1579
2019/11/25 「応用地質用語集」 本用語集は発刊から 15 年以上が経過し、用語自体あるいは 説明文が現在では修正あるいは棄却されているものが含ま れているので、使用には十分に注意されたい。

「応用地質用語集」1.はじめに 応用地質用語集出版のそもそもの発端は、1988年秋の理事会において、一理事から用語 集作成の発案がなされたことに始まる。

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

  • 2019/11/25

    「応用地質用語集」

    本用語集は発刊から 15 年以上が経過し、用語自体あるいは

    説明文が現在では修正あるいは棄却されているものが含ま

    れているので、使用には十分に注意されたい。

  • 1.はじめに

    応用地質用語集出版のそもそもの発端は、1988 年秋の理事会において、一理事から用語

    集作成の発案がなされたことに始まる。 この発案を受けて、理事会での承認の後 1989

    年の年度始めに研究企画委員会内に準備ワーキンググループ(WG)が組織された。この

    WGで用語集の暫定的な編集基本方針を検討した上で、委員会組織の立ち上げ準備を行い、

    1990 年夏に委員会が設置されWGは発展的に役割を終えた。

    こうして設置された応用地質用語集委員会は同年 10 月に第1回会合をもち、その後 10

    年以上に及ぶ委員会活動の出発点となった。1991 年2月には、用語集に盛り込む用語の収

    集と選定を用語内容に応じた分野別に行うために、5つの収集選定WG(第1分野:地形・

    地質の基本用語、第2分野:調査・試験・計測関係用語、第3分野:設計・施工関係用語、

    第4分野:環境・防災関係用語、第5分野:その他の用語)が設置された。さらに、収集・

    選定された用語のために、パソコンWGも組織されて、実質的な作業を開始した。

    用語の収集は、各種事典・辞典類、各種学会誌・論文集、一般技術誌、各種基準類など

    を手がかりとして、応用地質に何らかの関連ある用語をまずは出来るだけ多く集めること

    が目標とされた。この作業は上記各WGによって精力的に進められたが、それまでに出版

    された多数の出版物を網羅したために、結果的には約4年を要し 1995 年初頭までに一次

    候補用語として 65,830 語が収集された。その後引き続いて、収集用語の分野間の重複や

    特定固有名詞の削除、さらに用語の重要度等からの絞り込み作業を行った。

    一方、 用語集の内容体裁として当初提案されたイメージは、“Glossary of Geology”

    的なものであって、用語の説明文は出来るだけ簡明なものとし、そのかわりに出来るだけ

    多数の用語を網羅して、手軽に用語の概念を理解出来るようなものを、ということであっ

    た。正式発足した用語集委員会において、議論された用語編集基本方針の主要項目は次の

    通りである。

    ① 応用地質に関連する多分野の用語を広汎、かつ多数含むものとする。

    ② 説明文は簡明なものとし、説明用の図表はつけない。

    ③ 全ての用語に英語訳を併記する。

    ④ 巻末に参考図表を添付する。

    1995 年夏には、以上のような用語集内容や出版形態、希望価格などについて広く学会員

    のニーズを把握するためにアンケート調査が実施された。アンケートは195名に発送し138

    名から回答が得られた(回収率 70%)。この結果を参考にして、用語数を多くしてすべての

    用語に 50 字程度の解説文を付けるというスタイルが確定した。出版形態については冊子

    方式での出版希望が多かったが、その後の急激な PC 及び CD ファイルの普及を鑑みて、利

    用者にとっての利便性と低価格性から出版形態は CD-ROM によることになった。

    解説文の執筆については、用語数が膨大なので少人数による執筆では負担が大きすぎ、

    発行時期の見通しが立たないであろうと予想された。執筆陣の具体化を検討していく過程

    - 1 -

  • で、1998 年には学会が 40 周年という節目を迎えるので、用語集の発行をその記念事業の

    一つととらえたらどうかという考えが浮かび上がった。その具体化として、解説文の執筆

    を広く会員諸氏に協力願い、用語集発行を会員諸氏の成果とすることができれば記念事業

    として意義深いものと考えられた。

    この方針にしたがって、1996 年には用語表記様式を定めた上で、多数の用語解説文執筆

    者を想定した執筆要領と原稿提出要領を作成した。実際の解説文執筆は、以後の連絡の都

    合から、会員数が8名以上在籍する組織に依頼することとした。この結果、会員数に応じ

    て、執筆依頼用語数を調整し、1997 年2月に至って 42 の機関・団体に執筆要領などを添

    えて一斉に依頼文書が発送された。この時点で、用語数は 19,800 に絞り込まれていた。

    この依頼文書発送後、用語解説原稿の回収に備えて、用語集委員会の組織を改め、編集部

    会、査読部会ならびに顧問会が編成された。

    用語解説原稿執筆の締め切りは、依頼から3カ月後の5月末であったが、年間で最も忙

    しい時期にあたる年度末と重なったため、やはり無理があったようで、予定期日通りの回

    収は全用語の 10%に満たなかった。この後も、執筆担当者の多忙のために、原稿回収は遅々

    として進まず、予想を大幅に超える遅れとなった。依頼してから1年経った 1998 年2月

    時点でも回収率 70%、4月にしてようやく 90%となったが、さらにまた年を越えて2年後

    の 2000 年になっても、回収終了とはならず、ついには未回収用語を用語集委員が執筆す

    るということになった。不本意ながら 40 周年事業に間に合うことなく、用語解説文の執

    筆に3年を要したことになる。

    この間に回収済みの用語解説文に対する査読作業も同時進行的に進められていた。この

    作業も予想外に難航するものとなった。理由は解説内容が必ずしも適切とはいえないケー

    スが多かったということにつきる。このために、修正・訂正のみならず、元の執筆者には

    申し訳ないと思いながらも、解説文そのものを新たに書き換えるということも相当数必要

    であり、多大な時間を要した。さらに新たに発掘される用語もあり、この執筆も加わった。

    編集部会では、回収された用語解説文をパソコン入力して査読に回す一方で、査読修正

    後の解説文の再入力と校正を行った。また、付属添付資料の作成、出版形態についての調

    査を行うとともに、査読部会をサポートするために用語執筆作業をも行うという多面的な

    活動を余儀なくされた。

    2001 年秋になって、ようやく一部を除いて査読作業のめどがつき、全用語を通読する段

    階に入ることができた。この通読作業の目的は、査読部会委員全員の目を通して、解説文

    の表現の統一、同義語の整理などを行うことにあった。しかしながら、いざ実行にかかっ

    てみると、正すべき点がやはり多数出てきて、この一次通読としての整理、処理が 2003

    年春まで約 1.5 年を要した。この時点で残った選定用語 17,825 語について発行段階のス

    タイルに並べ替えた後、全体のトーン会わせ、解説文内容の最終チェック及び校正を目的

    に 2003 年4月~同6月に本委員会内で手分けして二次通読を実施した。

    この作業が終了後、用語集としての最終的スタイルに整えた原稿一式を 2003 年 10 月か

    ら 2004 年 3 月の間に顧問会の先生方に査読していただき、追加修正のうえここにようや

    - 2 -

  • - 3 -

    く収録用語数約 18,800 語の本用語集の完成を得た次第である。

    以上が、応用地質用語集誕生までの経緯である。用語集を出版しようという声が上がっ

    てから 15 年を要した。これほどの永年月を要することになるとは、いったい誰が予想し

    たであろうか。この用語集の作成に関わってきた多くの会員、そして担当の委員は決して

    時間を無駄にしてきたわけではない。ただ、作成のすべての過程を自らの手だけで行おう

    としたこと、それもとりわけ忙しい人たちが日常の仕事の合間を縫って何とか時間を作っ

    て少しずつすすめてきたこと、そして多くの会員が関わったこの事業の成果を出来るだけ

    良い形で残したいという精一杯の努力が、結果的に 15 年を要したわけである。

    この年月の間に社会は大きく変化した。用語の選定、解説文の内容がこうしたニーズの

    変化に充分に対応しているか、我々委員としても自信がない。この用語集は全会員による

    手作り用語集である。初版の誕生は大変な難産であったが、今後会員はもとより会員以外

    にも広く有効に活用され、また適宜に追加・修正され改訂の版を重ねて、より一層充実さ

    れたものに、そしてさらに使い勝手の良いものに育っていくことを切に願っている。

    2004 年(平成 16 年) 5 月

    日本応用地質学会 応用地質用語集委員会

  • 用語 用語の読み 用語の英訳 用語の解説

    アーカンサス石 あーかんさすいし Arkansas stone 米国アーカンサス州のオツアーク山地に産するノバキュライト(novaculite:ほとんど微晶質石英からなるチャートの一種)で,刃物の砥石として利用.

    アークシューティング

    あーくしゅーてぃんぐ

    arc shooting 弧状展開爆発法と同義.

    アークトレンチギャップ

    あーくとれんちぎゃっぷ

    arc-trench gap 島弧と海溝のそれぞれの中心軸の間の地帯で大陸プレートと海洋プレートの間にある変動の激しい部分.島弧-海溝間隙のこと.

    AASHO道路試験

    あーしょおどうろしけん

    AASHO road test AASHOにより1956~1960年に行われた道路の舗装や路盤に関する大規模な試験. AASHO:AmericanAssociation of State Highway Officials

    AASHTO分類法

    ああしょとぶんるいほう

    AASHTO soilclassification system,method of classificationof soil by AASHTO

    道路の路床・路盤材料の分類に用いられる土質分類法で,粒度と液性限界・塑性指数により分類される.AASHTO:American Association of State Highway andTransportation Officials

    アージライト あーじらいと argillite 粒径1/16mm以下のシルト粒子と粘土粒子を主とする泥を主構成物質とする細粒砕屑岩の総称.

    アージライト化作用

    あーじらいとかさよう

    argillization 粘土化作用と同義.

    アースアンカー あーすあんかー earth anchor 構造物を定着させるための引張り力を確保する未固結地盤対象のアンカー.

    アースオーガー あーすおーがー earth auger ドリル状の穿孔器を地中にねじこんで,孔をあける掘削機械.土質サンプリングに用いるタイプや,杭基礎や地中連続壁の施工に用いるタイプなどがある.

