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「香港メディア(ブロガー)招請事業」 報告書 平成28年8月 東北運輸局 観光部

「香港メディア(ブロガー)招請事業」 報告書 - MLIT1.事業概要 (1)事業名称 香港メディア(ブロガー)招請事業 (2)事業目的 観光庁では、「観光立国実現に向けたアクションプログラム2015」に掲げた訪日

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「香港メディア(ブロガー)招請事業」報告書

平成28年8月東北運輸局 観光部

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目次

1.事業概要 ・・・・・・・・・・ 3

2.事業行程内容 ・・・・・・・・ 5

3.事業アンケート調査 ・・・・・ 11

4.情報発信 ・・・・・・・・・・ 15

5.まとめと今後の展望について・・ 78

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1.事業概要

(1)事業名称

香港メディア(ブロガー)招請事業

(2)事業目的観光庁では、「観光立国実現に向けたアクションプログラム2015」に掲げた訪日

外国人旅行者数2000 万人の早期実現を目指したビジットジャパン事業を展開していくこととしており、この一環として、東北運輸局においては東北地域の関係者と連携した、東北地域への外国人旅行者を誘致するためのビジットジャパン地方連携事業を実施しているところである。宿泊旅行統計調査(観光庁)によると、日本全体としては2015 年に6,051

万人泊となっており、東北地域に限っては53 万人泊と震災前水準へ回復したものの全国の1%に満たない現状にあることから、更なる外国人宿泊者数の向上に向け、官民、観光関係者、地域住民が一丸となり、東北地域の観光振興に取り組んでいくこととしている。放射能に対する不安等から観光客数の回復が特に遅れている香港において、消費者

の東北への旅行マインドを改善することを目的に、影響力のある有力なメディア(ブロガー)を招請し、香港で人気が高まっているレンタカーを使用したドライブツアーを体験してもらい、桜と雪の回廊など東北の春の魅力をSNSや旅行本により現地で発信することを目的とする。

(3)実施主体 東北運輸局、東北観光推進機構、秋田県、山形県、新潟県

(4)業務概要

①香港メディア(ブロガー)の招請

被招請者:香港メディア(ブロガー)1名及び随行者(カメラマン)1名

招請時期:平成28年4月19日~4月26日 7泊8日

②被招請者(香港)目線による旅行本の作成

③被招請者からの事業実施のレポートに関すること

④被招請者及び成果物に対する事業実施後のフォロー

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2.事業行程内容

(1)コース選定理由(テーマ、コンセプト等)①東北の日本海側4県(青森県、秋田県、山形県、新潟県)を周遊するコースで、桜の美しい時期に桜に加えて美しい自然や豊富な食材、多様な文化など、他の地域と差別化できる東北の魅力を堪能できる、また、実際に外国人旅行客の受け入れができる施設・観光地等を中心にコースを設定。②視察コースの移動手段はレンタカーとし、二次交通としての活用を視野に入れたレンタカーならではの行程。③FIT需要を勘案し、宿泊先は旅館・ホテルの他農家民泊、食事場所は地域の食材や郷土料理を提供する施設など、東北ならではで、一般消費者にとって魅力的な箇所を選定。

(2)日 程:平成28年4月19日(火)~4月26日(火)の7泊8日

(3)被招請者:

4

メディア名 メディア種別 被招請者名(漢字)被招請者名

(パスポートネーム)性別

1 Headline Daily, TVB旅行作家ブロガー

項 明生 Hong Ming Sang 男性

2 Headline Daily, TVB 写真家 盧 俊彥 Lo Chun Yin 男性

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(4)事業行程

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日次 月日 地名 県 時間 交通 行程

香港国際空港にて搭乗手続き

香港空港発 13:05 航空機 UO1646便にて成田空港へ

成田空港着 18:30 成田空港第2ターミナル到着

空港第2ビル発 20:15 京成スカイライナー50号にて京成上野へ

京成上野着 20:56 徒歩で上野駅へ

上野駅発 21:46 新幹線 とき351号にて燕三条へ

燕三条駅 23:43 レンタカー 弥彦温泉へ

0:20 宿到着

(宿泊:弥彦温泉・お宿だいろく)

8:30 レンタカー 朝食後、宿出発

弥彦 8:40 弥彦公園(桜取材)

9:20 さくらの湯取材

弥彦ロープウェー

11:00 新潟へ移動

新潟 12:00 新潟到着

昼食 寿司(新潟 極み寿司)

13:00 出発

13:15 ぽんしゅ館取材

14:00 出発

村上 村上着

15:45 村上市内視察

 堆朱のふじい~富士美園(お茶屋)~味匠喜っ川(~街並み撮影)

17:15 出発

瀬波温泉 17:45 瀬波温泉泊

(宿泊:瀬波温泉)

瀬波温泉 8:00 レンタカー 朝食後、出発

9:30 道の駅いいで(免税対応・観光案内所視察)

10:00 出発

米沢 10:30 紅花染め体験(染織工房わくわく館)

11:30 米沢ラーメン(昼食・取材)

12:30 出発

南陽市 13:00 烏帽子山公園(桜取材)

14:30 出発

銀山温泉 15:45 大正浪漫衣装に着替えて、銀山温泉散策

18:15 入浴後、出発

戸沢村 19:15 戸沢村民泊

農家民宿たなか(戸沢村角川1316-2)

夕食:たなかにて

(宿泊:戸沢村・民宿泊)

民泊先にて朝、田舎体験

戸沢村 9:00 レンタカー 出発

9:30 古口から最上川舟下り

10:30 草薙港出発

酒田 11:40 相馬楼

 酒田舞娘の踊り鑑賞とお食事

13:10 出発

13:20 山居倉庫

14:00 出発

14:30 舞鶴公園(桜取材)

15:30 出発

16:30 加茂水族館

17:30 出発

17:45 湯野浜温泉着

(宿泊:湯野浜温泉・亀や泊)

新潟

4/21(木)

山形

14/19(火)

24/20(水)

3

44/22(金)

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湯野浜温泉 8:30 レンタカー 朝食後、出発

9:30 象潟 道の駅ねむの丘

9:50 出発

秋田 11:00 秋田ケーブルテレビ 秋田犬とのふれあい

11:30 出発

11:45 秋田民俗芸能伝承館 竿灯体験

12:30 出発

12:35 昼食:いなにわうどん

13:15 出発

大潟村 14:15 大潟村 桜と菜の花ロード(桜取材)

