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技術【豆類】 品質・収量の安定化に資する技術 技術名 技術の特徴 開発機関名 ページ 大豆小畝立て深層施肥播種技術 大豆の小畝立て深層施肥播種技術は、畝を作りながら播種直下15~20cmの深さに窒素肥料を施用する技術。地力が消耗 した圃場において小畝立て深層施肥播種を行うと、窒素吸収量が高まり収量が1~2割増加する。 なお、当該技術を使ったトラクターアタッチメントが平成25年から市販された。 山形県農業総合研究センター 1 能登大納言小豆の晩播における無培 土狭畦密植栽培 ・晩播(7月下旬~8月上旬)では生育期間が短くなるため慣行と同じ栽培法では減収となる。しかし、栽植密度を慣行の2倍の 25000本/10aとなる狭畦密植にすることで、標播(7月中旬)の慣行培土栽培と同等以上の収量が得られる。 ・狭畦密植栽培では小豆の茎葉により地表面が遮光されるため、雑草発生が抑えられることから、除草剤の散布回数を減らすこ とができる。 ・狭畦密植栽培では無培土のため倒伏が懸念されるが、7月30日~8月3日に播種することで倒伏程度は軽くなり、収量性も良 い。 石川県農林総合研究センター農業試験場 3 既存の暗渠を活用した大豆の簡易地 下灌漑システム 給水バルブと既存の暗渠の立ち上がり管をホース,パイプ等で連結して給水するシステムです。暗渠の栓は閉じるか,排水口 に蛇腹状のホースを取り付けて地下水位をコントロールします。また,地下30cmに2~4m間隔に補助暗渠を施工しておきます。 30aあたり20,000円程度の資材費で自作可能です。 このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。 また、地下水位制御装置(特許出願中)を併用することで、大規模圃場で活用できる精度の高いシステムにバージョンアップす ることも可能です。 福井県農業試験場 5 簡易土壌水分計を活用した黒大豆の 多収栽培技術 近畿中国四国農業研究センターで開発された簡易土壌水分計を用いて、黒大豆の開花期から莢伸長期の土壌水分変化を小さく し、着莢を安定し生産安定を図るため、簡易土壌水分計の利用方法を明らかにした。 (具体的な利用法) 簡易土壌水分計は、pF値2.8より乾燥すると水位が低下し始め、水位が30~60cm低下した時がかん水適期と判断する。 京都府農林水産技術センター農林センター 6 水田転換畑での堆肥連用による大豆 増収技術 水田転換畑での大豆栽培で,化学肥料をしのぐ収量を得るための家畜糞堆肥の連用方法を明らかにした。 広島県立総合技術研究所農業技術センター 7 落花生播種とマルチ敷設およびマル チ穴あけの同時作業が可能な落花生 用播種機 シーダーテープ加工した落花生播種とマルチ敷設及びマルチ穴あけの同時作業が可能な落花生用播種機(以下、シーダーマル チャ)について、茨城県内の現地圃場で実証した結果、シーダーマルチャによる落花生播種は、人力による慣行の播種作業と比 較して、マルチ敷設から播種にかかる作業時間が約60%削減された。また、シーダーマルチャ播種は、機械調整により一定の播 種深度(3~4cm)が確保され,人力による慣行播種と同程度の収量性が得られた。 茨城県農業総合センター農業研究所 9

技術【豆類】 品質・収量の安定化に資する技術 · このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。

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Page 1: 技術【豆類】 品質・収量の安定化に資する技術 · このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。

技術【豆類】

品質・収量の安定化に資する技術

技術名 技術の特徴 開発機関名 ページ

大豆小畝立て深層施肥播種技術 大豆の小畝立て深層施肥播種技術は、畝を作りながら播種直下15~20cmの深さに窒素肥料を施用する技術。地力が消耗した圃場において小畝立て深層施肥播種を行うと、窒素吸収量が高まり収量が1~2割増加する。 なお、当該技術を使ったトラクターアタッチメントが平成25年から市販された。

山形県農業総合研究センター 1

能登大納言小豆の晩播における無培土狭畦密植栽培

・晩播(7月下旬~8月上旬)では生育期間が短くなるため慣行と同じ栽培法では減収となる。しかし、栽植密度を慣行の2倍の25000本/10aとなる狭畦密植にすることで、標播(7月中旬)の慣行培土栽培と同等以上の収量が得られる。・狭畦密植栽培では小豆の茎葉により地表面が遮光されるため、雑草発生が抑えられることから、除草剤の散布回数を減らすことができる。・狭畦密植栽培では無培土のため倒伏が懸念されるが、7月30日~8月3日に播種することで倒伏程度は軽くなり、収量性も良い。

