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15 北里医学 2019; 49: 15-19 Received 13 March 2019, accepted 22 March 2019 連絡先: 古城 (北里大学医学部下部外科学) 252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1 E-mail: [email protected] 肛門管扁平上皮癌に対する集学的治療の選択─3例の検討─ 古城 1,2 ,小2 昌之 2 2 ,細篤志 2 藤野 2 森瀬 2 隆俊 1 渡邊 昌彦 1 1 北里大学医学部下部外科学 2 外科 169性,診断Stage I (T2N0M0) に対して局所除後,病組織結果で 断端陽性であったた同部放射(RT) を行った。事象Grade 1皮膚炎を た。症282性。Stage IIIA (T2N1M0) に対してRT行した。事象 Grade 1皮膚炎を認た。治療後治的除を行い,後病組織学検査では腫瘍存を認なかった。症369性,Stage IIIB (T4N2M0) に対して,放射化学療(CRT) Mitomycin C (MMC)/5-fluorouracil (5-FU) いて行した。事象Grade 2放射皮膚炎,Grade 3の下食欲を認た。腫瘍小したた治的除を行っ た。 3に対して患の状態に合わせ異なる治療を行し,内の治療結 果であった。 Key words: 肛門管扁平,化学放射事象 はじめに 本邦にお肛門扁平頻度欧米報告低いが 1 トパーマウイ(HPV) 感染, ト免疫全ウイ(HIV) 感染などが原となり, 今後することが念されている 2 。近年,肛門管癌 に対する治療は,本邦でもNational Comprehensive Cancer Network (NCCN) ライン 3 て化学 放射治療 (CRT) 一選択とされることが多い。し かし,CRTによる事象となることも多く治 は一見解ていない。今々は症に応た異なる学的治療を行した3験したた 報告する。 症例 症例1: 69現病歴 肛門部にのある3 cm大のを自した。 治療経過 診断目的に肛門腫瘍切行した。後病 組織学的検査では,分化扁平断端陽 性と診断された。大約第84 による臨床病期はStage I (T2N0M0) であった。後に放射治療として局所,内腸骨領域閉鎖領域鼠径部に線量59.4 Gy (1.8 Gy/) 照射した。事象としてはCommon Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) Version 4.0 5 によるGrade 1皮膚炎を た。在,60で無発生存である。 症例2: 82現病歴 下血を主した。下部内検査門歯上に2型腫瘍を認,病組織学的検査で低分 扁平診断された。で直周囲のリンパ 転移する肛門管扁平診断され,治療臨床病期はStage IIIA (T2N1M0) であった。腫瘍の最大 30 mmであった (Figure 1AB)治療経過 高齢であったた化学療行せ放射治療 (局所鼠径部,1.8 Gy/dayTotal 59.4 Gy) 行し た。放射照射後の造影CT検査では原発し,リンパ節大はしていた (Figure 1CD)事象としてはGrade 1放射皮膚炎を認た。放射 照射10後に腹腔鏡腸切断術,リ ンパ節上D2郭清行した。後の病組織学的ではらかな腫瘍細胞の存は認られ,リンパ

肛門管扁平上皮癌に対する集学的治療の選択─3例の検討─...17 肛門管扁平上皮癌に対する集学的治療の選択 節に転移は認めなかった。治療効果判定はGrade

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     症  例 北里医学 2019; 49: 15-19 

    Received 13 March 2019, accepted 22 March 2019連絡先: 古城 憲 (北里大学医学部下部消化管外科学)〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1E-mail: [email protected]