15:15 出発

男鹿 16:00 なまはげ館・男鹿真山伝承館

17:00 出発

17:40 ゴジラ岩

18:30 出発

男鹿温泉 19:00 夕食:石焼料理

20:30 五風にて太鼓ライブ

(宿泊:男鹿温泉・男鹿ホテル泊)

男鹿温泉 8:30 レンタカー 朝食後、出発

角館 10:15 角館桜取材

 町内散策(青柳家)~たてつ家(11:30~着付)~河原へ

昼食は、川原でのお花見体験、お花見弁当

12:50 出発

13:00 角館駅

角館駅 13:13 鉄道 角館駅 秋田内陸縦貫鉄道にて八津駅へ

八津駅 13:25 八津駅

13:30 かたくり館 ※かたくりの群生地

14:30 出発

15:00 刺巻湿原 ※水芭蕉の群生地

15:40 出発

田沢湖 田沢湖

16:00 山のはちみつ屋

16:40 出発

17:00 田沢湖・たつこ像

17:30 出発

18:00 田沢湖・水沢温泉

(宿泊:田沢湖・ホテル森の風田沢湖泊)

8:30 レンタカー ホテルで朝食後、出発

八幡平 10:30 八幡平山頂レストハウス 雪の回廊取材

11:30 出発

鹿角 12:30 道の駅あんとらあ たんぽ作り体験、昼食

13:30 出発

弘前 14:30 弘前市内取材

14:30~15:30 ねぷた村にて金魚ねぷた作り体験

15:40~16:00 夢やにて着物着付

16:00~17:15 弘前城取材

17:15~17:30 夢やにて着替え

17:30 ホテルへ移動

チェックイン、休憩

18:00 弘前城夜桜取材・路地裏探偵

20:00 夕食:りんごのフレンチ

(宿泊:弘前・弘前パークホテル)

弘前 8:00 レンタカー 朝食後、ホテル出発

青森 9:10 トヨタレンタリース青森 青森造道店

9:40 出発

10:00 三内丸山遺跡(縄文遊館)

11:00 出発

11:15 新青森駅着

新青森駅 11:52 はやぶさ18号にて東京へ

東京駅 15:04 東京駅着

青森

84/26(火)

74/25(月)

54/23(土)

秋田

秋田

64/24(日)

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(4)各視察・取材状況

燕三条駅で被招請者をお出迎え。 弥彦公園での桜の取材。八重桜が満開だった。

日本海を望む素晴らしい景色を背景に、弥彦山頂での取材・撮影。

村上のきっかわにて取材。天井から釣り下がるたくさんの鮭に興味を持って取材をしていた。

米沢にて紅花染め体験。伝統的な染物の体験に喜んでいた。

烏帽子山公園での桜の取材。ようやく満開の桜の取材ができ、満足していた様子。

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銀山温泉での取材。大正時代の衣装に着替え、街を散策。花笠踊りの披露も見学し、満足していた。

戸沢村の民宿にて宿泊。人のあたたかさに触れられる民宿体験は評価が高かった。

最上川舟下りの取材。両岸に咲く桜を見ながらの舟下りは興味深い体験だった。

相馬楼での取材。建物自体にも興味を持ち、舞妓さんの踊りにも感銘を受けていた。

舞鶴公園での桜の取材。こちらでも満開の桜を見ることができ、満足していた様子。

秋田犬の取材。動物との触れ合いも取材としては是非入れたいと考えていたので、喜んでいた。

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秋田にて竿燈体験の取材。実際に体験し、難しさを理解した。

大潟村桜と菜の花ロードでの取材。桜と黄色の美しい景色に多くの時間を割いて取材、撮影していた。

男鹿温泉のなまはげ太鼓の取材。公演初日ということもあり、大盛り上がりの迫力のステージに感動していた。

男鹿でのなまはげ行事体験の取材。実際のなまはげの迫力に驚いていた様子。

角館での桜取材。着物に着替え、武家屋敷の散策と、桧木内川沿いではお花見をし、たくさんの写真を撮影していた。

この時期にしか見られない、かたくりや水芭蕉の花も取材。

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八幡平で雪の回廊取材。雪と桜が一緒に見られる東北ならではの体験に興味を持っていただいた。

弘前城での桜の取材。日本一の桜を満開の時期に訪れることができ、大満足の取材だった。

三内丸山遺跡の取材。歴史にも興味があり、古代のロマンを感じながら取材していた。

新青森駅にて記念撮影。桜の見所をたくさん取材でき、喜んでいた。

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3.事業アンケート調査

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記入者

1.今回の視察について全体的感想

2.宿泊施設について

3.交通アクセスについて、レンタカーを利用した旅行について

4.取材・視察先について  ※それぞれの地区の魅力、取材受入体制、改善点など

大正時代のスポットは初めてだった。衣装を着ての撮影も面白かった。

4/21(木) 銀山温泉 【街並み、大正浪漫衣装体験、銀山荘】

便利で早い。快適。公共交通ではいけない場所にもアクセスできる。

4/19(火)・20(水) 弥彦 【弥彦公園、さくらの湯、弥彦ロープウェイ】

弥彦公園は十分綺麗な公園。八重桜がいっぱいあり、綺麗!

4/20(水) 新潟 【鮨・割烹丸伊、ぽんしゅ館】

新潟の寿司も日本酒も美味しい!見た目にも美しい。

4/20(水) 村上 【街並み、堆朱のふじい、富士美園、味匠喜っ川】

天井から釣り下がっている鮭は面白い。

4/21(木) 飯豊・米沢 【道の駅めざみの里、染織工房わくわく館、米沢ラーメン】

わくわく館での紅花染め体験は素晴らしい体験だった。

4/21(木) 山形 【烏帽子山公園】

風景は画のように美しい

アクセスは便利だが、特別なものではない。

4/21(木) 戸沢村 農家民宿たなか

民宿オーナーは親切、日本の一般市民の優しさに触れ合うことができた。

4/22(金) 湯野浜温泉 亀や

最高、大好き!

4/23(土) 男鹿温泉 男鹿ホテル

夜に鑑賞したなまはげ太鼓は凄い!

