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FASHION MD&TREND BOOK SPRING & SUMMER NY& EUROPE PRÊT - À - PORTER COLLECTION FASHION MD & TREND BOOK 01 A.W.A.K.E. Isabel Marant Dries Van Noten Stella McCartney 3.1 Phillip Lim

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FASHION MD&TREND BOOKDIRECTOR’S VIEWPOINTディレクターズ・レポート

ジャケットスタイルは今季の旬を最も象徴する。セットアップはこな れ 感 が 重要。夏のスリーブレスジャケット(ジレ)にも注目。

◉主催:株式会社ファッションリソースセンター・ファッション情報課 http: //www.trend-seminar.com

DIRECTOR’S VIEWPOINT ���� SPRING& SUMMERNY&EUROPE PRÊT-À-PORTER COLLECTION

◎記事・写真等の無断転載を禁じます。

◉注目のスタイリング

笠原安代(コンサルティング・ファッションディレクター)

'DOWN-TO-EARTH WOMAN' 温暖化など地球環境破壊の脅威と隣り合わせ、社会のダイバーシティを日々生きぬく女性が今、ファッションに何を期待しているか? 役割をそつなく演じるためのアイテム?暑さ寒さをしのげ、取扱い易く心身の自由さ楽しめる機能的素材?親しみやすく、着合わせしやすいデザイン?クラシックなカラーに加えてちょっと気持ちが高揚する色?答えは全てYES!だろう。 「リアリティ」のあるファッション。女性が日々生きることに寄り添い、鼓舞できるファッション。 2019年春夏はタイムレスなシックさや伝統美、あるいはアクティブなスポーツテイストに「艶やかさ」と「ウルトラ・ライト感」を加えたリアル・スタイルに注目。 女性の日常をより快適に美しく、そんな思いを込めてスタイル提案をする。

2019年春夏ファッションテーマ① EVERYDAY ELEGANCE② SMART ACTIVATION③ INNOVATE TRADITION

注目テイスト&キーワード① NEO FEMININITY② TIMELESS CHIC③ LIGHT & SMART④ COOL SENSUAL

Dries Van Noten

Marine Serre

A.W.A.K.E.

ValentinoLoeweClaudia LiStella McCartneyTibiBurberry

20 FASHION MD & TREND BOOK FASHION MD & TREND BOOK 01

2019年春夏市場の方向性とムード

クールで軽快なミニ丈ボトムのスタイリングが冴える。コンパクトなスッキリシルエットは新鮮。機能性をデザインしたボケットディテールが良い。

ボリュームシルエットはライトでしなやかに進化。民族調、ハンドクラフトは素材も色もモダンさと軽快さが肝。

ヒット&ブレイクしそうなスタイル、アイテム&デザイン クリーンで艶感のあるエレガントなリラックススタイルがブレイクしそう。女性の体のラインを感じさせるシルエットが新鮮。イチオシはセットアップスタイル、ウエストマークをしたスタイル、大人のミニスタイルなど。

ジャケット、スリーブレスジャケット(ジレ)、セットアップ、スポーツブルゾン(ウインドブレーカー、パーカー、アノラック等)、ドレスバリエーション、デザインシャツ、ポロ、フロアレングス丈~ミニ丈スカートバリエーション、ロング~ショート丈パンツ、シアー、コーテッド、シャイニー、ストレッチ、タイダイ、プリーツ、ドレープ、ギャザー、ラッフル、ツイスト、パテッド、コルセット、ベルテッド、ポケット付き、インターシャ、刺繍、ジャガード、パッチワーク、マクラメ、レース、カットワーク刺繍、アシンメトリーデザイン、パワーショルダー、太スリーブ、ハイウエスト、ドローストリング、ブレード、チェック&ストライプ柄、ボーダー柄、アニマル柄、ボタニカル柄、民族柄

A.W.A.K.E. Isabel Marant

Dries Van Noten Stella McCartney

3.1 Phillip Lim

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OVERVIEWオーバービュー

ポジショニングマップから読み解く2019年春夏 一年前のスポーティブなムードから、よりナチュラル感やクラフト性、生き生きとした力強さや生命力を感じる要素が強まった。マトリックス上ではテイスト(タテ軸)はエレガンス寄りに分布。全体にナチュラル感がありながらクリーンにこなし、きれいめな印象を維持している。テクニック(ヨコ軸)では極端な技巧の高低は少なく、それぞれのテーマの個性によって技巧寄りからシンプル系までが位置づけられた。

 今季大きな市場性を持つのは、力強い粗野感をもつオーガニックスタイルのUrban Totemだ。ゆったりとしたアイテムやざっくりとした素材感を洗練させたナチュラルスタイルに注目する。Romantic Anthemは継続するフェミニンでロマンティックなテイスト。デニムやスポーツアイテムと組み合わせて甘辛ミックスを更新する。Cool Essentialsは次の潮流を予感させる新しいスタンダードスタイルだ。進化したテーラード

アイテムを基調に、次世代のリアルスタイルを提案する。Dad Girlは古着やビンテージ人気から着想を得たテーマ。お父さんやおじさんの古着を着こなす女の子のイメージだ。Sun & Surfは海辺のリゾートやサーフィンを楽しむような開放的なムードのテーマ。華やかな色やプリント柄が盛り上げる。長期化する日本の盛夏テーマやリゾートシーンMDとして注目したい。

P. 04-05

URBAN TOTEM アーバントーテム3.1 Phillip Lim

P. 06

ROMANTIC ANTHEMロマンティック アンセムOff-White

P. 09

SUN & SURF サン&サーフMichael Kors Collection

P. 08

DAD GIRLダッド ガールCalvin Klein

OVERVIEW POSITIONING MA P

02 FASHION MD & TREND BOOK FASHION MD & TREND BOOK 03

テクニカル シンプル

POSITIONING MAPMERCHANDISING KEY WORDS

2019年春夏

スタンダードアイテムを軽やかに表現したブランドに注目。特にTibiやJil Sanderは、定番を押し付けないで自由に着こなせるような工夫をしていた。一方複雑に組み合わせたミックススタイルも多彩。Self-PortraitとChristian Wijnantsの描く世界は多様性を実感できる。

◉Tibi◉Jil Sander ◉Self-Portrait◉Christian Wijnants

進化系スタンダードの提案やナチュラル表現に注目する。Proenza SchoulerとLemaireは各々の持ち味を生かした新しいオーセンティックスタイルが光る。特にデニム関連が新鮮。Beautiful Peopleは日本発ブランドらしいさりげなく凝った素材と服作りが魅力だ。

◉Proenza Schouler◉Lemaire◉Beautiful People

軽快かつソフトなニュアンスをカジュアルにせず、モードとしての存在感をどう演出するかが鍵となったファッショングッズ。今シーズン豊富な天然素材使いが光る、Stella McCartneyやValentinoのさじ加減はさすが。Loewe、Max Maraはマチュアな美しさが光った。

◉Stella McCartney◉Valentino◉Loewe ◉Max Mara

着る人の気持ちに寄り添い、日常を鼓舞するブランドに注目。Stella McCartneyはグッドデザインとサスティナブルの融合、Maison Margielaは装いの自由提唱に共感。A.W.A.K.E.のセンシュアル&オーガニックスタイルが新鮮。日常スタイルはクリーンな方向へ。

◉Stella McCartney◉Maison Margiela◉A.W.A.K.E.

