豪州の鉱業を巡る最近の話題 - JOGMEC金属資源情報mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2017/11/mrseminar...日本, 9% 韓国, 6% 鉄鉱石 (2016/17年) 629 億豪ドル

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豪州の鉱業を巡る最近の話題

2017年11月20日

シドニー事務所所長山下宜範

平成29年度第7回JOGMEC金属資源セミナー

1

１．豪州の鉱業概況２．資源価格の回復３．リチウム、コバルトの活況４．電力問題５．今後の政治動向６．まとめ

2


3

サービス, 62%

建設, 8%

鉱業, 6%

製造, 6%

農水業, 2% その他,

16%

GDPの構成

2015/16年 1兆6,170億豪ドル

鉱業, 65%

農業, 18%

その他, 15%

財の輸出の内訳2016/17年

豪州の鉱業概況

• 鉱業はGDPの6％、財の輸出の65％を占める。• 主要な資源エネルギーのほとんどは輸出向け。（鉄鉱石及び石炭は9割、天然ガスは7割）

生産量（2016/17年）輸出量（2016/17年）

・鉄鉱石 8.73 億t 8.19億t （94％）Iron ore and pellets Iron ore and pellets

・石炭 4.40 億t 3.79億t （86％）Saleable Black coal Metallurgical and Thermal coal

・天然ガス 3,198 mmcf 2,159 mmcf （68％）うち、CSG（炭層ガス） 1,095mmcf

出典：「Resources and Energy Quarterly, September Quarter 2017」Department of Industry, Innovation and Science「APPEA Key Statistic 2017」APPEA

鉱業の周辺産業（鉱山機械・技術・サービス関連）も含めるとGDPへの貢献度は15％になるとの調査報告あり（出典：MCA）

4

鉱業関連の輸出額： 2,041 億A$ （2016/17年）【主な輸出相手国】

うち、鉄鉱石 629 億A$（31％）・・・中国 82%、日本 9%、韓国 6%原料炭 350 億A$（17％）・・・インド 25%、中国 23%、日本 21%LNG 223 億A$（11％）・・・日本 51%、中国 26%、韓国 11%一般炭 189 億A$（ 9％）・・・日本 45%、韓国 19%、中国 14%金 180 億A$（ 9％）・・・香港 54%、英国 21%、中国 13%

1,571 億A$（77％）

出典：「Resources and Energy Quarterly・December Quarter 2017」Department of Industry, Innovation and Science「Australian Petroleum Statistics LNG exportsby country, 2016-17」Department of the Environment and Energy


• 鉄鉱石はじめ資源エネルギーの最大の輸出先は中国。• 石炭、LNGの最大の輸出先は日本。

中国, 38%

日本, 17%

その他アジア, 8%

韓国, 8%

EU28, 5%

インド, 5%

米国, 1% その他, 17%

資源・エネルギーの輸出(2016/17年)2,041億豪ドル

中国, 82%

日本, 9%

韓国, 6%

鉄鉱石(2016/17年)629億豪ドル

インド, 25%

中国, 23%日本,

21%

韓国, 11%

台湾, 5%

オラン

ダ, 5%

その

他, 11%

原料炭(2016/17年)350億豪ドル

日本, 45%

中国, 19%

韓国, 14%

台湾, 12%

マレーシ

ア, 3%

タイ, 2%

その他, 4%

一般炭(2016/17年）

189億豪ドル

日本, 51%中国, 26%

韓国, 11%

シンガ

ポール, 6%

インド, 3%

タイ, 1% その他, 2%

LNG(2016/17年) 223億豪ドル

5


• 豪州は6州と2特別地域で構成される「連邦」。• 各州政府の長は「首相」（特別地域では「首席大臣」）• 州毎に異なる制度（ロイヤルティ、鉱業権、環境規制等）• 連邦と州、共に政権交代に伴う政策変更の可能性あり。

【連邦政府】• 通商、課税、防衛、外交等（※）• 関税、消費税• 外国投資審査• 海洋の鉱業権の付与（沿岸から3海里（5.5km）以遠）• 労働法（Fair Work Act）• 連邦環境法に基づく環境規制• 地質調査

（※通商、課税、防衛、外交等は州政府との共管的な権限）

【州政府】• 土地管理• 陸上における鉱業権び付与（沿岸から3海里以内含む）• 陸上ロイヤルティの徴収• 鉱山保安、労働安全衛生• 州環境法に基づく環境規制• 各州内の地質調査

