Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
2020/05/04
EVMの基礎for ProjectExceller
©Exceller Systems Corp. 1
関連資料
本資料の最新版および説明で使用しているサンプルプロジェクト、およびその操作動画が下記にありますので、ご利用ください。
https://projectexceller.com/doc/evm_basic/
©Exceller Systems Corp. 2
目次
• はじめに
• EVM分析とは
• グローバルに実績のあるプロジェクト管理手法。
• 進捗をコスト単位で定量的に把握する
• 次の簡単なプロジェクト例で説明します
• PV(計画値)はある時点の計画コストの累計値です。
• AC(実コスト)はある時点の実際のコスト累計値です。
• EV(出来高)とは
• EV(出来高)はプロジェクトの出来高コストの累積値です。
• コスト、スケジュール進捗を定量化:SV, CV, SPI, CPI
• 現時点(5日目)の進捗状況の評価
• プロジェクト完了時のコストを予測ができる
• ES手法により時間単位でも定量的に把握、予測できる
• ES手法で分析、予測する
• ES手法の算出例
• ES手法の算出例の結果
• EVM, ES 指標値のまとめ
©Exceller Systems Corp. 3
はじめに
EVM(Earned Value Management)分析は、優れたプロジェクト管理手法ですが、実践できているプロジェクト管理者はごくわずかです。その理由は、手軽にEVM分析ができるツールがなく、実際に行うには、多くの手間と知識が必要なためです。
ProjectExcellerは、この課題を解決するために開発されました。
タスクの計画日と終了日を入力するだけで誰でも簡単にEVM分析ができます。
この資料に記述されているすべてEVM指標値をサポートしています。
©Exceller Systems Corp. 4
EVM分析とは
• グローバルに実績のあるプロジェクト管理手法
• 進捗をコスト単位で定量的に把握する
• 将来をコストを予測ができる
• ES手法により時間単位でも定量的に把握、予測できる
©Exceller Systems Corp. 5
グローバルに実績のあるプロジェクト管理手法。
• 1967年に最初に米国国防省で導入されました。
•現在ではプロジェクト管理の世界標準体系であるPMBOKでも推奨され、グローバルに広く実践されています。
•さらに、EVMを補足強化するためES(アーンドスケジュール)手法が追加されました。(PMI EVM標準 2019-11に記載)
©Exceller Systems Corp. 6
進捗をコスト単位で定量的に把握する
プロジェクトの進捗(進み、遅れ)度合いを次の3つの基本データで管理します。
• PV 計画値
• AC 実コスト
• EV 出来高 または、アーンドバリュー
メモ:一般的に「コスト」には、プロジェクトの工数、または、金額を用います。
©Exceller Systems Corp. 7
次の簡単なプロジェクト例で説明します
製品組み立てプロジェクト
• ある製品を1日1台組み立て、10日間で10台作成します。
• 組み立てコストは1台当たり1万円で計画予算は10万円とします。
• スケジュール
タスク. 第1日 第2日 第3日 第4日 第5日 第6日 第7日 第8日 第9日 第10日
製品No.1
製品No.2
製品No.3
製品No.4
製品No.5
製品No.6
製品No.7
製品No.8
製品No.9
製品No.10
©Exceller Systems Corp. 8
このプロジェクトファイル、およびそのEVM分析の動画は、下記を参照ください。https://projectexceller.com/doc/evm_basic/
EVMグラフを作成してみましょう。縦軸をコスト、横軸を時間として、プロジェクトの計画コストの累積値をプロットします。
現在時点をAT、計画終了日をSAC、そして、プロジェクトの完了時予算をBACと呼びます。
今日が5日目の場合、PV(計画値)は5万円となります。BAC(完了時予算)は10万円です。
コスト
時間
PV:計画値
AT: 状況報告日(現在日)
SAC: 計画終了日
BAC: 完了時予算
10万円
第5日 第10日
PV=5万円
PV(計画値)はある時点の計画コストの累計値です。
©Exceller Systems Corp. 9
EVMグラフ上に実際に要したコストの累積をプロットします。
今日までに5万円分の作業を完了する予定でしたが実際には6万円かかりました。
ACがPVを上回っています。この場合、コストは計画をオーバーしていますが、プロジェクトは計画より遅れているのでしょうか?
