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第 108 回国試対策

修ラス - 国家試験対策予備校 · “ 歯科医師国家試験対策 ” ★もうすぐ歯科医師国家試験!でも何を確認すれば…? 歯科医師国家試験のための勉強は過去問を解く!おそらくこれが正解です。でも、同じ問題はほ

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国試の辞典の会

国試の辞典の会

必修ラスパ

第 108 回国試対策

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最後に確認! “ 歯科医師国家試験対策 ”

★もうすぐ歯科医師国家試験!でも何を確認すれば…? 歯科医師国家試験のための勉強は過去問を解く!おそらくこれが正解です。でも、同じ問題はほとんど出題されません。この問題、あの過去問と似ているけど、問われていることが何か違うなぁと思うことがほとんどだと思います。つまり、過去問の内容の周囲をどれだけ埋めていくことができるか!これが合否の分かれ目だと思います。 ならばどう対策すればいいのか?教科書をみるというのがベストなのかもしれません。でも、そ

んな時間がない…。そしてやみくもにアレコレと手を出して、ほとんど身になっていない状態で本番に臨んで、悲惨な結果になる…。なんてことにならないよう、効率のよい勉強をすることが合格のカギとなります。 ★ラストスパートに、この一冊 いうまでもないことですが、歯科医師国家試験対策では近年の問題の流れを読むことが重要なポイントとなります。で、近年の流れを読み取ることができますか?どの範囲から問題が出題されるかは試験問題を開いてみないと誰にもわかりません。ただ、この範囲から問題が出題されるとしたらこんな問題が出題されそうだなぁという“感”は必要だと思います。じゃあ、“感”がないヒトはどうしたらいいの?その答えは、”感“のあるヒトに聞けばいいんです!この本は過去の出題内容を分析し、頻度の高い項目、近年の流れを読み、出題されそうな項目を厳選して歯科医師国家試験の出題バランスに沿って取り上げてあります。左のページに確認事項、右のページに正文集という形に基本的にはなっているので、ラストスパートの時期に知識の確認に使ってください。 ★編集にあたり 近年の歯科医師国家試験は資格試験ではなく選抜試験です。領域別の合格基準が設けられ、すべての教科を平均的に正解できないといけない試験になりました。つまり、得意な教科があるのは武器になりますが、不得意な教科があると非常に不利になります。不得意な教科をほかのヒトと同じレベルにもっていけるか!そこがポイントです。この本は難しいことには基本的には触れていません。これだけは最低限知っておいたほうがいいよ!というところが書いてあります。一生懸命勉強してきた知識の最終確認の本として使ってもらえるといいかなぁと思っています。 ★最後に… 自分の勉強してきたことに自信をもって、精一杯試験に立ち向かってきてください。あきらめなければ必ずいいことがあると思います。最後まで頑張ってください。みなさんの合格を心からお祈りしております。

2014 年 5月 ラ・スパ編集委員会

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目 次

01 必 修 ······················································ 1 1.患者の人権、医の倫理 2.インフォームドコンセント 3.医療の質の確保 4.医療事故の防止 5.院内感染対策 6.診療記録・診療情報 7.医療面接

8.病歴聴取 9.根拠に基づいた医療〈EBM〉 10.バイタルサイン 11.心肺蘇生法国際ガイドライン(G2010) 12.チーム歯科医療 13.歯学史、一般教養 14.英単語

02 解 剖 ······················································ 39 15.頭蓋骨 16.頭蓋底 17.筋 18.三叉神経 19.脳神経 20.外頸動脈 21.顎動脈

22.顎関節 23.口 蓋 24.舌 25.唾液腺 26.隙 27.咽 頭 28.喉 頭

03 組織・発生 ··············································· 67 29.顔面の発生 30.口腔の発生 31.歯の発生 32.乳歯・幼若永久歯の特徴 33.永久歯の特徴 34.歯の構造

35.歯の発育表 36.歯の形態異常 37.歯周組織 38.組 織 39.接着装置 40.細胞の基本構造

04 生 理 ······················································ 93 41.神経組織 42.自律神経系 43.ストレス 44.感 覚 45.筋の収縮 46.顎反射