    肛門管扁平上皮癌に対する集学的治療の選択─3例の検討─

    古城 憲1,2,小倉 直人2,根本 昌之2,鎌田 弘樹2,細田 篤志2,

    藤野 史織2,森瀬 昌樹2,中村 隆俊1,渡邊 昌彦1

    1北里大学医学部下部消化管外科学2大和市立病院外科

     症例1は69歳,女性,術前診断はStage I (T2N0M0) に対して局所切除後,病理組織結果で

    断端陽性であったため同部位に放射線療法 (RT) を行った。有害事象はGrade 1の皮膚炎を

    認めた。症例2は82歳,女性。Stage IIIA (T2N1M0) に対して術前RTを施行した。有害事象

    はGrade 1の皮膚炎を認めた。治療後根治的切除を行い,術後病理組織学検査では腫瘍の残

    存を認めなかった。症例3は69歳女性,Stage IIIB (T4N2M0) に対して,放射線化学療法 (CRT)

    はMitomycin C (MMC)/5-fluorouracil (5-FU) を用いて施行した。有害事象はGrade 2の放射線

    性皮膚炎,Grade 3の下痢,食欲不振を認めた。腫瘍は著明に縮小したため根治的切除を行っ

    た。 3症例に対して患者の状態に合わせ異なる治療を施行し,それぞれ許容範囲内の治療結

    果であった。

    Key words: 肛門管扁平上皮癌,化学放射線療法,有害事象

    はじめに

     本邦における肛門扁平上皮癌の頻度は欧米の報告に

    比べ低いが1,ヒトパピローマウイルス (HPV) 感染,

    ヒト免疫不全ウイルス (HIV) 感染などが原因となり,

    今後増加することが懸念されている2。近年,肛門管癌

    に対する治療は,本邦でもNational Comprehensive

    Cancer Network (NCCN) のガイドライン3に準じて化学

    放射線治療 (CRT) が第一選択とされることが多い。し

    かし,CRTによる有害事象が問題となることも多く治

    療方針は一定の見解を得ていない。今回,我々は症例

    に応じた異なる集学的治療を施行した3例を経験したた

    め,若干の文献的考察を加えて報告する。

    症例

    症例1: 69歳,女性

    現病歴

     肛門部に増大傾向のある3 cm大の腫瘤を自覚し当科

    を受診した。

    治療経過

     診断目的に経肛門的腫瘍切除術を施行した。術後病

    理組織学的検査では,高分化扁平上皮癌,切除断端陽

    性と診断された。大腸癌取扱い規約第8版4による術後

    の臨床病期はStage I (T2N0M0) であった。術後に追加

    放射線治療として局所,内腸骨領域〜閉鎖領域と両側

    鼠径部に総線量59.4 Gy (1.8 Gy/回) を照射した。有害

    事象としてはCommon Terminology Criteria for Adverse

    Events (CTCAE) Version 4.05によるGrade 1の皮膚炎を

    認めた。現在,術後60か月で無再発生存中である。

    症例2: 82歳,女性

    現病歴

     下血を主訴に当院を受診した。下部内視鏡検査で肛

    門歯状線上に2型腫瘍を認め,病理組織学的検査で低分

    化扁平上皮癌と診断された。精査で直腸周囲のリンパ

    節転移を有する肛門管扁平上皮癌と診断され,治療前

    臨床病期はStage IIIA (T2N1M0) であった。腫瘍の最大

    径は30 mmであった (Figure 1A,B)。

    治療経過

     高齢であったため化学療法は施行せず,放射線治療

    (局所,鼠径部,1.8 Gy/day,Total 59.4 Gy) を施行し

    た。放射線照射後の腹部造影CT検査では原発巣は縮小

    し,リンパ節腫大は消失していた (Figure 1C,D)。有

    害事象としてはGrade 1の放射線皮膚炎を認めた。放射

    線照射終了10週後に腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術,リ

    ンパ節上方D2郭清を施行した。術後の病理組織学的所

    見では明らかな腫瘍細胞の残存は認められず,リンパ

  • 16

    古城 憲,他

    Figure 1. Colonoscopic view and abdominal computed tomography (CT) of case 2

    (A) Tumor located on posterior wall of anal canal and (B) enlarged lymph nodes were locatedsurrounding tumor (arrows) before radio therapy. (C) Colonoscopic view and (D) CT after radiotherapy showed that tumor and lymph nodes decreased in size.