WA州

（西ｵｰｽﾄﾗﾘｱ州）

NT準州（北部準州）

QLD州（ｸｲｰﾝｽﾞﾗﾝﾄﾞ州）

NSW州（ﾆｭｰｻｳｽｳｪｰﾙｽﾞ州）

VIC州（ﾋﾞｸﾄﾘｱ州）

SA州（南ｵｰｽﾄﾗﾘｱ州）

TAS州（ﾀｽﾏﾆｱ州）

ACT（首都特別地域）

豪州の資源の分布（イメージ）

非鉄金属

鉄鉱石

石炭

石油/ガス

6


7

出典：IMF統計を基に作成

資源価格の回復

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M1

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US$

/t

銅の価格

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

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2016

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2017

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US$

/t

亜鉛の価格

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10000

15000

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25000

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M1

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2013

M1

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M5

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M1

2017

M5

US$

/t

ニッケルの価格

• 2016年以降、各種コモディティの価格が回復。

0.0020.0040.0060.0080.00

100.00120.00140.00160.00180.00

2012

M1

2012

M4

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2012

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M1

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M1

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M7

2016

M10

2017

M1

2017

M4

US$

/t鉄鉱石の価格

8• 鉄鉱石は価格低迷時は、輸出量が増えても輸出額（収入）が

減少。しかし、価格回復で輸出額は増加に転じた。• ただし豪政府は鉄鉱石は再度価格が低下すると予測。

010,00020,00030,00040,00050,00060,00070,00080,000

0100200300400500600700800900

1,000

輸出額（百万

A$）

輸出量（百万

t）

鉄鉱石

出典：「Resources and Energy Quarterly, September Quarter 2017」Department of Industry, Innovation and Science

