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1
国家試験過去問 最終確認 共通科目(午前の部)
* 問題右下〔 〕は試験回数・問題番号です。
社会調査の基礎
問題[1] 事例を読んで、調査の企画(目的と方法)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさ
い。
〔事例〕居宅サービス事業者の管理者であるHさんは、日ごろから各事業所が提供するサービスの質の
向上に努めてきた。調査研究のために外部資金として 30 万円を得たので、サービスの質の向上
に資する目的で調査研究を企画することになり、いくつかの企画を提示した。現在のサービス利
用者数は、315 名である。
1 事業者の管理運営に対する客観的な評価を目的として、雇用しているサービス従事者 52 名に記名式
のアンケートを記入してもらう。
2 提供しているサービス内容へのフィードバックを得る目的で、住民基本台帳から無作為に選んだ
300 名に、無記名式のアンケート調査を郵送での配布・回収により行う。
3 今後新たに必要なサービスや支援の把握を目的として、全員の利用者に対して、社会調査を専門に
行う業者に委託して訪問面接調査を行う。
4 利用者のサービスへの満足度の把握を目的として、全員の利用者に対して、無記名式のアンケート
調査を郵送での配布・回収により行う。
5 個々のサービス従事者の業務の評価として、全員の利用者に対して、担当しているサービス従事者
が面接で聞き取りを行う。
〔25 回問題 84〕
問題[2] 標本調査の長所と短所に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1 関心の対象である全員にではなく、その一部分の人々にのみ調査を行う限り、どれだけ適切に設計・
実施された標本調査でも必ず標本誤差が生じる可能性がある。
2 訪問個別面接調査を行う場合でも、本来は標本調査より全数調査を行うほうが誤差が生じないので
望ましい。
3 標本調査法には確率抽出法と非確率抽出法があり、実施が可能であれば、偶然に左右されない非確
率抽出法を行うのが望ましい。
4 無作為抽出が適切に行われていれば、調査対象が多くても少なくても調査から得られる知見に違い
はない。
5 標本調査によって母集団の性質についての統計的な推測ができるのは、母集団に含まれるすべての
人が同じ確率で選ばれるような標本抽出の手続きをとる場合である。
〔25 回問題 85〕
2
問題[3] 事例を読んで、調査結果の読み方に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
〔事例〕
ある地区で開催された「ふれあいサロン」の参加者の性別と年齢を調査した。その結果、参加者は男
性が 64 歳と 68 歳の2名、女性が 64 歳、66 歳、72 歳、75 歳、77 歳、80 歳、82 歳の7名であ
った。
1 女性参加者の年齢の中央値は、75 である。
2 参加者全体の年齢の範囲は、82 である。
3 参加者全体の年齢の最頻値は、2である。
4 男性参加者の年齢の平均値は、66 である。
5 女性参加者の年齢の分散と男性参加者の年齢の分散は等しい。
〔27 回問題 88〕
問題[4] 社会調査における面接法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 非構造化面接では、対象者に自由に回答してもらうことになるので、調査内容に精通していない調
査員を採用して、面接を実施してもらうのがよい。
2 半構造化面接では、インタビューのおおむね半分程度の時間を、質問内容や質問の順番などが詳細
に決められた質問紙によって面接が進められる。
3 面接における会話を録音できない場合には、正確な面接記録を作成するために、面接時はできるだ
け会話の書き取りを優先しなければならない。
4 非構造化や半構造化で行われることが多いフォーカスグループインタビューでも、質問内容や討議
のルールなどを示したインタビューガイドを準備する方がよい。
5 面接法では、対象者との間に十分な信頼関係を気づくことが重要であり、いわゆるオーバーラポー
ルの状態を目指すのがよい。
〔26 回問題 89〕
相談援助の基盤と専門職
問題[5] 2007 年(平成 19 年)の社会福祉士及び介護福祉士法の改正における社会福祉士の役割など
