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チュートリアルファイルサーバー環境構築編(samba)
1www.interface.co.jp
目 次
第 1章 はじめに 3
第 2章 構築準備 3
第 3章 構築作業 4
3.1 sambaパッケージのインストール確認..............................................................................43.2 共有ディレクトリの作成.....................................................................................................53.3 ディレクトリの生成確認.....................................................................................................53.4 ディレクトリの属性設定.....................................................................................................63.5 sambaサーバー用設定ファイルの編集..............................................................................93.6 sambaサーバーの再起動....................................................................................................103.7 sambaサーバーの起動設定.................................................................................................113.8 sambaサーバー側の IPアドレス設定...............................................................................133.9 クライアント側の設定.......................................................................................................14
第 4章 動作確認 15
第 5章 自動マウントの設定方法 15
2
第1章 はじめに
本書は、Interface Linux System上にファイルサーバー(samba)を構築する手順について解説した
チュートリアルです。
初めての方でも本書を参考にする事で迷うことなくわかり易い手順でファイルサーバー(samba)の
構築を行なうことができます。
・ファイルサーバーとは
ファイルサーバーとは、ネットワーク上で、ファイルを共有するために設置されるサーバーです。
複数のクライアントが同じファイルを必要とする場合、ファイルを共有しておけばその転送の
手間が省け、また、ファイルを更新した際に起こりがちな不整合を防ぐことができます。
また、バックアップなどデータ管理も一括で行えます。
・Interface Linux Systemのディレクトリ構造例
/(ルート)-----/boot
-----/etc
-----/bin
-----/sbin
-----/usr
-----/home---/user
---/ajan-ap-fs ※ 今回、作成するディレクトリ
-----/var
-----/proc
-----/sys
-----/dev
-----/tmp
-----/mnt
-----/lib
・
・
・
第 2章 構築準備
Interface Linux Systemを搭載したサーバー用、クライアント用のコンピューターを準備し
ネットワーク環境へ接続してください。
3
第 3章 構築作業
構築の大きなステップは以下の通りです。
ステップ1 sambaパッケージのインストール確認
ステップ2 共有ディレクトリの作成
ステップ3 ディレクトリの属性設定
ステップ4 sambaサーバー用設定ファイルの編集
ステップ5 sambaサーバーの再起動
ステップ6 sambaサーバーの起動設定
ステップ7 sambaサーバー側のIPアドレス設定
ステップ8 クライアント側の設定
3.1 sambaパッケージのインストール確認
Interface Linux System上にsambaパッケージがインストールされていることをdpkgコマンドを
使用して確認します。
「|」はパイプといい、コマンドの標準出力を次のコマンドに渡す処理で用います。 dpkgでイン
ストール済みパッケージの情報を抽出し grepコマンドに渡します。grepコマンドはパッケージ情
報の中から文字列"samba”を含むパッケージ名を探し出し表示します。
以下のとおり"samba”で始まるパッケージが4つ表示されていることを確認します。
図1:sambaの確認画面
4
root@InterfaceLinux:~# dpkg -l | grep samba
3.2 共有ディレクトリの作成
sambaサーバーがインストールされていることが確認できたら、mkdirコマンドを使用
してクライアント側からアクセスするための共有ディレトリを作成します。
ここでは、作成するディレクトリ名を"ajan-ap-fs”としています。
/home/ の下に ajan-ap-fs というディレクトリを作成します。
図2:端末の画面1
3.3 ディレクトリの生成確認
homeディレクトリの下にajan-ap-fsという名のディレクトリが生成されているかlsコマンドを使用
して確認します。
/homeの下にあるディレクトリを表示します。
図3:端末の案角画面2
/homeの下にajan-ap-fsと userの二つのディレクトリがあることがわかります。
5
root@InterfaceLinux:~# mkdir /home/ajan-ap-fs
root@InterfaceLinux:~# ls /home
3.4 ディレクトリの属性設定
新しく作成したディレクトリ ”ajan-ap−fs" のアクセス権等の属性を設定します。
まず、現在の属性をlsコマンドを使用して確認します。
