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第 IX.章 量子統計力亭
~ 75. Fenni統計法,B側統計法
量T論によれぽ,物質位子は個性を持たない.例へば電千は脅にその力
準的物理的性質によタては相互に識別されない許Pでなく(之は古典論で
も同じであったのである)縦続して“との電子"を指定するととができたい.
それは不確定性原理にJ:-::;>て,電子を時間益間的にその運動を追跡すると
と(少〈も理念の上で)が不可能となったためである. そのために, Bol旬・
mann流の統計力事は改題を受けるとととたった.量子論はその他に色々
拡量就l.pエネルギーの不連続性を粛したが,之は物理的には重大記事情で
あるが,確率論の立場からは飴り重大な意味を有たないから説明しない.
電子陽子のやうな場合には個性の虫失と同時に Pauliの禁制によっ℃同
}盤盤1)には唯一つの電子L:か這入れないと云ふ制限を受ける.此の二つ
の性質できまる統計訟は Fermi統計涜と呼ばれる.之に反して多くの中
性の原子分子を金誼として考へる時には Pt¥Uliの禁制がな〈て,同一味態
にい〈つでも粒子が遺入れる.之を Bo闘の統計?去と呼ぶ.
之等の量子統剖・訟を採用すれば,]1犬態k=1,2,・・・に粒子を配布し,会系のエ
ネルギ F が奥へられた値Eをとるやうにする仕方の教を求める Boltzma.lln
c問題は,:;Jたの様に費克されt;;.げればならない.位予に個性を認めないか
ら.“Eの粒子がEの航態に"と云ふととは始めから問題となら今,“eo紋
1) 此の.JLI:惑はZ昼間的混動扱態ぽ:6-JIでな(. ~ピ Y と呼ばれる内富U~盤をも会
主~て考へな防れ・ばなら沿い.
第 IX掌 量チ統計カ皐 4::1
態にい〈つの位子"がJ汚へられなけれぽならない. 状態hにある粒子の散
を砲とすれば,Fel'mi統計法では町=0,1であり,Bose統,t1'・法では nA:=O,
1,2,…である.それらの飽和は・
叫=:三叫k
‘ σ5.1)
興へられた粒子。級車主でなげればならない.献態7cO一個位子のエネルギ
ーを E晶とすれば,金系のエネルギ F がEIとなるやう,相積分
Xn(β) = ~ e-Il!;備品
'‘・ょ-"11:。5.2)
を使はな砂ればならない.個性を認めないから,位子の置換に基〈因子
時!/"11nsト・・は!J'.!.らない.(75.2)の綿和を賀行するために再び母函般の方法
t=採用して,
'_'lβ,X)=玄νχ..(β)=玄 IT,M-IIJ.l帆 ( 75.3).-0 (U,_田i11:
たる大4きい相積分を導入する.χ.はλ"の係数とL.τ筏から選び出せば主
い. (75.:1)の右迭では向島に関する綿和は五0.に無関係であるから,
F(β,Mzp(1土 λr叫)土Z (75.4)
が得られる.土 1はFCl'llli法,Bose法に劉臆する.)...の係:'1t=求めるには
Cauchy fD定理を使って
χn仰 =E27子会了F(β,).) (75.5)
から求めれば良い.統計力事の劃象は極め."C多数の位子の集りであるから,
此D積分表示i:n→∞に於て漸近評慣すれぽ宜しい.鞍部監の方法が使へ
るものとすると{そ@宮否は-"rの場合に吟味する必要がるる治q
- 磁場槍'及銃計曾
'X.(β) ,..., ^-~F(β" ). (75..t>>
但し,λD鞍部~は
n=λ会logF(β.) σ5.事)
で定められる. (75.4)を使って粒子数時と卒均エネルギー Eとを書ぎ表は
ず&
『加
-t&
附
一
例
均
一
4
WMJV一M一
日一日
7日
玄k2t
E
n
'75.8)
とたる.~pち Boltzmann 流統計法との持遣は有遺の分母に現れるだげでb
る.^→O の極限では~<古典的底理と同等となり.(75.8)の二式から九を
鴻去して
E勺・L:;E..e-崎 /L:;e向 =-n争log2: e-崎
で.S32と一致する.訟に λの値が甚だ大きいと (Boseq;)場合,最低エネル
ギー El田O~らぽ λ孟1 でなければ怒らない3量千的特慢が顕著となる2
Fermiの場合を考へると,l:民態kの重み e-向!(l+Ao-向〉は低いE..に請
しては殆c!:1に等ししEIiが
β-llog λ=kTlogλ σ'5.9)
。近くへ〈るとエネルギ{値E"と共に念に減少を始める.題常,電子をE量'
低の欣態から~第に詰めて行〈と云ふやうな言葉使ひ右とする所以で1> る.
λは量子殺果の大小を決定するから聾翠笹裁と呼ばれる.
(75劫を眺めると位子教はエネルギーと金〈費等の位置にあるととが知
られる.世子が個性を喪失したたbに,それはエネルギーと同巴やうに噌.
官事 IX寧 量子統計力軍 •• その量を測られるものとなったそしてエネル長ーと同巴やうに系に出入
するものと取扱へるととにたった.すると λ も温度 β と同格の取扱ひを
受けなければならたい.λ は熱カ皐で化思ポテンシアルと呼んでゐるもむ
と簡官i!.1t開係にある.調度の等しいととが二物閣の接編に於ける熱卒衡の
俵件であるやうに,化事ポテンシアルの等しいととが二物盟の接絢に於け
る物質卒衡の膝件を表はす.
