Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
3
世界でもっとも人口が多い国、中国。「世界の工場」として、現在、すさまじい勢いで経済成長を
続けています。2008年には北京五輪の開催、2010年には上海万博の開催を控え、今後ます
ます経済成長していくことが予想されています。その一方で、急速な発展に伴い、電力需要に
供給が追いつかず、電力不足が生じています。
今回は、現在の中国のエネルギー事情について、レポートします。
中国では経済成長により、電力需要が急激に伸びています(図1)。そのため、電力供給が追いつかず、
深刻な電力不足という問題が生じています。2003年から2005年の間に計画されている発電設備
の容量は、年平均3,000万kW以上。この数字から、中国では、わずか2年で、関東エリアの最大
電力分の需要(東京電力最大電力6,430万kW<2001.7.24>)が増加することが想定されます。
中国の発電設備容量は2000年時点で、3億1,900万kW、2030年までに10億kWを超えること
が予想されています(図2)。
電力需要が伸びる背景には、産業の活性化と市民生活レベルの向上があります。産業部門におい
ては、電力を大量に消費する鉄鋼やアルミなどの素材産業が活況であり、電力消費の伸び率を押し
上げるとともに、市民生活レベルの向上に伴い、エアコンの普及が進み、電力需要を大きく伸ばして
います。こうした状況のなか、昨年の夏、上海などでは深刻な電力不足に陥り、電力の供給制限や
輪番停電が実施され、中国に進出した日本企業にも大きな影響がありました。
中国のエネルギー事情
電力不足の状況Ⅰ
■ 図1 中国の電力消費量(1990~2001年)
●ここ10数年の間に、日本全体の販売電力量に
ほぼ匹敵する8,000億kWh近く(2001年
日本(10電力合計):8,241億kWh)の電力
消費量が増加
出典:IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003
■ 図2 中国の発電設備容量(2000→2030年)
●中国の発電設備容量は2000年時点で、日本を
上回る規模●中国国内の発電設備容量は、今後30年程度の間
(2000→2030年)に、3倍強に増加する見込み* 電力10社合計(含む他社受電)
出典:IEA WORLD ENERGY OUTLOOK 2002
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
1990 1995 1999 (年)
(億kWh)
20012000
13,97312,898
11,7919,577
6,040
11年間に8,000億kWh近く電力消費量が増加
0
200
400
600
800
1,000
1,200
2000
229
319
1,087
(百万kW)
(年)2030
日本の発電設備容量* (2000)
2億2,900万kW
中国 日本
4
昨夏の電力不足
昨年は、電力の供給力不足が顕著で、中国全土31の省・直轄市のうち、半数以上の18の地域で
電力供給制限が実施されました。
特に、上海などがある華東では、需要規模の約2割にあたる規模の1,260万kWの供給制限が
行われるとともに、6月から8月までの間、毎週のように輪番停電が実施されました。中国に進出
した日本企業では、電力不足の影響を受け、操業が制限されるなどの多くの影響を受けました。
今年の1~3月期においても電力不足
今年の1月から3月にかけても、供給力が急増する需要に追いつかず、24の省・直轄市において、
約2,000万kWの供給制限が実施されました。
今夏はどうなのか
電力供給力の不足は簡単には改善せず、6月3日、中国政府は、今夏の最大電力が昨夏の2.6億kWを
大幅に上回ると見られることから、電力供給力不足のために、全国で3,000万kWの供給制限を実施
せざるを得ないとの見通しを明らかにしました。
中国政府は、こうした電力の供給力不足に、新規電源開発の前倒し、電力需要抑制策、電力融通の
強化といった施策によって、対処する方針ですが、当分は、電力の供給力不足という状況は、簡単に
は改善せず、しばらくは、危機的な状況が続きそうです。
■ 図3 中国における電力不足状況
2003年(実績)
電力不足の状況 〈供給制限の規模〉
270万kW
1,260万kW
360万kW
100万kW
2004年(予想)
300万kW
1,500万kW
300万kW
500万kW
華 北
華 東
華 中
南 方
送電事業会社
国家電網公司
北京市、天津市、河北省、内蒙古(一部)、山東省、山西省
遼寧省、吉林省、黒龍江省、内蒙古(一部)
上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、福建省
