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2020/05/04 EVMの基礎 for ProjectExceller ©Exceller Systems Corp. 1

EVMの基礎 for ProjectExceller...EVM(Earned Value Management)分析は、優れたプロジェクト管理手 法ですが、実践できているプロジェクト管理者はごくわずかです。その理由は、手軽にEVM分析ができるツールがなく、実際に行うに

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2020/05/04

EVMの基礎for ProjectExceller

©Exceller Systems Corp. 1

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関連資料

本資料の最新版および説明で使用しているサンプルプロジェクト、およびその操作動画が下記にありますので、ご利用ください。

https://projectexceller.com/doc/evm_basic/

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目次

• はじめに

• EVM分析とは

• グローバルに実績のあるプロジェクト管理手法。

• 進捗をコスト単位で定量的に把握する

• 次の簡単なプロジェクト例で説明します

• PV(計画値)はある時点の計画コストの累計値です。

• AC(実コスト)はある時点の実際のコスト累計値です。

• EV(出来高)とは

• EV(出来高)はプロジェクトの出来高コストの累積値です。

• コスト、スケジュール進捗を定量化:SV, CV, SPI, CPI

• 現時点(5日目)の進捗状況の評価

• プロジェクト完了時のコストを予測ができる

• ES手法により時間単位でも定量的に把握、予測できる

• ES手法で分析、予測する

• ES手法の算出例

• ES手法の算出例の結果

• EVM, ES 指標値のまとめ

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はじめに

EVM(Earned Value Management)分析は、優れたプロジェクト管理手法ですが、実践できているプロジェクト管理者はごくわずかです。その理由は、手軽にEVM分析ができるツールがなく、実際に行うには、多くの手間と知識が必要なためです。

ProjectExcellerは、この課題を解決するために開発されました。

タスクの計画日と終了日を入力するだけで誰でも簡単にEVM分析ができます。

この資料に記述されているすべてEVM指標値をサポートしています。

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EVM分析とは

• グローバルに実績のあるプロジェクト管理手法

• 進捗をコスト単位で定量的に把握する

• 将来をコストを予測ができる

• ES手法により時間単位でも定量的に把握、予測できる

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グローバルに実績のあるプロジェクト管理手法。

• 1967年に最初に米国国防省で導入されました。

•現在ではプロジェクト管理の世界標準体系であるPMBOKでも推奨され、グローバルに広く実践されています。

•さらに、EVMを補足強化するためES(アーンドスケジュール)手法が追加されました。(PMI EVM標準 2019-11に記載)

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進捗をコスト単位で定量的に把握する

プロジェクトの進捗(進み、遅れ)度合いを次の3つの基本データで管理します。

• PV 計画値

• AC 実コスト

• EV 出来高 または、アーンドバリュー

メモ:一般的に「コスト」には、プロジェクトの工数、または、金額を用います。

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次の簡単なプロジェクト例で説明します

製品組み立てプロジェクト

• ある製品を1日1台組み立て、10日間で10台作成します。

• 組み立てコストは1台当たり1万円で計画予算は10万円とします。

• スケジュール

タスク. 第1日 第2日 第3日 第4日 第5日 第6日 第7日 第8日 第9日 第10日

製品No.1

製品No.2

製品No.3

製品No.4

製品No.5

製品No.6

製品No.7

製品No.8

製品No.9

製品No.10

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このプロジェクトファイル、およびそのEVM分析の動画は、下記を参照ください。https://projectexceller.com/doc/evm_basic/

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EVMグラフを作成してみましょう。縦軸をコスト、横軸を時間として、プロジェクトの計画コストの累積値をプロットします。

現在時点をAT、計画終了日をSAC、そして、プロジェクトの完了時予算をBACと呼びます。

今日が5日目の場合、PV(計画値)は5万円となります。BAC(完了時予算)は10万円です。

コスト

時間

PV:計画値

AT: 状況報告日(現在日)

SAC: 計画終了日

BAC: 完了時予算

10万円

第5日 第10日

PV=5万円

PV(計画値)はある時点の計画コストの累計値です。

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EVMグラフ上に実際に要したコストの累積をプロットします。

今日までに5万円分の作業を完了する予定でしたが実際には6万円かかりました。

ACがPVを上回っています。この場合、コストは計画をオーバーしていますが、プロジェクトは計画より遅れているのでしょうか?

