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公務員って何!? 大野講師
KL13208
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公務員って何?
LEC東京リーガルマインド
専任講師:大野純一
まず注意したいこと
かつては官と民は仕事の上でも資質でも大きな差があった
今はNPM(新しい公共管理)やCSR(企業の社会的責任)などで両者は接近
資質に大きな差があるわけではない
であれば選択肢は多く持っていたい
では公務員と民間の違いは?
公務員はかつてのような「親方日の丸」的な仕事ではなくなった
パフォーマンスを重視する人は民間が向いているといえる
制度設計に関心がある人は公務員が向いているといえる
公務員の魅力は?
公益のために働く充実感
安定性と充実した勤務条件
男女平等
透明な採用
将来の見通し
一口に公務員というけれど・・・
いわゆる三権分立でいう、立法府、行政府、司法府それぞれに公務員は存在している
圧倒的に多いのは行政府
行政府の仕事は国家公務員と地方公務員に分けられる
非常にさまざまな仕事があり、皆さんの資質にあった仕事はほぼ間違いなく存在する
立法府の仕事
衆議院・参議院の事務局
職場は国会議事堂
一般的な事務仕事が半分、残り半分は議員立法の立案起草調査や委員会の運営など
司法府の仕事
裁判所職員
一定期間在職すると試験を受けて裁判所書記官に進む道もある
さらに退官後には簡易裁判所の判事になる道もある
行政府の仕事(1)国家公務員
一般的には立法府で作られた法律を運営・執行する仕事だが、議院内閣制の日本では実質的な政策立案などにもかかわる
政策立案をメインに行うのが総合職公務員
立案された政策を練り上げ、実施していくのが一般職公務員
国家公務員の仕事
国レベルのプロジェクトを扱う
歴史に残るような仕事にかかわることもできる
リニア新幹線をどうするか
義務教育は9年でいいのか
文化にかかわる行政はこのままでいいのか
国家公務員の仕事(2)
非常に大きな仕事に関わるが、できる仕事の分野は自分が属する省庁・機関に限定される
省庁間をまたぐ異動は原則としてできない
今後大きな機構改革が生じ、「国のかたち」が変わる可能性もある=地域主権・道州制
国家総合職
国家行政の企画・立案など、国政の中枢を担う仕事
比較的短期間で自治体や他省庁への出向、海外赴任をしながら、責任のある立場で仕事をしていく
合格=採用ではない
国家一般職
中央省庁・地方出先機関の中堅幹部
地方出先機関では、企画された政策を実行に移す業務が多い
中央省庁では、特定の分野に精通する形で経験を積んでいくケースが多い
合格=採用ではない
専門職の国家公務員
総合職、一般職がゼネラリストとしての性格が強いのに対し、国家公務員には、特定の分野に特化した専門職職員が存在
外務専門職、労働基準監督官、国税専門官、財務専門官など
外務専門職
特定の国や地域の専門家として、また、経済・経済協力・軍縮等に関する実務の専門家として活躍する外交官
専門とする語学と関連する国や地域の社会・文化・歴史にも通じた専門家として勤務する
異動はおおむね3~5年ごと
労働基準監督官
労働者の労働条件と安全を守る仕事
労働者が安心して働けるよう、関係法令に基づき、事業場に立ち入り、事業主に法に定める基準を遵守させ、労働条件の向上を図ることを任務とする
特別司法警察員として犯罪捜査を行ない、検察庁に送検するという強権も発動できる
国税専門官
国税局や税務署において、適正な課税を維持し、租税収入を確保するため、税務のスペシャリストとして専門的知識を駆使して活躍する
国税調査官、国税徴収官、国税査察官に区分される
財務専門官
主に国の予算や決算、国有財産の管理や活用・処分、金融機関などの監督や検査などの業務に従事する財務省の職員
財務事務所等に配属され、その後、国の施策の企画・立案業務や財務局における地域と密着した様々な業務に携わる
行政府の仕事(2)地方公務員
都道府県・市町村の枠内で国家公務員がやる仕事とほぼ同様の業務を行う
仕事の規模は小さくなる
国家公務員と異なり、様々な領域の業務を行う可能性がある
異動は地域内なので転居を伴うことはあまりない
都道府県の仕事
都道府県では、市町村間の調整を行うとともに、市町村単位では難しい広域的な仕事を行う
国家よりは狭い領域だが、市町村よりは広い領域の仕事
場所によっては引越しを伴う異動も
合格=採用という場合がほとんど
市町村の仕事
住民生活に密着した仕事がほとんど
仕事の規模は小さいが、基本的に国家レベル、都道府県レベルがやる仕事と関連性がある
引越しを伴う異動はまずないとみていい
合格=採用ということがほとんど
政令指定都市の仕事
全国で20の政令市が存在
本庁舎での仕事は県レベルの仕事、各区役所での仕事は市町村レベルの仕事になる
両方のレベルの仕事がしたいという人には向いている
合格=採用ということがほとんど
LECの戦略
マスター講座で合格に必要な学力の大部分を確保し、そこに志望先にあわせたセレクト講座を追加するカリキュラム
自分に必要なだけの勉強で足りるので、余計な学習を行う必要はない
技術系公務員の仕事
官公庁には、理系の公務員の仕事もある
国家総合職、一般職のほか、地方公務員にもそれぞれの専門にあった職種が存在する
労働基準監督官にも理系からの採用があるほか、防衛省にも特殊な分野での独自採用がある
心理・福祉系公務員の仕事
心理、福祉それぞれのスペシャリストである心理職、福祉職の仕事もある
心理職は国家公務員では、総合職、法務省専門職員、裁判所職員(家裁調査官)、地方公務員の採用もある
福祉職は主に地方公務員での採用が多いが国家公務員の採用も少数ながらある
公務員試験の流れ
一次試験
教養試験 択一式(マーク式)
専門試験 択一式(マーク式)
二次試験
教養記述試験(一次で課されることも)
専門記述試験(実施がないことも)
人物試験
試験のスケジュール
4月下旬~5月初旬 国家総合職
5月初旬 東京都、特別区、北海道
5月中旬 北海道
5月下旬 裁判所、国立大学法人
6月中旬 専門職系
6月中旬 国家一般職、外務専門職
6月下旬 府県庁、政令指定都市、市役所
市役所は9月中旬をピークに続く
試験概要への補足
国家公務員は一般に教養・専門の試験がある
市役所試験では教養試験のみというところが多い(ほぼ全域で専門試験を課している県など例外も)
一般的な学習をしていればさまざまな職種を受験可能
試験の科目(教養試験)
知能系科目
文章理解 数的処理
知識系科目
人文科学 自然科学 社会科学
比重が高い!