    Figure 2. Colonoscopic view and abdominal CT of case 3

    (A) Large tumor with bleeding was observed in analcanal by colonoscopy, and (B) CT showed a largemass at pelvic space before chemoraiotherapy. (C) Colonoscopic view, and (D) CT showed that tumorwas significantly decreased in size after chemoradiotherapy.

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    肛門管扁平上皮癌に対する集学的治療の選択

    節に転移は認めなかった。治療効果判定はGrade 3で

    あった。治療後14か月経過時点で無再発生存中であ

    る。

    症例3: 66歳,女性

    現病歴

     大量下血を主訴に近医を受診し,Hb 7.2 g/dlの貧血

    を認め緊急入院となった。精査にて,低分化肛門管扁

    平上皮癌と診断され加療目的に当院に転院となった。

    腹部造影CTで骨盤内を占拠する最大径80 mmの巨大な

    腫瘤を認め,右内腸骨動脈周囲〜閉鎖領域のリンパの

    腫大を認めた。治療前の臨床病期はStage IIIB (T4N2M0)

    であった (Figure 2A,B)。

    治療経過

     腫瘍が巨大であり骨盤壁浸潤が疑われたため根治手

    術は困難と判断し,CRT (5-FU (1,000 mg/m2) + MMC

    (10 mg/ m2) 2コース + 放射線治療 (局所,鼠径部,1.8

    Gy/day (Total 59.4 Gy)) を施行した。CRT終了後に原発

    巣は著明な縮小を認め,直腸周囲,内腸骨周囲,閉鎖

    領域のリンパ節の腫大リンパ節は縮小していた (Figure

    2C,D)。有害事象は治療中にGrade 2の放射線性皮膚

    炎,Grade 3の下痢,Grade 3の食欲不振を認めた。その

    ためMMC,5-FU投与を延期し完遂した。CRT終了8週

    後に腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術,リンパ節上方D2郭

    清を施行した。病理組織学的検査では,垂直断端は陰

    性でありリンパ節転移は認めなかった。治療効果判定

    はGrade 1bであった。術後16週で局所,及び鼠径リン

    パ節の再発を認めたため,両側鼠径部追加放射線照射

    およびCisplatin + 5-FUにて加療中である。

    考  察

     肛門管の扁平上皮癌は希少癌であり,本邦における

    肛門管の悪性腫瘍は全大腸の0.7%6,そのうち扁平上皮

    癌は14.7%7である。扁平上皮癌は放射線感受性が強

    く,CRTによって肛門機能の温存や予後を改善したと

    いう報告8や,根治切除よりも良好な治療成績が得られ

    たという報告が多くなされており9,本邦でもCRTが選

    択されることが多い。特に進行症例ではRT + MMC +

    5-FUが有効であることが知られている。このレジメン

    はRT単独と比較して局所制御の有効性が高く,人工肛

    門を造設しない期間が有意に延長することが示され

    た8,10。また生存期間中央値 (範囲) はRT群が5.4 (5.9〜

    9.9) 年であるのに対し,CRT群では7.6 (3.6〜6.8) 年と

    有意に延長することが明らかになっている11 。NCCN

    ガイドライン3の初回治療としては,T2〜T4,N0症例

    またはリンパ節転移陽性例ではRT + MMC + 5-FUを行

    うことを推奨している。またT1,N0,高分化症例に対

    しては局所切除を行い,切除断端が不十分な場合は再

    切除を行うことが推奨され,切除断端が不十分な場合

    の代替治療選択肢として局所に対するRT単独,または

    RTとfluorouracil (5-FU) ベースの化学療法の併用が推奨

    されている。当科においても深達度T1症例に対しては

    局所切除,遠隔転移を伴わない深達度T2以上の肛門管

    扁平上皮癌に対してはCRTを第一選択としており,

    C R Tの適応外基準としては高度な腎機能障害,

    performance status (PS) 3以上の全身状態不良例として

    いる。高齢者に対しては主要臓器機能を総合的に評価

    して適応を判断している。

     化学放射線療法では MMCと5-FUを併用した場合は

    有害事象が強く出現することがあり注意が必要であ

    る。一般的には急性有害事象として骨髄抑制や皮膚

    炎,粘膜炎,晩期有害事象として会陰部の繊維化,肛

    門の潰瘍や狭窄,慢性皮膚炎,放射線腸炎,性機能低

    下などを考慮する必要がある10。Roohipourらは,肛門

    管扁平上皮癌に対する初期治療に於ける上記のCRTに

    よって28.2%の患者で中断する必要があったと報告し

    た12。またFlamらの報告では,肛門管扁平上皮癌に対

    するCRTにおけるGrade 4/5の有害事象の発生頻度は7〜

    23%であった13。さらに,RT + MMC + 5-FU療法に関

    連した死亡率は3%であり,死亡原因は骨髄抑制に伴う

    敗血症によるものであった13。

     本邦に於いてはMMC,5-FUを使用したCRTの安全

    性に対する報告は少なく,欧米の投与量をそのまま適

    用すると投与量が多くなる可能性が高く急性有害事象

    がより重篤化する可能性がある。そのため,日本放射

    Table 1. Patient characteristics of three cases

    Pre operative Post operative Follow-up periodCace Age Sex pStage Ope Toxic effect Outcome

    treatment treatment (month)

    I1 69 F − TAR RT Grade 1 60 Alive

    (T2 N0 M0)

    IIIA2 82 F RT LAP-APR − Grade 1 14 Alive

    (T2 N1 M0)