に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 業務を行うに当たり地域格差が生じないよう配慮し、公平かつ公正な福祉サービスの提供に努めな
ければならないことが明記された。
2 社会福祉及び介護を取り巻く環境の変化による業務内容の変化に適応するため、知識及び技術の向
上に努めなければならないことが明記された。
3 判断能力の低下した個人であってもその尊厳が保持され、自立した日常生活を営むことができるよ
う後見人登録の規定が明記された。
4 地域における総合的かつ包括的な援助を行うために、福祉サービスを提供する事業者やボランティ
アへの助言、指導が社会福祉士の定義に明記された。
5 認定社会福祉士の規定が設けられ、高度な福祉ニーズに的確に応えることのできるより専門性の高
い人材を確保することが明記された。
〔27 回問題 91〕
3
問題[6] 2007 年(平成 19 年)の社会福祉士及び介護福祉士法の背景に関する次の記述のうち、正しい
ものを1つ選びなさい。
1 福祉ニーズの多様化に対応するため、2015 年(平成 27 年)までに社会福祉士登録者数を 20 万人
にすることが求められた。
2 社会福祉士登録者数が大幅に増加し飽和状態になったため、有資格者の量的抑制が求められた。
3 利用者がサービスを選択できる制度が導入されたことに伴い、サービスの利用支援、成年後見、権利
擁護等の新しい相談援助業務の拡大に対応できるよう、社会福祉士の知識及び技術の向上が求めら
れることになった。
4 社会福祉士の業務内容の変化に対応するため、5年ごとの更新制が導入されることになった。
5 福祉事務所への社会福祉士の配置が義務化されたため、相談援助業務範囲の拡大が求められた。
〔26 回問題 91〕
問題[7] 総合的かつ包括的な相談援助に向けたジェネラリストの視点に関する次の記述のうち、適切な
ものを1つ選びなさい。
1 地域住民の参加を得ながら発見と見守りの機能を強化することで、予防的な働きかけを重視する。
2 困難な問題が重複したクライエントについては、最初に相談を受けた機関の担当ワーカーによって
最後まで対処することが求められる。
3 既存の社会福祉制度の対象となる人を優先し、適切にサービスを提供することを重視する。
4 支援困難な事例であっても、できる限り専門職の力を借りずに地域住民で対処できるように働きか
けることが目標となる。
5 援助者の方からクライエントに積極的に働きかけるのではなく、本人の意志を尊重して自ら援助を
求めてきた人を対象とすることを基本とする。
〔23 回問題 90〕
問題[8] ソーシャルワークの発展に寄与した代表的な研究者とその理論に関する次の記述のうち、正し
いものを1つ選びなさい。
1 リッチモンド(Richmond,M.)は、ケースワークの過程と対象として、個人に直接働きかける直接
的活動と、社会環境を通じて働きかける間接的活動を挙げた。
2 パールマン(Perlman,H.)は、診断主義と機能主義双方の理論を折衷的に取り入れ、課題中心アプ
ローチを体系化した。
3 ハミルトン(Hamilton,G.)は、人とその人を取り巻く状況と、その両者の相互作用の視点から「状
況の中の人」という概念を提唱した。
4 リード(Reid,W.)は、ソーシャルワークの共通基盤として、実践に必須の要素に、「価値の体系」を
挙げた。
5 ジャーメイン(Germain.C.)とギッターマン(Gitterman,A.)は、役割理論を基盤とし、人と環境
との交互作用に焦点を当て両者の調和を目指す理論を説いた。
〔28 回問題 93〕
4
相談援助の理論と方法
問題[9] サリービー(Saleebey,D)の唱えるストレングス視点に関する次の記述のうち、正しいものを
1つ選びなさい。
1 問題解決を行うためのストレングスは、個人や家族のみならず、地域の中にも見出すことができる。
2 クライエントの希望やビジョンには、ストレングスを見出すことができない。
3 逆境や困難な体験における苦しみは、ストレングスの形成を妨げる。
4 ストレングスを高めることと、クライエントの目に見えない潜在力の強化とは相反するものである。
5 クライエントのストレングスの見極めは、ソーシャルワーカーの客観的判断に基づくものである。
〔22 回問題 91〕