答えは、「わかりません」が正解です。
そこで、次にEV(出来高)が登場します。
コスト
時間
PV:計画値(5万円)
AT: 状況報告日(現在日)
SAC: 計画終了日
10万円
第5日 第10日
AC: 実コスト(6万円)
AC(実コスト)はある時点の実際のコスト累計値です。
©Exceller Systems Corp. 10
EV(Earned Value)は、「出来高」または、英語のまま「アーンドバリュー」と呼びます。EVMの中で最も重要な概念ですのでしっかり理解してください。
出来高とは、ある時点の完了した作業の価値です。
たとえば、プロジェクトの5日目のPV(計画値)は、製品5個分の5万円ですが、実際には4個しか完成できなかったとします。この場合、完了した作業の価値は、製品4個分の4万円となります。。
出来高 = 1万円/個 x 4個 = 4万円
または、
出来高 = 計画値(PV)x 達成率 = 5万 x 4個/5個 = 4万円
EV(出来高)とは
©Exceller Systems Corp. 11
EVMグラフ上にEV値をプロットします。
このグラフから5日目の進捗状況がわかります。
AC > PV であるため、コストは計画よりオーバーしていることがわかります。
PV > EV であるため、完了した作業価値が計画コストを下回っていることがわかります。つまり計画スケジュールより遅れています。
次にこれらを定量化する指標値を学びましょう。
EV: 出来高(4万円)
コスト
時間
PV:計画値(5万円)
AT: 状況報告日(現在日)
SAC: 計画終了日
10万円
第5日 第10日
AC: 実コスト(6万円)
EV(出来高)はプロジェクトの出来高コストの累積値です。
©Exceller Systems Corp. 12
コスト
時間
AT: 状況報告日(現在日)
SAC: 計画終了日
第5日 第10日
AC
PV
EV
SV: スケジュール差異
CV: スケジュール差異
次の4つの指標で進捗状況を定量化できます。
◼ SV:スケジュール差異SV = EV - PVSV<0の場合、ある時点で計画スケジュールより遅れている。
◼ CV:コスト差異CV = EV - ACCV<0の場合、投入コストがその時点の計画コストをオーバーしている。
◼ SPI:スケジュール効率指数SPI = EV/PVSPI<1の場合、スケジュール効率が計画を下回っている。
◼ CPI:コスト効率指数CPI=EV/ACCPI<1の場合、コスト効率が計画より下回っている。
コスト、スケジュール進捗を定量化:SV, CV, SPI, CPI
©Exceller Systems Corp. 13
5日目の時点の各指標値を実際に計算してみましょう。
◼ SV:スケジュール差異SV = EV – PV = 4 – 5 = - 1万円考察:1万円分の作業量の遅れが発生しています。◼ CV:コスト差異CV = EV – AC = 4 – 6 = - 2万円考察:計画より2万円余分に費用が発生しています。◼ SPI:スケジュール効率指数SPI = EV/PV = 4/5 = 0.8考察:スケジュールが作業量で計画の80%しか達成できていません。◼ CPI:コスト効率指数CPI = EV/AC = 4/6 = 0.67考察:予算目標の67%としか達成できていません。
コスト
時間
AT: 状況報告日(現在日)
SAC: 計画終了日
第5日 第10日
SV: スケジュール差異
CV: スケジュール差異
AC
PV
EV
PV=5万円AC=6万円EV=4万円
結論:スケジュール、コストの両面ともに計画どおり進んでいません。
現時点(5日目)の進捗状況の評価
©Exceller Systems Corp. 14
コスト
AT: 状況報告日(現在日)
SAC: 計画終了日
BAC: 完了時予算
EAC: 完了時コスト予測
VAC: 完了時コスト差異
時間 第5日 第10日
AC
PV
EV
PV=5万円AC=6万円EV=4万円BAC=10万円CPI=EV/AC=0.67
次の式でプロジェクトが完了したときの総コストを予測できます。
◼ EAC(完了時コスト予測)
EAC = AC + (BAC – AC)/CPI = 6 + (10 – 6)/0.67= 11.97 万円
◼ VAC(完了時コスト差異)
VAC = EAC – BAC= 11.97 – 10 = 1.97 万円
※このまま状態で進めた場合、1.97万円の予算オーバーになると見込まれます。
プロジェクト完了時のコストを予測ができる
©Exceller Systems Corp. 15
ES手法により時間単位でも定量的に把握、予測できる
• 従来のEVMでは、プロジェクトの進捗や予測を「コスト単位」で行うことができましたが、時間で把握することはできませんでした。
• ES(アーンドスケジュール)手法により、時間単位でも把握することができるようになります。