量子的統計・訟によって賀される色々な艶化の内で特に小さた僅積内に1>
る粒子数の揺らぎを比按して見工う.考へる小さな恒積内の欣態の離を e
とし,その中に遺入る枇子教nの分布を求める.古典統,H法によれぽ.z個
。肱態へ叫個の粒子を配布する仕方。1訟は
• 8 (75.10)
である. Fermi統計法に・よれば,各j民態が1個の位子で占められてゐるか,
窓席でaうるかによって配布j伏態が定まるのであるから,求める配布の仕方
。散は g 個のIU~態から占められ℃ゐる献態 n個を涯び出す仕方の敏郎ち
(:)=可ら了である.之は叉母函数 ((75.4)の特別の場合)
, II (1 + A) = (1 + A)・1: ~1
(75.11)
0 71."0係数としても求められる Bose説計訟の揚合には母函放の方法を
保問するのが最も間阜で,
O A."O係量生として
E
II (1 +入十 AI+…) = (1 -X)-E包_1
(:n +. -1)1 nl (; -lA σ5.]j・
-434 機率論及統計諭
が得られる.<fi命第I意組合せ理論 i1 (7)制限.)
担て以上は今考へてゐる小煙積内のととでるるが,外には大きな樫積が
あるものとし,去を置の欣態の教え金慢の粒子の数Nとすると〈各紙態のア主
プロオ円定率は一様と Lて)Nの内叫が小臨積内のz個。肱態に落ちる確
率は:
古典統計訟では二項分布
(~).Z"(Z -z)N-~/ZN σ5.13)
となり,量子統計法では此の前の組合せ因子が不嬰で(粒子に個性がない1),
Fermi tD場合
(:1(仁:)/(;). 。5.14)2ωeの場合
("+:-1)(""一時;~ ~ z -1 ) / (N +;. -1) (71).15)
となる.
ζれらの式を o<'Z,n<N rD臨定の下に簡Wl化?ると,古典統計法で、
Pois回 nの分布
_. fre-- ω=県伊〉
を得,Fermiの場合(一つの二項分布〉
(:)志子d,).,
BoseO場合{一つの Polyo.-Eggcn berg慣の分布"i 5η
(n +: -1) (1"(1ーω・, N o =ー一一一一一一一一一一N+Z-1
。5.16)
(75.17)
(fú.l~ .
第 IX車 量子統計力与 4:Ji-
となる.之等の分布からA五(n-1)を求めるのは容易で, ,.の分散率は:
古典法では
FecmIでは
Boseでは
ー ;;2_;; 偽-,,-=飽,
:i _ ..1 ー ー量1,.--t.-= ,. -t,-,z,
~ _ ;;2 ームー2げ品-".. =時十 '11,'''J.3,
_ m n=・・ーー一ーー
1+α'
_ za 句=一一一一一
l-a
(75.19)
(75.20)
(75.21)
となる.とれらの式は量子論の蛮民史上重大な役目を務めたととがある.
f 76. 量子力皐の骨組"
量子力皐又は波動力皐で栴l~rl日と呼ぽるべきものは函数空間であっτ,
その要素は波動函数ψである.その引教は例へぽ考へる力事系を構成す
る粒子の座標ωである.色々な物理量dは滋亙b函数 ψに働{ Hermi加
型演算子 Aで去はされる勾.物理量dのR態ψに於ける卒均胞は
孟 =f 'It'*(x) A利x)d.-c = fωψω*ψωdx (削}
で計算される.かやうな意味で量子力事は始めから続.H的又は確率泊要素
を含んでゐる.併しそれは決して統計力感ではない.ψは概観的な知識を
表はし,粗硯的庖理を行ふのにはその上の統JI'が必要である.紋態ψ1,事,
1) 肱 D節に闘しては特1'C J. v. Neumann:“M叫ん Gruna!agl飢 4的.Qu<lfll,側喝
I'IlOchaniJ." (l932) tD後牛参照.
Z〉演算子は一般に積分前$):子 A私的=J.A(・c,:1:') +(:C') dx'の形に書いて置しそ
@積分核 .A(x,X')主演算子記掠 A とは以下区別しないとととする. :r;を掛Wる筑
3 .子は積分殺:d(:rーが),微分演算子 4τーは積分稜 -ia'(xーめをもっ.
-43・ 破事論及統計諭
…が重み世11W2,.…で統計的に混合してゐる時には,最dの卒均値は
瓦=34明Jψ?ωaψμ1出 (76.2)
で輿へられる.そとで,
P(X,x') =玄 納 付(x')和(x) (76.3)
で奥へられる密度行列(i日算子?なるものを導入すると (76劫は
瓦=附
と書き表はされる.此の pが古典的統計法に於ける分布需産に代って登場
する (76.3) IC於ける ψ.(円2,...)は五ひに直交:Jψナ、村山)dx=O
〈叫叉夫k魁生されてゐる :fψ't(x)'1/ri(x) dx= 1としても一般陸欣
はない すると手仰戸1ととればPも規俗化されてゐる:もr回目仲1
ψ‘はρの国有函数,町は相賞する固有位である.
pとA とが交換し,従って同時に主軸形に粛し得るものとすれば
亙EZP曲 Ak!=平川 (p,= p戸町,A戸 Aρ (76
で(但し,A曲 =JψrA和市等), Aの平均値はその岡有値に重み向を掛砂
て加へ合せたもので古典的統計法との直別はない.特に,Aが臨槙a;の函
数 A(a:)である場合には,A(x,x')=A(x)o(xーので,
瓦=fpCx)A(めdx (P(X) = 2:川tc村山:))
で p(z)が座標空間tt於ける分布?密度を典へる.ととでも古典的考察どの砥
聞が起らない.量子力事の特性が現れるのは交換しない t同時観測不能の)
量を者察する時である.
俸は京 t子統計カ思 437
量子力拳によれば,粒子の運動量Pは徴分前算子 -in,':J舟:&(昆=hl:!.Tr, 4:
PlllJJckの常重りで輿へられて,座間信の積算子xXと交換したい.官際
(ー続会)izx)-w(-tsjと)= (-it;.X),
即ち P司r::- ap=-ifi.l σ6.6)
である.此の時には pの主軸部分p{x)ばかりでなく,ρの金行列 p(z,zつを
考へ友ければilll動車;の平均値を求めるととができない.