江西省、河南省、湖北省、湖南省、重慶市、四川省
陜西省、甘粛省、青海省、寧夏区、新疆区
広東省、広西区、海南省、貴州省、雲南省
華北電網公司
東北電網公司
華東電網公司
華中電網公司
西北電網公司
中国南方電網有限責任公司
地 域
〈 電力網の区割と地域との対応 〉
華北
華中
南方
華東
黒龍江省
吉林省
遼寧省
河北省 山東省
江蘇省
浙江省
安徽省 河南省
山西省
陜西省
新疆ウイグル自治区
チベット自治区
甘粛省
湖北省
湖南省 江西省 福建省
広東省
香港
海南省
広西壮族 自治区
貴州省
四川省
雲南省
青海省
内蒙古自治区
寧夏回族自治区
5
経済成長
近年、急速に経済発展を遂げる中国。1990年から2000年の間、世界全体の平均年間経済成長率
3.0%に対して、中国の平均年間経済成長率は9.9%と、急激な勢いで経済成長をしています。
2001年には、WTO(世界貿易機関)への加入も達成し、今後、貿易大国へと発展していくことが
予想されています。また、北京五輪(2008年)などの世界的なイベントが控えており、2000年から
2030年にかけてGDP規模で4倍、年平均4.8%と、急激な経済成長を遂げる見込みです。
急速な経済成長Ⅱ
■ 図4 中国のGDP規模(購買力平価換算※によるGDP、単位10億米ドル、1995年価格)
出典:IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003(1971年~2001年)IEA WORLD ENERGY OUTLOOK 2002(2010,2020,2030年推計)
出典:IEA ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 2003IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003
出典:IEA ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 2003IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003
※為替換算:為替レートを使った、通貨換算のこと。今回は、1995年時点の米ドルを基準として換算を行っている。
※ 購買力平価換算:各国の物価水準の違いを調整し、それぞれの通貨の購買力(購入できる商品やサービスの量)を等しくさせる通貨換算レートのこと。たとえば、ある商品が、日本で20,000円、米国で100ドルで購入できる場合、購買力平価は20,000円÷100ドル=200円/ドルとなる(米国で1ドルで買えるものが日本で買うといくらになるかを表す)。
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
18,000
20,000
1971
427
1980
743
1990
1,777
2001
4,863
2010[推計]
8,484
(10億米ドル/1995年価格)
(年)2020[推計]
13,428
2030[推計]
19,753
急速な勢いで成長
■ 図5 中国と日本の経済成長比較(1990~2001年)
~1990年時点のGDPを1とした時の成長率~(購買力平価換算によるGDP、1995年価格)
19951990 200120001999 (年)0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
1
1.73
2.372.56
2.74
1.07 1.12 1.15 1.14
中国 日本
■ 図6 為替換算レートによるGDP比較(中国、日本)(為替換算※によるGDP、単位10億米ドル、1995年価格)
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
1990
505
4,936
1,282
5,648
(年)
(10億米ドル/1995年価格)
2001
中国日本
6
人 口
中国の人口は世界でもっとも多く、世界の総人口の約2割を占めています。一方で、出生率の低下
に向けて、政府が積極的な施策を講じてきたこともあり、1971年から2000年の人口増加率は
年率1.4%とそれほど高くはありません。
しかしながら、今後の経済成長に伴い、1人当たりのエネルギーの使用率が増加してくると、世界の
エネルギー需要のバランスが大きく崩れる可能性があります。
■ 図7 世界の人口比率
中国 21.0%
その他 40.1%
インド 16.9%
米国 4.7%
インドネシア 3.4%
ブラジル 2.8%
ロシア 2.4%
世界の人口(2001)
61億260万人 日本 2.1%
ナイジェリア 2.1%
バングラデシュ 2.2%