4/24(日) 田沢湖 ホテル森の風田沢湖

施設としては問題ないが、特別なものではない。

4/25(月) 弘前 弘前パークホテル

施設全体が綺麗。

2016年4月19日~26日 香港ブロガー招請事業 視察レポート

関係する東北の職員の皆さんは優秀で、行程は素晴らしかった。景色は美しく、撮影も順調に進んだ。通訳添乗員は親切で、作業効率は大変良く、最高だった。次回また一緒に仕事したい。

快適に過ごすことができた。

4/19(火) 弥彦温泉 お宿だいろく

4/20(水) 瀬波温泉 大観荘せなみの湯

項 明生

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レンタカー:一般的なもので、特別ではない。三内丸山遺跡:縄文時代の文化を知ることができ、悪くない。

レストラン山崎(りんごのフレンチ)】

4/24(日) 角館 【街並み、武家屋敷(青柳家)、着物体験、お花見、秋田内陸縦貫鉄道】

古い街並みのなか、青柳家で武士文化を体験することができた。川辺に花見をしながらお弁当を食べた、日本の文化に溶け込んだような気がする。着物体験では、江戸時代の日本に戻ったような錯覚を覚えた。鉄道+桜は、のんびりと安らぎのひとときを過ごせた。

4/24(日) 田沢湖 【かたくり館(かたくりの花)、刺巻湿原(水芭蕉)、田沢湖、山のはちみつ屋、田沢湖金色大観音】

かたくり館、かたくりの花は特別なものを感じなかった。水芭蕉は普通だった。田沢湖の景色は特別に美しいものではない。はちみつ屋は一般の商店で、特徴はあまりない。

4/25(月) 八幡平・鹿角 【八幡平山頂(雪の回廊)、道の駅あんとらあ(きりたんぽ)】

雪の回廊:雪壁はそんなに高くないが、悪くはなかった、山頂の景色も綺麗だと思う。道の駅のきりたんぽ手づくり体験:簡単すぎて、あまり特別ではない。きりたんぽを焼くために、かなりの時間を費やした。

4/25(月) 弘前 【津軽藩ねぷた村(金魚ねぷた作り体験)、着物体験、弘前城、裏路地探偵団、

着物+弘前城:着物を着て花見をした、面白く感じた。景色も綺麗だった。裏路地探偵団:一般では見れない場所を見ることができ、特別感があった。レストラン山崎:リンゴとフランス料理、特別だし、美味しかった。

4/26(火) 青森 【トヨタレンタリース青森取材、三内丸山遺跡】

なまはげのショー(男鹿真山伝承館でのなまはげ行事体験):怖くなってしまうぐらいのリアルさ、迫力満点。ゴジラ岩:あまり似ていない。なまはげ太鼓:見事である。

4/22(金) 戸沢村 【農家体験、最上川舟下り】

天気も景色も良かった、船頭の歌声も素晴らしいし、中国語バージョンも良かった。

4/22(金) 酒田・象潟 【相馬楼、山居倉庫、加茂水族館、道の駅ねむの丘】

相馬楼での舞妓の踊りは素晴らしい。おしんのストーリーで、山居倉庫がより魅力的に感じた。

4/23(土) 秋田 【秋田犬との触れ合い、秋田民俗芸能伝承館(竿灯体験)、稲庭饂飩】

秋田犬:かわいい。竿灯:体験(持たせてくれる)ができる点が良い。稲庭うどん:つるつるでこしがあり、美味しかった。

4/23(土) 大潟村 【桜と菜の花ロード】

道路の両側に桜と菜の花がいっぱい、非常に美しい景色。

4/23(土) 男鹿 【なまはげ館、男鹿真山伝承館(なまはげ行事体験)、ゴジラ岩、なまはげ太鼓】

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5.香港の方が東北に来てくれるために

6.その他ご意見、ご要望等

私は「東北花見紀行」の本を既に2冊出版している次回は東北の紅葉について書く事を望む。

(1)香港の方にとっての東北の魅力とは?

静かで綺麗な景色。東北人は親切。郷土料理が美味しい。温泉がたくさんあること。

(2)震災前に比べ、香港の旅行者が東北に来ていない理由は?

放射能に対する不安。特に女性と子供たちに影響ないか、香港の人は心配している。

(3)より多くの香港の方に東北に来てもらうために必要なことは?

マスメディアを通したプロモーションを増やし、東北の魅力を伝えること。例えば、テレビで東北旅行の番組を製作し、放送すること。

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アンケート分析

今回の被招請者は、昨年度も東北の桜をテーマに東北の太平洋側を北上するルートを巡り、その体験を元にした旅行本を執筆している。昨年度の太平洋側ルート同様、今回のメインテーマでもある『東北の桜』については、日本海側ルートの桜の見所を巡ってもらったが、行程中桜の咲いている場所を選定し視察をしたこともあり、どの場所でも評価が高かった。またもうひとつのテーマでもある『雪の回廊』についても、今年は雪不足で雪の壁があまり高くなかったが、ご満足いただき、『桜』と『雪の回廊』の2つを組み合わせることができる東北の春は、他の地域に比べても負けない魅力があることが分かる。

もう一つのテーマでもあるレンタカーでの移動については、その利便性を十分に感じていただいた。東北は面積が広大であり、南北に桜の鑑賞期間を長くとることができる。よって、桜の開花状況を見ながら訪問先を自由にアレンジすることが可能であり、こういった目的地やルートの変更にもレンタカーであれば対応が容易である。なお、レンタカーの貸し出し手続きについては、全ての営業所で多言語対応はできていないが、英語・中国語(繁体・簡体)・韓国語でのシートを用意したり、タブレットで重要事項を説明したりできる体制は整いつつある。

宿泊先については、旅館タイプ、ホテルタイプ、民宿と様々な種類の宿泊施設に泊まっていただいた。温泉旅館については、特に湯野浜温泉の亀やを気に入っていただいたようで、旅行本の本人のあとがき部分の写真も湯野浜温泉の夕陽のものである。また、東北の人のあたたかさに触れることのできた民宿での宿泊も高い評価だった。実際に地元の食材を使った飾らない料理や栽培しているしいたけ取り体験など、通常の旅行では体験できない、一般の日本の生活を体験できたことが良かったようである。逆にホテルタイプの宿泊施設については、ホテルの機能的な部分はさておき、突出した特徴がない宿泊施設については評価が低かった。これは、今回のように旅行本の出版を前提とした場合、取材対象として魅力的かどうかという視点も入っているのでやむを得ないと考える。