0

2000

4000

6000

8000

10000

0

200

400

600

800

1,000

1,200湯出額

（百

万A$

）

輸出

量（千

t）

銅

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

0

500

1,000

1,500

2,000

輸出額（百万

A$）

輸出量（千

t）

亜鉛

0

1000

2000

3000

4000

5000

050

100150200250300350

2012-13 2013-14 2014-15 2015–162016–172017–18 f

2018–19 f

輸出額

（百

万A$

）

輸出量

（千

t）

ニッケル

輸出量輸出額


9

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

百万

A$

金属鉱物部門資本支出の推移

• 資源価格の回復で企業の資本支出の急減に歯止め。• 探鉱への支出は増加に転じている。• 雇用者数は金属鉱物関連の企業では増加する傾向。

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

Aug-

2009

Nov

-200

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b-20

10M

ay-2

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Aug-

2010

Nov

-201

0Fe

b-20

11M

ay-2

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Aug-

2011

Nov

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1Fe

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2012

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2013

Nov

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2014

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16M

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016

Aug-

2016

Nov

-201

6Fe

b-20

17M

ay-2

017

Aug-

2017

1,00

0人

鉱業部門の雇用者数の推移

石炭石油・ガス金属鉱物非金属鉱物等探査、支援サービス等


0500

1,0001,5002,0002,5003,0003,5004,000

百万

A$

鉱物資源探鉱支出の推移


10• 銅、銀・鉛・亜鉛、ニッケル・コバルトの探鉱支出が増加。• 金の探鉱支出は引き続き堅調。

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5.0

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40.0

45.0

50.0

2014

年9月

2014

年12

月

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年3月

2015

年6月

2015

年9月

2015

年12

月

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年3月

2016

年6月

2016

年9月

2016

年12

月

2017

年3月

2017

年6月

百万

A$

探鉱支出の推移

（ベースメタル等）

銅銀・鉛・亜鉛

ﾆｯｹﾙ・ｺﾊﾞﾙﾄその他

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

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140.0

160.0

2014

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2014

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月

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2015

年9月

2015

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月

2016

年3月

2016

年6月

2016

年9月

2016

年12

月

2017

年3月

2017

年6月

百万

A$


（鉄鉱石、石炭）

鉄鉱石石炭

0.0

50.0

100.0

150.0

200.0

250.0

2014

年9月

2014

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月

2015

年3月

2015

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2015

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2015

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月

2016

年3月

2016

年6月

2016

年9月

2016

年12

月

2017

年3月

2017

年6月

百万

A$


（金）

金



11

【企業の決算の例】

BHP Billiton（資源メジャー）：赤字に転落（2015/16年度）

約64億US$の損失。過去最大の赤字

Rio Tinto（資源メジャー）：赤字に転落（2015年度）

約9億US$の損失計上。赤字は3年ぶり

South32（石炭、非鉄）：赤字（2015/16年度）約16億US$の損失計上

（2015年にBHP Billitonから分離）

Woodside（石油・ガス）：利益が99％減（前年比）（2015年度）

（North West Shelf LNG及び Pluto LNGのオペレーター）

→ 黒字を計上（2016/17年度）

約59億USの純利益

→ 黒字を計上（2016年度）

約46億US$の純利益

→ 黒字を計上（2016/17年度）

約12億US$の純利益

→ 黒字を計上（2016年度）

約8.7億A$の純利益

（前年度は0.26億A$の純利益）

• 資源価格低迷時には企業の業績悪化。• 大手企業も資産減損等により赤字計上。• しかし、その後の資源価格の回復で業績も改善。


12• 企業の株価は回復。リチウム関連企業の株価は再び急騰。

BHP Billiton

Rio Tinto

South 32

Newcrest Mining

Evolution Mining

Northern Star

Galaxy Resources

Pilbara Minerals

Altura Mining

大手企業産金企業リチウム関連企業

• 大手企業の株価は2016年以降、回復（グラフは2017年１１月初旬から過去5年間）• 産金企業の株価は2015年時点で既に上昇をしている。• リチウム企業の株価も上昇を続けたが2016年後半に一時停滞。しかし、2017年７月に

Tesla社が豪に大規模な蓄電池を建設する計画を発表したこと、仏英両国における電気自動車への転換政策、同年9月に中国も同様の政策を打ち出すとの報道を受けて再び株価が急伸。


出典：豪州証券取引所（ASX）ホームページ

13


14• リチウムは豪州は生産量で世界第1位。埋蔵量は世界第4位。

豪州41%

チリ34%

アルゼンチン16%

中国6%

その他3%

リチウムの生産量（2016年）

チリ52%

中国22%

アルゼンチン14%

豪州11%

その他1%

リチウムの埋蔵量

出典：USGS Mineral Commodity Summaries 2017

リチウム、コバルトの活況

15• 豪州において代表的なリチウム鉱山はグリーンブッシュ

（Greenbushes）鉱山。

• 数年前までは同鉱山が豪州で唯一の稼働中のリチウム鉱山。• 他と比べて品位が良く、資源量も多い。

2015年2月時点の豪州のリチウム産出鉱山

鉱山名称州生産物操業企業Greenbushes鉱山 WA リチウム、タンタル、カオリン、錫、ニ

オブなどタリソン・ミネラルズ（Talison Minerals）

出典：Geoscience Australia

西豪州（WA州）の他のリチウムプロジェクトの品位及び資源量


出典：Investment Opportunities -Lithium- Government of Western Australia

16• リチウム関連企業は活発な資金調達を行って開発に投資• リチウムの探査を行うジュニア企業も豪州証券取引所（ASX）

の上場を果たしている。

リチウム関連のジュニア探鉱企業の資金調達の例

期間資金調達の例（株式発行、借入等）

2016年7～9月 Kidman Resources社：2,100万A$Prospect Resources社：1,700万A$

2016年10～12月 Galaxy Resources社：1,700万A$Lithium Power International社：1,350万A$

2017年1～3月 Altura Mining社：4,200万A$ Galaxy Resources社：8,300万A$

2017年4～6月 Pilbara Minerals：1億9,900万A$Tawana Resource社：1,500万A$Lithium Power International社：1,200万A$

出所：Explorer Quarterly Cash Update, BDO を基に作成

金関連31%

リチウム関連

32%（約3.5億A$）

その他37%

ジュニア探鉱企業の資金調達

（2017年上半期）

注：各四半期における資金調達が1,000万A$以上のものを記載。また、石油ガス除く。

上場日社名鉱種（探査、開発の実施場所）

2016年6月 Lithium Power International社リチウム（チリ）

2016年8月Berkut Minerals 社リチウム、金（豪州WA州）、コバルト（北欧）

2017年2月Metalstech社リチウム、コバルト（カナダ）

2017年3月 Lithium Consolidated Mineral Explorationh社リチウム（豪州WA州及びSA州、米国、ボツワナ）

2017年3月Marquee Resources社リチウム（米国）

2017年7月American Pacific Borate and Lithium社リチウム（米国）


最近のASX上場企業のうちリチウム関連企業

17

Mt Marion鉱山(Mineral Resources社、

Ganfeng Lithium社、Neometals社)生産中（2017年~）

Wodgina 鉱山(Mineral Resources社)