    アースダム あーすだむ earthfill dam 主に土質材料よりなるフィルダム.大規模ダムには適さず,通常堤高30m程度以下である.

    アースドリル あーすどりる earth drill 回転式バケットにより,地盤の削孔・掘削・搬出を行う大口径削孔機械.

    アーストンネル あーすとんねる earth tunnel 土砂トンネルと同義.

    アースハンモック

    あーすはんもっく earth hummock 草に覆われた泥質の土地や泥炭地に見られる瘤状の小高まり.凍上による地中物質の不等膨張による.

    アースローダ あーすろーだ earth loader プラウ板で起こした土砂をコンベアで走行中のワゴンに積み込む牽引式の機械.

    アーチ あーち arch ①海底火山の沈降による地殻物質の外方移動による周辺の隆起帯.自重による応力のアーチ状伝達様式.モートと対語.②円弧,放物線弧など曲線をなす構造形式.アーチに垂直に作用する力を圧縮軸力として両端の支点に伝える.

  • アーチーの式 あーちーのしき Archie's formula 地層の比抵抗ρoと孔隙水比抵抗ρwとの間に成立するρo/ρw=F(一定)という関係を表した式.Fは地層係数と呼ばれる.

    アーチ下流面スプリンギング

    あーちかりゅうめんすぷりんぎんぐ

    springing of intrados アーチダム基礎の荷重解析では,ダムは一組のスプリングに支持されると仮定するが,この下流側のものをさす.

    アーチ橋 あーちきょう arch bridge アーチを主構造とする橋梁.一般に両支点には水平反力が生じる.

    アーチクラウン あーちくらうん arch crown トンネルのアーチ頂部のこと.

    アーチコンクリート

    あーちこんくりーと arch concrete トンネルや地下空洞の天井アーチ部分を巻き立てるコンクリート.

    アーチシェル あーちしぇる arch shell トンネルの地圧を受けるアーチ状のシェル構造.プレライニングやアーチ状に一体化した先受け工などによって事前に形成することもある.

    アーチ式支保工 あーちしきしほこう arch support アーチ型の部材によって地山を支える支保工.通常は鋼材を用いる.

    アーチ重力ダム あーちじゅうりょくだむ

    arch-gravity dam 薄肉アーチダムより片持梁(かたもちばり)要素または重力ダム要素を大きくして設計される厚肉のアーチダム.

    アーチ上流面スプリンギング

    あーちじょうりゅうめんすぷりんぎんぐ

    springing of extrados アーチダム基礎の荷重解析では,ダムは一組のスプリングに支持されると仮定するが,この上流側のものをさす.

    アーチダム あーちだむ arch dam コンクリートなどからなり,水圧その他の荷重をアーチ作用により岩盤に伝達する構造のダム.

    アーチバットレスダム

    あーちばっとれすだむ

    arch buttress dam 水圧を受け止める板構造(遮水壁)を鉛直壁で支えるバットレスダムの一種で,遮水壁がアーチ構造であるもの.

    アーチ部覆工型枠

    あーちぶふっこうかたわく

    lining form for arch トンネルのアーチ部にコンクリートを打設するための覆工型枠.

    アーチリブ あーちりぶ arch rib 分割されたアーチリングのうち,個々に独立した部分.トンネルの鋼製支保工などでは,いくつかに分割されたアーチリブを組合せてアーチとする.

    アーチリング あーちりんぐ arch ring コンクリートアーチのような幅の広いアーチ本体.

    ERTS あーつ Earth ResourcesTechnology Satellite,ERTS

    米国NASAが打ち上げた世界で最初の地球資源衛星.その後LANDSATに改称され,最も利用されてきた衛星.

    アーティキュレートシールド

    あーてぃきゅれーとしーるど

    articulated shield 曲線部の施工に用いる中折れ式シールド機で,鋼殻部が複数に分割され方向制御装置などが付属.

  • アーマードケーブル

    あーまーどけーぶる armored cable 孔内検層用のケーブルの一般名.鋼製あるいはステンレス線の鎧装ケーブル

    アア溶岩 ああようがん aa lava 表面が粗く,コークスの表面のようにとげとげしい玄武岩質溶岩の形態.日本では三原山,富士山などの溶岩に多い.

    R-R-R三重点 あーるあーるあーるさんじゅうてん

    R-R-R triple junction 三つのプレートが接する点のうち,海嶺(ridge)型(発散型)境界のみからなるもの.

    RI検層 あーるあいけんそう radio isotope logging,RI logging

    ボーリング孔の自然放射能,または人工放射線源による放射能を測定することにより地盤を調査する方法.

    RI試験機 あーるあいしけんき nuclear gauge, radioisotope gauge, RI gauge

    放射性同位体(RI:radio isotope)を用いた試験を行う機器.地盤の密度試験に用いられる.

    REV あーるいーぶい representativeelementary volume, REV

    不連続性岩盤において広がりのある岩盤としての性質を評価できる最小の大きさ.構造最小単位.

    RS232C あーるえすにーさんにーしー

    RS232C コンピュータ本体とその端末装置を接続させ,その間のデータ交換を行うためのインターフェイス規格.

    RMR あーるえむあーる rock mass rating, RMR 岩石の強度・RQD・節理間隔・節理面状況・湧水状況の評点要素に基づくトンネルを対象とした岩盤分類.

    RMS誤差 あーるえむえすごさ root mean square error,RMS error

    n回の観測値における各観測値(xi)と真値(x0)との差の二乗の平均値(平均二乗誤差)の正の平方根.

    ((Σ(xi-x0)2)/n)1/2

    RMS速度 あーるえむえすそくど

    root mean squarevelocity, RMS velocity

    各層の区間速度と往復垂直走時により表される速度.水平層とみなされる地層の区間速度の計算に用いられる.

    RQD あーるきゅーでぃー rock qualitydesignation, RQD

    ボーリングコアの単位区間に占める長さ10cm以上のコア総長の割合(%).硬質岩盤の良好度判定に適した指標.

    RCCコンクリート

    あーるしーしーこんくりーと

    roller compactedconcrete, RCC

    工期短縮と工費削減を基本理念にして,アメリカで開発された超貧配合のコンクリート.ダンプトラックで運搬し振動ローラーにより締固めを行う.

    RCCダム あーるしーしーだむ roller compactedconcrete dam, RCC dam

    振動ローラーで締固めるノースランプコンクリートからなるダム.

    RCCP あーるしーしーぴー roller compactedconcrete pavement, RCCpavement

    転圧コンクリート舗装.硬練りのコンクリートを路盤上に敷き均してローラなどで締固める.施工速度が速い.

    RCD工法 あーるしーでぃーこうほう

    roller compacted damconcrete constructionmethod, RCD constructionmethod

    超硬練り貧配合のコンクリートを振動ローラで締固めるダムコンクリート打設工法.

    RGB信号 あーるじーびーしんごう

    red green blue signal,RGB signal

    R(赤),G(緑),B(青)の3色に分解された光を変換した信号.カラー映像の表示に用いられる画像信号.

  • RJFP工法 あーるじぇいえふぴーこうほう

    Rodinjet forepilemethod, RJFP method

    トンネル先受け工法の一つで高圧ジェットの噴射による地山の切削・セメント系硬化剤の注入によって杭体を造成する.

    R層 あーるそう R horizon ふつう,基岩と呼ばれる.土壌の下に接して存在する固結した未風化の岩石の層をいう.

    R値 あーるち R-value 路床,路盤材の変形抵抗値(無次元).

    RBV あーるびーぶい return beam vidicon, RBV LANDSAT 1~3号に搭載された光学センサ.カメラの感光部に記録された像を電子ビームで走査し画像に変換.

    IR あいあーる infrared radiation, IR 赤外線.約0.75μmから1mmぐらいまでの波長範囲にある電磁波.

    IES あいいーえす induction electricalsurvey, IES

    電磁誘導の原理を利用して地層の比抵抗およびインダクション導電率の測定を同時に行う物理検層法.ケーシング中は不適.

    ISRM指針 あいえすあーるえむししん(いするむししん)

    Standard ofInternational Society ofRock Mechanics, Standardof ISRM

    国際岩の力学連合会による室内および原位置試験の指針.

    ISO あいえすおー International Society ofStandardization, ISO

    国際標準化機構

    IFOV あいえふおーぶい instantaneous field ofview, IFOV

    瞬時視野・瞬間視野と訳され,光学センサの一つの検出素子が瞬間的に見ることができる視野.

    IFP あいえふぴー instantaneous floatingpoint, IFP

    増幅器の利得制御の一種で,入力信号の振幅に応じて各チャンネルおよびサンプル毎にゲインを決定する方式.

    相生層群 あいおいそうぐん Aioi Group 兵庫県南西部から岡山県南東部にかけて分布する中生界中~上部白亜系.安山岩~流紋岩質の火砕岩・溶岩が主体.高砂市竜山では建材用に採掘され竜山石(宝殿石)と呼ばれている.

    相生みかげ あいおいみかげ Aioi mikage 兵庫県相生市産の土木用石材.中生界花崗岩.

    アイオニウム・トリウム法

    あいおにうむとりうむほう

    ionium-thorium method イオニウム・トリウム法と同義.

    アイオニウム年代測定

    あいおにうむねんだいそくてい

    ionium dating イオニウム年代測定と同義.

    アイオニウム法 あいおにうむほう ionium method イオニウム年代測定と同義.

    愛川層群 あいかわそうぐん Aikawa Group 神奈川県丹沢山地に分布する新生界中部中新統.石英安山岩~玄武岩質の火砕岩を主体とし,泥岩・砂岩・礫岩を伴う.

  • 相川層群 あいかわそうぐん Aikawa Group 新潟県佐渡島に分布する新生界下部中新統.安山岩~デイサイト質の溶岩・火砕岩よりなり,金・銀鉱脈鉱床が胚胎.

    IGRF あいじーあーるえふ pnternationalgeomagnetic referencefield, IGRF

    国際標準地球磁場の略語.全地球規模の標準磁場で世界的な磁気測量結果から求める.

