アジア太平洋：国際石油企業の上流投資動向；

深海とフロンティア深海とフロンティア

2009年5月21日

調査部

坂本 茂樹坂本 茂樹

1

要点１．IOC：アジア大平洋地域資源開発への広汎な

事業参入機会と探鉱ポテンシャルに着目事業参入機会と探鉱ポテンシャルに着目

２．既発見未開発の大型案件：ガスと深海に特徴

３．注目される深海域探鉱の現況

マレ シア インドネシア フィリピンマレーシア、インドネシア、フィリピン

４．インドネシア東部未探鉱地域ポテンシャルにインドネシア東部未探鉱地域ポテンシャル高まる期待

インドネシア投資環境にある程度の信頼感インドネシア投資環境にある程度の信頼感

2

IOC：ｱｼﾞｱ太平洋の上流投資戦略産油国１．産油国の事業参入機会

中東湾岸産油国；在来型石油開発参入に制限中東湾岸産油国；在来型石油開発参入に制限

近年､旧ソ連圏､南米に資源ナショナリズム風潮

アジア・オセアニア；公開入札で広く鉱区付与

⇒相対的に参入容易⇒IOCが注目する対象地域⇒相対的に参入容易⇒IOCが注目する対象地域

２．上流事業者の投資動向

陸域・浅海；探鉱・開発案件（easy oil/gas）⇒減少

NOCの開発案件囲い込みの進展NOCの開発案件囲い込みの進展

➩IOC：ニッチ/非在来型案件進出を模索

3➩大規模発見期待可の深海/フロンティア地域へ

東南アジアの大型開発案件マレーシア：サバ州沖合深海油田開発

サ イト油 年Murphy; Kikehサテライト油田、2009-13年

Shell； Gumusut油田、2012-13年生産開始予定Shell； Gumusut油田、2012 13年生産開始予定

中部ジャワ､チェプ鉱区（ExxonMobil/Pertamina）

2008年末～実験生産、2010～本格生産へ

カリマンタン島東沖合深海ガス田群（Chevron）カリマンタン島東沖合深海ガス田群（Chevron）

2015年頃～、ボンタンLNG向け供給開始

マセラ鉱区アバディ･ガス田 （INPEX）

ナツナDアルファ･ガス田 （Exxon が評価）4

ナツナDアルファ ガス田 （Exxon が評価）

東南アジアの大型開発案件

5

Chevron深海鉱区ガス田群ガス田群

6

注目される東南アジアの深海探鉱国 地域（/堆積盆地） 鉱区名 オペレーター

サラワク州沖合深海 2C 鉱区 Newfield マレーシア

サバ州沖合深海 SB-N、Q 鉱区 BHP Billiton

インドネシア

マカッサル海峡

Surmana

ExxonMobil

（深海） Passangkayu

Kuma

S ilH d 等

Marathon

ConocoPhillips

K 等StatoilHydro 等 Karama、 等

S l 海深海

SC 56

E M bil

フ リピン Sulu 海深海

（Sandakin 堆積盆地）

SC-56

SC-41

ExxonMobil

豪 Tap Oil

フィリピン

Pala an 堆積盆地 SC 60 Sh ll

7

Palawan 堆積盆地 SC-60 Shell

東南アジアの注目深海域

8

マレーシア：サバ､サラワク沖合深海

１．サラワク州2C 鉱区､Newfield Exploration

2009年2-3月、試掘井（Paus-1）→ガス発見

➩下記事業に続きMLNG向ガス供給（2020年～？）➩下記事業に続きMLNG向ガス供給（2020年 ？）

Kumangガス田群（SK315）（ 2011年～ ）

サバ→サラワク･ガスPL（2012年完成予定）

（Kebabanganｶﾞｽ田（2013 ）/Gumusut油田（2017 ）（Kebabanganｶ ｽ田（2013-）/Gumusut油田（2017-）

２．サバ州SB-N､Q鉱区（元SB-K）､BHP Billiton

2009年4Q、試掘井掘削開始（義務井4坑）

Kikeh油田等と同じトレンド狙い9

Kikeh油田等と同じトレンド狙い

ｻﾊﾞ･ｻﾗﾜｸ州沖合鉱区､ｶﾞｽ田･PL

10

インドネシア･マカッサル海峡深海鉱区

１．2006～08年探鉱鉱区入札： IOCが権益取得

２．ExxonMobil： Surumana鉱区

2009年2月；試掘井Rangkong-1掘削開始2009年2月；試掘井Rangkong-1掘削開始

試掘井合計3坑掘削を計画

シ ム３．Makassar Strait Explorersコンソーシアム

（Marathon､ConocoPhillips､StatoilHydro､Talisman､Anadarko､ENI ）p y

2009-11年掘削計画：Anadarko（Popodi鉱区）→ Marathon（ﾏｶｯｻﾙPasangkayu鉱区）→ENI （Bukat）Marathon（ﾏｶｯｻﾙPasangkayu鉱区）→ENI （Bukat）

20010-11年掘削：

（ ） （ ）11

StatoilHydro（Karama）､ConocoPhillips（Kuma）

ｲﾝﾄﾞﾈｼｱｲﾝﾄ ﾈｼｱﾏｶｯｻﾙ海峡深海鉱区

12

フィリピン：Sandakin､Palawanﾍﾞｰｽﾝフィリ ン ､ ｽﾝ

１．ExxonMobil SC56鉱区（Sandakin堆積盆地）１．ExxonMobil SC56鉱区（Sandakin堆積盆地）

2009年5月、試掘井掘削開始（2坑掘削）

２ 豪州T Oil SC41鉱区（ SC56に隣接）２．豪州Tap Oil SC41鉱区（ SC56に隣接）

ExxonMobil試掘結果を注視

2010年に自社鉱区で試掘実施予定

３．Shell SC-60 鉱区（Palawan堆積盆地）S e SC 60 鉱区（ a awa 堆積盆地）

2009年4Q、試掘井掘削を 予定

➩Malampaya Camagoガス田に続く深海域発見なるか？

13

フィリピンの深海ガス田、鉱区

14

インドネシア東部フロンティア探鉱

１．東部フロンティア探鉱ポテンシャルへの期待

アジア太平洋で最も広い未探鉱地域面積アジア太平洋で最も広い未探鉱地域面積

主な発見：タングー向ガス田群、アバディ・ガス田

近年入札の注目地：Semai鉱区､アラフラ海沖合

２ インドネシア財務条件（fi l ） 投資環境２．インドネシア財務条件（fiscal terms）､投資環境

条件は厳しいが、IOCは制度の安定性に好感条件 厳 、 制度 安定性 好感

コスト回収条件悪化：実質的な影響は軽微

「資産接収 ような高度リ クは無 と認識「資産接収のような高度リスクは無い」と認識

当局の「交渉に応じて解決を見出す」姿勢を評価

15

当局の 交渉に応じて解決を見出す」姿勢を評価

インドネシア探鉱に進出するIOC１．既存生産基盤を持つ北米企業；

Chevron ConocoPhillips Talisman 等Chevron､ConocoPhillips、Talisman 等既存油田の生産減退⇒新規資産開拓ニーズ

２．ノルウェーStatoilHydroの新たな進出：

自国資産の生産減退→既に海外40国へ進出自国資産の生産減退 既に海外40国 進出

ガス市場としてのアジアの将来性に着目

インドネシアの探鉱ポテンシャルに注目インドネシアの探鉱ポテンシャルに注目

技術的強み（深海開発､CO2処理）

自身が政府系→進出先NOCとの協調姿勢

→同じ目線のパートナーとして好感16

→同じ目線のパートナーとして好感