生産中（2017年~）

Greenbushes鉱山(Talison社)生産中（1983年~）

Lynas Find鉱山(Pilbara Minerals社)

Mt Cattlin鉱山（Galaxy Resources社）

生産中（2016年に生産再開)

Mt Holland(Earl Grey)鉱山(Kidman Resources社、SQM社)

2019年~生産予定

Pilgangoora鉱山(Altuna社)


Pilgangoora鉱山(Pilbara Minerals社)


Bald Hill鉱山(Tawana Resource社、AMAL社)


西豪州（WA州）

• リチウム鉱山開発は西豪州（WA州）が主。• 新たな鉱山が操業を開始。


18

Mt Marion鉱山(Mineral Resources社、

Ganfeng Lithium社、Neometals社)生産中（2017年~）

Wodgina 鉱山(Mineral Resources社)

生産中（2017年~）

Greenbushes鉱山(Talison社)

生産中（1983年~）

Lynas Find鉱山(Pilbara Minerals社)

Mt Cattlin鉱山（Galaxy Resources社）生産中（2016年~生産※)

Mt Holland(Earl Grey)鉱山(Kidman Resources社、SQM社)


Pilgangoora鉱山(Altuna社)


Pilgangoora鉱山(Pilbara Minerals社)


Bald Hill鉱山(Tawana Resource社、AMAL社)


西豪州（WA州）

• 多くの鉱山に中国企業が関与。出融資、オフテイク等。• 中国の自動車メーカーとオフテイク契約を結ぶ事業も。

中国のTianqi Lithium社がTalison社の51％分のシェア保有。

中国のGanfeng Lithium社がMt marion鉱山の43.1％の権益保有。生産量の49％分のオフテイク実施。

中国のShaanxi J&R Optimum Energy社とLionergy社とオフテイク合意。Shaanxi社はAltuna社に出資して最大株主に（19％）。

・中国General Lithium社、Gafeng Lithium社、Great Wall社とオフテイク合意。出融資伴う。・中国Shandong Ruif社とオフテイク合意するがその後、破棄。

2017年4月に中国に向けて出荷開始

中国Shandong Ruif社とオ

フテイク合意するが、その後、破棄。

・中国のBurwill社とオフテイク合意・中国のJiangxi Special Electric Motor社はTawana社の11.45％分の株式を取得する計画。

中国企業とオフテイク合意


19• これまでは主に中国の工場でリチウム精鉱を加工。• しかし最近は中国ではなく豪州で加工しようとする動きあり。

Kwinana水酸化リチウム工場（中国Tianqi Lithium社：100％）

• Greenbushes鉱山の精鉱から水酸化リチウム生産。• 2016年建設開始。2018年運転開始予定• 生産倍増となる第2フェーズを2017年に最終投資決定（

2万4千t/年→4万8千t/年へ） Kwinana

Eastern Goldfields水酸化リチウム工場（ Neometals社及びMineral Resources社）• Mt Marion鉱山の精鉱から水酸化リチウムを生産。• 生産能力2万～2万5千t年（炭酸リチウム換算）• FS実施し、2017年に投資決定予定。

Mt Holland鉱山関連の工場（Kidman Resources社及びSQM社）

• Mt Holland鉱山の精鉱から水酸化リチウム又は炭酸リチウム生産。

• 今後、FSを予定。立地場所はKwinana、Kalgoolie、Bunbury等が候補。


20• コバルトの生産量、埋蔵量共にコンゴ（民）が世界第1位。• 豪州は生産量は世界第5位、埋蔵量は世界第2位。

コンゴ民54%

中国6%カナダ

6%

ロシア5%

豪州4%

ザンビア4%

ューバ3%

フィリピン3%

マダガスカル3%

ニューカレドニア3%

その他9%

コバルトの生産量（2016年）

コンゴ民48%

豪州14%

キューバ7%

フィリピン4%

カナダ4%

ザンビア4%

ロシア4%

マダガスカル2%

中国1%

ニューカレドニア1%

その他11%

コバルトの埋蔵量


出典：USGS Mineral Commodity Summaries 2017

21• これまでコバルトは主にニッケル等の副産物として生産。

2015年2月時点の豪州のコバルト産出鉱山

鉱山名称州生産物操業企業Mount Keith鉱山 WA ニッケル、コバルト、銅 BHP Billiton社Cliffs鉱山 WA ニッケル、コバルト BHP Billiton社Maggie Hays (Lake Johnston - Norilsk)鉱山 WA ニッケル、コバルト LionOre Australia社Ravensthorpe (Bandalup)鉱山 WA ニッケル、コバルト First Quantum Minerals社Murrin Murrin鉱山 WA ニッケル、コバルト、マグネシウム Mining Technology社Savannah鉱山 WA ニッケル、銅、コバルト、PGE Panoramic Resources社