    ICP質量分析法

    あいしーぴーしつりょうぶんせきほう

    inductively coupledplasma massspectrometry, ICP massspectrometry

    誘導結合プラズマ中に試料を導入し,イオン化した元素を質量分析する高精度質量分析法.

    ICP発光分光分析法

    あいしーぴーはっこうぶんこうぶんせきほう

    inductively coupledplasma emissionspectrochemicalanalysis, ICP emissionspectrochemical analysis

    誘導結合プラズマを光源とする発光分光分析法.多元素を同時に高感度・高精度で測定できる特徴がある.

    ICP法 あいしーぴーほう inductively coupledplasma emissionspectrometry, ICPemission spectrometry

    誘導結合プラズマ発光分析法.発光線の強度測定より,短時間に高精度で多くの元素の定量分析が可能.

    IGロス あいじーろす ignition loss, IG loss 強熱による試料の重量減.土中の有機物含有量として扱われることがある.強熱減量と同義.

    アイスフォール あいすふぉーる ice fall 急勾配で氷河が流下する箇所.クレバスやセラックが発達し,下流ではオーギブを作ることがある.氷瀑ともいう.

    アイスランド型楯状火山

    あいすらんどがたたてじょうかざん

    shield volcano ofIcelandic type

    大規模な割れ目噴出によってできた楯状火山のうちの一輪廻の噴火で形成される型.

    アイスレーダー あいすれーだー ice penetrating radar 電波反射法の一種で,特に極地において地上あるいは空中から氷河の厚さを測定するために開発された探査法.

    アイスレンズ あいすれんず ice lens 土中水が氷晶分離凍結することにより,最大数cmの厚さでレンズ状に凍結する現象.シルト質地盤に著しい.

    アイソグラッド あいそぐらっど isograd 広域変成帯や熱変成帯において,岩石の変成度による分帯の指標となる鉱物または鉱物組合せが出現または消滅する位置を結んだ線.

    アイソクロン法 あいそくろんほう isochron method 放射性核種が閉鎖系の場合に親核種と娘核種の量比を用いて時間の経過を判定する方法.

    アイソスタシー あいそすたしー isostasy マントル内のある深さの面にかかる上からの岩石の重さはどこでも一定で静水圧的平衡が存在するとする説.地殻均衡と同義.

    アイソスタシー異常

    あいそすたしーいじょう

    isostasy anomaly 実測重力値に高度・地形・ブーゲー・アイソスタシーの各補正を加えたものと標準重力値との差.

    アイソスタシー補正

    あいそすたしーほせい

    isostatic correction アイソスタシー異常を求めるための補正.

    アイソトープ あいそとーぷ isotope 同一元素に属する原子及び原子核のうち,核中の中性子数が異なるため質量数が異なるもの.同位体.

  • アイソトープ砂 あいそとーぷさ radioisotope sand 放射性同位(元素)体を含ませた砂で,トレーサとして使う.これを海中に投入して砂の移動方向を調査する.

    アイソパックマップ

    あいそぱっくまっぷ isopach map 地層の層厚変化を表現した図で,等層厚の点を結んで作成する.普通はボーリング資料を用いる.等層厚線図と同義.

    アイソパラメトリック要素

    あいそぱらめとりっくようそ

    isoparametric element FEMにおける要素の形状の一種.座標を表わす関数と要素の変位を近似する関数の形が同一である要素.

    Iタイプ花崗岩 あいたいぷかこうがん

    I-type granite マグマ生成に関わった物質に基づく花崗岩分類の一つ.化学組成上Na,Caに富む.苦鉄質火成岩の再溶融によるもので,日本産花崗岩の主体をなす.Iはigneousの頭文字.

    会津盆地西縁南部断層

    あいづぼんちせいえんなんぶだんそう

    Aizu-bonchi seien nanbufault

    活断層.確実度Ⅰ,活動度B級,北北西-南南東方向.会津盆地南部の西縁を縁取るように延び,延長約10km.小扇状地面を切る.

    会津盆地西縁北部断層

    あいづぼんちせいえんほくぶだんそう

    Aizu-bonchi seien hokubufault

    活断層.確実度Ⅰ,活動度B級,北北東方向.福島県会津盆地北部の西縁に位置し,延長約15km.試掘で沖積扇状地礫層に変位確認.1611年会津地震の震源断層.

    ITIR あいてぃーあいあーる

    intermediate thermalinfrared radiometer,ITIR

    中間熱赤外放射計.NASA極軌道プラネットフォーム搭載用センサの一つとして日本が供給する多波長センサ.

    ITOS あいてぃーおーえす Improved TIROSOperational System,Improved TIROSOperational satelliteSystem, ITOS

    NOAAのプロトタイプとしてアメリカが開発した極軌道気象衛星.TIROS衛星の改良型でITOSと略される.

    ITV あいてぃーぶい industrial television,ITV

    工業テレビカメラ.最近では安価で手軽なCCDカメラが用いられることが多い.

    IEEE あいとりぷるいー Institute of Electricaland ElectronicsEngineers , IEEE

    米国電気電子技術者協会の定める標準インターフェイス.コンピュータと周辺機器とのインターフェイス規格.

    相内鉱山 あいないこうざん Ainai mine 秋田県北東部小坂町に位置する.新第三系中新統の西黒沢階最上部~女川階最下部に層準規制型の黒鉱鉱床が分布する.

    合ノ沢層 あいのさわそう Ainosawa Formation 福島県東部の相馬地域に分布する古生界上部デボン系.真野川支流合ノ沢を模式地とする.灰色頁岩,安山岩質凝灰岩を主体とし,砂質頁岩,頁岩を挟在する.

    IP あいぴー intersection point, IP 交会点.道路などの路線の平面線形を規定する点の一つ.曲線部の両側の直線部分を延長した線の交点.

    IP検層 あいぴーけんそう induced polarizationlogging, IP logging

    孔井内で地層にパルス状の電界を掛け,強制分極現象を観測することにより油層・水層を識別する物理検層法.

    IP効果 あいぴーこうか induced polarizationeffect, IP effect

    金属鉱物を含む岩石に直流電流を流したときに電荷が貯えられるIP現象を示す岩石類に起こる電磁場異常の総称.鉱物の種類によって貯えられた電荷の容量や放出に要する時間が異なることから地下の構造や金属鉱床の探査に用いられる.

    IPP あいぴーぴー independent powerproducer, IPP

    独立系発電事業者.一般企業で電力会社に電力の卸売りをする事業者.

  • IP法 あいぴーほう induced polarizationmethod

    人工的に通電して切断した後の減衰電圧の変化から分極率などを求め,硫化物を主とする金属鉱床の探査に用いられる電気探査法の一つ.強制分極法,誘導分極法ともいう.IP効果参照.

    姶良 あいら Aira 鹿児島湾北部に推定されるカルデラ.約2.5万年前の大噴火で入戸火砕流を噴出.広域的には姶良Tn火山灰(AT)として同定されている.

    姶良入戸 あいらいと Airaito 姶良カルデラを噴出源とする姶良Tnテフラ(AT)のうち,入戸火砕流堆積物起源のもの.A-Itoと略記.21~22Kaの年代.

    姶良大隅 あいらおおすみ Airaosumi 南九州姶良カルデラを噴出源とする姶良Tnテフラ(AT)のうち,大隅降下軽石起源のもの.A-Osと略記.24Kaの年代.

    姶良火山灰 あいらかざんばい Aira volcanic ash 鹿児島湾北部,始良町付近のカルデラから約2万5千年前に噴出した火山灰.日本列島周辺を覆う重要な鍵層(テフラ).ATと略記する.

    姶良福山 あいらふくやま Airafukuyama 南九州姶良火山を噴出源とするテフラ(A-Fk)で,70~75Kaの年代.カルデラ形成前の福山降下軽石が起源.

    アイランドカット工法

    あいらんどかっとこうほう

    island cut 地下工事において山留め壁施工後,のりを残しながら中央部を掘削して躯体構築後,周辺部の施工を行う工法.

    アイランド工法 あいらんどこうほう island process アイランドカット工法と同義.

    アウターチューブ

    あうたーちゅーぶ outer tube ボーリング用ダブルチューブコアバーレルの外側のチューブをさす.

    アウターリッジ あうたーりっじ outer ridge 海溝外縁部に分布する幅広い隆起帯.海溝周縁隆起帯と同義.

    アウトウォッシュ

    あうとうぉっしゅ outwash 融氷流水堆積物.氷河が削った岩屑が,融氷水によって運搬されてできた堆積物.一般に良く成層している.

    アウトウォッシュプレーン

    あうとうぉっしゅぷれーん

    outwash plain アウトウォッシュの堆積した平地.氷河の前面に傾斜の緩い扇状地に形成される.

    アウトクロップ あうとくろっぷ outcrop 露頭と同義.

    亜円(状) あえん(じょう) subrounded 砕屑物の粒子形状で,角や稜がかなり円磨された状態をさす.

    亜鉛鉱床 あえんこうしょう zinc ore deposit 鉛とともに方鉛鉱や閃亜鉛鉱などの鉱物として産出される鉱床.

    亜鉛スピネル あえんすぴねる gahnite ZnAl2O4.スピネル系鉱物の一種.正スピネル構造.硬度

    7.5~8.比重4.62.ペグマタイト中などに産出する.亜鉛尖晶石ともいう.

  • 亜鉛尖晶石 あえんせんしょうせき

    gahnite 亜鉛スピネルと同義.

    亜鉛・鉛鉱床 あえんなまりこうしょう

    zinc lead ore deposit 普通,亜鉛と鉛は伴って産出することが多いため,亜鉛・鉛鉱床と称される.主要鉱石鉱物は閃亜鉛鉱・方鉛鉱など.熱水鉱床と堆積層内鉱床に大別される.

    青石 あおいし Greenstone 庭石として用いられる青色~緑色を帯びた岩石の俗称.三波川変成帯の緑色片岩が代表的なもの.

