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プール学院大学研究紀要 第 57 号 2016 年,273 〜 285 幼児の持久走中における心拍数と日常の身体活動量との関係 秋 武   寛 1) 鉄 口 宗 弘 2) 三 村 寛 一 3) プール学院大学幼児教育保育学科 1)  大阪教育大学教育学部保健体育講座 2)  大阪成蹊大学教育学部 3)  Ⅰ.緒言 幼児の持久走(有酸素性能力)は、幼児に持久走を行う是非の問題はあるものの、持久的なラン ニングを取り入れている幼稚園、保育所は、まだまだ少ないのが現状である。幼児を対象とした持 久走のトレーニングに関する研究は、持久走プログラムの効果が認められたとする報告もあれば 15, 34, 35, 36) 、効果が認められなかったとする報告もある 33) 。幼児の持久走において、体重当たりの最大酸 素摂取量の変化は、4 歳から成人と比較して、ほぼ差がなく幼児期から持久的な運動の要素も取り入 れることを推奨している 37) 文部科学省は、2012 年 3 月幼児を対象に幼稚園や保育所における身体活動のみならず、家庭や地 域での活動も含めた一日の生活全体の身体活動を合わせて、「様々な遊びを中心に毎日合計 60 分以 上楽しく体を動かす」という目標を掲げ幼児期運動指針を策定した 17) 諸外国における子どもから大人の身体活動量のガイドラインは、「1 日に少なくとも 60 分以上、中 高強度の身体活動(MVPA)を行う」ことを推奨しており、多くの国々で採用されている 2, 4, 5, 12, 13, 18, 24, 25, 28, 32) 。近年、日常の身体活動量は運動強度に注目し研究が進められ、単に MVPA を増加させる のではなく、連続した中強度以上の身体活動(bouts of MVPA)が様々な健康関連の指標と関連が 強いことが報告され、注目されている 1, 8, 9, 16, 19, 20, 22, 26) 。Fisher et al. は、幼児の中強度以上の日常の 身体活動と基礎的運動スキルに関連があり 7) 、さらにWilliams et al. は、幼児の高強度の身体活動は、 基礎的運動スキルに関連があることを報告し 31) 、幼児期における中強度以上の身体活動が重要であ る。 国際的な身体活動量のガイドラインでは、持久的な運動で、大人は少なくとも 10 分以上の bouts of MVPA が推奨されている 19, 22) 。Holman et al. は、6 - 19 歳の子どもを対象として 5 - 10 分の bouts of MVPA が Cardiometabolic risk の改善に有用であることを報告している 9) 。さらに米国で 実施された大規模調査「National Health and Nutrition Examination Survey」では、8 - 17 歳の子 どもは、10 分以上の bouts of MVPA が肥満の改善に有用であることを報告しており 16) 、持久的な

幼児の持久走中における心拍数と日常の身体活動量との関係 ...115004)を得て実施した。形態測定は、身長と体重は、それぞれ0.1cmと0.1kg単位で計測し、得

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プール学院大学研究紀要 第 57 号2016 年,273 〜 285

幼児の持久走中における心拍数と日常の身体活動量との関係

秋 武   寛1)  鉄 口 宗 弘2) 三 村 寛 一 3) 

プール学院大学幼児教育保育学科 1) 大阪教育大学教育学部保健体育講座 2)  大阪成蹊大学教育学部 3)  