答えは、「わかりません」が正解です。

そこで、次にEV(出来高)が登場します。

コスト

時間

PV:計画値(5万円)

AT: 状況報告日(現在日)

SAC: 計画終了日

10万円

第5日 第10日

AC: 実コスト(6万円)

AC(実コスト)はある時点の実際のコスト累計値です。

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EV(Earned Value)は、「出来高」または、英語のまま「アーンドバリュー」と呼びます。EVMの中で最も重要な概念ですのでしっかり理解してください。

出来高とは、ある時点の完了した作業の価値です。

たとえば、プロジェクトの5日目のPV(計画値)は、製品5個分の5万円ですが、実際には4個しか完成できなかったとします。この場合、完了した作業の価値は、製品4個分の4万円となります。。

出来高 = 1万円/個 x 4個 = 4万円

または、

出来高 = 計画値(PV)x 達成率 = 5万 x 4個/5個 = 4万円

EV(出来高)とは

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EVMグラフ上にEV値をプロットします。

このグラフから5日目の進捗状況がわかります。

AC > PV であるため、コストは計画よりオーバーしていることがわかります。

PV > EV であるため、完了した作業価値が計画コストを下回っていることがわかります。つまり計画スケジュールより遅れています。

次にこれらを定量化する指標値を学びましょう。

EV: 出来高(4万円)

コスト

時間

PV:計画値(5万円)

AT: 状況報告日(現在日)

SAC: 計画終了日

10万円

第5日 第10日

AC: 実コスト(6万円)

EV(出来高)はプロジェクトの出来高コストの累積値です。

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コスト

時間

AT: 状況報告日(現在日)

SAC: 計画終了日

第5日 第10日

AC

PV

EV

SV: スケジュール差異

CV: スケジュール差異

次の4つの指標で進捗状況を定量化できます。

◼ SV:スケジュール差異SV = EV - PVSV<0の場合、ある時点で計画スケジュールより遅れている。

◼ CV:コスト差異CV = EV - ACCV<0の場合、投入コストがその時点の計画コストをオーバーしている。

◼ SPI:スケジュール効率指数SPI = EV/PVSPI<1の場合、スケジュール効率が計画を下回っている。

◼ CPI:コスト効率指数CPI=EV/ACCPI<1の場合、コスト効率が計画より下回っている。

コスト、スケジュール進捗を定量化:SV, CV, SPI, CPI

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5日目の時点の各指標値を実際に計算してみましょう。

◼ SV:スケジュール差異SV = EV – PV = 4 – 5 = - 1万円考察:1万円分の作業量の遅れが発生しています。◼ CV:コスト差異CV = EV – AC = 4 – 6 = - 2万円考察:計画より2万円余分に費用が発生しています。◼ SPI:スケジュール効率指数SPI = EV/PV = 4/5 = 0.8考察:スケジュールが作業量で計画の80%しか達成できていません。◼ CPI:コスト効率指数CPI = EV/AC = 4/6 = 0.67考察:予算目標の67%としか達成できていません。

コスト

時間

AT: 状況報告日(現在日)

SAC: 計画終了日

第5日 第10日

SV: スケジュール差異

CV: スケジュール差異

AC

PV

EV

PV=5万円AC=6万円EV=4万円

結論:スケジュール、コストの両面ともに計画どおり進んでいません。

現時点(5日目)の進捗状況の評価

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コスト

AT: 状況報告日(現在日)

SAC: 計画終了日

BAC: 完了時予算

EAC: 完了時コスト予測

VAC: 完了時コスト差異

時間 第5日 第10日

AC

PV

EV

PV=5万円AC=6万円EV=4万円BAC=10万円CPI=EV/AC=0.67

次の式でプロジェクトが完了したときの総コストを予測できます。

◼ EAC(完了時コスト予測)

EAC = AC + (BAC – AC)/CPI = 6 + (10 – 6)/0.67= 11.97 万円

◼ VAC(完了時コスト差異)

VAC = EAC – BAC= 11.97 – 10 = 1.97 万円

※このまま状態で進めた場合、1.97万円の予算オーバーになると見込まれます。

プロジェクト完了時のコストを予測ができる

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ES手法により時間単位でも定量的に把握、予測できる

• 従来のEVMでは、プロジェクトの進捗や予測を「コスト単位」で行うことができましたが、時間で把握することはできませんでした。

• ES(アーンドスケジュール)手法により、時間単位でも把握することができるようになります。

メモ:ES手法については、プロジェクト管理の世界標準体系であるPMBOKで推奨され、PMIのEVM標準(2019年11月)に記載されています。

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EVMを補足するES(アーンドスケジュール)手法による次の指標値が干出できます。

