65
ブラジル農業の発展と課題 20151020日(火) 農林水産政策研究所 研究成果報告会 清水 純一 (農林水産政策研究所) カチア・アブレウ農務大臣 2015/1/1~)

ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

  • Upload
    others

  • View
    3

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

ブラジル農業の発展と課題

2015年10月20日(火)

農林水産政策研究所 研究成果報告会

清水 純一 (農林水産政策研究所)

カチア・アブレウ農務大臣(2015/1/1~)

Page 2: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

2

報告の概要1.ブラジル概要

2.世界農産物貿易の構造変化

3.ブラジル農業の概要

3.1 土地利用

3.2 農産物貿易

3.3 穀物生産拡大の要因

3.4 食肉需給の推移

3.5 農業成長の要因と課題

4.まとめ

参考文献

余談:共和政樹立までの歴史

Page 3: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

3

1.ブラジル概要

Page 4: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

4

ブラジル主要指標

正式名称 ブラジル連邦共和国

国土面積 851.2万㎢(世界5位)日本の22.5倍

首都(2014年)(IBGE) ブラジリア(人口285万人)

人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位)

行政区分 26州と1連邦直轄区

GDP(2014年)(IMF) 2兆3,530億ドル(世界7位)

1人当たり名目GDP(2014年)(IMF) 11,604ドル(世界61位)

宗教 カトリック(65%)、プロテスタント(22%)、無宗教(8%)

公用語 ポルトガル語

Page 5: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

5

4,394.7km

4,319.4km

(参考)東京~ホーチミン(ベトナム)=4,336km注:ブラジル三井住友銀行資料より。

Page 6: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

ブラジルの地域区分と農業

赤道

6

アマゾン熱帯雨林が広がり新規開発を抑制。アグロフォレスト

リーが注目。

セラードが広く分布し、農業生産

の中心地。

半乾燥地帯が広がり、農業に不適。近年、灌漑による果樹栽培が発達。西部のセ

ラードで大規模農業。

古くからコーヒー、サトウキビを栽培。ミナス・ジェ

ライス州は酪農の中心地。

古くから開発された農業地帯。穀物以外に食肉生産の中心地。

MATOPIBA(マトピバ)近年,穀物生産の拡大が著しい4州を指す言葉。正式な地域名ではない。

Page 7: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

2.世界農産物貿易の構造変化

7

Page 8: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

国際食料需給の2極化

8

出典:農林水産省『海外食料需給レポート2014』

地域別農産物純輸出額の推移(1990~2013年)

南米

アジア

Page 9: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

中国が日本を抜いて世界最大の農産物貿易赤字国へ

9出典:農林水産省『海外食料需給レポート2014』

日本・中国・ASEANの農産物純輸出額の推移(1992~2013年)

Page 10: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

大豆輸出の変化

10

2003/04年度に南米が北米を逆転

資料:米国農務省(USDA)PSD-Onlineより作成.

世界の輸出量に占める割合1983/84 2013/14

北米 86% 39%南米 12% 58% ブラジル 5% 42%

Page 11: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

大豆輸入の変化

11

資料:米国農務省(USDA)PSD-Onlineより作成.

中国の輸入シェアの推移(%)

1993/94 0.42003/04 31.32013/14 63.2

Page 12: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

トウモロコシ輸出の変化

12

資料:米国農務省(USDA)PSD-Onlineより作成.

トウモロコシ輸出シェアの推移(%)

ブラジル アルゼンチン 米国1983/84 0.6 8.9 78.6

1993/94 0.0 7.0 57.3

2003/04 5.8 14.2 62.6

2013/14 16.0 13.0 37.2

Page 13: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

21世紀の大豆・トウモロコシ貿易

ブラジル・アルゼンチンが世界1・2位の農産物純輸出国に。

大豆の国際市場も21世紀に入り,大きな変化。供給面:北米1極→北米・南米2極。

需要面:中国への1極化。

トウモロコシ供給も南米の比重高まる

日本の安定的な食料確保にとっての南米の重要性(直接・間接効果)

中期的にはアジア・アフリカ・中東で穀物不足が拡大する可能性(→南米の役割拡大)

13

Page 14: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

3.ブラジル農業の概要

14

Page 15: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

3.1 土地利用

15

Page 16: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

16

ブラジルの生態系区分

生態系 総面積(km2)