    青ヶ島火山 あおがしまかざん Aogashima volcano 伊豆諸島南部にある火山島.玄武岩~安山岩の成層火山で,17~18世紀に噴火.現在も噴気や高地温異常がある.

    青木石 あおきいし Aoki ishi 瀬戸内海塩飽諸島香川県丸亀市広島,坂出市与島産の建築・土木・敷石用石材.中生界角閃石黒雲母花崗岩.与島みかげともいう.

    青白ケイ石 あおしろけいせき aoshiro silicastone 青色を呈する炉材珪石.青灰色のチャート角礫とその間を充填する白色の石英よりなる.耐火材に用いられる.

    青泥 あおどろ blue mud 半遠洋性深海堆積物の一種で,海深150~6,000mに広く分布.硫化鉄と有機質物質の存在により青灰色を呈するφ0.03mm以下の泥.青色泥ともいう.

    青苗川層群 あおなえがわそうぐん

    Aonaegawa Group 北海道南西部奥尻島全域に分布する新生界上部漸新統~下部中新統.玄武岩~安山岩~流紋岩質の溶岩・火砕岩が主体.

    青波石 あおなみいし Aonami ishi 群馬県北部に分布する下~上部中新統グリーンタフ層のうち,中之条町原付近で採掘されている軽石凝灰岩層.

    青峰層群 あおのみねそうぐん Aonomine Group 志摩半島の鳥羽市安楽島付近から青峰山を通り南西に延びる,秩父帯中帯に分布する中生界ジュラ系.砂岩・頁岩を主体とするオリストストロームからなり,古生界のオリストリスを含む.

    青葉石 あおばいし Aoba ishi ①宮城県名取郡秋保・塩釜市・石巻市産の土木用石材.新第三系凝灰岩.秋保石・塩釜石ともいう.②福島県飯舘村産の花崗岩.墓石などに用いる

    青目 あおめ Aome 緑青色の大谷石.

    青森しらす あおもりしらす Aomori shirasu 東北地方の十和田湖周辺に分布する火山灰土.細粒分が多く,九州のしらすとは異なる性状を示す.

    青森白大理石 あおもりしろだいりせき

    Aomori shiro dairiseki 青森県三戸郡階上村産の工芸・セメント用石材.中古生界大理石.

    青谷石 あおやいし Aoya ishi 鳥取県気高郡青谷町産の砕石用石材.第四系安山岩.

    青柳段丘 あおやぎだんきゅう Aoyagi terrace 東京都国立・立川付近の多摩川沿いに分布する幅1km程度の狭小な段丘面.立川面より新しく拝島面より古い.青柳礫層及び青柳ローム層からなる.

  • 青竜石 あおりゅういし Aoryu ishi 兵庫県高砂市伊保町竜山・宝殿産の石材.白亜系流紋岩質溶結凝灰岩.竜山石.

    亜貝殻状断口 あかいがらじょうだんこう

    subconchoidal fracture 鉱物のへき開(劈開)面以外の割れ目面の形状(断口)の一つ.二枚貝の内側形状(貝殻状断口)に似ているもの.

    赤石層群 あかいしそうぐん Akaishi Group 赤石山脈の主稜部を構成する四万十帯の最北西部に分布する中生界中期白亜系.塊状の砂岩,砂岩優勢砂岩泥岩互層を主体とする.

    赤石裂線 あかいしれっせん Akaishi tectonic line 西南日本の帯状構造を切断する断層帯として最大規模のものである赤石構造帯西縁の断層.赤石構造線ともいう.

    阿賀沖ガス田 あがおきがすでん Aga-oki gas field 新潟市の北方海上に位置するガス鉱床で,石油も産出する.

    阿賀沖油・ガス田

    あがおきゆがすでん Aga-oki oil-gas field 新潟市北方12kmの日本海,水深約80mに位置する.1971年発見.鉱床は背斜構造をなす西山層下部~椎谷層上部の砂岩層に数層あり,ガス・原油を産する.産出層の深度は約1800~2400m.

    阿賀沖油田 あがおきゆでん Aga-oki oil field 新潟市北方12kmの日本海,水深約80mに位置する.鉱床は背斜構造をなす西山層下部~椎谷層上部の砂岩層に数層あり,ガス・原油を産する.

    赤金鉱 あかがねこう akaganeite β-FeOOH.微細な結晶の集合体として針鉄鉱などと共に,岩手県赤金鉱山に産する.

    赤城山崩壊 あかぎさんほうかい landslides around Akagimountain

    1947年9月のカスリン台風によって赤城山周辺で多発した崩壊群.地質的に脆弱な火砕岩分布域に集中して発生.

    赤木層群 あかぎそうぐん Akagi Group 埼玉県秩父市東方の堂平山付近の関東山地に分布する三波川帯.塩基性火山岩を主とする御荷鉾緑色岩類からなる.

    亜角(状) あかく(じょう) subangular 砕屑物の粒子形状で,角や稜がわずかに円磨された状態をさす.

    赤坂更紗 あかさかさらさ Akasaka sarasa 岐阜県大垣市赤坂金生山産の建築・装飾用石材.赤坂大理石の一種.雑色角礫質石灰岩.現在は採掘されていない.

    赤坂石灰岩 あかさかせっかいがん

    Akasaka limestone 岐阜県大垣市赤坂町金生山付近の塊状石灰岩.日本の中部ペルム系上半の標準層序(赤坂統)になっている.

    赤坂大理石 あかさかだいりせき Akasaka marble 岐阜県大垣市赤坂町に産する結晶質石灰岩.装飾・工芸用の石材となる.紅縞大理石・霞大理石などがある.

    赤坂みかげ あかさかみかげ Akasaka mikage 広島県福山市赤坂町産の建築・土木用石材.中生界黒雲母花崗岩.

    赤崎層群 あかさきそうぐん Akasaki Group 熊本県天草炭田地域に分布する新生界古第三系.陸成で紫赤色砂岩・頁岩・礫岩からなる.赤崎層ともいう.

  • 明石海峡大橋 あかしかいきょうおおはし

    Akashi Kaikyo bridge 明石~淡路島間に架けられた世界最長の吊橋.橋長3991m,中央径間1991m,1998年完成.基礎地盤は明石層および神戸層で大口径ボーリングコアによる物性評価が行われた.建設中の1995年,直下で兵庫県南部地震が発生し中央径間が1m延びた.

    赤縞大理石 あかじまだいりせき Akajima marble 岡山県阿哲郡哲多町本郷・新見市・上市市産の石材.中生界大理石.

    明石累層 あかしるいそう Akashi Formation 兵庫県明石市付近に分布する大阪層群最下~下部層.陸成の砂礫・砂・泥層よりなり,動・植物化石を多産.明石層群と呼ばれたこともある.

    赤白ケイ石 あかしろけいせき akashiro silicastone 石英を主要成分とする珪石のうちの,赤色チャートの角礫を白色の石英が埋めたような構造を有するもの.陶磁器や耐火材などの工業原料となる.

    赤玉 あかだま akadama 石英の微小結晶集合体である微密な玉ずい(玉髄)の一種で,赤褐色を呈するもの.色は酸化鉄による.佐渡に産する.

    赤土 あかつち red soil 腐食物に富まない火山灰起源の褐色ないし赤褐色の土の俗称.累重した火山灰層が風化して形成される.関東ローム層など.

    吾妻火砕流 あがつまかさいりゅう

    Agatsuma pyroclasticflow

    浅間火山の1783年の天明噴火の際に北東斜面に流出した火砕流.粘性を保ちながら微地形に対応して流下した.

    赤泥 あかどろ red mud 赤色を呈する泥.泥質堆積物の堆積時の酸化,赤色土の二次堆積などによって形成.またボーキサイトの精製過程で生じる残渣をさす場合もある.

    赤粘土 あかねんど red clay 赤色粘土と同義.

    赤ぼく あかぼく Akaboku soil 九州中南部に分布する降下火山噴出物起源の土壌の俗称.主要粘土にアロフェンなどを含む火山灰質土.

    アカホヤ あかほや Akahoya 南九州鬼界カルデラから約6,300年前に噴出した火山灰.完新世,特に縄文時代の鍵層となる広域テフラ.

    赤間石 あかまいし Akama ishi 山口県厚狭郡楠町,山陽町産の有名なすずり石.白亜系輝緑凝灰岩.

    赤松地すべり あかまつじすべり the Akamatsu landslide 1974年4月26日に山形県大蔵村で発生した融雪型の崩壊性地すべり.

    明り掘削 あかりくっさく open cut 地上部で行う掘削作業.

    明り作業 あかりさぎょう surface work 地上部で行う作業.坑内作業の対語.

    赤竜石 あかりゅういし Akaryu ishi 兵庫県高砂市産の土木用石材.白亜系凝灰岩.竜山石.

  • 阿寒カルデラ あかんかるでら Akan caldera 北海道東部にある長径24km,短径13kmの火山構造性陥没地.噴火記録はないが硫気活動活発.内部に温泉がある.

    阿寒鉱山 あかんこうざん Akan mine 北海道東部足寄町に位置する.第四紀の温泉作用による沈殿型のイオウ鉱床が分布.イオウ,マンガン土を産する.

    阿寒層群 あかんそうぐん Akan Group 北海道東部阿寒湖付近に分布する新生界鮮新統.主に礫岩・砂岩・シルト岩からなり,安山岩質溶岩・火砕岩を含む.

    亜間氷期 あかんぴょうき interstadial ウルム氷期の中のゲトワイゲル-バウドルフ両亜間氷期のように,氷期の中での亜氷期に対する小さい暖化期.

    秋保石 あきういし Akiu ishi 仙台市秋保産の建築・土木用石材.中新統軽石凝灰岩.

    秋保層群 あきうそうぐん Akiu Group 仙台市西方に分布する新生界上部中新統.陸成で凝灰角礫岩・凝灰岩・凝灰質砂岩・安山岩~玄武岩溶岩などからなる.秋保温泉付近の軽石凝灰岩は石材(秋保石)として採掘.

    安芸川層群 あきがわそうぐん Akigawa Group 高知県東部安芸川流域の四万十北帯に分布する中生界白亜系.主に砂岩泥岩互層からなる.最近はほとんど用いられていない.