Burberry、Loewe、Fendiはクリエイティブディレクターがブランドのアーカイブをおさえながら、クリエイションの革新により、新たなブランド顧客の獲得に向けた戦略に注目。3.1 Phillip Lim、MarineSerreは、常に市場動向等をリアルトレンドとして表現している点に目が離せない。

◉Burberry ◉Loewe◉Fendi ◉3.1 Phillip Lim◉Marine Serre

解説者が選ぶ今季注目のブランド

自分らしさが輝くリアルでエッセンシャルなスタイル

MERCHANDISING KEY WORDSMD キーワード

力強いラスティックなムードの拡大◉凹凸感やラフな表面(しわ加工、洗い加工、エアー混繊糸調)◉ドライタッチ(リネン、塩縮調)◉先染め、ミックス、色落ち効果(チェックやストライプ、杢、後加工デニム)

◉民族調エッセンス(ガウン、シャツドレス、フリンジ等)◉ハンドクラフト調(メクロシェ、メッシュ、タイダイ、パッチワーク等)◉ハンドテクニック(ノット、ツイスト、巻きの着こなし等)

進化系スタンダード・オーセンティックスタイルの台頭◉軽快なスタンダードアイテム(テーラードジャケット、スリーブレスジャケット、シャツ、ステンカラーコート等)◉新鮮なコーディネート(きれいな着こなし、スリーブレスジャケット+ワンピース、パンツレイヤードの着こなし、ユーティリティ機能の活用等)

ロマンティック、ビンテージ感覚の継続◉甘くガーリーなロマンティック感覚の継続(レースや半透明素材、ラッフルやフリル、リボン、ブザム切り替え等)◉メンズ古着感覚(ビッグジャケットやブルゾン+ミニボトム、手仕事風やカスタマイズ等)◉はずし感のある着こなし(古いポスターTシャツ、スポーツユニフォーム等)

リゾートスタイルの充実◉リソート調ドレスの充実(マキシ丈、ワンショルダー&ベアショルダー、ラッフル使い等)◉ビーチウェア発想(水着、パレオ風スカート、メキシカンパーカ等)◉開放的な色と柄(ビビッド色、各種プリント柄)

小森 美穂子 (ファッションコーディネーター)

中井 迪夫(クリエイティブディレクター)

笠原 安代(コンサルティング・ファッションディレクター)

小林 昌子(ファッションコーディネーター)

丹羽 真紀子(ファッショングッズコーディネーター)

スポーティ

エレガンス

P. 07

COOL ESSENTIALSクール エッセンシャルズTibi

2018年春夏

 今季のコレクションルックから感じたのは、デザイナー自身の個性を重視したスタイルが目立ったことだ。新しさよりもデザイナーらしさを感じる服が多い。カルバン・クラインは引き続きアメリカの学生スタイルに焦点を当て、ビンテージ感覚のテーラードとスポーツのミックスを展開した。ドリス・ヴァン・ノッテンは爽やかな色と柄を半透明素材で軽やかに重ね、熟練したコンテンポラリースタイルを見せている。多くのブランドが新しさよりもアイデンティティや「らしさ」を大切にしているように感じられた。 またダイバーシティへの理解が深まり、多様な人々へ向けたスタイルが提案された。ステラ・マッカートニーやイザベル・マランなど、メンズと一緒に見せる手法は多くのブランドで拡がった。グッチやコシェではウィメンズのデザインを男性モデルが着るジェンダーレスなスタイルが加速した。小柄やふくよかな体形、40~60代のモデルの登場も増えた。 そして今回もっとも話題になったのはエディ・スリマンが就任したセリーヌである。自立した大人の女性達に支持されてきた前任者フィービー・ファイロのスタイルとは一変し、ナイトクラブで着飾る若い男女を思わせる、クールでグラマラスなスタイルが提案された。徹底してエディらしいスタイルの展開だ。若い顧客層を狙った新たな戦略

と思われるが、この変化をどう受け止めるかメディアや業界で議論が巻き起こった。ただ巨大ブランド企業が経済至上主義に傾く姿勢が透けて見え、歴史あるブランドの価値が揺らぎかねない危うさも感じた。 今季の注目は、ブランドらしさを大切にする流れから増加した、一見するとなんでもない印象のスタイルである。大きすぎず適度にゆとりあるシルエット、軽やかな色と素材、過剰さを抑えたバランスのよい着こなしなどから生まれるクリーンでオーセンティックなスタイル。まさに現代のエッセンシャル(本質)だ。テーラードジャケット、ベスト、シャツなど、おもにテーラードをルーツとするアイテム群を今日の気分でリアルに洗練させた。パリのアウェイク、ニューヨークのプロエンザ・スクラー、ティビなどが代表的だ。デニム素材も様々なアイテムと後加工で提案され、日常素材の新たな魅力を見せている。 またナチュラルなムードのリラックススタイルも継続した。3.1フィリップ・リム、ロエべ、ルメールなどが代表だ。また日本のビューティフルピープルが、こだわりあるナチュラル素材を軽やかにまとめて、サカイに続くインターナショナルブランドになりそうな予感を与えた。 全体として、ナチュラルムード、ゆったりとしたロング丈、チェック柄、ワンピース、軽やかな色など国内マー

ケットですでに見受けられるトレンドが多く、継続要素の強いシーズンと言えるだろう。その点では日本のファッション市場の先駆性を再認識した。またエッセンシャルなスタイルは消費者には新しさが分りにくい為、コーディネート訴求が重要となりそうである。 現代のファッション市場において、革新的なトレンドが生まれることは難しい。今日の繰り返しが半年・一年先の未来に続いている。国内業界の送り手の立場として、世界に先賭ける独自の感覚に自信をもち、それぞれの「らしさ」を考えて行きたい。各々がよく考え、自信をもって自分たちの顧客に提案することが大切なシーズンとなりそうである。

ニューテーマのポジショニング

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URBAN TOTEM

アーバン トーテム

NEW THEME  ニューテーマ

洗練された力強いナチュラルスタイルナチュラルスタイルが高い鮮度とリアルなこなしで拡がった。ざっくりとした素材感やゆったりとしたシルエットのプリミティブで力強いムードのワンピースが多く提案され、さらりと着こなせそうなリアリティが感じられる。デザインはゆったりとしたガウン調やカフタン調、シンプルなシャツタイプなどが増加した。パンツの上にワンピースを重ねるレイヤードスタイルが広がりそうである。ニットは様々なセットアップが充実しており注目したい。またクロシェやメッシュが野趣味あるアクセントとして登場した。素材ではストライプやチェック、杢など先染め柄の表現が目立ち、プリントも含め全体に柄物の多さが特徴である。MD訴求としては、継続するナチュラルテイストとワンピースの鮮度アップが不可欠となる。① 素材の作り込み・オリジナリティで差別性を訴求 ② エコやオーガニック素材の積極的な採用 ③ワードローブにないデザインワンピースの訴求がポイントと考える。よりナチュラル感を強めながら、リアリティを損なわない提案が重要となる。

◎注目のブランド Loewe, 3.1 Phillip Lim, Erika Cavallini, Beautiful People

04 FASHION MD & TREND BOOK FASHION MD & TREND BOOK 05

シンプルで存在感のある雑貨が充実した。ミニサイズの巾着バッグはブレスレット風な持ち手が新鮮。ラフィアやロープ、マクラメ風の自然素材のベルトやサンダルも効果的。大ぶりのゴールドアクセサリーは力強いインパクトを与える。

GOODS グッズ

COLOR カラー

凹凸あるテクスチャーや乾いた風合い、メランジ調の外観など粗野な感覚が拡大した。ラフなシワやプリーツ、シャンブレーや杢、高密度でドライな風合いのコート地など。一方でリラックス感あるドレープ素材やリブニットなどきれいな素材感も不可欠だ。

ナチュラルカラーが中心となる。白、アイボリー、テラコッタやアースブラウンなどは欠かせない。一方で今季らしい新色として軽くクリアな差し色に注目。オレンジやコーラルグリーン、アクアブルー、イエローなどの爽やかな色が鮮度アップとなる。

FABRIC 素材

ワンピースを中心に、ゆったりと着こなすアイテムが継続。ワンピースはシャツやラップ、ガウン、カフタン調などが中心。ねじったり巻いたりする着こなしも新鮮。単品ではプルオーバートップスが継続。アウターはシンプルなステンカラーに注目だ。

ITEM アイテム

Jil Sander Valentino Erika Cavallini 3.1 Phillip Lim

3.1 Phillip Lim Chloé Eudon Choi Tibi Boss Christian Dior

Beautiful People Ports 1961 Erika Cavallini Lemaire Erika Cavallini J.W.Anderson

LoeweJil Sander Ports 1961 Agnona Eudon Choi Acne Studios

Ports 1961Beautiful People

3.1 Phillip Lim

NEW THEME URBAN TOTEM

Loewe Erika Cavallini Tory Burch Jil SanderChloéLoewe3.1 Phillip Lim Lemaire A.W.A.K.E. Valentino