国土面積に占める割合

アマゾン熱帯雨林 4,196,943 49.29%

セラード 2,036,448 23.92%

マッタ・アトランチカ

(大西洋沿岸部森林)

1,110,182 13.04%

カーチンガ半乾燥地帯 844,453 9.92%

パンパ高原 176,496 2.07%

パンタナル湿地帯 150,355 1.76%

ブラジル国土面積 8,514,877 100.00%

資料:ブラジル地理統計院(IBGE)

Page 17: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

セラードの分布

17

Page 18: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

18

ブラジルの土地利用

資料:INCRA(国立植民農地改革院)

分類 細分類 面積(100万ha) 割合(%)

森林および保護地区 保全地域 133 16

インディオ保護区 108 13

法定保留地および永久保護地区 340 39

小計 581 68

農地 永年採草・放牧地 170 20

耕地(永年作物地を除く) 49 6

永年作物地 22 3

小計 241 29

その他 市街地,湖,道路 20 2

その他 9 1

小計 29 21

総面積 851 100

Page 19: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

19

主要品目の作付面積(1,000ha)

資料:食料供給公社(Conab),注.短期作は延べ面積で2013/14年度。

サトウキビ2014/15年度、コーヒー2014年の生産面積、オレンジ2014年の収穫面積(見込み)。

綿花 1,121.6

コメ 2,372.9

フェジョン豆 3,365.9

トウモロコシ 15,829.2

大豆 30,173.1

小麦 2,758.0

その他 1,439.8

小計 57,060.5

主要永年作 サトウキビ 9,000.0

コーヒー 1,947.0

オレンジ 714.3

主要短期作(野菜を除く)

Page 20: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

主要作物の粗収入額(2013年速報値)

20資料:ブラジル食料供給公社(Conab)

金額(100万レアル)

構成比(%)

農産物 230,958 58.7

大豆 72,204 18.3

サトウキビ 41,154 10.5

トウモロコシ 28,235 7.2

コーヒー 12,979 3.3

コメ 7,917 2.0

フェジョン豆 7,487 1.9

その他 60,982 15.5

畜産物 162,818 41.3

牛肉 61,896 15.7

鶏肉 42,853 10.9

豚肉 15,911 4.0

牛乳 33,635 8.5

鶏卵 8,524 2.2

合計 393,776 100.0

Page 21: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

農場数と農場面積のローレンツ曲線

累積農場数 累積農場面積

1ha未満 12.33% 0.08%

10ha未満 50.34% 2.36%

100ha未満 90.41% 21.43%

1000ha未満 99.05% 55.58%

2500ha未満 99.69% 70.15%

2500ha以上 100.00% 100.00%

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1累積農場数

累積農場面積

資料:IBGE『農牧業センサス2006』より計算。

ジニ係数(Gini Coefficient)=0.85131,000ha以上の農場

農場数で0.95%,面積で44.42%

Page 22: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

3.2 農産物貿易

22

Page 23: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

GDPに占めるアグリビジネス

23

資料:サンパウロ大学

Page 24: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

輸出入に占める農林水産物の割合

24

資料:ブラジル農牧供給省(MAPA)

Page 25: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

貿易収支の推移

25

資料:ブラジル農牧供給省(MAPA)

Page 26: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

ブラジル農業のモノカルチャー・サイクル

1500年代初頭:「パウ・ブラジル(染料木)」ヨーロッパの繊維産業へ赤色原料として輸出

1570年代~1670年代:砂糖オランダが習得した技術を使いカリブ海で生産したため衰退

17世紀初頭:タバコ(奴隷貿易用)

19世紀:コーヒー

19世紀末~20世紀初頭:コーヒー、ゴム

ゴムは英国が苗を持ち出して東南アジアで栽培したため衰退

26

Page 27: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

ブラジルの農産物が世界貿易(輸出)に占めるシェア

27

「モノカルチャー」から「マルチ・カルチャー」へ(堀坂(2012))

品目 年(度) 順位 シェア

新品目 大豆 2013/14 1位 41.5%

大豆ミール 2013/14 2位 23.4%

大豆油 2013/14 2位 15.0%

トウモロコシ 2013/14 2位 17.0%

牛肉 2014 2位 19.1%

鶏肉 2014 1位 33.9%

豚肉 2014 4位 8.1%

エタノール 2013 1位 26.2%

伝統品目 コーヒー 2013/14 1位 28.8%

オレンジ果汁 2012/13 1位 76.3%

砂糖 2012/13 1位 44.0%

資料:エタノールはF.O.Licht,他はUSDA, FSA, World Markets and Trade.注:数量ベース.

