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2018 年 2 月号 いちよし投資情報 株式市場と円相場 明るさ増す世界経済と日本株 各種イベントで注目されるスポーツ市場 上海総合指数は昨年来高値を更新 経済好調で欧米は緩和出口へ、日銀は緩和継続 日米の主要経済統計発表スケジュール 投資環境と戦略 中国株式市場の動き 為替金利の動き

いちよし投資情報 - img.ichiyoshi.co.jp · た。中小型株市場の活況も続いており、24日は日経ジャスダック平均株価が4営業 日続伸し、4,262

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2018年 2月号

いちよし投資情報

株式市場と円相場

明るさ増す世界経済と日本株

各種イベントで注目されるスポーツ市場

上海総合指数は昨年来高値を更新

経済好調で欧米は緩和出口へ、日銀は緩和継続

日米の主要経済統計発表スケジュール

市 場 サ マ リ ー

投 資 環 境 と 戦 略

話 題 の 産 業

中国株式市場の動き

為 替 金 利 の 動 き

参 考 資 料

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この資料の 12ページに、お客様にご確認いただきたい重要な注意事項を記載しております。必ずご確認ください。

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円相場

日経ジャスダック平均株価 東証マザーズ指数

市場サマリー

円/ドル相場は、重要な下値支持線と見られた横

ばいの 26 週移動平均線(111.70 円)を割り込ん

でいる。当面は、17年 9月 8日の 107.31円に接

近の可能性があると見る。

日経平均株価は、18 年 1 月 23 日に 24,124 円の

昨年来高値を付けた。当面は、26,744円(89年 12

月過去最高値から 03年 4月安値の下落幅に対す

る 61.8%戻り)を目指すか。

日経ジャスダック平均株価は、18 年 1 月 24 日に

4,262円と過去最高値を更新。当面は 4,865円(02

年 12月安値から 06年 1月高値の上昇幅を 06年

1月高値に加えた値)に挑戦か。

東証マザーズ指数は、18 年 1 月 24 日に 1,355

の昨年来高値を付けた。当面は 06年 1月 16日

の過去最高値 2,799 に接近する可能性が出てき

ている。

*チャートは週足で、2016/10/14~18/1/24 (1/24記 高橋 幸洋)

日経平均株価

95

100

105

110

115

120

125

2016/10/14 2017/2/24 2017/7/7 2017/11/17

円/ドル

26週移動平均線

13週移動平均線

年月日

700.0

800.0

900.0

1,000.0

1,100.0

1,200.0

1,300.0

1,400.0

700

800

900

1,000

1,100

1,200

1,300

1,400

2016/10/14 2017/2/24 2017/7/7 2017/11/17

26週移動平均線

13週移動平均線

年月日2,400

2,600

2,800

3,000

3,200

3,400

3,600

3,800

4,000

4,200

4,400

2016/10/14 2017/2/24 2017/7/7 2017/11/17

26週移動平均線

13週移動平均線

年月日

16,000

17,000

18,000

19,000

20,000

21,000

22,000

23,000

24,000

25,000

2016/10/14 2017/2/24 2017/7/7 2017/11/17

26週移動平均線

13週移動平均線

年月日

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130

14,000

16,000

18,000

20,000

22,000

24,000

26,000

16/1/4 16/4/13 16/7/22 16/10/30 17/2/7 17/5/18 17/8/26 17/12/4

円 円/ドル

注:データは日次で、最終は2018年1月24日終値

出所:Astra Managerより、いちよし証券作成

円相場(右軸)

日経平均株価(左軸)