    安芸含炭地 あきがんたんち Aki coal-bearing area 室戸半島の高知県側に位置し,褐炭などを採掘していたが,現在は生産中止.新第三系鮮新統の唐ノ浜層群を対象としていた.

    秋田駒ヶ岳 あきたこまがだけ Akita-Komagatake volcano 秋田・岩手県境に位置する活火山.標高1,637.4mの成層火山で,1970~1971年にストロンボリ式噴火と溶岩流出を生じた.

    秋田駒柳沢 あきたこまやなぎさわ

    Akitakoma yanagisawa 秋田駒ヶ岳火山を噴出源とするテフラ(Ak-Y).年代は12~13Ka.縄文草創期を示す鍵層.

    秋田仙北地震 あきたせんぼくじしん

    the 1914 Akita-Senbokuearthquake

    1914年3月15日に秋田県仙北郡で発生したM7.1の地震.仙北郡下の雄物川沿いに被害が集中.死者94,負傷者324,全半潰家屋1200余りとされている.

    秋田焼山 あきたやけやま Akita-Yakeyama volcano 秋田県八幡平西部の活火山で周辺は地熱地帯.溶岩円頂丘をもつ成層火山で標高1366.1m.最近は1957年に噴火.

    秋津沈降時代 あきつちんこうじだい

    Akitsu period ofsubmergence

    矢部長克などによる日本の新生代区分の最も古い時期.石狩・常磐・北九州などの炭田が形成された時期とされ,ほぼ古第三紀に相当.

    秋間石 あきまいし Akima ishi 群馬県安中市産の土木用石材.新第三系~第四系両輝石安山岩.

    秋間層 あきまそう Akima Formation 群馬県安中市北方の秋間丘陵に分布する陸成上部中新統~鮮新統.主に安山岩質で一部溶結した凝灰角礫岩よりなり泥岩・礫岩などを伴う.溶結部の一軸圧縮強度は10~60MPa,泥岩は2~4MPa程度.

    秋元鉱山 あきもとこうざん Akimoto mine 宮崎県北部高千穂地域に位置する.秩父累帯中に層状マンガン鉱床がある.九州最大の鉱床を有していたが,1975年閉山.

  • 秋谷石 あきやいし Akiya ishi 神奈川県横須賀市田浦町産の土木用石材.新第三系凝灰岩.

    秋吉鉱床地区 あきよしこうしょうちく

    Akiyoshi ore depositarea

    山口県中央部美祢市周辺の秋吉石灰岩分布域.当地域の西部で,石灰岩の大規模採掘がすすめられている.

    秋吉石灰岩層群 あきよしせっかいがんそうぐん

    Akiyoshi limestone Group 山口県中~西部に分布する古生界石炭系~ペルム系.秋吉石灰岩台地を構成し,石灰岩を主とする.

    秋吉相 あきよしそう Akiyoshi facies 西南日本内帯の古生界石灰岩相.山口県の秋吉石灰岩,広島県の帝釈石灰岩などがその代表.

    秋吉造山運動 あきよしぞうざんうんどう

    Akiyoshi orogenicmovement

    秋吉造山帯を作ったペルム紀~三じょう紀(三畳紀)の造山運動.現在はこの説は否定されている.

    秋吉台 あきよしだい Akiyoshi plateau 山口県中部の石灰岩台地で日本最大.石炭~ペルム系の石灰岩層からなり,カルスト地形・鍾乳洞の発達で有名.

    秋吉大理石 あきよしだいりせき Akiyoshi marble 山口県秋吉台産の石材.古生界石灰岩・大理石(秋吉石灰岩).

    秋吉統 あきよしとう Akiyoshi series 上部石炭系四区分のうちの下から二番目.模式層は生物遺骸砕屑片を主とする石灰岩.西南日本に広く分布.

    アクアサイス あくあさいす Aquaseis 海上用線状震源の一種で商標名.リボン状の火薬を水中で発破し,地震パルスを発生させる.

    アクアパルス あくあぱるす Aquapulse 海上用非爆薬震源の一種で商標名.ガス爆発による容器の急速膨張により地震パルスを発生させる.

    アクアマリン あくあまりん aquamarine 透明で青緑色を呈する緑柱石の宝石名.濃緑色のものはエメラルド.主にペグマタイト中に産出する.

    悪石島 あくせきじま Akuseki-jima 九州の南西海上約200kmのトカラ列島にある中~後期更新世に形成された新期火山島.安山岩質の成層火山.

    アクチノイド あくちのいど Actinoids アクチニドともいう.放射性のアクチニウム(89番)からローレンシウム(103番)までの元素配列.化学的性質類似.

    アクチノ閃石 あくちのせんせき actinolite Ca2(Mg,Fe2+)5[OH|S4O11]2で,0.9>Mg/(Mg+Fe

    2+)>0.5

    のもの.Ca,Mg,Feを含みAlを含まない角閃石類鉱物.単斜晶系.硬度5~6.比重3.0~3.4.緑色岩起源の変成岩や苦灰岩が起源のスカルンを構成する鉱物.陽起石または緑閃石ともいう.

    アクチバブルトレーサ

    あくちばぶるとれーさ

    activable tracer 安定同位体を用いたトレーサのことで,これを放射化分析すれば,超微量でも検出可能.

    アクチュアリズム

    あくちゅありずむ actualism 現在主義といい,地質現象は過去~現在を通し同一の自然現象に基づくとする説.今では斉一観と同様な意味.

  • アクティブゲージ

    あくてぃぶげーじ active gauge 温度補償用などのダミーゲージと区別して,実際に測定対象に貼付してひずみを測定するゲージをいう.

    アグマタイト あぐまたいと agmatite ほとんど未交代の周辺母岩大小角礫(片麻岩など)を取り込んだ不均質なミグマタイト.

    アクリーション あくりーしょん accretion 付加と同義.

    アグリゲート化 あぐりげーとか aggregation 土壌を構成する有機または無機質の粒子が集合すること.土壌単粒が結びつき団粒(集合体)を形成すること.

    アグロメレーション

    あぐろめれーしょん agglomeration 凝集,団塊のこと.燒結などの方法によって,粉体を粒状または塊状にすること.

    上げ越し あげこし additional elevation あらかじめ荷重による沈下量を予測して,所定の高さより高めに施工しておくこと.コンクリートの打設やトンネル掘削などで行われる.

    奄芸層群 あげそうぐん Age Group 伊勢湾西岸地域に分布する新生界下部鮮新~下部更新統.東海層群に属する.陸水成で主に砂・泥・礫層からなり多数の火山灰層を挟在.

    明延鉱山 あけのべこうざん Akenobe mine 兵庫県養父郡大屋町に位置する.舞鶴層群と夜久野岩類中に多金属鉱脈鉱床が分布.錫,タングステン,銅,亜鉛,鉛などを産する.

    曙衝上断層 あけぼのしょうじょうだんそう

    Akebono thrust 富士見山衝上断層ともいう.富士川上流域に発達するフォッサマグナ西縁の断層に平行する西傾斜の衝上断層.

    上松断層 あげまつだんそう Agematsu fault 活断層.確実度Ⅰ,活動度B級,北東方向.木曾福島町東部から坂下町にかけて延長約42kmの右横ずれ断層.低断層崖を伴う.

    亜綱 あこう subclass 生物を分類する時に用いる単位の一つで,「綱」の下位の分類単位.

    亜高山帯 あこうざんたい subalpine zone 森林構成から見た植物群の垂直的分布を区分したときの一つの帯で高山帯(寒帯相当)に次ぐ亜寒帯相当の帯.

    赤河断層 あこうだんそう Ako fault 活断層.確実度Ⅰ,活動度B級,北西方向.岐阜県恵那市西部に位置し延長約24km.第四紀後半の活動記録はない.

    赤穂みかげ あこうみかげ Ako mikage 兵庫県赤穂市産の土木用石材.中生界花崗岩.

    アコースティックエミッション

    あこーすてぃっくえみっしょん

    acoustic emission AEと同義語.

    アコースティック・トモグラフィ

    あこーすてぃっくともぐらふぃ

    acoustic tomography 音波の伝播時間を使ったトモグラフィ.弾性波トモグラフィに含まれる手法.

  • アコーディオン褶曲

    あこーでぃおんしゅうきょく

    accordion fold 軸部にのみへき開(劈開)が入り,軸部で地層の厚さは大となるが翼部では厚さ一定となるような褶曲.

    安居山地すべり あごやまじすべり the Agoyama landslide 1972年10月4日に福井県福井市金屋町で切土により発生した幅約220m,延長約150mの地すべり.

    安居山断層 あごやまだんそう Agoyama fault 活断層.確実度Ⅰ,活動度A級,南北方向.静岡県富士宮市西方に位置し延長約11km.我が国最大級の縦ずれ活断層.

    アコンドライト(エイコンドライト)

    あこんどらいと(えいこんどらいと)

    achondrite 石質隕石のうちコンドルール(球粒)を含まないものの総称.その構造は地球上の火成岩に類似している.

    ASA あさ American StandardAssociation, ASA

    アメリカにおける工業製品の規格を定める協会.日本のJIS規格のようなもの.

    アサイスミックフロント

    あさいすみっくふろんと

    aseismic front 海洋プレート沈み込み部において深さ40~80kmの地震活動が陸側で急減する境界線.この境界線は火山フロントや海溝とほぼ平行で,海洋プレートと大陸プレートのプレート間地震がそれより陸側ではなくなる位置を表している.

    浅川油田 あさかわゆでん Asakawa oil field 長野市北部浅川に位置する小規模な油田.

    朝倉炭田 あさくらたんでん Asakura coal field 福岡県朝倉郡小石原村~宝珠山村に位置する炭田.この地域の古第三系は下位から,赤崎層群・宝珠山層群・土師層群に区分される.

    浅内油田 あさないゆでん Asanai oil field 秋田県能代に位置する油田.貯留層は天徳寺層,船川層の砂岩,凝灰岩.

    旭ガス田 あさひがすでん Asahi gas field 新潟県頸城村周辺のガス田.新第三系寺泊層の砂岩を貯留岩とし,ゆるい背斜部に油とガスが共存している.

