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経験ゼロの新卒採用者をORACLE MASTER Platinum取得まで

導いたエンジニア育成活動のご紹介~初採用から13年間の失敗と改善~

2019年9月25日株式会社コーソル技術統括渡部亮太

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このセッションについて

• 弊社コーソルはオラクル製品のサポートおよび導入／運用を中心にビジネスを行っている会社です。

• 会社設立3年目から新卒採用を開始し、以後13年にわたりOracle経験ゼロの新卒社員および第二新卒社員をOracleエンジニアとして育成してきました。

• この経験から得た学びについて一部をご紹介します。

• 人材不足の環境の中で、データベースエンジニアの育成に悩まれている方も多いかと思います。このセミナーの内容が皆様のお役に立てば幸いです。


おことわり

• Oracle Databaseに関する育成の取り組みだけを記載しています– 弊社は仮想化関連のエンジニア育成も行っていますが、これについては

記載していません。

• 本セミナーでお伝えする内容は、大枠は事実に即していますが、プライバシーおよびセキュリティ上の理由で、趣旨を変えない範囲で、意図的に事実とは違う内容にしている箇所があります。

• セッション発表は渡部が担当していますが、取り組みは会社全体でなされたもので、渡部の担当外の取り組みを多く含みます。

• OracleとJavaは、Oracle Corporation 及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。

• 文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。• 本資料の無断転載・複製を禁じます。


自己紹介+所属会社紹介

• 渡部亮太（わたべりょうた）

– Oracle ACE (Oracle Database分野、日本に4名)

– 著書「オラクルマスター教科書 Gold Oracle Database 12c」、「Oracleの基本」、「プロとしてのOracleアーキテクチャ入門」

– JPOUG 共同創設者、ボードメンバー

– ORACLE MASTER Platinum 12c/11g/10gMySQL OCP 5.6、OSS-DB Gold(INACTIVE)

• 株式会社コーソル

– 「CO-Solutions＝共に解決する」の理念のもと、Oracle技術および仮想化技術に特化した事業を展開中。心あるサービスの提供とエンジニアの育成に注力している

– 社員数: 133名 (2019年9月時点)

– ORACLE MASTER Platinum保持者数4年連続日本一11g 保持者数 47名 / 12c 保持者数 42名


ORACLE MASTER Platinum保持者数 4年連続 No.1コーソル紹介

https://www.oracle.com/jp/education/promotion/showcase-oujfy20-ja.html

単年取得者数6年連続No.1

累計保持者数4年連続No.1


3拠点体制 - 24x365/DR/グローバル化のニーズに対応

コーソル紹介

カナダトロント

東京福岡

0時

12時

6時18時24x365

基幹系DBの 24x365 運用支援

オラクル製品 24x365 サポート


Agenda

1. IT業界トレンドと人材不足

2. IT人材の活用・確保に向けた経産省提言

3. 育成におけるコーソルの取り組みと実績

4. 13年間の育成取り組みにおける失敗と改善のご紹介


IT業界トレンドと人材不足


IT業界（情報サービス業）の人材不足傾向

出典: IPA IT人材白書 https://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

情報サービス業は、2012年以降人材不足傾向であり、その傾向は年々強まっている全産業よりもIT業界は人材不足傾向が強い

情報サービス業


高齢化 / 2030年の人口ピラミッド

出典 http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/PopPyramid2017_J.html

将来的な人口動態を踏まえると、人材不足感が今後解消される可能性は極めて低い


IT人材の活用・確保に向けた経産省提言


経産省 IT人材提言とコーソル施策

経産省 IT人材提言コーソル施策

より多様な人材の活用促進

• 育休／時短制度（くるみんマーク）• 在宅勤務

個人のスキルアップ支援の強化

• 教育• 資格取得促進• スキルアップを助ける環境の整備

処遇・キャリアの改革

• カナダ子会社設立による夜間シフト廃止(24x365対応)• 在宅勤務• エキスパート職の新設• 人事等級の給与レンジ額UP（直近数年で2回実施）

本日のセッションでは、個人のスキルアップ支援の強化にフォーカスして話します。

経産省今後のIT人材の活用・確保に向けた提言とコーソル施策の対応

IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果よりhttps://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/27FY_report.html