石川県農林総合研究センター農業試験場 3

既存の暗渠を活用した大豆の簡易地下灌漑システム

 給水バルブと既存の暗渠の立ち上がり管をホース,パイプ等で連結して給水するシステムです。暗渠の栓は閉じるか,排水口に蛇腹状のホースを取り付けて地下水位をコントロールします。また,地下30cmに2~4m間隔に補助暗渠を施工しておきます。 30aあたり20,000円程度の資材費で自作可能です。 このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。 また、地下水位制御装置(特許出願中)を併用することで、大規模圃場で活用できる精度の高いシステムにバージョンアップすることも可能です。

福井県農業試験場 5

簡易土壌水分計を活用した黒大豆の多収栽培技術

近畿中国四国農業研究センターで開発された簡易土壌水分計を用いて、黒大豆の開花期から莢伸長期の土壌水分変化を小さくし、着莢を安定し生産安定を図るため、簡易土壌水分計の利用方法を明らかにした。(具体的な利用法)簡易土壌水分計は、pF値2.8より乾燥すると水位が低下し始め、水位が30~60cm低下した時がかん水適期と判断する。

京都府農林水産技術センター農林センター 6

水田転換畑での堆肥連用による大豆増収技術

水田転換畑での大豆栽培で,化学肥料をしのぐ収量を得るための家畜糞堆肥の連用方法を明らかにした。 広島県立総合技術研究所農業技術センター 7

落花生播種とマルチ敷設およびマルチ穴あけの同時作業が可能な落花生用播種機

シーダーテープ加工した落花生播種とマルチ敷設及びマルチ穴あけの同時作業が可能な落花生用播種機(以下、シーダーマルチャ)について、茨城県内の現地圃場で実証した結果、シーダーマルチャによる落花生播種は、人力による慣行の播種作業と比較して、マルチ敷設から播種にかかる作業時間が約60%削減された。また、シーダーマルチャ播種は、機械調整により一定の播種深度(3~4cm)が確保され,人力による慣行播種と同程度の収量性が得られた。

茨城県農業総合センター農業研究所 9

Page 2: 技術【豆類】 品質・収量の安定化に資する技術 · このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。

雑草対策技術

技術名 技術の特徴 開発機関名 ページ

非選択性除草剤の塗布処理による大豆生育後期の雑草防除

大豆栽培における除草剤による雑草防除は,播種時期から生育期まで様々な方法が開発されています。しかしながら効果が十分発揮されず,手取り除草が行われている実情があります。そこで,生育後期の手取り除草の代替技術として宮城県古川農業試験場,農薬メーカーシンジェンタジャパン(株),農業機械メーカー(株)サンエーの三者で開発いたしました。生育後期に雑草へ非選択性除草剤(グリホサートカリウム塩液剤(44.7%))を塗布処理することで収穫期まで十分な枯殺効果が得られ,手取りに比べて労働負荷が軽減される結果が得られました。また,収穫時に雑草を低水分にすることで刈り取り時の汚粒防止につながります。開発した三者により共同で特許を取得しております。

宮城県古川農業試験場 11

大豆作におけるマルバルコウに対する大豆バサグラン液剤およびバスタ液剤による体系処理は除草効果が高い

〇マルバルコウの累積出芽割合が8割に達するまでに要する期間は、大豆播種が標播(5月下旬~6月上旬)では播種後約1ヶ月間、晩播(7月上旬)では約2週間となり、晩播になるほど短期間に出芽する。〇大豆播種後1ヶ月間のマルバルコウの葉齢の進展速度は、大豆に比べ早い。〇マルバルコウに対して、大豆2~3葉期(大豆播種2週間後以降)に大豆バサグラン液剤を全面茎葉処理し、マルバルコウ蔓伸長始期(大豆播種1ヶ月後以降)にバスタ液剤の畦間・株間処理を組み合わせた体系防除をすることで、高い除草効果が得られる。

長野県農業試験場 15

Page 3: 技術【豆類】 品質・収量の安定化に資する技術 · このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。

機関名 山形県農業総合研究センター

部署名 土地利用型作物部

記入者氏名 後藤克典

電話番号 023-647-3504

e-mail

品目

技術名

特徴

活用が想定される場面(または、当該技術の活用によって

解決が期待される課題)

特許権、実用新案権の有無

登録年月日※特許権、実用新案権が有の場合

登録番号※特許権、実用新案権が有の場合

普及状況(普及している地域、面積、その他参考

情報※を記載願います。)

開発機関名

備考

約3ha(平成25年度)

山形県農業総合研究センター

豆類

大豆小畝立て深層施肥播種技術

 大豆の小畝立て深層施肥播種技術は、畝を作りながら播種直下15~20cmの深さに窒素肥料を施用する技術。地力が消耗した圃場において小畝立て深層施肥播種を行うと、窒素吸収量が高まり収量が1~2割増加する。 なお、当該技術を使ったトラクターアタッチメントが平成25年から市販された。

