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2010年9月29日JICA 北海道大学 連携講座

「企業もハッピー、社会もハッピー：BOP ビジネスの意義、可能性、課題 」

菅原 秀幸www.SugawaraOnline.com/BOP/

貧困で、1年に1044万人が死亡する

発展途上国で暮らす人 → 80人（52億人）

1日2ドル以下で暮らす人 → 40人（26億人）

安全な飲料水が得られない人 → 17人（11億人）

5歳まで生きられない人 → 8人（5億人）

地球に暮らす人が100人だとしたら、、、

5歳まで生きられない人 → 8人（5億人）

十分な栄養を取れない人 → 17人（11億人）

電気が使えない人 → 25人（16億人）

読み書きができない人 → 18人（12億人）（資料）国連開発計画『人間開発報告書2007/2008』

B O P

ase

f B O Pyramidthe

経済ピラミッドの底辺 ＝ 貧困層年収3000ドル以下で生活する人々

BOP (Base of the Pyramid )BOP (Base of the Pyramid )

MOP

TOPT

MOP

TOP

MOP

TOPT

MOP

BOP

M

B

MOP

BOP

MOP

BOP

M

B

3,0003,000ドルドル

4040億人億人

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企業と貧困社会が共に発展する企業と貧困社会が共に発展する新しい新しい2121世紀型ビジネス世紀型ビジネス

「企業利益と社会利益の同時実現

特筆すべき特徴

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「企業利益と社会利益の同時実現

「企業が本業を通じて貧困社会に貢献する」

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MDGsサミット

2010年9月20日～22日

ニューヨークの国連本部で開催

世界１４０カ国の首脳が参集

MDGｓサミット

「従来の支援は開発ではなく、依存を生む面があった」

「国が持続的に発展し、自立できるような援助が必要」

（１）見方援助の対象とみなしてきた貧困層40億人を、ビジネスの対象・パートナーとして見る。

Key word: differentKey word: different

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（２）考え方政府の仕事として考えられてきた社会的な課題の解決に、企業が本業としてアプローチするという考え方。

（３）ビジネス・モデル政府、国際機関、NGOとのパートナーシップ。

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Business cannot do it alone.

民間主導の開発アプローチ

「持続可能なグローバル企業として、利益を上げつつ、世界の貧困層の生活レベルをげ 、世界の貧困層の生活 ルを向上させ、後世のために生態系の健全性を守るビジネスを創造するという民間主導の開発アプローチ」 (Stuart Hart, 2005)

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BOPBOPビジネスのハッピー・スパイラルビジネスのハッピー・スパイラル

潜在ニーズの発掘

BOPペナルティ解消新たな投資

所得向上自立促進

貧困脱出経済成長

BOPペナルティ解消社会課題解決

新たな投資新たな市場

（出所）筆者作成

TOPTOP

TOPTOP

MOPBOP

貧困ピラミッドからハッピー・ペンタゴンへ貧困ピラミッドからハッピー・ペンタゴンへ

MOP

TOP

BOP

TOP

MOP

BOP

MOP

TOP

BOP

MOP

TOP

BOP

TOP

MOP

BOP

現 在

MOP

TOP

2050年（出所）筆者作成

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ヒンドゥスタン・ユニリーバヒンドゥスタン・ユニリーバ(HUL)(HUL)

１．石鹸による手洗い推奨大キャンペーン実施（2002年～2008年）

インド最大の石鹸・洗剤メーカー 1956年設立

パートナーシップ（世銀、ユニセフ、ＵＳＡＩＤ，ロンドン大学、インド政府・自治体）

ヒンドゥスタン・リーバ(HLL) 2007年会社名変更http://www.hul.co.in/mediacentre/pressreleases/2007/HLAnnouncesBoardApprovalForNameChange.aspx

2．地元に密着シャクティ・プロジェクト： 15000人のシャクティ

研究所設置： 世界5大拠点の一つ

グラミン・ダノン・フーズグラミン・ダノン・フーズ

仏食品多国籍企業ダノン＋グラミン銀行合弁企業（2007年設立）

１．低価格で栄養価の高いヨーグルト販売２．グラミン・レディ３．マイクロ・クレジットの活用

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フィリピン・スラム地区でのフィリピン・スラム地区でのヤクルト・レディヤクルト・レディ

処理前 処理後処理中

フロック

水質浄化プロセス

（写真）日本ポリグル提供

汚濁水

バングラディシュの平均的な生活用水

ポリグル・レディによる実演販売

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１．「貧困層ニーズの充足」（社会的、個人的）

BOPBOPビジネスの望ましい姿ビジネスの望ましい姿

従来アプローチ

＋

２．「所得」３．「自立」

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BOPアプローチ

incentiveincentive ownershipownership

BOPBOPビジネスの背景ビジネスの背景

企業⇒利益追求 TOP国際社会⇒貧困削減

新たな市場

MOP

BOP40億人

新たなアプローチ

貧困削減

（出所）筆者作成

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第1期

第２期

第３期

BOPBOPビジネス年表ビジネス年表

（出所）筆者作成10年の遅れ

（１）BOPビジネス支援策の不備

なぜ日本企業は10年遅れなのか？

（２）危機感、世界観、先見性の欠如

（３）CSR意識の遅れとパートナーシップの未経験

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こんな世界で、こんな世界で、界界ビジネスが出来るの？？？ビジネスが出来るの？？？