問題[10] ソーシャルワークのアプローチと焦点を当てるべき事象の組み合わせに関する次の記述のう
ち、正しいものを1つ選びなさい。
1 心理社会的アプローチにおいては、急性の感情的な混乱状態にある利用者の対処能力の強化、社会
的機能の回復に焦点を当てる。
2 問題解決アプローチにおいては、利用者自らがもっている具体的な解決イメージを重視し、問題が
解決した状態を短期間で実現することに焦点を当てる。
3 課題中心アプローチにおいては、利用者のニーズを機関の機能との関係で明確化し、その機能を個
別化して提供することに焦点を当てる。
4 機能的アプローチにおいては、利用者が他者とのつながりを形成し、疎外状態から解放されること
に焦点を当てる。
5 エンパワメントアプローチにおいては、利用者が自らの置かれている否定的な抑圧状況を認識し、
自らの能力に気付き、その能力を高め、問題に対処することに焦点を当てる。
〔22 回問題 92〕
問題[11] 相談面接の技法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「繰り返し」は、クライエントがソーシャルワーカーの言動に対して負の感情を呈示した場合に有効
である。
2 「沈黙」は、ソーシャルワーカーがクライエントに強調して伝えたいことがある場合に有効である。
3 「言い換え」は、クライエントの発言からクライエントの気付きを促す場合に有効である。
4 「相づち」は、クライエントの問題状況への対応に関してソーシャルワーカーの価値判断を伝える場
合に有効である。
5 「閉じられた質問」は、クライエント自身による言葉を引き出したい場合に有効である。
〔23 回問題 103〕
5
問題[12] 相談援助の過程におけるアセスメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びな
さい。
1 クライエントの問題解決にどう結びつけるかを考えて、収集した情報を組織化する。
2 クライエントの生育歴に焦点を絞って問題の原因を探求する。
3 アセスメントシートに従い、質問項目の順番を順守してクライエントに尋ねる。
4 秘密を保持する原則に立ち、クライエント本人以外の他者からの情報収集は控える。
5 援助過程の初期に限定してクライエントからの情報収集と分析を行う。
〔26 回問題 103〕
問題[13] ソーシャルワークの援助関係に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 ソーシャルワーカーは、クライエントの権利を守るために、権威的な関係の構築と保持に努めなけ
ればならない。
2 ソーシャルワーカーは、クライエントの反社会的な行動についても受容しなければならない。
3 ソーシャルワーカーは、初回面接時でなく、具体的な援助が進んだ段階でラポールの形成を意識す
る。
4 ソーシャルワーカーは、クライエントの秘密を保持しなければならないので、生活歴に関する情報
はいかなる場合も他機関に提供できない。
5 援助関係においてクライエントを共感的に理解するために、ソーシャルワーカー自身の価値観の特
徴を知ることは大切である。
〔27 回問題 105〕
問題[14] スーパービジョンに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 スーパーバイザーは、バーンアウトが懸念されるスーパーバイジーに対して、教育的機能を発揮す
ることが求められる。
2 スーパービジョン関係で起こるパラレルプロセスは、スーパーバイジーが過去の特定の人間関係を
スーパーバイザーとの関係の中に投影することである。
3 ピアスーパービジョンとは、スーパーバイザーである上司から複数の同僚や仲間とともにスーパー
ビジョンを受けることである。
4 スーパーバイザーが部下であるスーパーバイジーに対してスーパービジョンを行う場合には、管理
上の責任を負う。
5 ライブスーパービジョンとは、スーパーバイザーと複数のスーパーバイジーでロールプレイを用い
て行う討議形式の事例検討である。
〔26 回問題 114〕
6
問題[15] グループワークの作業期における援助者の役割に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選
びなさい。
1 プログラム活動を順調に進めていくことが必要な時期であることから、できるだけ具体的な指示を