47.血液凝固 48.ホルモン 49.咀嚼・嘔吐 50.発声・構音 51.脱 水

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05 生 化 ······················································ 111 52.三大栄養素 53.ビタミン、ミネラル 54.遺伝子 55.DNAの複製 56.遺伝子工学 57.コラーゲン 58.非コラーゲン性タンパク質 59.プロテオグリカン、糖タンパク質、 マトリックスメタロプロテアーゼ

60.カルシウムの調節 61.骨の改造現象 62.骨吸収の仕組み 63.骨代謝疾患 64.炎症反応の経過 65.アラキドン酸カスケード 66.唾 液 67.ペリクル、プラーク〈バイオフィルム〉

06 微生物 ······················································ 147 68.微生物 69.感染経路 70.消毒、滅菌 71.グラム陽性球菌 72.グラム陽性桿菌 73.グラム陰性菌 74. スピロヘータ、マイコプラズマ、 クラミジア、リケッチア、真菌

75.真 菌 76.ウイルス 77.肝炎ウイルス 78.プリオン病、ワクチン 79.食中毒 80.化学療法薬〈抗菌薬〉

07 免 疫 ······················································ 171 81.免疫担当細胞 82.細胞性免疫、体液性免疫 83.免疫グロブリン

84.補 体 85.アレルギー 86.自己免疫疾患

08 病 理 ······················································ 185 87.細胞死 88.再 生 89.病理学用語 90.循環障害

91.炎 症 92.染色法 93.疼 痛

09 薬 理 ······················································ 197 94.薬物療法 95.薬物動態 96.薬物の用量

97.カテコールアミン受容体 98.アセチルコリン受容体

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99.ヒスタミン、GABA、オピオイド、 ドパミン、セロトニン受容体 100.薬物の反復投与 101.薬物の併用 102.薬物の相互作用

103.薬物の副作用 104.抗炎症薬 105.止血薬、抗凝固薬 106.薬物の管理 107.薬物臨床試験

10 歯科理工 ··················································· 221 108.応力―ひずみ曲線 109.材料の性質 110.生体材料 111.歯科用機器 112.切削・研磨器材 113.ハイドロコロイド印象材 114.ゴム質印象材、非弾性印象材 115.各種印象材の比較 116.石膏とワックス

117.埋没材 118.合 金 119.チタン 120.歯科用ろう 121.合金の熱処理 122.鋳造欠陥 123.歯科用セメント 124.陶 材 125.義歯用材料

11 放射線物理 ··············································· 253 126.エックス線の原理 127.エックス線画像の形成 128.フイルム 129.放射線防護 130.放射線による影響 131.エックス線撮影法

132.パノラマエックス線写真 133.デジタルエックス線撮影装置 134.エックス線CT、MRI 135.超音波検査、造影撮影法、シンチグラフィ 136.読影所見

12 衛生・社会歯科 ········································ 275 137.歯科医師法 138.医療法 139.歯科衛生士法・歯科技工士法 140.医療関係職種 141.地域保健法 142.救急・災害時の 歯科保健医療対策 143.法歯学 144.社会保障 145.医療保険 146.介護保険 147.国際保健

148.健 康 149.健康日本 21 150.禁 煙 151.歯科口腔保健の推進に関する法律 152.母子保健法 153.乳幼児歯科健康診査 154.健やか親子 21 155.学校保健安全法 156.労働安全衛生法 157.高齢者の医療の確保に関する法律 158.障害者保健福祉 159.精神保健

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160.疫 学 161.スクリーニング 162.人口静態統計 163.人口動態統計 164.保健統計 165.平成 23年歯科疾患実態調査

166.国民健康・栄養調査 167.感染症 168.食育基本法 169.国民栄養と食品保健 170.環境保健

13 口腔衛生・予防歯科 ································· 347 171.齲蝕の予防・管理 172.齲蝕活動性試験 173.フッ化物 174.歯周疾患の予防・管理 175.口 臭

176.歯科疾患の疫学的指標 177.口腔に関する疾患 178.口腔清掃 179.歯磨剤 180.代用甘味料

14 小児歯科 ··················································· 373 181.小児の成長・発育 182.小児の特徴 183.原始反射 184.頭蓋骨の成長・発育 185.歯の成長・発育 186.口腔習癖 187.小児の歯科的対応 188.小児の保存療法