日経平均株価と円相場

年月日

投資環境と戦略

日経平均株価の 6年連続高を受けて始まった 2018年の東京株式市場は好調な滑

り出しとなった。年明けの大発会から 3 営業日で日経平均株価が 1,000 円超の上

昇。その後、外国為替市場で、円高・ドル安が進行したことから揉み合ったものの、1

月 23 日の東京株式市場は、ほぼ全面高となり、日経平均株価の終値は 2万 4,124

円 15 銭と、昨年来高値を更新した。IMFが世界の成長率予想を上方修正し、暫定

予算の成立で米国政府機関の閉鎖が解除されたことも好感された。また、23 日の

金融政策決定会合で日本銀行が金融緩和政策を維持したこともプラス材料となっ

た。中小型株市場の活況も続いており、24日は日経ジャスダック平均株価が 4営業

日続伸し、4,262 円 97 銭で終わり、過去最高値を更新。東証マザーズ指数も

1,355.55 と、約 11 年 5 カ月ぶりの高値を付けた。一方、米国株式市場では、ダウ平

均およびナスダック総合株価指数、S&P500 種株価指数が年明け以降も揃って過

去最高値を更新するなど、世界経済の回復力が増す中で、世界的な株高継続が期

待できそうだ。

明るさ増す世界経済と日本株

東京株式市場は株高スタート

・ 2018 年の東京株式市場は好調な滑り出しとなった。日経平均株価は、終値ベースで

2万 4,000円台を回復して昨年来高値を更新。日経ジャスダック平均株価は 1990年

7月の過去最高値を更新した。

・ 世界経済は良好である。国際通貨基金(IMF)は世界経済の成長率見通しで、2018

年と 2019年の世界全体の成長率予想を上方修正した。

・ 3 月本決算企業の 2017 年 4~12 月期決算発表が本格化してきた。日本企業のRO

E(株主資本利益率)は上昇してきており、日本企業の再評価が進みそうだ。

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IMFによる世界経済の成長率見通し (単位:%)

2018年見通し 2019年見通し

世界全体 +3.9 (+0.2) +3.9 (+0.2)

先進国・地域 +2.3 (+0.3) +2.2 (+0.4)

米国 +2.7 (+0.4) +2.5 (+0.6)

日本 +1.2 (+0.5) +0.9 (+0.1)

ユーロ圏 +2.2 (+0.3) +2.0 (+0.3)

新興国・途上国 +4.9 (±0.0) +5.0 (±0.0)

注:成長率は実質国内総生産(GDP)、カッコ内は 2017年10月との変化幅で、単位はポイント

出所:国際通貨基金(IMF)2018年 1月資料より、いちよし証券作成

▲ 1.0

0.0

1.0

2.0

3.0

12 13 14 15 16 17予 18予 19予

日銀政策委員見通しの中央値

ESPフォーキャスト調査

年度注:2019年度は消費税率引き上げの影響を除くケース出所:日本銀行、日本経済研究センター資料より、いちよし証券作成

% 消費者物価指数(除く生鮮食品、前年度比)