育成におけるコーソルの取り組みと実績


新人エンジニア教育の流れ

• 4か月間の導入時教育（技術＋非技術）

• ORACLE MASTER Bronze(入門レベル)取得

入社～配属

• OJT : 原則的に最初は製品サポート業務に配属• 問合せ対応を通じて上司指導のもとスキルアップ• ORACLE MASTER Silver/Gold(中級/上級レベル)取得

配属～初級レベル

• 業務や社内セミナーなどを通じてスキルアップ• ORACLE MASTER Platinum(最上級レベル／実技)に

チャレンジ• 適性／希望を踏まえてDBA部門などにジョブチェンジ

初級レベル卒業～中堅

配属前教育

OJT

スキル向上

配属


4月入社者向け導入教育スケジュール

4月 5月 6月 7月 8月以降

技術

非技術

IT基礎 DB基礎

▼Bronze DBA

▼Bronze SQL

ビジネスマナー

OJT

コミュニケーションやタスク管理などのフレームワークの紹介・ワークショップ

ビジネスシーンでのメールや電話対応のワークショップ

▼Silver DBA


導入教育スケジュールの年間イメージ

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

新卒

二卒

10月入社者

1月入社者

IT基礎 DB基礎

新卒(4月入社)に加えて、おおむね四半期ごとに第二新卒者を受け入れて、導入教育を実施

OJT

OJT

OJT

IT基礎 DB基礎7月入社者


教育担当(専任)

新人教育の体制

入社～配属



マネージャ

教育担当(専任)配属前教育

OJT

スキル向上

直属上司・同僚

全面指導

業務指導

OJT支援

技術統括スキル向上支援

インフラ提供

管理・指導

教育チーム

製品サポート業務チーム

技術教育非技術教育個別フォローなど

配属


各種制度／インフラなど

制度を整える

• 資格取得支援制度（試験受験原則無料、報奨金あり）• ORACLE MASTER Platinumに特化した制度の調整

色々働きかける

• 資格取得モデルパスを定義• 目標設定時期(4月,10月)を狙った社内キャンペーン

他者から知識を学ぶ

• シニアエンジニアによる社内セミナーを毎月開催• One to One スキルトランスファー講座

自ら知識を獲得

• 誰でも使える社内検証環境を整備• 各種文書がアップロードされた社内CMS

お互い知識を共有

• 誰でも投稿可能な社内ナレッジベース• チャットでQ&A


主なコーソル育成実績

新卒／二卒採用者総数

82名

Platinum単年取得者数No.1

6年連続

会社設立3年後から毎年新卒を採用2015年から第二新卒(二卒)も採用開始

ORACLE MASTER Platinum 単年取得者数 6年連続No.1 (2014-2019)累計取得者数 4年連続No.1 (2016-2019)

新卒／二卒入社者のPlatinum保持率(2007～2015入社)

87%

2007～2015年入社新卒／二卒の87%がORACLE MASTER Platinumを保持（仮想化担当、非エンジニア、退職者、カナダ勤務者を除外）


13年間の育成取り組みにおける失敗と改善のご紹介


新人エンジニア教育の流れ

• 4か月間の導入時教育（技術＋非技術）

• ORACLE MASTER Bronze(入門レベル)取得

入社～配属

• OJT : 原則的に最初は製品サポート業務に配属• 問合せ対応を通じて上司指導のもとスキルアップ• ORACLE MASTER Silver/Gold(中級/上級レベル)取得


• 業務や社内セミナーなどを通じてスキルアップ• ORACLE MASTER Platinum(最上級レベル／実技)に

チャレンジ• 適性／希望を踏まえてDBA部門などにジョブチェンジ


配属前教育

OJT

スキル向上

配属


13年間での重点課題の移り変わり

入社～配属



2007年(初新卒採用)