    IIIB 5-FU + MMC3 66 F LAP-APR 5-FU + CDDP Grade 2−3 8 Alive

    (T4 N2 M0) RT

  • 18

    線腫瘍学研究機構 (JROSG) に於いて5-FUの投与量を減

    量したMMC + 5-FUレジメンによるCRTの臨床試験

    (JROSG10-2)14が,また日本臨床腫瘍研究グループ

    (JCOG) では5-FUに替わってS-1を使用したレジメンに

    よる第I/II相試験 (JCOG0903)15が進行中であり,その有

    効性に加えてより安全性の高いレジメンの検討が進め

    られている。

     自験例では症例1,2のような放射線治療のみを行っ

    た患者ではGrade 1以上の皮膚炎以外の有害事象は認め

    られなかった (Table 1)。とくに症例2では病理組織学

    的にypCRを得られており,深達度の低い症例や高度な

    リンパ節転移を有しない高齢者症例などでは初回治療

    としてRT単独についても治療の選択肢として有用であ

    る可能性がある。また,症例3は,高度進行例では再発

    のリスクはあるもののCRTによって根治切除や予後の

    改善が期待できる。しかしCRTではGrade 3以上の重症

    な有害事象が認められることもしばしばあり,日常生

    活動作 (Quality of life) の低下や治療の一時中断を回避

    するため,投与容量や支持療法等の検討が必要である

    と考えられる。

     CRT後の根治手術に関しては,一般的に創感染や術

    後出血などの合併症に注意が必要であるが,様々な報

    告で長期生存が期待出来るとされている。術式は,

    サルベージ手術としては腹会陰式直腸切断術が有効で

    あり,その5年生存率は29%から61%と報告されてい

    る16,17。GerardらはCRTを行った肛門管癌の患者467人

    のうち,サルベージ手術が必要であった41人 (8.7%) の

    5年生存率は5 1 %であったと報告している1 8。また

    Delhormeらの報告では,初回治療としてCRTを施行し

    追加で手術が必要となったのは19.2%であり,これら

    の患者は緩和治療と比較して有意に全生存率が延長し

    た (66% vs 13.5%)。術後合併症発生率は32%,骨盤合

    併切除後の敗血症による死亡を1例認め,術後死亡率は

    3%であった 19。これらの報告では,CRT後の根治手術

    は術後の合併症の頻度は高いもののコントロール可能

    であり,有効な治療法とされている。

     自検例では症例3で初回治療として鼠径リンパ節を照

    射野に含めたCRTを行い,その後根治切除が可能で

    あったが,術後に鼠径部リンパ節に再発を認めた。肛

    門管癌の鼠径リンパ節転移の頻度は,海外で10%,本

    邦で7.8%と報告されているが18,20 ,根治切除術の際の

    リンパ節郭清の必要性に関しては未だ一定の見解は得

    られていない。肛門管癌における鼠径リンパ節転移は

    直腸癌と違い遠隔転移ではなく中間リンパ節転移に分

    類される。肛門管領域のリンパ流は歯状線の上下で異

    なっており,肛門管より直接鼠径リンパ節へ至るリン

    パ流と,内腸骨リンパ節などの骨盤側方を介したリン

    パ流が考えられる。NCCNのガイドライン3では鼠径リ

    ンパ節についてはその領域に再発が生じた時のみに行

    うとされており,転移が疑われる場合は腫瘍の局在や

    大きさによっては側方リンパ節を含めた鼠径リンパ節

    の郭清が考慮される。また術前に放射線照射を行って

    いない場合は鼠径リンパ節転移に対して放射線治療を

    検討することもできる。術後の根治手術については症

    例に応じて術式,郭清範囲を選択する必要があり,そ

    の有効性と安全性についてはこれからさらに症例を重

    ね検討を要すると考えられる。

     以上より,肛門管扁平上皮癌の集学的な治療選択と

    しては,患者の年齢や状態に合わせて治療することが

    重要であり,そして有害事象には十分に注意して前治