189.既製乳歯冠 190.小児の歯内療法 191.小児の外傷 192.咬合誘導 193.保隙装置 194.小児疾患 195.障害児歯科

15 矯 正 ······················································ 399 196.不正咬合の分類 197.不正咬合の特徴 198.セファロ分析 199.機能分析 200.模型分析 201.固 定

202.矯正治療による生体の反応 203.矯正器具 204.矯正装置 205.舌側弧線装置の製作過程 206.矯正治療 207.保 定

16 保存修復 ··················································· 423 208.歯質欠損 209.窩洞形態 210.修復の前処置 211.コンポジットレジン修復

212.グラスアイオノマーセメント修復 213.インレー修復 214.象牙質知覚過敏症

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17 歯内療法 ··················································· 439 215.歯髄疾患の診査法 216.歯髄炎 217.根尖性歯周炎 218.根管治療 219.根管充塡

220.根管治療に用いる薬剤 221.裏層材、仮封材 222.外科的歯内療法、偶発症 223.漂白法 224.歯内-歯周疾患

18 歯周病 ······················································ 457 225.歯周疾患の分類 226.歯周疾患の原因 227.歯肉の形態異常と骨欠損 228.歯周基本治療

229.歯周外科処置 230.根分岐部病変 231.SPT(supportive periodontal therapy)

19 口腔外科 ··················································· 473 232.嚢 胞 233.腫 瘍 234.良性腫瘍 235.悪性腫瘍 236.異形成症 237.前癌病変 238.口腔粘膜疾患 239.唾液腺疾患 240.炎症に対する処置

241.感染症 242.外 傷 243.顎関節症 244.神経性疾患 245.神経ブロック 246.血液疾患 247.抜 歯 248.口唇・口蓋裂 249.症候群

20 歯科麻酔 ··················································· 517 250.局所麻酔 251.局所麻酔時の合併症 252.血管収縮薬

253.鎮静法 254.全身麻酔 255.麻酔時の偶発症

21 補綴用語集 ··············································· 529 256. 補綴用語集

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22 クラウンブリッジ ····································· 553 257.支台歯形成 258.支台築造 259.各種被覆冠 260.各種被覆冠の製作手順 261.印象採得

262.接着性レジンセメントによる装着 263.ブリッジ 264.ろう付け 265.ポンティック 267.クラウン・ブリッジにおける不快事項

23 部分床義歯 ··············································· 569 268.欠損様式 269.部分床義歯の構成要素 270.クラスプ 271.大連結子

272.部分床義歯の製作 273.サベイング 274.特殊な義歯 275.部分床義歯における不快事項

24 全部床義歯 ··············································· 587 276.下顎位 277.咬合様式 278.下顎運動 279.解剖学的ランドマーク 280.顎間関係の記録

281.人工歯排列 282.蠟義歯試適 283.咬合調整 284.全部床義歯における不快事項

25 インプラント義歯 ····································· 605 285.インプラント義歯 286.インプラント義歯の診査

287.インプラント手術

26 高齢者歯科 ··············································· 611 288.全身の加齢変化 289.口腔内の加齢変化

27 医科系 ······················································ 615 290.主要な全身疾患 291.心血管系 292.心臓の刺激伝導系 293.心電図 294.脳

295.肝臓の機能 296.腎臓の機能 297.呼吸器系の機能 298.採 血 299.基準値

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28 摂食嚥下 ··················································· 639 300.嚥 下 301.摂食機能障害の原因 302.摂食機能障害の スクリーニングテスト

303.摂食機能障害の精密検査 304.摂食機能障害の訓練 305.摂食機能障害への歯科的対応

29 器 具 ······················································ 659 306.歯科用器具

記憶すべき基準値

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8.病歴聴取 (1)病歴聴取

主 訴 患者の最も強く訴える症状である。患者の言葉で表現されていなければならない。

現病歴 患者の来院動機となった症状の病歴である。

既往歴 出生から現在までの全身的健康状態の経過である。 特異体質、出血性素因、全身的既往疾患などを聴取する。

家族歴 患者の疾患の背景として家族の健康状態を聴取する。

生活歴・社会歴 生活歴として嗜好物(喫煙、飲酒など)などを、社会歴として職業などを聴取する。

患者の解釈モデル 発病の原因、病態、経過あるいは必要と思われる治療などについての、患者自身の考えや期待感のこと。日常の診療では、どんな病気を心配しているか、どんな検査を希望しているか、治療に関して何か希望があるかを聞くだけで十分である。

