽しみ」と答えた児童は 22 名(84.6%)であった。

    しかし、「楽しみではない」と答えた児童が4名(14.8%)いた。大人に対するイメージについては、「優し

    い」「好きなことができる、自由」というイメージの半面、「こわい」「悪い人がいる」という記述も見られた。

    以上のアンケート結果より、体と心の成長については、大人になると体が大きくなって、心も子どもの時

    とは変わってくるといったように、ただ漠然と分かる気でいると考えられる。正しい知識を身に付けさせ、

    大人になることに対して期待感と夢をもち、今まで多くの人に支えられながら成長してきたことを実感し、

    これからの発育・発達も肯定的に捉えられる学習内容としたい。

    (3)指導の構想

    体の発育・発達について、知識としての定着と、体の発育・発達に関する課題を見付け、よりよい解決に

    向けて考え、それを表現できるようにすることが必要である。

    初経や精通など二次性徴による体の変化については、初めて耳にする言葉や現象である児童がほとんどで

    あり、知ることで不安や恥ずかしさを感じたり、大人になることに対して嫌悪感などの否定的な感情を抱い

    たりする児童もいると考えられる。発育・発達は個人差があるものの、誰にでも必ず起こる変化であり、大

    人の体に近づく大切な現象として捉えさせ、近い将来それらが起こったときに過度に不安にならないよう指

    導する。さらに、自分の体の変化や個人による発育の違いなどについて自分のこととして捉え、肯定的に受

    け止めることができるようにする。また、発育・発達を自分の生活と結びつけて考え、生活を見直し、実践

    していこうとする意欲を高める。そのために、WYSH 教育の教材を活用し、パワーポイントなどの視覚教材

    やクイズを取り入れ、明るく楽しい雰囲気の中で学習できるように工夫する。そして、自分の考えを発表す

    る、友人の発表を聞く場面を設定する。また、児童の実態から学習内容が深まるよう、単元の始めは2時間

    続きの授業を行う。児童の気持ちを和らげる工夫として、テーブルクロスを敷き、ぬいぐるみなどを置き、

    学習環境にも配慮する。

  • 3

    5 単元の指導計画(全4時間)

    ○ 目 標

    1~3 学習活動

    評価基準

    評価規準・評価方法 関心

    意欲

    態度

    思考

    判断

    知識

    理解

    ○ 体は、年齢に伴って変化すること、体の

    変化には個人差があることについて、理解

    する。

    ○ 子どもと大人の体の違いや変化を理解

    する。

    1.生まれた頃と現在の自分の身長と体重の

    変化を確認する。

    2.体は年齢に伴って変化することや、個人

    差があることを知る。

    3.声あてクイズやシルエットクイズに取り

    組んだり、高校生は大人か子どもか考えた

    り、DVD を観ることを通して、大人と子

    どもの体の違いや変化について理解する。

    関心・意欲・態度-①:

    体の発育・発達について、パワーポイ

    ントや DVD の資料を見たり、自分の生

    活を振り返ったりするなどの学習活動

    に進んで取り組もうとしている状況を

    観察で捉える。

    思考・判断-①:

    体の発育・発達について、資料や友

    達の話などを基に、自分の成長や生活

    と比べたり、関係を見付けたりするな

    どして、それらを説明している状況を

    観察で捉える。

    (本

    時)

    ○ 思春期には、体つきに変化が起こり、男

    女の特徴が現れるとともに、その変化には

    個人差があることを理解できる。

    ○ 思春期になると、初経、精通などが起こ

    ること、異性への関心も芽生えること、こ

    れらの変化は、個人差はあるが誰にでも起

    こる大人の体に近づく現象であることを

    理解する。

    1.後ろ姿クイズ取り組み、男女の体つきの

    変化について知る。

    2.初経や精通などの体の変化や異性への関

    心が芽生える心の変化は、大人に近づく現

    象であることを知る。

    3.体や心の変化は、現れ方や現れる時期は、

    個人差はあるが誰にでも起こるというこ

    とを理解する。

    知識・理解:

    ① 体の年齢に伴う変化や個人差につい

    て理解したことを言ったり、書いたりし

    ている状況を観察、ふり返りシートで捉

    える。

    ② 思春期の体と心の変化や個人差につ

    いて理解したことを言ったり、書いたり

    している状況を観察、ふり返りシートで

    捉える。

    3(特別活動)

    ○ 期待感と夢をもって大人になることを

    捉えることができる。

    ○ 将来の夢に向けて、今頑張ることを考え

    ることができる。

    1.夢に向かって努力している大人や、一生

    懸命働いている大人など、自分の周りには

    ステキな大人がたくさんいることを知る。

    2.将来に向け、自分が今頑張ることを考え

    る。

    関心・意欲・態度:

    自分の発表をしたり、友人の発表を聞

    いたりして、学習活動に進んで取り組も

    うとしている状況を観察で捉える。

    思考・判断:

    将来に向けて今頑張ることを考えた

    り、説明したりしている状況を観察、ワ

    ークシートで捉える。

    ○ 体をよりよくする発育・発達させるため

    には、調和のとれた食事、適切な運動、休

    養・睡眠が必要であることが分かる。

    1.体の発育・発達に何が必要か考える。

    2.体をよりよく発育・発達させるための生

    関心・意欲・態度-②:

    体の発育・発達について、課題の解決

    に向けての話合いや発表などの学習活

    動に進んで取り組もうとしている状況

    を観察で捉える。

    思考・判断-②:

  • 4

    活の仕方について考える。

    3.学習したことを自分の生活に当てはめて

    課題を見付け、これからの生活の仕方を考

    える。

    体の発育・発達について、学習した

    ことを基に、課題や解決の方法を見付

    けたり、選んだりするなどして、それ

    らを説明している状況を観察で捉え

    る。

    知識・理解-③:

    体をよりよく発育・発達させるための

    生活について理解したことを言ったり、

    書いたりしている状況を観察、ワークシ

    ートで捉える。

  • 5

    6 本時の学習

    (1)本時の目標

    ・ 体の年齢に伴う変化や男子と女子の違いを考えることを通して、二次性徴の体と心の変化や個人差に

    ついて理解させ、発育・発達を肯定的に捉えられるようにする。(知識・理解)

    (2)展開(1・2/4時間)

    <4限:前時>

    学習内容・活動

    教師の働きかけと予想される

    児童の反応

    指導上の留意点

    ※評価

    1 自分の成長を実感する

    ・生まれた頃と現在の身長、

    体重を比較する(数字、体

    感)。

    T2 生まれた頃と現在の姿を比べよう。

    C ・大きくなったな。

    ・赤ちゃんも重い。

    T2

    ・赤ちゃん人形

    ・ワークシート(資料1)

    10

    2 大人と子どもの声の高さ

    や見た目の違いに気付く

    ・声あてクイズ、シルエット

    クイズに取り組む。

    ・体の年齢に伴う変化につい

    て理解を深める。

    T2 声あてクイズ、シルエットクイズを

    しよう。

    C <声あてクイズ>

    (自分たちより)・年上! ・年下!

    <シルエットクイズ>

    ・大人! ・子ども!

    T2

    ・体の大きさがどんどん大きくなる。大

    人と同じ大きさになる時期は、女子が

    中学生、高校生くらい、男子が高校生

    くらい。

    ・声がわり:男子も女子もだんだん声が

    低くなる。

    ・発毛が起こる。

    T2 PPT 操作、矢印ボー

    ド渡す。

    ・変化の時期や起こり方

    には個人差があること

    をおさえる。

    15

    3 高校生は大人か子どもか

    考える

    ・個人で考え、ワークシート

    と付箋に記入する。

    ・個人の考えをもとにグルー

    プで話し合い、画用紙に付

    箋を貼ってまとめる。

    ・グループごとに発表する。

    T1 高校生は大人でしょうか、子どもで

    しょうか。

    C

    <大人だと思う理由>

    ・体つきが大人だから。

    ・自分のことがなんでもできるから。

    ・アルバイトができるから。

    <子どもだと思う理由>

    ・学校に通っているから。

    ・自分で稼いでいないから。

    ・お酒は 20 歳からだから。

    T2 PPT 操作

    T1T2

    ・ワークシート(資料2)、

    付箋を配付。

    ・机間巡視、助言。

    ・家族や知人、生活体験

    を想起させるよう声掛

    けをする。

    ・発表の仕方を示して発表

    させる。

    T2 PC 操作

    ※関心・意欲・態度-①

    観察

    15

    4 大人になるために必要な

    ことを考える

    ・DVD を視聴した後、ワー

    クシートを記入し、全体に

    発表する。

    T2 人間と同じ動物のライオンの DVD を

    観て、大人と子どもの違いを確かめよ

    う。

    C ・体が大きいだけでは大人ではない。

    ・大人は一人でも生きていける力がある。

    T1 ・大人になるためには、「体が大きく

    なる」+「力やかしこさ」が必要。

    ・大人は自分の力で生きていける。

    ※思考・判断-①

    T1 大人への変化は、体

    の成長だけでなく、

    知恵や能力などの心

    大人と子どもの違いを考えよう。

  • 6

    の成長も必要である

    と伝える。

    <5限:本時>

    5 体の外部で起こる変化を

    知る

    ・後姿クイズに取り組む。

    ・大人に近づく男女の体つき

    の特徴について理解を深め

    る。

    T2 体が大きく、大人っぽくなっていく

    様子を見ていこう。

    C ・男子! ・女子!