Ⅰ.緒言

 幼児の持久走(有酸素性能力)は、幼児に持久走を行う是非の問題はあるものの、持久的なラン

ニングを取り入れている幼稚園、保育所は、まだまだ少ないのが現状である。幼児を対象とした持

久走のトレーニングに関する研究は、持久走プログラムの効果が認められたとする報告もあれば 15,

34, 35, 36)、効果が認められなかったとする報告もある 33)。幼児の持久走において、体重当たりの最大酸

素摂取量の変化は、4 歳から成人と比較して、ほぼ差がなく幼児期から持久的な運動の要素も取り入

れることを推奨している 37)。

 文部科学省は、2012 年 3 月幼児を対象に幼稚園や保育所における身体活動のみならず、家庭や地

域での活動も含めた一日の生活全体の身体活動を合わせて、「様々な遊びを中心に毎日合計 60 分以

上楽しく体を動かす」という目標を掲げ幼児期運動指針を策定した 17)。

 諸外国における子どもから大人の身体活動量のガイドラインは、「1 日に少なくとも 60 分以上、中

高強度の身体活動(MVPA)を行う」ことを推奨しており、多くの国々で採用されている 2, 4, 5, 12, 13, 18,

24, 25, 28, 32)。近年、日常の身体活動量は運動強度に注目し研究が進められ、単に MVPA を増加させる

のではなく、連続した中強度以上の身体活動(bouts of MVPA)が様々な健康関連の指標と関連が

強いことが報告され、注目されている 1, 8, 9, 16, 19, 20, 22, 26)。Fisher et al. は、幼児の中強度以上の日常の

身体活動と基礎的運動スキルに関連があり 7)、さらに Williams et al. は、幼児の高強度の身体活動は、

基礎的運動スキルに関連があることを報告し 31)、幼児期における中強度以上の身体活動が重要であ

る。

 国際的な身体活動量のガイドラインでは、持久的な運動で、大人は少なくとも 10 分以上の bouts

of MVPA が推奨されている 19, 22)。Holman et al. は、6 - 19 歳の子どもを対象として 5 - 10 分の

bouts of MVPA が Cardiometabolic risk の改善に有用であることを報告している 9)。さらに米国で

実施された大規模調査「National Health and Nutrition Examination Survey」では、8 - 17 歳の子

どもは、10 分以上の bouts of MVPA が肥満の改善に有用であることを報告しており 16)、持久的な

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274 プール学院大学研究紀要第 57 号

運動を日常生活に取り入れることを推奨している。

 幼児の日常生活における持久的な運動あそびは、様々な健康関連指標にも影響することが考えら

れる。しかし、幼児の持久走中における心拍数と日常の身体活動量の関係は、国内外において明ら

かにされていない。そこで本研究は、幼児の持久走中における心拍数と日常の身体活動量との関係

を検討することを目的とした。我々は、幼児の日常の身体活動量が、幼児期の持久的なランニング

中の生理学的指標にも関係があるのではないか、という仮説を立てた。

Ⅱ.方法

1.対象

 対象は、4 - 6 歳の幼児 34 名とし(女児 16 名、男児 18 名)、いずれも神経的、整形外科的疾患を

持たない健常児である(Table 1)。対象の幼児,保護者および幼稚園教諭には、本研究の趣旨を説明し、

対象の保護者に対して調査内容を文書で周知し、測定の目的と意義,個人情報保護、利益、不利益、

侵襲、安全管理、データの公表について説明を行い、保護者から書面にて署名、捺印を頂き、同意

を得た。本研究は、プール学院大学短期大学部研究倫理規程に基づき倫理審査を受け、承認(115003,

115004)を得て実施した。形態測定は、身長と体重は、それぞれ 0.1cm と 0.1kg 単位で計測し、得

られた値から BMI を算出した。BMI の算出式は,以下に示す。

BMI=body weight(kg)/body stature(m)2

Table 1 Physical characteristics of participants

2.持久走の測定

1)持久走の距離

 幼児の持久走の距離は、4 歳児が 1772.0m、5 歳児が 2968.4m、6 歳児が 3677.2m とし、タイムを

計測した(Table 2)。持久走は、園に隣接する公園で行い、多少の起伏はあるもののほぼ平坦なコー

スであった。また走行中の走行速度コントロールを行うために保育士は、スタートから幼児の先頭

を走行し、保育士より前を走行しないよう幼児に指示し、4 歳児が残り約 350m、5 歳児、6 歳児が

残り約 500m 地点以降、幼児は、保育士が速度コントロールを行わず最後のゴールまで任意の速度

で走行を行った。

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275幼児の持久走中における心拍数と日常の身体活動量との関係