交換しない二つの量 A,B が同時1副都iJ不可能である事は次の Heisen-
bergの不確定性問揮に表現されてゐる.之を導くために,簡I!'lのため波動
函教の内積を
f "Y*(x)例z)dx = (ψ,ψ) (76.7)
企略記して吹の不等式
(ψ,ψ)仇 ψ)寸 I(ψ,cp)土(伊寸)JI (7ω
を先づ讃明する.二つの任意の貫教α,βを使って,二失形式
〈αψ+βψ,αψ+βcp)
=α'(ψ,ψ)+αβ{(ψ, cp) + (rp,ψ)} +β宮(1',tp)ミo
む E値定符蹴であるととから,上の不等式がでる〈有遣の俊披の内ーの方
はψの代りにtψ と書いて得られる).(i6劫でψの代りに dψ',rpO{t; 1)
ICBψと寄けぽ,
(Aψ,..4ψ) = ("Y, ASψ) =.T
等であるから (A:Hermite型 1),
ぷ 民主 ;!(dB 土 BA)~ (76.9)
431 破事鎗及統計酋
が得られる.鹿標,癌動量に就いては σ6.のにJ:!'J,
戸設と4- σ6.10)
官民る Heiscnbergの不確定性繭係がEんなj伏態ψをもってきても成り立つ.
不等式は P.aJfD原監の採りつぢに無関係に成り立つべきであるから,特に,
運動量と座擦の分散率の積はが2より小さくならないととが示された.そ
れ故一方をlE確な定った慌をとらせようとすれば,他方は必然分散率の犬
さな不確定な分布を示すとととなる.純緯獄態。佐一つの波動画教で記趨,
される統計肱態:p(ZX') =ψ(x)ψ傘(xう)で既に此の不確定住があるから,一
般の混合紋態ではゑ:論不確定位は増す一方である.
純粋欣態pを波動函教の言葉を伎はす容に特徴付けるには
pI=pσ6.11)
を以℃する. すると p'D国有位ほ 0と 1との外にはなく,結局唯一つb
叫 =1となるからである.事跡字j民態は叉それを他の統計j民態の混合によっι
て表はすととができないと云ふ性質を持ってゐる.p=I/1(P1 +町め (Wl,町・
孟0,tDl +ws=l)と書げたものとすると,
ρ盟国 ωfpr+切1叫 (PIP2+ P~Pl) +切ip~
=W1pr + 切望 p~ ー判官弘 (PI _ p~)2,
即ち
p,-pl=旬 1(Pl - p~) +均 (p.-pi) +則的(P1-p.JI.
故にpがbt持拡態ならば,右漣はすべ℃正の量ばかりであるから.pl唱 Pl,.,
pl=pI. Pl=P~ 等.幸吉Mρ=Pl=P" となっτ しまふ.
能動画敷ψ{ゆが奨へられた時,誕動量pの金分布を知るには少〈も 'Ptt:l
轟@平均値を悉〈求aD1'.t甘ればならない:
第 lX~ 量子統計カ皐
〈ψ,1J'"ψ)=JV*ω(一仏j£お;D)y"νψ似粉州(令ωzゆ)μdz'緋Fし乍ら,ψ似〈令ωzゆ)のイ代tりにその F酌our山.共明
仰 1)=六JCII''''''仲)白, 1
4~
ト σ6.12)
判)=去Je'JIfI'fI<州中)
仲)に移ると, -i花まなる演算は pxに僻されるから,消が簡翠に
たるばかりでなく,1ψ(p)12が運動量宰聞のさを介布平野度を輿へることになる‘
座際空間で表はした密度行列p(x,のも運動量窪聞に於ける密度行列
p(p,p')→J J e'(J13l-P''''l/.p(z, x')晶 dz' (76功
に融課される.σ6.12)たる嬰換は一つのウーテール費換 Uである; ~P!'.
園教の内積を襲へない:
(ψ1,V2)→(tpl,拘 )=(U'ψ1, U'0/'2) = (ψ1,ψ;).
量子力皐の統計的命題は悉〈画数の内積の形で表はされてゐるから,似の
たる表示から tp(p)なる表示に移行しても物理的内容には何の饗化も起ら
たい.此の事情を統計的鍔換理論と唱へてゐる.
例: 調和振動子.此の力事系に華社目医するハミルト=アン(エネルギ戸積
算予)は
1 •. 1 • E=15PZ+す00' (76.14)
である.但L,簡単のため質量を 1とし,振動数を 1/21tとした以後l'lnnck
の常数h=21tと置く〈従って,花=1,1'=-{d(ox).するとエネルギ戸の固有
値は固有値問題(次節参照)
Eψ=E.ψ (76.15)
を解いて得られる.固有値: Ek = k + 1/2 (k = 0, 1,2,…),固有函敷:
440 砲事前及統計諭
(1Z't吻句I)-JJJH,.(z) e-"β. 裁に H,.(z)は Hermiteの多項式で、 S25で定義
したものとは少し異怒る〈そとで別の定詰として遮べたものである). :.も
ルギー献態E"fDBoltzm如 nlD重みはr拘置6-帥+明 =w"で,密度行列は
p(z, z') =合会e目的+明古了.H,,(:c)品仰ー山'切
-V2AM吋ート叫f)(z+か
-tcoth(与)(:1; -:c')1 } (加の
e怒る ((25.7)重量Eω.之は規格化され℃ゐない.規悔するためにはも1"ooe,圃 1/2sinh(β/2)=1,1111/(,1-1)で割ら怠ければならない.此の臼卸epは調
和振子に請する相積分に外怒らでf,Planckの賠射公式に現れるものである.