ディレクトリhome下のディレクトリ名、所有者、アクセス権等を表示します。
図4:端末の画面3
drwxr-xr-x 4 root root 4096 2017-02-06 13:39 ajar-ap-fs
d rwx r-x r-x 4 root root 4096 2017-02-06 13:39 ajar-ap-fs
d rwx r-x r-x
d:ファイル種別 ディレクトリ
rwx:所有者のアクセス権
r は読み取り権限
w は書き込み権限
x は実行権限
r-x:グループのアクセス権
r は読み取り権限
- はアクセス権削除(書き込み権限なし)
x は実行権限
r-x:その他のユーザ(root以外のuserや guest等)のアクセス権
r は読み取り権限
- はアクセス権削除(書き込み権限なし)
x は実行権限
6
root@InterfaceLinux:~# ls -l /home
ファイル種別 リンク数
アクセス権 所属グループ
ファイルサイズ
所有者 最終更新日時 ディレクトリ名
ファイル名
4:リンク数
ディレクトリのハードリンク(当該ディレクトリへのリンクの数)
親ディレクトリやサブディレクトリ,ディレクトリ自身から実体へのリンク
の数
root:所有者
root:所属グループ
4096:ファイルサイズ
2017-02-06 13:39:最終更新日時
ajan-ap-fs:ディレクトリ名
アクセス権限の見方
アクセス権は、8進数でも表すことができます。2進数表記で権限ありを「1」、権限なしを「0」と
すると、つぎのように表されます。
アクセス権 2進数表記 8進数表記
rwx 111 7
rw- 110 6
r-x 101 5
r-- 100 4
-wx 011 3
-w- 010 2
--x 001 1
--- 000 0
この表から現在のアクセス権限は755の状態であることがわかります。
rwx r-x r-x
7 5 5
7
グループのアクセス権とその他ユーザのアクセス権に、書き込み権限をつけます。
権限の変更にはchmodコマンドを使用し、755を 777に変更します。
図5:端末の画面4
lsコマンドを使用して、アクセス権が設定変更されたことを確認します。
図6:端末の画面5
グループのアクセス権とその他ユーザのアクセス権に、書き込み権限がついたことが確認できました。
8
root@InterfaceLinux:~# chmod 777 /home/ajan-ap-fs
root@InterfaceLinux:~# ls -l /home
3.5 sambaサーバー用設定ファイルの編集
sambaサーバーに共有ディレクトリの情報等を設定するために、smb.confファイルを開いて設定情報
を記述します。
smb.confファイルの編集には、viコマンドを使用します。
※/etc/samba/の下にある、smb.confを編集します。
※/etc は各種プログラムの設定ファイルが格納されているディレクトリです。
・102行目のsecurity = userのコメント(#)を解除し、shareに変更します。
security = share パスワードだけで認証する設定
userの場合は、ユーザ名とパスワードで認証を行う設定
・最下行に以下の8行を追加し、保存終了してください。
[ajan-ap-fs] 作成したディレクトリ名に変更する
path = /home/ajan-ap-fs 共有ディレクトリを指定する
writable = yes 書き込みを許可する
guest ok = yes ゲストユーザーを許可する
guest only =yes すべてゲストとして扱う
creat mode = 0777 フルアクセスでファイル作成を許可する
directory mode = 0777 フルアクセスでディレクトリ作成を許可する
share modes = yes 複数人が同一ファイルに同時アクセス時に警告する
・viエディタの主なキー操作
【コマンドモード→入力モード】
「i」・・・現在のカーソル位置で入力モードになる。
「a」・・・カーソルの一つ右から入力モードになる。
「A」・・・行末から入力モードになる。
「I」・・・行頭から入力モードになる。
「o」・・・現在の行の下に1行挿入し、その行頭から入力モードになる。
「O」・・・現在の行の上に1行挿入し、その行頭から入力モードになる。
【入力モード→コマンドモード】
「Esc」キーを押すと、入力モードからコマンドモードに切り替わります。続いて以下のコマ
ンドを入力します。
「:w」・・・ファイルの保存(上書き)
「:wq」・・・保存後、vi終了
「ZZ」・・・vi終了(ファイルが変更されている場合は保存)
「q」・・・viを終了(内容が変更されている場合は警告)
「q!」・・・viの強制終了(内容が変更されていても保存されない)
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root@InterfaceLinux:~# vi /etc/samba/smb.conf
3.6 sambaサーバーの再起動
sambaサーバーのデーモンを再起動し、smb.confに追記した内容を反映させます。
sambaに restart オプションコマンドを与え起動させます。
図7:端末の画面6
※/init.dにはサーバープログラム等のデーモンを起動させたり停止させたりするプログラムの実
体が格納されています。
※sambaがストップしたのち、再びスタートしたことがわかります。
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root@InterfaceLinux:~# /etc/init.d/samba restart
3.7 sambaサーバーの起動設定
OS起動時に、sambaサーバーのデーモンを毎回有効にするには、insservコマンドを使用します。
まず、現在のSambaの自動起動設定状態を、lsコマンドで調べます。
/rc*.dには起動や停止時に実行すべきスクリプトファイルが格納されています。
図8:端末の画面7
rc0.dからrc6.dまで、それぞれ実行するスプリクトファイルが分かります。
それぞれのinitレベルに対応したスクリプトファイルがあります。
init0 = 停止 (シャットダウン) :rc0.d のスクリプトを参照
init1 = シングルユーザーモード :rc1.d のスクリプトを参照
init2 = マルチユーザーモード :rc2.d のスクリプトを参照