    ・男子! ・女子!

    T2

    ・見た目:小さい時は男女の区別がつか

    ないが、成長するとだんだんと違いが

    現れてくる。

    T1 前時の学習内容を想

    起させ、本時の課題

    をつかむ。

    T2 PPT 操作

    T1 児童の気付きを板書

    ・後姿写真

    15

    6 体の内部で起こる変化を

    知る

    ・ワークシートを記入する。

    T2 今度は体の内部を探検しよう。

    ・体の内部でも 10 歳くらいから大人の

    準備が始まる。

    ・女子では月経(初経)、男子では射精

    (精通)が起こる。

    ・体の変化の起こり方は、人によって早

    い、遅い、目立たないなどの違いがあ

    る(個人差がある)。

    T1 板書(思春期の体と

    心の変化についてまと

    める)。

    ・ワークシート(資料2)

    ・内外性器も体の器官の

    一つだと自然に捉えさ

    せる。

    ・男女の違いや個人差は

    あるが、誰にでも起こ

    ることなので、お互い

    認め合い、協力や助け

    合うことが大切である

    ことを伝える。

    15

    7 体の変化に気付いて不安

    を感じている友達にどのよ

    うに声を掛けるか考える

    ・ワークシート記入する。

    T1 どのように友達に声を掛けるか考え

    よう。

    C ・大人になるための変化だから、気に

    しなくていいよ。

    ・個人差はあるけど、誰にでも起こる

    ことだから大丈夫だよ。

    ・私も恥ずかしいけど、心配ないよ。

    ・恥ずかしさや不安を共

    感することも大切にす

    る。

    T1 肯定的に捉えられて

    いる児童の記述を全体

    に紹介する。

    8 次時の説明

    ・ステキな大人を発見しよう。

    T2 期待感と夢をもって肯定的に発育・

    発達を捉えられるように、憧れる大

    人を紹介し、次時までに行う課題を

    提示する。

    T1 ワークシート(資料

    3)配付。

    5

    9 まとめ

    ・ふり返りシートを記入する。

    T1 今日の学習のまとめをしよう。

    C ・成長するとだんだん声が低くなる。

    ・女子は月経、男子は射精が起こる。

    ・人によって成長の早さが違うので、

    心配しなくていいと思った。

    T2「スマイル BOX」の説明

    T1T2

    用紙配付、机間巡視

    ※知識・理解-①②

    ふり返りシート

    男子と女子の違いを考えよう。

  • 7

    板書の構想

    <4限>

    <5限>

    大人になるためには、

    体が大きく、大人っぽくなる 力やかしこさ + が必要!

    大人になるためには、

    体が大きく、大人っぽくなる 力やかしこさ + が必要!

    思春期に起こる体の変化

    男子 どちらも 女子

    ★男女のちがいがあらわれる

    ★変化の時期や起こり方は個人差がある

    ★大人の体に近づくためのもので、だれにでも起こる

    初経

    月経

    精通

    射精

    毛がはえる

    心の成長

    声が低くなる

    がっしり ふっくら、丸み 男子の

    体の変化

    イラスト

    女子の

    体の変化

    イラスト

    大人になるって・・・!?

    高校生は、大人かな?子どもかな?

    大人! 子ども!

    その他

    年上だと思った理由

    男子だと思った理由 女子だと思った理由

    大人になるって・・・!?

    高校生は、大人かな?子どもかな?

    大人! 子ども!