 Table 2 Time during the endurance run

2)持久走中における心拍数の測定

Figure 1 Measurement of heart rate monitor

Figure 2 Analysis methods of heart rate during the endurance run

 走行中における心拍数は、心拍数記録装置(Polar 社製,A300,Finland)を用いて、幼児の胸部

に装着し、そのデータを左腕の心拍時計に記録し、専用ソフトを用いて PC にデータを保存した後、

解析を行った (Figure1)。サンプリング周波数は、1 分間に 60Hz とし、心拍数は、1 分間の平均値

を用いた。安静時心拍数は、持久走前の座位安静時 5 分間の心拍数の平均値とした。Figure 2 は、

走行中における心拍数の分析方法を示した。走行中における最高心拍数は、スタートからゴールま

での間で最高値を示した値を最高心拍数とした。走行中における平均心拍数は、スタートからゴー

ルまでの間のすべての心拍数を平均した値を平均心拍数とした。回復期の心拍数は、ゴール後 1 分、

2 分、3 分、4 分、5 分の心拍数を測定した。また対象には、持久走終了後は、直ちに座らないように、

立ち止まらないように、自分のペースで歩行を行い、回復するようにした。

 心拍数の増加率および回復率は、先行研究を基に算出した 10, 11)。算出式は,以下に示す。

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276 プール学院大学研究紀要第 57 号

3.日常の身体活動量の測定

 日常の身体活動量の測定は、3 軸方向の加速度計である ActiGraph wGT3X-BT(ActiGraph,

Pensacola, FL, USA, 4.6 × 3.3 × 1.5cm, 19g)を用いた (Figure 3)。ActiGraph wGT3X-BT は、専

用のベルトに固定し、幼児の右腰部に装着し、入浴、水泳などやむを得ない場合を除いて 24 時間 1

週間連続して測定した(Figure4)。Epoch length は、10 秒とした。ActiGraph wGT3X-BT で得ら

れた 3 軸方向の合成ベクトルの大きさの算出式は、以下に示す。

身体活動量のカットポイント値は、Butte et al. のアルゴリズムを用いて座位行動が 0 - 819、低強

度身体活動が 820 - 3907、中強度身体活動が 3908 - 6111、高強度身体活動が 6112 以上とした 3)。

幼児の身体活動量の評価は、ActiGraph wGT3X-BT を用いて先行研究で報告されている 3)。なお、

ActiGraph wGT3X-BT から得られたデータは、ActiGraph 社製 ActiLife Version 6.13.2(ActiGraph,

Pensacola, FL, USA)を用いて分析した。日常の身体活動量の測定は、幼児、幼稚園教諭および保護

者に ActiGraph wGT3X+BT の使用方法を記した用紙を配布し、直接説明を行った。身体活動量測定

器の装着を忘れた時間については、その時間を所定の用紙に記入することとし、分析から除外した。

Figure 3 Axis defi nitions for ActiGraph        Figure 4 Measurement of daily physical

devices  activity refl ected by ActiGraph

4.統計処理

 すべての値は、平均値±標準偏差で示した。身長、体重、BMI、日常の身体活動量および持久走

中における心拍数の年齢間は、対応のない t テストを用いて分析した。幼児の持久走中における心

拍数と日常の身体活動量との関係は、性、月齢、BMI を制御変数として偏相関分析を行った。統計

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277幼児の持久走中における心拍数と日常の身体活動量との関係

処理は、IBM 社製の SPSS Statistics version. 22 を用いて分析し、有意水準はすべての危険率 5% 未

満とした。

Ⅲ.結果

1. 安静時心拍数、走行中における最高心拍数および平均心拍数

              □ 4-year-olds 5-year-olds ■ 6-year-olds

HR: heart rate, Significant difference in age: *p<0.05

Figure 5 Rest heart rate, max heart rate, and mean heart rate

 Figure 5 は、安静時心拍数、持久走中における最高心拍数および平均心拍数を示した。安静時心

拍数は、4 歳児 93.4 ± 4.6bpm、5 歳児 96.5 ± 5.1bpm、6 歳児 98.8 ± 2.2bpm を示した。走行中にお

ける最高心拍数は、4 歳児 213.7 ± 6.0bpm、5 歳児 201.1 ± 8.2bpm、6 歳児 210.4 ± 7.4bpm を示し、

5 歳児の最高心拍数は、4 歳児、6 歳児より有意に低い値を示した(p<0.05)。走行中における平均心

拍数は、4 歳児 185.9 ± 7.3bpm、5 歳児 180.3 ± 4.9bpm、6 歳児 187.0 ± 13.5bpm を示し、5 歳児の

平均心拍数は、4 歳児より有意に低い値を示した(p<0.05)。

2.持久走中における心拍数の増加率および走行時平均心拍数 / 安静時心拍数

□ 4-year-olds 5-year-olds ■ 6-year-olds

HR: heart rate, Significant difference in age: *p<0.05, **p<0.01

Figure 6 Increase rate of heart rate and mean heart rate/rest heart rate during the endurance run