出しながら、グループ全体の力量を高める。
2 サブグループができた場合には、グループ全体の仲間意識の構築やグループ運営に良い影響を与え
るかどうかを見極めて対応する。
3 メンバー同士の衝突や摩擦が起こると、グループ活動による効果が得られなくなるので、できるだ
け事前に回避するように働きかける。
4 孤立するメンバーが現れたときには、仲間意識を高めるチャンスとして、そのメンバーに個別にア
プローチするよりも、対応はグループの主体性にゆだねる。
5 メンバー同士の交流が深まった時期なので、グループ内の役割分担をいったん解消して、メンバー
のグループからの自立を促すように働きかける。
〔25 回問題 114〕
問題[16] 事例を読んで、E児童福祉司(社会福祉士)による個別性を重視した対応として、最も適切
なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
F子(10 歳)は、児童相談所で一時保護を受け、三日後に児童養護施設への入所を控えている。
E児童福祉司が、本人の準備状況を確認するために面接したところ、「転校はしたくない。だから
施設には行きたくない」と言われた。
1 「転校は初めてだったね。今の気持ちを詳しく聞かせてくれるかな」と率直な気持ちを尋ねる。
2 「この前の話し合いでF子ちゃんも一緒に決めたことだよね」と施設入所に関する本人の同意を再
確認する。
3 「学校での悩みごとも、今度行く施設ではちゃんと相談にのってくれるよ」と施設の支援体制を伝
える。
4 「施設に行く前に転校を気にする子は多いけど、行ってみると慣れるものだよ」と心配を和らげ
る。
5 「転校は私も経験したけど、新しい友達もきっとできるから心配するほどじゃないよ」と前向きな
とらえ方を示す。
〔27 回問題 108〕
7
福祉サービスの組織と経営
問題[17] 社会福祉法人が行う事業に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 自主的に福祉サービスの質の向上に取り組むとともに、地域住民が求める限りにおいて、事業経営
を透明にすることにできるだけ協力しなくてはならない。
2 社会福祉事業を実施する必要があるが、当該法人の実施する事業において社会福祉事業は主たる地
位を占める必要はない。
3 公益事業において剰余金が生じたときには、当該社会福祉法人の社会福祉事業や公益事業に充てる
こととされている。
4 収益事業として行う事業は、法人の社会的信用を傷つけるおそれがあるものや投機的なものはもち
ろん、福祉に関連しないものは適当ではないとされている。
5 社会福祉事業を行うために必要な物件について、所有権を持つべきかどうかについて、特段の定め
はない。
〔25 回問題 119〕
問題[18] 組織構造や環境に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 あらゆる環境に適した組織化の唯一最善の方法が存在するという考えを、コンティンジェンシーア
プローチと呼ぶ。
2 外部環境が不確実であるほど、組織は多くの規則や手続きを備え、明白な階層構造を持ち、中央集権
化された機械的な管理システムとなる傾向にある。
3 有機的な管理システムでは、仕事内容が専門化され、垂直方向のコミュニケーションが多く見られ
る。
4 官僚制は、ルールや手続き、専門化と分業、権限の階層構造などの特徴を持ち、組織化を有効に機能
させる上で利点がある。
5 組織にとって、環境不確実性の低い状況とは、外部環境が複雑で不安定な場合をいう。
〔25 回問題 120〕
8
問題[19] 「男女雇用機会均等法」におけるセクシュアルハラスメント及び「職場のパワーハラスメント
の予防・解決に向けた提言」におけるパワーハラスメントに関する次の記述のうち、正しいも
のを1つ選びなさい。
1 職場におけるセクシュアルハラスメントは、業務を遂行する事業所内で起きたことを対象とするの
で、事業所外の行為は対象とならない。
2 事業主がセクシュアルハラスメント防止対策を講ずるべき対象の労働者には、受け入れている派遣
労働者は含まれない。
3 セクシュアルハラスメントの相談対応では、相談者と行為者の主張の不一致や、事業関係の確認が
十分にできない場合であっても、第三者からの聴取は禁じられている。
