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22 UNICORN JOURNAL, June 10, 2008
授業レポート New Edition Surfing 英語Ⅰ
Ⅰ.はじめに 本校は全 26クラス、高知県では最大規模の普通科県立高校です。学力伸張型、技能習得型、個性・特技重視型に分類される 3つの柱に 9コースを設置しています。生徒の英語に対する興味・関心の度合いは様々であるため、そのように多様な生徒に対応できる教科書として、3年前よりSurfing Ⅰを採用しています。 平成 19年度から、1年生の英語では 2クラスを 3講座に分割した少人数制授業を実施しているため、生徒一人ひとりに目が届きやすくなりました。また、評価規準を変更し、授業中の活動を大きく評価することになったため、各教員が授業を工夫するようになりました。以下に Surfing Ⅰを使用した実践例を紹介いたします。
Ⅱ.授業研究 ここでは、生徒が特に好んだ Lesson 8 The First “Haircut” in Six Yearsと Lesson 10 Can Davida Live in the Jungle?の 2つの課から、いくつかの活動を紹介します。⑴ Lesson 8 The First “Haircut” in Six Years1.Listening< Part 1の例>⑴ 第1パラグラフのメインアイデア① What is Shrek?[ニュージーランド / ニューヨーク]の羊② When did Shrek leave his flock?[ 3歳の時 / 4歳の時]
⑵ 第 2パラグラフのメインアイデア① When was Shrek found?[ 6年後 / 8年後]② Where was Shrek returned?[動物園 / 飼い主のもと]
③ What did Shrek look like?[羊毛の大きなボール / 風船]
まず始めに、教科書の本文に目を通す前にリスニング活動を行い、これから読み進めていくストーリーがどのようなものであるのかということを念頭に置いて、各段落のメインアイデアを探ります。上の活動例のように質問は英語で記載し、選択肢には日本語を用いて英語嫌いな生徒でも抵抗が少ないように配慮しました。2.SVOO カードの並べかえ競争( Part 2の重要文型 )
例) My mother made me a delicious cake. という文を完成させるために
[ me / a delicious cake / my mother / made ] の4枚のカードを用意する。
教科書の文を用いて文法事項の説明をした後、3~ 4人のグループを作らせ、上記のようなSVOOカードを数セット各グループに渡します。そして、与えられた日本語に合うようにカードを並べかえ、最も早くすべての英文を完成させたグループが勝ちという活動を行いました。グループで協力して活動を行っている光景が見受けられ、練習問題を解かせるよりも積極的な取り組みが見られました。
⑵ Lesson 10 Can Davida Live in the Jungle? 1.Dictation Bingo ワークシートに 4× 4のマス目を作っておきます。CDのポーズつき録音を聞かせ、パートの中の聞き取れた単語(冠詞や固有名詞を除く)を書かせます。生徒(A)→教員→生徒(B)→教員の順で単語を挙げていき、ビンゴを行います。クラス
New Edition Surfing 英語 Ⅰ “Dictation Bingo”などで 授業を活性化
高知県立岡豊高等学校英語科 白石 志津Shiraishi Shizu
小松 由里Komatsu Yuri
吉岡 美幸Yoshioka Miyuki
UNICORN JOURNAL, June 10, 2008 23
授業レポート New Edition Surfing 英語Ⅰ
全員に少なくとも 1回は発言させます。教師は特に覚えておいてほしい単語を読みあげ、挙げられた単語はスペルミスを避けるために全て板書します。ゲーム形式の進行には英語が苦手な生徒も興味を示してくれますし、1人 1回は発言することによって、活性化します。英語教育の面では、リスニングとディクテーションを同時に行うことができるので、重宝しています。
2.内容把握(Part 1 の例)
(実際に生徒が作成したプリントより)
motor river rain forest
hold babyoranguta
narm
watch monkey big nose
shake branch camp return
( Part 1 )
( )
3
orang-utan
motor river rain forest
hold baby arm
campshake branch return
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授業レポート New Edition Surfing 英語Ⅰ
3.スラッシュ意味取り CDのポーズつき録音を聞きながら、ポーズが入るところにスラッシュ (/ )を引いていきます。ポーズ読みがあることによって、個々のフレーズを意識することができるようになってきました。4.アンダーライン意味取り 教員が英文の前から順番にフレーズの意味を言っていき、該当する部分にアンダーラインを引く活動です。大半の生徒が、日本語と英語の語順の違いを意識することができました。5.目標タイムを設定し、時間を計る CDの通読読みの録音タイム内に音読することを目標に練習させました。何度も繰り返すことで、自然で滑らかな音読に近づくことができました。
Ⅲ.おわりに Surfing Ⅰは、中学時代に英語嫌いになり高校英語に不安を抱えている生徒にとって、スムーズに高校英語に移行できる構成になっていると思います。また、本書には高知県の平野海岸に流れ着いた漂流物の話題もあり、生徒にとって親しみや
すい課が多いとも言えます。教科書が易しすぎるのではないかという指摘を逆手にとって、本文の暗唱やスキミング、スキャニングといった様々な活動を加えたり、投げ込み教材を用いることが可能です。 採用した教科書を最後まで読みすすめることができない、という声が他校ではよく聞かれます。しかし、本校では教科書最終の FOR READINGまで終了しましたし、他の文法教材や 「OCI」 の授業にまったく支障はありませんでした。さらに、マニュアルで紹介されているように、教科書巻末の 「文型・文法索引 」を利用して、文型・文法項目の該当の文を書き出す作業を春期の長期休暇中の課題としました。このように様々な使用方法が考えられる教科書であると思います。 平成 19年度の改訂によって高校への導入課が多くなっています( 3課)。しかし、高校 1年終了時までに長文に生徒を慣れさせることを目的としたいので、今後は導入課を増やすよりも、本課の本文量を段階的に増やす方向でご検討いただきたいと思います。
岡豊高等学校 英語科教員の皆さま