Eudon Choi J.W.Anderson Giambattista Valli

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COOL ESSENTIALSクール エッセンシャルズ

Proenza Schouler Isabel Marant Noir Kei Ninomiya

ValentinoCelineSacai Giambattista Valli ValentinoSacai

Tibi

甘い気分を盛り上げるフェザー使いのサンダルが登場。バッグは小ぶりでかっちりとしたフォルムが新鮮だ。黒いコサージュはクールで抑制の効いた甘さを生む。

GOODS グッズ

白と黒、無彩色が基本となる。さらに淡いミント、ピンク、イエロー、ベージュなどの優しいペールカラーもアクセントとして差し込みたい。

COLOR カラー

カットワークや各種のレースは不可欠。半透明なシフォンや楊柳ジョーゼットなどのドレープ素材、シンプルな色使いのプリント、端正なプリーツなども雰囲気を演出する。

FABRIC 素材

ガーリーなワンピースはミニ丈が増加。ボリューム感あるシャツブラウスはボウタイや共布スカーフ使いが新鮮だ。メンズライクなボトムやフーディアノラックなどスポーティアイテムと組み合わせる。

ITEM アイテム

SacaiJil SanderValentino

Sacai TibiStella McCartney Valentino

Ulla Johnson Coach1941Christian Dior Giambattista Valli

No.21 Valentino No.21Off-White

Matthew Adams DolanProenza Schouler Lemaire

Ports 1961 Jil SanderGivenchy Lemaire Dion LeeDries Van Noten

胸元に存在感を与えるグッズが登場。なかでもメンズから火が付いたネックウォレットに注目だ。バッグは大きめのフォルムながらソフト仕上げのデザインがポイント。シューズはピープトゥのパンプスが浮上。

GOODS グッズ

黒、ネイビー、ナチュラルカラーなどのオーセンティックカラーが中心となる。これまでメンズ由来のアイテムには濃色使いが多く見られたが、今季は軽さや柔らかさを印象付けるソフトトーンのカラーが加わり新鮮だ。

COLOR カラー

ドライタッチのコットンや複合コットンなどナチュラルな質感を生かした素材が多彩。無地物を中心としながらもストライプやチェックなど柄物も効果的に使われる。ニットはハイゲージでプレーンな編地が活躍。

FABRIC 素材

ゆったり羽織れるメンズライクなジャケットやオーバーサイズコートが基本アイテム。ユニークなデザインのバナナ型パンツはリラックス気分を演出。着回ししやすいシャツや上品な印象を与える襟付きニットも重要。

ITEM アイテム

BurberryTibiGabriela Hearst

Stella McCartney SacaiStella McCartney Tibi

Jil Sander A.W.A.K.E.Christian Dior Christian Wijnants

Lemaire AgnonaStella McCartney Eudon Choi

Off-White 組み合わせやバランスで進化するオーセンティックスタイル独自性や話題性に期待が寄せられる中、“リアリティ”に軸足を置いた新しいオーセンティックスタイルが拡大した。メンズ発想のテーラリングスタイルやミニマルでストイックなスタイルが数多く登場。これまでのようにリラックスしたシルエットの表現だけでなく、アイテム同士の組み合わせや微妙なさじ加減で見せるカッティングなどが多用され、大人マーケットを刺激するアイデアに。特にテーラードジャケットは、堅苦しさや古臭く見えないように、軽やかな仕立てとスリーブレス仕様で新味を表現していた。コートやシャツにも程よくデザインを利かせるなど、進化系スタンダードアイテムが拡がりそうだ。

◎注目のブランドTibiProenza SchoulerLemaireMatthew Adams Dolan

ROMANTIC ANTHEMロマンティック アンセム

NEW THEME ROMANTIC ANTHEM COOL ESSENTIALS

06 FASHION MD & TREND BOOK FASHION MD & TREND BOOK 07

ボーイッシュに着るロマンティック&フェミニンロマンティックなムードを少年のようにさらりと着こなすスタイルに注目だ。リアル感を重視する市場ニーズから、フェミニンテイストも甘すぎず日常的な着こなしが必要だ。レースや透ける素材、ラッフルやリボン、ギャザーなど甘い要素が継続。それらを無骨な素材やスポーティなアイテム、シックな色使いなどと甘辛ミックスする。少年のような快活さでさらりと着こなしたい。

◎注目のブランド Noir Kei NinomiyaValentinoSacaiOff-White

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Louis Vuitton Burberry Burberry

Miu Miu Y/projectIsabel Marant Louis Vuitton Stella McCartneyAlexander Wang

Michael Kors Collection

グラフィカルな柄構成が新鮮なパッチワークのリュック。スポーツイメージを抑えフリンジやタッセルで遊んだダッドスニーカー。シャツやTシャツルックをハードに寄せるロックテイストのチョーカーがスパイスに。

GOODS グッズ

ベージュ、グレー、ネイビーなどお父さんやおじさんのワードローブに見られるユーティリティカラーがメイン。ソリッドな色使いよりも、落ち着いた色を重ね使いしてトーンオントーンで表現するのが今季らしい。

COLOR カラー

ユーズド風のスーツ地に注目。無地に加え英国調チェックなどクラシック素材が浮上。ギンガムチェックやブロックチェックなどのシンプルなシャツ地も重要。シャビー風のパッチワークデニムやポリエステルジャージーはアクセントに。

FABRIC 素材

ひと手間加えたスーツやジャケットなどクセのあるアイテムが増加。一方ケミカル加工やブリーチ加工を施した80年代調ジャケットやベストも浮上。古いポスター柄のTシャツやショートボトムも必須だ。

ITEM アイテム

VetmentsCoach1941Coach1941

Paco Rabanne Coach1941John Galliano Burberry

TogaPreen by

Thornton BregazziJ.W.Anderson Sacai

Acne Studios MSGMGucci Alexander Wang

Louis Vuitton Stella Jean Marni

R13 MSGMLeonard Paris Sportmax ChloéMarine Serre

様々な貝殻をあしらい遊びの要素を強めたストラップサンダルやビニールひもを編んで作ったメッシュバッグがリゾートイメージをアップ。高さのあるクラウンとラフに仕上げたブリムが存在感を放つラフィア帽子も新鮮だ。

GOODS グッズ

南国をイメージさせる鮮やかな色が拡がった。特に今季は赤、ピンク、青などの発色の良い色をマッチングさせるのがポイント。また原色使いだけでなく、タイダイ染めや色褪効果としてパステルカラーも用いられる。

COLOR カラー

パラソルや魚、フルーツなどリゾートを想起させるプリント柄が多彩。イラスト表現や筆のタッチを生かした抽象柄などがあふれる。カラフルなタイダイとヤシやハイビスカスなどのトロピカル柄は非日常感を演出するのに欠かせない。

FABRIC 素材

マキシ丈やワンショルダーなど開放感あふれるフェミニンドレスが充実。水着やパレオ風スカートを合わせたスタイルも登場しビーチウエアが活躍。メキシカンパーカやネイティブ柄のTシャツなど民族要素も重要だ。

ITEM アイテム

ChanelAltuzarraAltuzarra

Chanel Paco RabanneStella Jean R13

Kochè Leonard ParisAtlein Marine Serre

Leonard ParisMichael Kors

CollectionStella Jean R13

Calvin Klein

太陽が燦燦と輝く海辺のリゾート&サーフスタイル陽気で楽観的なホリデースタイルが拡大した。都会の喧騒を離れ、照り付ける太陽のもと海辺のバカンスを楽しむリゾートスタイルが打ち出された。トロピカルムード満載のポップな柄や明るいカラーパレットを多用したスタイルは、既視感はあるものの、見ているだけでワクワクした気分を味わえる。特に軽やかに仕立てられたボリュームドレスが圧巻で、ヘルシーで開放的なデザインから肌見せを意識したセンシュアルなデザインまで充実した。一方、カリフォルニアにトリップしたようなサーフ系スタイルも登場。70年代のタイダイやメキシコ調エッセンスなど懐かしいスパイスにも注目したい。