(76.16)の主軸部分は
内,)=阿付
で,Gau舗の分布である.之に劃する古典的分布は勿論BoltzmannfD分布,
ex:p{ー βz2/2}
で,分布。形は艶ら1's.いが,分散率が異なる.(76.1η によれぽ,
京=tcoぬ(与) σ6.18)
で,低温β→∞でも有限の値 1/'!.靴示す(rY日程F揮監).高温β→0では古
典的なものと一致する.
古典論では座標運動量の同時分布
exp{ー β(P2+ z2)/2}
を興へるととができるが,量子論ではそれは不可能でるる.運動量だけ句;
第 IXj旗 量子統計力蟻 441
分布は,蟹換(76.13)で求めるととができるが, (76.14)の劃稽但tからも知ら
れる通 t,σ6.17)でzの代りに pと書いたものが得られる.
若1...1同ーのポテンシアルの穴 zI/2f[)中に多〈の同種世子が這入ってゐ
るならば,量子統計法による Boltzma.llu因子の饗更をも併・せ考慮したけれ
ばならたい.徹子の散が甚だ大き砂れば前節の所論から
的,a:')=ラ: νー仰+明 ごム」-Hb)H仰仇_(.1+・'1)11自 1土 λc-II(t.+判 y;r:.JA=kl
を採るべきである1).
~ 77. 量 子 論 理
物甥.;耽 A を代表する演算子Aに劃して
Aψ =a.・ψσ7.1)
怠る所調 Sehr樋in酔rの方程式を考・へる・適温・な境界保i'I'(就中J+*帥
=1なる録件〉の下には(77.1)は固有値方程式とし・亡,或る品の離ればたれ
@値a,に劃してのみ解ψーを持つ.α6をAの固有値, ψaをAの固有函量
叉は固有般態と呼ぶ尤も比較雌容のみを問題としてJv*似出腕傍
件を捨てるとともあり,固有値が連続無限個の値をとる乙ともある. 一つ
の仰に劃して固有函数ψ4がい(-aかある揚合もるる;その場合には固有
値a,は多重固有値であると云ふ. 併しそれはいくつかの間有値の“偶然"
一致した特別の場合と考へられる.
AQJ固有扶態ψsでは物理量Aは卒均位向を持つ.何となれば:
,I.=Jψ?・Aψι←
1)多瞳問題に於げる密度行列に就いては,伏見康治:政物記事, 22{HJ4り1),264.
44:.1 確 寧論 及統 計績
のみならや,量dめ議2・も亦平均値 a~ を持つ;Å"ψ, =Aト1 ・ a.,ψ,=・・・
国α;'『わであるから.就中 Aの分散家五-A2=(IÎ- (1~=O は零である.即
ち間有獄態ψdC::於ては量d は『産主主It:11", 1.1:る値を採る.我々は“A=ai"
たる命閣が確かに賞現される蹴態がψ4であるとするととができる. 一般
に任意の波動函敏ψで表はされる蹴態は或る命題が確かに寅現される欣躍
であると考へるととが許され主う.固有函数の容在,分散のない欣態の容
在は量子力皐の一大特長であると考へられる;Ii!Pち轍ぺての事情が統計的
になってしまったわけではない.
同布紋態以外の欽態では量は分散を示す.固有値諭によれば“任意"。
函数ψは固有函数で展開される:
ψ=玄白ψa (i7.8)
が,之を使ふと赦態ψに於げる 4・0平均値は
d芦田f喜:o'f'ly't '01: A" +11申書芸c九a:Jψ.'f'lyllぬ
ー平 Ic,1川 (77.4)
で輿へられるとととたる.但し良〈知られてゐる遇り国有函教の車交性を
使った.之によれば(77.3)に於ける展開係数偽の絶望す値のヂ方は固有値 a帽
に謝する確率でおると考へられる.此ののは Fourierの係数と同様に
0.=1ψ付 dfC
で勘定されるから,隣ψ峨て A=adfl期される確率は|介付dZrで興へられるとととたる.
-Qの物理量に闘して佐~([)望書る聞右備会確かに管班十る般熊があるけザ t
官事 IX寧 量子統計カ皐 443
れEも,二つの物理量を同時に考察する場合には事情が理って〈る.即ち
前節で示した如〈互ひに交換しない演算子で代表される量の聞には一般に
不確定性関係があって,同時に分散率を零とするやうな紋態が存在しない.
就中,粒子の座標 mと運動量'1'との交換聞係によって,此の南:K-の分散率
を共に零とするやうなj状態は一つも存在しない(のみなら歩,一方の分散容
が零なる;1[た態削ちその岡有j伏態では,他方の分散率は無限六となる).之は
論理的に云へぽ, Hmz$"なる命題と“l'=P"なる命題とはp同時に民fEを判
主主主ととが許されないととを意味する.
設に量子力若手に於ける命話のl止界では,同時に判定できない命題の組が
存在し・.従って命題を古典沿却!的に*i~'介することが一般には不可能である
と云ふ重大な問題が起って〈る.第 I 章で説いた命題.~~;:は Cßtのi論理事の誌
も基礎的と考へられる初等的な部分さへが)改費されなければならないと
云ふ事情に到注する.二つの命題 .1,1:が興へられた時.我々はぺ1とB"即
ち AUJJなる命題を排自責するととが古典的意味にbきでは不可能となる.
此のやうな命題結什の禁止と云ふi1~極的要素だけから 11\ 1設じたのでは積
極的な量子論理尽な.{W成するととはできない. しかるに我々、ほ誌に理論の
形式を持ってゐるので,その形式を論理的に解鴨しmすととができる1). 此
C論理的1Ift¥f4iはBirkhoff及び v.Nel1mmlllによって保されたの. J:に-
0の命題“.<1=a/'には一つの波動函敢 ψsが主t臨すると云ったが.:~~i L Itj
が多J世間有値であれI:r此のことは附iELt.よければならない.αsが多車問符
{直であれば同有力程式 (77.1)の解ψ4はいくつかある.二つの兵なοた解
1) 理論拘組事に於ては,その意味D はっき冒しない形式が先にでき上って抜か
ら師事穏の行はれると云ふことが屡eである.