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278 プール学院大学研究紀要第 57 号

 Figure 6 は、持久走中における心拍数の増加率および平均心拍数/安静時心拍数を示した。心拍

数の増加率は、4 歳児 113.0 ± 8.1%、5 歳児 106.4 ± 4.5%、6 歳児 110.5 ± 12.6% を示し、5 歳児が

4 歳児と比較して有意に低い値を示した(p<0.05)。平均心拍数/安静時心拍数は、4 歳児 199.5 ±

15.5%、5 歳児 188.7 ± 8.9%、6 歳児 162.3 ± 10.0% を示し、6 歳児が 4、5 歳児と比較して有意に低

い値を示した(p<0.05, p<0.01)。

3.持久走終了後の心拍数の回復率

□ 4-year-olds 5-year-olds ■ 6-year-olds

HR: heart rate, Significant difference in age: *p<0.05

Figure 7 Recovery rate of heart rate during the recovery period

 Figure 7 は、持久走終了後の心拍数の回復率を示した。回復期 1 分における心拍数の回復率は、4

歳児 11.2 ± 8.1%、5 歳児 17.4 ± 9.1%、6 歳児 20.1 ± 15.1% を示し、6 歳児は、4、5 歳児と比較して

有意に高い値を示した(p<0.05)。回復期 2 分における心拍数の回復率は、4 歳児 31.9 ± 16.1%、5 歳

児 35.4 ± 7.0%、6 歳児 33.4 ± 20.0% を示した。回復期 3 分における心拍数の回復率は、4 歳児 43.1

± 12.5%、5 歳児 46.2 ± 8.8%、6 歳児 39.0 ± 26.0% を示した。回復期 4 分における心拍数の回復率は、

4 歳児 47.2 ± 11.9%、5 歳児 53.0 ± 4.7%、6 歳児 39.4 ± 21.7% を示した。回復期 5 分における心拍

数の回復率は、4 歳児 50.5 ± 14.7%、5 歳児 59.6 ± 9.1%、6 歳児 47.0 ± 24.6% を示し、5 歳児が 4 歳

児と比較して有意に高い値を示した(p<0.05)。

4.日常の身体活動量

Table 3 Daily physical activity

SD : standard division , SC : step count, SB: sedentary behavior, LPA: light physical activity, MVPA: moderate to vigorous physical activity, VPA: vigorous physical activity,

Mean SD Mean SD Mean SDSC (step/day) 8925.8 1743.8 8965.1 1548.2 8859.2 1937.7SB (min/day) 1108.4 60.9 1109.4 56.5 1131.4 71.3LPA (min/day) 263.9 51.0 266.0 41.5 233.2 54.2MVPA (min/day) 61.0 15.7 58.0 16.0 67.6 19.0VPA (min/day) 19.5 7.5 16.4 5.7 23.2 7.3

4-year-olds 5-year-olds 6-year-oldsVariables

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279幼児の持久走中における心拍数と日常の身体活動量との関係

 Table 3 は、日常の身体活動量を示した。1 日の MVPA の時間は、4 歳児が 61.0 ± 15.7 分、5 歳

児が 58.0 ± 16.0 分、6 歳児が 67.6 ± 19.0 分を示した。1 日の VPA の時間は、4 歳児が 19.5 ± 7.5 分、

5 歳児が 16.4 ± 5.7 分、6 歳児が 23.2 ± 7.3 分を示した。

5.日常の身体活動量と持久走中における心拍数との偏相関分析

 Table 4 は、性、月齢、BMI を制御変数とした持久走中の心拍数と日常の身体活動量の偏相関係

数を示した。安静時心拍数は、最高心拍数/安静時心拍数、平均心拍数/安静時心拍数と有意な相

関関係が認められた(p<0.001)。日常の高強度の身体活動は、持久走中における最高心拍数と偏相

関関係が認められた(p<0.05)。

Table 4 Partial correlations (adjusted for sex, age in month, and BMI) between heart rate during