体験をいくつか入れたが、概ね高評価をいただいた。特に撮影の関係で、銀山温泉、角館、弘前で着物体験を入れていたが、着物を着ることで日本人の精神に近づき、日本に溶け込んだようだったとの感想だった。伝統工芸体験の紅花染めやお花見体験、竿燈体験など、体験を通して日本文化を理解いただいた。また、外国人に人気の動物のコンテンツとして秋田犬との触れ合いを入れていたが、こちらも評価が高かった。

香港からの旅行者を増やすために必要なこととしては、香港の方に魅力と思われている『自然景観の美しさ』『人のあたたかさ』『郷土料理』『温泉』をメディアを通した、継続的なプロモーションで伝えていくことが必要である。一方で、震災後不安視されている放射能の数値や安全性についても、しっかりと伝えていく必要がある。

今年度の招請事業で、東北全体の春の魅力を香港のマーケットに伝えていただいた。アンケートにもあるように、今後、別な季節の魅力も伝えていくことで、通年で魅力のある東北を香港マーケットに印象付けることができると考える。

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5.情報発信(1)旅行本の作成

タイトル:『人生若只如花見 日本東北花見紀行Ⅱ』サイズ :6.5インチ×8インチページ数:160ページ発行部数:3000部販売価格:HK$98

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『日本東北・花見紀行』概要まとめ

目次序章 004~007著者の前書き 008~009本編 第一章 世界で唯一の花―桜 012~061本編 第二章 日中千年の恩と恨み 062~075本編 第三章 美しい雪国―新潟 076~081本編 第四章 「おしん」のふるさと―山形 082~101本編 第五章 美人のふるさと―秋田 102~122本編 第六章 リンゴの国―青森 123~133本編 第七章 東北の美食 134~145本編 第八章 東北の特徴のある民宿 146~155著者のあとがき 桜の情緒 155~156

著者:項明生 香港人本名:日本東北・花見紀行

序章:著者に対する評価。著者の項氏は一般の観光客(現金とクレジットも持ち、旅に出発する人)と異なり、本物の旅行家(好奇心を持って、旅に出発する人)である。

著者の前書き日本人が花という場合は、一般的に桜を指す(具体的な花名がある場合を除く)。桜の花は散るときも美しいとされている。

本編 第一章 世界で唯一の花―桜◎新潟の桜:・日本海でも桜を観賞できる。・種類豊富で、白菊桜という品種もある。・花吹雪を見て、中国の4大名作の1つである『紅楼夢』を思い出す。・「山形新聞」の取材を受け、翌日著者の事が記事になった。桜の散る姿に武士や文人の精神を感じる(惰性で生きるのではなく、散り際の良い、か

っこいい生きざま)

◎山形の桜:桜の名勝地が多い。桜は多くの文人墨客に詠われている。桜には日本の国民性や日本情緒を感じられる。

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◎秋田の桜:大潟村の桜と菜の花にはスケールを感じる。花見という桜の下でお弁当を食べる日本の文化がある。桜の散る姿に美しさと虚しさを感じる。花の命の短さが多くの文人の自殺と日本人の美意識に深く関わっている。

◎青森の桜弘前の桜は一生に一度は見ておくべき。天守閣をバックに見る桜もまた雄大な光景。青森県の夜桜は素晴らしく、言うことがない。

本編 第二章 日中千年の恩と恨み桜の起源は日本ではなく中国である。しかし中国人は牡丹を好む。桜は武士道と重なる

ため、日本人が好む花となった。コシヒカリは新潟の名物だが、起源は中国浙江省である。呉服はなぜ「呉」という字を使うかというと、それは、中国の古代呉の国の服から来た

ためだ。今日本の呉服は中国の江南地方の優雅さと日本の繊細さとを融合したもので、そのため、実に美しい。日本が初めて戦争に敗れた「白村江の戦い」後、日本は中国文化を勉強するために、遣

唐使が派遣された。日本が中国の文化を多く取り入れたが、崖山の戦い後、中国の国力が衰退したため、中

国の明の時代に、日本が中国を攻撃するようになった。日本は1200年をかけて、唐朝のまねをし続けた、しかし中国の科挙制度を導入しなか

った。日本独自の階層を構築し、のちに武士が天下を統一した。徳川幕府ではオランダなどから西洋の文化を取り入れた。日本は技術立国を目指し、1854年既にアメリカの電話やカメラ技術を研究し始めた。武士道精神は日本全国に広まり、「礼儀正しく、道徳を重視し、物事を容易に諦めるこ

とをせず、死ぬことを少しも恐れない」と言うような国民性が生まれた。

本編 第三章 美しい雪国―新潟川端康成の著書『雪国』の通り、豪雪地帯だが、美しい都市である。特別な地理条件のおかげで、有名な米どころでもある。村上の堆朱漆器は13の工程を経て作られ、世界でも人気がある。道の駅には地元の新鮮野菜や米などが販売されている。

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本編 第四章 「おしん」のふるさと―山形「おしん」は世界60ヶ国で放送された。ロケ地(14ヶ所)が観光ルートとなってい

る。伝統技法で作られた紅花染の素晴らしい工芸品を制作体験し、お土産として購入した。銀山温泉では、大正時代の雰囲気を楽しめる。最上川は松尾芭蕉ゆかりの地、舟下りを体験し、日本人のビジネスの丁寧さ、上手さを

感じた。相馬楼は「おしん」のロケ地でもあり、酒田舞娘の踊りを楽しめる。芸妓は小さい時から訓練を受け、芸と教養の双方を備えた人。着物の襟元から色気を感

じる。竹久夢二は数多くの美人画を書いている。竹久夢二美術館で見ることが可能。山居倉庫は「おしん」のロケ地。当時の写真や小道具など、まだ多く残されている。今

でも酒田市の観光収入に貢献している。世界で最も大きいクラゲ水族館は鶴岡市立加茂水族館である。クラゲの種類が豊富で、

クラゲのおかげで市の財政が再生した。

本編 第五章 美人のふるさと―秋田日本では道の駅と言う観光場所がある。ユニークな発想だ。東北最大級の道の駅「象潟

」は広い芝生が海岸までせり出している。芝生には「西施」と言う美人像が設置されている。秋田ケーブルテレビの看板犬は2匹の秋田犬である。それぞれの性格は異なるが、どち