◎注目のブランドMichael Kors CollectionR13Leonard ParisStella Jean

DAD GIRLダッド ガール

80、90年代を想起させるリバイバルスタイル今シーズンもまだまだビンテージ感覚が継続のようだ。お父さんが若い頃に着ていたジャケットやシャツを想起させる、古びた味わいのアイテムが拡がった。古着からインスパイアされたカルチャーミックススタイルは、ジェンダーレス化の影響を受けてか、ぐんとメンズ要素をクローズアップする方向に。ボーイフレンドサイズからお父さんサイズへと、よりラージ感を増した羽織り物をキーアイテムに、ビッグトップ&ショートボトムのスタイリングが目を引く。渋さが際立つビンテージジャケット、長すぎる袖をカットし作り直したシャツ、クラフト調のパッチワークブルゾンなど、オリジナルの持つ楽しさをみせてくれた。

◎注目のブランドCalvin Klein Louis VuittonIsabel MarantBurberry

NEW THEME DAD GIRL SUN & SURF

08 FASHION MD & TREND BOOK FASHION MD & TREND BOOK 09

SUN & SURF サン&サーフ

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13-5412TPX 15-4020TPX

14-2808TPX 11-0618TPX 13-0535TPX

12-0642TPX 13-0650TPX 17-1462TPX

18-4247TPX

16-1333TPX 17-1038TPX 17-1147TPX 19-4205TPX 11-0601TPX

10 FASHION MD & TREND BOOK FASHION MD & TREND BOOK 11

COLOR カラー

PALE TONEペールトーン

TONE ON TONEトーンオントーン

ACID & VIVIDアシッド系やビビッドカラー

BEIGE &BROWNベージュからブラウンまで

BLACK & WHITE黒と白

注目のカラー&トーン

注目の配色

軽く爽やかな印象のペールトーン、ライトトーンの色みが増加。昨年はラベンダーがキーカラーだったが、今季はミント、ピンク、ライトイエローなどへ変化した。フェミニンからスポーティブまで多様なスタイルで展開。

Sacai

A.W.A.K.E.Jil SanderStella McCartneyHermèsErika CavalliniMiu MiuTibiPaul & Joe

アクセントカラーとして注目なのはアシッドな酸性カラーを中心とするビビッドトーンだ。なかでもシャトルーズ、アップルなどの黄緑系の色相が新鮮だ。オレンジやセルリアンブルーも差し色として有効に使いたい。 Ports 1961Dion LeeVictoria BeckhamOff-WhiteMatthew Adams DolanSacaiRochas

ナチュラルカラーが継続。ベージュからブラウンにかけてのアースカラーは安定した存在感がある。半透明素材やスポーティなアイテムなどに新鮮だ。

無彩色、特に黒が拡大した。すっきりとシャープな印象で、きれいなスタイリングで展開される。春夏らしいピュアホワイトも継続した。

Preen

Celine Giambattista ValliJil SanderMax MaraErika CavalliniA.W.A.K.E.

ペールトーンを重ねた配色が新鮮。軽いベージュを合わせるとリアルな提案が可能だ。甘さを抑えたアイテムや素材で展開する。 Alberta FerrettiA.W.A.K.E.

WHITE &NATURAL白とナチュラル

ピュアホワイトとアイボリー、ベージュ、ライトブラウンなどを組み合わせる。ナチュラルカラーをクリーンに見せる配色が新鮮だ。 AgnonaBoss

HUECONTRAST色相コントラスト

ビビッドカラーのアクセントが台頭し、色相の高コントラスト配色が戻ってきた。赤×ブルー、オレンジ×緑、イエロー×パープル配色に注目。 TogaAtlein

COLOR LINENCRINKLE &

DRYYARN DYEDENIM

SEMITRANSPARENT

SILKY &SHINY

MESH &LACE

COLORSUEDETEXTILE

オーガニックな気分のナチュラル素材が充実。先染、プリント、後加工など多様な個性が揃うリラックスしたナチュラルムードの素材が拡大した。リネンを始めとする天然素材調が拡がり後加工で自然なしわやドライ感を強調する。一方でエレガンスやロマンティックスタイルのための光沢表現や半透明素材も継続した。

フレッシュな気分をまとう、軽く爽やかなカラーとナチュラルカラー淡く軽い色の提案が増加した。昨年のクールでスモーキーだったパステルに比べ、クリアになったライト系カラーに注目だ。またベージュからブラウンにかけてのナチュラルカラー・穏やかな暖色系に一層の充実が見られる。黒や白などモノトーン使いも拡大傾向だ。 TEXTILE

テキスタイル

Proenza Schouler

Beautiful People Lemaire Stella McCartney Isabel Marant

A.W.A.K.E.Acne Studios J.W.AndersonMonse

Erika CavalliniBurberry

Christian Wijnants

YARN DYE先染めドビーストライプ&チェック

SEMI TRANSPARENT半透明効果

PALE TONEBEIGE &BROWN

BLACK &WHITE

ACID &VIVID

TONE ON TONE

WHITE &NATURAL

HUECONTRAST

先染め柄が充実した。糸配列でシンプルに柄出ししたものから、ドビー織りで組織感あるものまで多彩に登場。今季は意匠糸使いのドビーストライプやドビーチェックで、一工夫された先染めに注目だ。

SILKY & SHINYサテン、シルキー調光沢

サテンはしなやかな薄手から肉厚ものまでエレガンススタイルで展開された。また野趣味あるローシルク、光沢とオチ感のあるレーヨンやキュプラなどの化繊調素材も充実した。

今季は透けすぎない、半透明な効果が中心となった。色無地や先染めストライプ使いでスポーティ&カジュアルなムードにまとめている。塩縮風や洗い加工などナチュラル感を与えたものも散見される。

MESH & LACEメッシュ、各種レース

COLOR SUEDEカラースエード、カラーレザー

クロシェやラッセルによるメッシュ編みが大幅に増加。レイヤーアイテムとして広がった。レースはカットワーク、ケミカル、リバーやエンブロイダリーまで多彩に継続している。

淡い色みのカラースエードやレザーが新鮮だ。アイボリーやクリームベージュなど優しいカラーが充実し軽い感覚になった。梅春アウター、ボトムやプルオーバーとして注目だ。

LINENドライなリネン調

リネンが静かに拡大している。リネンの亜麻色を生かしたオーセンティックなタイプが中心。洗い加工や繊細なミックス効果がさりげないリラックス感を生んでいる。コンビネゾンやワインピース、ジャケット、コート等に展開された。

CRINKLE & DRY しわ加工とドライタッチ◉しわ加工とドライタッチ様々なしわ加工が登場した。洗いざらし風のしわ、ランダムプリーツ風、プレスや畳みじわ等多彩な加工が台頭。麻、綿、化繊などにラフな表情とドライな手触りを与えている。

◉塩縮やタスラン調加工塩縮加工やタスラン等のエアー混繊糸で繊細なシボや凹凸、縮みをもつ表面が拡がった。ブラウスから薄手アウターまで、さらりとした着心地やリラックスした表情作りの鍵となる。

◉ケミカル風後加工デニムが増加。特に後加工で色落ち変化を与えるのが今季のポイントだ。なかでもブリーチ風加工が拡大。インディゴ色を落としたケミカルウォッシュ風も増加。ワンピースなど従来のデニムアイテムにはない発想が拡がった。

◉ブラックデニム硫化染色調のブラックデニムが増加。インディゴタイプ同様にケミカル加工で表情を与えたものが充実した。

DENIM後加工デニム

Alberta FerrettiSalvatore Ferragamo Marni Hermès

Christian Dior

PANTONE® FASHION +HOME NUMBER

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MONOGRAMS & SCARVESモノグラム、スカーフ調

DETAIL ディテール

パターンミックスやアイテムミックスなど多様性をあらわすスタイルが拡大様々な要素をミックスするスタイルは定着し、より自由な表現が拡がった。特に柄物同士を複雑に組み合わせて楽しむレイヤリングが豊富に登場した。水着などのアクティブウエアを取り入れるスタイルやスカートやワンピースの下にパンツを合わせるスタイルにも注目したい。

手仕事風を始め、ユーティリティ機能を多重使いするテクニックに注目ビジュアル効果を高めるテクニックと汎用性をアピールする機能デザインが拡大した。布の切り替え、結び、ねじりなどが散見。一方ジッパーやボタンが新たなデザインソースに。リボンやカットワークなど存在感を放つデザインも注目を集めそうだ。