the endurance run and daily physical activity

Ⅳ.考察

 幼児の持久走(有酸素性能力)は、幼児に持久走を行う是非の問題はあるものの、持久的なラン

ニングを取り入れている幼稚園、保育所は、まだまだ少ないのが現状である。特に子どもの体力低

下が問題となっている中、吉澤らが報告した幼児の持久走に関する研究を最後に、ここ十数年、研

究報告が見当たらない 34, 35, 36, 37)。文部科学省は、2012 年 3 月幼児を対象に、幼稚園や保育所におけ

る身体活動のみならず、家庭や地域での活動も含めた一日の生活全体の身体活動を合わせて、「様々

な遊びを中心に毎日合計 60 分以上楽しく体を動かす」という目標を掲げ幼児期運動指針を策定した

が 17)、具体的な目標値が示されていない。そこで本研究では、幼児を対象に持久走中における心拍

数と日常の身体活動量との関係を検討したことに特色がある。

 持久的な能力の評価は、5 分間の走行距離や 20 mシャトルラン、酸素摂取量を測定し評価されて

RestHR

MaxHR

MeanHR

MaxHR/restHR

MeanHR/restHR SC SB LPA

r -.126r -.437 .118r -.816 *** .672 ** .416r -.856 *** .157 .837 *** .743 ***

r -.192 .021 .305 .302 .170r .246 .065 -.194 -.152 -.263 -.792 ***

r -.304 .074 .262 .276 .339 .755 *** -.961 ***

r .044 -.434 -.059 -.283 -.064 .546 * -.637 *** .400r .127 -.548 * -.118 -.415 -.152 .238 -.332 .065 .917 ***

MVPA

Max HRMean HR

MaxHR/restHRMean HR/restHR

SCSBLPA

MVPAVPA

HR: heart rate, SC: step count, SB: sedentary behavior, LPA: light physical activity, MPA: moderate physical activity, VPA: vigorous physical activity, MVPA: moderate to vigorous physical activity, Significant correlation coefficient: *p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001