    旭川油田 あさひかわゆでん Asahikawa oil field 秋田県秋田市北方に位置する油田.1908年発見.貯留層は船川層,女川層のデイサイト.同じ背斜構造の北方延長上に濁川油田・道川油田がある.産出層の深度は140m.

    朝日鉱山 あさひこうざん Asahi mine 栃木県鹿沼市に位置する.鉱石は主としてバラ輝石からなる珪酸マンガン鉱.鉱山付近の地質は主に珪質砂岩,粘板岩,珪質粘板岩,輝緑凝灰岩などからなり,花崗岩類の接触変成作用を受けホルンフェルス化している.

    旭層群 あさひそうぐん Asahi Group 島根県浜田市南東方に位置する旭コールドロンを構成する新生界古第三系ぜん新統(漸新統).火山岩類からなり閃緑岩質~花崗岩質深成岩類を伴う.

    旭油田 あさひゆでん Asahi oil field 新潟県の日本海側大潟町周辺の油田.新第三系寺泊層の砂岩を貯留岩とし,ゆるい背斜部に油とガスが共存している.

    朝日流紋岩 あさひりゅうもんがん

    Asahi rhyolite 新潟県北部の山北町,朝日村に点在する流紋岩質溶結凝灰岩類.濃飛流紋岩に対比される.

    浅間板鼻黄色軽石(As-YP)

    あさまいたばなおうしょくかるいし(えーえすわいぴー)

    Asama Itabana yellowpumice

    第四紀後期広域テフラの一つで,浅間火山による13,000~14,000年前の降下軽石.

  • 浅間火山 あさまかざん Asama volcano 長野・群馬県境にある活火山.1783年の火砕流で大被害をもたらした.噴火形式は激しい爆発を伴うブルカノ式.

    浅間草津軽石(As-K)

    あさまくさつかるいし(えーえすけー)

    Asama Kusatsu pumice 第四紀後期広域テフラの一つで,浅間火山による13,000~14,000年前の降下軽石.

    浅間白糸軽石(As-Sr)

    あさましらいとかるいし(えーえすえすあーる)

    Asama Shiraito pumice 第四紀後期広域テフラの一つで,浅間火山による15,000~20,000年前の降下軽石.

    浅間天仁軽石(浅間 B (天仁))

    あさまてんにんかるいし(あさまびー(てんにん))

    Asama Tennin pumice 浅間火山による1108年(天仁1年)の降下軽石.

    浅間天明軽石(浅間 A (天明))

    あさまてんめいかるいし(あさまえー(てんめい))

    Asama Tenmei pumice 浅間火山による1783年(天明3年)の降下軽石.一部は軽量ブロック用に採掘.

    浅間山天明噴火 あさまやまてんめいふんか

    the 1783 AsamayamaTemmei eruption

    天明3年(1783年)に活動した浅間山における最大級の噴火.この噴火による死者は千人を越え,多くの家屋が焼失した.この噴火による噴煙が天明の大飢饉の原因となったとされる.

    朝見川断層 あさみがわだんそう Asamigawa fault 活断層.活動度A~B級,北西-南東方向.大分県別府市西部から南部にかけて約11kmに渡って発達する.

    浅虫地すべり あさむしじすべり the Asamushi landslide 1966年6月に青森市浅虫で台風に伴う豪雨で発生.7月に拡大して鉄道線路を約80m埋積.変質した凝灰岩が素因.

    アジアプレート あじあぷれーと Asian plate ユーラシアプレートの東の部分でアジア大陸を乗せたプレートの意.

    庵治石 あじいし Aji ishi 香川県木田郡庵治町・牟礼町産の土木・建築・墓石・燈・彫刻用石材.中生界黒雲母花崗岩.

    足尾鉱山 あしおこうざん Ashio mine 栃木県上都賀郡足尾町に位置する銅鉱山.中・古生界の足尾層群と中新統の流紋岩中に鉱脈または交代鉱床として胚胎.

    足尾層群 あしおそうぐん Ashio Group 群馬県足尾山地に分布する中生界ジュラ系.砂岩・頁岩などを主とし,チャート・石灰岩などのオリストリスを伴う.

    足尾帯 あしおたい Ashio belt 足尾山地のジュラ紀付加体の分布する地帯.同一の地質体として,美濃-丹波-足尾帯と呼ばれる.

    足尾みかげ あしおみかげ Ashio mikage 群馬県勢多郡東村沢入産の石材.中生界黒雲母花崗閃緑岩.沢入みかげ・渡良瀬みかげともいう.

    足柄層群 あしがらそうぐん Ashigara Group 神奈川・静岡県境付近の丹沢山地と箱根火山に挟まれた地域に分布する更新統主体の層群.層厚数千mで砂岩・泥岩からなる.一軸圧縮強度は10~30MPa程度.

    愛鷹火山 あしたかかざん Ashitaka volcano 富士火山南東部に位置する成層火山.初め玄武岩~安山岩,後デイサイト質に変化.約10万年前以降活動停止.

  • 芦谷層群 あしだにそうぐん Ashidani Group 福井県大野郡和泉村の九頭竜湖周辺地域に分布する年代未詳古生界.主に黒色・緑色の千枚岩や片理をもつ砂岩からなる.

    アジテーター あじてーたー agitator コンクリートの打設までに材料が分離しないように攪拌する装置の総称.

    芦野石 あしのいし Ashino ishi 栃木県那須郡那須町芦野産の土木・建築用石材.第四系デイサイト質溶結凝灰岩.館山石ともいう.

    芦辺層群 あしべそうぐん Ashibe Group 長崎県壱岐島の北部に分布する新生界上部鮮新~下部更新統.玄武岩溶岩を主とし砂・泥・礫の互層を伴う.

    アジマス圧縮 あじますあっしゅく azimuth compression 合成開口レーダー(SAR)の画像再生処理.衛星の移動方向のデータを開口合成技術を用いて尖鋭な画像に再生する.

    味大豆地すべり あじまめじすべり the Ajimame landslide 1980年3月10日に長野県上水内郡小川村で発生.

    芦屋層群 あしやそうぐん Ashiya Group 福岡県芦屋町・北九州市,山口県下関市付近に分布する新生界漸新統.砂岩・泥岩を主体に礫岩・凝灰岩を伴う.貝類や魚類化石を多産.

    芦屋断層 あしやだんそう Ashiya fault 活断層.確実度Ⅰ,活動度B級,北東方向.兵庫県芦屋市北部に位置し延長約8km.西傾斜の逆断層.

    亜種 あしゅ subspecies 生物を分類する時に用いる単位の一つで,「種」の下位の分類単位.

    亜硝酸塩 あしょうさんえん nitrite Zn,Cuなどの金属が亜硝酸HNO2の水素を置換した形の

    塩.

    亜硝酸性窒素 あしょうさんせいちっそ

    nitrite nitrogen 水質汚濁の指標となる水質分析項目の一つで,亜硝酸塩に含まれる窒素の量.

    あすか隕石 あすかいんせき Asuka meteorites 1986~1989年頃に日本の南極観測隊が南極基地「あすか」南方のナンセン氷原で収集した隕石.

    アスカニア重力計

    あすかにあじゅうりょくけい

    Asukania gravimeter スプリング式重力計の一種.スプリングの中央に棒を水平に固着,重力の変化を棒の微少な回転角で検出する.

    アスピーテ あすぴーて aspite 流動性に富む溶岩が噴出してできる扁平な火山体で楯状火山と同義.

    アスファルト あすふぁると asphalt 石油中に含まれる種々の炭化水素混合物.石油精製時に得られる石油アスファルトと油田地帯の地表に産出する天然アスファルトがある.

    アスファルト基原油

    あすふぁるときげんゆ

    asphalt base crude oil 主成分の炭化水素による原油分類方法において,ナフテン系に富むもの.多量のアスファルト,ピッチを含む.

  • アスファルトグラウト工

    あすふぁるとぐらうとこう

    asphalt grouting 溶かしたアスファルトをコンクリートのすき間や打継ぎ目などに注入する工法.

    アスファルト鉱 あすふぁるとこう asphaltite アスファルト系石油が地層の割れ目に入り,熱によって変成し生成された固形の炭化水素.アスファルタイトともいう.

    アスファルトコンクリート

    あすふぁるとこんくりーと

    asphalt concrete 粗骨材,細骨材を粒度調整し,フィラーを混ぜてアスファルトと混合して加熱し締固めたもの.

    アスファルトコンクリートコア型ロックフィルダム

    あすふぁるとこんくりーとこあがたろっくふぃるだむ

    rockfill dam withasphaltic concrete corewall

    ゾーン型ロックフィルダムの一型式で,遮水材料(コア)に,アスファルトコンクリートを用いたもの.

    アスファルト質砂岩

    あすふぁるとしつさがん

    asphaltic sandstone 砂岩の空隙中に天然アスファルトが浸透して固化したもの.

    アスファルトセメント

    あすふぁるとせめんと

    asphalt cement 舗装用に精製されたアスファルト.

    アスファルト乳剤

    あすふぁるとにゅうざい

    asphalt emulsion アスファルトを乳化剤と安定剤の水溶液中で分散させて液状としたもの.

    アスファルトフィニッシャー

    あすふぁるとふぃにっしゃー

    asphalt finisher アスファルト混合物の敷きならし,締固めに用いられる最終仕上げ機械.クローラー式とタイヤ式がある.

    アスファルト封塞トラップ

    あすふぁるとふうそくとらっぷ

    asphalt-sealing trap 石油鉱床の地質条件のうち,稠密なアスファルトが間隙を充填し油層岩を封鎖して形成したもの.

    アスファルトフェーシング

    あすふぁるとふぇーしんぐ

    asphalt facing フィルダム上流面などにアスファルト舗装などを施し,それにより遮水を行うもの.表面アスファルト遮水ともいう.

    アスファルト防水工

    あすふぁるとぼうすいこう

    waterproofing withasphalt

    アスファルト層を覆工内部に施工してトンネルの漏水防止を図ること.