Page 28: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

農産物輸出金額の構成(2013-14年)

28

資料: ブラジル農務省 AgroStat Brasil より作成

所得弾性値が高いもの(大豆・食肉)が輸出の中心

金額 (100万ドル) 構成比

金額 (100万ドル) 構成比

大豆関連製品 30,961 31.0% 31,403 32.5% 1.4%

食肉 16,803 16.8% 17,429 18.0% 3.7%

砂糖・エタノール 13,718 13.7% 10,367 10.7% -24.4%

木材 9,635 9.6% 9,951 10.3% 3.3%

コーヒー 5,276 5.3% 6,662 6.9% 26.3%

とうもろこし 6,251 6.3% 3,876 4.0% -38.0%

タバコ 3,272 3.3% 2,502 2.6% -23.5%

皮革製品 3,027 3.0% 3,449 3.6% 13.9%

オレンジ果汁 2,295 2.3% 1,966 2.0% -14.3%

綿花 1,107 1.1% 1,360 1.4% 22.9%

その他 7,623 7.6% 7,783 8.0% 2.1%

合計 99,968 100.0% 96,748 100.0% -3.2%

輸出品目2013年 2014年

金額伸び率

Page 29: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

1人当たりGDPと食肉消費の関係(2007年)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 80000 90000

食肉消費量

推定値

ルクセンブルク

日本

ブラジル

インド

中国

ロシア

韓国

米国オーストラリア

ニュージーランド

ドル

kg

29

資料:1人1年当たり食肉供給量はFAO, Food Balance Sheets.1人当たりGDP(購買力平価)はIMF, World Economic Outlook Database.

注:一般化ロジスティック曲線に回帰させた結果.

136.7

Page 30: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

主要輸出品目の推移(100万ドル)

30

大豆 5.32粗糖 6.79鶏肉 4.10大豆ミール 2.61トウモロコシ 16.91牛肉 3.37セルロース 2.97コーヒー豆 3.52タバコ 3.08精製糖 3.39オレンジジュース 1.92その他 1.95

合計 3.26

輸出金額倍率(2003年→2013年)

資料:ブラジル農務省 AgroStat Brasil より作成

Page 31: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

輸出先の変化

31資料:ブラジル農務省 AgroStat Brasil より作成

倍率

金額 (US$) 構成比(%) 金額 (US$) 構成比(%)2003年→2013

中国 2,261,508,887 7.4% 22,882,170,375 22.9% 10.1米国 4,803,794,750 15.7% 7,074,351,138 7.1% 1.5オランダ 3,166,163,171 10.3% 7,039,691,652 7.0% 2.2日本 1,060,990,631 3.5% 3,486,089,272 3.5% 3.3香港 558,663,474 1.8% 2,777,690,046 2.8% 5.0ロシア 1,426,736,497 4.7% 2,753,125,735 2.8% 1.9韓国 427,796,913 1.4% 2,668,323,325 2.7% 6.2ドイツ 1,664,643,075 5.4% 2,647,350,582 2.6% 1.6ベネズエラ 131,145,280 0.4% 2,632,054,791 2.6% 20.1サウジアラビア 524,200,905 1.7% 2,492,634,190 2.5% 4.8その他 14,627,415,094 47.7% 43,514,302,810 43.5% 3.0合計 30,653,058,677 100.0% 99,967,783,916 100.0% 3.3

輸出先

2003年 2013年

Page 32: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

3.3 穀物生産拡大の要因

32

Page 33: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

穀物(grão)の範囲

• 国家食料供給公社(Conab)が穀物( grão)として集計しているのは以下の15品目。油糧種子等,

「穀物」以外のものも含まれ,単年性の作物を指している。

• (夏作)