日銀は 1 月 23 日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めた。同時に

発表された経済・物価情勢の展望(展望レポート)では、2017 年度から 3 年間の物

価上昇率見通しを+0.8%、+1.4%、+1.8%と、前回見通しを据え置いた。黒田日

銀総裁は会見で「出口のタイミングや、その際の対応を検討する局面には至ってい

ない」と発言しており、2%の物価安定目標の実現を目指して金融緩和を行う意向

を改めて示した。民間調査(ESPフォーキャスト調査)によれば、消費者物価上昇

率2%の達成には遠く、相当程度の期間について緩和的な金融政策が続きそうだ。

勢いを増す世界経済の成長率見通し

IMFは 1月 22日に公表した世界経済の成長率見通しで、2018 年と 2019年の世界

全体の成長率予想を各々3.9%と、昨年 10月時点からともに 0.2ポイント上方修正し

た。米国は税制改革やインフラ投資策が景気を押し上げるとの見通し。日本の成長

率見通しも 2018年については 0.5ポイント上方修正して 1.2%と予測しているが、輸

出の伸長が貢献するとの見込みである。一部の国による保護主義的な動きや地政

学リスク、政治リスクなどが懸念要因だが、世界的に経済成長の勢いが増しており、

中長期的なリスク資産への投資の流れが崩れることはないと思われる。

緩和的な金融政策が続く模様

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資本効率の改善が進む日本企業

3月本決算企業の 2017年 4~12月期決算発表が本格化している。同期間として純

利益が過去最高益となった企業がみられるなど引き続き企業の収益改善が続いて

いるようだ。東証 1・2部上場(金融を除く 829社)の 2018年 3月期業績について、Q

UICKコンセンサス予想(原則連結ベース)を集計すると、2017年 11月 15日時点で

は、売上高が前期比 5.1%増、経常利益が同 16.3%増、純利益は同 23.5%増だった

が、2018 年 1 月 19 日時点では、売上高が前期比 7.0%増、経常利益が同 18.2%

増、純利益は同 24.6%増へと上方修正されている。QUICKコンセンサスは、もとも

と会社計画より強めの予想となっているが、現時点でさらに、利益が伸長すると見

込んでいる。世界的な景気回復の流れを受けた資源価格の上昇から商社が利益を

増大傾向。半導体・電子部品需要の拡大で電子部品各社や半導体製造装置メーカ

ーが潤うなど製造業の収益も拡大基調にある。さらに、内需型企業では再開発や東

京五輪関連の建設投資の恩恵から建設各社が利益を伸長させ、日本を訪れる外国

人観光客の増加によりインバウンド消費にも盛り上がりがみられることなどによるよ

うだ。

こうした利益の拡大に加えて、企業の稼ぐ力も高まっており、一段と日本企業の再

評価が進みそうだ。日本企業のROEは、アベノミクス相場がスタートした 2012年 11

月時点では 4%台だったが、足元では 9%強へと改善が進んでいる(Bloomberg調

べ)。自社買いや増配という株主還元を積極化する企業も多くなってきており、企業

の資本効率の改善が加速する可能性がある。確かに、欧米に目を転じるとROEが

15%、20%程度の企業も珍しくないが、日本企業にもROE改善の兆しがみられる。

良好な内外景気を背景に、来期の企業業績は改善傾向が続くと思われ、ROEは来

期には 10%に近づくことも想定される。

(1/24記 大塚 俊一)

▲ 20

▲ 15

▲ 10

▲ 5

0

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95/1 97/1 99/1 01/1 03/1 05/1 07/1 09/1 11/1 13/1 15/1 17/1

注:データは月次で、最終は2017年12月末

出所:Bloombergより、いちよし証券作成

TOPIXの実績ROE(株主資本利益率)%

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スポーツ関連予算額の推移

出所:文部科学省

スポーツ市場の推移

注:横軸は調査実施年

出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング、マクロミル

話題の産業

スポーツ離れが強まる

スポーツ市場が縮小傾向にある。三菱UFJリサーチ&コンサルティングとマクロミル

による 2017 年の調査によれば、国内のスポーツ市場は 2016 年に比べて 17.9%減

の 1兆 9,798億円となった。2015年から 3年連続しての減少である。2017年の市場

を項目別に見ると、「スタジアム観戦」は伸びたものの、「用品購入」は苦戦してい

る。

同調査によれば、市場減少の背景としてスポーツ自体への関心が減退傾向にある

ためと推察される。「スポーツの位置付け」と題するアンケートでは、スポーツに対し

「することも見ることも関心はない」と答えた層が 31.7%に達しており、これは 2014年

から 5.7ポイントもの増加である。

各種イベントで注目されるスポーツ市場

・ スポーツ界では本年 2 月に、韓国で平昌オリンピックが予定されている。また日本では

2019年にラグビーワールドカップの日本大会、2020年に東京オリンピック・パラリンピッ

クといったビッグイベントが目白押しとなっている。

・ 今後はスポーツへの注目度が高まると見られる半面、足元は少子化の影響などもあっ

て、スポーツへの関心が低下している。

・ 高齢化社会にあって誰もが健康な老後を迎えられるべく、スポーツの振興を目指した各

種施策が実施されている。足元で縮小傾向にあるスポーツ市場の活性化が期待される。

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施設利用・会費

用品購入

スタジアム観戦

兆円

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億円

年度

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スポーツ振興策で市場活性化に期待

スポーツ離れが進んでいる背景の 1 つは、少子化に伴う集団スポーツの参加人数

不足が挙げられる。野球の 18人、サッカーの 22人は集まりにくくなっているのかもし

れない。また、ボール遊び禁止の公園が増加すること等で、子供が小さいうちにスポ

ーツに慣れ親しむ機会が減少し、長じてのスポーツへの関心離れへとつながってい

るとも考えられる。半面、子供から大人まで年齢を問わず、クラブ等を通じたスポー

ツへの参加意欲は、依然として根強いようだ。

スポーツの重要性の認識までが低下しているわけではない。高齢化に伴い国民医

療費が増加傾向にある中、スポーツを通じて誰もが健康な老後を迎えられるべく、

各種の官民連携プロジェクトが進行している。文部科学省は 2012 年 3 月に「スポー

ツ基本計画」を策定した。同計画では、成人の週 1 回以上のスポーツ実施率を、

2021 年度に 65%と、現状の 42.5%(2016 年度、スポーツ庁調べ、成人のみ)から引

き上げる方針である。スポーツ立国の実現を目指したスポーツの振興のための各種

施策、予算が組まれており、民間企業の活躍とともにスポーツ市場の活性化が期待

されよう。 (1/24記 宇田川 克己)