オーセンティックからリゾート感覚まで、自由な解放感ある柄が豊富にプリントから先染まで柄が多いシーズンだ。春夏らしい花柄やストライプは勿論のこと、秋冬から続くチェックもマドラスタイプが新鮮に映る。注目はバーバリーが新しく提案したモノグラム柄。70年代のビンテージ調を現代にアレンジし新鮮だ。PATTERN

パターン

様々なチェックが数多く登場した。なかでも春夏らしいマドラスチェックに注目だ。ブラウンやベージュを基調としたナチュラル感ある配色が新鮮。やや大きめサイズの柄が中心だ。

今季注目の柄がモノグラム。ブランドのイニシャルやチェーンなどをミニパターン化した。コンサバ調だけでなくカジュアルに使いたい。またスカーフ調パネル柄も前季より継続している。

IMPACT斬新さ

J.W.AndersonPradaDries Van NotenGivenchy

◉カットワーク、スラッシュ胸元を大胆にくり抜いたテクニックやフリーカッティングのようなスラッシュは、肌見せ、インナー見せ効果として登場。

◉ショルダーアクセントフリンジやクロシェは華やかさを演出。またプロテクトイメージの飾りも新しいアイデア源になる。

◉リボン使いサテンテープの可愛いリボンが新鮮に登場。一方ボリュームのあるリボンも散見され、久々にリボン使いが復活。

◉ブザム切り替えブザムヨークで飾ったドレスやシャツが印象的。パリっとした白のシャツ地から装飾素材で飾ったものまで。

TECHNICAL技巧的

TogaChloéBeautiful PeopleTibi

◉切り替え左右対称などダイナミックな色面構成が増加。またパッチワークやパーツコンビも目立った。

◉ノット、ツイスト服のパーツを結んだり、袖を結んだりする前結びのテクニックが浮上。布をねじるディテールも多出した。

◉フリンジナチュラルスタイルに華やかさを添えるフリンジが多用された。素朴さを演出するカットオフも登場。

◉ギャザリング前シーズンからの継続で、フェミニンな表現からコンセプチュアルな表現までテクニックが冴える。

FUNCTIONAL機能的

SportmaxSies MarjanBossSacai

◉ユーティリティデザイン着脱機能をデザイン化したアイテムが増加。特にジッパーはクリエーションを引き出すアイデアに。

◉ポケットカジュアルムードをぐんと高めるデザインとして増加。ワーク調の立体ポケットからモダナイズされたポケット使いまで。

◉ベルト、バックルエフォートレス気分を添える長いベルトのあしらいと、上下の服をジョイントするバックル風の付属使いが目立つ。

◉ドローコード、ロープアウトドア用のシューレースやドローコードが多用。さらにごつめの綿ロープがアクセントに使われる。

しなやかに揺れるドレープラインとクリーンさを漂わせるストレートラインが潮流程よいセンシュアリティと軽やかな印象を醸し出す流麗なラインが拡大。体にフィットしながらも足元でスウィングするように跳ねる裾が女性らしさを漂わせる。一方、テーラードジャケットや細めのパンツ、さらにカフタンドレスなどの増加で、すっきり見える縦長のシルエットも拡がった。また袖コンシャスの流れも継続し、ギャザーなどでふっくら仕上げた袖や立体的な袖が強弱のあるシルエットを作り新鮮だ。

SILHOUETTEシルエット

FOCUSED STYLEフォーカススタイル

Loewe

DRAPEドレープ ライン

Max Mara Stella Jean

STRAIGHTストレート ライン

PUFFYパフィー ライン

Christian WijnantsSelf-Portrait

COMPLEXSTYLEコンプレックス スタイル

TibiVictoria BeckhamTogaSportmax

SPORT MIXSTYLEスポーツミックス スタイル

12 FASHION MD & TREND BOOK FASHION MD & TREND BOOK 13

Burberry

MADRAS CHECKSマドラスチェック

Sacai Marine Serre Tory Burch PradaEudon ChoiPorts 1961

ストライプも数多く登場。細いシャツストライプから幅太のデッキチェアまで。色数を絞ったシンプルな配色が中心。

オーソドックスなものから壁紙調やタペストリー風まで充実。大きな柄と大胆な配色も新鮮だ。

ヒョウ柄を中心にゼブラ、パイソン、鳥の紋様などが登場。ジオメトリックな感覚で展開されている。

今季は色数を抑えシンプルな配色の小花柄が新鮮。リゾートスタイルでは熱帯魚など花と南国モチーフとの組み合わせが増えた。またボタニカル柄や植物柄も継続している。

ロックTシャツの潮流から続くユニークなグラフィック柄が継続。映画のポスターやイラストなどがカットソーにプリントされた。また遊び心あふれる自由な気分のコラージュが登場した。

ネイティブなクラフトを思わせる絞り染めやメランジ効果が登場。色や質感を抑制し、素朴になりすぎないよう配慮されている。杢ニットは白黒、カラーいずれも増加した。

FLORALS & BOTANICALS花、植物

GRAPHICS & COLLAGESグラフィック、コラージュ

TIE-DYES & MELANGESタイダイやぼかし、メランジ効果

STRIPESシャツストライプ、デッキチェアストライプ

PAISLEIESペイズリー柄

ANIMALSアニマル

Isabel MarantTory BurchJil Sander

Stella Jean

MarniLouis Vuitton

Coach1941

AtleinProenza Schouler

Stella McCartney

Michael KorsCollectionStella McCartney

Leonard Paris

RochasChloé

Valentino

Calvin Klein

PATTERN DRAPE STRAIGHT PUFFYLAYERED

PANTS STYLECOMPLEX

STYLESPORT MIX

STYLEFOCUSED STYLE TECHNICAL FUNCTIONAL IMPACTDETAILMADRASCHECKS

MONOGRAMS &SCARVES

STRIPES ANIMALSPAISLEIESFLORALS &

BOTANICALSGRAPHICS &COLLAGES

TIE-DYES &MELANGES SILHOUETTE

LAYERED PANTS STYLEレイヤードパンツ スタイル

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デザインの新しさを競わず、柔らかさやリラックス気分を反映した気負いのないドレスやセットアップが拡がった。

◉クロシェニットドレス微妙な透け効果を楽しむドレスとして、レーシー調からフィッシュネット調までクロシェニットが拡大。さまざまな編地をミックスするのが今季らしい。

◉フルイドドレス風をはらみ、優雅に揺れる布がリラックスと官能性を絶妙なバランスで表現するフルイドドレス。裾だけでなく、ケープ風の布の動きにも注目。

◉カフタンドレスエスニック気分を盛り上げるカフタンドレスが充実。ギャザーやレース、結びヒモなどさりげなく取り入れたデザインがフェミニンさを添える。

◉コラージュドレス総柄で表現した幾何学柄や花柄を異なる素材とコラージュして、軽やかにまとめたドレスが拡大。ダイナミックな切り替えで新しさを表現している。

◉シャツドレス定番の形から発展させたデザイン物が増加。トップはシンプルに腰から下に切り替えやドローストリング、布の遊びを加えたデザインが新味を発揮。

◉ニットドレスクロシェニットとは別になめらかな編地を生かしたドレスが拡大。ナチュラル感を高めたり、スポーティさを演出したりと多彩な表現で登場。

◉ロングドレスセットアップミニマルなロングドレスとワイドパンツのセットアップ。特に縦長ラインを強調できるストライプ柄が充実していた。

◉コンフォートセットアップ服の中で体が泳ぐような緩さが心地よいトップとゆったりしたボトムを組み合わせたセットアップが新鮮だ。計算されたパターンやシャープなカッティングがポイントに。

◉サファリ調セットアップコロニアルスタイルを彷彿させるカーゴポケット付きジャケットとパンツの組み合わせ。半袖シャツやショートパンツなど、軽快なイメージが大切。

DRESS & SET UP ドレス&セットアップ

選択肢が増えるドレス、ますます軽量化するコート、自由な気分で着たいジャケットに注目春夏らしく軽やかな印象のドレスとコートが増加した。特にドレスは多彩な色とエフォートレス感覚がのせられバリエーションが豊か。またストリートの匂いが減少したためか、その対極にあるテーラードジャケットが浮上。スーツラインも豊富だが、気軽に着られるテーラードジャケットのスタイリングに注目したい。洋品では、繊細に作ったニットやサファリ調シャツが増加。ボトムでは、ラップやアシンメトリースカートが量感を増して登場だ。