(2)SOAP(主観的情報、客観的情報、評価、計画)

診療録の記載は問題指向型医療記録(Problem Oriented Medical Record:POMR)に則る。 叙述的に記録する(SOAPによる記載法)。なお、問題リストは系統的に羅列する。現病歴だけ

でなく、患者全体の状態を把握するシステムレビューが重要である。 ①主観的情報(Subjective data):主訴、症状 ②客観的情報(Objective data):診査所見、検査成績 ③評価(Assessment):上記から抽出された問題、診断 ④計画(Plan):さらなる検査および治療計画

正文集 □主訴は患者の最も強く訴える症状である。 □現病歴は患者の来院動機となった症状の病歴である。 □既往歴は出生から現在までの全身的健康状態の経過である。 □医療面接で「診療を求めて来る動機となった自覚症状を経時的に記載した内容」は現病歴である。 □骨格性下顎前突の問診では患者の家族歴を聴取する。 □生活歴では喫煙の有無を聴取する。 □解釈モデルとは疾患や治療に対する患者自身の考えや期待感のことである。 □「痛みの原因は何だと思いますか」は患者の解釈モデルを理解する質問である。 □システムレビューとは系統的に徴候を問診でチェックするシステムである。 □Subjective data は主観的情報である。 □Objective data は客観的情報である。 □他覚所見は問題解決指向型診療録における SOAPの「O」にあたる事項である。

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21.顎動脈 顎動脈は浅側頭動脈とともに外頸動脈の終枝の 1 つで分岐後、外側翼突筋外面を前上走して翼口

蓋窩に達し、多くの枝に分散して終わる。その経過に従って下顎枝部、翼突筋部、翼口蓋部の 3 部に分けられる。

下顎枝部

深耳介動脈 外耳道壁の軟骨、外耳道壁内面、鼓膜、顎関節に分布する。

前鼓室動脈 鼓膜内面と付近の粘膜に分布する。

中硬膜動脈 蝶形骨の棘孔を通過して頭蓋腔内に入り、脳硬膜と骨に分布する。

副硬膜枝 三叉神経節と硬膜に分布する。

下歯槽動脈 下顎に分布。オトガイ動脈と切歯枝に分枝する。顎舌骨筋枝、オトガイ動脈

翼突筋部

深側頭動脈 側頭筋に分布する。

咬筋動脈 咬筋の内側面、顎関節の関節包に分布する。

翼突筋枝 内、外側翼突筋に分布する。

頰動脈 頰筋、頰粘膜、頰側歯肉に分布する。

翼口蓋部

後上歯槽動脈 上顎の大臼歯と小臼歯、頰側歯肉および上顎洞に分布する。

眼窩下動脈 顔面に分布。分岐した前上歯槽動脈は上顎小臼歯や前歯に分布する。

下行口蓋動脈 口蓋に分布する。 大口蓋動脈、小口蓋動脈

翼突管動脈 咽頭の上方部、耳管、蝶形骨洞、鼓室に分布する。

蝶口蓋動脈 鼻腔に分布する。下行口蓋動脈とともに顎動脈の終枝となる。 外側後鼻枝、中隔後鼻枝

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02

解 剖

正文集 □顎動脈は外頸動脈の終枝の1つである。 □深耳介動脈は顎関節に分布する。 □前鼓室動脈は鼓膜内面に分布する。 □中硬膜動脈は棘孔を通過する。 □副硬膜枝は三叉神経節に分布する。 □顎動脈は下顎枝部で下歯槽動脈を分枝する。 □下歯槽動脈は下顎に分布する。 □下歯槽動脈は顎舌骨筋枝を分枝する。 □下歯槽動脈はオトガイ動脈を分枝する。 □深側頭動脈は側頭筋に分布する。 □咬筋動脈は咬筋に分布する。 □翼突筋枝は内側翼突筋に分布する。 □翼突筋枝は外側翼突筋に分布する。 □頰動脈は頰筋に分布する。 □顎動脈は翼口蓋部で後上歯槽動脈を分枝する。 □顎動脈は翼口蓋部で眼窩下動脈を分枝する。 □顎動脈は翼口蓋部で下行口蓋動脈を分枝する。 □顎動脈は翼口蓋部で翼突管動脈を分枝する。 □顎動脈は翼口蓋部で蝶口蓋動脈を分枝する。 □後上歯槽動脈は上顎臼歯部に分布する。 □後上歯槽動脈は上顎洞に分布する。 □眼窩下動脈は前上歯槽動脈を分枝する。 □前上歯槽動脈は上顎前歯部に分布する。 □下行口蓋動脈は口蓋に分布する。 □下口蓋動脈は大口蓋動脈を分枝する。 □下口蓋動脈は小口蓋動脈を分枝する。 □翼突管動脈は蝶形骨洞に分布する。 □翼突管動脈は鼓室に分布する。 □蝶口蓋動脈は鼻腔に分布する。