得点源として重要!
数的処理とは
判断推理(パズル)、数的推理(算数の応用)、資料解釈(グラフ・表の読み解き)からなる
とにかく日々の反復が必要、出題数も多いため、避けて通ることはできない
漢方薬、筋力トレーニングと似たようなものと考えるとよい
社会科学(政治経済)
社会科学は、高校でいえば政治経済1科目なのでまとまった得点が期待できる
もっとも、直近の時事問題が出題されることに加え、政治分野では大学レベルの政治学の基礎、憲法では高校で取り上げない判例、経済ではミクロ経済学とマクロ経済学の基礎部分までは出題がある
人文科学・自然科学
人文科学は、日本史・世界史・地理・思想・文芸が、自然科学では数学・物理・化学・生物・地学がそれぞれ求められるので、各科目ごとでは1~2問の出題になる
すべての分野を満遍なく学習するのではなく、分野を絞り、効率的に学ぶ必要がある
文章理解とは
現代文・英文・古文(場合によって漢文も)からなるが、古文は国家系では気にしなくてもよい
現代文は要旨把握に慣れればよい
英語は各人の素養によって対策は異なってくる(基礎から学ぶというのは非効率)
LECの戦略
数的処理・社会科学(政治経済)・文章理解をマスター講座で徹底的に理解し、合格に必要な基礎力をつける
各人の必要に応じて人文科学・自然科学系の科目をセレクト講座から追加していく
LECの戦略
LECでは、NHK G-mediaとコラボした時事ステーションを提供
日々の重要ニュース(Daily時事)、講師が選ぶニュースなどのほか、「ふるさとニュース」(自分の志望先の地域のニュースを配信)、論文対策にも使える素材を提供
試験の科目(文系専門科目)
法律系科目
憲法、行政法、民法、刑法、労働法など
経済系科目
経済原論、財政学、経営学、会計学など
行政系科目
政治学、行政学、社会学、国際関係など
赤字の科目が得点源
憲法
条文そのものも重要だが、その根底にある原理・原則の理解が不可欠
人権と統治に分けることができ、人権は重要判例を中心に、統治は各機構の役割を関連する法令の条文とともに理解していくことが必要
多くの人が得点源としている
民法
条文も多く、敬遠しがちであるが、出題数もかなりあることから、全部を理解するのが難しいようなら、範囲を決めて理解していくことを考えればよい
問題演習はある程度理解してからがよい
行政法
行政にかかわる諸法令の総称
行政組織法・行政作用法・行政救済法に分類できる
憲法と民法を学んでから学習するのが一般的
経済原論
ミクロ経済学、マクロ経済学に分けられる
地方上級試験(特に関東地方)では、出題数もかなり多い
計算をすることもあるが、過度に恐れることなく、効率よく学習を進めることで対応できるようになる
行政系科目
政治学、行政学、社会学、国際関係などが該当する
暗記科目である、それぞれの科目でかぶる部分も多いので、ある程度他の科目の学習が進んでから対策を考えていけばよい
その他の科目
財政学は経済原論との関係で学習しておきたい科目
経営学は、行政系科目との重なりも多い
社会政策は白書対策をしておけば対応できる
LECでは心理学や教育学、専門用の英語も用意している
LECの戦略
憲法・民法・行政法・経済原論の4科目を骨格として得点力をつける
さらに政治学・財政学でさらに得点力をアップさせる
それ以外の科目はそれぞれの必要に応じて追加していけばよい
論文試験の対策
一般的な小論文試験をイメージすればよいが、公務員特有の論点が出題される
国家公務員では、資料を読み、そこから論述をすることが求められる
地方公務員では地域の政策を十分理解した上での論文執筆力が求められる
時事ステーションはここでも有効
面接試験
近年、いずれの試験においても比重は高まってきている
面接試験の比重は一般的に受験先の規模が小さいほど大きくなるとみていい
個別面接以外にも、集団面接、集団討論、さらにはプレゼンテーションが課されることもある
面接試験の実際
コンピテンシー評価が主流になりつつある
結果はもちろん、結果にいたる過程を中心に問われる
志望動機で求められるのは「公務員になること」ではなく、その官公庁への志望理由
LECの戦略
公務員面接試験を「知る」(講座講義)
面接試験に向けて、自分について徹底的に「考える」(個別カウンセリング)
本番に向けて「練習を重ねる」(リアル面接シミュレーション等)
これらの内容を「電子カルテ」で有機的に連動
2013年試験の動向
地方公務員は大量採用が続く
特に規模が大きい自治体はまだまだ採用が多い
国家公務員は政権が交代し、採用が大幅に増加した
公務員を目指すなら今がチャンス!
著作権者 株式会社東京リーガルマインド
(C) 2013 TOKYO LEGAL MIND K.K., Printed in Japan
無断複製・無断転載等を禁じます。
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