2019年

中堅エンジニアのスキルアップが喫緊の課題

先輩～後輩のつながりの中で育成することがだんだん難しく

2004年(会社設立)

先輩～後輩のつながりの中で育成

OJTでスキル習得

OJTでのスキル習得効率が徐々に低下

時代によって重点課題が移り変わった

①

③

②

※：若干単純化しています。現場は常に全てのフェーズで様々な問題と格闘しています。

配属前教育

OJT

スキル向上



入社～配属




2019年







①

③

②配属～

初級レベル

配属前教育

OJT

スキル向上


初級・中堅エンジニアのスキルアップ

• 経験あるOracleエンジニアが集まって会社を設立→ 新規参画エンジニアの育成が急務

• 「育成」という、いわば「終わりがない」「きりがない」「すべてやり切ったがない」世界でどこをターゲットにするか悩む

会社立ち上げメンバー以外のエンジニアの育成が急務だったがターゲット設定に悩む

失敗


初級・中堅エンジニアのスキルアップ

スキルアップ活動におけるターゲット設定に悩む

→ わかりやすいターゲットと地道な活動の両面で攻める

わかりやすいターゲット地道な活動

• わかりやすいターゲット

• 社内セミナーの実施• 検証環境の整備と拡充• 情報共有インフラの整備• etc ...

ORACLE MASTER Platinum取得者数 No.1!

No.1!

○×やポジションがはっきりしてわかりやすい

（合格or不合格／1位, 2位, 3位, ...)

やらないよりやったほうが良いのは確かだが、成果が不明確でわかり

にくい


ORACLE MASTER Platinumとは

• ORACLE MASTERの最上位資格

– グローバルではOracle Certified Masterと呼ばれる

• [余談] ORACLE MASTERは日本ローカルの呼び名

• 2日間にわたる実技試験で合否を判定

– 試験会場にはPCが用意されており、これにコマンド等を入力して回答 → 採点

• 合格者数は極めて少ない

– 理由：難度の高さや必要な費用

– 国内ORACLE MASTER保持者25万人の0.1%との公開データ(*1)あり→ 概算 25万人 × 0.1%

= 国内でPlatinum保持者は250人程度?

(*1) ORACLE MASTER認定資格取得のススメB-plus : 電子情報通信学会通信ソサイエティマガジン


ORACLE MASTER Platinumの出題内容

https://education.oracle.com/ja/oracle-database-12c-certified-master-exam/pexam_12cOCM


ORACLE MASTER Platinum推進

• 大前提：試験受験は個人の自由意志に任せている

• ORACLE MASTER Platinum獲得に必要な費用

→ 総額約102万円(*1)

• 加えて、試験の難易度も高い

→ 受験を働きかけても、受験者が一向に増えない…

ORACLE MASTER Platinum取得に必要な経費が高額で、受験希望者がほぼ皆無！！

失敗

(*1) 実技試験＋受講必須研修2つの費用総額2019年9月時点の定価で計算(実際にはパートナー割引が効く)



ORACLE MASTER Platinum取得に必要な経費が高額

→ Platinumを想定して資格取得支援制度を改定

• 費用の大部分をコーソルが負担し、一部を受験者が負担

• 個人負担部分は合格後の報奨金36万円で大幅黒字化可能

• 会社からのフォロー(アメ)と合格への強制力(ムチ)を両立

受験者(社員)

コーソル

受験準備時点合格

黒字

一部受験者負担

報奨金(資格手当)

Platinum費用総額

会社負担



• ORACLE MASTER PlatinumはLinuxでの実技試験

• 学習には個人ユースを超える高いスペックの環境が必要(Oracle Enterprise ManagerやRACが動作可能)

