Oracle Customer Snapshot Oracle Business Process Management SuiteOracle SOA SuiteなどのOracle Fusion Middleware製品群で構築した営業取引・会計システムに より、今後のグループ連結経営を見据えた柔軟性と拡張性に優れた仕組みが実現しました。 SOA基盤を導入したことで標準化と共通化が進み、開発 効率の向上とコスト削減も期待できます」―三菱商事株式会社 ビジネスサービス部門 IT企画部長 樋口毅氏 グローバルな総合商社である三菱商事は、 国内約30に加えて海外約90カ国に190以上の 拠点を構え、子会社・関連会社などの連結対 象会社は600を超える。おもな事業領域は地 球環境・インフラ事業、新産業金融事業、エネ ルギー事業、金属、機械、化学品、生活産業の7 つに分かれ、貿易だけでなく商品開発や生産、 製造などにも積極的に進出するなど、世界各 地で幅広いビジネスを展開している。 2010 2012年度の中期経営計画では、ビ ジネスを取り巻く内外の環境の変化を踏ま え、 「継続的企業価値」の創出を掲げて収益基 盤の強化と充実、そして新たな収益の柱とな る事業の育成を推進。その実現を支えるべ く、全社IT戦略の下、個別システムの企画、開 発、運用までを一手に担うビジネスサービス 部門は、連結経営のための新たな基幹システ ムの導入を推進。 20144月、第一段階として 構築した、グループ連結経営に必要なシステ ム基盤の中核をなす営業取引・会計システ ム「MINTS-TA」(MC Integrated Information System-Trading and Accounting)の、三菱商事 単体での全面稼動を開始した。 課題  リーマンショック後の経済危機、会社法の改 正などに伴う内部統制やコンプライアンス 強化の必要性、国際会計基準(IFRS)対応への 要求といった外部環境の変化と、三菱商事グ ループ内のビジネス体制の変化に対応でき る柔軟性や、長期にわたる拡張性を備えた、 グループ連結経営の基盤となる新たな基幹 システムを構築する 新たな連結経営基盤のコアシステムと位置 づける営業取引・会計システムの構築にあ たっては、要件があまり変化しない会計領域 は既存のSAPベースのシステムを継続利用 し、頻繁に要件追加が発生する営業取引領域 については、より円滑な設計・開発がおこな える仕組みを導入して、相互を連携させる 事業領域が広範にわたり、グループ会社の業 態も多種多様な商社ビジネスにおいて、個別 のビジネス要件に対応するために開発・運 用している固有システムも含め、システム開 発の手順や使用する部品をできる限り標準 化・共通化することで、開発および運用の負 担を軽減し、コストも抑える 内部統制の強化については、承認プロセスを システムで管理するための機能を新たに導 入することで対応する 基幹システムを利用するユーザーの利便性 を向上させるべく、ユーザー・インタフェー スの自由度を高め、操作しやすい環境を用意 する 導入効果 • Oracle Fusion Middleware製品で構築した SOAService Oriented Architecture)基盤 により、システム開発の手順や部品の標準 化と共通化が実現し、手間とコストを抑え た開発・運用が可能になった • Oracle SOA Suiteのコンポーネントである Oracle Service Busでシステム間を疎結合 することにより、基幹システムと社内の他 のシステムとのリアルタイム連携が実現 し、共通インタフェースを通じた柔軟かつ セキュアな情報交換が可能になった ドキュメント・ワークフロー機能を備え Oracle Business Process Management Suiteを導入したことで、権限者による承認 プロセスをシステムでコントロールできる ようになり、内部統制が強化されると同時 に、内部統制の運用テストの負荷も軽減さ れた アプリケーションの実装を簡略化、迅速化 する Oracle Application Development Frameworkを導入し、そのコンポーネント を活用したことで、画面設計のコーディン グが省力化され、ユーザー・インタフェー スの自由度や操作性の高い画面が実現した • Oracle WebLogic Serverの豊富なフレーム アプリを利用し、画面設計とロジック部の 三菱商事株式会社 新たなグループ連結経営に必要なシステム基盤の核となる 営業取引・会計システムを構築、ビジネス環境の変化に柔軟 かつタイムリーに対応可能な基幹システムへの進化を目指す ■ MINTS-TA = MC Integrated Information System Trading and Accounting 体系図