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280 プール学院大学研究紀要第 57 号

いることが一般的である 21, 37)。本研究の対象の園は、毎年持久走大会を開催し、約半年前から持久

走大会に向けて定期的に練習を実施している。持久走大会の距離は、園に近接する公園を利用して

行っているため、持久走の距離は規格化されたものではなかった。持久走のタイムは、4 歳児が 15

分 50 秒± 27 秒、5 歳児が 24 分 51 秒± 47 秒、6 歳児が 26 分 54 秒± 18 秒を示した。5 歳児と 6 歳

児の持久走の距離に差は、大きいものの、タイムには、さほど差が認められなかった。吉澤は、持

久走を行う時の注意点として、スタートから走行速度をほぼ一定に維持するために保育者が伴走者

となって速度コントロールする必要性を述べているため 37)、持久走を実施する時には保育士、幼稚

園教諭は速度コントロールを行うことが重要であることが考えられる。本研究では,持久走はある

一定の距離まで保育者が先頭で伴奏し、4 歳児がゴールまで残り約 350m、5 歳児、6 歳児がゴール

まで残り約 500m 地点以降、保育士が走行速度のコントロールを行わず任意の速度で走行を行った。

5 歳児は、6 歳児よりも保育士が走行速度を遅くしてコントロールを行ったためにタイムにあまり差

が認められなかったものであった。

 安静時心拍数は、4 歳児 93.4 ± 4.6bpm、5 歳児 96.5 ± 5.1bpm、6 歳児 98.8 ± 2.2bpm を示した。

走行中における最高心拍数は、4 歳児 213.7 ± 6.0bpm、5 歳児 201.1 ± 8.2bpm、6 歳児 210.4 ± 7.4bpm

を示し、5 歳児の最高心拍数は、4 歳児、6 歳児より有意に低い値を示した(p<0.05)。本研究結果は、

吉澤らの報告と比較するとほぼ同様の値を示していた 35,36)。

 心拍数の増加率は、4 歳児 113.0 ± 8.1%、5 歳児 106.4 ± 4.5%、6 歳児 110.5 ± 12.6% を示し、5 歳

児が 4 歳児と比較して有意に低い値を示した(p<0.05)。また平均心拍数/安静時心拍数は、4 歳児

199.5 ± 15.5%、5 歳児 188.7 ± 8.9%、6 歳児 162.3 ± 10.0% を示し、6 歳児が 4 歳児、5 歳児と比較

して有意に低い値を示した(p<0.05, p<0.01)。この結果から持久走中における心拍数の増加率およ

び平均心拍数/安静時心拍数は、加齢にともない走行中の平均心拍数が低くなる傾向を示し、より

経済的な走りができていることが考えられる。

 回復期 1 分における心拍数の回復率は、4 歳児 11.2 ± 8.1%、5 歳児 17.4 ± 9.1%、6 歳児 20.1 ±

15.1% を示し、回復期 5 分における心拍数の回復率は、4 歳児 50.5 ± 14.7%、5 歳児 59.6 ± 9.1%、6

歳児 47.0 ± 24.6% を示した。先行研究でトレッドミル漸増負荷テストにおいて幼児の心拍数の回復

率は、回復期 1 分において男児 34.2%、女児 27.3%、回復期 5 分において男児 84.6%、女児 82.0%で

あることを報告している 35)。この結果の相違は、本研究の幼児は、グランド走行を行い、持久走終

了後、直ちに座らないように、立ち止まらないように、自分のペースで歩行を行い回復するように

指示したため、同条件の下で比較できないところがある。持久走終了後の回復期の評価については、

今後検討していく必要がある。

 日常の身体活動量は、運動強度に注目し研究が進められ、単に MVPA を増加させるのではなく、

bouts of MVPA が様々な健康関連の指標と関連が強いことが報告されている 1, 8, 9, 16, 19, 20, 22, 26)。諸外国

における子どもから大人の身体活動量のガイドラインは、「1 日に少なくとも 60 分以上、中高強度

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281幼児の持久走中における心拍数と日常の身体活動量との関係

