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いろいろなコスト削減
1. 調達コストの削減 ← 分かりやすい – 従来100円だったものが50円で買える
2. ランニングコストの削減 ← 感覚的 – 毎月100円かかっていたものが50円で済む
3. 作業効率の向上 ← 仮想化の当面の目標 – これまで1ヶ月かかった作業が1日で終わる
4. 不可能を可能にする ← システム課題解決 – 予算の制約、技術障壁で不可能だったことが可能になる
4
現行システムインフラの課題
• システムコストの肥大化 – システム拡大に伴うランニングコストの増加 – 非標準化によるコストの非効率
• 加速するビジネス要求に追従できない – システム要求サイクルの短縮化
• システム停止がビジネス損失に直結 – 低コストHA/DRソリューションの不在
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仮想化を活用した次世代インフラ
• 標準化によるコスト削減 – システム環境の標準化 – 管理プロセスの標準化
• 迅速化によるサービスレベルの向上 – オンデマンドのシステム展開 – 余剰リソース活用による高負荷対応システム
• 冗長化によるビジネス継続性の確保 – 無停止運用の実現 – 障害に強いシステム
6
サーバー仮想化のコスト削減効果
項目 詳細 仮想化の効果
ハードウェア CPU・メモリ・ストレージ・I/O ◎ ソフトウェア OS・アプリケーション △ 構築 設定作業など ○ 監視 死活監視・性能監視 ○ 運用 メンテナンス・障害対応 ◎ 設置 データセンター・マシンルーム ◎ 電気 ハードウェア・冷房 ◎ ネットワーク LAN・インターネット △
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サーバー仮想化によるコスト削減効果は、項目によって異なります
サーバ仮想化のメリット
1. ハードウェア削減が可能 – 省電力・省スペース・H/W管理コストの削減
2. 標準化と可搬性の確保 – 運用管理コストの削減 – 迅速なプロビジョニング – HA・DRにも柔軟に対応
3. 省電力・低発熱 – 電気代削減 – iDCの冷房設備・ラックの電力供給量の限界 – CO2排出量抑制の要請
8 DR:災害時復旧
ハードウェア削減が可能
• 複数マシンを1台に集約 – 省スペース(1Uラックマウントやブレード) – 省電力(台数削減による効果) – ランニングコストの削減
• リソース共有によるリソースの最適化 – 低利用率のCPUを統合 – 大容量メモリを複数システムで分割共有 – 各種I/Oを共有 ←ボトルネックになりやすい
仮想化のメリット①
9
サーバ仮想化統合の例
• 既存環境:3GHzのCPUコアを1つ搭載し、平均使用率30%のサーバが10台 – CPU使用量:3000MHz ×30%×10=9000MHz
• 新規環境:3GHzのCPUコアを4つ搭載したサーバ1台に仮想化統合 – CPU利用率:9000MHz÷12000MHz=75%
10
仮想化
サーバ1台に仮想化統合
仮想化のメリット①
標準化された マシン環境を提供
標準化されたマシン環境の提供
• 標準化された均一のマシン環境を提供 – 変化の早い物理マシン環境を、従来はOSがデバイスドライバ等で違いを吸収していた
– 仮想化により、物理マシンが変わってもOSには影響しない
物理マシン OS アプリ 仮想化
仮想化
仮想化のメリット②
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利用者
インフラ管理者
可搬性の確保
• 仮想マシンは”OS+アプリ”をコンテナ化 • 仮想化で仮想マシン実行環境が標準化
• 仮想マシンを簡単にコピー可能 – 素早いプロビジョニングを実現 – 実験開発環境から本番環境への「V2V」移行
• 仮想マシンをどこでも実行できる – ライブマイグレーションの実現 – HA構成も容易に構成可能
仮想化のメリット②
Apps OS
Apps OS
Apps OS
Apps OS
Apps OS
プロビジョニング 12
Host A
移動元 仮想マシン
Host B
共有ストレージ
システム ルートFS
移動先 仮想マシン
メモリ状態をコピー
ライブマイグレーションの仕組み
共有ストレージにはFC SANやiSCSI、 NFSが利用可能
仮想化のメリット②
13
ライブマイグレーションの仕組み
1. メモリをコピー 2. メモリコピー中にメモリ情報が変更
3. 瞬間的に停止し、変更情報とCPU情報をコピー
4. 仮想マシンの動作を移行
CPU
CPU
CPU CPU
CPU
1.
2.
3.
4.