綿花,落花生,コメ,フェジョン豆,ヒマワリ,トウゴマ,トウモロコシ,大豆,ソルガム,

• (冬作)オート麦,ナタネ,ライ麦,大麦,小麦,ライ小麦

33

Page 34: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

21世紀に加速した穀物生産

年度 1983/84 2013/14 倍率 年平均伸び率 寄与率

生産量(1000t) 52,431.0 193,622.0 3.7 4.6% 100.0%

作付面積(1000ha) 38,020.9 57,059.9 1.5 1.4% 30.6%

生産性(kg/ha) 1,379 3,393 2.5 3.2% 68.4%

年度1983/84~

2000/01

2001/02~

2013/14

生産量 4.1% 5.9%

作付面積 0.0% 3.0%

生産性 4.2% 2.9%

34

資料:国家食料供給公社(Conab)資料より筆者作成。

Page 35: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

穀物生産増の大半は大豆・トウモロコシ

生産量

2003/04 2013/14 構成比 増分 増分寄与率

(1,000 t) (1,000 t) (%) (1,000 t) (%)

大豆 49,792.7 86,120.8 44.5 36,328 48.8

トウモロコシ計 42,128.5 80,052.0 41.4 37,924 50.9

 トウモロコシ第1作 31,554.2 31,652.9 16.4 99 0.1

 トウモロコシ第2作 10,574.3 48,399.1 25.0 37,825 50.8

その他 27,193.0 27,382.0 14.1 189 0.3

穀物計 119,114.2 193,554.8 100.0 74,441 100.0

作付面積

35資料:国家食料供給公社(Conab)資料より筆者作成。注.構成比は2013/14年度.

2003/04 2013/14 構成比 増分 増分寄与率

(1,000 t) (1,000 t) (%) (1,000 ha) (%)

大豆 21,375.8 23,301.1 47.5 8,797 91.3

トウモロコシ計 12,783.0 12,208.2 24.9 3,046 31.6

 トウモロコシ第1作 9,465.3 9,021.8 18.4 -2,848 -29.5

 トウモロコシ第2作 3,317.7 3,186.4 6.5 5,894 61.2

その他 13,263.7 13,558.9 27.6 -2,206 -22.9

穀物計 47,422.5 49,068.2 100.0 9,637 100.0

Page 36: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

生産増加の要因分析-大豆とトウモロコシ-

大豆 トウモロコシ(合計)

36

年度 2003/04 2013/14 倍率 年平均伸び率 寄与率

生産量(1000t) 49,792.7 86,120.8 1.7 5.6% 100.0%

作付面積(1000ha) 21,375.8 30,173.1 1.4 3.5% 62.3%

単収(kg/ha) 2,329.0 2,854.0 1.2 2.1% 36.5%

年度 2003/04 2013/14 倍率 年平均伸び率 寄与率

生産量(1000t) 42,128.5 80,052.0 1.9 6.6% 100.0%

作付面積(1000ha) 12,783.0 15,828.9 1.2 2.2% 32.6%

単収(kg/ha) 3,296.0 5,057.2 1.5 4.4% 66.0%

資料:国家食料供給公社(Conab)資料より筆者作成。注.構成比は2013/14年度.

Page 37: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

生産増加の要因分析

トウモロコシ第1作 トウモロコシ第2作

年度 2003/04 2013/14 倍率 年平均伸び率 寄与率

生産量(1000t) 31,554.2 31,652.9 1.0 0.0% 100%

作付面積(1000ha) 9,465.3 6,618.0 0.7 -3.5% -11254%

単収(kg/ha) 3,334 4,783 1.4 3.7% 11765%

年度 2003/04 2013/14 倍率 年平均伸び率 寄与率

生産量(1000t) 10,574.3 48,399.1 4.6 16.4% 100%

作付面積(1000ha) 3,317.7 9,211.2 2.8 10.8% 65%

単収(kg/ha) 3,187 5,254 1.6 5.1% 31%

Page 38: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

大豆地域別生産量

5地域別 MATOPIBA地域

38

中西部の割合:25%(1983/84)⇒48.5%(2013/14)

Page 39: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

ブラジル人の主食

39

ブラジルのパン(朝食)家庭ではなく,パン屋でハムなどを挟んで潰して食べることが多い。

ブラジル人のソウルフード,ご飯+フェジョン(日本の味噌汁?)