init3 = init2と同じ :rc3.d のスクリプトを参照
init4 = init2と同じ :rc4.d のスクリプトを参照
init5 = init2と同じ :rc5.d のスクリプトを参照
init6 = 再起動 :rc6.d のスクリプトを参照
起動時のランレベルは、init2(マルチユーザモード)で、参照するスクリプトファイル
はrc2.dとなります。
/rc*.d下のスクリプトファイルは、先頭が"S"で始まれば起動、"K"で始まれば停止で、
"S"や"K"の後に続く数字順に実行されます。
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root@InterfaceLinux:~# ls -l /etc/rc*.d/*samba
/r2.d下のS06samba は”S”で始まっているため、OS起動時に実行される設定になっています。
insserv コマンドの主なオプションは次のとおりです。
オプション 機能
-d
ランレベルに合わせたシンボリックリンクを作成し、自動起動をデフォルト
で設定する。
(デーモンの自動起動を有効化)
-rシンボリックリンクのスクリプトを削除する。
(デーモンの自動起動を無効化)
root@InterfaceLinux:~# insserv -d samba (デーモンの自動起動を有効化)
root@InterfaceLinux:~# insserv -r samba (デーモンの自動起動を無効化)
図9:端末の画面8
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3.8 sambaサーバー側のIPアドレス設定
ファイルサーバー側のIPアドレスを設定します。
詳細は、Interface Linux System OS マニュアルの「ネットワーク設定」を参照してください。
メニューバー右側のLANコネクタが接続されたアイコンを右クリックしてください。
「接続を編集する...」を選択します。
「ネットワーク接続」画面の有線タブを選択し、Wired connection 4を選択し編集
ボタンをクリックします。
※ コネクタ4の MACアドレスにIPアドレスを割り当てる場合
IPv4のセッティングタブを開いて、以下の設定を行います。
方式 手動にする
アドレスを追加 192.168.1.1(ネットワーク管理者から割り当てられた
サーバーのIPアドレス)
ネットマスク 255.255.255.0
ゲートウェイ 入力しない
require ipv4 …. のチェックを外す
入力完了後、保存ボタンを押してください。
これでサーバー側の設定は完了です。
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3.9 クライアント側の設定
クライアントからファイルサーバーの共有ディレクトリにアクセス出きるようにマウントします。
メニューバー – [アプリケーション] → [アクセサリ] → [端末]を開き、以下のコマンドを入力し
ます。
root@InterfaceLinux:~# mount.cifs //192.168.1.1/ajan-ap-fs /mnt/
IPアドレス 192.168.1.1のファイルサーバーにあるディレクトリ”ajan-ap-fs”を、マウントポイ
ント”mnt”にマウントします。
passwordを聞いてきますので、 root と、入力してくだい。
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第 4章 動作確認
クライアント側からファイルサーバーのディレクトリ”ajan-ap-fs”が、参照できることを確認しま
す。
デスクトップから[コンピューター] → [ファイルシステム] → [mnt] のフォルダを開き、ファイル
サーバー内のファイルにアクセス出来ることを確認してください。
第 5章 自動マウントの設定方法
マウントの設定を毎回おこなわなくて良いように、クライアント起動時にファイルサーバーの共
有フォルダへのマウントを自動的に行う設定について説明します。
/etc/の下のfstabを開いて、最下行に以下を追記してください。
//192.168.1.1/ajan-ap-fs /mnt cifs username=root,password=root 0 0
//192.168.1.1/ajan-ap-fs 第 1フィールド
/mnt 第 2フィールド
cifs 第 3フィールド
username=root,password=root 第 4フィールド
0 第 5フィールド
0 第 6フィールド
「各フィールドのパラメタ」
第 1フィールド:マウントしたいデバイス名
第 2フィールド:マウントポイント
第 3フィールド:ファイルシステムのタイプ
第 4フィールド:ファイルシステム毎のマウントオプション
第 5フィールド:ファイルシステムをdumpする必要があるか否かの指定
「0」または無記述はdump不要のファイルシステムと見なされる
第 6フィールド:システム起動時にfsckチェックを行うか否かの指定
「0」の場合はチェックは行わない。
ルートファイルシステムでチェックを行う場合は「1」。
ルートファイルシステム以外でチェックを行う場合は「2」
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商標/登録商標
本書に掲載されている会社名、製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
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参考文献
著者 出版社 題 名
Webサイト Linuxでサーバーを構築するに当たって必要になる基礎知識
Interface Linux引越ガイド
Interface Linux OS Manual
改訂履歴
Ver. 年 月 改 訂 内 容
1.0 2017年 3月 新規作成
このマニュアルは、製品の改良その他により将来予告なく改訂します。予めご了承ください。
本書をご使用の際は、必ず各製品型式の最新のドキュメント(USER'S MANUAL, Help)を併せて参照
してください。また、最新のドライバソフトウェアをご使用ください。
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