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1 フィリピンにおける Mobility as a System実証事業 プロジェクト実施者: プロジェクト実施期間: ソフトバンク株式会社 2016年5月~2018年9月 エネルギー消費の効率化等に資する 我が国技術の国際実証事業

Mobility as a System実証事業

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Page 1: Mobility as a System実証事業

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フィリピンにおけるMobility as a System実証事業

プロジェクト実施者:

プロジェクト実施期間:

ソフトバンク株式会社

2016年5月~2018年9月

エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業

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1-1.事業背景

(出典) CNN World News July 16, 2013

深刻化する渋滞と大気汚染

ASEANで大気汚染が原因で死亡する人(PM2.5由来)

毎年15万人以上

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1-1.事業背景

フィリピン政府がEV化の取り組みを開始した

(アジア開発銀行)

フィリピン政府に3億ドル融資

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1-1.事業背景

近距離交通は東南アジア・南アジアに普遍的に存在

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1-2.事業目的

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事業の概要  ー  ターゲットマーケットの定義 (フィリピン)

距離

乗合(公共交通機関) 占有

マルチキャブ、UVエクスプレス(数百万円/台)

バス(数千万円/台)

ジープニー(数百万円前半/台)

自家用車、タクシー、ハイヤー、

バイク

近距離交通用の低速(40km/h以下)の乗り物 (量産価格=100万円以下)

(例、トライシクル、トライク、NEV*)

今回のターゲットセグメント  (日本にはないセグメント)

• NEV = Neighborhood Electric Vehicle (北米的な言い方)、

今回のプロジェクトではEマイクロモビリティもしくはLSEV(Low Speed Electric Vehicle)と呼ぶ

電車※殆ど存在しない

近距離交通用の低速車両の領域をターゲットとする。ここにはまだ大きな競合が存在しない。

今回のターゲットセグメント

近距離交通用の低速(40km/h以下)の乗り物(例:トライシクル、トライク、NEV※)

※NEV = Neighborhood Electric Vehicle(北米の言い方)今回のプロジェクトではEマイクロモビリティもしくはLSEV(Low Speed Electric Vehicle)と呼ぶ

短距離交通用の低速車両の領域ここにはまだ大きな競合が存在しない。

自家用車タクシーハイヤーバイク

マルチキャブ相乗りタクシー

ジープニー

バス

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1-1.事業背景

■特に首都圏で深刻な交通渋滞⇒組織化されない個人経営の旅客事業者が多いことが一因とされる。

フィリピンにおける諸問題

大気汚染、騒音

EV車両単品販売広まらな

■環境負荷の高い車両(ジープニー、トライシクル)による大気汚染、騒音⇒電気自動車(EV)に変えて環境負荷低減を図る動きがある。⇒多くの企業がEV市場にエントリーするが、課題が多く、広まっていない。

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1-2.事業目的

MaaSのスキーム現状

ハードの置き換えだけでなく情報化による都市交通の最適化を図る

車両置き換え+最適運行=渋滞解消・騒音軽減車両置き換えだけでは課題解決にならない

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2.事業内容

スペイン時代の城壁都市「イントラムロス」において電動三輪車量50台と充電機材17台で実証事業を実施

画像©2017 Google、DigitalGlobe、地図データ©2017 Google

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2.事業内容

ガソリン車

一般的なアプローチ

既存の仕組みのまま- 個人事業主型

- 運行はドライバー個人の裁量による

電気自動車

単純な置き換え

運行エリア

モバイルネットワーク(3G/4G)

Cloud

車両状況データ・運行実績データをCloudに送信

車両間隔の補正や給電タイミングをドライバーに指示

EV

我々のアプローチ

車両・IT・運用をセットにした新しい公共交通システム

Mobility as a System

これまでにない新たなアプローチによる問題解決

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2.事業内容

ソフトバンクの技術・運用を活用した

EVエコシステム

EV Power Charger

ソフトバンク クラウド

ユーザー(例)

運行サービスオペレーター

(1) 車両(2) ITシステム

(3) 給電インフラ(4) カスタマケア

(5) メンテナンスサービス

テレマティクス

充電インフラ

アセット管理 運行管理

オンボードIT

EVサービス

サービスプラットフォーム

EVエコシステム

車載通信機器搭載

<領域1>PackeT

インフラサービス管理

<領域2>オペレーター収入管理業務

代行

収入管理・精算

<領域3>オペレーター精算管理

<領域4>CRM

運賃課金

Use a Ticket

1

MC ME

IN AM O P20.00

Effective for * min.

