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ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス)は日本を代表する世界的な半導体メーカーです。半導体といえば,「産業のコメ」とも言われ現代社会に無くてはならないもののひとつです。あらゆるところに,大量に使われており,身近なところでは家電製品や自動車,スマートフォンなど情報機器に組み込まれています。ルネサスは半導体分野では世界シェアトップクラスのマイコンメーカーであることは勿論ですが,自動車や産業分野において自社製品マイコン・SoCを中心に周辺装置を組み合わせたソリューションの開発にも果敢にチャレンジしています。冬の寒さが一段と厳しくなりつつある2019年1月9
日,私たち学生分科会の3名はJR国分寺駅からバスで5分,ルネサス武蔵事業所を訪問しました。
武蔵事業所本館を見学エントランスで東工大OBの人事部藤原琢さん
(H23修物電シ)に出迎えていただき,さっそく会社概要の説明をうけたあと,同事業所内の見学です。ルネサスは半導体のみならず,より便利で安全で健やかな暮らしを実現する先進的なソリューションの開発にも注力しています。自動運転もそのひとつです。ルネサスでは近い将来,自動運転の実現に向けて自動車のIoT化やAI化が進み,車載向けマイコンだけでなく,複数のセンサーから情報を高速に処理するSoC市場が拡大するとみています。実際にルネサスの自動運転モデルカー「Etoile(エトワール)」
を用いた,障害物検知のデモを見学させていただきました。3D-LIDARや多くのカメラなど各種センサー類によって外界の情報を取り込み,ディープラーニングによって障害物や人を検知することで「安全第一」の自動運転が可能になります。次に実際に先輩方が活躍
されている研究・開発現場を見学させていただきまし
た。本館の2階~6階はほとんど統一されたレイアウトになっており,基本的に大部屋方式で全体を見渡すことができます。ここで試作開発中の半導体を評価試験するところをみせていただきました。設計時にシミュレーションで確認したとおりの性能がでているかどうかを確かめます。設計者が試作品の評価に関わることで詳細な特性評価が可能になり,高い品質を保証することができます。
活躍中のOBとの座談会私たちのために藤原さんに加えて五十嵐満彦さん
(H17電・電19修電物),西川航介さん(H23情工25修集積シ),田中雄一郎さん(H25情工27修通情),檜山直晃さん(H26物28修物性物),保田和樹さん(H28無機30修材ライフ)らOB6名に駆けつけていただきました。
左から藤原さん,保田さん,西川さん,檜山さん,田中さん,五十嵐さん
自動運転電気自動実験車「Etoile(エトワール)」
社会基盤を半導体から支えるルネサス エレクトロニクス株式会社
左から藤原さん,保田さん,西川さん,檜山さん,田中さん,五十嵐さん
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・ 入社された動機は?檜山さん:大学時代は理学部で物性物理を専攻していました。そこでの基礎研究に加えて応用技術に関心がありました。半導体の微細化や自動運転技術など工学にも興味を抱き,ここルネサス入社を決めました。五十嵐さん:大学でも半導体分野の研究をしていました。ルネサスは様々な半導体ソリューションを開発していたので,自身が幅広く成長できると考えたのが入社動機です。藤原さん:大学では半導体の回路設計をしていた関係で,日本でNo1の半導体メーカーであるルネサスを志望しました。また,その時対応してくれたリクルーターの印象が非常によかったことも入社理由のひとつになります。・ 仕事でやりがいを感じるときはいつですか?檜山さん:想定外の事態が起きた時に,それを解決し改善を加えてより良い製品にまとめあげていくプロセスが面白く,楽しく感じます。さらに商品化へ進み,それが市場で評価された時の喜びは大きいものです。西川さん:非常に困難な課題をのりこえ,達成した時に自分自身がスキルアップしていると感じます。田中さん:当然ではありますが,ルネサスでは役職や経験・年齢に関わらず最もいいものが採用されます。苦心して考えたアイディアが採用された時にやりがいを感じます。・ 今後どのようなお仕事をしていきたいとお考えですか?五十嵐さん:半導体は変化の激しい分野なので5年後,10年後に何をやっているか予想がつきませんが,これからもチャレンジを続け自分の幅を広げていきたいと思います。田中さん:顧客要求やメインテナンス性といった様々
な観点からも最適な回路を考案したい。そしてその回路は私だからこそ設計できたと言われるようなレベルの技術者になりたいですね。保田さん:入社し1年たらずですが,様々な人と関わる機会も多く,自分のコミュニケーション能力が試されます。技術面だけではなくこの能力も活用できればと思っています。
現役東工大生へのメッセージ
藤原さん:今目の前にあることを真剣に取り組んでほしいです。その一歩一歩が将来につながっていきます。保田さん:興味を抱いたことに積極的にチャレンジしてください。田中さん:学生時代は人生のうちで最も時間に余裕がある時期です。様々なことに取り組み,より多くのことを学んでください。五十嵐さん:エンジニアにとって豊富な知識は武器だと思うので,ぜひ学生の内から学習する習慣を身につけていただきたいですね。檜山さん:大学生のうちに社会人になっても続けられる趣味を見つけておくと,ワークライフバランスが充実しますよ。
ルネサス訪問を終えて私たちのまわりの生活環境に半導体を内蔵した機器類が溢れています。世界中のエンドポイントがインテリジェントになっていくイメージを表現した「World Switched On」をスローガンに掲げる日本最大の半導体メーカーであるルネサスで活躍している先輩のお話を直接伺って,私たちが知らず知らずのうちに半導体の恩恵にあずかっていること,それがどう作られ,進化していくのか,その一端を垣間見ることができました。そのベースに皆さんの努力と情熱があることも。一時期,質・量ともに世界のトップであった日本の半導体産業。その復活(ルネッサンス)にむけてルネサスで活躍する先輩の皆さんのチャレンジブルな姿勢に感動しました。文 :伊藤将寛(工学院 システム制御系B2)写真:大関祥久(工学院 機械系B2)
※学年は取材当時
後列左から藤原さん,保田さん,西川さん,檜山さん,田中さん,五十嵐さん前列左から伊藤B2,瀧ヶ平B1,大関B2