ITEMアイテム

DRESS &SET UP

COAT JACKET KNIT TOPS SKIRT PANTSITEM

スタンダードなデザインをボリュームシルエットで仕上げたコートが圧巻。なかでも男女兼用で着られるステンカラーコートや軽量感を追求したエアリーコートが拡大した。

◉トレンチコート、ステンカラーコートメンズサイズを意識したような量感たっぷりのトレンチコートやステンカラーコートが目を引く。基本に忠実ながら羽織り感を強調したデザインが拡がった。

◉エアリーコート透けてしまうほど薄い生地や超軽量など、防寒衣料としてではなく、コーディネートで楽しむコートが登場。グラフィック柄や花柄などプリント使いが新しい。

◉フィールドコートウィークエンドやトラベルなど、レジャー向きのスポーティコート。ドローストリングやポケットが多用。

◉ケミカル素材コートアニマル柄を型押しした半透明素材や中が透けて見える素材など、PVCコートが新味を発揮。

◉ハーフスリーブコートノースリーブタイプの他に、半袖コートが登場。初夏まで着られる羽織り物として注目だ。

COAT コートテーラードジャケットをキーとしたスタイリングが豊富に登場。一方後加工でラスティック感を表現したジャケットにも注目。

◉テーラードジャケットマスキュリンイメージだけでなく、軽やかなスタイリングにも欠かせないテーラードジャケット。明るい色やロング丈が登場。気楽に羽織って着るのがポイント。

◉スリーブレスジャケットメンズジャケットを解体したようなデザインからジップを利かせたデザインまでベスト風ジャケットが増加。かっちりとした印象のため、ハイブリッドなアイテムを合わせるのが鍵。

◉ショート丈ジャケットクリーンな印象を与えるテーラードカラーのショート丈ジャケットは軽やかなスタイル作りに不可欠。

◉ブリーチ風加工ジージャン所々残るインディゴの色がアクセントになる、ラスティック感の強いジージャンが登場した。

◉ボタニカル柄ブルゾンメンズっぽいジャケットが拡がる中、ロマンティック気分を演出する花柄ブルゾンが彩りを添える。

JACKET ジャケット

Claudia LiY/projectAlberta FerrettiLouis VuittonChristian WijnantsClaudia LiSies MarjanStella McCartneyDries Van NotenMaison Margiela

TibiTory BurchChloé

Preen by Thornton Bregazzi

Atlein

TibiLoeweMonse

定番を進化させたスカートとプリーツをアイデア源としたデザイン物が新味を表現。

◉ラップスカート巻き方次第で、コンサバにもモードにも変身するラップスカート、今季は前後差を付けたダイナミックなデザインが登場。留め部分から長い紐を垂らすのがポイントに。

◉アシンメトリースカートスカートの片側だけに量感を与えたアシンメトリースカートが増加。ハリのある布で立体的に仕上げにしたり、別布を縫い付けたりするデザインなど左右バランスを崩すのが新しい。

◉カーゴスカートワークテイストを程よく入れたスカートに注目。存在感のある大きなポケットとゆらりと垂れ下がるベルトがスポーツ&リラックスを高め今季らしい。

◉ドッキングスカートスカートの裾から別布がのぞくドッキングタイプのスカートに注目。なかでも歩くたびにプリーツのヒダが見え隠れする、視覚効果のあるスカートが魅力的。

◉ニューシアースカート透ける素材を用いたスカートはこれまで以上にグレードアップ。総スパンコールやオーガンジーに花のアップリケを施すなど、凝った素材使いが新鮮だ。

SKIRT スカートヘビーデューティ機能を取り入れたパンツが充実。スポーティタイプやニットも新鮮だ。

◉カーゴパンツ大きなポケットにステッチやジッパーを施したカーゴパンツが拡大した。ワークウエア風のカジュアルパンツからきりりと履きこなすタウンパンツまで。

◉ローウエストテーパードパンツここ数シーズンハイウエストが主流であったが、腰まで落としリラックス気分で履けるローウエストパンツが浮上。裾を少しだけすぼめたデザインが増加。

◉バミューダパンツサイクリングパンツと共に登場したバミューダパンツ。スポーティ風にもクラシック風にも、軽快な着こなしを楽しめるショート丈パンツが話題を集めそうだ。

◉ニットパンツ度目を詰めずナチュラルなタッチで編んだリラックスパンツから、レーシーな模様を浮かび上がらせたクロシェパンツまで、優しいムードが伝わるアイテムとして注目だ。

◉コンビネゾンスポーティなコンビネゾンと共に、柔らかい素材できれいめに仕上げたコンビネゾンが登場した。袖のデザインやドローストリングなどで、フェミニンに寄せるのがポイント。

PANTS パンツ

Erika CavalliniStella McCartneyPradaVictoria BeckhamAlberta FerrettiMiu MiuFendiSies MarjanY/projectA.W.A.K.E.

KNIT ニット

Coach1941Tory BurchAcne StudiosMonseNo.21

ワーク&スポーティイメージのシャツとクラシカルなブラウスが主流。楽しいアイデアをのせたパーツウエアも頻出。

◉サファリ調シャツ胸に大きなポケットをあしらったシャツが拡大。フラップ付きやパッチポケットに加え、立体ポケットなども登場。スポーティさを印象付けるのに欠かせないアイテムだ。

◉チュニックシャツ腰が隠れる丈のシャツが豊富。なかでもジッパーを施したデザインが増加し、開閉次第で羽織りにも、異なる雰囲気にも装えるチュニックシャツに注目。

◉ビクトリアンブラウスラッフルやフリルなどをたっぷりあしらった装飾ブラウスが浮上。なかには装飾部分が着脱できるなど創意工夫を凝らしたデザインも登場。

◉パフスリーブブラウス袖コンシャスブラウスは新規のデザインこそ減少傾向ではあるが、ギャザーやタックで膨らませたパフスリーブは健在。スポーツやナチュラルなど異なるテイストを組み合わせるのが鍵。

◉パーツウエアどうやって着るのか、何と合わせたらよいのかなどと考えてしまう、クセの強いパーツウエアが増加。変形デザインやモチーフ使い、コルセット型などが登場。

TOPS トップス

Self-PortraitPreen by

Thornton BregazziKochèJil SanderFendi

14 FASHION MD & TREND BOOK FASHION MD & TREND BOOK 15

Victoria Beckham

カッティングやパターンで刷新されるプレーンニットが増加。プリントをのせた白Tシャツも豊富。

◉シアーニットざっくり編んで透け効果を表現したニットが増加。ゆったりしたシルエットを基本に、モヘアをブレンドしたり、フリンジをドッキングしたりするデザインが浮上。

◉不定形ニットプルオーバーやカーディガンに未縫製風のカッティングを施し、わざと外したように着るニットが充実。ベーシックをモードに改良したデザインが注目されそうだ。

◉ロング丈カーディガンリブ編みを使用しフィット感を強めたロング丈のカーディガンが登場した。ウエスト位置までボタンを留めて体のラインをみせるのが新鮮。

◉ポロ襟ニットスポーティな印象が強いポロ襟のニット、今季はあえてスカートと合わせたスタイルで活躍。編地変化や二重襟などで新しさを加える傾向だ。

◉Tシャツノンシャランな着こなしにも、エレガントな着こなしにも白地のTシャツが活躍。遊び要素を強めたモチーフ柄やブランドロゴなどバリエーション豊富。

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16 FASHION MD & TREND BOOK FASHION MD & TREND BOOK 17

FASHION GOODS KEY COLOR MATERIAL SHOES LEG WEAR

FASHION GOODSファッショングッズ

◉ラフィア、ストロー/天然素材を使ったグッズが豊富だ。中でも夏らしいラフィアやストローが主に大人向けデザインで登場。◉コットン、リネン/布帛で、あるいはマリンなロープで。レザーやメタルパーツとの組み合わせで価値観の高いデザインに。◉パイソン/エキゾチックレザーはナチュラルなスネークが中心。◉スエード/ソフトで素朴な素材感が穏やかなムード。◉フェザー/今シーズン少ない甘めのディテールとしてポイントで。◉プリント/バッグを中心に、ウェアとのお揃い使いが豊富。