Mariners鉱山 WA ニッケル、コバルト（銅） Mincor Resources社Miitel鉱山 WA ニッケル、コバルト、銅 Mincor Resources社McLeay鉱山 WA ニッケル、コバルト Independence Group社Tapinos鉱山 WA ニッケル、コバルト Jubilee Mines社Lounge Lizard Nickel鉱山 WA ニッケル（コバルト、銅） Western Areas社Tritton鉱山 NSW 銅（金、銀、コバルト) Straits Resources社Monakoff鉱山 QLD 銅、金（ウラン、コバルト、銀） Porter Geoconsultancy社

出典：Geoscience Australia


22• 最近はコバルトをメインターゲットとしたプロジェクトが現れている。これらを実施するジュニア企業が相次いで上場。

上場日社名鉱種（探査、開発の実施場所）2017年2月Ardea Resources社コバルト、ニッケル（WA州）2017年2月Cobalt Blue Holdings社コバルト（NSW州）2017年2月Metalstech社リチウム、コバルト（カナダ）2017年6月Golden Mile Resources社ニッケル-コバルト、金（WA州）2017年9月Northern Cobalt社コバルト（NT準州）

WA州








Cobalt Blue社Thackaringaコバルトプロジェクト

（NSW州）

Northern Cobalt社Wollogorangコバルトプロジェクト

（NT準州）

Ardea Resources社KNP（Kalgoorlie Nickel Project）

コバルトプロジェクト（WA州）

最近のASX上場企業のうちコバルト関連企業


23• 豪州でも大型のリチウムイオン電池製造工場（ギガファク

トリー）や大型蓄電池の導入計画が進行中。

シドニー市街のTesla社ショールーム

Teslaが南豪州で建設予定の大型蓄電池のイメージTesla社HPより

Tesla社・100MW/129MWhのリチウムイオン蓄電池施設を建設中（SA州）

WA州








AGL社・2022年に廃止予定の石炭火力

発電所の跡地に250MWの蓄電池施設を計画（NSW州）

Boston Energy and Innovation 社、豪グラファイト企業のMagnis

Resources社等で構成されるコンソーシアムが15GW/年のリチウムイオン電池工場の建設計画（QLD州）

Energy Renaissance社1GWh/年のリチウムイオン電池工場

の建設計画（NT準州）

参考：SA州において太陽光、風

力が発電電力量に占める割合は40％（豪州全体では7％）。SA州は豪州全体の消費電力量のうち5％を占める）


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25• 近年、電力価格が上昇している。• 鉱山、製錬所においてもコスト増となっている。

家庭用電気料金の比較（2017年豪州の各州(黄色)、2015年欧州）

出典：Australian Competition and Consumer Commission (ACCC), Retail Electricity Pricing Inquiry – preliminary report, 22/09/2017

電力問題

豪州の電力小売り価格の推移

26• 東部では過去5年間で10箇所（5,000MW以上）の石炭火力発電所が閉鎖。2017年3月にも1,600MWの褐炭火力閉鎖。

• 同時期に2,000MWの発電能力が追加。ネットで約3,000MW減。• 追加分9割以上は再生可能エネ。ベースロード電源ではない。

【今後も石炭火力は廃止の動き】

• 電力・ガス大手のAGL社は2050年まで

に石炭火力を全廃予定。

• 産炭州のQLD州では2050年までに

CO2純排出量をゼロとする計画あり

• 新設の石炭火力は現段階では具体的

な計画はなく、電力企業も後ろ向き。

電力問題

今後廃止予定の石炭火力発電所の例

州石炭火力発電所廃止時期 MWNSW Liddell 2022年 2000NSW Bayswater 2035年 2640VIC Loy Yang A 2048年 2210

出典：Submission by Australian Energy Council (the Energy Council) “The retirement of coal-fired power stations” 10 November 2016

2012年以降、廃止された石炭火力発電所

州石炭火力発電所廃止時期 MWNSW Munmorah 2012年7月 600NSW Redbank 2014年8月 143.8NSW Wallerawang C 2014年11月 1000VIC Morwell 2014年8月 189VIC Anglesea 2015年8月 160VIC Hazelwood 2017年3月 1760QLD Collinsville 2012年12月 180QLD Swanbank B 2012年5月 500SA Northern 2016年5月 546SA Playford 2016年5月 240計 5318.8