    アスファルトマカダム

    あすふぁるとまかだむ

    asphalt macadam マカダム粒度の砕石を,アスファルトで結合させて固めたもの.

    アスファルトモルタル

    あすふぁるともるたる

    asphalt mortar アスファルトと砂・岩石粉などの微粒骨材の混合物で防湿性・保温性・耐磨耗性に富む.

    アスベスト あすべすと asbestus, asbestos 石綿と同義.

    アスベスト鉱床 あすべすとこうしょう

    asbestos deposit 蚊紋石の一種のクリソタイルや繊維状の角閃石類を総称するアスベストの脈状鉱床.

    アスペリティモデル

    あすぺりてぃもでる asperity model 本震の震源過程を強い部分の破壊とみなし,断層面上の強度の不均一性と地震の発生パターンを説明するモデル.

  • 足羽層群 あすわそうぐん Asuwa Group 福井県福井市南東の山地および丘陵地に分布する中生界上部白亜系.湖成で礫岩・砂岩・泥岩などの互層を主体とし,石炭を伴い足羽植物化石群を産する.

    アセノスフェア あせのすふぇあ asthenosphere プレート(リソスフェア)を載せた上部マントルにおける相対的に流動的な層.部分的に溶融状態と推定される地震波低速度層.岩流圏ともいう.

    阿蘇4火砕流 あそ4かさいりゅう Aso-4 pyroclastic flow 阿蘇カルデラから約9万年前に放出された大火砕流堆積物.降下テフラは北海道まで達し,噴出量は約

    100km3.

    亜層群 あそうぐん subgroup 層群と累層の中間に位置する一つの地層群として用いられることがある.層群を細分する補助的地層群.

    阿蘇火砕流堆積物 (Aso-1~Aso-4)

    あそかさいりゅうたいせきぶつ

    Aso pyroclastic flowdeposits

    阿蘇火山からの大規模な4回の噴出により形成.多くは溶結し,組成および結晶度に変化がある.

    阿蘇火山噴火物 あそかざんふんしゅつぶつ

    Aso volcanic product 阿蘇カルデラ形成期から現在までの間に形成された阿蘇火砕流堆積物および阿蘇火山付近の溶岩の総称.

    阿蘇カルデラ あそかるでら Aso caldera 阿蘇火砕流の噴出で形成された九州中部にある南北

    25km,東西18km,面積350km2の火山性の陥没地.

    亜属 あぞく subgenus 生物を分類する時に用いる単位の一つで,「属」の下位の分類単位.

    阿蘇山 あそさん mount Aso 九州中部の活火山.東西約18km,南北約25kmの大カルデラを持つ.広域テフラAso-1~4の噴出源で現在も活動中.

    阿蘇山噴火 あそさんふんか the 1958 Asosan eruption 昭和33年(1958年)6月に活動した阿蘇観測所史上最大規模の噴火.爆風と火山灰により死者12人,負傷者28人,家屋などに甚大な被害が発生した.

    阿蘇溶岩 あそようがん Aso lava 阿蘇カルデラ周辺の火砕流堆積物の中で堅く溶結した凝灰岩で溶岩のように見える.通称で真の溶岩ではない.

    阿蘇溶結凝灰岩 あそようけつぎょうかいがん

    Aso welded tuff 阿蘇火山の4回の大規模な噴火によって形成された火砕流堆積物.多くは溶結し,溶結した部分の一軸圧縮強度は10~60MPa程度.

    阿多火砕流 あたかさいりゅう Ata pyroclastic flow 鹿児島湾南部と考えられている阿多カルデラからの大規模な噴火活動による火砕流で,南九州全域に分布.

    愛宕層群 あたごそうぐん Atago Group 福岡市西部に分布する新生界上部始新統~下部漸新統.早良層群を区分して再定義した上部層.本地区の主要夾炭層.

    愛宕山層群 あたごやまそうぐん Atagoyama Group 千葉県東端の銚子半島愛宕山付近に分布する中生界先白亜系.砂岩・粘板岩・チャート・礫岩などからなる.

    阿多テフラ あたてふら Ata tephra 鹿児島湾南部に推定される阿多カルデラを供給源とした,西日本一帯に分布する広域火山灰.噴火年代は11~8万年前.

  • 熱海石 あたみいし Atami ishi 福島県郡山市熱海町産の砕石用石材.第四系安山岩.

    アダメロ岩 あだめろがん adamellite 花崗岩類の一種でカリ長石と斜長石がほぼ等量(量比2:1~1:2)含まれる岩石.

    当り取り あたりとり contour trimming トンネルなどの掘削面に突出した部分を削って,所要の断面を確保する作業.

    亜炭 あたん subcoal, lignite 石炭化度が最も低い石炭を褐炭といい,我国では更に鉱業法で褐炭中の低石炭化度のものを亜炭と呼んでいる.

    圧気ケーソン工法

    あっきけーそんこうほう

    pneumatic caisson ケーソンを沈下させる際に先端に圧気室を造り,地下水の流入や底盤の膨れ上がりを防ぎながら掘削する工法.ニューマチックケーソン・潜函工法ともいう.

    圧気工法 あっきこうほう pneumatic method 掘削部分の湧水を抑えるために圧縮空気を送る工法.シールド工事やケーソン工事で多用される.

    圧気シールド あっきしーるど pneumatic shield 圧気工法を併用したシールド工法.圧気により湧水と切羽の崩壊を抑える.

    圧緊水 あつきんすい compaction water 上下の不透水層に挟まれた厚い泥岩から絞り出された異常に高い間隙水圧を持つ水.

    圧緊水圧 あつきんすいあつ compaction pressure 圧緊水のもつ圧力.

    圧砕角礫岩 あっさいかくれきがん

    crush-breccia 断層による岩石の圧砕作用によって生じた角礫岩状の岩石.断層岩の一種,再結晶の有無によって各種分類がある.

    圧砕岩 あっさいがん mylonite 高い封圧下での圧砕作用で,岩石の構成鉱物がすりつぶされてできる細粒岩と考えられていた時代のマイロナイトの訳語.

    圧砕強度 あっさいきょうど crushing strength 圧縮強度と同義,または乾燥した土塊の圧砕に要する単位面積あたりの力.

    圧砕構造 あっさいこうぞう mylonitic structure 圧砕岩における鉱物の形態定向配列による面構造.面構造には縞状組織や線構造が認められることが多い.

    圧砕砕屑岩 あっさいさいせつがん

    autoclastic rock 固結した岩石が圧砕作用のもとに破砕されて微粒集合体に変わったもの.断層角礫など.

    圧砕作用 あっさいさよう mylonitization 地下深部で断層による塑性変形を受けて構成鉱物が動的再結晶を生じ,細粒化および多結晶化する作用.マイロナイト化作用ともいう.マイロナイト化作用が破砕作用により行われると考えられていた時代の訳語.

    圧砕帯 あっさいたい shear zone 断層活動により岩石が破砕され,細かい岩片や鉱物が集合した帯状の領域.固結したものや未固結のものなど形態は問わない.shear zoneの訳語としてはせん断帯のほうが一般的である.

  • 圧搾作用 あっさくさよう crushing ボーリング掘削過程において,強い圧力を被ることにより孔壁が破損すること.

    圧縮応力 あっしゅくおうりょく

    compressive stress 外力に応じて物体の内部に生じる応力の垂直成分のうち圧縮方向のもの.

    圧縮尾根 あっしゅくおね pressure ridge 断層変位による凸地形を表す用語の一つで,断層線に沿って両側から地塊が圧縮されて生じた細長い尾根状の凸地形のこと.

    圧縮強度 あっしゅくきょうど compressive strength 力や応力を物質の長さや体積を減少させる方向に作用させるとき,まさに破壊しようとするときの応力.圧縮試験によって求まる強度.耐圧強度ともいう.

    圧縮亀裂 あっしゅくきれつ compression crack 地すべり地などにおいて,土塊内部の圧縮力に起因して発生した亀裂.

    圧縮空気貯蔵 あっしゅくくうきちょぞう

    compressed air energystorage

    CAESと同義.

    圧縮空気貯蔵ガスタービン発電

    あっしゅくくうきちょぞうがすたーびんはつでん

    compressed air energystorage gas turbinepower generation

    余剰電力で圧縮空気を地下の空洞に貯蔵し,電力ピーク時にこの圧縮空気を用いてガスタービン発電を行う方式.

    圧縮クリープ あっしゅくくりーぷ compressive creep, creepunder compressive force

    一定の圧縮応力下で,ひずみが時間とともに徐々に増加していく現象.

    圧縮係数 あっしゅくけいすう coefficient ofcompressibility

    体積弾性係数の逆数.単位圧力の変化による単位体積あたりの体積変化.

    圧縮材 あっしゅくざい compression member 軸方向に圧縮力を受ける部材.

    圧縮試験 あっしゅくしけん compression test 供試体に圧縮力を加えて圧縮強度や変形特性を知るための試験.

    圧縮指数 あっしゅくしすう compression index 土の圧密において,間隙比と荷重の常用対数の関係をとったときの勾配.

    圧縮性 あっしゅくせい compressibility 物質への単位圧力の増加に対する単位体積あるいは厚さの減少の度合い.

    圧縮性流体 あっしゅくせいりゅうたい

    compressible fluid 圧力による密度変化の比較的大きな流体であって,普通気体がこれに当たる.

    圧縮節理 あっしゅくせつり compression joint 圧縮応力が原因で生じるせん断(剪断)節理であり,主圧縮応力軸と鋭角に交わる共役セットをなすこともある.

    圧縮弾性限界ひずみ

    あっしゅくだんせいげんかいひずみ

    elastic limitcompressive strain

    一軸または三軸圧縮試験で得られた,軸ひずみ-軸応力曲線における弾性領域の限界に対応するひずみ.

  • 圧縮弾性率 あっしゅくだんせいりつ

    modulus of compression 体積Vの物体に加わる圧力を⊿P変化させたときの体積変化を⊿Vとすると圧縮弾性率KはK=-V・(⊿P/⊿V)で定義される.体積弾性率,非圧縮率と呼ぶことの方が多く最近では利用されていない.