4 職場におけるパワーハラスメントには、上司から部下に対する行為だけでなく、同僚間、あるいは部
下から上司に対して行われるものも含まれている。
5 職場におけるパワーハラスメントの予防や解決に当たっては、職員間で自発的に解決すべきものな
ので、事業主の関与は避けたほうがよいとされている。
〔26 回問題 125〕
問題[20] 労働安全衛生管理の体制やメンタルヘルスケアの推進に関する次の記述のうち、正しいもの
を1つ選びなさい。
1 一定規模以上の事業者が定期健康診断を実施した場合は、遅滞なく、その結果を所轄の保健所に報
告しなければならない。
2 事業者は、時間外・休日労働が一定時間以上で疲労の蓄積が認められる労働者が申し出た場合は、医
師による面接指導を行わなくてはならない。
3 心理的負荷による精神障害は、業務上災害を補償する労働者災害補償保険の支給対象とはならない。
4 労働安全衛生法に定める衛生委員会の委員構成は、事業者が任意に決めてよい。
5 メンタルヘルス不調により休業していた労働者の職場復帰については、個人情報保護のため、主治
医以外の者がかかわってはならない。
〔27 回問題 125〕
高齢者に対する支援と介護保険制度
問題[21] 認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選
びなさい。
1 オレンジプランは、認知症高齢者施策として、介護保険制度の創設と同時に策定された。
2 オレンジプランにある「認知症カフェ」とは、認知症の人やその家族を支援するため、認知症の人と
家族、地域住民、専門職等の誰でもが参加でき、集う場をいう。
3 オレンジプランにある「認知症ケアパス」とは、認知症のケアに当たる介護職員の処遇改善の道のり
を示すものである。
4 オレンジプランにある「認知症サポーター」とは、認知症の人に対して、不動産や貯金などの財産管
理を行う専門職をいう。
5 オレンジプランでは、若年性認知症施策については、言及されていない。
〔27 回問題 126〕
9
問題[22] 要介護認定に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 認定調査に使用する認定調査票の「基本調査」の調査項目は、身体機能、起居動作、生活機能、認知
機能、精神・行動障害の4群から構成されている。
2 二次判定では、一次判定を基礎として、主治医の意見書や特記事項に基づき、どの区分が該当するか
の審査・判定が行われる。
3 二次判定では、一次判定よりも要介護度を下げてはならない。
4 第1号被保険者の認定に当たっては、要介護状態などの原因である障害が特定疾病に起因するもの
であるかを確認する上で、主治医の意見書が必要となる。
5 認定結果に対して不服がある場合は、認定調査を行った市町村の介護認定審査会に対して申立てを
行う。
〔27 回問題 127〕
問題[23] 移動の介護に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
1 全盲の人への移動介助で階段を下るときは、介助者がまず先に一段下がる。
2 片麻痺がある人の車いすへの移乗では、車いすを患側の位置に置く。
3 平地での杖を使用した3点歩行は、杖、患側の足、健側の足の順に動かすように助言する。
4 片麻痺がある人が杖歩行で階段を上るとき、杖の上に患側の足を出すよう助言する。
5 車いすで段差を下るときは前向きで降ろす。
〔27 回問題 128〕
問題[24] 介護保険から給付されるサービスに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 複合型サービスとは、居宅要介護者に対して訪問介護と通所介護や短期入所生活介護など3種以上
組み合わせて提供されるサービスをいう。
2 短期入所生活介護とは、居宅要介護者を介護老人保健施設又は介護療養型医療施設に短期間入所さ
せて、医学的管理下で行う介護をいう。
3 特定施設入所者生活介護では、認知症要介護者に対して共同生活を営むことができる住居において
入浴、排泄、食事等の介護、その他の日常生活上の世話を行う。
4 居宅療養管理指導とは、居宅要介護者に対して心身機能の回復及び日常生活上の自立を図るために
居宅において診療に基づき実施される理学療法や作業療法をいう。
5 介護老人福祉施設は、老人福祉施設に規定する特別養護老人ホーム(定員 30 名以上)のうち都道府
