「ムリなくムダを省く」「カイゼンのネタは身近に」

中部総合事務所 県土整備局 河川砂防課

計画担当 西尾雅明

倉本政寛

西村翔太

委託業務（測量設計等）フローのカイゼン

測量設計等の委託業務の流れ

１．起工設計書の作成、入札・契約

２．測量設計の実施

３．地元調整

４．変更設計書の作成・契約変更

５．検査・委託料支払

※今回のカイゼンの取組みは赤字部分

ひとつ目のカイゼンの取組

審査票の導入

ある日の河川砂防課…

起工設計書の作成

新人のＮくん Ｋ係長

見せてみなさい。

フムフム、こことそことあそこを直してください。

Ｋ係長、設計書できました。

わかりました。直しました！

実に面白い。さっき言ったことが直ってないじゃないか。

すんません。（んなこと言われたっけ？）

～ある日の河川砂防課～

ととリン

起工設計書の作成

新人のＮくん

Ｈ課長補佐

Ｎくん、なんやこの設計は！もう一回やり直しや！

わかりました・・・。

（まじか。またなおすのか・・・。）

ったく、何年土木技師やっとるんや！

３ヶ月です・・・。

トッキーノ

起工設計書の作成

Ｓ課長

Ｎくん、悪いけどここ直してくれるかな。

わかりました・・・。（またまたなおすのか・・・。）

来週の審査会にかけんといけんけ急ぎでな。

残業で合コンに行けんし・・。

新人のＮくん

トリピー

カイゼンのポイント

• 決裁ルート上で何度も修正が発生• 修正指示が的確に伝わらない• 修正事項を組織で共有できずミスの繰り返し

設計書の審査体制の見直しで

作業時間が２時間→１時間に短縮（※担当者の個人的な感想です）

設計書審査体制の見直し

～工事設計書と同様の審査票の導入～

• 起案者と異なる班の職員によるクロスチェック

• 審査票に修正事項を記入し、審査完了後に一括修正

• 審査票に起案日、審査終了、修正完了を記入し進捗管理を行い迅速な審査を動機付

• 審査票を添付して決裁を取ることで修正のやりとりの情報を共有

審査票の例

クロスチェックを含む審査内容を記入

修正の有無、反論、いいわけ等を一括記入

日付記入で迅速化を動機付け

決裁時に審査票を添付し情報を共有

ふたつ目のカイゼンの取組

地元説明会DBの導入

またまたある日の河川砂防課…

地元説明会ＤＢの作成

新人のＮくん Ｋ係長

Ｎくん、あさっての地元説明会の資料をつくっておいてくれないか。

わかりました。どんな感じで作ればいいっすか？

私は忙しいんだ。

きみの頭脳で考えたまえ！

わかりました・・・。

（見本があれば早いのに・・・）

～ある日の河川砂防課～

地元説明会ＤＢの作成

新人のＮくん

Ｈ課長補佐

Ｎくん、この委託業務の設計は何でこんなことになっとるんや！

地元の条件ですから・・・。

（報告書回したのに・・・。）

もうええ、わかった！Ｋ係長に聞くわ！

人間ドックで休みです・・・。

地元説明会ＤＢの作成

Ｋ係長 Ｓ課長

Ｋ係長、○○の地元説明会の報告書を見せてくれ。

Ｎくんが現場に出ているのでちょっと待ってください。（たしかＮくんはこの辺に置いていると思うのだが・・・。）

早くしてくれないか、局長室で協議中なんだ！

さっぱりわからない。Ｎくんの机の中はまるでカオスだ・・・。

カイゼンのポイント

• 地元説明資料はわりと使い回しがきく• 地元条件の設計への反映を確実にする• 地元説明報告書の情報共有化・アーカイブ化

地元説明ＤＢの作成・運用で

説明会資料作成１２時間→８時間報告書作成４時間→２時間に短縮

（※担当者の個人的な感想です）

（※用地課、道路都市課のパクリです）

地元説明会ＤＢ

説明会でのやりとりを記録し情報を共有化、後日の検索も容易

DB供覧中に必要に応じコメントを記載

説明資料や名簿を添付資料の使い回しも可能

地元説明会ＤＢ

別の担当者による後日の対応を返答文書で貼り付け、情報共有と時系列の整理を図っている。

地元説明会ＤＢの作成・運用

• 報告書と説明会で使用した資料が一括して保存できるため、資料の共有による使い回しが可能

• 地元条件や苦情処理など、確実に引き継がなければならない事項が時系列で容易に確認、検索

• 用地課、道路都市課で運用中のＤＢを活用したためＤＢ開発コストはゼロ

カイゼンを含めた取組の結果

時間外勤務時間の実績（10月迄、／人・月）

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

H24実績H25目標H25実績

すべての月で昨年度を下回り（▲19.1%）トータルで本年度目標をクリア（▲ 3.9%）

おわりに

• 今回の取り組みは、他の課が既に取り組んでいることを真似たちょいカイゼンであります。

• カイゼンが負担になっては本末転倒。

• 「ムリなくムダを省く」「カイゼンのネタは身近に転がっている」のスタンスで取り組みました。

• 引き続きコストと時間と手間をかけずにできるカイゼンに取り組んでいきます。

ご清聴ありがとうございました