→ 新人エンジニアが不慣れなLinux VM環境の構築に時間を要する、不十分なスペックのマシンでうまく環境が構築できないなどの細かいトラブルが続出

→ 本来やりたいOracle Databaseの学習とは異なる箇所で躓き、モチベーション低下 → トラブルが解決できず…負のスパイラルへ…

Platinum学習準備を個人任せにしたため、思うように学習が進まない

失敗



ORACLE MASTER Platinumへの受験準備が困難

→ 環境構築ツールと受験者向け貸出ノートPCを準備

• Oracle Enterprise ManagerやRACが動作する十分なスペックのノートPCを選定

• （現在はより改良した方法を使用して学習環境を提供）



入社～配属




2019年







①

③

②配属～

初級レベル

配属前教育

OJT

スキル向上


課題「OJTでのスキル育成効率が低下」

• 過去：製品サポート業務のOJTで、難度が低い業務を新人に割り当てるなど配慮して、段階的にスキルを習得

• Oracle Database 10g以降、RAC(Clusterware)やASMなど多くの機能が追加された

• 周辺製品（Enterprise Manager Cloud Control、Golden Gateな

ど）も拡充／進化

→ Oracle Databaseをゼロから学ぶことがかなり困難になってきている

肥大化したOracle Databaseに精通するのは非常に困難

失敗


サポート業務を通じたスキルアップの支援

新人がOracle Databaseをゼロから学ぶのが極めて困難

→ 様々な支援策を用意し、スキル習得をしやすく

• 従来からの取り組み（難度が低い業務の割り当てや丁寧な指導など）も、より一層配慮して実施

• これらの取り組みは中堅エンジニアのスキルアップにも有効

他者から知識を学ぶ

• 中堅・シニアエンジニアによる社内セミナー（ほぼ毎月開催）

• One to One スキルトランスファー講座

自ら知識を獲得

• 誰でも使える社内検証環境・製品構成済みVM (9i～19c) : 約 500VM・インストール練習用VM (Linux/Win) : 約 50VM

お互い知識を共有

• 誰でも投稿可能な社内ナレッジベース• チャットでQ&A


社内セミナーを実施

Oracle DB一般

Oracle Database 18c 新機能の紹介 / Oracle Database 12.2新機能の紹介 / Oracle Text 基礎 / データベース監査製品の紹介

Oracle DBサポート技術

データベース復旧ハンズオン / Exadata パッチ適用実例紹介 / ブロックの物理破損検知のメカニズムと対処 / UNIX系ツールを使用したログ解析 /プロセスのdump出力時のSRハンドリング方針を検討する / オプティマイザによる結果不正 / Systemstate からハング時の特徴を確認する方法(With SSS.SH) /知られざるORA-01555：忍び寄る遅延ブロッククリーンアウトの罠 / Oracle Databaseと文字コード / ストレージとファイルシステム

その他オラクル製品

SQLインジェクションとOracle Database Firewall / GoldenGateの基本的な調査 / Oracle Database Vault 機能紹介と案件導入例 / FM 製品概要と DB でいうアラートとトレースってなんなのさ / GoldenGate最新情報とLogdump活用/TimesTen概要 / WebLogic基礎 / AS基礎

その他チーム業務紹介 / 育休セミナー / Oracle OpenWorld参加レポート / プレゼンセミナー

試験対策1Z0-932 OCI 2018 Architect Associate / 1Z0-337 Oracle Cloud IaaS / 1Z0-160 Oracle DBCS / 1Z0-068 12c RAC+GI / 1Z0-481GoldenGate