パキスタン 2.3%
世界全体
中国
インド
米国
インドネシア
ブラジル
ロシア
パキスタン
バングラデシュ
ナイジェリア
日本
人 口 構成比
(百万人)
6,102.6
1,278.6
1,032.4
285.9
209.0
172.4
144.8
141.5
133.3
129.9
127.2
100.0%
21.0%
16.9%
4.7%
3.4%
2.8%
2.4%
2.3%
2.2%
2.1%
2.1%
出典:IEA ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 2003IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003
■ 図8 中国の人口推移(1971-2030)
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
1,600
(年)
(百万人)
1971
845
1980
986
1990
1,141
2001
1,279
2010[推計]
1,363
2020[推計]
1,442
2030[推計]
1,481
出典:IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003(1971年~2001年)IEA WORLD ENERGY OUTLOOK 2002(2010,2020,2030年推計)
一次エネルギー消費量
中国の一次エネルギー消費量は、世界の一次エネルギー消費量の10%強を占めており、米国に
次いで世界第2位の規模となっています。今後も高度経済成長によって、エネルギーの需要および
輸入が拡大し、世界に占める割合は増加していくものと予想されます。
エネルギーの現状Ⅲ
7
■ 図9 世界の一次エネルギー消費量上位国(百万トン/石油換算)
米国22.7%
中国11.5%
ロシア 6.2%インド 5.3%
日本5.2%
その他49.0%
世界の一次エネルギー消費量上位国
100億2千9百万トン(石油換算)(2001)
世界全体
米 国
中 国
ロ シ ア
イ ン ド
日 本
一次エネルギー 消費量 構成比
10,029
2,281
1,156
621
531
521
100.0%
22.7%
11.5%
6.2%
5.3%
5.2%
出典:IEA ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 2003IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003
*私たちが普段利用しているエネルギーは、原油・ウランなど原料となるエネルギーを、電気やガソリンなど、使いやすいように形を変え、利用しています。このように、形を変える(転換)前のエネルギー、すなわち、原料となるエネルギーを一次エネルギーと呼び、加工してできるエネルギーを二次エネルギーと呼びます。例えば、原油は一次エネルギーですが、加工して出来るガソリンは二次エネルギーとなります。
■ 図10 中国の一次エネルギー消費量におけるエネルギー源別の内訳(2000年→2030年)
一次エネルギー消費量合計
21億3千3百万トン(石油換算)
一次エネルギー消費量合計9億5千万トン(石油換算)
石炭59.9%
石油27.1%
ガス7.1%
原子力3.0%
水力2.5%
その他0.4%
その他0.1%
水力2.0%
原子力0.4%ガス3.2%
石油24.8%
石炭69.4%
石 炭
石 油
ガ ス
原子力
水 力
その他
消費量 構成比
消費量 構成比
2000年
659
236
30
4
19
1
69.4%
24.8%
3.2%
0.4%
2.0%
0.1%
石 炭
石 油
ガ ス
原子力
水 力
その他
2030年
1,278
578
151
63
54
9
59.9%
27.1%
7.1%
3.0%
2.5%
0.4%
(百万トン/石油換算)
(百万トン/石油換算)
2000年 2030年
出典:IEA WORLD ENERGY OUTLOOK 2002
今後のエネルギー需要の見通し
2000年~2030年における中国の一次エネルギー消費量の増加率は、年率2.7%、規模にして
2.25倍に達すると予測されています。
一次エネルギー消費量におけるエネルギー別の内訳を見ると、圧倒的に石炭の比率が高く、7割弱を
石炭が占めます。今後も石炭の割合は、高い水準で推移しますが、2000年の69%から2030年
には60%に低下し、代わりに、石油・天然ガス・原子力・水力の割合が増加していくことが予想されて
います(図10)。
中国国内のエネルギー資源
経済成長がめざましい中国ですが、成長度には地域によって、大きな格差があります。現在、発展の