の身体活動(MVPA)を行う」ことを推奨しており、多くの国々で採用されている 2, 4, 5, 12, 13, 18, 24, 25, 28,

32)。田中らは、日本の幼児を対象にして 1 日の MVPA の活動時間は、男児が 111 ± 31 分、女児が

91 ± 26 分であることを報告している 27)。本研究では、1 日の MVPA の時間は、4 歳児が 1 日 61.0

± 15.7 分、 5 歳児が 1 日 58.0 ± 16.0 分、 6 歳児が 1 日 67.6 ± 19.0 分を示し、田中らの報告より、本

研究の MVPA の活動時間が短い傾向を示した。この原因の一つとしては、田中らが評価した加速度

計と本研究で評価した加速度計の違いが考えられる。本研究で用いた ActiGraph wGT3X-BT は、米

国を中心とした国外の幼児ではカットポイント値の妥当性が検証されているが、日本の幼児では妥

当性が検証されていないため、今後妥当性を検証する必要がある。

 本研究では、幼児を対象に持久走中における心拍数と日常の身体活動量との関係を検討した。そ

こで我々は、幼児期において、性、月齢、体格によっても発育発達に差遅があることを考慮に入れ、性、

月齢、BMI を制御変数とした持久走中の心拍数と日常の身体活動量の偏相関分析を試みた。日常の

高強度の身体活動量は、持久走中における最大心拍数と相関関係が認められた(p<0.01)。Fisher et

al. は、幼児の中高強度の日常の身体活動と基礎的運動スキルに関連があり 7)、さらに Williams et

al. は、幼児の高強度の日常の身体活動は、基礎的運動スキルに関連があることを報告している 31)。

つまり、幼児期からの中高強度、もしくは高強度の身体活動は重要な要素であることを指摘してい

る。本研究結果では、日常生活において高強度の身体活動は、幼児の心拍数が高くなる機会が増加し、

呼吸循環器系の向上が認められ、持久走中において経済的な走りができ、最高心拍数に関係がある

ことが示唆された。

 本研究の限界点として、本研究で用いた ActiGraph wGT3X-BT は、米国を中心とした国外の幼

児ではカットポイント値の妥当性が検証されているが、日本人幼児では妥当性が検証されていない。

Zhu et al. は、同一の機種を用いても人種間によってカットポイント値が異なることを報告してい

る 38)。日本人幼児を対象としたカットポイント値は、妥当性が検証されていないため、今後検証す

る必要がある。また日常の身体活動量を評価する epoch length は、幼児の身体活動を捉えるために

epoch length を短くする方が、望ましいという報告もあるが 6, 23, 29, 30)、短くすれば MVPA を過大評

価することも指摘されている 14)。今後は、幼児を対象とした epoch length について検討する必要が

ある。

 本研究では、持久走中における心拍数のみを検討した。本研究では、対象数も少ないことから、

対象数も増やし、さらに幼児の持久走中における酸素摂取量、血中乳酸濃度など様々な角度から検

討する必要がある。

利益相互自己申告:申告すべきものはなし

研究倫理審査:本研究は、プール学院大学短期大学部研究倫理規程に基づき倫理審査を受け、承認

Page 10: 幼児の持久走中における心拍数と日常の身体活動量との関係 ...115004)を得て実施した。形態測定は、身長と体重は、それぞれ0.1cmと0.1kg単位で計測し、得

282 プール学院大学研究紀要第 57 号

(115003,115004)を得て実施し、対象の保護者からインフォームドコンセントを得て実施した。

謝辞

 本研究に快くご協力頂きました園の子どもたちや保護者、測定に多大なるご協力頂いた理事長先

生、園長先生、先生方の皆様に、この場をお借りして心より感謝いたします。また測定にあたり、

ご協力頂きました本学や大阪教育大学の学生に感謝いたします。

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285幼児の持久走中における心拍数と日常の身体活動量との関係

(ABSTRACT)

Relationship between heart rate during endurance run and daily physical activity in preschool children

AKITAKE Hiroshi 1) TETSUGUCHI Munehiro 2) MIMURA Kan-ichi 3) 

Poole Gakuin University1) Osaka Kyoiku University2) 

Osaka Seikei University3) 

Background: Children need a minimum of 60 minutes of moderate to vigorous physical activity

physical activity (MVPA) per day, a standard proposed by various national guidelines. Previous

studies recommended that preschoolers at age 4 or over exercise the endurance running.

Therefore, the present study aimed to determine the relationship between heart rate (HR) during

the endurance run and daily physical activity in preschool children. Methods: Participants were 34

Japanese preschool children (16 girls and 18 boys). The endurance running distance indicated 1772.0

m in 4-year-olds, 2968.4 m in 5-year-olds, and 3677.2 m in 6-year-olds. HR was measured using the

Polar A300 heart rate monitors (Polar Electro, Finland). Daily physical activity was assessed using

a triaxial accelerometer (ActiGraph wGT3X-BT, ActiGraph, Pensacola, FL, USA) throughout the

day for 7 consecutive days. Children wore an ActiGraph wGT3X-BT on the right mid-axillary line

of the hip. Results & Discussion: Maximum HR during the endurance run indicated 213.7 ± 6.0

bpm in 4-year-olds, 201.1 ± 8.2 bpm in 5-year-olds, and 210.4 ± 7.4 bpm in 6-year-olds, respectively,

and maximum HR in the age of 5 was significantly lower than maximum HR in the age of 4 and

6 (p<0.05). Mean HR during the endurance showed 185.9 ± 7.3 bpm in 4-year-olds, 180.3 ± 4.9

bpm in 5-year-olds, and 187.0 ± 13.5 bpm in 6-year-olds, respectively, and mean HR in the age of

5 was significantly lower than mean HR in the age of 4 (p<0.05). MVPA time indicated 61.0 ±

15.7 minutes/day in 4-year-olds, 58.0 ± 16.0 minutes/day in 5-year-olds, and 67.6 ± 19.0 minutes/

day in 6-year-olds, respectively. VPA time indicated 19.5 ± 7.5 minutes/day in 4-year-olds, 16.4 ±

5.7 minutes/day in 5-year-olds, and 23.2 ± 7.3 minutes/day in 6-year-olds, respectively. Maximum

HR was weakly but significantly negatively correlated with VPA in partial correlation analysis

adjusted for sex, age in month, and BMI (p<0.05). These findings were suggested VPA in daily

physical activity to improve maximum HR during the endurance run in preschool children.