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BluePrism.com/Japan 抜本的な業務改革の一環で RPA を導入し 年間 2 万時間の削減を達成 Customer Case Study

抜本的な業務改革の一環で RPAを導入し 年間2万時 …...Salesforceの顧客管理の仕組みを採用。同時に、実施する業務の集中・集約化に あたってRPAを導入することになった。同社

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Page 1: 抜本的な業務改革の一環で RPAを導入し 年間2万時 …...Salesforceの顧客管理の仕組みを採用。同時に、実施する業務の集中・集約化に あたってRPAを導入することになった。同社

BluePrism.com/Japan

抜本的な業務改革の一環でRPAを導入し年間2万時間の削減を達成

Customer Case Study

Page 2: 抜本的な業務改革の一環で RPAを導入し 年間2万時 …...Salesforceの顧客管理の仕組みを採用。同時に、実施する業務の集中・集約化に あたってRPAを導入することになった。同社

きな部分を占めています。顧客やパートナーに協力してもらいながら、一歩ずつ進めていきたいと考えています」と話す。

海田氏も、「EDIのような大がかりな仕組みになると、顧客やパートナーに負担を強いてしまいますが、RPAは違います。決まったフォーマットのExcelを準備して、電子メールに添付してくれれば、RPAが情報を補完することができますから。そのような流れを作って、さらに多くの業務をロボット化していきます」と話している。

そのほかでは、アフターパーツ業務の自動化も進めたい考えだ。すべてのパーツの価格は決まっていて、見積作成システムもある。見積依頼をデータとして受け取ることで、見積発行までのプロセスをロボット化できると見込んでいる。「やれることは、いくらでも想像できます。入り口に正しいデータがあれば良いのですから」(海田氏)

今後は、ERPでの活用も期待される。スクラッチ開発されたシステムはERPへと移行され、それに伴ってロボットのアクセス先は変わる。それでも、システムが完全に1つになることはなく、システム自身も更改を繰り返す。ロボットは、常にメンテナンスを続けていく必要がある。もちろんERPにも安心・安全にアクセスでき、業務のエンドツーエンドに活躍できるBlue Prismロボットは欠かせない。

同社は、そのために人材育成にも取り組んでいく。社内でRPAエンジニアを育成し、エンタープライズRPAとして運用することを目指す。将来は、他部門や海外へのRPA展開も期待される。業務を効率化し、その時間を顧客のために使う。10年後に世界規模で事業展開し、成長し続けるために、Blue Prismは重要な役割を期待されている。

Blue Prismの信頼性を評価RPAが担うのは、主に事務処理の負担軽減部分だ。業務の生産性を高め、品質を向上する部分がRPAに課せられた役割と言える。人とシステムがかかわるすべての業務において活躍の余地があり、開発コストと期待効果を天秤にかけて、業務のロボット化を進めていく方針とした。

同社がRPAを初めて試したのは、中期経営計画開始年度の2017年のこと。当初は別のRPAツールでPoCを実施したが、Blue Prismに切り替えるという結論を下した。RPA開発にノウハウを提供した株式会社Regrit Partners シニアマネージャー 土田 敬太氏は、「監査に耐えられるログを取り、内部統制を実現できるBlue Prismの信頼性を中立的な立場として評価しました」と当時を振り返る。「RPAで支払いプロセスを実行するケースでは、ログを確実に取ることで紙の証憑は不要になります。Blue Prismは、そうした面でも安心して採用できました」

そのほかに評価したポイントは、主に2つ。Salesforce Lightningおよび各種社内システムとの相性と、ロボットの拡張性だった。前者では、多様なインタフェースを搭載し、スクラッチ開発の業務システムも容易に扱うことができた。後者では、将来のRPA全社利用を見据え、複数のロボットを集中管理する機能が充実していた。

入り口だけを人がやるプロセスを整えてロボット化開発期間は約3か月。パイロット運用を経て2017年11月に本稼働した。現在、16のロボットが年間約2万時間分の業務を代行している。