らもかわいい。竿灯祭りは有名な夏祭りである。子供用の竿灯も5キロの重さがあり、3歳から竿灯を

操る技を練習し始めた子供もいる。バランスを保つ技を教えてくれたが、なかなかうまくいかない。なまはげは男鹿地区の伝統文化、中国もかつてこのような文化があったが、文化の保存

と伝承状況は日本に及ばない。ゴジラ岩は想像力と見る角度が大事。なまはげ太鼓ライブは凄い迫力、しかも無料。初春のかたくり群生の郷は一面紫色。中国も似たような野花がたくさんあるが、誰も見

向きをしない。日本のように自然を愛し、大切にする姿に尊敬の念を抱いた。刺巻湿原ミズバショウ群生地、田沢湖、はちみつを売る店にも行った。ホテルに戻った

時は疲れを覚えた。旅行をし、写真を撮りながら、本を書くことは決して楽な作業ではない。八幡平の雪の回廊は一面銀の世界。八幡平で「ふきのとう」と言う山菜を見つけた。天

ぷらにすると美味しいそうだ。1000円で日本の盆栽を購入した。唐の時代に中国から日本に入った盆栽はすっかり

わびさびと言う日本独自の美学になっている。

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本編 第六章 リンゴの国―青森ねぶた祭りは東北三大祭りのひとつである。重さ1トン以上のねぶたが音楽に合わせ、パレードする様子は迫力満点。外国人教師館は青森で一番古い私学。日本の識字率はほぼ100%。教育水準はとても高

いと思った。三内丸山遺跡は日本最大級の縄文時代の集落遺跡で、最大規模の建物は縦32メートル

、横9.8メートル。縄文時代で本当にこのような高さの建物を作れたか、少し疑問を覚えた。中国の水稲が日本に渡り、やがて呉服も日本に来て、明治維新の時はヨーロッパ文化を

加え、第二次戦争後アメリカ文化がプラスされ、現在日本の文化となった。

本編 第七章 東北の美食多くの日本人はお酒が好きだ。日本酒は奥が深く、全部で4000種類以上ある。日本

人は「酒はほろ酔いが一番良い、花は五分咲きが一番美しい」と感じているようだ。新潟には良い水、良い米があるため、良い酒ができる。新潟の「ぽんしゅ館」では93

種類以上の日本酒を楽しめる。冨士美園はお茶の老舗である。ここで雪見をしながらお茶を楽しむこともできる。「きっかわ」の干鮭はとても美味しそう。買いたいが、高価のため、断念。ラーメンは明治時代、中国から渡り、今は日本の国民食品となっている。日本政府が「

支那」という表現を禁止したため、「中華そば」と表現している店が多い。秋田の稲庭うどんはとても有名。江戸時代から作られ、こしが強いのが特徴。日本蕎麦

と同様にあっさりとしているため、著者は蕎麦・うどんよりこってりしたラーメンのほうが好きだ。石焼料理は、スープに焼き石を投入し調理している。昔の中国の火鍋を思い出す。リンゴのフランス料理コースは、全品地元弘前のリンゴを使用している。リンゴの酸味

と甘みが料理にとてもマッチし、大変美味しかった。半田屋は日本のファストフードのひとつ。値段が安く、主にトラックなどの労働者のた

めの食事処。運転する客が多いため、アルコール類は提供していない。著者は2年前既に退職し、今は旅と本を書くことに専念している。今年は台湾・韓国・

日本に行った。ゆっくり旅することで東アジアの文化を深く理解したい。

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本編 第八章 東北の特徴のある民宿山形の山中の民宿で山菜料理を食べた。ここで出している野菜は全部自家栽培。シイタ

ケの収穫体験もできる。この民宿には多くの外国人が訪れている。昨年は40名の外国人が宿泊した。日本は四季がはっきりしているため、季語がよく使われる。料理では「旬」と言う事を

大事している。これも季語のひとつ。また、四季に合わせた模様が描かれている着物を着るのも季語を意識した文化である。手紙の書き出しには、季節に合わせた挨拶から始まることが多い。日本語のあいまいさは有名である。多くの場合は言葉の裏があり、聞く側で悟らなけれ

ばならない。そして日本語には「尊敬語」、「謙譲語」、「丁寧語」などがある。一般的に、言葉が長ければ長いほど丁寧である。良い旅には良い道連れが大事。今回の旅は「陶傑」氏が、8日間に渡って同行してくれ

た。陶氏の記憶力は抜群で、相馬楼の舞娘が歌った歌詞、一度聞いただけで覚えていた。陶氏と末長くお付き合いしたい。・今夜の温泉宿(湯の浜温泉亀や)は昨夜の民宿とは大きく変わり、どこまでも豪華。日本海の夕日を眺めながら入る貸し切り温泉風呂は大変贅沢である。

あとがき 人生は桜の花のようだ本の元のタイトルは『世界に一つだけの花』だった。表面では花を指すが、真の意味は

この日の出の国の独特性を表そうとしていた。本を書き終わった後、再度『世界に一つだけの花』(SMAP)の歌を聴いたが、満足感

を得られなかった。その理由は歌が前向き過ぎて、積極性が強すぎる。本書の淡い哀愁と一致しないためだ。「納蘭性徳」という人物は「槇原敬之」より、もっと桜の情緒を分かっているようだ。

「西行法師」や「川端康成」と同じように、「生きる事自身が無駄である、美しさの中に必ず死が潜んでいる」と言う人生観が一致している。これはまさしく人生を桜に喩えるということだろう。桜吹雪は美しさと悲しさの融合。切腹も強烈な潔さと虚しさの統合。風で桜の花びらが

舞い散る姿は寂しいが美しい。この本もここでお別れ。さようなら。

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(2)その他記事掲載、SNS情報発信等

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5月20日 Headline Daily

5月16日 晴報(SKY POST)