27• 豪州東岸の電力不足は一部の鉱山や製錬所にも影響。

電力問題

【電力価格の上昇や電力不足の影響】

• 2017年5月、電力価格の上昇等を背景にGlencoreがQLD州の銅

精錬からの撤退を示唆したとの報道。

• 2016年9月に発生したSA州の大停電により以下の鉱山等が一時

操業停止。

-BHPのOlympic Dam銅・ウラン鉱山（SA州）

-OZ Minerals社のProminent Hill銅・金鉱山（SA州）

-Nyrstar社のPort PのPirie鉛製錬所（SA州）

• 2016年12月、SA州で再度停電。Olympic Dam鉱山、Prominent Hill鉱山が再び一時操業停止。AlcoaのPortlandアルミニウム製

錬所（VIC州）の電気炉が停電により故障。

• 2017年1月、Rio TintoのBoyne Islandアルミニウム製錬所（QLD州）は、電力価格の高騰で生産量を8％削減すると発表。

• 2017年2月、夏場の高温で電力需要急増。電力会社からの要請

によりRio TintoのTomagoアルミニウム製錬所（NSW州）が一時

操業停止。

出典：ABC news

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豪州の鉱業概況（再掲）

• 豪州は6州と2特別地域で構成される「連邦」。• 各州政府の長は「首相」（特別地域では「首席大臣」）• 州毎に異なる制度（ロイヤルティ、鉱業権、環境規制等）• 連邦と州、共に政権交代に伴う政策変更の可能性あり。

【連邦政府】• 通商、課税、防衛、外交等（※）• 関税、消費税• 外国投資審査• 海洋の鉱業権の付与（沿岸から3海里（5.5km）以遠）• 労働法（Fair Work Act）• 連邦環境法に基づく環境規制• 地質調査

（※通商、課税、防衛、外交等は州政府との共管的な権限）

【州政府】• 土地管理• 陸上における鉱業権び付与（沿岸から3海里以内含む）• 陸上ロイヤルティの徴収• 鉱山保安、労働安全衛生• 州環境法に基づく環境規制• 各州内の地質調査

WA州








ACT（首都特別地域）

豪州の資源の分布（イメージ）

非鉄金属

鉄鉱石

石炭

石油/ガス

30• 豪州の政党。保守連合と労働党の二大政党。• 緑の党などの少数政党も存在。

労働党自由党

国民党

緑の党

その他、少数政党・グループ

保守連合

今後の政治動向

WA州








WA州








2015年1月 2017年10月現在

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今後の政治動向

• 連邦議会では保守連合はかろうじて政権を維持。• 各州では労働党への政権交代が続いている。

• 今後の資源エネルギー政策、環境政策の行方は不透明。

【連邦及び州の政権と政策の動向】

• 2015年2月：QLD州政権交代（労働党政権に）→雇用重視によりインド企業による大型炭鉱開発を支持する等、前政権と同様に石炭重視。→他方、閉山後の環境修復等に係る環境規制は厳しくなる傾向。

• 2016年7月：連邦議会選挙：一議席差で与党・保守連合が労働党に勝利

• 2016年8月：NT準州で政権交代（労働党政権に）→ガス開発のフラッキングを一時禁止（モラトリアム）

• 2017年3月：WA州で政権交代（労働党政権に）→新規のウラン開発禁止、ガス開発のフラッキングを禁止。→また財政難を背景に金のロイヤルティ引き上げ（ただし野党反対で実現せず）等の動き。

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豪州の鉱業を巡る最近の話題～まとめ

１．資源価格の回復• 探鉱など企業の投資も回復、株価も回復。

２．リチウム、コバルトの活況• リチウム事業に中国企業が関与（出融資、オフテイク等）。• 中国以外でリチウムを加工する動き（国内工場の建設計画）• コバルトをメインターゲットとするジュニア企業が相次ぎ登場。

３．電力問題• 豪州東岸の電力不足は一部の鉱山や製錬所にも影響。• 安価かつ安定的な電力が求められている。

４．今後の政治動向• 今後の連邦・州の選挙や政策の動向は要注目。

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ご清聴ありがとうございました。

JOGMECシドニー事務所山下宜範[email protected]

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豪州の鉱業を巡る最近の話題 - JOGMEC金属資源情報mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2017/11/mrseminar...日本, 9% 韓国, 6% 鉄鉱石 (2016/17年) 629 億豪ドル