Oracle 三菱商事株式会社 Customer Snasot Customer Snasot 「Oracle Business Process Management SuiteやOracle SOA SuiteなどのOracle Fusion Middleware製品群で構築した営業取引・会計システムに

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OracleCustomer Snapshot

「Oracle Business Process Management SuiteやOracle SOA SuiteなどのOracle Fusion Middleware製品群で構築した営業取引・会計システムにより、今後のグループ連結経営を見据えた柔軟性と拡張性に優れた仕組みが実現しました。SOA基盤を導入したことで標準化と共通化が進み、開発効率の向上とコスト削減も期待できます」―三菱商事株式会社 ビジネスサービス部門 IT企画部長 樋口毅氏

 グローバルな総合商社である三菱商事は、

国内約30に加えて海外約90カ国に190以上の

拠点を構え、子会社・関連会社などの連結対

象会社は600を超える。おもな事業領域は地

球環境・インフラ事業、新産業金融事業、エネ

ルギー事業、金属、機械、化学品、生活産業の7つに分かれ、貿易だけでなく商品開発や生産、

製造などにも積極的に進出するなど、世界各

地で幅広いビジネスを展開している。

 2010 ~ 2012年度の中期経営計画では、ビ

ジネスを取り巻く内外の環境の変化を踏ま

え、「継続的企業価値」の創出を掲げて収益基

盤の強化と充実、そして新たな収益の柱とな

る事業の育成を推進。その実現を支えるべ

く、全社IT戦略の下、個別システムの企画、開

発、運用までを一手に担うビジネスサービス

部門は、連結経営のための新たな基幹システ

ムの導入を推進。2014年4月、第一段階として

構築した、グループ連結経営に必要なシステ

ム基盤の中核をなす営業取引・会計システ

ム「MINTS-TA」(MC Integrated Information System-Trading and Accounting)の、三菱商事

単体での全面稼動を開始した。

課題 • リーマンショック後の経済危機、会社法の改

正などに伴う内部統制やコンプライアンス

強化の必要性、国際会計基準(IFRS)対応への

要求といった外部環境の変化と、三菱商事グ

ループ内のビジネス体制の変化に対応でき

る柔軟性や、長期にわたる拡張性を備えた、

グループ連結経営の基盤となる新たな基幹

システムを構築する

• 新たな連結経営基盤のコアシステムと位置

づける営業取引・会計システムの構築にあ

たっては、要件があまり変化しない会計領域

は既存のSAPベースのシステムを継続利用

し、頻繁に要件追加が発生する営業取引領域

については、より円滑な設計・開発がおこな

える仕組みを導入して、相互を連携させる

• 事業領域が広範にわたり、グループ会社の業

態も多種多様な商社ビジネスにおいて、個別

のビジネス要件に対応するために開発・運

用している固有システムも含め、システム開

発の手順や使用する部品をできる限り標準

化・共通化することで、開発および運用の負

担を軽減し、コストも抑える

• 内部統制の強化については、承認プロセスを

システムで管理するための機能を新たに導

入することで対応する

• 基幹システムを利用するユーザーの利便性

を向上させるべく、ユーザー・インタフェー

スの自由度を高め、操作しやすい環境を用意

する

導入効果• Oracle Fusion Middleware製品で構築した

SOA(Service Oriented Architecture)基盤

により、システム開発の手順や部品の標準

化と共通化が実現し、手間とコストを抑え

た開発・運用が可能になった

• Oracle SOA Suiteのコンポーネントである

Oracle Service Busでシステム間を疎結合

することにより、基幹システムと社内の他

のシステムとのリアルタイム連携が実現

し、共通インタフェースを通じた柔軟かつ

セキュアな情報交換が可能になった

• ドキュメント・ワークフロー機能を備え

るOracle Business Process Management Suiteを導入したことで、権限者による承認

プロセスをシステムでコントロールできる

ようになり、内部統制が強化されると同時

に、内部統制の運用テストの負荷も軽減さ

れた

• アプリケーションの実装を簡略化、迅速化

する Oracle Application Development Frameworkを導入し、そのコンポーネント

を活用したことで、画面設計のコーディン

グが省力化され、ユーザー・インタフェー

スの自由度や操作性の高い画面が実現した

• Oracle WebLogic Serverの豊富なフレーム

アプリを利用し、画面設計とロジック部の

三菱商事株式会社新たなグループ連結経営に必要なシステム基盤の核となる営業取引・会計システムを構築、ビジネス環境の変化に柔軟かつタイムリーに対応可能な基幹システムへの進化を目指す