「新しい季節がやってくるのが待ち遠しい」そんな高揚感を抱かせるような、軽やかな素材やデザインが出揃った2019年春夏のファッショングッズ。牽引するのは、昨年から浮上し、今季一気に拡大した天然素材使いだ。ラフィア、ストロー、コットン、リネン、そしてシェルやパール。バッグを中心に、アイテムを横断してバリエーション豊かに登場した。そんなムードと呼応するかのように、夏に欠かせないエキゾチックテーマは、穏やかなカラーで装飾も控えめ。大人のマーケット向けでは、ポインテッドトゥパンプスやクリーンなカーフレザーのラージバッグが都会的なリアリティを醸し、ヤング向けではダッドスニーカーをはじめとするストリート&スポーツアイテムが欠かせないシーズンとなりそうだ。

MATERIAL マテリアル

Feather

Print/Dyed

Snake

Suede

Raffia/Straw

Cotton/Linen

◉ポリッシュブラック/色数が控えめな今シーズン。しなやかでソフト、磨き上げられた美しいツヤ。そんな表情が魅力的。◉スキントーン/肌になじむような上品なニュートラルカラー。◉ホワイト、ブラウン/今季のスタンダードカラー。ホワイトはきりりとクリーンに、ブラウンは赤土のようなニュアンスで。◉ビビッド/強く鮮やかなカラーは減少だがバッグで一部登場。◉パステル/穏やかでフェミニン。ピンクを中心に、ミントも浮上。◉メタリック/今シーズンのランウェイではゴールドが優勢。

KEY COLOR キーカラー

Pastel

Metallic

Brown

Vivid

White

Black

Skin Tone色のトーンは穏やかに、デザインはクリーンに。シンプル≒退屈。リアリティに付加する新しい価値とは

Max Mara

BurberryDries Van Noten

Givenchy Tibi

Roberta Einer

Gabriela Hearst

Marni

Christian Dior 3.1 Phillip Lim

Preen by Thornton Bregazzi Sportmax

Miu MiuVetments Monse

Acne Studios

Celine

Tibi

Christian Dior

Hermès

Isabel Marant Stella McCartney

SHOES/REFINED STANDARDシューズ/リファインドスタンダード◉パンプスバリエーション/ハイヒールを中心に、昨年から増加中のデイリーパンプスは継続。GivenchyやDries Van Notenのラグジュアリースポーティな表情が今年らしい。Max Maraのシックなカラーは大人向け提案にぴったりの印象。デイリーに履きこなしやすいキトゥンヒールも増加している。

◉スニーカー/Akris、Diorなど上品でシックなデザインやカラー。エレガントなスタイルに合わせたい。◉フラットサンダル/今シーズンは、カジュアル<ナチュラル。価値観の高い素材を使い、シンプルなルックスに。Marni、3.1 Phillip Limなど。

◉マリンモチーフ/Altuzarraはアイテムを横断してシェル使い。エモーショナルな海辺のスタイルを提案。◉ロープ、メッシュ/Monseなど、ロープを足首に巻き付けるアンクルストラップも充実。シースルーには、ビニールに変わりメッシュが登場。

Claudia Li

Altuzarra Altuzarra

Coach1941 Oscar de la Renta

Oscar de la Renta

Missoni

ValentinoLongchamp Ulla Johnson

SUMMER TOTEMサマートーテム◉フリンジ、タッセル/たっぷりとしたフリンジが揺れるさまがセンシュアルなLongchampやCoach 1941。Oscar de la Rentaのタッセルモチーフもたっぷりと。シューズではスエード素材が中心。◉フェザー/美しい色付けで艶やかなニュアンスに。ValentinoやGiambattista Valliに注目したい。

MIGHTY SHOESマイティーシューズ◉スニーカー/Vetments、Acne Studios、Off-Whiteらを中心に、ダッドスニーカーが拡大した。◉ブーツ/ベルトやジップなどをアクセントにした強めのワークブーツ。Celine、Saint Laurentなど。◉ボリュームシューズ/ソールコンシャス傾向が継続。トゥの丸みで見せる、若 し々いボリューム感も。◉フラットサンダル/スポーティな色使いや今シーズンらしい素材とのコンビネーションに注目したい。

FEATURES注目のデザイン&ディテール◉ブーツ/今シーズンは、Isabel Marantらのルーズブーツや、Hermèsなどが提案した夏向けのオープントゥブーツが豊富。◉フェミニンディテール/バレエシューズに見られるギャザーや、アンクレットストラップに注目。

FOCUSED KEY WORDS ファッショングッズの注目ポイント

何と言っても「天然素材」の今シーズン。あらゆるグッズにラフィアやストロー使いが登場した。サンダルのストラップやイヤリングなどの揺れるモチーフには、シェルやパール。大人なムードに仕上げる傾向だ。

フリンジやタッセルも、わかりやすく取り入れやすいディテール。ブーツも、バッグのストラップも、ベルトも、たっぷりと使うデザインが多数。素材は今シーズン増加したスエードが多く使われている。

穏やかであっさりとした質感やディテールが主役の中、ストリートモード感覚の強めのデザインでは、インパクトのあるボリュームや、ポップなイラスト、おもちゃ感覚の楽しいモチーフが目を引く。

Jil Sander

Off-White

Alexander WangMiu Miu

Burberry

ValentinoStella McCartneyMonseAltuzarra

ChloéLongchampLoeweLongchamp

Dries Van NotenAcne StudiosBalenciagaVetments

レッグウェア◉ソックス/素脚で軽やか&ナチュラルなムードを楽しみたい今シーズン。レイヤリングの定番であるレッグウェアはぐっと減少したが、Burberry、Miu Miu、Self-Portraitなどでホワイトやブラック一色のスクールライクなソックスは健在。一部、ライン入りやネオンカラーも。◉ストッキング/ソックス以上に減少傾向だったのが、ストッキング。Acne StudiosもJil Sanderも、一部をオープンにしたデザインで提案。

LEG WEARナチュラル&マリン

フリンジ&タッセル

ストリート&ファン

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NECK WEAR

18 FASHION MD & TREND BOOK FASHION MD & TREND BOOK 19

FASHION GOODS BAG BELT ACCESSORY NECK WEAREYE WEAR HEAD ACCESSORY

Sportmax

Acne Studios

Altuzarra

Preen by Thornton Bregazzi

Christian DiorJil Sander

Roberta Einer

Dries Van Noten

Miu Miu

Ulla Johnson

Marni

Acne StudiosMonse

Jil Sander

Max Mara

Burberry

Balenciaga

Calvin Klein

VetmentsLoewe

Tod's

Saint Laurent

Tod's

Proenza Schouler

Philosophy di Lorenzo Serafini

Preen by Thornton BregazziAgnona

Coach1941

Miu Miu

Celine

Dries Van Noten

Tom Ford

SportmaxValentino

Michael Kors Collection

ACCESSORY

EYE WEAR

HEAD ACCESSORYヘッドアクセサリー

アクセサリー◉デリケートデザイン/華奢なデザインが豊富なシーズン。Jil Sanderや、Roberta Einerの重ね付けなどネックレスを中心に、Diorらのイヤリングも小ぶりで愛らしい。◉シェル、パール/イヤリングやネックレスに揺れるのは、自然の形をいかした貝がらやバロックパール。Missoni、Preen by Thornton Bregazzi、Ulla Johnsonなど多数。◉アンクレット/シューズでアンクルストラップサンダルが目立った今シーズン、アクセサリーでも、MarniやSportmaxからアンクレットが登場した。

◉メタル素材/メタルのみでシンプルに作った存在感のあるイヤリングが目を引く。Valentino、Monseなどフープのバリエーションが中心。一部、3.1 Phillip LimやAcne Studiosなどの揺れるデザインも。フープと呼応するようなチェーンネックレスも、Marniなどで登場した。◉モチーフ/Ulla Johnsonのフェザー、Sacaiのコサージュ、Miu Miuは今シーズンらしくラインストーンをフリンジ使い、Dries Van Notenは大小のカラーストーンリングをたくさん指に着けて。コスチューム感覚の楽しさも、スタイリングのアクセントには欠かせない。