Barcode Ticket

SVC

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2.事業内容

全ての車両はクラウドでモニター/指示をされ、

「線路のない電車」のように運行する

停留所

EV

充電ステーション

サービスルート

サービスエリア

電気自動車

システム構造

乗降は停留所のみ

等間隔運行

車両数、充電スケジュール、需給バランス等により最適化

‐EVの等間隔運行のための調整情報‐バッテリー充電割当時間の通知

クラウド

モバイルネットワーク(4G/3G)

車両状況や運行結果データをクラウドで送信

運行イメージ

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2.事業内容

等間隔運行

クラウド

ITの自動制御で等間隔運行に戻る

待ち時間が長い

隙間なく来ると搭乗効率が下がる

時間と共に崩れ出す

ITによる自動運行指示で等間隔運行を実現!

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2.事業内容

- ピーク時間- 運行ルート- ドライバー数 等

登録情報

運行スケジュールを自動生成

運行スケジュールの自動生成&運行状況の自動モニタリング

計画(自動生成) 実績(リアルタイムモニタリング)

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2.事業内容

運行スケジュールを基に、各ドライバ‐毎にタスクを自動で割振る

各ドライバ‐は、タスクに従い運行を実施!

各ドライバーへ自動でタスクを割当

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2.事業内容

NEDO・DTI、IAとの調整(運営委員会等)

ソフトバンク株式会社・実証事業計画、遂行、監督・EVエコシステム整備(充電インフラ、サービスプラットフォーム、テレマティクス、EV車両)・運行指導・普及活動・事業性評価

DTI(貿易産業省)・フィリピン国内における調整

ID

MOU

委託 IA(イントラムロス監督庁)・運行許認可・駐車場の確保・展示会開催

MC Metro TransportOperation, inc.

・運行管理・運行サービス・乗車券の販売

ID:委託先である日本企業と現地サイトが締結する実証事業の細則を定める協定付属書

指導

実施体制

MOU:NEDOと相手国政府又は公的機関が締結する実証内容、事業スケジュール、業務分担等を定める実施協定書

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3.事業成果

実績の見える化によりドライバーの実労働時間を改善!

計画

結果(実労働時間)

労働時間(10時間/日)

5.5~6.5 時間(平均)

休憩時間(2時間/日)

改善前(2017/3)

改善後~MaaSによるタスク管理の徹底~ (2018/5) 9 時間(平均)

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3.事業成果

時間帯別搭乗者数実績データに基づき車両台数を調整

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3.事業成果

今の速度を維持 スピード落とせ!

止まれ

その時々の運行車両数を基にした車両間隔の自動調整指示により、等間隔運行を実現

ドライバーのスマフォに指示

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3.事業成果

(※1)サービス支障を出さないように車両供給が出来ている割合。運行稼働率=(A-B)/A、A=Σ(サービス提供計画時間)、 B=Σ(車両故障や充電計画不備によるサービス提供不可時間)(※2)Universal Subscriber Identity Module(汎用加入者識別モジュール)の略。ユーザーの電話番号や通信事業者情報等を記録している小さなICカードで、モバイル端末に装着すること

で、その端末をカード内に記録されている電話番号で利用することができる。(※3) On Board Unit(車載機)の略。GPS位置情報やECU(Electric Control Unit)が発する車両情報等をサーバに送信する車載装置。

~車両故障や充電計画不備による配車計画への支障0~

(※2)

(※3)

故障による配車計画への支障 ZERO

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3.事業成果

バッテリー切れによるダウンタイム ZERO

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3.事業成果

輸送能力・回転率が2.4倍に

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3.事業成果

年間エネルギー消費量削減効果(石油換算)

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3.事業成果

年間CO2発生量削減効果

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3.事業成果

実証事業の様子を動画でご覧ください

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4.今後の展望

充電管理運行管理システム

IT提供者が旅客サービス事業者にMaaSプラットフォームを提供

サービス事業者の

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4.今後の展望

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4.今後の展望

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4.今後の展望

各国で新たな公共交通政策・支援措置を推進しておりMaaS展開にとって追い風の状況

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4.今後の展望

1. スマートシティの域内交通

2. 鉄道駅などを起点としたラストワンマイル

3. 観光スポットの域内交通

鉄道駅を起点としたラスト ワンマイル交通 スマートシティ域内交通 鉄道駅接続ラストマイル 観光スポット域内交通

画像©2018 Google、DigitalGlobe、地図データ©2018 Google