■ MINTS-TA = MC Integrated Information System Trading and Accounting 体系図

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Copyright © 2015, Oracle. All rights reserved. *Oracle と Java は、Oracle Corporation およびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。

文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。                           Published November 2015

作成を分けておこなえるようになったこと

で、柔軟な開発環境が整った

• Oracle WebCenter Portalで作成したポータ

ルページにより、管理者がタスクリストを

一目で確認できるようになり、ユーザーの

利便性や管理精度が向上した

• Oracle Fusion Middlewareと親和性の高い

Oracle Databaseを採用することで、開発効

率が向上し運用リスクも軽減した

オラクル選定理由 5社のソリューションを対象に、机上検証

で候補を2つに絞り込んだうえで実機検証を

実施。その結果、オラクルのOracle Fusion Middlewareであれば、1社の製品のみで新シ

ステムに求められる要件をすべて満たすこ

とに加え、各製品の優れた性能、ApplicationからDatabaseまで統合的に運用可能な管理

ツールの充実度、開発効率の高さなどが評価

され、導入が決定した。

「選定にあたっては、グループ連結経営基盤

をともに構築するパートナーとしての信頼

感も、大きな決め手の1つになりました」 ―三

菱商事株式会社 ビジネスサービス部門 IT企画部長 樋口毅氏

導入プロセス 2009年8月~ 2010年3月の構想策定、2010年8月~ 2011年5月の要件定義を経て、2011年7月~ 2012年3月に基本設計を作成。2012年2月~ 2013年5月に詳細設計と開発をおこ

ない、各種テスト、データ移行とトレーニン

グを実施したうえで、2014年4月に新システ

ムの全面稼動を開始した。

「開発の現場に常駐するオラクルのコンサル

タントが、さまざまなリクエストに即座に対

応してくれたおかげで、スケジュール通り

サービスインできました」 ―三菱商事株式会

社 ビジネスサービス部門 IT企画部 システム

企画管理室長 野中礼雄氏

「Oracle Advanced Customer Supportの運用

支援により、パッチセットのバージョンアッ

プなども円滑におこなえ、オラクルのサポー

ト体制に満足しています」 ―三菱商事株式会

社 ビジネスサービス部門 IT企画部 システム

企画管理室 部長代理 業務システムユニット 

藤田智行氏

パートナー 三菱商事のグループ連結経営基盤構築プ

ロジェクトに初期段階から参画した日本タ

タ・コンサルタンシー・サービシズは、要件

定義において積極的なアドバイスを提示。

 システム構築の省力化やユーザビリティ

の向上などの面で大きなメリットを発揮す

るOracle Fusion Middleware製品群を提案

し、採用された。2014年4月の全面稼動開始

に向け、最大で約600の人員を投入してプロ

ジェクトを支えた。

「複数のベンダーが関わるSOA環境の構築に

おいて、システムの中核を担う製品群を提供

するオラクルが果たした役割は大きなもの

でした。今後も、ともにより高い満足を目指

すための新たな提案に期待しています」―日

本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株

式会社 ADMサービスユニット MC MINTSサービス サブユニット ヘッド 倉永隆生氏

オラクル製品とサービス• Oracle Business Process Management Suite• Oracle SOA Suite• Oracle WebCenter Portal

• Oracle Application Development Framework • Oracle WebLogic Server• Oracle Database• Oracle Product Hub• Oracle Consulting Services • Oracle Advanced Customer Support

(本事例は2015年6月のものです。)

三菱商事株式会社・URL:www.mitsubishicorp.com/・業種:Wholesale Distribution・年間売上:7,669,489百万円(2015年3月期)・従業員数:68,383名 (連結、2014年3月末現在)

日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社・URL: www.tcs.com/jp

三菱商事株式会社ビジネスサービス部門 IT企画部長

樋口 毅氏

三菱商事株式会社ビジネスサービス部門 IT企画部システム企画管理室長

野中 礼雄氏

三菱商事株式会社ビジネスサービス部門 IT企画部システム企画管理室 部長代理業務システムユニット

藤田 智行氏

日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社ADMサービスユニットMC MINTS サービス サブユニット ヘッド

倉永 隆生氏

■ MINTS-TA システム全体イメージ

Oracle Customer

Oracle Partner