仮想化のメリット②
14
※1Uタイプは仮想化せず、2Uタイプは1CPUあたり2VMと仮定
発熱・消費電力比較表
Single Core Quad Core 比較値
スペース 1 1 100%
CPU 1 2 200%
コア 1 8 800%
システム数※ 1 16 1600%
消費電力(W) 270 630 233%
発熱量(kJ/h) 972 2,268 233%
消費電力/システム 270 39.375 15%
発熱量/システム 972 141.75 15%
電気代(月額/システム) ¥8,100 ¥1,181 ¥-6,919
仮想化のメリット③
15
※電気代は『日経SYSTEMS』2007年6月号 検証ラボを参考
発熱・消費電力比較
• ラック型1Uサイズ同士で比較 • クアッドコア×2CPUで8コア → 16VMまで動作可能と仮定 – 負荷が低い処理の場合、さらにVM数を追加可能
• 電力消費は安定化電源のため負荷率に大きく影響されないと仮定
• 発熱量はマシン室の冷却等に影響するが、ここでは考慮に入れていない
• 電気代は1A(1000W)あたり月額3000円と仮定
仮想化のメリット③
16
A) ホストOS型仮想マシン • VMware Server、 MS
Virtual Server、 VirtualBoxなど
• ホストOS上でソフトウェア的に仮想マシンを実行
• 通常のPCと同様にOSのインストールが可能
• ややオーバーヘッドが大きい
ホストハードウェア
ホストOS
仮想マシン
ゲスト OS
アプリケーション
ネイティブ アプリ ケーション
サーバ仮想化技術の分類
18
B) ハイパーバイザー型仮想マシン • VMware ESX Server、
Xen、MS Hyper-Vなど • ホストOSは無し • ハイパーバイザー上で仮想マシンを実行
• 通常のPCと同様にOSのインストールが可能
– 準仮想化の場合、対応カーネルが必要
• オーバーヘッドが少ない
ホストハードウェア
ハイパーバイザー
仮想マシン
ゲストOS
アプリケーション
仮想マシン
ゲストOS
アプリケーション
サーバ仮想化技術の分類
19
ホストハードウェア
ホストOS
アプリケーション アプリケーション
見かけ上は分離
仮想化レイヤー
C) 仮想環境 • Solaris Zone /
Containers、Virutuzzo、OpenVZなど
• ソフトウェアの実行環境を分離 • OSはホストOSの機能を利用
– システム上動作しているOSは1つだけ
• オーバーヘッドが少ない
サーバ仮想化技術の分類
20
VMware
• VMware ESX Server – 実績が一番多い – Virtual Centerによる管理が(ほぼ)必須 – ライセンス・保守料が高額
• VMware ESXi – 無償で利用可能 – サービスコンソール無し(ローカル処理不可) – お試し、スタンドアロン利用には耐えるか
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Xen • 現在、最も注目されている
– 本格導入事例(カシオ計算機、パイオニア等) – 低コストソリューション
• Windowsも稼働 – ゲストOS用ドライバの提供 – ライブマイグレーションのサポート(v3.1以降)
• いくつかの課題も – UNIX/Linux系の知識が必要 – ディストリビューションが多く、互換性の欠如 – 定番管理ツールが無い
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Hyper-V
• Windows Server 2008から正式サポート – 比較的低価格 – OS標準の強み? – System Centerによる統合管理
• これからの課題 – 技術的評価検証 – 実績作り
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現時点での比較評価
実績 機能 運用管理 技術力 導入コスト ランニングコスト
VMware ◎ ○ ○ ○ △ △
Xen ○ ○ ?*1 ○*3 ◎ ○ Hyper-V △ ○ ?*2 ○ ○ ○
*1 標準ベースの運用管理作り込みの可否 *2 System Centerによる統合管理が未知数 *3 オープンソースによる開発
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運用管理面からのメリット
• 集中運用管理が行える – 監視物理ノード数の減少 – 集中バックアップ
• 迅速なシステム展開が行える – テンプレートを使用したプロビジョニング
• 可用性の高いシステム運用が行える – 計画停止に準ずるライブマイグレーション – H/W障害発生時のフェイルオーバー
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仮想化による運用管理の変化
仮想化して運用管理の方法を • 変える場合
– 運用管理方法の抜本的な見直し – 統合管理ツールの導入
• 変えない場合 – 「OSから上」の運用方法を継続 – 仮想化環境管理ツールの利用
• VMwareのVirtualCenterなど
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バックアップ手法
• 従来型のバックアップ – バックアップサーバと、仮想マシン内で動作するバックアップエージェント
• ストレージレベルでのバックアップ – スナップショット機能を活用
• 仮想ディスクのオフライン化 – VMware Consolidated Backupなど – 読み取りモード+差分書き込み
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オンデマンドのシステム展開
• テンプレートをコピーするだけで新規システムが迅速に作成可能 – テンプレート=OS+アプリケーション
• 余剰リソースの有効活用 – 仮想化によりインフラが標準化されているので、どこでも実行可能
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Apps OS
Apps OS
Apps OS
Apps OS
プロビジョニング
テンプレート
仮想化標準インフラ
ライブマイグレーションの活用
• 100%成功するわけではないので注意 • コピー後のメモリ書き換えが頻繁な場合
– メモリコピーの速度との競争 – 今後10G Ethernetが普及すれば解決?