全149回の社内セミナーから抜粋してタイトルをご紹介(たくさんやってます！）


検証環境

手を動かして機能を確認できる環境を整備実体は機能検証用のVM群

製品構成済

VM

• 製品があらかじめインストール／構成され、すぐに使い始められる環境

• インストール／構成作業が不要なため、検証実施までのしきいが低い

• Oracle 9iから最新版19cまでをパッチセットレベルで網羅• 主要なバージョンについては、RAC / Data Guardなどの構

成も

VM数

500

インストール練習用

VM

• Oracleインストールの事前準備を実施済みの環境• 事前準備が不要なため、すぐにインストール作業に着手でき、

検証実施までのしきいが低い

VM数

50

長期学習用

VM

• 一定時間、自分専用で自由に使えるVM• グループ教育、チームでの新人育成などで使用

VM数

50



• 限られた研修期間内でできるだけ多くの知識を与えることに躍起に

• しかし、業務に必要なすべての知識を研修期間内に与えることは不可能

• また、エンジニアとしてキャリアを作るためには、自ら知識を習得し、問題を解決する姿勢が不可欠

→「何もしなくても与えられる」研修期間と、「自分でアクションを起こさなければならない」配属後のギャップに困惑するケースが散見（個人差アリ）

配属前教育で知識を与えることに偏重自分の力で知識を獲得する方法を軽視

失敗



自分の力で知識を獲得する方法を軽視

→ 配属前研修で徐々に知識の獲得方法を指導

• マニュアルの調べ方、検索のしかた、質問のしかた

• タイミングを見て、シニアエンジニアであっても全てを知っているわけではないこと、彼らも常に学習を継続していることを説明しておく

→ 社内検証環境を利用した研修の拡充

• 気になったことをすぐに確認・検証できる環境の確保

• 社内検証環境に慣れる



入社～配属




2019年


世代ギャップと先輩～後輩のつながりの中で育成することがだんだん難しく





①

③

②配属～

初級レベル

配属前教育

OJT

スキル向上


いわゆる「ゆとり世代」の育成問題

• このアプローチは、過去はそれなりに機能していた

• 外から言っても無駄なら、自主性に任せる？

怒る／発破をかけて頑張らせるアプローチが機能しない

失敗

はたから見て意欲や想いが感じられずうまく指導に繋げられない

失敗


一般的に言われる「ゆとり世代」の特徴

[参考] いまどきエンジニアの育て方 https://www.amazon.co.jp/dp/4863541929

※：「ゆとり世代」の定義や分類には諸説あるが、一旦ここではここ数年で社会に出た若者一般として整理する

[参考] Wikipediaでのゆとり世代の分類• 1987年度 - 1989年度生まれ (32歳-30歳)• 1990年度 - 1995年度生まれ (29歳-24歳)• 1996年度 - 2003年度生まれ (23歳-16歳)