メモ:ES手法については、プロジェクト管理の世界標準体系であるPMBOKで推奨され、PMIのEVM標準(2019年11月)に記載されています。
©Exceller Systems Corp. 16
EVMを補足するES(アーンドスケジュール)手法による次の指標値が干出できます。
◼ ES:アーンドスケジュールある時点のEV値に一致するPV値の日時。
◼ SV(t): スケジュール差異(t)SV(t) = ES – AT
◼ SPI(t): スケジュール効率指数(t)SPI(t) = ES/AT
◼ ETC(t): 予測残期間ETC(t) = AT + (SAC – ES)/SPI(t)
◼ EAC(t): 予測終了日EAC(t) = AT + ETC(t)
= AT + (SAC – ES)/SPI(t)
◼ VAC(t): 終了日差異VAC(t) = EAC(t) - SAC
コスト
EAC(t):予測終了日
時間
ACPV
EV
ES:アーンドスケジュール SAC:計画終了日
SV(t):スケジュール差異(t)
ETC(t): 予測残期間
AT: 状況報告日(現在日)
VAC(t): 完了日差異
第5日 第10日
ES手法で分析、予測する
©Exceller Systems Corp. 17
説明用の「製品組み立てプロジェクト」に適用してみましょう。
◼ ES:アーンドスケジュールES=4現在(5日目)のEV=4、対応するPVの日時は、4日目です。
◼ SV(t): スケジュール差異(t)SV(t) = ES – AT = 4 – 5 = -1
◼ SPI(t): スケジュール効率指数(t)SPI(t) = ES/AT = 4/5 = 0.8
◼ ETC(t): 予測残期間ETC(t) = (SAC – ES)/SPI(t)
= (10 – 4)/0.8 = 7.5
◼ EAC(t): 予測終了日EAC(t) = AT + ETC(t)
= 5 + 7.5 = 12.5 = 13日目
◼ VAC(t): 完了日差異VAC(t) = EAC(t) - SAC = 12.5 – 10 = 2.5
ES手法の算出例
©Exceller Systems Corp. 18
コスト
EAC(t):予測終了日時間
ACPV
EV
ES:アーンドスケジュール SAC:計画終了日
SV(t):スケジュール差異(t)
ETC(t): 予測残期間
AT: 状況報告日(現在日)
VAC(t): 完了日差異
第5日 第10日
EV=5ES=4AT=5SAC=10
第13日第4日
説明用の「製品組み立てプロジェクト」に適用してみましょう。
◼ ES:アーンドスケジュールES=4現在(5日目)のEV=4、対応するPVの日時は、4日目です。
◼ SV(t): スケジュール差異(t)SV(t) = ES – AT = 4 – 5 = -1
◼ SPI(t): スケジュール効率指数(t)SPI(t) = ES/AT = 4/5 = 0.8
◼ ETC(t): 予測残期間ETC(t) = (SAC – ES)/SPI(t)
= (10 – 4)/0.8 = 7.5
◼ EAC(t): 予測終了日EAC(t) = AT + ETC(t)
= 5 + 7.5 = 12.5 = 13日目
◼ VAC(t): 完了日差異VAC(t) = EAC(t) - SAC = 12.5 – 10 = 2.5
コスト
EAC(t):予測終了日時間
ACPV
EV
ES:アーンドスケジュール SAC:計画終了日
SV(t):スケジュール差異(t)
ETC(t): 予測残期間
AT: 状況報告日(現在日)
VAC(t): 完了日差異
第5日 第10日
EV=5ES=4AT=5SAC=10
第13日第4日
「製品組み立てプロジェクト」例の進捗
現時点(5日目)において計画より1日遅れおり、これまでのパフォーマンスのままでは、プロジェクト完了日が2.5日遅れの13日目になります。
ES手法の算出例の結果
©Exceller Systems Corp. 19
EVM, ES 指標値のまとめ
Earned Value Management(EVM) Earned Schedule(ES)
指標 名称 式 指標 名称 式
PV 計画値 AT 状況報告日
EV 出来高(アーンド・バリュー) ES アーンド・スケジュール
AC 実コスト
SV スケジュール差異 EV-PV SV(t) スケジュール差異(t) ES-AT
SPI スケジュール効率指数 EV/PV SPI(t) スケジュール効率指数(t) ES/AT
CV コスト差異 EV-AC
CPI コスト効率指数 EV/AC
BAC 完了時予算 SAC 計画完了日
EAC 完了時コスト予測 AC+(BAC-EV)/CPI EAC(t) 予測完了日 AT+(SAC-ES)/SPI(t)
VAC 完了時コスト差異 EAC-BAC VAC(t) 完了日差異 EAC(t)-SAC
©Exceller Systems Corp. 20
END
©Exceller Systems Corp. 21