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142.救急・災害時の歯科保健医療対策 (1)災害現場での歯科治療 歯科医療救護所を開設し応急歯科診療を行うとともに、避難所を巡回し歯ブラシなどの支援物

資を配布しながら、被災者に口腔ケアや口腔衛生の重要性をよびかける啓発活動を行い、必要な高齢者や幼児、学童には口腔ケアを行う。避難所生活では、慣れない避難生活のストレスや食生活から免疫機能が低下し、様々な感染症や慢性疾患の増悪が危惧されるほか、要援護・要介護者では生活不活発病や誤嚥性肺炎のリスクが増加するため、歯科の介入は必須である。 (2)トリアージ 大きな災害で多数の傷病者が出た場合、少数の医療スタッフ、限られた医療器材で、いかに有効な医療を行うかという点で患者を選別する。災害現場でのトリアージは、被災者を軽症、重症、最重症、瀕死の重傷(望みのないもの)に分類する。

(3)トリアージタッグ トリアージタッグを用い、緊急度や重症度に応じ、4段階に区分する。

黒 死亡群(カテゴリー0) 死亡もしくは明らかに救命が不可能なもの。

赤 最優先治療群(カテゴリーⅠ) 生命に関わる重篤な状態で、直ちに処置を必要とするもの(救命可能なもの)。 窒息、大量の出血、ショック状態など。

黄 待機的治療群(カテゴリーⅡ) 多少治療の時間が遅れても、生命に危険がないもの。

緑 保留群(カテゴリーⅢ) 救急での搬送が必要ないもの。

正文集 □医療法に基づき都道府県が策定する医療計画で、医療連携体制を構築するための方策を記載することが定められている事業は災害医療である。 □医療法に基づき都道府県が策定する医療計画で、医療連携体制を構築するための方策を記載することが定められている事業は救急医療である。 □災害時に、自発呼吸があり意識混濁を伴うショック状態の患者につけるトリアージタッグの色は 赤である。 □大規模災害現場で多数の負傷者が発生している。自発呼吸があり意識混濁を伴うショック状態の中年女性を発見した。この人のトリアージタッグで適切な色は赤である。

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149.健康日本 21 (1)21世紀における第2次国民健康づくり運動「健康日本21」(第2次)

概 要

21 世紀の我が国において少子高齢化や疾病構造の変化が進む中で、生活習慣および社会環境の改善を通じて、子どもから高齢者まですべての国民が共に支え合いながら希望や生きがいをもち、ライフステージに応じて、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現し、その結果、社会保障制度が持続可能なものとなるよう、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な事項を示し、平成 25 年度から平成 34 年度までの「21 世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本 21(第二次))」を推進するものである。

課 題

①健康寿命の延伸と健康格差の縮小 ②生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCDの予防) ③社会生活を営むために必要な機能の維持および向上 ④健康を支え、守るための社会環境の整備 ⑤喫煙および歯・口腔の健康に関する生活習慣および社会環境の整備

歯・口腔の健康

歯・口腔の健康は摂食と構音を良好に保つために重要であり、生活の質の向上にも大きく寄与する。目標は、健全な口腔機能を生涯にわたり維持することができるよう、疾病予防の観点から、歯周病予防、う蝕予防および歯の喪失防止に加え、口腔機能の維持および向上などについて設定する。目標の達成に向けて、国は、歯科口腔保健に関する知識などの普及啓発や「8020 運動」の更なる推進などに取り組む。