:!) Birkhoff, G. and Neumnnn. J.γ.: .¥Il". ,,( :¥lttth., 37 (1U:ltil, ~:.!::;;総務・も
臥尾について小論~試みたことがるる:伏見Llt治:数物記事, 19 (W;J;), 7t;r.
444 確本論及統計論
ψP),ψi吟が存在すれぽ,方程式の-~什・から , C1ψiり+CSψ?なる-ok結合
で衣はされる波動函数も亦解であるから,貨は無限に多くのf鮮がある-こと
になるが,併しそれらの内で五ひに直交する一系の波動函教を遁哲に採用
すれば組べての解はそれらの一女結合で表はされるとととなるから,その
やうな直交系の波動函教の教をもって聞有値目4の多重度とするととが自
然である.何れにせよ,的が多重固有値ならば,命題 "Å=~" には,一つの
波動商政ではなくして,い〈つかの波動函数で張られた一つの直撤ー衣宰
聞が釣臆するととになる.
我々の舎話の世界金髄には勿論すべての許される波重JJ~敢の作る一夫空
間~pち相答聞が封臨してゐる.之は何ごとをも主張しなh命題(同議反復〉
に艶l摩する.矛盾命題には恒等的に雪辱なる波動函教が割腹してゐる.
掠て不確定性に止って,古典論理的には命題結合例へば AUBが構成で
きないのであるが,函激控聞の上では之が可能である.剖ち A,Bに封勝す
る函数~~聞で張られる(夫~Q.)函数益fi!J.I乙属する波動函散のー共結合で衣
はされる波動函教のさを腔}大きいー戎函数袋聞を作り,それで表はされる様
t.r..命越を AURとすればよい.AnBには,二つの函雌昼間の共通部分を,
A の否定 A' には A の函数に直交する函数の蝶る窓聞を劃~させるととが
できる.かかる約束の下に,古典的命題拝の多くの恒等式が快復されるが,
唯一つ分配法則(6.5),(6.5うは成立しない.その代りに,:Qedekindの怪等式
叉は血盟主J重き(modularidentity):
A U (B n C) = (:,1 U B) n a
が ACCIe:謝して成り立つととが示される.
(77.5)
畢克・古典命題算が集合算と同盟であるのに謝して,量子命題算は国政一
次昼間の算術である.
第 IX寧 広イ・統計 jJ邸 411i
f 78. iW!移確率
景子力事は力撃である以上,系の時間的夜民に闘する法IUJをもってゐる、
波動回数ψは時間的に
4車会ψ=zc,ψ (78.1)
たる微分方程式で費化ずるものとする.:ECは Hermite型政草子で.ハミル
ト=アンと呼ぽれ,考へる系の方率的性買を含んでゐる.H が IIl'rlllite明
で怠けれぽならないととは全確率の保存の要請からでる.帥ち
0= :tJψ*ψ,d",= J(芋'0/'+ψ*ミヂ)山
= J(~ 仰が)ψ 一 ψ汁I-C'ψ)dX
=f{J(I;内 *ψ)d:c-J(ψ事 H'o/')dX} 仰)
でii迭のごつの積分が恒等的に等しいととが減算子E の Hl'rIIliω 判,1乙外
たらないからである.
ハミルト=アン H は系のエネルギーなる量の代表者であると認められ
てゐる.gpち前節のハミルト=アシと同一蹴されてゐる.その一つの理由
はH で代表される物理量の平均値が叫Iiii的に艶らたいからである:
??fvHWz=÷f伊 .t*.n;ψーが HH'利 幅
= ~J{""*.Hn;ψ ー ψ'*HHψ}dx =0
一般にHなる演算子と交換するやうた前~~:子 Ã: AII=HAは時間内
不鑓な平均値をもっ;即ちそれで代表される物理量は運動の積分である.
4111 確率論及統計鎗
(78.1)の解で,時聞に闘する部分を e-II:I'/I'怒る因教の形でも0ものをZ旨
常獄態と云ふ:
ψ= e-lBj'/trψ'b,) (78.3)
と置けぽ,ψaは
E、{r,=弘、い (78.4)
を満たさたげれぽ~らたい.即ち ψa はエネルギ戸の国有函数で, E, はエネ
ルギーの固有値でるる.任意の (78.1)の解はかゃう1.r.定常な解の一女結合
ψ= 2: Cieーωt榊 ψゐ) σ8.5)
で表はされる.
方程式 (78.1)は純枠献態。時間的援化を興へる.純粋株主Eは時が艦って
も純粋欽態に止まる.之は古典カ皐に於て相~聞の代表舶の運動が悶果律
的に決定論的に行はれるのと同巳事情である.景子力皐に於ける統計栓は
系の時間的音量展に伴ふものではない.統計性は所謂担遡に於てのみ現れる
ものである.それ故混合献態を表はす密度行列の時間的費展も因果律的に
有はれる.
吟 x')= ifi -} 2: 1L'lil/rk(川町内
= 2: 'U'k{J-E '/rk',;r)・材(x')-",..,.('1;). J:C事例'1;')}.
批の闘係は記蹴的に
tEZ子=Hp一pH (78.6)
l:書〈ととができる.pが時間的に礎化しないのは.pがE と交換する場l
合,自Pち密度行列が定常妹態の混合である場合のみである.