地力の消耗等により、大豆の収量が低下する圃場に導入することにより、大豆の収量が向上することが期待できる。

1

Page 4: 技術【豆類】 品質・収量の安定化に資する技術 · このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。

主茎長 分枝数 稔実莢数 収量 百粒重 検査等級

(cm) (本) (莢/㎡) (kg/10a) (g) (1~9)

慣 行 61.4 4.1 583 278 26.5 3.5新栽培体系 57.5 4.3 707 358 27.9 3.5注)N市大豆圃場での平成23~24年の平均値。品種はエンレイ。慣行は小畝立て播種。培土は全区、ディスク式中耕除草機で実施。基肥NPK0.2-0.2-0.2kg/a(全区共通)、深層施肥0.8kgN/a(尿素)。収量は粒径5.5mm以上の値。検査等級 1は1等上、9は3等下を示す。

大豆栽培では、湿害や連作による地力低下などにより収量や品質の低迷が続いており、その

打開策が求められている。そこで、緑肥施用、小畝立て深層施肥播種、新培土技術を組み合わ

せた新しい大豆多収技術を開発した。

① 緑肥(小麦)施用と小畝立て深層施肥播種を組み合わせると、土壌が膨軟化し、保水性が高

いため(図1)、根粒が増えて窒素吸収量が高まる(図2)。

② ディスク式中耕除草機は、土を反転させて株元に多くの土を寄せることが可能で、慣行のロ

ータリ式培土機よりも雑草の発生を抑制できる(図3)。

③ これら技術を体系化した新栽培体系では、稔実莢数が増加するとともに雑草も抑制されるた

め大豆収量 300kg/10a を実現できる(表1)。

問い合わせ先 : 土地利用型作物部 ℡023-647-3500 e-mail [email protected]

大豆収量 300kg を実現する新栽培技術体系の確立

山形県農業総合研究センター 土地利用型作物部

研究のねらい

研究の成果

緑肥(小麦)施用

10

15

20

25

30

9月2日 9月4日 9月6日 9月8日 9月10日

土壌

体積

含水

率(%

) 緑肥無処理

図1 体積含水率の推移

(平 24 年)

前年秋に散播した緑肥

(小麦)を大豆播種 1

ヶ月前にすき込む。土

壌を膨軟化させ保水性

を高める効果がある。

0

5

10

15

20

25

30

播種1カ月後 開花期 最大繁茂期

窒素

吸収

量(g/

㎡)

慣行

小畝立て深層施肥小畝立て深層施肥+緑肥

図2 窒素吸収量の推移

(平 24 年)

畝を作りながら、播種

直下15~20cmの深さに

肥料を施用する。

窒素吸収量が増えて生

育が旺盛になる。

小畝立て深層施肥播種

図3 大豆成熟期の雑草量

0

20

40

60

80

100

120

ロータリ ディスク ロータリ ディスク

平22年 平24年

雑草

量(gDW/㎡

その他

ツユクサ

イネ科

ディスク式中耕除草機

土を反転させて株

元に多くの土を寄

せる。雑草抑制効

果が高い。

新栽培体系(各技術を体系化)

技術の効果

表1 成熟期の形態と収量

2

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機関名 石川県農林総合研究センター農業試験場

部署名 育種栽培研究部能登特産物栽培グループ

記入者氏名 磯辺 美里

電話番号 0768-67-2104

e-mail 農業試験場代表<[email protected]>

品目

技術名

特徴

活用が想定される場面(または、当該技術の活用によって

解決が期待される課題)

特許権、実用新案権の有無

登録年月日※特許権、実用新案権が有の場合

登録番号※特許権、実用新案権が有の場合

普及状況(普及している地域、面積、その他参考

情報※を記載願います。)

開発機関名

備考

 H24年の研究成果のため、まだ産地での栽培作型として取り入れられておらず、普及はしていない。今後は、高温下での生産安定技術および機械化体系の作型として、普及を進めていく予定である。

豆類

能登大納言小豆の晩播における無培土狭畦密植栽培

石川県農林総合研究センター農業試験場

・晩播(7月下旬~8月上旬)では生育期間が短くなるため慣行と同じ栽培法では減収となる。しかし、栽植密度を慣行の2倍の25000本/10aとなる狭畦密植にすることで、標播(7月中旬)の慣行培土栽培と同等以上の収量が得られる。・狭畦密植栽培では小豆の茎葉により地表面が遮光されるため、雑草発生が抑えられることから、除草剤の散布回数を減らすことができる。・狭畦密植栽培では無培土のため倒伏が懸念されるが、7月30日~8月3日に播種することで倒伏程度は軽くなり、収量性も良い。

・能登大納言小豆では近年、夏期の高温により着莢数が減少し収量が低下することが問題となっている。このような高温年でも安定的に生産するための対策技術の一つとして、活用を想定している。・産地では機械化体系が確立されていないが、機械収穫には晩播での無培土狭畦密植栽培が作型として適しているため、今後、機械化体系の作型としての活用を期待している。