中心になっているのは、上海や北京などの直轄市を始め、浙江省、広東省、江蘇省といった東部
沿岸地域です。
こうした地域では、個人の生活レベルが向上したことによって、家電製品が普及し、電力需要が
急速に高まっています。中国に進出した日本企業もその多くが東部沿岸地域に集中しています。
中国国内の主なエネルギー資源の埋蔵されている場所
8
中国政府は、西部に豊富に埋蔵されているエネルギー資源を開発し、消費地である東部沿岸地域
に送るとともに、大規模な開発によって、西部地域の経済発展を促進するという壮大な計画を立て、
実施を行っています。これが、「西部大開発計画」です。
この計画に基づき、西部に埋蔵される石炭や天然ガス、水力などのエネルギー資源を現地で発電、
電力に変えて、消費地である東部沿岸地域に送電する「西電東送」、天然ガスパイプラインで、新疆
ウイグル自治区(タリム盆地)と上海間全長4,000kmを結び、ガスを東部沿岸地域に送る「西気東輸」
が進められています。
その反面、甘粛省や雲南省、新疆ウイグル自治区などそのほかの地域では、それほど開発が進んで
おらず、経済成長の恩恵を受けていません。特に、貴州省の1人当たりのGDPは、上海市の1人
当たりのGDPの10分の1にも達しておらず、格差も年々拡大しています。
一方で、中国国内には、まだ開発されていない、豊富なエネルギー資源が埋蔵されています。この
大部分が、経済的に貧しい西部地域に多く分布しています。
【石 炭】
貴州省、山西省、陜西省、寧夏回族自治区、新疆ウイグル自治区、内蒙古自治区など
【天然ガス】
陜西省、四川省、新疆ウイグル自治区など
【水力資源】
四川省、雲南省、貴州省など
【石 油】
黒龍江省、遼寧省、山東省、新疆ウイグル自治区など
■ 図11 中国のエネルギー資源分布
黒龍江省
吉林省
遼寧省
北京市 天津市
河北省
山東省
江蘇省
浙江省
上海市 安徽省
河南省
山西省
陜西省
新疆ウイグル自治区
チベット自治区
甘粛省
寧夏回族自治区
湖北省
湖南省 江西省
福建省
広東省
香港
海南省
広西壮族 自治区
貴州省
四川省
雲南省
青海省
内蒙古自治区
石 炭
経済成長が著しい地域
天然ガス
水力資源
石 油
石 油
石油の消費量は、運輸部門が牽引する形で、
年々増加しています。今後、自動車の普及に伴い、
年々需要が増大してくことが予想されます。
これに対し、国内の供給面では、大慶油田(黒龍
江省)などの従来からある国内油田に加えて、
最近では、渤海沖などの沖合油田の開発が進ん
でいます。ただし、主な国内供給源である中国
東部の油田が寿命を迎えることから、国内生産
量は長期的には増大しないものと思われます。
したがって、増加する消費量分の大半を輸入で
まかなわなければなりません。
現在、原油輸入の大半は中東からの輸入ですが、これに加えて、中国国営の中国石油天然氣集団
公司などが、インドネシア、カザフスタン、ベネズエラ、スーダン、イラン、ペルーにおいて探査権・
産出権の獲得をしています。9
(百万トン/石油換算)
192
313
538
(年)1971 1980 1990 2001 2010[推計]
2030[推計]
642
854
1,278
0
300
600
900
1,200
1,500
出典IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003(1971年~2001年)IEA WORLD ENERGY OUTLOOK 2002(2010,2030年推計)
出典IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003
石 炭
石炭は、中心的なエネルギー源として利用されています。一次エネルギー消費量は過去30年間に
わたり年率4.3%で伸びており、2000年~2030年までの間において、伸び率は低下するものの、
年平均2.2%で増加することが予測されています。
中国は世界最大の石炭消費国ですが、国内に石炭資源が豊富にあり、日本や韓国に石炭を輸出して
います。政府としても今後石炭輸出を強化していく予定ですが、急増する国内需要をまかないつつ、
輸出を拡大できるかは不透明な状況です。
エネルギー別の状況Ⅳ
■ 図12-1 中国の石炭一次エネルギー消費量
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1,000
(年)
(百万トン/石油換算)
1971 1980 19851973 199919951990 2000 2001
2.07 3.16 0.612.09
25.8518.07
5.55
40.58
61.01
-100
-80
-60
-40
-20
0
20
40
60
80
石炭純輸出量 石炭生産量
194 207311
419537