多〈の場合,方程式(78.1)を厳僚に1~( ととができない.併 L. H=ll~ ,+r
策 IX望者 電子統計力事 -147
dコ形tと書けて,Hoだけでは問題が解け,Vはl-Iμ に'1吃ぺて小さいと言ふこ
とが起る.此の時には所謂揖動の方法によって近似併が求められる.固有
方程式
Ho ψ,~= E1・叫
が解けたものとする時,一般のψを
ψ=玄白~I) 'fJ-めバ仰の
の形に展開する.之を (78.1)に代入すれば
銃撃=引等l,ー伽
= (.H;, + V) ご~ r.(t) ,,-イ川 ψ7(:~)
=ヱヘ(1)・mc-il仇刊r(,・)+ヱι(1)e-Il:;7t,,, v-ψ~(.l・),
~pち
玄 i克与ι ,ーゆ ψ~'(.I') =2:ω イ刀'1'1
を符る.雨}il'cψア(.,・)を-I1tげて積分すると直交性により
i立 iこ~=::>('・・ 6川~-';2)似 V..Io目 ・ー r • .•• ・..掴• dt ヤ“一"
1;;.る方程式を得る.但L
V.k = j "Ý~'*(.I') 内~(I') dx
(78.7)
(78.8)
(78.9)
(78.10)
は Yの}iJffl同行列要素である.揖動項 Y が主ならば αは常n投である〈乙と
で用ゐた方法は微分方程式論で云ふ常数轡化の方法で、ある).それ故 Y が
小さければのの時間建化は絞徐なものであると恕保される.すると泊ー近
似として,方程式 (78劫の右迭に現れる ωとして初朋値を代入して積分し
τも差支へあるまい.初期値としては Ck(0)=0 (んヰα),04(0)=1 をとる;
制 8 破事前及統計・愉
即ち揖動を受砂ないエネルギー H,I/.)国有値A!が確かに貫現されてゐる
欽態をとる.すると,
qE]-/(jl/"ー噌
向。~~-~・ u ",u,'" V_ (i宇α〉(EY -E:)
とたる.その絶譜値の卒方
2(1-cω ((E~ - E!>府~)Il%(t)11 =::! -,- ~-';;o"-¥;o¥a一一一一IV.血11 σ8.11)
(E~ -H:)2
時,初め E:tJ:る般態にあった系が t 時聞の後に E~ 紙態に鷲見される確司E
~pち E:→Er 怒る量産盛杢 pfa と考へられる.此の遷移確率は v_ ([)構遁
σ8.1のから知られる趨 t"と αに説いて璽堕である:拘置P叫・
統計力事の萄象とたるやうtJ:複雑古記憶系ではエネルギー固有値は甚だ密
接して存在し,個)'(1/.)エネルギー蹴態への遷移と云ふととJ:T,或るエネル
ギーの範囲金瞳へのを遜移確率が問題・と怒る. その際,σ8.11)の分母のた
めに,初めのエネ1ルギーと著し〈異たったエネルギーをもっ般態への撞穫
は小さいから(近似的エネルギ F 保存の法則.ととでは揖動エネルギーJl'"
が省略されてゐるからエネルギ F 保存則も近似的にしか嘗融らない1)初め
@エネルギーの近〈だけが問題と完r:J) ,しかも濯移確率 σ8.11)を無限のエ
ネルギーの範囲に蛾げてしまっても犬した誤りには怒らない.初めの蹴膿
αのエネルギーと同じzネルギーに劃する格P扶態ωの密度を p(E!)とす
ると〈卸ちP(E!>4E,が 41誌なるエネルギ戸範囲内の賦態ωの量生であるみ,
金濯移確率は
r+個 2(1-cos ((E'l -E~) t/iゆ〉l lYhF-pCEDdfzf J_回 (Et-/<:':)1
であるが,第ーの被積分因数は上記のやうに E~~E! でのみ大きた値をも
第 IX:'ce 量子統計力事 H9
。から,行列要素 jv", 11 もエネルギ-~犬態?宇;f:i[ p(E~) も R; の滑らかな函
放であるとする限り積分の外に遁/1¥すことができる. そとで求める全確率
は
r+国 2:(1-ωs x) τ:v....lヤ(E~.λ国 d fls=2zz-|V刷 11 ・ p(E~) tiK.l:.!)
となって,時間 tに比例する. そと-c:耳'I.{立時間毎の遜移確率又は準監盤整
蓋墜と云ふととに意味があって.それは
子l川叫) (78.13)
で興へられるとととなる.
以上の計算:では二度近似を使ってゐる.一度は常数費化。償分方程式
(78.9)を解〈時であって,tは鈴P大きくてはいけない;此の制隈は結果か
ら去って計算された溢修確率が1に比して小さければ満たされてゐると考
へられる.他は(78.13)を導〈時に cosを含む項の鋭い山を要求してゐる
が,之はtが大きい程良〈蛍繰る.即ち tは小さ過ぎても大き過言rても泊:し
〈たい.
以上は (78.9)の第一近似解に就いて述べたのであるが,第二近似解を縛
るには,第一近似解を (78.9)の右越に挿入すれば良い.かういふ近似解の求
め方に従へば.系は初めの欣態 αから虫盟空盤盤μ を経て~:$!Jの欣態ωへ
移ると云ふ二段の量子飛距,i醤静α→μ→ωを行ふと見るととができる.結
諭は大開上とrli]じととであって, (78.13)に於ける行列要素 J'_を
て.., 1'..., JルVω... + ">ーマ手--こ?一 γ1~:: -ÞJI;~
(78.14)
で世き拘へればn.い.初めの欣態αと終りの欣態 ωとはエネルギーの等し
いととが必要でるるが,中聞のj伏盤 μ に運針しては此のt条件は必要で吉区い.
43U 確率論及統計論
それ故,中開放態 μ は盤翠盤盤と云ふととがある・“偶然"にも b~~E~ 々
たる場合は所謂差盤空量全であってs此の11与には特別0取扱ひをしなけれ
ぜたらないが,之について深く立ち入るととを省略する.