3

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石川県農林水産研究成果集報 第 15号(2013)

農林総合研究センター(農業試験場)

能登大納言小豆の晩播における無培土狭畦密植栽培

1 背景・目的

能登大納言小豆は気象条件の影響を受けて収量が不安定となりやすく、特に夏季

の高温により着莢数が減少して著しく減収することがある。そこで、高温対策技術の一

つとして、晩播での無培土狭畦密植栽培における増収効果と播種適期を検討する。

2 技術のポイント

(1) 晩播において、条間 40cmの無培土狭畦栽培で栽植密度を慣行の2倍とすること

で、標播の慣行培土と同等以上の収量が得られる。また、狭畦密植にすることで莢の

成熟が揃い成熟期も早くなる(表)。

(2) 無培土狭畦密植栽培では茎葉による遮蔽効果のため、雑草が抑制される(写真)。

(3) 無培土狭畦密植栽培での7月 30日、8月3日播種では倒伏が抑制され、収量も多

くなる(図)。

(4) 以上のことから、晩播では7月 30日~8月3日頃に播種し、栽植密度を慣行の2倍

となる 25000本/10a に密植する。

表 晩播における無培土狭畦密植栽培が生育、収量に及ぼす影響(平成 24 年)

試験区 条間

(cm) 栽植本数

播種期

(月/日)

開花期

(月/日)

成熟期

(月/日)

収量

(㎏/10a)

莢数

(莢/m²)

百粒重

(g)

晩播無培土狭畦密植区 40 25000 本/10a 8/3 9/10 11/17 190.1 238.3 27.6

晩播培土区 80 12500 本/10a 8/3 9/12 11/22 145.0 231.3 27.6

標播培土区 80 12500 本/10a 7/17 9/4 11/24 151.5 234.8 29.2

-

写真 晩播での栽植密度の違いによる生育の様子 図 晩播の無培土狭畦密植での播種期の違いによる

(平成 23 年) 生育と収量 (平成 24 年)

3 成果の活用と留意点

(1) 晩播での無培土狭畦密植栽培は増収効果が得られ、無培土で除草剤の散布回

数も少なく、栽培作業を簡略化できる。

(2) 条間が狭いため、防除作業用の通路を設ける。

問 合 先 : 能 登 特 産 物 栽 培 グ ル ー プ T E L 0 7 6 8 - 6 7 - 2 1 0 4

担 当 者 : 磯 辺 美 里

0

10

20

30

40

50

60

70

80

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

収量(㎏/10a)

7/25 7/30 8/3 8/8 8/3 7/17

晩播無培土狭畦密植 晩播培土

播種期

標播培土

※ は主茎長を示す。

主茎長(㎝)

4

Page 7: 技術【豆類】 品質・収量の安定化に資する技術 · このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。

機関名 福井県農業試験場

部署名 作物部

記入者氏名 笈田 豊彦

電話番号 0776-54-5100

e-mail [email protected]

品目

技術名

特徴

活用が想定される場面(または、当該技術の活用によって

解決が期待される課題)

特許権、実用新案権の有無

登録年月日※特許権、実用新案権が有の場合

登録番号※特許権、実用新案権が有の場合

普及状況(普及している地域、面積、その他参考

情報※を記載願います。)

開発機関名

備考

平成25年 実証展示用に4か所 合計約1.5ha

福井県農業試験場 作物部

平成25年実用化技術掲載先:福井県農業ポータルサイト アグリネットアドレス:http://www.agri-net.pref.fukui.lg.jp/shiken/hukyu/h25.html

豆類

既存の暗渠を活用した大豆の簡易地下灌漑システム

 給水バルブと既存の暗渠の立ち上がり管をホース,パイプ等で連結して給水するシステムです。暗渠の栓は閉じるか,排水口に蛇腹状のホースを取り付けて地下水位をコントロールします。また,地下30cmに2~4m間隔に補助暗渠を施工しておきます。 30aあたり20,000円程度の資材費で自作可能です。 このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。 また、地下水位制御装置(特許出願中)を併用することで、大規模圃場で活用できる精度の高いシステムにバージョンアップすることも可能です。

 大豆の収量品質が土壌の乾燥によって不安定ながら、畝間灌水がやりにくい場面で活用が期待できる。

出願中

5

Page 8: 技術【豆類】 品質・収量の安定化に資する技術 · このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。

機関名 京都府農林水産技術センター農林センター

部署名 作物部

記入者氏名 今井久遠

電話番号 0771-22-5010

e-mail [email protected]

品目

技術名

特徴

活用が想定される場面(または、当該技術の活用によって

解決が期待される課題)