企業名 (コード、市場) 内容

ラウンドワン (4680)

ボウリングやゲーム機器、カラオケ、各種スポーツ、ビリヤード・ダー

ツなどが楽しめる屋内型複合レジャー施設を全国展開している。

2017年 9月末の店舗数は 125店舗で、うち米国は 17店舗。

日本スキー場

開発 (6040、東マ)

首都圏から近距離にあるスキー場、大規模なゲレンデなど特徴ある

スキー場を取得して再生する事業を手掛ける。ウィンターシーズンに

おけるスキー場の順調な立ち上がりの恩恵を見込む。

ゴールドウイン (8111)

スポーツ量販店や百貨店向け卸売りと直営店を運営。17/3 期末の

直営店は 136店。韓国に「ザ・ノース・フェイス」ブランドを企画・販売す

る持分法適用会社を持っている。

ゼビオ

ホールディングス (8281)

スポーツ用品専門店業界で売上高 2 位。スポーツ・レジャー用品の

郊外型大型店「スーパースポーツゼビオ」、都心型の「ヴィクトリア」

等を展開し、2017年 9月末の店舗数は計 759店舗。

東祥 (8920)

スポーツクラブ「ホリデイスポーツ」を展開しているほか、子会社の

AB ホテル(6565、JQS)」を通じたホテル事業も手掛ける。2017 年 9

月末現在における「ホリデイスポーツ」の店舗数は 77店。

スポーツ関連企業

注 1)市場は優先市場で無記載が東証 1部、東マは東証マザーズ、JQSは東証 JASDAQスタンダード

注 2)上記はテーマに関連する銘柄を多角的な面から任意に選んだものであり、網羅性はありません。また銘柄推奨する

ものでもありません

出所:各会社資料等より、いちよし証券作成(2018年 1月 24日現在)

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中国株式市場の動き

・ 中国株式市場の上昇が続いている。上海総合指数は 2017年 12月 28日の安値 3,263

を底に切り返し、2018年 1月 24日に 3,569の昨年来高値を記録。2017年 12月 28日

安値から 9.4%上昇し、2015 年 12 月 31 日以来の高値水準となった。世界的な株高を

背景に海外投資家のリスク許容度が高まり、投資資金が流入している模様。

・ 株価上昇の背景には、中国の景気改善に対する期待の高まりが挙げられる。昨年 10月

に開催された共産党大会以降は、構造改革に伴い政府の景気刺激策が縮小し、景気が

鈍化するとの懸念が高まった。一方、足元の経済統計が好調な結果を示しているほか、

ニューエコノミーの台頭に伴う新たな成長局面入りへの期待が高まっている。

2018年も好調な経済成長が続くと期待

上海総合指数は昨年来高値を更新

中国国家統計局が 1月 18日に発表した 2017年の実質国内総生産(GDP)成長率は

前年比 6.9%となり、政府目標の 6.5%前後を上回った。2016年の 6.7%から加速し、7

年ぶりに前年を超えた。第 4 四半期(10~12 月)は前年同期比 6.8%増。世界的な景

気拡大を背景に輸出が好調なほか、国内の消費や投資も堅調に推移した。2018 年

は中央政府が主導する金融引き締めや過剰設備の削減、環境規制などの影響が意

識されるが、政府目標の 6.5%程度を維持するとみられる。国際通貨基金(IMF)が 1

月 22日に発表した世界経済見通しでは、中国の 6.6%成長を予測している。

政府が質の高い新たな経済成長を目指す中で、IT(情報技術)産業の発展が中国

の成長を下支えするとみられる。中国工業情報化部は 2017 年 12 月 13 日に 2018

~2020 年における「AI戦略」の詳細を発表した。AI(人工知能)家電や自動運転、ロ

ボット、医療画像診断、翻訳ほか 8項目にわたる主要製品の開発拡大を推進。2030

年までに、世界のAI産業で主導的な存在となることを目指す。成長のけん引役が、

従来の製造業や国内インフラ投資などからIT産業へのシフトが進み、関連業種への

投資機会が増えると見込まれる。 (1/24記 及川 敬司)

1,900

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3,900

4,400

4,900

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14/5 14/9 14/12 15/4 15/8 15/12 16/4 16/8 16/12 17/4 17/8 17/12

出所:Bloomberg

上海総合指数

期間:14/5/5~18/1/24(日足)

年月

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・ 米連邦準備理事会(FRB)は2月からパウエル新議長体制となる。米国経済は好調