    その他

    思春期に起こる体の変化

    毛がはえる

    心の成長

    声が低くなる

    年上だと思った理由

  • 8

    7 実践の振り返り

    (1)成果

    ○ 教材について

    WYSH 教育の教材(クイズやパワーポイント)を使用することで、体の

    発育・発達に関心を持ち、学習活動に意欲的に取り組んでいた。また、テー

    ブルクロスやぬいぐるみ、花などの環境の工夫もあり、明るく、楽しい雰

    囲気で授業を進めることができた。

    振り返りシートには、「体のことを初めて知った」「今までよりわかった」「思春期に起こる変化がわかっ

    た」「心配していたこと(月経について)が吹き飛んだ」「体の変化は成長の証」などの記述があった。初経

    や精通など二次性徴による体の変化について知ることで、不安や恥ずかしさを感じたり、大人になることに

    対して嫌悪感などの否定的な感情を抱いたりせず、成長を肯定的に捉えることができた。

    また、前時では、ライオンの成長の DVD を観た。それにより、体が大きくなるだけが大人ではなく、心

    の成長も必要だということを理解させやすかった。5 年生の保健で行う心の健康につなげやすいと感じた。

    ○ TT について

    昨年度までの実践の反省と児童の実態から、知識の定着を図ることと、個人差があることを理解し、自分

    事として捉え、実生活に生かせるようにしたいという思いがあり、今回は TT による授業を行った。

    知識の定着を図るための手だてとして、ワークシートにまとめる活動を取り入れ、T2がパワーポイント

    で説明した後、T1が板書して復習しながら児童がワークシートを記入する形で行った。後日テストを行っ

    たが、ほとんどの児童が正しく解答できていた。

    また、体の変化に気付いて悩む友達に掛ける言葉を考えさせることにより、学習したことを深められた。

    「成長には個人差がある」「だれにでも起こることだから大丈夫」「また心配なことあったら教えてね」など、

    学習したことを生かし、考えたことをワークシートに記入していた。記入後、ロールプレイを行ったことで、

    自分事として捉えることにつながったと考える。T1T2、2人で机間指導をし、意図的に発表する児童を

    選んだことで、どのような言葉を掛けたらいいか悩んでいた児童も、他児童の発表を聞くことで記述するこ

    とができた。「実際に起こった場合も自分が考えた言葉を掛けたい」と振り返り用紙に記述があったことか

    らも、実生活に生かせるよう、実践的に考えることができたと感じた。

    指導案作成の段階から担任と検討を重ねることにより、児童の実態に即した学習方法を考えることができ

    た。グループワークのやり方や、ロールプレイを取り入れる等、普段の児童の様子についてよく知っている

    担任とTTで授業を行うことで、考えを深めることや、個人の考えを全体に共有することができたと感じる。

    また、浅沼指導主事からのご指導にあったように、指導力向上、児童への丁寧な学習支援、継続支援が行え

    た。

  • 9

    (2)課題

    ○ 単元の指導計画、展開について

    展開では、後ろ姿クイズについて、年齢に伴って男女の違いが現れることに気付かせるために、どうして

    男子・女子だと思ったのか観点を絞って発言を求めると良かった。児童に気付いてほしいところに着目させ

    るための方法や手段を考える必要がある。また、前時のライオンの DVD の部分で、相手への関心(学習指

    導要領では異性への関心)について、心の成長として取り上げた。思春期になると異性とは限らず、相手へ

    の関心が芽生え、気になったりドキドキしたりすることがあること、相互に認め合い仲良く協力する必要が

    あるということについて、具体例やイラストを示す等により、気付かせたり考えさせたりする場面の設定が

    必要であった。その点も含め、単元の指導計画を工夫、改善していく必要がある。

    授業を参観してくださった先生方からは、「終始良い雰囲気で授業が進められていた」、「T1T2の連携

    が良い」、「パワーポイントが工夫されていてわかりやすい」等のご意見や、「板書掲示が小さい」、「体の変化

    についての説明が簡単すぎるのではないか」、「次時の説明とまとめの時間の順序は逆の方が良いのでは」等

    のご意見をいただいた。今後の授業実践において検討していきたい。

    ○ 単元全体を終えて

    3/4時の特別活動の授業も含め、単元を全て終えたあとにアンケートをとった。その結果、「知らないこ

    とがわかってよかった」「ためになった」「すごいなと感動した」「体のことがわかった」「本当の大人になれ

    るようにがんばりたい」と回答した児童が多かった(選択方式による回答)。

    事前アンケートと比較すると、大人になることが「楽しみ、どちらかといえば楽しみ」と答えた児童は、

    事前 22 名(84.6%)、事後 23 名(88.5%)、「楽しみではない、どちらかといえば楽しみではない」と答えた

    児童は、事前5名(19.2%)、事後2名(7.7%)であった(事後無回答1名)。授業後に「楽しみではない、

    どちらかといえば楽しみではない」から「楽しみ、どちらかといえば楽しみ」に変わった児童もいたが、1

    名はその逆となった。もう1名は事前、事後ともに「楽しみではない」と答えている。授業によって児童の

    意識や考えに良い変化もあったが、そうではない変化もあった。大人になることが「楽しみではない」と答

    えた児童には、授業だけの影響ではなく、その背景に現在までの経験や環境も影響していると考えられるの

    で、個別のかかわりを今後も継続していきたい。