特許権、実用新案権の有無

登録年月日※特許権、実用新案権が有の場合

登録番号※特許権、実用新案権が有の場合

普及状況(普及している地域、面積、その他参考

情報※を記載願います。)

開発機関名

備考

京都府中北部地域、10ha

近畿中国四国研究農業研究センター

豆類

簡易土壌水分計を活用した黒大豆の多収栽培技術

近畿中国四国農業研究センターで開発された簡易土壌水分計を用いて、黒大豆の開花期から莢伸長期の土壌水分変化を小さくし、着莢を安定し生産安定を図るため、簡易土壌水分計の利用方法を明らかにした。(具体的な利用法)簡易土壌水分計は、pF値2.8より乾燥すると水位が低下し始め、水位が30~60cm低下した時がかん水適期と判断する。

黒大豆の開花期から莢伸長期(8~9月)のかん水時期は、従来、勘に頼っていたが、簡易土壌水分計により、土壌の乾燥程度を目視化しかん水時期の判断に活用する。

6

Page 9: 技術【豆類】 品質・収量の安定化に資する技術 · このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。

機関名 広島県立総合技術研究所農業技術センター

部署名 生産環境研究部

記入者氏名 房尾 一宏

電話番号 082-429-2590

e-mail [email protected]

品目

技術名

特徴

活用が想定される場面(または、当該技術の活用によって

解決が期待される課題)

特許権、実用新案権の有無

登録年月日※特許権、実用新案権が有の場合

登録番号※特許権、実用新案権が有の場合

普及状況(普及している地域、面積、その他参考

情報※を記載願います。)

開発機関名

備考

豆類

水田転換畑での堆肥連用による大豆増収技術

水田転換畑での大豆栽培で,化学肥料をしのぐ収量を得るための家畜糞堆肥の連用方法を明らかにした。

水田転換畑での大豆栽培

成果情報は公表しているが,具体的な技術移転の取り組みはこれから。

広島県立総合技術研究所農業技術センター

農林水産省 土壌由来温室効果ガス計測・抑制技術実証普及事業(H20~24)

7

Page 10: 技術【豆類】 品質・収量の安定化に資する技術 · このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。

�堆肥連用4年目から化成区に比べて増収する

�増収に十分な堆肥施用量は以下のとおり

牛ふん堆肥10kgN(600kg),鶏ふん堆肥3kgN(100kg)/10a・年

※※※※カッコ内は使用したペレット堆肥でのおよその現物量カッコ内は使用したペレット堆肥でのおよその現物量カッコ内は使用したペレット堆肥でのおよその現物量カッコ内は使用したペレット堆肥でのおよその現物量

堆肥の連用で水田転換畑大豆が増収堆肥の連用で水田転換畑大豆が増収堆肥の連用で水田転換畑大豆が増収堆肥の連用で水田転換畑大豆が増収

水田転換畑での大豆栽培(サチユタカ)で,化成肥料以上の収量を得る

ための牛ふんおよび鶏ふんペレット堆肥の連用方法を明らかにしました。

農林水産省農林水産省農林水産省農林水産省 土壌由来温室効果ガス計測・抑制技術実証普及事業(土壌由来温室効果ガス計測・抑制技術実証普及事業(土壌由来温室効果ガス計測・抑制技術実証普及事業(土壌由来温室効果ガス計測・抑制技術実証普及事業(H20H20H20H20~~~~24242424年度)年度)年度)年度)

2013 広島県立総合技術研究所 農業技術センター 生産環境研究部

�大豆への適正な

堆肥施用量を

明らかにする

目 的

�化成肥料の価格高騰などから,

安価な堆肥の施用が望まれる

�堆肥の適正施用量は不明

背 景

表1 処理区の概要

図1 8年間の平均子実収量

図2 化成区を100とした子実収量比率

牛ふんペレット堆肥z 鶏ふんペレット堆肥y 化成肥料x化成区 - - 3+3堆肥少区 10( 573)w 3(122) -堆肥中区 20(1145) 3(122) -堆肥多区 40(2290) 3(122) -z窒素含有率1.8%(8年平均) x硫安と被覆肥料(LP100)の合計y窒素含有率2.7%(8年平均) wカッコ内は現物施用量処理区 窒素施用量(kg/10a) 398 455 463 4330100200

300400500化成区 堆肥少区 堆肥中区 堆肥多区子実収量(kg/10

a)化成区と比べて…

連用4年目から

全堆肥区で増収

堆肥区間で比べて…

堆肥少区,中区は

多区よりも安定多収

→少区で施用量十分

子実収量比率(%)

8

Page 11: 技術【豆類】 品質・収量の安定化に資する技術 · このシステムを用いて子実肥大期を中心に灌水することで,約10%の収量向上が期待できます。

機関名 茨城県農業総合センター農業研究所

部署名 作物研究室

記入者氏名 森 拓也

電話番号 029-239-7212

e-mail [email protected]