    圧縮波 あっしゅくは pressure wave P波の別称.粗密波・縦波・圧力波ともいう.

    圧縮ひずみ あっしゅくひずみ compressive strain 圧縮応力によって生じるひずみ.圧縮圧力を受け,長さsがds分変化した場合のds/s.

    圧縮変形係数 あっしゅくへんけいけいすう

    compressive modulus ofdeformation

    材料に圧縮応力を加えたときの圧縮ひずみに対する圧縮応力の関係を表す係数.

    圧縮率 あっしゅくりつ compressibility 物体の表面にかかる圧力が増加することによる体積の減少率.

    圧縮リッジ あっしゅくりっじ transverse ridge 地すべり滑動によって生じた,地すべりの移動方向に直交する凸型の細長い高まりのこと.

    厚保層群 あつそうぐん Atsu Group 山口県南西部美弥市南部に分布する中生界三じょう系(三畳系).石灰岩・砂岩・礫岩・泥岩などからなり,貝化石を産する.

    アッターベルグ限界

    あったーべるぐげんかい

    Atterberg limit 含水比の変化にともなう土の流動特性を液状・可塑状・半固体状・固体状に分けたときの限界含水比の総称.コンシステンシー限界と同義.

    熱田層 あつたそう Atsuta formation 名古屋市熱田台地(中位段丘面)を構成し,濃尾平野一帯に分布する上部更新統.主に粘土と砂より構成され,砂礫および軽石層を挟む.

    厚田油田 あつたゆでん Atsuta oil field 北海道の石狩湾側厚田村に位置する油田.新第三系望来層・盤ノ沢層を貯留層とする.地質構造は西側海中にNNW-SSE方向の軸を有する背斜構造.1930年に発見され,1971年に閉山された.

    圧定板 あつていばん pressure plate フィルム正面の平面性を保持するために何らかの外力を用いてフィルム正面を押え圧定する装置.

    圧電型受振器 あつでんがたじゅしんき

    piezoelectric transducerhydrophone

    圧力型受振器の一種で,強誘電体の電わい(電歪)効果を利用した受振器.海域調査や物理検層用受振器として使用.

    圧電式圧力計 あつでんしきあつりょくけい

    piezoelectric pressuremeter, piezoelectricpressure transducer

    水晶などの結晶体にひずみを与えると誘電分極を起こして電荷が発生する性質を利用した圧力測定装置.

    圧電性 あつでんせい piezoelectricity ある種の結晶体のある方向に応力を加えると,ある定まった方向に誘電分極を生じ帯電する性質.

    圧電性ポリマー あつでんせいぽりまー

    piezoelectric polymer 電場を与えると変形・移動し,また逆の現象も発生する性質を持つ高分子.非金属の先端技術としてオーディオ材などに用いられている.

    圧電素子 あつでんそし piezoelectric element ひずみを加えると電荷が,電圧を加えるとひずみが発生する素子.水晶やセラミックなど多種の材料がある.

  • 厚内層群 あつないそうぐん Atsunai Group 北海道十勝地域の浦幌町,音別町などに分布する新生界後期漸新統~更新統の海成層.珪藻質シルト岩・珪質頁岩・砂岩・礫岩などからなる.

    厚肉アーチダム あつにくあーちだむ thick arch dam アーチ中心の曲率半径に対しアーチ厚さが相対的に厚いアーチダム.

    圧入工法 あつにゅうこうほう jacking method 杭打ち工事などで静的な圧力をかけながら杭や矢板を地盤に挿入する工法.油圧ジャッキやワイヤを用いる.

    圧入式杭打ち工法

    あつにゅうしきくいうちこうほう

    pile jacking method 既製杭を油圧ジャッキなどで静的に圧入する工法.低騒音・低振動の工法として優れている.

    圧入指数 あつにゅうしすう injectivity index 油田・ガス田・地熱発電などの井戸において,地下水を還元する際の注入圧に関する指数.圧入指数=圧入量/(圧入孔底圧-静止孔底圧).

    圧入井 あつにゅうせい injection well, inputwell

    石油鉱床から原油を産出させる時,水やガスを油層に注入する坑井.水溶性ガスや地下水かん養(涵養)でも用いる.

    アッパーシレジア鉱床

    あっぱーしれじあこうしょう

    upper Silesia coal field ポーランド南部,上部シレジア地域に分布する石炭鉱床.上部石炭系の炭層を稼行する.

    アッパーマントル

    あっぱーまんとる upper mantle 地殻の下面(モホ面)から深さ650~700km(西村他,基礎地球科学)のマントル上部をさし,従来の岩石圏下部で超塩基性岩からなる.上部マントルと同義.Glossary of Geologyでは地殻下面から深さ1,000kmとしている.

    アップスウィープ

    あっぷすうぃーぷ upsweep 周波数連続変化型の非爆薬震源バイブロサイスにおいて,周波数を低周波から高周波に連続変化させる方式.

    アップディップフローディング

    あっぷでぃっぷふろーでぃんぐ

    up dip flooding 地熱井の掘削において,還元井のブレークスルーを防ぐために生産井の下方から行う対策方法.

    アップホール法 あっぷほーるほう uphole method ボーリング孔内に震源を設け,地表または近傍のボーリング孔内に受振器を設置して地震波速度を測定する方法.

    アッベ屈折計 あっべくっせつけい Abbe refractometer 測定溶液を試料台にのせ,その上にのせたガラス球の入射光が全反射する方向を測定する方法で,屈折率を測定する.

    アッベ式測長器 あっべしきそくちょうき

    Abbe type lengthmeasuring equipment

    物体の長さをアッべの原理にしたがって正確に測定する機器.測定する2点の延長上にある標準尺の目盛りの動きを読み取る.

    アッベ数 あっべすう Abbe's number ガラスなどで異なった波長の光が異なった方向へ屈折する度合を表した数.アッベ数が大きい程,レンズの色収差が小さく分解能が高い.

    厚真油田 あづまゆでん Azuma oil field 北海道苫小牧市東方の勇払郡厚真町に位置する軽舞(かるまい)油田と振老(ふれおい)油田の総称.雁行するNW方向の2つの背斜構造の軸部で振老層の砂岩中に貯留.

    渥美層群 あつみそうぐん Atsumi Group 愛知県の渥美半島から豊橋市一帯に分布する新生界中部更新統.海成で砂を主体に礫・粘土を挟む.貝・甲殻類・植物などの化石を多産.

  • 温海層群 あつみそうぐん Atsumi Group 新潟県最北端の山北町海岸付近に分布する新生界前期中新統.火山岩類と夾炭層からなる.下部は温海岳火山岩層,上部は五十川夾炭層.

    圧密 あつみつ consolidation,compaction

    未固結堆積物が主に上載荷重により弾性ひずみ,粒子の再配列,間隙水の脱水をきたして体積が減少する現象.

    圧密圧力 あつみつあつりょく consolidation pressure 土を圧密する圧力(荷重)をいう.荷重増分あるいは圧密後の全荷重をさす.

    圧密打切り時間 あつみつうちきりじかん

    consolidation time 三軸圧縮試験や,一面せん断試験において,圧密速度が十分遅くなったところで圧密を打切り,せん断を開始する時間.

    圧密応力 あつみつおうりょく consolidation stress 吉国の圧密理論で用いられた圧密の基本量で,圧密ポテンシャルとも呼ばれた.

    圧密改良工法 あつみつかいりょうこうほう

    soil improvement byconsolidation

    地盤中の地下水を強制排出することにより地下水面を低下させ,人為的に圧密を促進させて地盤を改良する工法の総称.

    圧密荷重 あつみつかじゅう consolidation load 圧密圧力と同義.

    圧密過程 あつみつかてい consolidation process 土や岩石のせん断試験において,せん断を開始するまでに試料に圧力を加え圧密させる過程.

    圧密緩速試験 あつみつかんそくしけん

    consolidated slow test 圧密排水三軸圧縮試験と同義.

    圧密急速試験 あつみつきゅうそくしけん

    consolidated quick test 圧密非排水三軸圧縮試験と同義.

    圧密曲線 あつみつきょくせん time-settlement curve 粘土の圧密試験における各荷重段階毎の沈下経過を表す曲線.

    圧密計 あつみつけい consolidometer 圧密試験機.

    圧密係数 あつみつけいすう coefficient ofconsolidation

    圧密速度を支配する土質定数で,透水係数を体積圧縮係数と水の単位体積重量の積で割った値として定義される.

    圧密係数比 あつみつけいすうひ consolidationcoefficient ratio

    二次元圧密方程式の解法にて水平・垂直方向の圧密係

    数Cv・Chとした時(Cv/Ch)1/2にて定義される.

    圧密降伏応力 あつみつこうふくおうりょく

    consolidation yieldstress

    粘土が弾性的な圧密挙動を示す過圧密域から塑性的な圧密挙動を示す正規圧密域に移行する境界応力.

    圧密試験 あつみつしけん consolidation test 土の圧密特性を求める試験.一般的には粘性土の一次元圧密特性を求めるために行われる標準圧密試験を指す.

  • 圧密促進工法 あつみつそくしんこうほう

    acceleratedconsolidation method

    軟弱粘性土に対する地盤改良工法の一つで,地盤中にドレーン材を施工するなど圧密を促進させる工法.

    圧密沈下 あつみつちんか consolidation settlement 飽和粘土地盤が荷重を受け,間隙中の水が排出されて,体積が徐々に減少していくとともに生ずる沈下.

    圧密定圧せん断試験

    あつみつていあつせんだんしけん

    consolidated constantpressure shear test

    供試体を圧密後,せん断中の有効応力が一定となるように制御した一面せん断試験.

    圧密定体積せん断試験

    あつみつていたいせきせんだんしけん

    consolidated constantvolume shear test

    供試体を圧密後,垂直圧力を増減させることによって供試体の体積を一定とした状態で行う,一面せん断試験.

    圧密度 あつみつど degree of consolidation ある時点での圧密量と最終圧密量の比,あるいはその百分率.

    圧密排水三軸圧縮試験

    あつみつはいすいさんじくあっ