    療を選択するし施行することが必要であろう。

    利益相反

     本論文内容に関する著者の利益相反: なし

    文  献

    1.稲次直樹.【特集 主題I: 肛門部腫瘍性病変の診断と治療のすべて】日本における肛門管悪性腫瘍病変の現況. 日本大腸肛門病雑誌 2008; 61: 967-70.

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    古城 憲,他

  • 19

    13. Flam M, John M, Pajak TF, et al. Role of mitomycin in combinationwith fluorouracil and radiotherapy, and of salvagechemoradiationin the definitive nonsurgical treatment of epidermoid carcinoma ofthe anal canal: results of a phase III randomized intergroup study.J Clin Oncol 1996; 14: 2527-39.

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    Three cases of squamous cell carcinoma of anal canal treated withmultidisciplinary treatment

    Ken Kojo,1,2 Naoto Ogura,2 Masayuki Nemoto,2 Hiroki Kamata,2 Atsushi Hosoda,2

    Shiori Fujino,2 Masaki Morise,2 Takatoshi Nakamura,1 Masahiko Watanabe1

    1Department of Surgery, Kitasato University School of Medicine2Department of Surgery, Yamato Municipal Hospital

    Chemoradiotherapy (CRT) is the standard treatment for anal canal squamous cell carcinoma. We report threecases treated with multidisciplinary treatment.

    The first patient with T2 without lymph node metastasis was treated with local excision and adjuvantradiotherapy (RT). The second patient with T2 with local lymph node metastasis was treated by neoadjuvantRT and abdominoperineal resection (APR). This patient's pathological finding revealed pathological CR. Andboth of those patients had only less than grade 1 toxic effect. The third patient with T4 with lateral lymph nodemetastasis was treated by CRT and APR. Although CRT was effective to decrease the size of the tumor, asevere toxic effect was observed during CRT. These cases suggested that RT may be effective and safe forearly stage cancer or elderly patients with anal canal squamous cell carcinoma.

    Key words: anal canal squamous cell carcinoma, chemoradio therapy, adverse event

    肛門管扁平上皮癌に対する集学的治療の選択