品目

分類コード C - 4

技術名

特徴

活用が想定される場面(または、当該技術の活用によって

解決が期待される課題)

特許権、実用新案権の有無

登録年月日※特許権、実用新案権が有の場合

登録番号※特許権、実用新案権が有の場合

普及状況(普及している地域、面積、その他参考

情報※を記載願います。)

開発機関名

備考

日本プラントシーダー(株)より,商品名「あけまる君(落花生仕様)」として市販化。平成27年度現在,千葉県,茨城県の計43haで普及拡大中。

茨城県農業総合センター農業研究所・日本プラントシーダー(株)

農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センターが実施する「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)」の助成により研究を行った。

豆類

落花生播種とマルチ敷設およびマルチ穴あけの同時作業が可能な落花生用播種機

シーダーテープ加工した落花生播種とマルチ敷設およびマルチ穴あけの同時作業が可能な落花生用播種機(以下,シーダーマルチャ)が開発され,茨城県内の現地圃場で実証した結果,シーダーマルチャによる落花生播種は,人力による慣行の播種作業と比較して,マルチ敷設から播種にかかる作業時間が約60%削減された。また,シーダーマルチャ播種は,機械調整により一定の播種深度(3~4cm)が確保され,人力による慣行播種と同程度の収量性が得られた。

落花生主産地において,落花生栽培の栽培面積拡大や労力削減を必要とする落花生生産者または落花生集荷業者。

無し(関連特許は複数有り)

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生育状況

○ 株間、粒数(1~2粒)は希望の規格にテープ加工できます。

○ 400m×4巻 1,600m/10a 目安テープ必要量です。

大型リールを使用し交換作業を軽減

落花生用特別仕様リールホルダー 落花生用特別仕様

種子センサー・パイプ

同時穴あけシーダーマルチャー R トラクター用・落花生仕様

シーダーテープ播種と穴あけマルチ作業が同時に進行できます。

★手播きの作業が大幅に削減できます。

発芽状況

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機関名 宮城県古川農業試験場

部署名 水田利用部

記入者氏名 三上綾子

電話番号 0229-26-5106

e-mail [email protected]

品目

技術名

特徴

活用が想定される場面(または、当該技術の活用によって

解決が期待される課題)

特許権、実用新案権の有無

登録年月日※特許権、実用新案権が有の場合

登録番号※特許権、実用新案権が有の場合

普及状況(普及している地域、面積、その他参考

情報※を記載願います。)

開発機関名

備考

平成25年4月19日

特許第5246668号

技術を開発した宮城県を中心に日本各地の大豆栽培法人,集団で普及が進んでいます。農薬登録が平成24年4月におりたため,塗布器は平成24年500台,平成25年2000台ほど販売されています。

宮城県,(株)シンジェンタジャパン,サンエー(株)

塗布器本体はメーカー希望小売価格12,200円です。塗布器の購入等の問い合わせはサンエー(株)  滋賀県草津市新浜町431-3 TEL:077-569-0333

豆類

非選択性除草剤の塗布処理による大豆生育後期の雑草防除

大豆栽培における除草剤による雑草防除は,播種時期から生育期まで様々な方法が開発されています。しかしながら効果が十分発揮されず,手取り除草が行われている実情があります。そこで,生育後期の手取り除草の代替技術として宮城県古川農業試験場,農薬メーカーシンジェンタジャパン(株),農業機械メーカー(株)サンエーの三者で開発いたしました。生育後期に雑草へ非選択性除草剤(グリホサートカリウム塩液剤(44.7%))を塗布処理することで収穫期まで十分な枯殺効果が得られ,手取りに比べて労働負荷が軽減される結果が得られました。また,収穫時に雑草を低水分にすることで刈り取り時の汚粒防止につながります。開発した三者により共同で特許を取得しております。

大豆生産法人や集団で,夏から秋にかけて手取り除草を行う替わりとして本技術が活用されます。塗布時期は8月から9月上旬が効果が高く,次年度への雑草種子を残さないことが可能です。また,上記のとおりコンバイン刈り取り時の汚粒軽減も見込まれ,手取りに比べ労働時間は労働負荷も軽く行えます。

特許有り

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塗布処理の様子

48

74

0

20

40

60

80

塗布処理 手取り

(分)

10a当たり労働時間 作業後心拍数

塗布処理器本体及び使用する非選択性除草剤塗布処理14日後のシロザ

大豆栽培における除草剤による雑草防除は,播種時期から生育期まで様々な方法が開発されています。しかしながら効果が十分発揮されず,手取り除草が行われている実情があります。そこで,生育後期の手取り除草の代替技術として宮城県古川農業試験場,農薬メーカーシンジェンタジャパン(株),農業機械メーカー(株)サンエーの三者で開発いたしました。生育後期に雑草へ非選択性除草剤(グリホサートカリウム塩液剤(44.7%))を塗布処理することで収穫期まで十分