項 目 現 状 目 標 口腔機能の維持・向上(60歳代における咀嚼良好者の割合の増加) 73.4% 80%

歯の喪失防止 80歳で 20歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加 25.0% 50% 60 歳で 24歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加 60.2% 70% 40 歳で喪失歯のない者の割合の増加 54.1% 75%

歯周病を有する 者の割合の減少

20歳代における歯肉に炎症所見を有する者の割合の減少 31.7% 25% 40 歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少 37.3% 25% 60 歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少 54.7% 45%

乳幼児・学齢期 のう蝕のない者 の増加

3歳児でう蝕がない者の割合が 80%以上である都道府県の増加 6

都道府県 23

都道府県

12歳児の1人平均う歯数が 1.0 歯未満である都道府県の増加 7

都道府県 28

都道府県

過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加 34.1% 65%

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衛生・社会歯科

(2)健康日本21(第1次)の「歯の健康」の最終評価の概要

概 要

歯の喪失防止 80 歳で 20 歯以上、60 歳で 24 歯以上の自分の歯を有する人の割合、過去1年間に定期的な歯石除去や歯面清掃を受けた人の割合、過去1年間に定期的な歯科検診を受けた人の割合は、いずれも目標値に達した。

幼児期の 齲蝕予防

フッ化物歯面塗布を受けたことのある幼児の割合は目標値に達し、齲歯のない幼児の割合は改善がみられた。間食として甘味食品・飲料を頻回飲食する習慣のある幼児の割合は、大きな変化はみられなかった。

学齢期の 齲蝕予防

12 歳児における1人平均齲歯数、フッ化物配合歯磨剤を使用している人の割合、過去1年間に個別的な歯口清掃指導を受けた人の割合は改善がみられた。

成人期の 歯周病予防

進行した歯周炎を有する人の割合(40、50 歳)は目標値に達し、歯間部清掃用器具の使用する人の割合、喫煙が及ぼす健康影響(歯周病)について知っている人の割合は改善がみられた。

今後の課題

①指標の大半は改善され、そのうち半数が目標値に達したが、その達成状況については地域差も認められており、また高齢化の進展に伴い咀嚼機能の重要性が一層高まっていることなどから、引き続きライフステージに応じた適切な齲蝕・歯周病予防などの「歯の健康」づくりを進めていくことが必要である。 ②今後の高齢化を考慮して、健全な食生活など生活の質の向上にも寄与するために、咀嚼機能の維持・改善を図っていくことが一層重要となっていることから、こうした機能面などに着目して評価の在り方を検討する必要がある。 ③小児の永久歯齲蝕予防については、地域の特性に応じて、フッ化物歯面塗布、フッ化物配合歯磨剤、フッ化物による洗口などの応用やシーラントの活用などを含めて総合的に推進していくことが必要である。

正文集 □健康日本 21(第 2次)の目標は国民の健康寿命の延伸と健康格差の縮小である。 □健康日本 21(第 2次)の目標は社会生活を営むために必要な機能の維持および向上である。 □健康日本 21(第 2次)の課題で歯科の項目はライフステージ別に目標が設定されている。 □健康日本 21(第 2次)の基本方針は第一次予防の重視である。 □健康日本 21(第 2次)の歯科項目で 80歳における 20歯以上の自分の歯を有する者の割合の目標値は 50%以上である。 □健康日本 21(第1次)では 80歳で 20歯以上の自分の歯を有する人の割合は目標値に達した。 □健康日本 21(第1次)では 60歳で 24歯以上の自分の歯を有する人の割合は目標値に達した。

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302.摂食機能障害のスクリーニングテスト (1)嚥下機能不全の診査(評価)の流れ

問 診

◎誤嚥した。 ◎食後、嗄声がある。 ◎肺炎(発熱)を繰り返す。 ◎食事中、食後にむせや咳が多い。 ○拒食がある。 ○夜間に咳込む。 ○脱水、低栄養状態である。 ○食事時間が1時間以上かかる。

口腔内診査 ・咬合歯の有無(顎位の安定性) ・舌の異常運動の推定 ・義歯の有無

スクリーニングテスト

①人工唾液反復嚥下検査<RSST> ②改定水飲みテスト<MWST> ③段階的フードテスト ④咳テスト <「口腔機能向上」でRSST以外に提示されている検査> ⑤オーラルディアドコキネシス ⑥リンシングテスト