上に求めた逗移確率は戎る時間 t の後に系~1盟遡ずることによοて得ら
れたものである.塑遡を1c字通り翻測機械にかけて測定するととと解揮す
る必史:はないかも知れないが,IEli測せす=に系が放置してあれぽ,始めに越ペ
た如く系の時間的殻展に統計性が現れる筈がない.それ故,集盟運動論的
即ち確率論的に系の琵H1~調べるには尚一層深いj制度付けを必姿とするか
に思はれるが2之に闘して深い研究はまだ行はれてゐない.
~ 79. 多韓 問 題
一つの粒子,例へば電子,の臨槙 x,'Y, z とスピン(昼間運動以外の或る内
部自由度)座標とを綜合して皐lζsと記すとととする.同巳種類の粒子多
数が集つ℃一つの力皐系を作る場合には波動函数は多くの粒子の座標 1111,.
Xs,…,Xnを引数として含む:ψ=ψ(X1,X~,' ・,ω. 系のハミルト=アンHtま
之等すべての座標に働く演算子で,粒子が同種であると云ふ仮定から粒子
は力準的に区別されすヘ Hは粒子に就いて謝稿的でなければならない.即
ちI-Eは;r以 ,iOj払Iのやラな演算子の或る函数であるが,之が添字iの交換
に就いて主J郁な函数であるととが要求される.そとで仇・hl'utlingcrの波動
方粍式 (7i.l)を眺めるのに, '¥かいJ,:r!!,…, X,.)がーつの僻でるるならば,引離
tl,.. ~:tn
も亦方程式の解である.此の置換の操作をPψで示す.方程式の一次世1か
ら置換を施した波動函数の遁首なー弐結合をとすCも解である.そ乙で特
に劉隅的な波動函華客
修 I文 京 景子統計カ事
五ぴ逆劉稽的ti.i度動岡敬
2,1ψ(xt,九…,ω=ψsP
4;jl
(70.1)
玄 (ー )Ppψ~:V l, Z2,・・ゾ.;)= VA (70劫P
を考察する.但し此の和は粒子座憾のあらゆる置陀に就いてとるべきもの
でベー)Pはむ換Pが向置換か奇置換かで+,ーの値をとる符械である.
ψsは瞭かに劃栴で:1ψ'8=ψ'8,ψAは逆差J稿:p.ψ'.1=(ー)P.ψ'.1である.
多粒子系の欽態が一皮封構叉は逆lft4"前の波動回数でJ之はされるもめなら
ば,時fllJが経過しても,劉栴叉は澄割前の:"Ik,t構性は費化したい.之は一定の
ハミ)l,.. ).ニアンの作FIiの下に於砂る時問機化ばかりでなく,l:んな揖動が
加はっても同様である.調はぽ粒子系は一つの~J稿・状態に捕へられ-C:,そ
とからj白けtHるととができない.若し仮りに世界の始めに墓古橋i様子l'を満た
さない波動函教が典へられたとしても,その封手酷f,分又は越封稗部分は他
の部分と滴立に琵展し,五ひに入り混ると云ふととがない.自然は簡.it1.を
好むから,此の様なむだな亙複を許す筈はな(,或る種餌の粒子はいつも唯
一の童話稽降件を満たす波動函JJ攻のみをとると考へられる.そして置肢の操
作は一次演算であるから,封隅係件は量子論理の根本特徴即ち J伏態。重重県
と去ふととによって費更されない.
経験によれぽ,電子や腸手は逝針構波動函1肢で去はされる欣態にのみ現
れる.重陽子やアルファ粒子は寄稿波動函数で表はされるnえ態にのみ現れ
る.
波動函散の劃栴性は量子統計法f!pちFel"lllI統計法,Bose統計法を説明す
る.之を見るために,系内の粒子聞に相互作加がない若しくは高だ小さい
~:.! 確事前及統計筒
場合を考へょう.此の場合は金系のハミルト=アンは個kの粒Tのハミル
ト昌アンの和であって:
.HCの=Bi1) + H~η+…+ ~1), (79.3)
Schrodingerの方程式は饗数分離を起し,
ψ(2;1, Z2,…,x,,) = ψμ,)ψt(X2)・・・ψ,.(:1:ρ (i9.4)
1';.る形の解が得られる.之に (79.1),(79.2)の封橋化又は逆針隅化の操作を
施せば,
及ぴ
'2:Pψ,(:l:t)' .ψ',,(ω=1ψ山,)ψ仇)… ψ,μ,)P I
ψ1(ぬ)ψμ2) …私 的)
ψI(X,,)ψ2(X,.) ψ',,(x,,) I +
玄(ー)1'P,ψI(Xl)"ψ,,(xρ=1ψμ,)和(x,) …私(X1)P
ψ・1{:':2)ψ'/X2) ψ'‘(:cρ
ψI(;r,,)ψ't(ω ψ,,(:τ..) I一
(79.5)
(79.6)
1.1:る波動函放を得る.但し卜・・|ーは普通の行列式を表はし,卜・・1+は行列式
をつくる時土の符競をつける筈のととろを全部+で置き換へて得られる
式でるるわ.
。9.4)に於ては粒子1は欣態ψlにあり,粒子2は欣態2にあり,…と弐1
ふととができるが,(79.5),(79.6)に於てはどの粒子がどの紋態にあると去ふ
ととはできない.l:の粒子もすべての欣態に同時的に存在してゐる.とSも
が粒子の無差別性の意味である.また,行列式のが1:質にJ:.!J, (79.6)に於て
1) 英語で戸rmanen1il:呼ぶ.
第 lX.掌 量子統計力皐 453
ニタの欣態が一致すればそれは恒等的に零となり,同「状態にー簡以上の
粒子の這入れないといふ Fel'mi統計訟の特性を示す.(7¥.)';"i)の弘合には此
の性質がなく同一j伏態I!:いくつでも粒子治q{.従し得て, BUl:!e統計法に制1Z
する.