な枯殺効果が得られ,手取りに比べて労働負荷が軽減される結果が得られました。また,収穫時に雑草を低水分にすることで刈り取り時の汚粒防止につながります。開発した三者により共同で特許を取得しております。

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普及技術

分類名〔畑・特用作物〕

非選択性除草剤の塗布処理による大豆生育後期の雑草防除

古川農業試験場1 取り上げた理由

大豆栽培の雑草防除は播種後の土壌処理剤,生育期の茎葉処理剤があり, 近では生育後期の非選

択性除草剤による畦間処理(普及に移す技術80号),畦間・株間処理(普及に移す技術83号)などがある。

しかしこれらの乗用管理機を利用した防除方法でも効果が十分発揮されず,残草が見られる事例が

ある。収穫期の残草は髙水分のため大豆子実の汚粒発生を引き起こすとともに,埋土種子の増加につ

ながる。また,それを避けるための手取り除草の労力は甚大である。そこで,生育後期の手取り除草

の代替えとした雑草防除法を検討したところ,高い実用性が認められたので普及技術とする。

2 普及技術

1)大豆着莢期以降にほ場で生育している大豆畑主要雑草個体に,下記の方法で専用塗布器(株サ

ンエー社製,商品名パクパク-PK89)で非選択性除草剤(グリホサートカリウム塩液剤(44.7%),商品名

タッチダウンiQ)の 2倍希釈液で塗布処理を行えば,処理後30日後までに枯死し,十分な雑草防除

効果が得られる(図1,図2)。

2)塗布処理部位数は大型雑草は2~3箇所,株元から分枝する雑草は分枝ごとに塗布することで十

分な効果が得られる。塗布処理場所は茎とし,大豆の草冠より上の10~15cm部分に行う(図

3)。

3)雑草開花期以降に塗布処理を行っても雑草は種子を生産するため,塗布処理時期は開花期以前

が望ましい(表1)。

4)塗布処理した雑草個体の大豆収穫時水分は大豆刈り取り時の水分目安の50%を下回り,コンバ

イン刈り取り時の汚粒の発生は軽減される(表3)。

図1 塗布処理模式図および塗布処理器

3 利活用の留意点

1)グリホサートカリウム塩液剤の塗布処理技術は現在申請中で平成24年4月に登録見込みである。

また,塗布器も同時に販売予定である(表4)。

2)慣行防除を行った上で残草したほ場(雑草:0.2本/㎡,主要草種:シロザ)において,塗布処理

作業にかかる時間は手取り除草に比べ65%に低減した。また労働負荷は軽い(表2)。

3)大豆茎葉に接触すれば薬害を生ずるので,塗布には十分注意する。

4)本機器の使用にあたっては機器付属の取扱説明書を遵守する。

(問い合わせ先:古川農業試験場水田利用部 電話0229-26-5106)

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4 背景となった主要な試験研究

1)研究課題名及び研究期間

(1)新資材,生育調節剤及び雑草防除に関する試験(平成19年~21年)

(2)輪換田における大豆栽培の生育阻害要因克服技術の開発(平成21年~23年)

2)参考データ

3)発表論文等

ダイズ生育期におけるグリホサートカリウム塩液剤の雑草塗布処理技術-第1報- 雑草研究第55号(別号),137,平成22年.4

ダイズ生育期におけるグリホサートカリウム塩液剤の雑草塗布処理技術-第2報- 雑草研究第56号(別号),116,平成23年.4

ダイズ生育期におけるグリホサートカリウム塩液剤の雑草塗布処理技術-第3報- 雑草研究第56号(別号),154,平成23年.4

ダイズ生育期におけるグリホサートカリウム塩液剤の雑草塗布処理技術-第4報- 第51回日本雑草学会(平成24年4月 口頭発表予定)

図2 処理個体の生存割合(平成22年) 図3 塗布部位数・処理場所別生存割合(平成23年)※塗布部位数は塗布した箇所数。「茎1」とは,茎に1回塗布 「1/2」とは,分枝2本のうち1本に塗布したことを示す。

※1 9月7日に塗布処理,10月18日 (大豆成熟期)に調査を行った。※2 データは5個体の平均値,()内は レンジ

処理時草丈(cm)

処理個体 203

(180-225)無処理個体 205

(197-213)

40.7

70.8

水分量(%)