で、FRBは新体制でもこれまでの金融政策を踏襲する見込み。

欧州中央銀行(ECB)は1月から資産購入規模の月間300億ユーロ減額を開始した。

オーストラリアでは経済が好調、またニュージーランドも新政権への不安が払拭され

つつあり、両国の通貨高を下支えする展開となっている。

1月の日銀金融政策決定会合では現状の金融政策を維持することを決定した。

トランプ米大統領就任から 1 年を迎え、目玉政策の税制改革法案が成立した。足元

の米景気は好調で、株価の上昇や雇用環境の改善によって個人消費は順調に拡

大している。さらに企業の生産活動も活発で業績も好調だ。このような環境の中、税

制改革法で法人税率や個人の所得税率が引き下げられ、景気は継続拡大が期待

できる状況だ。また 2 月にイエレンFRB議長が退任し、3 月の米連邦公開市場委員

会(FOMC)はパウエル新体制での開催となるが、基本政策は継続される見込みで、

年 3回の利上げが想定されている。FRBは好調な景気と低水準のインフレのバラン

スをとりながらの舵取りとなり、米長期金利は緩やかな動きとなりそうだ。

欧州ではECBが 1月から資産購入規模を昨年までの月 600億ユーロから 300億ユ

ーロに減額する。ECBは資産購入減額による景気や物価への影響を見極めながら

慎重に金融緩和の出口を探ると思われる。

為替金利の動き

2018年の 3回の利上げでも、米長期金利の上昇は緩やかに

経済好調で欧米は緩和出口へ、日銀は緩和継続

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0.5

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14/12 15/06 15/12 16/06 16/12 17/06 17/12

年月

円 %米10年国債利回りおよび米ドル/円為替推移

期間:14/12/1~18/1/24(日足)

出所:Bloomberg

米ドル/円(左軸)

米10年国債利回り(右軸)

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オーストラリアでは経済が堅調だ。好調を裏付ける指標も 1月に発表された 11月の

小売売上高はプラス 1.2%の伸びとなったうえ、12月の雇用者数も前月比 3万 4,700

人の増加といずれも予想を大きく上回った。また鉄鉱石の価格が上昇してきている

ことも資源国であるオーストラリア経済にとってプラス要因だ。このような環境の中、

オーストラリア準備銀行(RBA)が昨年 1 年間の間に政策金利を変更しなかったの

は低インフレのためだ。2018年は好調な景気を背景にRBAはインフレ率をにらみな

がら利上げ時期を模索する動きになりそうだ。

ニュージーランドでは新政権に対する不安が払拭され、ニュージーランドドルは徐々

に上昇基調となって、今後もこの動きが続きそうだ。

資源価格の上昇がオーストラリアの好景気を後押し

日銀は 1月 22~23日に開催された日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持

を決定した。「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では、景気・物価の見通しも前

回レポートから据え置いた。今年 1月に国債買入オペを減額したことから、一部には

日銀の政策の変化の可能性を指摘する向きもあったが、日銀の黒田総裁は「オペ

の運営が政策スタンスを示すことはない」と述べ、あらためて緩和継続の意思を示し

た。ただ欧米の主要国が緩和政策の出口に向かっている中、市場では日銀による

政策転換の思惑が依然くすぶっており、今後の黒田総裁の発言などで日本の長期

金利はレンジの上限を試す動きもでてきそうだ。

(1/24記 池内 敏真)

日銀は金融政策を維持、物価・景気見通しも据え置く

60

65

70

75

80

85

90

95

100

105

110

14/12 15/06 15/12 16/06 16/12 17/06 17/12

出所:Bloomberg 年月

豪ドルおよび対NZドル為替推移

豪ドル/円

NZドル/円

期間:14/12/1~18/1/24(日足)