最も成果を出したのが、売上計上処理を行う「売上情報登録ロボ」だ。Salesforceに登録された売上データをロボットが読み取り、販売・購買管理システムに登録してくれる。稼働前

は、手書きの売上票に基づき、人がシステムに売上げ情報を登録する必要があり、紙を介した時間のかかるプロセスだった。この部分だけで、月間533.3時間の削減になる。

荏原製作所 グループ営業業務部 部長 海田 直親氏は、「大切なのはデータの入り口です」と話す。「人がデータをきちんと準備して、ロボットが働きやすいプロセスを整備できれば、あとはロボットがやってくれます。入り口だけを人がやれるよう、プロセスを整えました」

導入当初は、とまどいもあったという。ロボットへの期待が大きすぎたため、“あらゆる例外処理をこなせるロボットであること”を要求する担当者もいた。トラフィックが集中する日に、タイムアウトすることもあった。とはいえ、ロボットは人がやる業務を代行する存在だ。「ロボットをアルバイトのような存在と位置づけ、すべての処理をやってくれるわけではないことを理解して頂けるようにしました。わからなければリーダーに聞くわけで、リーダーが担当者という位置づけになります」(土田氏)

同社のRPA活用は、それでもまだ道半ばだ。現在成果を上げた16プロセスは、BPRの難易度が低いものだったという。ルール化を進め、ロジックを整理することで、業務のロボット化を実現できた。一方、これからはBPRを伴うものになる。紙で行っていたプロセスのデジタル化だけでなく、電話やFAXを使う業務もある。ルールのなかったところにルールを作らなければならない部分も多い。

籔内氏は、「AIとOCRを組み合わせた仕組みを試してはみたのですが、まだ業務に使える技術レベルには達していないと結論付けました。注文書のプロセスは、主要取引先10社が大

株式会社荏原製作所は、中期経営計画に基づく業務の集中化およびビジネスプロセスの標準化計画に伴い、国内の標準ポンプ事業のデジタル化を加速させている。その一環としてBlue PrismのRPAを採用。事務作業の負担を大きく減らし、より緊密な顧客コミュニケーションを図れるようになった。

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デジタルを活用する文化が全社に浸透荏原製作所は、「熱と誠」を創業の精神とし、水、エネルギー、および環境分野にさまざまなソリューション技術を提供する産業機械メーカーだ。創業100年を超える老舗で、ポンプやコンプレッサー、冷熱機を柱とする風水力事業が売上の60%を占める。その同社は、近年大きな変革に取り組んでいる。社外では競泳日本代表オフィシャルスポンサーとして知名度を高め、社内では業務のデジタル化を進めて顧客サービスの向上と働き方改革に取り組んでいる。

中期経営計画「E-Plan 2019」において、2017~19年の3年間は利益成長を重視する期間と位置づけられ、収益の向上を目的として全事業部が行動する。ビジネスプロセスの標準化を進め、少人数でより効率的に動けるような組織へと変革する。そして、世界規模で事業展開し、成長し続ける10年後の土台を作る。

それに伴い、国内の標準ポンプ事業は営業機能を中心に抜本的な改革を推進することになった。少数精鋭のプロフェッショナルな営業組織へと生まれ変わり、顧客対応力の強化によるサービスレベルの向上を目指したのだ。そのために、情報の蓄積と活用をできる仕組みが必要だった。営業プロセスの標準化では、Salesforceの顧客管理の仕組みを採用。同時に、実施する業務の集中・集約化にあたってRPAを導入することになった。

同社 グループ経営戦略統括部 デジタル化推進責任者 籔内 寿樹氏は、「長い歴史のある企業ですが、今回の中期経営計画により、“変わらなければならない”という意識は全社に浸透しています。“デジタルを活用することで業務がより効率的になる”と考えてくれる仲間も増えています」と話している。

Page 3: 抜本的な業務改革の一環で RPAを導入し 年間2万時 …...Salesforceの顧客管理の仕組みを採用。同時に、実施する業務の集中・集約化に あたってRPAを導入することになった。同社