32

20

50

26

20

50

12

20

50

0 0 0

30

20 20

50

20 20

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 00

20

40

60

栄養

成長

前期

着蕾

〜開

花始

結実

始期

栄養

成長

前期

着蕾

〜開

花始

結実

始期

栄養

成長

前期

着蕾

〜開

花始

結実

始期

栄養

成長

前期

着蕾

〜開

花始

結実

始期

栄養

成長

前期

着蕾

〜開

花始

結実

始期

栄養

成長

前期

着蕾

〜開

花始

結実

始期

シロザ アメリカセンダン

グサ

オオイヌタデ アレチウリ ホソアオゲイトウ オオオナモミ

生存

割合

(%

処理後日数 7日後

処理後日数 30日後

塗布時期

草種

20 

40 

60 

80 

100 

1  2  3  1  2  3  1  2  3  1  2  3  茎1 茎2 茎3 茎頂 葉 1/2 2/2

栄養成長期 着蕾〜開花始期 栄養成長期 着蕾〜開花始期

ホソアオゲイトウ シロザ ホソアオゲイトウ オオイヌタ

生存

割合(%)

処理後日数 7日後

処理後日数 30日後

塗布部位数

塗布時期

草種

表2 塗布処理作業と手取り作業の心拍数(平成23年)

※1 調査日8月31日午前11時 気温30℃   オペレーター:男性,20代。平常時心拍数:約60 調査ほ場:30a(125m*24m) ※2 雑草本数:0.2本/㎡,草丈:2m,茎径平均13mm 引抜抵抗:2.08MPa※3 作業は発生量が同水準の区画を塗布処理又は抜き 取ってその場に置きながら進んだ。1区は長辺125m*2畝

※1 30日後生存割合20%以下の雑草の主茎   頂点以下20cmの部分で穂を採集し,脱穀 して子実重を測定した。※2 下線は開花時期を示す。  

表4 塗布処理に関するグリホサートカリウム塩液剤(44.7%)商品名タッチダウンiQの登録内容

作物名適用場所

適用雑草名 使用時期希釈倍率

使用液量本剤の使用回数

使用方法

グリホサートを含む農薬の総使用回数

だいず -一年性広葉

雑草着莢期以降

(雑草生育期)2倍希釈液

0.1mlを1~3か所/株

2回以内雑草茎葉塗布

2回以内

注意事項)だいずの着莢期以降に使用する場合には,専用の器具を用いて,作物に付着しないよう塗布すること。また,分枝の多い雑草には2か所以上塗布すること。

g/個体 無処理区比%

8月24日 0 0

9月1日 0 09月7日 0 09月16日 3.44 43.0無処理 7.998月24日 0 09月7日 0.27 17.79月16日 1.17 76.5無処理 1.539月7日 0 09月16日 0.08 12.3無処理 0.65

オオイヌタデ

処理日子実重

草種

シロザ

ホソアオゲイトウ

10a当たり作業時間

作業時間対比

(hour:min:sec) (%)

塗布処理 72.3 84 0:48:00 65

手取り作業 86.7 96 1:13:46 100

心拍数平均値

心拍数最高値

表3 塗布処理したホソアオゲイトウの  収穫時処理株水分含量(平成23年)

表1 塗布処理雑草の種子子実重    (平成23年)

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機関名 長野県農業試験場

部署名 作物部

記入者氏名 青木政晴

電話番号 026-246-9783

e-mail [email protected]

品目

分類コード C - 3

技術名

特徴

活用が想定される場面(または、当該技術の活用によって

解決が期待される課題)

特許権、実用新案権の有無

登録年月日※特許権、実用新案権が有の場合

登録番号※特許権、実用新案権が有の場合

普及状況(普及している地域、面積、その他参考

情報※を記載願います。)

開発機関名

備考

豆類

大豆作におけるマルバルコウに対する大豆バサグラン液剤およびバスタ液剤による体系処理は除草効果が高い

〇マルバルコウの累積出芽割合が8割に達するまでに要する期間は、大豆播種が標播(5月下旬~6月上旬)では播種後約1ヶ月間、晩播(7月上旬)では約2週間となり、晩播になるほど短期間に出芽する。〇大豆播種後1ヶ月間のマルバルコウの葉齢の進展速度は、大豆に比べ早い。〇マルバルコウに対して、大豆2~3葉期(大豆播種2週間後以降)に大豆バサグラン液剤を全面茎葉処理し、マルバルコウ蔓伸長始期(大豆播種1ヶ月後以降)にバスタ液剤の畦間・株間処理を組み合わせた体系防除をすることで、高い除草効果が得られる。

大豆圃場に侵入、拡大している帰化アサガオ類のマルバルコウに対して、発生生態を考慮し防除適期に除草剤を体系使用することにより、大豆の減収被害、大豆生産物へのマルバルコウ種子の混入被害を防止できる。

大豆の単作や麦-大豆体系による連作を行っている圃場では、マルバルコウの被害が拡大している。また、水稲-麦類-大豆による輪作体系においてもマルバルコウが侵入し始めている。いずれの場合も、大豆バサグラン液剤の適期使用は普及しているものの、バスタ液剤の畦間株間処理は、専用器具が未整備の経営体が多いため試行段階である。

長野県農業試験場

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