県知事の指定を受けたものであって、入所する要介護者に対し日常生活上の世話などを行う。
〔27 回問題 131〕
10
児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
問題[25] 児童福祉法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 児童福祉法は、親からの児童虐待の定義を規定している。
2 児童福祉法は、保護者とは親権者であると規定している。
3 児童福祉法は、障害のある子どもへの施策に関し、施設入所と特別児童扶養手当について規定して
いる。
4 児童福祉法は、保育士の資格について規定している。
5 児童福祉法には、児童の権利に関する条約の批准後(*1994 年)に「児童の最善の利益」の文言が
追加された。
(*)内はNHK学園による一部加筆。〔25 回問題 140〕
問題[26] 児童家庭相談における児童相談所と市町村の制度的関係に関する次の記述のうち、正しいもの
を1つ選びなさい。
1 児童虐待を受けた児童については、住所地を管轄する市町村が通告を受理し、必要に応じ子どもの
心理学的、社会学的、医学的判定を行う。
2 市町村は、乳児院、児童養護施設等入所型の児童福祉施設への措置を必要と認める場合には、その児
童を児童相談所に送致する。
3 市町村長は、療育手帳についての申請を受け付け、児童相談所の判定結果をもとに療育手帳を交付
する。
4 児童相談所長は、児童委員の職務について、市町村長に委託して必要な指示をすることができる。
5 児童相談所長は、児童福祉法第 33 条に基づく一時保護に関して、必要な場合、市町村長が一時保護
するよう指示することができる。
〔25 回問題 142〕
問題[27] 社会的養護に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)は、児童を養育者の家庭に迎え入れて養育を行う事
業である。
2 民法上の扶養義務を有する親族は、里親になることはできない。
3 市町村に設置される要保護児童対策地域協議会は、主として児童及びその家族について必要な調査
及び指導を行う。
4 児童発達支援センターは、虐待を受けた児童などを入所させる施設である。
5 児童養護施設は、保護者のいる児童を入所させることはできない。
〔27 回問題 138〕
11
問題[28] 児童虐待の防止等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健師、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者
には、児童虐待の早期発見の努力義務が課せられている。
2 偶然通りかかった見知らぬ男性が、児童に対して暴力を振るってケガをさせる行為は、児童虐待に
当たる。
3 児童相談所長は、児童虐待を受けた児童の意に反して、一時保護を行うことはできない。
4 児童虐待を行った保護者が、接近禁止命令に違反しても、罰則を科せられることはない。
5 児童虐待を疑った医師が、児童虐待の通告をする場合には、当該児童の保護者の同意を得るものと
されている。
〔28 回問題 139〕
就労支援サービス
問題[29] 日本国憲法が規定する勤労に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 憲法は、国民は勤労の義務を負うと規定しているが、勤労の権利を有するとする規定はない。
2 憲法は、賃金、就業時間に関する基準を明記している。
3 憲法が規定する勤労者の権利は、団体交渉権、団体行動権の2つである。
4 憲法は、児童はこれを酷使してはならないと規定している。
5 憲法は、男女同一賃金の原則を明記している。
〔24 回問題 143〕
問題[30] 労働基準法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 労働関係の当事者は、労働基準法の基準を理由に現状の労働条件を引き下げることができる。
2 労働者とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
3 労働することを条件として、使用者が金銭を前貸しして、後日、賃金と相殺することが認められてい
る。
4 都道府県労働局長は、労働基準法の規定により労使双方又は一方から紛争解決援助を求められた場