きな部分を占めています。顧客やパートナーに協力してもらいながら、一歩ずつ進めていきたいと考えています」と話す。

海田氏も、「EDIのような大がかりな仕組みになると、顧客やパートナーに負担を強いてしまいますが、RPAは違います。決まったフォーマットのExcelを準備して、電子メールに添付してくれれば、RPAが情報を補完することができますから。そのような流れを作って、さらに多くの業務をロボット化していきます」と話している。

そのほかでは、アフターパーツ業務の自動化も進めたい考えだ。すべてのパーツの価格は決まっていて、見積作成システムもある。見積依頼をデータとして受け取ることで、見積発行までのプロセスをロボット化できると見込んでいる。「やれることは、いくらでも想像できます。入り口に正しいデータがあれば良いのですから」(海田氏)

今後は、ERPでの活用も期待される。スクラッチ開発されたシステムはERPへと移行され、それに伴ってロボットのアクセス先は変わる。それでも、システムが完全に1つになることはなく、システム自身も更改を繰り返す。ロボットは、常にメンテナンスを続けていく必要がある。もちろんERPにも安心・安全にアクセスでき、業務のエンドツーエンドに活躍できるBlue Prismロボットは欠かせない。

同社は、そのために人材育成にも取り組んでいく。社内でRPAエンジニアを育成し、エンタープライズRPAとして運用することを目指す。将来は、他部門や海外へのRPA展開も期待される。業務を効率化し、その時間を顧客のために使う。10年後に世界規模で事業展開し、成長し続けるために、Blue Prismは重要な役割を期待されている。

Blue Prismの信頼性を評価RPAが担うのは、主に事務処理の負担軽減部分だ。業務の生産性を高め、品質を向上する部分がRPAに課せられた役割と言える。人とシステムがかかわるすべての業務において活躍の余地があり、開発コストと期待効果を天秤にかけて、業務のロボット化を進めていく方針とした。

同社がRPAを初めて試したのは、中期経営計画開始年度の2017年のこと。当初は別のRPAツールでPoCを実施したが、Blue Prismに切り替えるという結論を下した。RPA開発にノウハウを提供した株式会社Regrit Partners シニアマネージャー 土田 敬太氏は、「監査に耐えられるログを取り、内部統制を実現できるBlue Prismの信頼性を中立的な立場として評価しました」と当時を振り返る。「RPAで支払いプロセスを実行するケースでは、ログを確実に取ることで紙の証憑は不要になります。Blue Prismは、そうした面でも安心して採用できました」

そのほかに評価したポイントは、主に2つ。Salesforce Lightningおよび各種社内システムとの相性と、ロボットの拡張性だった。前者では、多様なインタフェースを搭載し、スクラッチ開発の業務システムも容易に扱うことができた。後者では、将来のRPA全社利用を見据え、複数のロボットを集中管理する機能が充実していた。

入り口だけを人がやるプロセスを整えてロボット化開発期間は約3か月。パイロット運用を経て2017年11月に本稼働した。現在、16のロボットが年間約2万時間分の業務を代行している。

最も成果を出したのが、売上計上処理を行う「売上情報登録ロボ」だ。Salesforceに登録された売上データをロボットが読み取り、販売・購買管理システムに登録してくれる。稼働前

は、手書きの売上票に基づき、人がシステムに売上げ情報を登録する必要があり、紙を介した時間のかかるプロセスだった。この部分だけで、月間533.3時間の削減になる。

荏原製作所 グループ営業業務部 部長 海田 直親氏は、「大切なのはデータの入り口です」と話す。「人がデータをきちんと準備して、ロボットが働きやすいプロセスを整備できれば、あとはロボットがやってくれます。入り口だけを人がやれるよう、プロセスを整えました」