評 価

呼 吸 ①スパイログラフィ ②血液ガス分析 ③パルスオキシメータ

栄 養 ①エネルギー必要量 ②食塊形態:硬さ、大きさ、粘稠性

言 語 ①会話明瞭度検査 ②構音検査 ③鼻咽腔閉鎖機能検査:ブローイング検査

嚥 下 ①姿勢体幹の安定性、頸部の角度 ②摂食動作:口と手の協調性、食具と食器の形態 ③食物の残留状態(食塊形成不全・食物移送不全)

診断法

①嚥下造影<VF> ②嚥下内視鏡検査<VE> ③筋電図検査<EMG> ④超音波画像診断<echo> ⑤嚥下圧検査

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摂食嚥下

(2)スクリーニングテスト

反復唾液嚥下テスト <RSST>

<目 的> 随意的な嚥下反射惹起を定量的に評価する。 <方 法> ①被検者に椅子座位をとらせるが、不可能な場合はベッド上の座位でもよい。 ②検査者は被検者の喉頭隆起および舌骨相当部に指腹を軽くあてる。検査者は被検者に「終了というまでできるだけ、何度も唾を飲み込んで(空嚥下)ください」と説明する。

③検査者のスタート合図とともに、ストップウォッチで計測を開始する。喉頭隆起が指腹を乗り越えて上前方部に移動して、もとの位置に戻った時点を1回として数える。 ④この運動を 30秒間、触診してその間の嚥下回数を観察値とする。

<評 価> 30 秒間に嚥下回数が2回以下の場合は嚥下障害の偽陽性である。

改訂水飲みテスト <MWST>

<目 的> 嚥下機能の評価 <留 意> 日常、水分でむせる患者は避ける。

<方 法> ①冷水3mLを口腔底に注ぎ嚥下を指示する。 ②嚥下後、反復唾液嚥下テストを2回行わせる。

段階的フードテスト <FT>

<目 的> 被験食品を用いて、嚥下の口腔期の機能および咽頭期の機能を評価する。 <方 法> ①ティースプーン1杯(約4g)の被験食品を介助下にて捕食させ、自由に嚥下してもらう。

②初回嚥下、反復嚥下後のむせ、残留程度、呼吸状態などを評価する。 <評 価> 評価基準3点以下(嚥下あり、呼吸良好、むせる and/or 湿性嗄声 and/or 口腔内残留が中程度)の者は偽陽性とする。

咳テスト <目 的> 反復唾液嚥下テストや改訂水飲み、フードテストで見落とされやすいムセのない

誤嚥、いわゆる非顕在性誤嚥を評価する。

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(3)「口腔機能向上」でRSST以外に提示されている検査

オーラル ディアドコキネシス

<目 的> 発音を用いて、舌、口唇、軟口蓋などの運動の速度や緻密性を評価する。 <方 法> ・唇の動きを評価する:「ぱ」 ・舌の前方の動きを評価する:「た」 ・舌の後方の動きを評価する:「か」 なるべく早く発音させ、その数やリズムの良さを評価する。 10 秒間測定して、1 秒間に換算する。

リンシングテスト (空ぶくぶくうがい)

<目 的> 口唇、軟口蓋など口腔と咽頭部の遮断に関連する諸機関の運動を評価する。<方 法> 口腔内に空気を貯めてブクブクうがいをするように動かしてもらう。

正文集 □嚥下障害のスクリーニング検査には人工唾液反復嚥下検査(RSST)がある。 □人工唾液反復嚥下検査(RSST)は触診法である。 □嚥下障害のスクリーニング検査には水飲み検査がある。 □嚥下障害のスクリーニング検査にはフードテストがある。 □嚥下障害のスクリーニング検査には咳テストがある。 □人工唾液反復嚥下検査では 30秒間に3回嚥下できなければ要精密検査と判断される。 □オーラルディアドコキネシスでは唇の動きを評価するには「ぱ」を用いる。 □オーラルディアドコキネシスでは舌の前方の動きを評価するには「た」を用いる。 □オーラルディアドコキネシスでは舌の後方の動きを評価するには「か」を用いる。