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17Vol.53(2012)No.1 SOKEIZAI
わ が 社 の 素 形 材 技 術 最 前 線
プレス加工株式会社アルモニコス
プレス製品の異常部位検出&対策指示システムプレス製品異常部位の早期発見
株式会社アルモニコス 〒430-7721 静岡県浜松市中区板屋町 111-2 浜松アクトタワー 21F TEL. 053 -459 -1000 FAX. 053 -459 -1155 http://www.armonicos.co.jp/
1.開発の目的
近年、プレス加工ではハイテン材の普及により、従来の不具合対策では適用できないケースが増えてきた。 本稿では、プレス製品の非接触 3次元測定点群データと3次元設計CADデータから「スプリングバック」「壁そり」「ねじれ」「稜線そり」「凍結不良」などの異常部位を検知することが可能な機能と、異常部位検知後、ユーザー企業が独自に構築した不具合対策データベースから解決手段候補まで表示できる機能を紹介する。この機能により、早期に異常部位を発見して、対策ノウハウ構築の時間も大幅に短縮できるようになった。
2.開発の内容
(1)不具合部位の検知および判断 非接触 3次元測定機で測定した点群データと CADデータの断面線を作成し、誤差値を表示する機能を開発した。この機能により、公差値外で誤差のある部分を検知することができ、誤差値の変化から「スプリングバック」「壁そり」などの現象をユーザーが判断し、金型修正見込みを行うことができる。ただし、適切な判断を行うためには膨大な検査結果が必要となり、検査工数が課題となっていた。(2)不具合部位の自動検知および判断 3次元設計 CADデータにプレス方向や基本面などの条件を設定するだけで、点群データからプレス加工特有の「スプリングバック」「壁そり」などの不具合部位を自動で検知し、現象を判断して誤差値などの情報を表示することができる(図 1)。
図 2 不具合の対策指示
図 1 不具合部位の自動検知
(3)不具合の対策指示 検知した不具合情報には、設計CADデータに対する製品の誤差値や誤差方向などの情報も含まれるため、適切な金型修正を行うための具体的な数値を対策指示に利用することができる。また、ハイテン材の普及により、従来の対策指示を適用することができず、新たにユーザー固有の対策指示データベースを作成しなければならない問題があったが、本システムではノウハウ蓄積を容易に行うことができる機能も搭載した(図 2)。
3.開発の成果
① 点群データと CADデータの断面検査結果から不具合箇所を早期に検知・判断することができる。
② 不具合部位の検知漏れがなくなる。③ 新たな対策指示データベースを容易に蓄積し、類似の開発製品に適用することで開発工数が大幅に削減される。
以上のような機能により、プレス製品検査において異常部位を早期に発見できるため、膨大な検査工数や対策判断工数を大幅に短縮することができ、対策ノウハウの蓄積も容易に行うことができる。
(文責:木戸康久)
プレス加工-アルモニコス.indd 1 2011/12/27 15:41:26