導入当初は、とまどいもあったという。ロボットへの期待が大きすぎたため、“あらゆる例外処理をこなせるロボットであること”を要求する担当者もいた。トラフィックが集中する日に、タイムアウトすることもあった。とはいえ、ロボットは人がやる業務を代行する存在だ。「ロボットをアルバイトのような存在と位置づけ、すべての処理をやってくれるわけではないことを理解して頂けるようにしました。わからなければリーダーに聞くわけで、リーダーが担当者という位置づけになります」(土田氏)

同社のRPA活用は、それでもまだ道半ばだ。現在成果を上げた16プロセスは、BPRの難易度が低いものだったという。ルール化を進め、ロジックを整理することで、業務のロボット化を実現できた。一方、これからはBPRを伴うものになる。紙で行っていたプロセスのデジタル化だけでなく、電話やFAXを使う業務もある。ルールのなかったところにルールを作らなければならない部分も多い。

籔内氏は、「AIとOCRを組み合わせた仕組みを試してはみたのですが、まだ業務に使える技術レベルには達していないと結論付けました。注文書のプロセスは、主要取引先10社が大

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デジタルを活用する文化が全社に浸透荏原製作所は、「熱と誠」を創業の精神とし、水、エネルギー、および環境分野にさまざまなソリューション技術を提供する産業機械メーカーだ。創業100年を超える老舗で、ポンプやコンプレッサー、冷熱機を柱とする風水力事業が売上の60%を占める。その同社は、近年大きな変革に取り組んでいる。社外では競泳日本代表オフィシャルスポンサーとして知名度を高め、社内では業務のデジタル化を進めて顧客サービスの向上と働き方改革に取り組んでいる。

中期経営計画「E-Plan 2019」において、2017~19年の3年間は利益成長を重視する期間と位置づけられ、収益の向上を目的として全事業部が行動する。ビジネスプロセスの標準化を進め、少人数でより効率的に動けるような組織へと変革する。そして、世界規模で事業展開し、成長し続ける10年後の土台を作る。

それに伴い、国内の標準ポンプ事業は営業機能を中心に抜本的な改革を推進することになった。少数精鋭のプロフェッショナルな営業組織へと生まれ変わり、顧客対応力の強化によるサービスレベルの向上を目指したのだ。そのために、情報の蓄積と活用をできる仕組みが必要だった。営業プロセスの標準化では、Salesforceの顧客管理の仕組みを採用。同時に、実施する業務の集中・集約化にあたってRPAを導入することになった。

同社 グループ経営戦略統括部 デジタル化推進責任者 籔内 寿樹氏は、「長い歴史のある企業ですが、今回の中期経営計画により、“変わらなければならない”という意識は全社に浸透しています。“デジタルを活用することで業務がより効率的になる”と考えてくれる仲間も増えています」と話している。

主なロボットの稼働領域

データ抽出&Excel登録

製品仕様情報検索ロボ

発注情報登録ロボ

部品改造記録情報登録ロボ

売上情報登録ロボ

発注積算・検収情報登録ロボ

客先フォーム請求書作成ロボ

情報検索 システム登録 システム登録

データ抽出&システム登録

データ抽出&システム登録

過去実績管理システム(複数)

販売・購買管理システム

販売・購買管理システム

販売・購買管理システム

販売・購買管理システム

生産管理システム

営業・見積 受発注 生産・納品/サービス

売上 支払 請求・入金

Page 4: 抜本的な業務改革の一環で RPAを導入し 年間2万時 …...Salesforceの顧客管理の仕組みを採用。同時に、実施する業務の集中・集約化に あたってRPAを導入することになった。同社

きな部分を占めています。顧客やパートナーに協力してもらいながら、一歩ずつ進めていきたいと考えています」と話す。

海田氏も、「EDIのような大がかりな仕組みになると、顧客やパートナーに負担を強いてしまいますが、RPAは違います。決まったフォーマットのExcelを準備して、電子メールに添付してくれれば、RPAが情報を補完することができますから。そのような流れを作って、さらに多くの業務をロボット化していきます」と話している。