691 670 678 699
■ 図12-2 中国の石炭生産量、石炭輸出量の推移
(百万トン/石油換算)
43.18
94.45115.68
(年)1971 1980 1990 2001 2010[推計]
2030[推計]
235.54
578
336
0
100
200
300
400
500
600
出典IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003(1971年~2001年)IEA WORLD ENERGY OUTLOOK 2002(2010,2030年推計)
■ 図13-1 中国の石油一次エネルギー消費量
10
●国産天然ガス…「西気東輸」西部タリム盆地における天然ガスを上海などの東部地域に輸送する。2000年9月に着工し、2005年のメインパイプライン供給開始を目標とする。東部区間は完成し、今年1月18日に商業運転を開始。
●海洋天然ガス…「海気登陸」海洋ガス田から産出される天然ガス(海南島沖、東シナ海沖など)を海底パイプライン経由で輸送。
(年)
(百万トン/石油換算)
1971 1980 1990 2001 2010[推計]
2030[推計]
0
20
40
60
80
100
120
140
160
33.4
15.812.03.1
57
151
■ 図14 中国のガス一次エネルギー消費量
天然ガス
天然ガスの一次エネルギー消費量は今後30年間で約5倍に増大すると予測されますが、一次エネ
ルギー消費量全体としては、依然として低い水準で、約7%にとどまります。
中国国内のガス田は、西部の3盆地(タリム盆地、四川盆地、オルドス盆地)と中国大陸沖合が主な
産出地です。これを消費地である東部沿岸地域に輸送するため、タリム盆地と上海間全長4,000km
を結ぶ「西気東輸」、東シナ海沖から沿岸地帯まで海底パイプラインで結ぶ「海気登陸」が建設中です。
また、LNG受入ステーションが、広東省(2005年から供給開始予定:オーストラリア北西大陸棚
プロジェクトからLNG輸入予定)と福建省(2007年から供給開始予定:インドネシアタングープロ
ジェクトからLNG輸入予定)に建設中であり、輸入計画が着々と進んでいます。このほかにも上海
南部の浙江省、天津にも300万t/年規模のLNG受入ステーションを建設予定です。
0
30
60
90
120
150
180
210
240
270
300
(年)
(百万トン/石油換算)
1971
40
3.77
2001
164
81.79
2000
163
87.08
輸入
1999
160
60.88
1995
150
20.59
1990
138
-17.57
1985
127
-31.2
1980
108
-10.99
1973
55
2.99
-200
-180
-160
-140
-120
-100
-80
-60
-40
-20
0
20
40
60
80
100
石油純輸入量 原油及びNGL生産量
出典:IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003
出典IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003(1971年~2001年)IEA WORLD ENERGY OUTLOOK 2002(2010,2030年推計)
■ 図13-2 中国の石油需給バランス
93年以来、石油輸入国に転じ、
以降年々輸入量が拡大している。
11
西シベリア 輸入200~300億K
(南シナ海)
(東シナ海) 台湾
中央アジア諸国 輸入300億K
トルファン盆地 256億K
タリム盆地 5,150億K
ツァイダム盆地 1,472億K
四川盆地 7,025億K
オルドス盆地 4,088億K
鶯歌海盆地 1,606億K 崖城ガス田
東南盆地 884億K
麗水ガス田
春暁ガス田
平湖ガス田
東海盆地 842億K
渤海湾盆地 2,755億K
松遼盆地 754億K
大慶油田
中原油田
ロシア極東 サハリン
輸入100億K
満州里
依蘭
ハルビン
大慶
長春
鉄法 新民 瀋陽 撫順
興隆台
鞍山
遼陽
北京市 天津市
大連
龍口 威海
煙台 掠兄
膠州
日照
連雲港
塩城
南京
常州
淮北 淮南 定遠 南通
上海
岱山
大蘓島
紹興
温州
蒿嶼 アモイ
秤頭角
香港
汕尾 広州市 深セン マカオ 江門
湛江
海口
十万大山 鉄州
桂林
韶関
長沙
武漢 潜江 忠県
重慶
渠県 射洪 青百江 成都
Qili
越渓
付家廊
遵義
貴陽 盤江
昆明 楚雄 大理
景洪
合肥 信陽
杭州
金華 寧波
南昌
南寧
剥東
三亜 鶯歌海
東方 楽東
福州
青島
永清
石家荘
濮陽 鄭州
侯馬
洛陽
韓城
西安
蘭州 西寧 ゴルムド
渋北
敦煌
柳園
ハミ 膳善
コルラ
塔中