合、必要な助言又は指導を行う。
5 使用者は、労働契約の不履行について、違約金を定めたり、損害賠償を予定する契約を結ぶことがで
きる。
〔25 回問題 143〕
問題[31] 「労働力調査」(総務省)における労働力人口に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選び
なさい。
1 非正規の職員は含まれない。
2 休業者は含まれない。
3 15 歳未満の者は含まれない。
4 内職者は含まれない。
5 完全失業者は含まれない。
〔26 回問題 143〕
12
問題[32] 労働法規における施策の対象者に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 雇用対策法では、外国人は含まれない。
2 職業安定法では、未成年者は含まれない。
3 職業能力開発促進法では、障害者は含まれない。
4 「求職者支援法」では、雇用保険の基本手当を受給している者は含まれない。
5 「障害者雇用促進法」では、知的障害者は含まれない。
〔26 回問題 144〕
更生保護制度
問題[33] 保護観察の実施方法である指導監督と補導援護のうち、指導監督の記述として正しいものを1
つ選びなさい。
1 特定の犯罪的傾向を改善するための専門的処遇を実施すること。
2 就業中に事故に遭遇し傷害を負った者が医療及び療養を受けることを助けること。
3 家族との争いの絶えない保護観察対象者の生活環境を改善し、及び調整すること。
4 社会から逃避しがちな対象者を社会生活に適応させるために必要な生活指導を行うこと。
5 保護観察対象者が適切な宿泊場所を得ること、及び当該宿泊所に帰住することを助けること。
〔25 回問題 147〕
問題[34] 保護司に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 保護司に委嘱する条件として社会的信望、時間的余裕、活動力などが挙げられているが、生活の安定
については、法律上特に定めは置かれていない。
2 保護司は、地域住民という立場から更生保護に貢献することが求められているので、市町村長の推
薦によって都道府県知事がこれを委嘱する。
3 保護観察官で十分でないところを補い、保護観察所長等の指揮監督を受けて、保護観察所等の所掌
事務に従事するものとされている。
4 保護観察所から保護観察事件を全面的に付託されて保護観察を実施しており、自らの権限で保護観
察の終了や延長等法の執行場面での判断を行っている
5 保護司は民間人であるので、その職務を行うに当たって知り得た関係者の身上に関する情報の取扱
いについては、公務員としての法的責任を課されない。
〔25 回問題 148〕
問題[35] 少年司法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 非行のために児童自立支援施設に送致された少年は、退所後は保護観察に付される。
2 家庭裁判所が決定する保護処分には、児童相談所送致、保護観察、少年院送致がある。
3 触法少年による軽微な事案は、直接、児童相談所から保護観察所へ送致される。
4 非行のために少年院に送致された少年は、仮退院後は保護観察に付される。
5 政府が批准した児童の権利に関する条約における自由を奪われた児童の取扱いに関する規定は、保
護を理念とする少年司法には適用されない。
〔24 回問題 147〕
13
問題[36] 更生保護法における保護観察に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 保護観察の目的は、犯罪をした者及び非行のある少年に対する適切な社会内処遇を行うことにより、
再犯を防ぎ、非行をなくすことである。
2 保護観察を実施する機関は、仮釈放については裁判所、保護処分については地方更生保護委員会で
ある。
3 権力的性格を有する指導監督と福祉的な性格を有する補導援護の内容は、更生保護法において、保
護観察の種類に応じて具体的に定められている。
4 保護観察官は指導監督を行い、保護司は補導援護を行うといった役割分担が更生保護法に明記され
ている。
5 更生保護法には保護者に対する措置が規定されており、保護観察官は必要があれば親に対しても指
導を受けるよう命じることができる。
〔26 回問題 147〕