そのほかでは、アフターパーツ業務の自動化も進めたい考えだ。すべてのパーツの価格は決まっていて、見積作成システムもある。見積依頼をデータとして受け取ることで、見積発行までのプロセスをロボット化できると見込んでいる。「やれることは、いくらでも想像できます。入り口に正しいデータがあれば良いのですから」(海田氏)

今後は、ERPでの活用も期待される。スクラッチ開発されたシステムはERPへと移行され、それに伴ってロボットのアクセス先は変わる。それでも、システムが完全に1つになることはなく、システム自身も更改を繰り返す。ロボットは、常にメンテナンスを続けていく必要がある。もちろんERPにも安心・安全にアクセスでき、業務のエンドツーエンドに活躍できるBlue Prismロボットは欠かせない。

同社は、そのために人材育成にも取り組んでいく。社内でRPAエンジニアを育成し、エンタープライズRPAとして運用することを目指す。将来は、他部門や海外へのRPA展開も期待される。業務を効率化し、その時間を顧客のために使う。10年後に世界規模で事業展開し、成長し続けるために、Blue Prismは重要な役割を期待されている。

Blue Prismの信頼性を評価RPAが担うのは、主に事務処理の負担軽減部分だ。業務の生産性を高め、品質を向上する部分がRPAに課せられた役割と言える。人とシステムがかかわるすべての業務において活躍の余地があり、開発コストと期待効果を天秤にかけて、業務のロボット化を進めていく方針とした。

同社がRPAを初めて試したのは、中期経営計画開始年度の2017年のこと。当初は別のRPAツールでPoCを実施したが、Blue Prismに切り替えるという結論を下した。RPA開発にノウハウを提供した株式会社Regrit Partners シニアマネージャー 土田 敬太氏は、「監査に耐えられるログを取り、内部統制を実現できるBlue Prismの信頼性を中立的な立場として評価しました」と当時を振り返る。「RPAで支払いプロセスを実行するケースでは、ログを確実に取ることで紙の証憑は不要になります。Blue Prismは、そうした面でも安心して採用できました」

そのほかに評価したポイントは、主に2つ。Salesforce Lightningおよび各種社内システムとの相性と、ロボットの拡張性だった。前者では、多様なインタフェースを搭載し、スクラッチ開発の業務システムも容易に扱うことができた。後者では、将来のRPA全社利用を見据え、複数のロボットを集中管理する機能が充実していた。

入り口だけを人がやるプロセスを整えてロボット化開発期間は約3か月。パイロット運用を経て2017年11月に本稼働した。現在、16のロボットが年間約2万時間分の業務を代行している。

最も成果を出したのが、売上計上処理を行う「売上情報登録ロボ」だ。Salesforceに登録された売上データをロボットが読み取り、販売・購買管理システムに登録してくれる。稼働前

は、手書きの売上票に基づき、人がシステムに売上げ情報を登録する必要があり、紙を介した時間のかかるプロセスだった。この部分だけで、月間533.3時間の削減になる。

荏原製作所 グループ営業業務部 部長 海田 直親氏は、「大切なのはデータの入り口です」と話す。「人がデータをきちんと準備して、ロボットが働きやすいプロセスを整備できれば、あとはロボットがやってくれます。入り口だけを人がやれるよう、プロセスを整えました」

導入当初は、とまどいもあったという。ロボットへの期待が大きすぎたため、“あらゆる例外処理をこなせるロボットであること”を要求する担当者もいた。トラフィックが集中する日に、タイムアウトすることもあった。とはいえ、ロボットは人がやる業務を代行する存在だ。「ロボットをアルバイトのような存在と位置づけ、すべての処理をやってくれるわけではないことを理解して頂けるようにしました。わからなければリーダーに聞くわけで、リーダーが担当者という位置づけになります」(土田氏)

同社のRPA活用は、それでもまだ道半ばだ。現在成果を上げた16プロセスは、BPRの難易度が低いものだったという。ルール化を進め、ロジックを整理することで、業務のロボット化を実現できた。一方、これからはBPRを伴うものになる。紙で行っていたプロセスのデジタル化だけでなく、電話やFAXを使う業務もある。ルールのなかったところにルールを作らなければならない部分も多い。