晴報 5月16日 日本の柳永

私は陶氏と一緒に、日本山形県酒田市にある「相馬楼」の赤い絨毯に導かれ、中に入った。一階の和式庭園には緑が満ちあふれていた。

中でも最も魅力を感じたのは「竹久夢二美術館」である。竹久夢二は大正ロマンを代表する画家で、数多くの美人画を残している。私は彼を「日本の柳永」と名付けた。中国の柳永(詩人)は一生風流であった。亡くなった後も、毎年の清明節(日本のお盆に当たる)に多くの女性が彼の墓参りをしていた。その当時(北宋の時代)では一大ロマンだった。その後、宋が戦争に敗れ、滅亡した。その時、日本は「舉國茹素」(全国一斉に精進料理とし)哀悼の意を表明した。日本の東洋史学者「内藤湖南」氏は「宋朝の滅亡は古代中国の終わりである」との見解があった。現在、唐の時代の多くの建築物は奈良に保存され、一方、宋朝の建築物は京都にある。

5月20日 Headline Daily 最上川下り

最上川は日本三大急流の一つである。全長二百キロ以上。江戸時代では重要な流通を担う河川だった。

最上川は松尾芭蕉ゆかりの地でもある。そのため、船着場には松尾芭蕉の石像があり、航路の名前も「最上川芭蕉線」と名付けられた。中国の詩人李白の詠んだ「早発白帝城」を思い出す。やはり日本人は中国人より商売上手だと感じた。また文人に対する尊敬の度合いも違う。

「おしん」が最上川の上流に生まれ、彼女の母は銀山温泉で仕事をしていた。これらの撮影場所は今、全部観光スポットとなっている。

舟下りをしながら、船頭(女性)が民謡を歌っていた。まるでイタリアベニスのゴンドラの船夫のようだ。

最上川では四季折々の風景を楽しめる。もう一度訪問する価値のある場所だ。

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5月27日 U Travel 記事掲載

5月27日 Utravel 山の中の民宿で山菜料理を食す

今夜は山形県戸沢村の民宿に宿泊の予定。到着した時はオーナーが片手に傘、もう片手に懐中電灯を持ち、暗い交差点で待っていてくれた。

ここの民宿で出している野菜は全部自家栽培。また、山菜も今朝山で採ったばかりのもの。宿の奥さんが天ぷらにして食べさせてくれた。自家栽培のシイタケの香りが非常に良い。ご飯のつや姫も美味しくて、おかずがなくても食べられる。この民宿は96年の歴史があり、昨年は40名の外国人が宿泊した。

ここはまるで桃源郷のようだ。オーナー夫婦が更に日本酒を振舞ってくれた。宿の奥さんにお願され、陶氏が記念の色紙を書いた。翌日、山に入り、シイタケの収穫体験をした。マイナスイオンもたっぷり満喫した。

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6月2日 Metro Daily 記事掲載

6月2日 Metro daily 夕焼けの日本海の温泉

山形県鶴岡市の「亀や」は1714年に創立した温泉宿。300年後にリニューアルした。私が宿泊した1111号室は北欧風で、広さは103平方メートル。1泊2食の料金は1人5万円だ。和室の畳に座り、本を読みながら夕日も楽しめる。浴室も感動的。プライベートのサウナとヒノキ風呂があり、日本海に沈んでいく夕日を眺めながら、日本酒を飲むのも大変贅沢である。この時、自分は「村上春樹」になったような気分だ。

6月15日 星島日報 本の出版

もうすぐ夏休み。旅行家項明生氏が日本東北旅行に関する本を出版した。本に東北の観光スポットがたくさん紹介されている。昨日、小さな発表記者会見を行った。東北観光推進機構の部長や、日本政府観光局香港事務所の所長なども来てくれた。また、項明生氏が旅行番組(シリーズ3回)を制作した。よくある爆買い、爆食いと言った弾丸ツアーの旅番組と違い、この動画はのんびりと日本の風景を見て、日本文化を認識し、考えながらの旅番組である。放射線の問題について、仙台観光大使の項明生氏が、まったく心配ないと説明した。

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6月15日 香港01 東北の魅力

香港人は日本旅行が好きである。東北、特に新潟県・岩手県・青森県の香港人観光客の数が、3年連続上昇し続けている。香港人は何故東北が好きか。その理由の一つは、東北には中国大陸の観光客が少ないためだ。日本政府観光局の統計によると、昨年東北に宿泊した香港人観光客は約3万2千人で、今年の第一四半期には14,680人で、年間では6万人に上る予想だ。東北の魅力は何と言っても四季折々の自然景観である。更に、中国大陸の観光客が少ないことも快適にさせてくれる。旅行家項明生氏のお話では、山形県烏帽子山公園には何千本の桜があるのに、旅行客が実に少なかった。東京や大阪の混雑からは想像できない状況。また東北の桜は5月まで楽しめて、どこでものんびりと花見ができるそうだ。また、項明生氏が放射線量のテストも行った。田舎のほうが比較的高いが、都市の放射線量は香港より低いと言う結果だった。日本政府観光局の発表では、福島を除いて、東北全体の放射線量は世界の他の都市より低いとのこと。

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6月19日 東方日報 花吹雪

香港にも桜の木がある。しかし、花吹雪を見るためには日本に行くしかない。旅行家項明生氏が言うには、花吹雪のタイミングは満開の三日後である。花吹雪の景色がまるで雪のようで、大変美しいらしい。近年、日本が香港人や中国人が好きな観光地となっている。東京や大阪などの大都市では、花見のシーズンになると、どこも人だらけ。しかし、東北の新潟・山形・秋田・青森では、人が少なく、交通も便利になったので、花見に最適な場所。項明生氏の話によると、日本は桜に対し、長年詳細な記録があり、毎日専門家が観察している。そのため、開花、三分咲き、満開などの時期を、正確に予想できる。一方、台湾や韓国では、同レベルの予想ができず、ドラマチックな花吹雪のタイミングを逃してしまう可能性もある。

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日韓台・桜の三角関係 「桜の心は武士道に通ず」

【ep1】≪はじめに≫世界中で花はいのちの源と喩えられます。今回は桜について。日本、韓国、台湾、それぞれの場所に出かけて行き、桜と文化をめぐる旅に出ます。春の同じ季節、それぞれの場所で、それぞれに特色が異なる背景の桜をめぐるのは興味深いことですね。

まずは山形へ。≪烏帽子公園≫千数本の桜の木があります。花の命は短く満開なのは2,3日。あとは散り始めてしまうんです。今回はラッキーでしたが少し散りかけています。“桜の心は武士道に通ず”とも。一斉に咲いて一斉に散る。日本には“もののあはれ”という概念があります。平安時代の文学を知る上で重要な 文学的・美的理念の一つで無常観に重ねあわせているのですね。