• 言われたことしかやらない• 自ら動かない• すぐに答えを求める• まともなコミュニケーション

がとれない（特に年長者との間）

• 怒られるとすぐへこむ

• 自分の成長につながることへの関心度は高い（成長につなが

らないことはやらない）

• 失敗を恐れる• 責任のある仕事を任せられる

ことに対して不安を感じる• 楽して成果を上げたい


ゆとり世代をどうやって育成するか？

ゆとり世代

（ゆとり世代を意識しない）

新人/成人教育の基本を重視したアプローチ

ゆとり世代の特徴を強く意識したアプローチ

ゆとり世代の育成には、どちらのアプローチが望ましいか？


われわれの結論 - ゆとり世代の育成アプローチ

ゆとり世代




• 対処的／反応的アプローチではなく、原則的アプローチを重視

• シンプルで基本的なところに立ち戻ったほうが、一見回り道に見えて効果が大きいのでは？

まずは

重視


• 配属前研修の教育担当はエンジニアとしては非常に優秀

– 第一線のサポートを長期間努め、OJT指導実績もあり

– ORACLE MASTER Platinum保持

• しかし、（エンジニアだったので当然ではあるのだが）新人/成人教育を専門に学んだ経験はなかった

教育担当が新人/成人教育を専門に学んだことがなかった

問題


書籍を通じて新人教育／成人教育の基本を学ぶ

参考にした書籍の一部


• そもそも、IT知識ゼロの新人がOracle Databaseを理解することは極めて困難

• これまでは、先輩・後輩の関係性が強かったため、新人は不安を抱きつつも、学習を継続してきた（「継続しない」選択肢は候補にすら上がらなかった）

• 新人の性格が変わってきていること、教育担当の年齢が上がったことから、先輩・後輩の関係性が弱まり、問題が表出→ 自信喪失により学習継続意欲が低下する状況が散見

「成長している！」自信をうまくもたせることができない

失敗


「ビリギャル」先生提唱の成長モデル

④やる気が出る

②仕事を頑張る ③できるようになる

誤った考え

①やってみる ②成長を実感する ③できるようになる

正しい考え

①やる気が出る

[参考] 9タイプ別指導！「ビリギャル」の奇跡を起こす方法があったhttps://president.jp/articles/-/20317?page=2


まずやること、そして成長の実感が重要

「繰り返し」と「褒める」をキーコンセプトに

毎日同じ環境構築をやらせる• 最初はよくわからなったことが、

繰り返す中でわかるように• 成長の結果、時間短縮や発展的課題

も毎日日報を書いて振り返り

• 教育担当は日報を毎日添削して返送• 研修終了時に、初日の日報と最終

日の日報を比較 → 成長の実感！ひたすら褒める、褒める、褒める

• 上手くできたことは当然褒める• さらに、アクションを起こしたこと

を褒める• 基本的に怒らない

• ただし、集合時間などのルール破りについては怒る


われわれの結論 - ゆとり世代の育成アプローチ

ゆとり世代




• まずは「（ゆとり世代を意識しない）新人/成人教育の基本を重視したアプローチ」を重視したが・・・

• 世代の価値観が以前とは変わってきていることは事実→ いわゆる「ゆとり世代」を意識したほうがよい部分も

まずは

重視


ゆとり世代を意識したほうがよい部分も

• できない自分を晒すのをとても嫌がる

– いきなりやらせるのではなく、丁寧に導入する

• 概要を説明 → 一緒にやってみる → 次は同レベルの仲間と協議させた上でやってみる → 自分（新人）でやらせる・・・など

• お客様モードから自分モードへ徐々にいざなう

– 反省が実質「言い訳」であっても一切否定せず、聞く。受け止める

– 「分からなかったら相談してね」ではなく、いつ相談して欲しいか、具体的に指示する

• 密に面談する

– 最初は1週間で面談、徐々に間隔を広くはする

• はた目にわかりやすい熱意はないが、基本的には真面目

– 明示的にOKを出してあげないと、休めない／終われない

コーソル新人教育で得た教訓の一部をご紹介

基本的には、より丁寧で具体的なアプローチが求められていると言える


まとめに代えて


経産省 IT人材提言とコーソル施策

経産省 IT人材提言コーソル施策

より多様な人材の活用促進

• 育休／時短制度（くるみんマーク）• 在宅勤務

個人のスキルアップ支援の強化

• 教育（配属前研修、配属後OJT、スキルアップ機会の提供）

• 資格取得促進（ORACLE MASTER Platinum取得促進、報奨金制度など）

• スキルアップを助ける環境の整備（VM数600超の検証環境、月1回社内セミナー、社内ナレッジベース）

処遇・キャリアの改革

• カナダ子会社設立による夜間シフト廃止(24x365対応)• 在宅勤務• エキスパート職の新設• 人事等級の給与レンジ額UP（X年で2回実施）

人事等級制度は以前から存在

本日のセッションでは、個人のスキルアップ支援の強化にフォーカスして話しました。


13年間のエンジニア育成から得た学び

• 育成/教育は終わりがない取り組み→ 課題を見つけて、重要な課題から1つ1つ潰してゆく→ 時には、わかりやすいターゲット設定も大事

• ORACLE MASTER Platinumなどのターゲットがあると取り組み易くなる

• 新人に寄り添った指導が求められる→ 今回は「ゆとり世代」が相手だったが、今後は新たに

「XXX世代」が登場するはず→ 経験あるエンジニアであっても、育成者としては新人

初心に帰って新人/成人教育を学ぶことも有用


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