籔内氏は、「AIとOCRを組み合わせた仕組みを試してはみたのですが、まだ業務に使える技術レベルには達していないと結論付けました。注文書のプロセスは、主要取引先10社が大

Blue PrismについてBlue Prismは、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)のパイオニア、イノベーター、市場リーダーとして、世界中で新たな働き方を実現するデジタルワークフォースの成功に貢献しています。デジタルワーカーは、業務に新たなキャパシティを創出し、重要な業務を自動化するためのインテリジェント スキルを提供し、セキュリティ、コンプライアンス、スケーラビリティという重大かつ厳重なIT要件を満たします。Blue Prismは最先端のAIおよびコグニティブテクノロジを実現するためのスケーラブルで堅牢な実行プラットフォームを提供しており、Fortune 500社が選ぶ信頼できるセキュアなRPAプラットフォームとして認知されるようになりました。詳細はwww.blueprism.com/japanをご覧ください。 お問合せ先:[email protected]

Blue Prism / 株式会社荏原製作所 JP2019.04.CS-EBARACORPORATION-v2

デジタルを活用する文化が全社に浸透荏原製作所は、「熱と誠」を創業の精神とし、水、エネルギー、および環境分野にさまざまなソリューション技術を提供する産業機械メーカーだ。創業100年を超える老舗で、ポンプやコンプレッサー、冷熱機を柱とする風水力事業が売上の60%を占める。その同社は、近年大きな変革に取り組んでいる。社外では競泳日本代表オフィシャルスポンサーとして知名度を高め、社内では業務のデジタル化を進めて顧客サービスの向上と働き方改革に取り組んでいる。

中期経営計画「E-Plan 2019」において、2017~19年の3年間は利益成長を重視する期間と位置づけられ、収益の向上を目的として全事業部が行動する。ビジネスプロセスの標準化を進め、少人数でより効率的に動けるような組織へと変革する。そして、世界規模で事業展開し、成長し続ける10年後の土台を作る。

それに伴い、国内の標準ポンプ事業は営業機能を中心に抜本的な改革を推進することになった。少数精鋭のプロフェッショナルな営業組織へと生まれ変わり、顧客対応力の強化によるサービスレベルの向上を目指したのだ。そのために、情報の蓄積と活用をできる仕組みが必要だった。営業プロセスの標準化では、Salesforceの顧客管理の仕組みを採用。同時に、実施する業務の集中・集約化にあたってRPAを導入することになった。

同社 グループ経営戦略統括部 デジタル化推進責任者 籔内 寿樹氏は、「長い歴史のある企業ですが、今回の中期経営計画により、“変わらなければならない”という意識は全社に浸透しています。“デジタルを活用することで業務がより効率的になる”と考えてくれる仲間も増えています」と話している。

業務改革前

紙媒体の手書き売上表を基に人がシステムに売上情報を登録

営業担当 営業担当事務担当 事務担当 事務担当営業上長 営業上長

業務改革後(Salesforce × Blue Prism導入)

Salesforce上の売上データを基にロボットがシステム売上情報を登録

RPA管理者

売上表作成

売上情報登録

登録内容確認

売上情報・システム承認

売上表保管

販売・購買管理

システム

販売・購買管理

システム

販売・購買管理

システム

販売・購買管理

システム

販売・購買管理

システム

販売・購買管理

システム

販売・購買管理

システム

販売・購買管理

システム

販売・購買管理

システム

販売・購買管理

システム

売上表入力

売上情報承認

売上情報抽出

売上情報登録

システム承認

Salesforce導入によるペーパーレス化とRPA導入による工数削減を実現

Salesforce導入によるペーパーレス化とRPA導入による工数削減を実現

売上表(紙)

売上表(紙)

売上表(紙)

売上表(紙)

営業担当印

事務担当印

上長承認印

システム承認

システム承認

システム承認