◼ ES:アーンドスケジュールある時点のEV値に一致するPV値の日時。

◼ SV(t): スケジュール差異(t)SV(t) = ES – AT

◼ SPI(t): スケジュール効率指数(t)SPI(t) = ES/AT

◼ ETC(t): 予測残期間ETC(t) = AT + (SAC – ES)/SPI(t)

◼ EAC(t): 予測終了日EAC(t) = AT + ETC(t)

= AT + (SAC – ES)/SPI(t)

◼ VAC(t): 終了日差異VAC(t) = EAC(t) - SAC

コスト

EAC(t):予測終了日

時間

ACPV

EV

ES:アーンドスケジュール SAC:計画終了日

SV(t):スケジュール差異(t)

ETC(t): 予測残期間

AT: 状況報告日(現在日)

VAC(t): 完了日差異

第5日 第10日

ES手法で分析、予測する

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説明用の「製品組み立てプロジェクト」に適用してみましょう。

◼ ES:アーンドスケジュールES=4現在(5日目)のEV=4、対応するPVの日時は、4日目です。

◼ SV(t): スケジュール差異(t)SV(t) = ES – AT = 4 – 5 = -1

◼ SPI(t): スケジュール効率指数(t)SPI(t) = ES/AT = 4/5 = 0.8

◼ ETC(t): 予測残期間ETC(t) = (SAC – ES)/SPI(t)

= (10 – 4)/0.8 = 7.5

◼ EAC(t): 予測終了日EAC(t) = AT + ETC(t)

= 5 + 7.5 = 12.5 = 13日目

◼ VAC(t): 完了日差異VAC(t) = EAC(t) - SAC = 12.5 – 10 = 2.5

ES手法の算出例

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コスト

EAC(t):予測終了日時間

ACPV

EV

ES:アーンドスケジュール SAC:計画終了日

SV(t):スケジュール差異(t)

ETC(t): 予測残期間

AT: 状況報告日(現在日)

VAC(t): 完了日差異

第5日 第10日

EV=5ES=4AT=5SAC=10

第13日第4日

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説明用の「製品組み立てプロジェクト」に適用してみましょう。

◼ ES:アーンドスケジュールES=4現在(5日目)のEV=4、対応するPVの日時は、4日目です。

◼ SV(t): スケジュール差異(t)SV(t) = ES – AT = 4 – 5 = -1

◼ SPI(t): スケジュール効率指数(t)SPI(t) = ES/AT = 4/5 = 0.8

◼ ETC(t): 予測残期間ETC(t) = (SAC – ES)/SPI(t)

= (10 – 4)/0.8 = 7.5

◼ EAC(t): 予測終了日EAC(t) = AT + ETC(t)

= 5 + 7.5 = 12.5 = 13日目

◼ VAC(t): 完了日差異VAC(t) = EAC(t) - SAC = 12.5 – 10 = 2.5

コスト

EAC(t):予測終了日時間

ACPV

EV

ES:アーンドスケジュール SAC:計画終了日

SV(t):スケジュール差異(t)

ETC(t): 予測残期間

AT: 状況報告日(現在日)

VAC(t): 完了日差異

第5日 第10日

EV=5ES=4AT=5SAC=10

第13日第4日

「製品組み立てプロジェクト」例の進捗

現時点(5日目)において計画より1日遅れおり、これまでのパフォーマンスのままでは、プロジェクト完了日が2.5日遅れの13日目になります。

ES手法の算出例の結果

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EVM, ES 指標値のまとめ

Earned Value Management(EVM) Earned Schedule(ES)

指標 名称 式 指標 名称 式

PV 計画値 AT 状況報告日

EV 出来高(アーンド・バリュー) ES アーンド・スケジュール

AC 実コスト

SV スケジュール差異 EV-PV SV(t) スケジュール差異(t) ES-AT

SPI スケジュール効率指数 EV/PV SPI(t) スケジュール効率指数(t) ES/AT

CV コスト差異 EV-AC

CPI コスト効率指数 EV/AC

BAC 完了時予算 SAC 計画完了日

EAC 完了時コスト予測 AC+(BAC-EV)/CPI EAC(t) 予測完了日 AT+(SAC-ES)/SPI(t)

VAC 完了時コスト差異 EAC-BAC VAC(t) 完了日差異 EAC(t)-SAC

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