輪南
ウルムチ 石河子
克拉瑪伊
Baikonguan
柯克亜
Kuibage
武威
張掖
甘塘 銀川
鳥審旗 楡林
靖辺
太原
フホホト
滄州
済南 泰安 徑鴬
孤島
重慶市
LNG、300万t(2005) 500万t(2009)
確認原始埋蔵量(2000年)
LNG、260万t(2007年)
50~120億K33億K
50~ 100億K
LNG受入ステーション 炭層ガス 油・ガス田 一般都市 省都 既設パイプライン 2001年~2005年期間のパイプ・ライン建設計画 2006年~2010年期間のパイプ・ライン建設計画 2011年~2020年期間のパイプ・ライン建設計画
凡 例
(出所) 日本エネルギー経済研究所
県
シュンカル盆地 253億K
■ 図15 中国の天然ガスパイプライン図
電源構成
中国全体の発電設備容量は、3億1,900万kW(2000年時点)であり、2005年時点では、中国全体
で約4.8億kWに、2010年には6.5億kW、2020年には9.51億kWに達する計画を立てています。
1. 石炭
石炭資源が豊富に埋蔵されていることに加えて、石炭火力発電所の建設コストも低いため、新設
される発電所の大半は石炭火力発電所となります。
2. 天然ガス
天然ガス火力発電は、現在、極めて低い水準にありますが、今後は、普及促進が国の重要課題と
位置づけられており、今後、構成比率は上昇することが見込まれます。
3. 原子力発電
原子力発電については、91年に初めて運転が開始され、現在、広東省、浙江省にある、9基の原子力
発電所(672.4万kW)が稼働しており、100万kW2基が現在建設中(江蘇省)です(2004年4月時点)。
最新の計画によれば、2020年までに3,600万kW程度に拡大する計画で、発電電力量に占める
割合は、2030年には5%に増加します。
電力事情Ⅴ
12
1
2
3
4
5
6
7
8
9
秦山 Ⅰ
大亜湾 1
大亜湾 2
秦山 Ⅱ-1
嶺澳 1
秦山 Ⅲ-1
嶺澳 2
秦山 Ⅲ-2
秦山 Ⅱ-2
名 称 淅江省
広東省
広東省
淅江省
広東省
淅江省
広東省
淅江省
淅江省
30万kW
90万kW
90万kW
60万kW
98.4万kW
72.8万kW
98.4万kW
72.8万kW
60万kW
100万kW
100万kW
PWR
PWR
PWR
PWR
PWR
CANDU
PWR
CANDU
PWR
AES-91
AES-91
1991/12/15
1993/ 8/31
1994/ 2/ 7
2002/ 2/ 1
2002/ 4/ 5
2002/11/10
2002/12/15
2003/ 6/12
2004/ 3/11
2004/ 5/15(予定)
2005/ 5/15(予定)
場 所 出 力 原子炉形式 商業運転開始
田湾 1
田湾 2
江蘇省
江蘇省
合 計 672.4万kW
合 計 200万kW
1
2
■ 図17-1 中国の原子力発電所
吉林省
遼寧省
北京市 天津市
河北省
山東省
江蘇省
浙江省
田湾原子力発電所
広東大亜湾原子力発電所
広東嶺澳原子力発電所
上海市 安徽省
河南省
山西省
陜西省
湖北省
湖南省 江西省
福建省
広東省
海南省
広西壮族自治区
貴州省
四川省
内蒙古自治区
寧夏回族自治区
秦山原子力発電所
運転中 建設・計画中
原子力発電所
■ 図17-2 中国の原子力発電所所在地
4. 水力
中国は、水力発電に適した国土であり、現在、中国水利省は水力資源の開発を積極的に推進中です。
三峡ダムが完成すると、発電能力は、三峡ダム単体で1,820万kWに及びます。このほか、大型水力
発電所として、西部の小湾、龍灘発電所などを着工開始するとともに、長江上流における向家等の
水力発電所のFS(Feasibility Study*)作業を進めています。*ある事業やプロジェクトの実施可能性を検討する調査。技術的な可能性や、投資に対する利潤が発生するかどうかなどの検討を行います。
石油1.1% その他0.9%
石炭72.8%
水力12.9%
原子力5.0%
ガス7.3%
2030年合計48,130億kWh
原子力1.2% 石油3.3%
石炭77.9%
水力16.0%
ガス1.4%
2000年合計13,870億kWh
その他0.1%
出典:IEA WORLD ENERGY OUTLOOK 2002
■ 図16 中国におけるエネルギー別発電電力量構成比率(2000年→2030年)
原子力3,200
31.0%
水力842
8.1%
石炭 2,38723.1%
ガス2,568
24.9%
石油1,171
11.3%
その他164
1.6%
2001年 合計
10,332億 kWh
日本におけるエネルギー別発電電力量構成比率(2001)
参考
��������������������������������������������
��������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������
����������������������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
������������������
������������������
������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������������
����������������������������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
����������������
13
三峡ダムプロジェクト
三峡ダムプロジェクトは、長江(揚子江)の中流に、巨大な貯水池を建設するプロジェクトです。このプロ
ジェクトは、世界最大の水利系のプロジェクトであり、「万里の長城以来の大工事」と言われています。特に、
湖北省に建設されている水力発電所は、完成すれば、発電設備容量1,820万kW(70万kW×26台)を誇る
世界最大の発電所となります。2003年8月に発電を開始し、現在(2004年7月末時点)の出力は、70万
kWの発電機9台が稼働し、上海などの東部へ電気を送電しています。一方で、このプロジェクトのために、
杜甫や李白の歌に詠まれた三峡の景勝地が水没し、100万人以上の人が移住を余儀なくされました。
経済発展によって急速に電力需要が伸びる中国では、1年間で増える電力需要が、この世界最大の発電所
の容量さえ上回っています。そのため、水力・石炭・天然ガスなど西部地域の豊富なエネルギー資源を電力
に変えて大消費地の東部に輸送することで、電力供給を達成しようとしています。これが「西電東送」計画で
す。この中でも、最も重要な役割を果たすのが、水力発電です。中国は、世界屈指の水力資源を保有します。
これまでは、東部沿岸地域の急激な需要増に対応するため、比較的短期間で建設できる石炭火力発電所が中
心でしたが、輸送上や環境対策の面で大きな問題を抱えています。華東、華中、華南を結びつける三峡ダム
と水力発電所は、発電能力もさることながら、「西電東送」のための電力ネットワークの集散地として、中国全
土へ広がっていく広域電力網の拠点としての役割が期待されています。
三峡水力発電所の年間発電量は、840億kWh。世界でも類を見ない巨大発電所が、今まさに全面稼働し
ようとしています。
◆◆ 当社と中国との交流 ◆◆
定期交流会議
当社は、1986年から毎年1回、互恵平等・友好促進の立場で、日中両国の電気事業の交流を目的とした
経営トップレベル交流を実施しています。当初、水利電力部と交流をしておりましたが、中国側の組織改編
に伴い、能源部、電力工業部、国家電力公司へと交流相手が変更となり、2002年の組織改革後は、国家電
網公司と定期交流を続けています。
この定期交流は、東京と北京で交互に実施され、2003年度までに計18回実施されています。訪問団は
6~8名で構成されており、期間は10日程度で実施しています。発電、送配電関連のテーマを中心に、その
時々の状況を踏まえながら、経営財務、電気料金制度、環境保全、電力市場自由化など、協議のうえテーマ
を選定しています。
訪問団の受け入れ
これまで、東京電力では多くの訪問団を中国から受け入れています。特に1992年から2001年にかけ
た10年間で、各省電力公司の社長や支店長、発電所長等、計300人程度の幹部を対象とした研修を実施
しました。
幹部を対象とした研修とは別に、近年は配電設備および配電自動化に関する実務者を中心としたミッ
ションも多く受け入れています。また、環境問題の観点から、改良型コンバインドサイクル発電(熱効率の高
い火力発電の方式)に関する訪問団や石炭火力発電の効率向上をテーマにした訪問団も受け入れています。
その他、中国側の要求に合わせ、様々な訪問団の受け入れを毎年多数実施しています。
以上
14
環境問題Ⅵ
■ 図18 化石燃料燃焼に伴う世界のCO2排出量(2001年)
出典:
IEA CO2 EMISSIONS FROM FUEL COMBUSTION 2003Edition
米国24.0%
中国13.1%
ロシア6.4%日本
4.8%
インド4.3%
ドイツ3.6%
イギリス2.3%
カナダ2.2%
韓国1.8%
イタリア1.8%
フランス1.6%
その他34.1%
世界のCO2排出量合計236億8千4百万トン
(単位:CO2百万トン)
世界全体
米 国
中 国
ロシア
日 本
インド
ドイツ
イギリス
カナダ
韓 国
イタリア
フランス
CO2排出量
23,683.8
5,673.3
3,112.6
1,519.5