昼食と夕食に食べるのが普通

Page 40: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

意外に低い ブラジル人の主食の自給率

40

資料:ブラジル食料供給公社(CONAB)より筆者作成

Page 41: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

穀物生産の特徴

• 穀物の生産増=大豆とトウモロコシの増加・大豆とトウモロコシ第2作は単収と面積が共に上昇して生産増

• ・トウモロコシ第1作は単収増により現状維持,面積は減少傾向

• 主食用穀物の自給率は高くない

41

Page 42: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

3.4 食肉需給の推移

42

Page 43: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

食肉生産の推移

43

資料:九州大学伊東研究室『世界の食料統計』より作成.原資料は米国農務省(USDA)PSD-Online.

Page 44: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

食肉消費の推移

44

Page 45: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

食肉価格の推移

食肉価格の推移 相対価格の推移

45

資料:清水(2012),原資料はConab.注.サンパウロ州卸売価格.

Page 46: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

食肉自給率の推移

46

資料:九州大学伊東研究室『世界の食料統計』より作成.原資料は米国農務省(USDA)PSD-Online.

Page 47: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

食肉輸出の推移

47

リーマン・ショック

Page 48: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

48

3.5 農業成長の要因と課題

Page 49: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

全要素生産性(TFP)の各国比較(1972-2002年)

資料:Barros (2012) より抜粋。

注:米国は1975-2004年。49

Page 50: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

TFPの米伯比較(1975-2005年)

期間 ブラジル 米国1975-2005 2.32% 1.73%2000-2005 3.94% 1.29%

資料: ブラジルに関してはGasques et al.(2008),米国に関してはUSDA(2010)の推計結果をもとに筆者作成。

50

Page 51: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

日伯セラード農業開発事業の概要

伯側 日本側 合計

第1期試験的事業(1979-1983年) 60,000 92 25 25 50

ミナス・ジェライス州 MG

第2期試験的事業(1985-1990年) 65,000 165 50 50 100

バイーア州 BA

マット・グロッソ MT

第2期本格事業(1985-1993年) 140,000 380 137.5 137.5 275

ミナス・ジェライス州 MG

ゴイアス州 GO

マット・グロッソ・ド・スル州 MS

第3期試験的事業(1995-2001) 80,000 80 55.2 82.7 137.9

マラニョン州 MA

トカンチンス州 TO

8事業地区合計 345,000 717 267.7 295.2 562.9

(333億円)(351億円)(684億円)

資料:ブラジル連邦共和国農務省・国際協力事業団(2002)『日伯セラード農業開発事業合同評価調査総合報告書』

略称 面積(ha) 入植農家数事業投入金額(100万ドル)

51

Page 52: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

地域別大豆生産量割合(2013/14)

52

資料:ブラジル農務省

Page 53: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

港の地域別大豆輸出割合(2013/14)

53

Page 54: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

中西部からの主要搬出ルート

54

Page 55: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

大豆輸送費の米伯比較

233.82285.74

97.6723.89

82.8381.36

10.09

414.32 401.08

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

MT(Sorriso) Iowa(Davenport)

海上

河川

トラック

農場価格

2007年US$/mt

55

資料:USDA, Soybean Transportation Guide: Brazil 2008

注. 港までの距離はSorriso~Santos間1,915km,Davenport~New Orleans間2,161km。 55

Page 56: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

56

アマゾン地域と法定アマゾン

法定アマゾンの境界

アマゾン地域(古典的アマゾン)の境界

セラード

パンタナル

アマゾン地域

法定アマゾン

法定アマゾンは1953年に区分。開発の為に設置された範囲。面積,522万km2。アマゾン地域より1/3広い。国土面積の61%。

この間のセラードで大豆等作付。

資料:清水(2008)

Page 57: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

57

Page 58: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

4.まとめ

58

Page 59: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

59

ブラジル農業成長の諸要因(1)

広大な農業フロンティア(セラード)の存在

セラードが属する,亜熱帯地域向け品種の開発

輸入代替工業化政策の転換。1999年、変動為替制に以降、通貨レアル切り下げ

穀物メジャーの進出(作付資金,販路開拓)

買手としての中国の経済成長

Page 60: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

ブラジル農業成長の諸要因(2)

面積と単収(生産性)が平行して上昇

トウモロコシは年2作収穫できるようになり、生産量変動リスクが軽減

高い食肉競争力(←飼料として大豆・トウモロコシ生産増)

⇒中西部への食肉企業の進出

さらなる農地拡大の余地

60

Page 61: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

ブラジル農業の課題

穀物で輸出余力があるのは大豆とトウモロコシのみ

生産拠点が内陸へ移ることにより輸出港への距離が拡大

収穫後(ポスト・ハーベスト)のインフラ未整備倉庫,輸送道路,鉄道,港湾設備 etc.