≪江戸彼岸桜、吉野桜の紹介≫日本人は桜に対して特別な思いを抱いています。そしてたいそう“まじめ”なのです。桜の開花情報は大変厳密で何分咲きなのかを表すのに“咲き始め”“三分咲き”“五分咲き”“八分咲き”“満開”“見納め”そんな表現もあります。

≪角館≫江戸時代の武士の家“武家屋敷”が連っており、古き良き雰囲気が“小京都”と呼ばれる所以です。

秋田県は秋田美人が有名ですが、日本の地犬、秋田犬も有名です。武家屋敷にも秋田犬がいて「武家丸」という名前なんですね。日本で一番有名な秋田犬はハチ公でしょうか。

≪青柳家≫武家屋敷の一つ。江戸時代の日本は4つの階級があって武士はそのひとつです。その中で一番位の高いのが武士というわけです。ここ青柳家は四百年の歴史があります。

≪武家道具館≫刀は長短ありますが、短い刀は“ハラキリ”に使用します。ハラキリとは、武士が自分の腹部を短刀で切り裂いて死ぬ自殺の方法です。最も苦しむ死に方です。一方、ポルトガル人やオランダ人から伝わった火縄銃があります。この火縄銃、日本の職人は完璧に自分で作ってしまったんです。角館には小野田直武という武士がいますが、日本の武士は文武両道。この人は蘭画を描いた人でした。

≪新奥の細道≫“花見”は一年に一度のお楽しみ。みんなで集い桜を愛でるのです。花見弁当も大変豪華。松尾芭蕉もこんな花見の句を詠んでいます。“木のもとに汁も膾も桜かな。”ところで、こんなにたくさん人がいるのにゴミひとつ落ちていません。ゴミはいったいどこに行くのでしょう? すべて持ち帰ります。花見団子も、それぞれの色に意味があるんですよ。甘くてモチモチです。おみやげもあります。女性にオススメな桜のゼリー、男性には桜の木の皮で作ったカードケースも。

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≪米沢ラーメン≫ラーメンは香港でも食べられるけども、米沢ラーメンは特別です。初めは「支那そば」と呼ばれた日本のラーメン。明治33年ここ米沢で誕生しました。

≪山形・原木シイタケ採り≫採ったシイタケを民宿で食べられます。民宿を営む田中さんにシイタケの採り方を教えてもらいます。田中さんの奥さんが豪華な朝ごはんをふるまって下さるんですが、お客さんにシイタケを焼かせてくれたりするんですよ。納豆も出してくれるんですね。納豆は消化を助けてくれます。香港とは違う朝ごはんですね。そう、地元の山形新聞が取材してくれた記事が新聞に載ってるんですよ。お花見を取材にきてくれたって。香港のみなさんがたくさん東北に来てほしいですね。

【ep2】≪山居倉庫≫新潟と山形は、いわゆる「日本の穀倉地帯」として有名です。酒田市はあの「おしん」のロケ地になったんですよ。こちらの米蔵、山居倉庫もです。83年のテレビ放映後ずっと、今でも酒田の至る所でおしん(の看板など)がお出迎えしてくれます。

昔の米蔵は川下にありました。酒田は北前船の東北の拠点基地、米の積出港として賑わった歴史があります。大陸から伝わった稲作も、今や香港人にとって日本米イコール“美味し米”として大人気です。

昔の米作りは、日本的なフェミニズムが反映されてますね。日本で最も古い女性上位の仕事でしょう。米作りは女性も男性と同じように働くんです。日本女性は大変強靭で米を一人で一度に米俵300キロ分も運ぶんですよ。男性でもできる気がしないです。こちらでは試しにその重さを体験することができます。

≪縄文公園≫縄文時代の集落跡、三内丸山遺跡に来ました。縄文とはひもを用いて模様をつけた土器の文様です。中国とのつながりも紹介します。そのためには弥生人のことを話します。彼らは中国の呉越地方から渡来し新文化を形成した人達です。呉越地方とは今の江南や江蘇のことですが、日本の和服と関係があります。和服は元々呉服と言われ、呉越から伝わった織物で作られたので呉服と呼ばれるようになった説があります。日本のデパートは呉服屋から始まったんでしたね。また一方、お米のコシヒカリ(越光米)は「越州の光」という意味ですが、今の北陸地方を指す「越州」、中国の越地方から来た人たちがルーツの場所なんです。

≪象潟(さきかた)西施の像≫西施は四大美女の一人です。松尾芭蕉も「象潟や雨に西施がねぶの花」と詠んでいますね。

≪三国時代へ・呉服≫なぜ呉服と和服と違いがあるのか。それぞれ語源が違い、本来の呉服は絹織物です。呼び方ですが、中国人にとっては区別がつかないですけど日本人は区別しています。

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≪道の駅≫日本の道路にはそれぞれに地域に特色ある道の駅があります。香港のガソリンスタンドなどはみんな同じですからね。日本では地場産品などが買えたりします。コシヒカリなど、値段も安いですね。

≪ぽんしゅ館≫新潟で一番有名なものはコシヒカリでしょう。そして、よい水、よい米から作られた“よい酒”も特産品です。ここぽんしゅ館は93種類の新潟で作られた日本酒の利き酒コーナーがあります。日本には4000幾軒もの蔵元があり、それぞれに特色あるお酒が作られています。

≪銀山温泉≫おとぎのような世界がひろがる銀山温泉です。大戦間に花開いたロマンあふれる大正時代の雰囲気ですね。大正は大変短く、日本に伝わった西洋文化が一般庶民に広がりました。日本人にとっては特別な時代です。この時代を生きた日本人は第一に文化レベルが高く、それに和洋折衷それぞれのよいところを生かすことができたんです。そう、私が好きな作家は芥川龍之介ですよ。

≪最上川舟下り≫最上川は日本三大急流の一つです。この景色は芭蕉も見たんですよね。「芭蕉丸」に乗ります。それに正岡子規もこの最上川を歌に詠んでいます。千年変わらぬ景色でしょうか。おしんも見た景色ですね。舟下りの際に歌も歌ってくれます。春は桜、今もあちらに咲いているのは全部桜ですよ。松尾芭蕉は夏の句を詠み、秋は紅葉、冬は雪、ここは一年中美しいです。