1,132.3
1,013.5
850.2
540.8
519.5
435.8
425.3
384.9
構成比
100.0%
24.0%
13.1%
6.4%
4.8%
4.3%
3.6%
2.3%
2.2%
1.8%
1.8%
1.6%
中国のエネルギー源は、石炭を中心とする化石燃料ですが、化石燃料燃焼による環境問題は、中国
国内でも大きな問題となっています。都市部では、エネルギー利用に伴う大気汚染が大幅に進行し
ていますが、産業活動の活発化によって、農村部でも大気汚染が進行しています。
世界で大気汚染が最も深刻な10都市のうち、中国の都市が7カ所を占めるほか(世界保健機関
1998年度発表)、酸性雨の被害を受けた面積は国土全体の30%に相当します。
中国政府は公害抑制に向け取り組んでおりますが、その方針は、2005年までに、二酸化硫黄など
の主要汚染物質の濃度を2000年水準の10%減に抑えることであり、地球温暖化の主要因となっ
ている二酸化炭素(CO2)の削減は含まれていません。
中国は、世界各国の中でも、温室効果ガスの主な発生源となっており、二酸化炭素排出量は世界第
2位の規模となっています。中国では、エネルギー消費量が大幅に増加することに加え、石炭が主要
なエネルギー源であることが予想され、二酸化炭素排出量が着実に増加すると見込まれています。
地球温暖化の原因となる温室効果ガスの各国の削減目標について定めた京都議定書の中に、中国
は含まれていません。
今後、地球温暖化問題において、中国が与える影響はますます大きくなるものと思われます。
これまで、中国におけるエネルギー需要の急速な増加やそれに伴う環境問題などを見てきまし
たが、一次エネルギー消費量やCO2排出量の値を国民1人当たりに換算すると、中国は世界平準より
もまだまだ低い水準であることが分かります(図19-1,19-2)。しかし、経済成長に伴って、この数値
も年々上昇することが予想されますが、この影響について、最後に考えてみたいと思います。
一次エネルギー消費量を例にとって、仮に、1人当たりの一次エネルギー消費量が世界平均並みに
なったとした場合、中国全体の一次エネルギー消費量はどうなるでしょうか。中国の一次エネルギー
消費量は、アメリカに匹敵するレベル、つまり、日本の4倍近くとなります。これが、日本並みになっ
た場合どうなるでしょうか(図20)。エネルギー資源は無限のものではなく、有限のものです。今後、
中国の急速な発展が、世界全体を巻き込む大きなエネルギー問題として顕在化していくものと思われ
ます。
同様のことが、環境問題についてもいえます。経済成長によって、中国のCO2排出量が大幅に
増加し、それに伴って、世界全体のCO2排出量も増加することになります。
15
■ 図19-1 1人当たりの一次エネルギー消費量(2001年)
出典:IEA ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 2003IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003
0 1 2 3 4 5 6 7 8(石油換算トン/人)
アメリカ 7.98
4.68
4.09
1.64
0.95
0.9
OECD加盟国平均
日本
世界平均
OECD非加盟国平均
中国
■ 図20 中国の1人当たりの一次エネルギー消費量が増加した場合
0.0
2.0
4.04.09
1.64
0.9
6.0
8.0
10.0
日本の人口1.27億人
米国の人口2.86億人
①
②
③
中国の人口12.79億人
0.9
7.98
4.09
(石油換算トン/人)
(人口)
■ 図19-2 化石燃料燃焼に伴う1人当たりのCO2排出量(2001年)
出典:IEA CO2 EMISSIONS FROM FUEL COMBUSTION 2003Edition
0.0
3.0
6.0
9.0
12.0
15.0
18.0
21.0(CO2トン/人)
米国OECD加盟国平均
日本世界 平均
OECD非加盟国平均
中国
2.09 2.433.88
8.90
10.99
19.84
中国の1人当たりの一次エネルギー消費量、CO2排出量が増加した場合Ⅶ
面積の大きさが、その国の一次エネルギー
消費量を表す。
●中国は人口が多いが、現在、1人当たりの一次
エネルギー消費量が少ないため〔①〕、一次エネ
ルギー消費量(面積)は、米国の2分の1、日本の
2倍の水準です。
●これが、1人当たりの一次エネルギー消費量が世
界平均並み(1.64トン)になった場合〔②〕、消費
量(面積)は米国並み、日本の4倍の水準となり
ます。
●さらに、1人当たりの一次エネルギー消費量が伸
びて、日本並みに(4.09トン)なった場合〔③〕、
米国の2.3倍、日本の10倍にも達します。