アイウェア◉ラグジュアリースポーティ/一枚レンズのスポーティさながら、都会的でシックなデザイン。シンプルなLoeweやTod'sのミラーレンズ、Miu Miuはリボンやラインストーンでフェミニンに。◉スポーツ/Vetments、Stella McCartneyらのリアルスポーツなデザインも継続。Calvin Kleinからはラバーストラップの付いたゴーグルが登場した。◉モチーフ/Balenciaga、Saint Laurentはハートのフレームで。レトロキッチュなムード。◉カラー/今シーズンのカラーフレームは明るいグリーン系、レンズ色はイエローが目立つ。

◉天然素材/天然素材使いの代表の一つである帽子は、Chanel、Valentino共にぐっと艶やか。ラフに仕上げたり、羽のように見せたり、ブリムのデザインにも注目したい。◉ビーチ、アウトドア/Michael Kors Collectionのカラフルなプリントや、3.1 Phillip Limのドロスト付きなども夏らしい。いずれもブリム幅をしっかりとった、深めのデザイン。◉ターバン/オフザフェイスの表情を作るターバンが登場。Tom Fordはニュアンスのあるカラーのバリエーションや、たなびくドレープが美しい。◉アクセサリー/今シーズンはヘッドアクセサリーが豊富だ。アートピース風なDries Van Notenのフェザーや、ドレッシィなCeline。今シーズンのMiu Miuは小さなリボンがアクセント。

ネックウェア◉ブランケット/ランウェイでは、ブランケットはもはや定番。今シーズンはAgnonaやPhilosophy di Lorenzo Serafiniらが、くるくるとコンパクトに持つ、バッグ感覚で登場。◉カジュアルスカーフ/Coach 1941、Preen by Thornton Bregazziのシルキーな素材も、Proenza Schoulerのラフなデニムも、カジュアルな巻き方で。◉プチスカーフ/アクセサリー感覚のプチスカーフが出てきた。Tod'sもSaint Laurentもチョーカー風。Alexander Wangのアンクレットでも見られた。

BAG/FLEX & UTILITYバッグ/フレックス&ユーティリティ◉トート/ランウェイではソフト&ラージなバッグの勢いが止まりそうもない。「リアリティ」がテーマとなった今シーズンは、HermèsやJil Sanderらのシンプルなトートの変形持ちが目を引いた。

◉パフ/トートと並んで多かったのが、ドロストで口をきゅっと絞る巾着バッグ。Victoria Beckhamは脇に抱えるトレンドの持ち方で。Burberryは、コバを見せない内縫いでボストンバックにソフトな膨らみを持たせた。

◉複数持ち/Fendiはポーチ付きベルトをしてショルダーバッグを斜め掛け。Gabriela Hearstは今シーズンらしくトートを脇に抱えて、ネックレスタイプのポーチを首から下げて。バッグの複数持ちが増加した。

LoeweJil Sander

Akris

Hermès

Jil Sander

BurberryVictoria Beckham

Tom Ford

Gabriela HearstFendi

Stella McCartney

Isabel Marant

Eudon Choi

Loewe

Salvatore Ferragamo

Tod'sStella McCartney

Valentino

Claudia Li

Fendi

Coach1941

Sportmax

Acne StudiosToga

Proenza Schouler

LIGHTSOME SPORTSライトサムスポーツ◉ラージサイズ/今シーズンはスポーツもシンプル傾向だ。Togaは体の半分ほどもあるビッグサイズながら、ライトウェイトな素材で軽快に。Acne Studiosのカジュアルな巾着バッグも。◉ワンポイント/Sportmaxのサンダルとのセット持ちやClaudia Liのシューレースが登場。

SUMMER TOTEMサマートーテム◉ラフィア、ストロー、ラタン/軽やかでナチュラルな素材の代表格、天然素材バッグが多くのメゾンから提案されぐんと拡大した。Stella McCartneyやTod'sの上品な素朴さもいい。◉コットン、リネン/布帛使いだけでなく、Isabel Marantのマクラメバッグなども。

Prada

Valentino

Longchamp

Marni

ChanelMiu Miu

Burberry

FEATURES注目のデザイン&ディテール◉ハンドバッグ/クラシカルなデザインががMiu MiuやBurberryで。スタイルの外しにも。◉ミニサイズ/Chanelのように首から下げるペンダントタイプが浮上。◉フリンジ、フェザー/シューズ同様、美しいカラーで。◉プリント/Pradaのダイダイなど服とのお揃いが多数登場。

Alexander Wang

Miu Miu

Valentino

Marni

BurberryChloé

Philosophy di Lorenzo Serafini

BELTベルト◉ロープ/多数登場。Chloéは素朴なリボン風。◉バッグ付き/都会的なデザインにシフトした。◉デリケートデザイン/Marni、Louis Vuittonは、極細のベルトをアクセサリー感覚で。◉太ベルト/バックルにポイント。◉ストリート/フリンジやチェーンの強めデザイン。

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FASHION MD&TREND BOOKDIRECTOR’S VIEWPOINTディレクターズ・レポート

ジャケットスタイルは今季の旬を最も象徴する。セットアップはこな れ 感 が 重要。夏のスリーブレスジャケット(ジレ)にも注目。

◉主催:株式会社ファッションリソースセンター・ファッション情報課 http: //www.trend-seminar.com

DIRECTOR’S VIEWPOINT ���� SPRING& SUMMERNY&EUROPE PRÊT-À-PORTER COLLECTION

◎記事・写真等の無断転載を禁じます。

◉注目のスタイリング

笠原安代(コンサルティング・ファッションディレクター)

'DOWN-TO-EARTH WOMAN' 温暖化など地球環境破壊の脅威と隣り合わせ、社会のダイバーシティを日々生きぬく女性が今、ファッションに何を期待しているか? 役割をそつなく演じるためのアイテム?暑さ寒さをしのげ、取扱い易く心身の自由さ楽しめる機能的素材?親しみやすく、着合わせしやすいデザイン?クラシックなカラーに加えてちょっと気持ちが高揚する色?答えは全てYES!だろう。 「リアリティ」のあるファッション。女性が日々生きることに寄り添い、鼓舞できるファッション。 2019年春夏はタイムレスなシックさや伝統美、あるいはアクティブなスポーツテイストに「艶やかさ」と「ウルトラ・ライト感」を加えたリアル・スタイルに注目。 女性の日常をより快適に美しく、そんな思いを込めてスタイル提案をする。

2019年春夏ファッションテーマ① EVERYDAY ELEGANCE② SMART ACTIVATION③ INNOVATE TRADITION

注目テイスト&キーワード① NEO FEMININITY② TIMELESS CHIC③ LIGHT & SMART④ COOL SENSUAL

Dries Van Noten

Marine Serre

A.W.A.K.E.

ValentinoLoeweClaudia LiStella McCartneyTibiBurberry

20 FASHION MD & TREND BOOK FASHION MD & TREND BOOK 01

2019年春夏市場の方向性とムード

クールで軽快なミニ丈ボトムのスタイリングが冴える。コンパクトなスッキリシルエットは新鮮。機能性をデザインしたボケットディテールが良い。

ボリュームシルエットはライトでしなやかに進化。民族調、ハンドクラフトは素材も色もモダンさと軽快さが肝。

ヒット&ブレイクしそうなスタイル、アイテム&デザイン クリーンで艶感のあるエレガントなリラックススタイルがブレイクしそう。女性の体のラインを感じさせるシルエットが新鮮。イチオシはセットアップスタイル、ウエストマークをしたスタイル、大人のミニスタイルなど。

ジャケット、スリーブレスジャケット(ジレ)、セットアップ、スポーツブルゾン(ウインドブレーカー、パーカー、アノラック等)、ドレスバリエーション、デザインシャツ、ポロ、フロアレングス丈~ミニ丈スカートバリエーション、ロング~ショート丈パンツ、シアー、コーテッド、シャイニー、ストレッチ、タイダイ、プリーツ、ドレープ、ギャザー、ラッフル、ツイスト、パテッド、コルセット、ベルテッド、ポケット付き、インターシャ、刺繍、ジャガード、パッチワーク、マクラメ、レース、カットワーク刺繍、アシンメトリーデザイン、パワーショルダー、太スリーブ、ハイウエスト、ドローストリング、ブレード、チェック&ストライプ柄、ボーダー柄、アニマル柄、ボタニカル柄、民族柄

A.W.A.K.E. Isabel Marant

Dries Van Noten Stella McCartney

3.1 Phillip Lim