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出所:Bloomberg。網掛けは注目される統計

予定は変更されることがあります

全てを網羅するものではありません

【参考資料】 日米の主要経済統計発表スケジュール

2月経済統計(現地日付) (米):米国

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日

1 2

1月自動車販売台数 1月マネタリーベース

(米)1月ISM製造業景況指数 (米)1月雇用統計

(米)12月製造業受注指数

5 6 7 8 9

(米)1月ISM非製造業景況指数 (米)12月貿易収支 12月勤労統計 12月経常収支 1月マネーストック

(米)12月消費者信用残高 12月景気動向指数 1月景気ウォッチャー調査 12月第3次産業活動指数

(米)12月卸売売上高

12 13 14 15 16

(米)1月財政収支 1月工作機械受注 10~12月期GDP(速報値) 12月機械受注 (米)1月輸入物価指数

1月国内企業物価指数 (米)1月消費者物価指数 (米)2月NY連銀製造業景気指数 (米)1月住宅着工件数

(米)1月小売売上高 (米)1月卸売物価指数 (米)2月ミシガン大消費者信頼感

(米)1月鉱工業生産指数  指数

(米)2月NAHB住宅市場指数

19 20 21 22 23

1月貿易収支 12月全産業活動指数 (米)1月景気先行指数 1月全国消費者物価指数

(米)1月中古住宅販売件数 1月企業向けサービス価格指数

26 27 28

(米)1月新築住宅販売件数 (米)1月卸売在庫 1月鉱工業生産指数

(米)1月耐久財受注 1月住宅着工件数

(米)12月ケースシラー住宅価格 1月自動車生産台数

 指数 (米)10~12月期GDP(改定値)

(米)2月シカゴ購買部協会景気

 指数

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【株価レーティングの概要】

1.表示方法 レーティング(予想フェアバリューに対する割安度)

A…20%超割安(買い)

B…20%割安~0~20%割高(中立)

C…20%超割高(売り)

レーティングは直近レポート発表時のもの

2.対象範囲 いちよし経済研究所がユニバース銘柄としている銘柄群

で、市場ニーズにあわせて随時レーティングを変更してい

きます。

○アナリスト証明 本誌に掲載している各銘柄レポートに記載された見解は、担当ア

ナリスト個人の見解を正確に反映しております。また、この各銘柄

レポートの執筆にあたり、第三者からの強要・示唆・依頼等、いか

なる圧力も受けておりません。担当アナリストは当該レポートを執

筆することにより特別の報酬を得ることはありません。また、担当

アナリスト及びその家族は当該レポートの対象企業の有価証券を

保有しておりません。

重要開示事項 この資料は情報提供を目的として作成されたものです。投資勧誘を目的としたものではありません。その

ため証券取引所や証券金融会社が発表する信用取引に関する規制措置等については記載しておりません。

この資料は信頼しうるデータ等に基づいて作成されたものですが、その正確性・完全性を保証するもので

はありません。また、将来の株価等を示唆・保証するものでもありません。

記載された内容・見解等はすべて作成時点でのものであり、予告なく変更されることがあります。

この資料に関するお問い合わせは、弊社担当者へお願いいたします。

ご投資に当たっての注意事項

有価証券の価格は売買の需給関係のみならず、政治・経済環境や為替水準の変化、発行者の信用状況

の変化、大規模災害の発生による市場の混乱等により、変動します。そのため有価証券投資によって損

失を被ることがあります。商品や銘柄の選択および投資の時期等の決定は、お客様ご自身でなさるようお

願いいたします。

弊社は資料に記載された有価証券を保有または売買することや、資料に記載された企業に対し投資銀行

業務を行うことがあります。

弊社取扱商品の購入申し込みをされる際には契約締結前交付書面、目論見書等を必ずお受け取りくださ

い。商品ごとにリスクや手数料等費用は異なりますので、内容をよくご確認下さい。目論見書等は弊社担

当者へご請求ください。

手数料等の費用について

株式等(ETF・ETN・REIT等を含む)のお取引にあたっては、約定代金に対して最大 1.4040%(最低手数

料 3,240 円(税込み))の委託手数料をいただきます。株式等を募集等により購入いただく場合は、購入対

価のみをお支払いいただきます。

投資信託のご購入にあたっては、お申込み金額に対して最大 3.24%(税込み)の購入時手数料をいただき

ます(換金時に換金時手数料としていただく場合もあります)。また保有期間にわたって信託財産の純資産

総額に対し最大2.538%(税込み・年率)の運用管理費用(信託報酬)およびその他の費用を間接的に負担

いただきます。さらに換金時に最大 1.0%の信託財産留保額を負担いただく場合があります。

債券を募集または弊社との相対取引で購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。

商号等/いちよし証券株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第24号

加入協会/日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会

(審査番号:IS250118B)

2018年 2月 1日発行

銘柄選出の前提 当社ボトムアップリサーチ(企業分析調査)に基づき選出された銘柄の中より、株価バリュエーション及び成長性から注目される銘柄。

業績計画及び予想は 2018年 1月 24日現在。週足チャートは 2016年 10月 17日~2018年 1月 24日。