波動函数(79.5),(79.61の形は計算に除り便利なものではない. ととでも
æ:図数の方法が有数であるり.先づ (79.5) の場合を海へるのに,此の I~I に I吃
れる悦子欣態 VI,…の中には同じものが重復して現れる一般の場合を考
へ, ψk が n" 凶現れるものとする.今~:Iì助鑓数 1 1 ./2..…主導入して
f!o(三川山)) (iO.7)
を作ると,之を鍋け合せてしまった結果の中から t~l t~1…t2" の係教を扮~
集めるとγ皮(in..j)でるるととがわかるの.此の若手貨を利fjJして例へば(79.5)
を規格化して見ょう. (79.5) とその複素手布陣函数との積は1 ・~illにより
立(芸 s川~v.) ψιÚ'..) (70.8)
に於ける (~l t;o…8~18;'・-・の係重主である. そとで .nに就いて積分すると L被
積分函教が悶枝分解・してゐるがら此の続分が極めて容易に行はれる;之が
母函教の方法の利五主である)
立(子ザψfψk吋
となる.但し粒子紋態ψhは]i:Q.IC.直交旦ク規格され℃ゐるとした. Iltの
積分。 tF・・・8~'1…の係数は瞭かに nl/ntl n~I..' である.それ故,規裕化された
1)
2)
伏見限治:般物記事, 22 (IU.J.υ), !lu4.
常寂国殺を除いては.
454 暗寧論及統計量歯
金系の波動函数民向・・・(XI, X2,・・・,z..)は
立(写州向。)(向
... "1.../"", に於ける←己よ2-Fの係数で興へられるとととなる.v;;! ñ2-!~:.:
(79.7,~)
此の闘係を利用して,我々の多粒子系に謝して外部から揖動が加はった
時のさ長就鵠礎化の謡移確率を計算しよう.之がためには前節の所論に主 9
V (n)" ~ tnh'ms,・・・,町,7It,・・・
=f'F吋問z丸b柵叫' 机 !!l2丸12,...)Y('惚叫z
2怠Eる行列聾索を計算ずれぽ足pる.簡単のため揖動項 Vは
JT('吟田 JTP)+ y~l) +・・・+.y~) (79.10)
C形であるとする.(79.9)を求めるには,(79.71.1.)にJ:J),
会去{妄山fψ?切吋ψω叫l3{芸iit.fψ?ωψ,.(zc)d:
ー石台育{芸山JTB?}{'+8kt.}"-1 (削1)
に於ける t~1".8~1.. ・/〆石τ石古亡の係散を求めれぽ良い.之は直ちに~&
結果を興へる: (nl ,~,.・.)と (mh m2,.・.)とが金〈等しい場合を除い℃臨
V町向…;叫時・・・が零でないのは雨数列が唯ニヲの量生で異たる場合だげで
ある.しかも.そのユつは
m",=均一 1, tnA=路島+1 (k辛 h,) (79.12)
の形であるととを要する.之はつま b唯一む枕子が粒子欽態 ψhから他。
扶態 ψtへ遷移するととに相嘗する〈之は掃動が(79.10)のがであるとしiた
ととから出たので,粒子聞の“衝突"を考へる揚合師ち揖動がニQfD粒子~
第 1X* 長子統計力事 4;',.
関係する3買を合む場台には二重の越移が起る).(7¥).12)が成担玄てば,
l-cf・","k-1,へ (79.1:])
となる.
それ故,前色~iの (78.13) に代入すべき行列要素の平方・は,
l Yi312・n,,(山+1) 。宇 /c) (79.14)
となる.此([)(刈+1)なる因子が Bo:;c統計法の特呉な蹴である.lF12:E
は→闘の粒子が ψι→ψIなる遷移を行ふ確率を奥へるのであるから,古典
的に考へれぽ.?i¥;系の誕砂確率は初めのf伏酷ψ'/0~I'ïめる粒子の,敬 n.を之に
掛けたものとなるべきである.景子統計法に於ては終りの1Iえ態を占める粒
子教加にも関係する!此のことは Fl'l"Il1i統計法の場合にも云へるととで
あって,(79.14)に相官して
lrti12・11/0(1一川 (11宇。 (79.15)
となる.
(70.15)の (1-11.,,)なる因子は P品uli禁制を考へれば説明しうるととるで
ある. I'!Uち蕗りの欽態 ψゐが阪に占領されてゐれぽ(n,.=1),そとに新たに
粒子治;飛込む飴格はないからである. {IH. Bo総統計訟の場-合の凶敢
(;1,,+1)はかやうにi町観的な言葉で解騨するととは困難である. かやうな
特別な因数は合理的な:量子力皐のでき上る以前に阪に Einstpinの導入した
ととるであって,今古典的な粒子と Bo~l'粒子との混合筑世に於ける平衡欣
態を考へると,古典粒子が欣態 J.:から Hへ Bo嶋粒子がhかちんへ衝突に
よって濯移する確率とその逆の遮診の確率とを等L¥r、と置いて
NrOt. (I~,. + 1) = AIIIM (n/o + 1)
なる閥係が得られる.衝突に於てはヱネJI.ギーが保存されるとして,夫々
451 確率諭及統計.
@エネルギーを EIC,ER, E/i;; EAと書くと
ElC + E"田 EIl+ E"
が成り立つ.叉,古典世子に劃しては Boltzmann0分布 e-fl•lCが成 P 立っ
として,上の二式から
入会臥問。。0
0lu 一一
均一
1
h
一+
aa-a帰
e一n一一
同一
1
向一け
e一向
之を解いて
As-崎町=1"ご芯±高
なる正しい式が得られる. Einsteinは此の式を得るためには(均+1)怒る3
国政の必要であるととを認めたのであった.