BOPビジネスの特徴３つ

第一 慈善事業ではなく本業であること。収益のある事業として長期にわたって持続可能であること。

第二 BOP層のかかえる社会的課題（貧困削減 環境第二 BOP層のかかえる社会的課題（貧困削減、環境改善、生活向上）を、革新的で効率的なビジネスの手法で解決すること。

第三 現地の人々をパートナーとして、価値を共有すること。

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BOPBOPビジネスの成功要因ビジネスの成功要因

①明確な企業理念

②強い使命感

事例分析を通して

②強い使命感

③長期的視点

④現場志向

⑤優れた技術・商品・サービス

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BOPBOPビジネス成功のための課題ビジネス成功のための課題

課題１ 中核事業としての位置づけ

課題２ BOP ビジネス向き人材の育成・確保

課題３ 斬新なパートナーシップの構築

国際NGO、マイクロ・ファイナンス機関、国際援助機関、現地政府、etc

企業の将来の競争力のために研究開発への投資が不可欠であるように、新

市場を開拓し競争に勝ち抜くために、BOP ビジネスへの長期投資は不可欠

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① ヤクルト本社 1968年 ヤクルト・レディによる途上国低所得地域での販売

② 日本ポリグル 2009年 バングラディシュでのポリグルレディによる水質浄化剤販売

③ 住友化学 2003年 マラリア予防用蚊帳オリセットネットのタンザニアでの現地生産

④ ヤマハ発動機 1993年 インドネシアにおけるコミュニティベースの浄水機の整備、GSB

日本企業による日本企業によるBOPBOPビジネスの一覧ビジネスの一覧 (順不同)

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⑤ ユニチャーム 2007年 インドネシア、マレーシアで低価格おむつ販売

⑥ キーコーヒー 1974年 インドネシアでトラジャコーヒー農園

⑦ 三菱商事 1998年 モザンビークでのアルミニウム製錬事業

⑧ フマキラー 1990年 インドネシアでの香取線香販売

⑨ 三洋電機 2009年 ウガンダでのLED充電式ランタン

⑩ 味の素 低価格調味料の小袋販売、フィリピン、インドネシア、ペルー、ナイジェリア

⑪ マンダム インドネシアにおける化粧品の小袋販売

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BOPビジネスのモデル

製品・サービスの共創

消費者

製品・サービスの受け手

起業家

製品・サービスの届け手

ＢＯＰビジネスのヴァリュー・チェーンＢＯＰビジネスのヴァリュー・チェーン

教育・トレーニング

29www.SugawaraOnline.com/BOP/どこでＢＯＰと組むのか？

研究開発企画設計

調達 販売・マーケティング

生産 サービス 市場

BOP as Co-inventor, BOP as Producer, BOP as Consumer

ＢＯＰＢＯＰビジネスのビジネスの３つのアプローチ３つのアプローチ

企 業

①② ③

BOP

NGO 国際機関

配布・補助金付販売協同販売

直接販売

（出所）佐藤寛「BOPセミナー資料」より筆者作成

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世界の動向世界の動向

「国連ミレニアム開発目標 （MDGs）」UNDP - Growing Sustainable Business (GSB)

「持続可能な発展のための世界経済人会議

31www.SugawaraOnline.com/BOP/

(WBCSD)」持続可能な生計プロジェクト (Sustainable Livelihood: SL)

途上国でのビジネス支援スキームドイツのDeveloPPP(1999年) 、英国DFIDのBusiness Linkage Challenge Fund（2000年）米国USAIDのGDA（2001年） 、デンマークのIPD Programme (2001年)

日本の動向日本の動向

JICA BOPビジネス促進制度

BOPビジネス推進プラット・フォーム

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BOPビジネス？ 政府・国際機関

BOP

NGO

ODA 民間支援

企 業

ソーシャル・ビジネス BOPビジネス

社会起業家

21世紀のキーワード

Sustainability

“INSPIRE”

The mediocre teacher tells.（二流の教師は、ただ話す）

The good teacher explains. （よい教師は、うまく説明する）

The superior teacher demonstrates. （すぐれた教師は、自分でやってみせる）

The great teacher inspires. （偉大な教師は、実際にやってみようという気にさせる）

(William Arthur Ward)

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（１）日本のBOPビジネスの今がわかる⇒経済産業ジャーナル平成22年9・10月号特集 チャンスは世界に！ＢＯＰビジネスhttp://www.meti.go.jp/publication/data/2010_09.html

（２）BOPビジネスの研究成果の最先端が分かる⇒BOPビジネス研究サイトBOPビジネス研究サイトhttp://www.SugawaraOnline.com/BOP/

（３）BOPビジネスのポイントが簡潔に分かる⇒大和証券グループ対話で考えるCSR 第28回：｢BOPビジネス｣http://www.daiwa-grp.jp/csr/dialogue/

ご清聴有難うございました。