輸入に頼る投入財(農薬・肥料)環境制約口蹄疫による牛肉と豚肉の輸出制限中国経済に翻弄される輸出

61

Page 62: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

参考文献(1)

(一般政治経済)

• 堀坂浩太郎(2012)『ブラジル 跳躍の奇跡』,岩波書店。

• 二宮康史(2011)『ブラジル経済の基礎知識第2版』,ジェトロ。

(食料需給)

• 清水純一(2011)「ブラジルにおける食料需給の展開」『平成22年度世界の食料需給の中長期的な見通しに関する研究 研究報告書』http://www.maff.go.jp/primaff/koho/seika/project/pdf/jukyu3-4.pdf

• 清水純一(2012)「ブラジルにおける食肉需給の動向」『平成23年度カントリーレポート EU、韓国、中国、ブラジル、オーストラリア』,農林水産政策研究所。http://www.maff.go.jp/primaff/koho/seika/project/pdf/eunancr23-7.pdf

• 清水純一(2011)「ブラジル産トウモロコシの拡大過程」,清水達也編『変容する途上国のトウモロコシ需給 ー市場の統合と分離ー』,アジア経済研究所,研究双書No.596。

62

Page 63: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

参考文献(2)

(バイオ燃料)

• 小泉達治(2012)『バイオエネルギー大国ブラジルの挑戦』,日本経済新聞出版社。

• 清水純一(2008)「ブラジルにおけるエタノール生産」,坂内久・大江徹男編『燃料か食料か』,日本経済評論社。

• 清水純一(2013)「ブラジルにおけるバイオマスエネルギーの発展と政策形成の背景」,清水純一・坂内 久・茂野隆一編『復興から地域循環型社会の構築へ ー農業・農村の持続可能な発展ー』,農林統計出版。

(農業政策)

• 清水純一(2014)「ブラジル-急成長する輸出国の動き」、平澤明彦・菅沼啓輔編『世界の農政と日本』,農林統計協会。

(食料需給データーベース)

九州大学伊東研究室『世界の食料統計』,http://worldfood.apionet.or.jp/graph/。

63

Page 64: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

余談:共和政樹立までの歴史

64

1494 トルデシーリャス条約(ポルトガル・スペイン間で世界分割)

1500 カブラル、ブラジルを「発見」

1549 初代総督、サルバドールを首都に

1750 マドリード条約(スペイン領との境界策定)

1763 首都、リオデジャネイロに

1806 ナポレオン、大陸封鎖令。

1807 ナポレオン軍、ポルトガル侵入。ポルトガル王室、ブラジルに避難。

1808 ポルトガル王室、リオに到着、帝国の首都に。

1815 ワーテルローの戦い。ポルトガル・ブラジル・アルガウヴェ連合王国成立

1822 王太子ドン・ペドロ、「ブラジルの独立」を宣言(9月7日)、ペドロ1世。

1831 ペドロ2世即位。

1850 奴隷貿易禁止令。

1888 奴隷制廃止。

1889 帝政崩壊、共和制樹立(11月15日)。

1895 対日修好通商条約締結(今年で120年)。

1908 最初の日本人移民、サントス港に到着

Page 65: ブラジル農業の発展と課題 - maff.go.jp · 人口(2013年)(国連) 2億36万人(世界5位) 行政区分 26州と1連邦直轄区 gdp(2014年)(imf) 2兆3,530億ドル(世界7位)

65

ブラジル国旗の意味

緑:林業と農業

黄:鉱業

1889年11月15日朝8時30分のリオデジャネイロの空(帝政から共和制に移行した日)

27の星は1連邦直轄区と26州

子犬座プロキオン(アマゾナス州)

白:黄道Ordem e Progresso(秩序と進歩)仏の社会学者オーギュスト・コントの言葉