【ep3】≪弘前の桜≫ここには2600本の桜があります。満開でいちばん美しい時に来ました。通常日本人は着物を着ている方はそんなに多くないんですけど、いまご一緒にいるご婦人お二人はあえて着物をおめしになってお花見に来ているそうです。目の前にある弘前城の天守閣は日本で一番北にあります。それに日本最古の樹齢134年の桜があります。あと、こちらのイベント用の提灯は特別です。通常では広告やスポンサー名が記載されたりしますが、お子さんの写真など自分の好きな写真を載せることができるんです。オリジナルの提灯のお値段は一万一千円です。検討してみてくださいね。

≪相馬楼≫相馬楼は酒田の料亭文化を今に伝えています。こちらは江戸時代の最も高級な料亭でした。酒田舞娘の踊りと歌も楽しめます。日本人があちらに大勢いますがみなさん本当に静かですね。私たちも静かに舞娘さんの踊りを見ましょう。舞娘さんの名刺はとてもすてきですね。集めている日本人もいます。

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≪竿灯祭り≫このお祭りは260年を超える歴史があります。手のひらや肩などに竿灯を載せていろいろな態勢で表現します。6歳の子供でも行っています。すごいですね。それと灯籠の中の火、蝋燭なんです。(体験しながら)傾けさせるのはあぶないですよね!

≪ねぶた祭り≫東北のもうひとつの重要な祭りごとはねぶたです。ねぶたは睡魔、日本で言う“眠い”が語源です。灯籠は大きいものもあれば小さいものは金魚型、いちばん小さな形の灯籠の絵付け体験もできます。

≪日本のハロウィン≫男鹿地区にはナマハゲと呼ばれる鬼がいます。新年に行われる風習で、家々を回り「泣く子はいねがぁ!話をきがねぇ子はいねがぁ!」とやってきます。鬼を恐れる子供は勉強を頑張ります。ここなまはげ館には150個のなまはげのお面があります。鬼に扮することもできます。このような蓑をまとって、なんだかおかしなサンタクロースみたいですよ(笑)5年前から無料で観覧できる太鼓のステージも始めました。バトル、ソロなど太鼓の演奏や踊りの披露があり、無料なのに大変すばらしいです。

≪かたくりの花≫≪刺巻湿原の水芭蕉≫紫色の花がかたくり。水芭蕉は水のきれいな場所で生息します。日本人の大自然を全身全霊で愛でています。

≪大潟村菜の花ロード≫13キロにわたる菜の花畑と1760本の桜が連なる並木道です。桜は3種類あります。ここを通る車はゆっくりですね。

日本人は本当に自分の国の美しいところに失うことのない強い想いをもっていますね。“桜の国・その心あり”です。

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6.まとめと今後の展望について

香港の訪日旅行者数は年々伸びてきており、2015年は1,524,292人で前年比64.6%増であった。更に、人口に占める訪日客数は、2013年に10人に1人の割合だったものが、2015年は4.8人に1人となり、リピーター率は「10回以上」の訪日率が17.6%で、ビジットジャパン市場中1位であった。旅行形態としては個人旅行(FIT)が83%となっており、個人の興味関心で旅行先を決めるのが香港市場である。近年は高いリピート率を反映し、「行ったことのない地方、したことのない体験」への関心も高く、東北にとってはチャンスでもある。しかしながら、香港からの航空便は東京以西に集中しており、東北へは直行便がないこともあり、来訪者数は全体の0.4%にとどまっている。(2010年震災前は全体の3.4%)

東北への来訪者を増やすためには、「今まで行ったことのない東北で、したことのない体験」ができることをPRしていくことが有効である。対象は80%を超えるFITなので、個人へ東北の魅力をどのように伝えていくかが重要である。

本事業については、香港の有名ブロガーであり、旅行ライターでもあるジェームス・ホン氏に昨年度に引き続き、東北の桜の魅力を取材してもらい、SNSでの発信、旅行本の出版を通じて、広く香港マーケットに東北の魅力を発信し、旅行需要を喚起するものである。ジェームス氏は、日本の歴史や『おしん』などの東北の文化を色濃く反映したコンテンツにも造詣が深く、表面的な東北の魅力ばかりではなく、歴史、文化に根差した情報発信をしていただいたことで、東北をより深く香港マーケットに発信していただいた。

今回の招請では、移動手段をレンタカーとしており、香港でも普及・定着してきている『Rail & Drive』、東北に置き換えると、東京(成田/羽田)を起点として新幹線を利用して東北に入ってもらい、最初の下車駅からの接続をレンタカーとしてもらい、自由な旅を楽しんでもらうことができることを、事業を通して発信していただいた。レンタカーの利用については自由度の高さが魅力である。今回のような桜を見る旅では、開花時期を事前に予想することが難しい一方、満開の桜を見ることができるかどうかが直接旅行の満足度に影響する。東北の地域特性として、南北に長いこと、山間部と平地との高低差があることで、3月下旬から5月上旬までの長期間に渡って桜を楽しむことができる。桜の開花時期を予想することは難しいが、ある程度の期間の中で桜が咲いている場所があることで、日程の調整をすれば満開の桜に出会うことができる。更に、レンタカーの利用であれば、来日してから、桜の開花状況を確認しながら、満開の場所へのアクセスが可能なので、満開の桜を見ることができる機会が増え、満足度が高まる。これは秋の紅葉の時期にも同じことが言えるが、東北の魅力の一つでもある『自然景観の美しさ』を堪能するためには、一番いい時期の、一番いい状態のものを見てもらうことが必要であり、レンタカーを利用した自由度の高い旅行が、まさにこの目的をかなえる最も良い方法のひとつである。

今回の事業で、春の東北の魅力を太平洋ルート、日本海ルートの2ルートで香港へ発信し、東北の『桜と雪の回廊』が一定の認知度を獲得できたのではないだろうか。一方で、香港からの旅行者が震災前の数値に戻り切れていないのは、やはり、震災後の放射能の数値への不安が大きい。今回の事業のように、SNS、旅行本、メディア媒体、ネットメディア等様々な手段で東北の魅力と安全性の両面を、継続的に、春だけでなく通年で発信していくことで、香港の8割を占めるFITへの旅行需要喚起へとつながり、「行ったことのない東北で、したことのない体験」をしていただく機会になると考える。

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