• 負荷テストを行ってから本番で活用 • 計画停止よりマシ、ぐらいで活用
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無停止運用の実現
• Server Aをハードウェア的に停止してメンテナンスしたい場合
1. VM1をServer Bにライブマイグレーション(システムは無停止)
2. Server Aを停止し、メンテナンス
3. VM1をServer Aに復帰
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VM1 VM2
Server A Server B
ライブ マイグレーション
VM1 VM2
Server A Server B
VM1
Server A Server B
停止メンテナンス
VM2
ライブ マイグレーション
1.
2.
3.
障害に強いシステムの実現
• Server Aに障害は発生した場合
1. Server Aに障害発生 2. VM1をServer Bで再起動(システムは共有ストレージ上に)
3. Server A復旧後、 VM1をServer Aに復帰
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VM1 VM2
Server A Server B
VM1 VM2
Server A Server B
VM1
Server A Server B
VM2
ライブ マイグレーション
1.
2.
3.
数分程度
P2V移行
• 既存の物理サーバー(Physical)から仮想サーバー(Virtual)への移行
• ツールを利用して移行を行うのが主流 • VMware Converter
– VMware環境への移行ツール – Windowsのみサポート
• PlateSpin Migrate – 移行元・移行先の選択肢が豊富
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P2Vツールの基本動作
36
物理マシン
OS
アプリケーション
P2Vツール
物理マシン
ハイパーバイザー
ゲストOS
アプリ
VM
①システムの吸い上げ ②仮想マシンに流し込み
物理サーバー
仮想化環境
P2V移行の例 1. 移行ツールのインストール
– ツールをインストールしたくない場合には、移行ツール起動用CDから起動
2. 移行作業の設定 3. 移行作業の開始
– 必要に応じてサービスの停止 – ネットワーク経由でシステムを転送
4. 仮想マシンへの切り替え – 仮想マシン用ドライバのインストール – 動作テストの実施
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移行時のポイント
• IPアドレス等の変更が不要であれば移行は非常に簡単 – ツールを使えば、ほぼ全自動
• 移行作業中はサービス停止が基本 – 移行作業の最終段階まで止めないことも可能
• 移行元がハードウェア依存している場合には注意が必要 – 特定サービスの停止などで対応可能
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互換性の問題
• 仮想化環境上でのWindowsの互換性認定 – 「Windows Server Virtualization Validation
Program」(SVVP) – 認定合格するとWindows Server 2008、 Windows
Server 2003 SP2、 Windows 2000 Server SP4以降について互換性を認定
• 主要製品が互換性認定を取得 – SUSE Linux Enterprise Server 10 SP2 – VMware ESX 3.5 Update 2/3 – Citrix XenServer 5/5 Embedded Edition
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ISVアプリケーション製品の互換性
• SVVPを建前とすれば、互換性の問題はOSのバージョンのみ
• 互換性保証のための壁 – Virtualizaton ≠ Simulation
• 仮想化はIAアーキテクチャのすべてを実現しているわけではない
– サポート環境として複数仮想化環境を用意することの限界
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ライセンスの問題
• Hyper-Vのライセンス形態 – Editionによる違い
• Standard 1VM / Enterprise 4VM / Datacenter 無制限 – Windows CALの問題
• Windows Server 2008のCALに揃える必要がある
• バンドル版ライセンスの問題 – バンドル版Windowsは別マシンにライセンス移行できない
• ライセンスカウント方法の問題 – 物理CPUと仮想CPU
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Hyper-Vのライセンス • Editionにより仮想インスタンス数が異なる
– Standard:物理1+仮想1 – Enterprise:物理1+仮想4 – Datacenter:物理1+仮想無制限
• ゲストOSのCALはすべてWindows Server 2008 CALが必要 – 例)ゲストOSがWindows Server 2003でも、CALは
Windows Server 2008のものが必要 • 既存環境移行の場合、バンドル版(OEM版)ライセンスは移行させられないので注意
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Oracleのライセンス • Processorライセンスは物理CPU数が原則
– マルチコアCPUの場合、係数による軽減あり – Intel/AMDマルチコアの場合は係数0.5なので、デュアルコアは勘定は合うがクァッドコアは損
• 仮想化技術をSoft PartitionとHard Partitionに分類 – 米国のみの解釈と思われる – http://www.oracle.com/corporate/pricing/partitioning.pdf – Softは動的にCPUリソースを配分 – Hardは静的にCPUリソースを割当 – HardはProcessorライセンスを仮想CPUでカウント可能(IA系技術ではOracle VMのみ適用化?)
44 ※2008年9月28日現在の調査による